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過疎地域における社会的居場所の 円滑な運営方法の検討 ─地域包括支援センター職員へのインタビュー調査から─

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1. 問題意識

「住み慣れた地域・自宅で最期まで自分らしく 老いることのできる社会」の実現を指す,“Aging in Place”は,超高齢社会を迎えたわが国にとっ て重要なキーワードである。その背景には,高齢 化,少子化,人口減少といった人口構造の変化が もたらす福祉課題への懸念がある。中でも,高齢 者の単独世帯,夫婦のみ世帯割合の急増に伴う社 会的孤立が改めて注目されている。 高齢者の社会的孤立への対策は,この問題が帰 結する孤立死・孤独死がマスメディアにセンセー ショナルに取り上げられたことなどから「孤独死 老人追跡調査(全国社会福祉協議会・全国民生児 童委員協議会,1974)」が行われ,以降,都市部 を中心に友愛訪問や高齢者福祉電話,緊急通報サ ービスなどへと拡大する(岩田・黒岩,2004)。 他方,1994 年から地域福祉活動を推進し,社会 参加を促すことで,閉じこもりの予防や孤立の軽 減,介護予防のねらいを持つ「ふれあい・いきい きサロン(以降,「サロン」と示す)」が開始し, 以降,全国的に拡大した(さわやか福祉財団, 2016)。 このような背景のもと,国土全体を人口構造の 視点から俯瞰すると,大都市圏では急速な高齢化 と共に総人口が増加する見込みである。その一方 で,地方圏では継続的な人口減少と高齢化,単身 化,無居住化が進展することが予測されてい る 注 1 。特に人口減少の著しい過疎地域では,支 注 1 国土交通省 2011 国土審議会政策部会第 2 回長 期展望委員会 資料 3:国土の長期展望に向けた 検討の方向性について http://www.mlit.go.jp/common/000134593.pdf (2019 年 10 月 28 日検索)

過疎地域における社会的居場所の

円滑な運営方法の検討

─地域包括支援センター職員へのインタビュー調査から─

齋藤 建児

* 旭川大学保健福祉学部 本研究は,過疎地域における社会的居場所の円滑な運営方法の検討を目的とした。本調査は,山形県酒田市の 中から,中心市街地,人口集中地区,混住化が進む地域,農村地域の地域包括支援センター職員を対象に半構 造化面接を行った。研究方法は,KJ 法を用いて探索的に検討した。その結果,①地域包括支援センターが地 域住民へ社会的居場所の必要性を説明するとことで,主体性が引き出され,社会的居場所の立ち上げや円滑な 運営が可能になる。②生活支援コーディネーターが地域のストレングスを生かす視点に基づき,地域住民のサ ポーターや既存の組織と協働することにより社会的居場所の運営が円滑になる。③地域包括支援センターは社 会的居場所の運営支援を通じて地域診断が可能になるため,顕在化,潜在化した問題の把握が可能となる。④ 移動困難な地域は,既存の空きスペースを活用することより,社会的居場所の不足を補うことにつながる。以 上,4 つの知見が示された。 キーワード ⇒  過疎地域,社会的居場所,円滑な方法,KJ 法 *[連絡先](勤) 〒079-8501 北海道旭川市永山 3 条 23 丁目 1 番 9 号

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原著 研究報告 え合いの脆弱化が懸念される。従来は,過疎地域 での支え合いは,古くからの近隣関係が維持され ているため孤立しにくいとの考えがあった。しか し,顕著な人口減少などが起因し,交流機会の減 少 注 2 や別居家族関係や顕著な友人関係の縮小 (山本, 1996) など集落機能の脆弱化が進行し, 家 族関係や地域関係から疎遠となり,社会的ネット ワークから漏れてしまう一定の高齢者が確認され ている(後藤・山崎・飯村・松坂・菊地,1990)。 加えて,過疎地域自立促進特別法の改正により適 用された,いわゆる「みなし過疎」や「一部過 疎」においても,市街地の縮小と人口減少による 低密度化や農家と非農家の混住化がもたらす集落 の統合機能の衰退への懸念がある(二宮・中藤・ 橋本,1985)。 これらの懸念に対して,先述のサロンなどは, 高齢者の社会参加を促す居場所として,孤立の軽 減などが期待される。しかしながら,そのことに ついて幾つか課題が指摘されている。たとえば, 地域において自然に人が集えるのは人間関係の結 びつきが強い一部の地域だけで,ほとんどは,あ えて仕掛けなければ生まれない(さわやか福祉財 団,2016),あるいは,運営は組織構成や管理者 の資質によるところが大きい(中村,2009),3 割弱が活動中止の意向を示している(金井・大川, 2008)といった指摘である。加えて,過疎地域で は市町村合併や人口減少などの影響から,地域集 団活動の衰退化(高野,2009)や担い手不足など の課題が複合化しており,社会参加を促す居場所 の運営方法について検討する意義があると考える。 そこで,本研究では過疎地域において社会参加 を促す居場所の運営方法について探索的に検討す ることを目的とした。調査対象地域は,地域コミ ュニティの脆弱化が懸念される観点から,市街地 の縮小と人口減少による低密度化,人口減少と高 齢化が同時に進展する「過疎地域とみなされる区 域を有する市町村」の中から選定することとした。 調査は,上記の自治体において,地域で社会参加 を促す居場所の運営を支援する地域包括支援セン ターの職員を対象として,半構造化面接を行った。

