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Key Words
九州理学療法士学術大会 2019 in 鹿児島黎明学会
九州理学療法士学術大会 2019 in 鹿児島 黎明学会
P08-5
【はじめに】
当院は大腸肛門病センターとして、大腸、肛
門の器質的疾患や直腸肛門の機能障害に対して
の診断・治療を行おり、リハビリテーション
科は、便秘や便失禁症例に対する直腸肛門機
能訓練に取り組んでいる。便失禁症は、2017
年に発刊された便失禁診療ガイドラインによ
ると、65 歳以上の有症率は男性 8.7%、女性
6.6%とされており、専門的な保存治療の一つ
に骨盤底筋群に対するバイオフィードバック
(biofeedback:BF)療法が行われ、治療の有
効率は 70%前後と報告されている。当院でも
便失禁症例に対しては筋電図 BF 療法を用いて
いるが、収縮方法を獲得できない症例を経験す
る。このように通常の BF 療法では骨盤底筋群
の収縮を獲得できない症例に対して、内閉鎖筋
膜は肛門挙筋に起始を与えると報告されている
ことから、股関節外旋筋の収縮をさせることで
骨盤底筋群の一つである外肛門括約筋の収縮を
得ることが出来るのではないかと考え、検討を
開始(第 6 回運動器理学療法学会で報告)した。
今回、外旋筋を用いた骨盤底筋収縮に関する検
討を継続した結果を報告する。
【対象と方法】
2018 年 5 月から 12 月に当院で骨盤底筋群
に対する BF 療法を行った症例の中で無作為に
選出した 26 例(男性 4 例、女性 22 例、平均
年齢 66.7 ± 17.0 歳)を対象とした。対象者
の受診動機は、便秘 14 例、便失禁 18 例、そ
の他 3 例(重複あり)であった。方法は、対象
者をシムス体位(左側臥位)とさせ、検査者が
外肛門括約筋に電極(幅 5mm)が密着するよ
うに棒型双極電極を肛門に挿入する。筋電図(日
本光電社製 MEB-9400 シリーズ)を用いて外
肛門括約筋収縮時の積分値(S:squeeze)を
安静時の積分値(R:rest)で除した値(S/R)
を外肛門括約筋の収縮力とした。次に対象者を
腹臥位とし、股関節中間位、膝関節 90°屈曲
位から両側の踵部を合わせるように股関節外旋
筋の収縮を促し、外肛門括約筋の S/R を求めて
シムス体位との収縮力の違いを比較した。統計
学的処理には Wilcoxson の符号順位検定を用
いて検討した。
【結果】
外肛門括約筋の収縮力 S/R は、シムス体位の
2.95(1.68 〜 7.67)に対して腹臥位での股関
節外旋筋収縮では 4.80(2.32 〜 7.70)と有
意(p<0.01)に収縮力は強くなった。しかし、
外旋筋の収縮よりもシムス体位での収縮力が強
い症例を 4 例に認めた。3 例は外旋筋の収縮を
行わせた方がシムス体位よりも持続収縮が可能
であり、1 例は安静時の活動電位も高まってい
たため、収縮力としては低下していた。
【考察】
内閉鎖筋と肛門挙筋の関係に関しては様々な
報告が散見されるが、臨床的には股関節外旋筋
の収縮を促すと、肛門は腹側へ引き込まれるよ
うに動くのが確認される。内閉鎖筋膜は肛門挙
筋に起始を与えており、内閉鎖筋は骨盤底にお
いて肛門挙筋と密接な関係にあるとの報告(田
巻ら)から、骨盤底筋群に対する BF 療法の効
果を高める事が期待できると考えられる。
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倫理的配慮、説明と同意
当研究は、大腸肛門病センター高野病院倫理委員
会の許可(第 18-03 番)を得て、充分な倫理的な配
慮を行い実施した。
骨盤底筋群 / 内閉鎖筋 /BF 療法
1) 大腸肛門病センター高野病院 リハビリテーション科 2) 大腸肛門病センター高野病院 検査科
3) 大腸肛門病センター高野病院 大腸肛門機能科
槌野 正裕1)
荒川 広宣1)
小林 道弘1)
清田 大喜1)
岩下 知裕1)
