学校保健における健康観察の教育的意義に関する研究 : 小・中学校教員対象の質問紙調査より
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(2) 小学校84%,中学校42%,「児童生徒保健委員. W 考察. 会や当番」が小学校15%,中学校50%であった. 健康観察の方法について,実施者と学級経営. (Pく0.05)。また,実施者と学級経営等との関連. や生徒指導との関連について有意な差が見られ. については,r学級経営・生徒指導を進めるうえ. たことから,学級担任が実施することで管理的. で役立つことがある」について,実施者による. な活動だけでなく,教育的意義があるのではな. 有意差がみられた(P<0.05)。. いかと考えられる。また,朝以外の健康観察で. 4)朝以外の健康観察. は,職種により観察している機会に違いが見ら. 子どもを観察している機会では,中学校で倣. れ,健康観察の項目についても,管理職と教諭. 課後(部活動を含む)」が,職種では養護教諭と. は生徒指導関係,教諭は学習面,養護教諭は保. 管理職がr登校時」,教諭と管理職がr授業中」,. 健室頻繁利用であり,職種の特性により重視し. 教諭が「給食」が多かった(PくO.05)。. ている観察項目に違いが見られた。朝の健康観. 5)保健管理にかかわる健康観察の有効性. 察だけではなく,朝以外の観察と関連付けるこ. 校種で差が見られたのは,小学校で「健康状. とが必要ではないかと考える。朝の健康観察と. 態に応じて運動・活動の軽減,変更ができた」,. あわせて授業中の様子や休み時間などの子ども. r給食時の内容や量を配慮することができた」. の様子を教職員等で情報共有し,子どもを多面. が,職種では,教諭が「給食時の内容や量を配. 的・総合的に理解することで,健康問題の見落. 慮することができた」,養護教諭がr個別指導や. としもなくすことができるのではないかと考え. 健康相談等の情報資料として活用することがで. る。この際,校内組織の関係者をつなげていく. きた」が多かった(P<0.05)。. のは,すべての場面で連絡される職種として挙. 6)学級経営等に関わる健康観察の有効性. がっていた養護教諭の役割ではないかと考える。. r授業を進めるうえで役立つことがある」に. さらに,1日の学校生活の流れの中で,講がど. ついては,ほとんどの教諭が役立つことがある. のような観察をすればよいのかポイントをまと. と回答した。「学級経営・生徒指導を進めるうえ. めたものを発達段階ごとに示すことで,教職員. で役立つことがある」も有意な差は見られなか. が子どもの心身の健康状態を把握しやすくなる. ったが,小学校の方が多い傾向が見られた。. のではないかと考える。. 7)研修経験. V まとめ. 研修経験は養護教諭が多かった。経験年数と. 学級経営や生徒指導を進めていく上で健康観. 研修内容との関連では,初任者研修と教育委員. 察が役立っていることが分かった。また,朝以. 会主催の研修について,差が見られた。(PくO.05). 外の観察では,職種の特性により重視している. 8)健康観察後の連携. 観察項目に違いがあり,情報共有し組織で対応. 体調不調,行動や態度,対人関係,学習状況. できる体制づくりが必要となり,養護教諭が連. すべての場面で管理職や教諭から連絡される職. 携に重要な役割を果たすと考えられる。. 種は,管理職,学級担任,養護教諭,学年主任. 主任指導教員 松村 京子. であった。. 指導教員西岡伸紀. ■411一.
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