2. 方法

2-1 本研究で用いる鍵概念の定義 本研究のキーワードである「居場所」の概念や 認識は一定ではなく,研究においても明確な定義 がされていないという指摘がある(中島・廣出・ 小長井,2007;石本,2009;中村,2017;上野・ 菊池・長田,2017)。しかし,「高齢者の居場所」 の研究では,大川(2003)が生涯発達の観点から 指摘したように,老年期は「獲得したものの喪 失」が課題である。そのため,高齢者が喪失を感 じないような「自分が必要とする」あるいは「必 要とされる」関係構築に資する「居場所」の必要 性が高いといえよう。「高齢者の居場所」の分類 をみると「自宅や介護老人福祉施設や病院などの 物理環境を認識する場合」を物理的居場所,「人 とのつながりや役割が得られる場所」を社会的居 場所,「居心地の良さや心の拠り所と認識された 場所」を心理的居場所とする知見がある(上野ほ か,2017)。本研究で関心を寄せる「地域コミュ ニティにおける社会参加」は「家庭外での対人活 動」をその範囲と考えており,上野ほか(2017) の分類でいう「人とのつながりや役割が得られる 場所」すなわち「社会的居場所」に該当し得る。 以上の検討から,本研究ではこれらの知見に倣い 「地域コミュニティにおいて社会参加を促す居場 所」を「社会的居場所」と定義して論ずることと した。 2-2 調査対象および調査時期 本研究では「過疎地域自立促進特別法」に基づ く過疎市町村の中から,「過疎地域とみなされる 区域を有する市町村(33 条 2 項)」に該当する山 注 2 総務省 2015 過疎地域等における今後の集落対 策のあり方に関する提言 過疎問題懇話会 http://www.soumu.go.jp/main_content/000350587. pdf (2019 年 10 月 28 日)

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No. 対象エリア 対象機関 性別 職種名 1 中心市街地 A 男 社会福祉士兼生活支援コーディネーター 2 中心市街地 A 女 保健師 3 人口集中地区 B 女 社会福祉士兼生活支援コーディネーター 4 人口集中地区 B 女 看護師兼介護支援専門員 5 農村と住宅街の混住化地域 C 女 看護師兼介護支援専門員 6 農村と住宅街の混住化地域 C 男 社会福祉士兼生活支援コーディネーター 7 農村地域 D 女 保健師 表 1 分析対象者の管轄エリアと属性 形県酒田市(以降,「酒田市」と表記)を対象と した。調査対象を選定する際は,本研究の問題意 識に基づき,過疎地域における人口減少の見られ る都市部と過疎部に分けて,酒田市介護保険課に 依頼した。調査対象は,表 1 に示す通り酒田市内 の地域包括支援センター10 事業所の中から都市 部に該当する中心市街地の A 事業所,人口集中 地区の B 事業所,過疎部からは農村と住宅街の 混住化が進む地域の C 事業所,農村地域の D 事 業所の計 4 事業所を選定した。調査対象者は,保 健師 2 名,看護師兼介護支援専門員 2 名,社会福 祉士兼生活支援コーディネーター3 名の計 7 名で, 調査は 2019 年 3 月から 4 月にかけて行った。 2-3 調査方法 本研究では調査対象者に対して半構造化面接を 行った。社会的居場所の運営と課題を捉えるため には,観察,面接,質問紙など様々な手法を包括 的に用いることが望ましいかもしれない。しかし, 本研究では支援者がみる,運営の手法と課題を探 索的に検討することが目的であるため,本手法を 用いることとした。半構造化面接では,社会福祉 学を専門とする研究者をインタビュアーとし,① 社会的居場所の運営を円滑にするための要因,② 社会的居場所によりもたらされる成果と課題につ いて尋ねた。調査場所は,各調査対象の地域包括 支援センター内で,調査時間は 1 回あたり 40 分 程度とし,許可を得て IC レコーダーに録音し, 逐語録を作成した。 2-4 分析方法 分析方法は,定性データに対して,探索的に本 質へ迫る特性を持つ KJ 法(川喜田,1996)を用 いることとした。また,分析の妥当性を担保する ために KJ 法の教育者である霧芯館主宰の川喜田 晶子氏からスーパーバイズを受けた。分析手順は 以下の通りである。 はじめに逐語録を熟読し,データの全体感を把 握した上で「高齢者の社会的居場所の円滑な運営 に資する要因と課題」に関係がありそうな内容を, 調査対象者の意図を恣意的に歪めないように留意 して表現を整えた。次に,それらを適切に単位 化・圧縮化してラベルに落とし込み,そのラベル を用いて,広義の KJ 法に位置づく「探検ネット」 と呼ばれる方法で図解を作成した。「探検ネット」 では,データの全体感と質のバラエティーの把握 を行うことから,適切な取材がなされているかど うか吟味することができる。「探検ネット」の作 成では,模造紙の中央にテーマを記載し,データ の質のバラエティーが把握できるようにラベルを 配置して図解化し,テーマをめぐって 360 度から 偏りなくデータが表出されているかを確認した。 次に「多段ピックアップ」という技法で,段階的 にラベルをピックアップしラベルを精選した。 上述のピックアップしたラベルをもとに,狭義 の KJ 法のラベル群のグループ編成を行った。こ