堀内 大嗣1)
中島 みどり2)
高野 正太3)
骨盤底筋群の収縮と股関節外旋筋の収縮に
関する検討
〜外肛門括約筋筋電図を用いての検討〜
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九州理学療法士学術大会 2019 in 鹿児島黎明学会
九州理学療法士学術大会 2019 in 鹿児島 黎明学会
P08-4
【目的】
成人期の脳性まひ(CP)者は、加齢による
運動機能低下が早期に出現すると予想される。
機能低下による不動が続くと、筋量が減少し基
礎代謝が低下して、体脂肪増加や体重増加を招
きやすい。体重増加を抑制するため食事量制限
が行われると、QOL 低下の要因となる。この
悪循環を回避することを目的にベルト電極式骨
格筋電気刺激法(B-SES)を実施し、筋収縮を
促すことで骨格筋量が増加したので報告する。
【症例紹介】
50 歳代男性。診断名は CP. アテトーゼ型四
肢まひ。GMFCS レベルⅣ相当。身長 164cm
体重 61.6kg。独居で必要に応じてヘルパー支
援を利用。移動は電動車椅子にて自立している
が、その他の ADL は全介助。以前は介助立位
可能であったが、現在は下肢筋力低下のため困
難である。
【方法】
B-SES を 週 1 回 3 ヶ 月 間 実 施。 機 器 は
G-TES(ホーマーイオン研究所社製)を使用。
周波数は 20Hz で設定し、刺激時間は 5 秒間出
力後休止を 2 秒、このサイクルを 20 分間実施。
治療肢位は背臥位とし、ベルトは腹部、両大腿
部、両下腿部に装着。刺激強度は、本人の耐
えうる最大強度とした。体組成評価は InBody
S10(インボディジャパン社製)を使用し、骨
格筋量、体脂肪量、左右上肢筋量、左右下肢筋
量を 1 ヶ月毎に評価。骨格筋量指数(SMI)は、
四肢骨格筋量(kg)÷身長(m)2
で算出。実
施前後の食事量は一定とした。
【結果】
体重61.6kg→62.5kg。
体脂肪量25.5kg→25.7kg。
全身の骨格筋量 18.7kg → 19.2kg。
上肢筋量右 1.6kg → 1.6kg、
左 1.9kg → 1.8kg。
下肢筋量右 5.4kg → 5.9kg、左 5.4kg → 5.9kg。
SMI 5.3kg/m2
→ 5.6kg/m2
。
ADL は著変なく全介助だが、「 足に力が入りや
すい 」 との訴えがあった。
【考察】
CP を持つ方に疼痛に対して電気刺激を用い
た報告(騠木 2015)はあるが、骨格筋量増加
に関する報告は少ない。今回、体重と体脂肪
量は増加し、身体全体の骨格筋量と下肢筋量、
SMI も増加した。SMI の成人男性カットオフ値
は、7.0kg/m2
で あ る(Chen LK 2014)。 本
症例は実施前 5.3kg/m2
だが、B-SES で筋収縮
を促し最終で 5.6kg/m2
に増加した。電気刺
激を大腿四頭筋に行うと、低い運動強度でも解
糖系エネルギー利用の高い速筋線維の動員が可
能となり、筋エネルギー消費と糖代謝を活性化
される(森谷 2004)。よって速筋線維の活動
量が増加したことで、骨格筋量が増加したと推
察する。しかしながら ADL に変化がなかった
原因は、実施回数の少なさと実施期間の短さで
あり、これらを増やす必要があると考える。ま
た B-SES により下肢の可動域制限が改善される
(中島 2017)報告もあり、運動の効果を十分
に享受できない GMFCS Ⅳ、Ⅴの方にとって
B-SES は、代替的な運動手法として期待できる。
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倫理的配慮、説明と同意
対象者に説明を行い、書面上にて同意を得た。ま
た当センター倫理委員会の承認を得ている。
脳性まひ /B-SES/ 骨格筋量
佐賀整肢学園こども発達医療センター
田中 慎太郎 松本 力 前田 伸也 高杉 紳一郎
ベルト電極式骨格筋電気刺激法を実施して
骨格筋量が増加した成人期脳性まひの 1 症例