就学前児童の父親への子育て支援-その研究動向と実践展開-
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(2) 常に僅少であった。次に,父親に対する子育て支. ことが明らかとなった。その意識が男性保育者と. 援の先行研究を取り扱い,研究数やその動向を把. 子どもとの関係性を充実させ,それを父親が学び,. 握すると共に,カテゴリー分けを通して父親への. 家庭でも活かそうとする。その育児への介入姿勢. 子育て支援における研究課題を整理した。その結. が,母親の父親に対する評価へと繋がり,その様. 果,支援者,父親両者を対象にした研究は非常に. 子を母親が幼稚園に来園して男性保育者に語る。. 少ないことが確認された。. こうした循環を通じて,男性保育者の自信が深ま. そのため,第3章において,4つのカテゴリー. り,保育者としての資質を高める努力へと繋がっ. 分類された子育て支援内容を実施し,なおかつ父. ていくことが示唆された(図1)。. 舳姥敦意調 榊瀦轟脇字国. 親への子育て支援を持続的に行っている幼稚園を. ◆ ◆. 調査対象とし,フィールドワークの成果をまとめ. 舳払の1帥磁1機“囚. た。とりわけ,父親に対する子育て支援の概況や 支援者の意識,父親への効果,両者が抱える課題. 図1『おやじの会」がもたらす効果サイクル. 点について,インタビューを通じて検討した。. 現在日本において,父親の帰宅時間を早めるこ. 幼稚園が抱える課題は,今の支援が精一杯であ. と,母親の就業率を高め,さらに出産後も働きや. るということである。しかし,父親への子育て支. すくする社会体制を整えることが求められる。男. 援を通し構築された父親同士のネットワークの広. 性にとってケアとはあくまで受けるものであって,. がりは,園にとっても非常にプラスの効果をもた. 自分がケアの提供者になるという発想は薄いこと. らしていることが明らかとなった。そのようなメ. 示した先行研究がある。このような父親の意識が,. リットがあるからこそ,父親への子育て支援が有. 女性の家事・育児時間の長さに反映されている。. 効な結果を出していけるよう力を注いでいく必要. 今後の子育て支援を進めていく上で,父親がケア. がある。. の提供者になるよう促す機会の増加が求められる。. 一方,父親への効果であるが,4つに分類され. また,固定的な「ジェンダー」意識の克服も必要と. た父親への子育て支援内容は,第1章で取り上げ. なる。女性の育児・家事時間の長さ等に現れる性. た3つ課題に対し有益に働いていた。妻と家事や. 的不平等をいかに無くすのか,常に問い続けるこ. 育児を分担していくことや,父親としての成長を. とが父親はもちろんであるが,支援者側にも求め. 感じられる機会の保障になっているということが. られる。. 父親のインタビューから窺えた。つまり,4つの. 本研究では,支援者・父親の意識調査が必要最. カテゴリーを全て実施することで,初めて父親へ. 小限であった。より多くのライフスタイルを持っ. の効果として現れるのであり,大半の幼稚園が実. た父親を調査できなかったことは残念であった。. 施している,イベント型のみの子育て支援では,. 保育現場に出た際には,積極的に父親への子育て. あまり効果は期待できないのではないかと考えら. 支援に参画するとともに,父親の言葉に耳を傾け. れる。また,父親が園に参加しやすくしている要. ながら,子どもと父親双方を支援していきたいと. 因として男性保育者の存在が挙げられた。男性保. 考えている。. 育者に対するインタビューを実施した結果,男性. 主任指導教員 横」l1和章 教授. 保育者は父親に対し,モデル役割を提示している. 指導教員 佐藤哲也准教授. 一73一.
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