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原著 研究報告 図 1 本研究で用いた関係線の種類

因果関係

相関関係

反対

こでは,ラベル群の全体感を背景として,ラベル の訴えかけの相対的な近さを吟味してセットにし た。その際,同一の単語にとらわれた分類や論理 的なストーリーで繋ぐことのないよう留意した。 集まったラベルは 1 つのラベルに統合化した(「表 札づくり」と呼ばれる)。セットにならないラベ ルは「一匹狼」と名付けた。この後,同様のグル ープ編成の行程をラベルが 10 束以内になるまで 繰り返した。この統合された集まりは図解上では 「島」と呼ぶ。図解化では論理的に落ち着きの良 い空間配置を行うとともに,島に対して「シンボ ルマーク」と呼ばれる象徴概念を付し,島同士の 関係を関係線で繋ぎ構造化した。 図解を叙述する際は,各島の象徴概念であるシ ンボルマークは【 】,グループ編成の第 1 段階 の表札は〈 〉,グループ編成の第 2 段階の表札 は《 》として示す。図解においては,文末に記 した①はグループ編成の第 1 段階の表札を,②は グループ編成の第 2 段階の表札であることを示す。 また,図解において,ラベルや表札末尾の●印は, 一匹狼の印であり●の数が,何段階目のグループ 編成時に一匹狼になったかを示している。図解上 の関係を示す記号は図 1 に示す。 2-6 倫理的配慮 本調査は東北公益文科大学研究推進委員会の倫 理審査の承認を受けて行った。調査対象者へは, 口頭と文書で研究の趣旨,データの保管,管理の 徹底や結果公表の際のプライバシー保護を徹底す る旨を説明し,自由意思の尊重と匿名性を遵守し た。

3. 結果

狭義の KJ 法を用いて図解化した結果を図 2 に 示す。上述した手順に基づき,逐語録から 96 個 のラベルを作成した。以降,多段ピックアップを 経て 50 個のラベルで狭義の KJ 法を実践し,2 段 階のグループ編成によりラベルを 10 個の島に統 合した。以下では,この 10 個の島を元に図解の 構造を述べる。 まず,社会的居場所に対して【目配り機能への 期待】と【壁を取り払いたい】というニーズがあ る。すなわち,地域包括支援センターは,社会的 居場所に集う地域住民に対して,支援の行き届き にくい孤立,潜在化した高齢者を配慮する【目配 り機能への期待】を持つ。また,高齢者の集まり 以外にも,世代やプログラム,地域の垣根を超え た多様な居場所が求められており【壁を取り払い たい】という認識が示された。次に,運営を円滑 にする要諦として【ベースは人とのつながり】と いう基軸が示された。この基軸から,行政や地域 包括支援センターは地域住民の【主体性の尊重】 をしつつ,側面的に支援する重要性が示された。 さらに,自治会などの【既存の力】や【“ 人財 ” 活用】により,社会的居場所の質が高まることが 示唆された。この他,社会的居場所を運営するう えで住民同士が【気負わないつながりを!】持つ ことが重要との知見が示された。一方で,社会的 居場所へのニーズがあるにも関わらず,物理環境 の障壁や移動問題が参加を困難にする【マッチン グの壁】や,それより生じる【通所困難者の発 生】という課題が挙がった。他方,地域包括支援 センターの職員が地域コミュニティにアプローチ する際【コミュニティの“ 癖 ”がハードル】と いう,地域区分の特性やつながりの希薄化がもた らす認識が示された。 以上のように,社会的居場所を円滑にするため

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には,地域住民の主体性や自然発生的なつながり が重要であることが示された。その一方で,移動 や物理環境の課題,住民同士のつながりの希薄化 など,地域住民の主体性だけでは解決できない実 態も読み取れた。それゆえに,行政や地域包括支 援センターの側面的な支援は不可欠であり,主体 性が求められる住民側と,支援する側との協働す るバランスが,社会的居場所の運営を推進するう えでの要諦と読み取れた。これらを踏まえ,図解 のタイトルは「自然な地域力活用の“ 按配 ”」と した。以下に,各島の詳細を述べる。 【目配り機能への期待】の島では,《介護保険制 度・行政では支援の届きにくい,孤立や潜在化し たニーズに対し,居場所の役割・機能が期待され る》ことが見出された。すなわち,〈居場所のお かげで,行政からは見えにくい潜在的な要支援者 の情報が得られる〉,〈居場所を軸にすることで, セーフティーネットが強固でもれ落ちの無いもの になる〉ことが期待されている。その背景には, 「孤立しがちな人は介入されるのを好まないので 遠目から見守るのが実情」という課題があり「介 護保険制度には限度があるので共生の拠点として 居場所に期待する」あるいは「居場所を軸にする ことで,セーフティーネットが強固でもれ落ちの 無いものになる」,「居場所には地域診断する機能 がある」といった期待が背景としてある。 【壁を取り払いたい】の島では,《世代やプログ ラム,地域の垣根を超えた多様な居場所が求めら れている》といった社会的要請が示された。すな わち,「多世代が集える居場所ができることへの 期待がある」,「住民が行きたい会場へ行ける体制 づくりが望まれる」といった内容を指しており, これらを実現するために「地域に多世代が集える コミュニティカフェのニーズがあるが行政と包括 の支援が求められる」ことが示された。 【ベースは人とのつながり】の島では,「運営が うまくいくためには人とのつながりが最も重要」 であることが示された。 【“ 人財 ”活用】の島では,社会的居場所を運 営するリーダーや支えるサポーターの重要性が示 された。まず,リーダーについては〈居心地の良 い環境づくりのできるリーダーがいると運営がう まくいく〉ことが示された。その背景として「参 加者が話しやすい雰囲気のリーダーがいる地区は 運営がうまくいく」,「リーダーが地域に居場所の ある意義を理解できていると運営がうまくいく」 という要素が浮上した。サポーターについては 〈参加者を支えるサポーターに元気な高齢者を巻 き込むことが運営をうまく進める鍵〉が示され, それは「サポーターはみんなのためと思い手伝っ ている」という前提のもとで,「元福祉関係者が サポーターになると運営する際に助けになる」こ とや「定年後の高齢者を引き込むことがうまく運 営する際の課題」が挙がった。その他,「ボラン ティア制度を活用する地区もある」という工夫も 示された。他方,〈運営サポーターを増やすこと で,住民の紐帯が強まる効果が期待できる〉とい う見解が示され,サポーターを増やすために「回 覧板でサポーターの募集に役立てた」,「研修など でサポーターを増やすことで運営がうまくいく」 と認識している。 【既存の力】の島では,〈自治会など,既存組織 がうまく機能していると,行政と協働しやすい〉 と考えており,それは「自治会長が任期制のため うまく世代交代ができている」,「自治会や老人ク ラブ等の既存組織は補助金をうまく活用してい る」ことが挙げられる。 【気負わないつながりを!】の島では,社会的 居場所の運営を円滑に進めるために《自然発生的 で気軽なつながり・ニーズ・情報伝達を生かした い》という示唆が浮かび上がった。すなわち, 〈週に 1 度は社会的居場所で顔を合わせると互い に気遣う関係ができる〉,「社会的居場所では週 1 回顔を合わせるので,そこに意義がある」,「社会 的居場所で週 1 回顔を合わせることで互いを気遣 うようになった」という,つながりが強まる実感 があり,それがもととなり「口コミで居場所が波 及している」という見解が示された。これ以外で

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原著 研究報告 は,〈住民からはお茶飲み程度で使える居場所の ニーズがある〉が,その一方で〈農村地域では畑 やビニールハウスがたまり場になる〉という自然 発生的な事例も示された。 【マッチングの壁】の島では,地域住民から社 会的居場所の〈ニーズはあるが物理環境面の活用 が難しい〉という見解が示された。その背景には, 「お茶飲みできるような居場所のニーズはあるが 適当な場所がない」,「空き家を活用したいが使え るまでのハードルが高く住民は関わりたがらな い」,「お茶飲みできるような居場所のニーズはあ るが適当な場所がない」という住民側からの要望 はあるが,地域の物理環境が障壁になっている実 態が示された。 【コミュニティの“ 癖 ”がハードル】の島では, 地域包括支援センターの担当者は,社会的居場所 の運営を支援する際〈コミュニティごとの特性や 脆弱さによって,アプローチの難しさが生じる〉 と考えていた。つまり,「住民によってコミュニ ティの特性が異なるためアプローチが難しい」こ とや「新興住宅地はコミュニティが十分に確立し ておらずアプローチが難しい」,「自治会によって ルールが異なるため地区間の交流が進まない」と いった地域コミュニティが持つ特性が障壁になっ ているという見解が示された。 【通所困難者の発生】の島では,社会的居場所 へ通う高齢者の中には「老化で車の運転が難しく 通えなくなった人がいる」,「居場所へ通うまでの 路面が悪い場合は車で通わざるを得ない」という 事例が示された。 【主体性の尊重】の島では,社会的居場所を運 営する際の課題として〈住民個々に,社会的居場 所への切実で主体的なニーズが無いと,立ち上げ や運営はうまくいかない〉という根本的な考えが 示された。その背景には「地域のリーダーがいな くなると存続しなくなることがある」,「社会的居 場所の情報が住民に伝わらないと立ち上がりにく い」,「住民が主体となって社会的居場所を立ち上 げないと後々トラブルになる」といった課題があ る。他方で,社会的居場所を円滑に運営する要因 として〈行政が,住民の主体性を大切にして社会 的居場所開設の後押しをするとうまくいく〉とい う知見が示された。すなわち,「社会的居場所の 立ち上げ支援の際は手順があるとわかりやすい」, 「社会的居場所の必要性が伝わると住民からやり たいという声が上がる」,「広報で社会的居場所に ついて周知をした」,「生活支援コーディネーター が時間をかけて地域とつながると立ち上げがうま くいく」といった地域住民の主体性を喚起する知 見である。さらに,社会的居場所を円滑に運営す るには〈行政の,社会的居場所運営への関わりは, 按配が大切である〉,「行政が立ち上げを部分的に 支援する影響は大きい」という見解がある。その 一方で「社会的居場所の運営に包括が関わりすぎ ると継続しない」というジレンマが語られた。こ のジレンマに対して〈包括は社会的居場所の運営 がうまく進むように見守り,側面的に支えること が鍵〉と考えており,地域包括支援センターは 「住民からの相談はいつでも応じるように心がけ ている」,「地域の社会資源を住民に示して整理す るのが包括の役目」,「包括は住民からのプログラ ムニーズに応えるのが仕事」と捉えていた。その 他,地域住民のニーズに応えるべく「民間でも場 所を提供するケースがある」という事例が示され た。

4. 考察

本研究では,社会的居場所の円滑な運営方法と 課題を探索的に検討するために,地域包括支援セ ンターの専門職へ半構造化面接を行った。その結 果を狭義の KJ 法により図解化したところ,地域 包括ケアの推進を担う地域包括支援センターは, 社会的居場所において住民相互の【目配り機能へ の期待】を持っていることが明示された。その背 景には「介入されることを好まない」ような,い わゆる介入拒否事例に対する地域包括支援センタ ー職員の苦慮が推察された。そのために,地域包

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図 2 KJ 法図 孤立しがちな人は介 入されるのを好まな いので遠目から見守 るのが実情● 社会的居場所には地 域診断する機能があ る● 住民から虚弱 な人の情報が 入り介護保険 の受給につな がった サポータ ーが潜 在化した配慮を 要する人の情報 を提供してくれる ので助かる 社会的居場所のおかげで,行政か らは見えにくい潜在的な要支援者 の情報が得られる① 社会的居場所を 軸と して繋がり が強まると 孤立 している人の見 守りやサポート ができる 社会的居場 所を軸にして 住民同士繋 がっていくこと に期待する 社会的居場所を軸にすること で, セ ーフテ ィ ーネッ ト が 強 固 で もれ落ちの無いものになる ① 介護保険制度には 限界があるので共 生の拠点として社会 的居場所に期待す る● 多世代が集える社会的居 場所ができることへの期 待がある 地域に多世代が集えるコミュニティカフェの ニーズがあるが行政と包括の支援が求めら れる 住民が行きたい会場へ行 ける体制づくりが望まれる 運営がうまくいくため には人とのつながり が最も重要●● ニーズはあるが物理環境 面の活用が難しい① 空き家を活用したいが使え るまでのハードルが高く住 民は関わりたがらない お茶飲みできるような社会 的居場所のニーズはある が適当な場所がない 地域で空いている場所を 有効に活用したい● 老化で車の運転が難しく通えなくなった 人がいる 社会的居場所へ通うまでの路面が悪い 場合は車で通わざるを 得ない 自治会によってルールが 異なるため地区間の交流 が進まない● 住民によってコミ ュニティの特性が 異なるためアプロ ーチが難しい 新興住宅地はコ ミュ ニティが十分 に確立しておらず アプローチが難し い コミュ ニティごとの特性や脆弱さによっ て,アプローチの難しさが生じる① 社会的居場所 の立ち上げ支 援の際は手順 があるとわかり やすい 広報で社会的 居場所につい て周知をした 社会的居場所の 必要性が伝わる と住民からやり たいという声が 上がる 地域が時間をかけて地域と つながると立ち上げ がうまくいく 行政が,住民の主体性を大切にして社会的居場所 開設の後押しをするとうまくいく① 住民個々に,社会的居場所への切実で主体 的なニーズが無いと,立ち上げや運営はうま くいかない① 地域のリーダー がいなくなると存 続しなくなること がある 社会的居場所の情 報が住民に伝わら ないと立ち上がりに くい 住民が主体となっ て社会的居場所を 立ち上げないと後 々トラブルになる 社会的居場所 の運営に包括 が関わりすぎ ると継続しない 行政が立ち上 げを部分的に 支援する影響 は大きい 行政の,社会的居場所運営へ の関わりは,按配が大切である ① 住民からの 相談はいつ でも応じるよ うに心がけ ている 地域の社会資 源を住民に示 して整理する のが包括の役 目 包括は住民か らのプログラム ニーズに応え るのが仕事 包括は社会的居場所の運営がうまく進む ように見守り,側面的に支えることが鍵① 民間でも場所を提供するケースがある● 自治会や老人クラ ブ等の既存組織は 補助金をうまく活 用している 自治会長が任期 制のためうまく世 代交代ができてい る 参加者が話しや すい雰囲気のリー ダーがいる地区 は運営がうまくい く リーダーが地域 に社会的居場所 のある意義を理 解できていると 運営がうまくいく 居心地の良い環境づくりのできるリー ダーがいると運営がうまくいく① 元福祉関係者が サポーターになる と運営する際に助 けになる 定年後の高齢者 を引き込むこと がうまく運営する 際の課題 ボランティア制度 を活用する地区も ある サポーターはみ んなのためと思 い手伝っている 参加者を支えるサポーターに元気な 高齢者を巻き込むことが運営をうまく 進める鍵① 回覧板でサポー ターの募集に役 立てた 研修などでサポ ータ ーを増やす ことで運営がう まくいく 運営サポーターを増やすこと で,地域住民の紐帯が強まる 効果が期待できる① 住民からはお茶飲み程度で使え る社会的居場所のニーズがある ● 社会的居場所で週 1回顔を合わせる ことで互いを気遣う ようになった 社会的居場所では 週1回顔を合わせる ので,そこに意義が ある 週に1度は社会的居場所で顔を合 わせると互いに気遣う関係ができる① 農村地域では畑やビニ ールハウスがたまり場 になる● 口コミで社会 的居場所が波 及している● 1)2019年9月9日 2)旭川大学 3)酒田市地域包括支援センターへのインタビュー 4)齋藤建児

自然な地域力活用の按配

あくまで住民の主体性を大切にした 行政の関わりによって,社会的居場 所の立ち上げ・運営は円滑に進む② 主体性の尊重 リーダーやサポーターといった 人材次第で社会的居場所の質が高まる② 介護保険制度・行政では支援の届きにくい, 孤立や潜在化したニーズに対し,社会的居場 所の役割・機能が期待される② 自治会など,既存組織がう まく機能していると,行政 と協働しやすい①●● 自然発生的で気軽なつながり・ ニーズ・情報伝達を生かしたい② コミュニティー同士の壁や,コミュ ニティ個々の特性・脆弱さがハード ルになる② 社会的居場所までの 移動が,難しい高齢 者がいる①●● ニーズと空きスペースの 活用とがかみ合わない② 人財活用 目配り機能への期待 ベースは人とのつながり 気負わないつながりを! コミュニティの癖がハードル 壁を取り払いたい マッチングの壁 通所困難者の発生 既存の力 世代やプログラム,地域の垣根 を超えた多様な社会的居場所が 求められている①●●

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原著 研究報告 括支援センター職員は,それらの運営状況の把握 を通じて〈社会的居場所には地域診断する機能が ある〉と認識し,〈介護保険制度には限界がある ので共生の拠点として社会的居場所に期待する〉 と考えられる。他方,住民側も「多世代が集える 社会的居場所ができることへの期待」や「住民が 行きたい会場へ行ける」など,世代や地域の【壁 を取り払いたい】というニーズがある。このため, 社会的居場所の運営を通じて,協働が推進する可 能性が考えられる。その一方で,「住民によって コミュニティの特性が異なるためアプローチが難 しい」,「新興住宅地はコミュニティが十分に確立 しておらずアプローチが難しい」という認識にみ られるように,地域包括支援センターの職員は, 混住化が進む地域など,つながりが弱まる地域へ のアプローチに難渋する実態が読み取れた。加え て,「老化で車の運転が難しく通えなくなった人 がいる」,「社会的居場所へ通うまでの路面が悪い 場合は車で通わざるを得ない」ために【通所困難 者の発生】することや〈ニーズはあるが物理環境 面の活用が難しい〉空き家活用の【マッチングの 壁】が課題として明示された。これらの課題を人 口動態の観点からみると,過疎地域は既に継続的 な人口減少と少子高齢化による集落の小規模化が 進展しており,今後も一貫してその傾向は続き, 2050 年までに現在居住している地域の 2 割が無 居住化する可能性が示唆されている 注 3 。すなわ ち,既に過疎地域で顕在化している空き家の増加 や公共交通の利便性の低下をはじめとする生活問 題の増大が懸念される。 このような課題に対して,小田切(2014)が指 摘する「農山村には,状況に柔軟に対応して,低 下した集落機能を元に復元させる力が存在する」 ことへの期待がかかる。すなわち〈農村地域での 畑やビニールハウスの利用〉が象徴するように, 過疎地域は都市部とは異なる,空白となった空間 や場所の活用が考えられる。そのため,定式化さ れた時間や場所での交流のみではなく,移動,買 い物,通院など生活に合わせた【気負わないつな がりを!】機会として持つことが有効と考えられ る。 では,それらを推進するために必要な要素は何 かを図解から読み解くと「運営がうまくいくため には人とのつながりが最も重要」という認識が示 す【ベースは人とのつながり】が浮かび上がる。 すなわち,リーダーや運営をサポートする【“ 人 財 ”活用】や自治会の組織などの【既存の力】 を生かすことである。その際に重要なことは, 〈住民個々に,社会的居場所への切実で主体的な ニーズが無いと,立ち上げや運営はうまくいかな い〉という前提である。したがって,行政や地域 包括支援センターは,住民側へ社会的居場所の必 要性を喚起する介護予防などの説明が求められる。 そのうえで,行政や地域包括支援センターは〈行 政が,住民の主体性を大切にして社会的居場所開 設の後押しをするとうまくいく〉,〈行政の,社会 的居場所運営への関わりは,按配が大切である〉, 〈包括は社会的居場所の運営がうまく進むように 見守り,側面的に支えることが鍵〉といった,地 域コミュニティの社会的凝集性やリーダーの存在 などを機微に捉え,本来,持つ力を生かしながら 支援する姿勢やスキル,関係性の構築が求められ るといえよう。さらに,〈民間でも場所を提供す るケースがある〉があり,民間や NPO など,そ の地域にある組織も活かして協働を推進する必要 が考えられる。これらの知見をソーシャルワーク の観点から捉えると,行政や地域包括支援センタ ーには,地域コミュニティへのアセスメントやプ ランニング,支援およびエンパワメントするスキ ルや経験が求められ,これに伴う研修等も必要と 考える。 ここまでの内容をまとめると,過疎地域におい て社会的居場所を円滑に運営する方法と課題に関 注 3 国立社会保障・人口問題研究所 日本の将来推計 人口 ─平成 28 (2016) 〜 77 (2065)年─ 附:参考 推計 平成 78 (2066) 年〜127 (2115) 年 平成 29 年推計 人口問題研究資料第 336 号 http://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2017 /pp29_ReportALL.pdf (2019 年 10 月 28 日検索)

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する知見が 4 点考えられる。①地域包括支援セン ターが地域住民へ社会的居場所の必要性を説明す ることで,主体性が引き出され,社会的居場所の 立ち上げや円滑な運営が可能になる。②生活支援 コーディネーターが地域のストレングスを生かす 視点に基づき,地域住民のサポーターや既存の組 織と協働することにより社会的居場所の運営が円 滑になる。③地域包括支援センターは社会的居場 所の運営支援を通じて地域診断が可能になるため, 顕在化,潜在化した問題の把握が可能となる。④ 移動困難な地域は,既存の空きスペースを活用す ることより,社会的居場所の不足を補うことにつ ながる。例えば,農村地域ではビニールハウスや 畑,中心市街地や人口集中地区では民間が提供す る空きスペースが挙げられる。 以上が KJ 法を通じて明らかになった知見であ る。本研究で対象とした過疎地域は,既述の通り 人口構造や自然環境,物理環境,人間環境などの 条件が不利であるため,社会的居場所の運営に苦 慮していることが示唆された。その一方で,地域 住民が主体となり,不足する物理環境に対して, 地域のストレングスを生かし補う実践などがみら れた。しかし,そうした実践は稀であったことか ら,地域コミュニティの脆弱化が懸念される地域 に対して,行政や地域包括支援センターは,地域 の状況に応じて介入する必要性が示唆された。 他方,本研究で生成した知見は,対象が限定的 であるため十分に検討できたとはいえない。この ことから,さらなる地域区分への調査と詳細な分 析が必要と考える。今後は,本研究での知見もと にして,過疎地域の地域区分により社会的居場所 の運営がいかに異なるか,地域住民と行政や地域 包括支援センターとの関係性を質的に検討するこ とで緻密化に努めることが課題である。

5. 実践へのサジェスチョン

本研究では,高齢者の社会的孤立の深刻化が懸 念される過疎地域において,つながりの枠ともい える社会的居場所の円滑な運営方法を検討した。 上述の知見を要約すると,地域コミュニティの内 発性への喚起と行政や地域包括支援センターから の外発性の強化といえる。しかし,ここで留意す べきことは,いかにして地域住民が主体的に取り 組めるよう,行政や地域包括支援センターが支援 できるかという点にある。そのように考えると, 地域コミュニティとの信頼関係をもとに,側面的 な支援が期待される生活支援コーディネーターの 一層の配置と役割の強化が求められる。他方,過 疎地域の中でも特に条件の不利な地域は将来的に 消滅することが危惧されており,既に人口規模や 生活利便等において格差が生じている。このよう な問題に対して,2014 年に設けられた「まち・ ひと・しごと創生法」では,総合戦略の一つとし て「集落が散在する地域において,商店,診療所 など日常生活に不可欠な施設や地域活動を行う場 を歩いて動ける範囲に集め,周辺地域とネットワ ークでつないだ『小さな拠点』の形成」が目標と して掲げている。加えて,国土交通省(2019) 注 4 から新たなモビリティとして Mobility as a Ser-vice の地域別モデルが提示された。この中では, 過疎地域の高齢者の外出機会を促進すべく,交通 空白地帯での移動手段の確保が提案されている。 これらの目標や提案に基づいて考えると,特に小 規模化した集落に居住する高齢者は,生活に必要 な買い物や通院など,拠点となる地域への外出機 会の増加が予想される。このことから,それぞれ の生活サービス空間に,人々が交流するスペース の設置を企画することにより,小規模化する集落 に居住する高齢者の新たな社会的居場所を創出す る可能性があり,社会的孤立の予防等にも期待が できる。加えて,本提言を実現するためには,地 域の人的,社会的資源のストレングスを捉え,地 注 4 国土交通省 2019 第 6 回 都市と地方の新たな モビリティサービス懇談会 資料 6:地域別 MaaS モデルの検討について https://www.mlit.go.jp/common/001268824.pdf (2019 年 10 月 28 日検索)

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原著 研究報告 域住民と行政との協働を促すなど,関係調整のス キルを備えた人材の配置,養成が課題と考える。 引用文献 後藤昌彦・山崎治子・飯村しのぶ・松坂裕子・菊 地弘明 1990 農村における社会的孤立 高齢 者問題研究,6,161-177. 石本雄真 2009 居場所概念の普及およびその研 究の課題 神戸学院大学院人間発達環境学研究 科研究紀要,3 (1),93-100. 岩田正美・黒岩亮子 2004 高齢者の「孤立」と 「介護予防事業」(特集:住民生活の地域福祉政 策) 都市問題研究,56 (9),21-32. 金井敏・大川健次郎 2008 ふれあい・いきいき サロンの研究:開設促進と持続的発展:平成 18・19 年度文部科学省科学研究費補助事業報 告書 高崎福祉大学総合研究所 川喜田二郎 1996 川喜田二郎著作集 第 5 巻  KJ 法─混沌をして語らしめる─ 中央公論社 pp.121-169. 中島喜代子・廣出円・小長井明美 2007 「居場所」 概念の検討 三重大学教育学部研究紀要,58, 77-97. 中村久美 2009 地域コミュニティ拠点としての 集会所とその運営のあり方 宇治市における集 会所運営の仕組みとその実態 第 61 回一般社 団法人日本家政学会研究発要旨集,72. 中村美智代 2017 高齢者の居場所の研究の動向 と課題 甲子園短期大学紀要,35,17-22. 二宮哲雄 1985 都市近郊農村の社会構造と社会 問題 二宮哲雄・中藤康俊・橋本和幸 (編)  混住化社会とコミュニティ 御茶の水書房  pp.129-135. 小田切徳美 2014 農山村は消滅しない 岩波書 房 大川一郎 2003 老年期と居場所:その心理的意 味 高齢者のケアと行動科学,9 (1),3-11. さわやか福祉財団 (編) 2016 シリーズ住民主 体の生活支援サービスマニュアル第 3 巻居 場 所・サロンづくり 全国社会福祉協議会 高野和良 2009 過疎農山村における市町村合併 の課題─地域集団への影響をもとに 社会分析, 36,46-64. 上野佳代・菊池和美・長田久雄 2017 国内文献 による高齢者の居場所に関する研究─エイジン グ・イン・プレイスにむけて─ 老年学雑誌, 8,33-50. 山本努 1996 現代過疎問題の研究 恒星社厚生 閣 pp.119-157. 全国社会福祉協議会全国民生児童委員協議会  1974 孤独死老人追跡調査報告書 謝辞 本研究にご協力くださいました酒田市介護保険 課,酒田市地域包括支援センターの皆様に感謝申 し上げます。ご指導賜りました霧芯館─ KJ 法教 育・研修─主宰・川喜田晶子氏に感謝申し上げま す。 (受稿:2019 年 12 月 10 日) (受理:2020 年 5 月 28 日)

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Seamlessly Operating Social Spaces in Depopulated Areas:

Analysis of Interviews with Community

-Based Comprehensive Support Center Staff

A seamless method of operating social spaces in depopulated areas was investigated. Semi-structured interviews were conducted with the staff of community-based comprehensive support centers located in a densely-inhabited, a mixed-inhabited, and a rural area of Sakata City in Yamagata Prefecture. This ex-ploratory study used the KJ method to identify the following information. (1) Explanations by support centers to community residents on the need for social spaces and their independence and engagement. (2) Facilitating social spaces by collaborating among daily-living support coordinators using regional strengths, community resident-supporters, and existing organizations. (3) Operational support for social spaces to facilitate community diagnosis enabling support centers to identify open and hidden problems. (4) Utilizing existing free spaces in difficult-to-reach areas and compensate for the lack of social spaces.

Key words ⇒ depopulated areas, social space, seamless method, KJ method

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