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河童と蛙  草野心平

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Academic year: 2021

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第1学年C 組 国語科学習指導案 授業者 富永武人 展開教室 1年C 組 1 単元名 河童と蛙 草野心平 2 (1)単元観 本単元は学習指導要領[読むこと]の指導事項「(1)ア文脈の中における語句の意味を的確 にとらえ,理解すること。」および「(1)ウ場面の展開や登場人物などの描写に注意して読 み,内容の理解に役立てること。」について学習する教材として位置づけられている。小学 校の学習指導要領では,第5学年および第6学年の段階において,[読むこと]「(1)エ登場 人物の相互関係や心情,場面について描写をとらえ,優れた叙述について自分の考えをま とめること。」と記されている。登場人物の相互関係や心情,場面について描写をとらえ, 自分の考えをまとめた小学校での学習の発展として,中学校第1学年では,語句の意味を 1つ1つ理解し,詩の内容を理解させるとともに,詩のリズムを感じさせながら自分たち で情景が伝わるよう表現させる。本単元の前に学習した「ふしぎ」では,詩のリズムを感 じ,詩の面白さを味わうことができた。 「河童と蛙」は大河童沼という沼で月夜の晩に,河童が踊っていて,その河童の踊りを 蛙がじっと見ているという設定の詩である。河童と蛙や,擬人法を用い,月や山も登場し ファンタジー性の強い詩であるため,生徒が「詩はおもしろい」と興味を持ちやすい教材 だと考えている。そのために,詩の内容理解を深めることを目指していきたい。学習指導 要領[伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項]に「(1)イ(オ)比喩や反復などの表現の 技法について理解すること。」および[読むこと]「(1)ウ場面の展開や登場人物などの描写 に注意して読み,内容理解に役立てること。」とある。小グループを活用して1つ1つの言 葉をたどって詩の内容を読み取らせる活動を行わせる。その際に,「河童の皿の月すべり」 などわかりにくい点はもちろん,1つ1つの語句を的確に確認して情景を理解させ,読む 力を身につけさせる。擬声語(るんるんるるんぶるるんぶるるん…)が繰り返されているの で,音楽的な部分でリズムを感じさせ,河童の様子を理解させるのに役立てていく。群読 させる際1,3,5,7連では同じ表現でも河童の踊りの様子が変化していくので,生徒 に工夫させ情景をよりイメージ豊かに捉えさせる。群読させる中で仲間と想像するおもし ろさ,表現する楽しさというものを感じてもらい言語感覚を豊かなものにする。

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(2)生徒の実態 本学級は,男子16名,女子16名の計32名で構成されている。うち2名は個別支援 学級在籍の生徒である。 学級全体の雰囲気は明るく,にぎやかな生徒が多く,男女の仲もよい。だが、発表は限 られた生徒が主流となっている。少し難しい質問になるとわかっていても挙手できないな ど,自信のない生徒が多い。 ≪事前調査≫ 1、国語の授業は好きですか。 好き………5人 どちらかといえば好き…14人 どちらかといえば嫌い…7人 嫌い………4人 [理由]好き,どちらかといえば好き(複数回答可) ・漢字がすきだから。 ・お話のことについて,答えるのが楽しいから。 ・人の気持ちを考えるのが好きだから。 ・昔の人が,残した文などを学習することが楽しいから。 ・作文や物語が好き。話を聞いたり読んだりして,その話の内容を頭で想像するのが好き。 [理由]嫌い,どちらかといえば嫌い(複数回答可) ・漢字が嫌いだから。 ・音読や色々嫌いだから。 ・主人公の気持ちなどを読み取ることが嫌い。 ・読んだり,漢字を書いたり,テストが得意ではないから。 ・文章題など苦手だし,漢字も覚えられないから。 ・授業が長く感じるから。 2、国語の授業で好きな学習は何ですか。 班での話し合い 14人 ・みんなの意見が聞けるから。 ・みんなの気持ちがどのようなものなのかがわかったりして面白いから。 ・班の人としゃべれて面白いし,深め合えるから。 漢字練習 9人 ・文を書くのに必要だから。 ・将来のために漢字は覚えたい。 ・書くことが好きだから。

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語句の意味を調べる 8人 ・他の事が苦手だから。 ・調べたりするのが楽しいから。 ・意味がわかるのが楽しいから。 音読 8人 ・文の情景を想像できるから。 ・すらすら読めると気持ち良いから。 ・声を出して読むのが好きだから。 ・物語を読めるから。 聞き取りテスト 5人 ・メモをとるのが楽しいから。 3、詩に興味はありますか。 好き………4人 どちらかといえば好き…12人 どちらかといえば嫌い…9人 嫌い………5人 [理由] 好き,どちらかといえば好き(複数回答可) ・詩を読むと面白い言葉や表現が出てきたりするのが楽しいから。 ・詩は,その書いた人の気持ちになれるから。 ・意味を考えるのが楽しいから。 ・自分の気になる詩があると何回か読み返したくなるから。 ・リズムがよく,気持ちよく読めるから。 [理由]嫌い,どちらかといえば嫌い(複数回答可) ・詩を作りたいとも,読みたいとも思わないから。 ・あまり詩の意味がわからないからつまらない。 ・何が何だかわからない。 ・詩を読むときとか,感情を入れて読まなきゃいけないからです。 4、詩の学習で好きなものは何ですか。 ア、声に出して読む………8人 イ、登場人物の気持ちを考える…10人 ウ、表現技法を探したりする……4人 エ、詩の内容を絵に表す…………6人 オ、その他………2人 (特になし)

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5、次の詩の情景を書いてください。 朝 の リ レ ー 谷 川 俊 太 郎 カ ム チ ャ ッ カ の 若 者 が き り ん の 夢 を 見 て い る と き メ キ シ コ の 娘 は 朝 も や の 中 で バ ス を 待 っ て い る ニ ュ ー ヨ ー ク の 少 女 が ほ ほ え み な が ら 寝 が え り を う つ と き ロ ー マ の 少 年 は 柱 頭 を 染 め る 朝 陽 に ウ イ ン ク す る こ の 地 球 で は い つ も ど こ か で 朝 が は じ ま っ て い る ぼ く ら の 朝 を リ レ ー す る の だ 経 度 か ら 経 度 へ と そ う し て い わ ば 交 換 で 地 球 を 守 る 眠 る 前 の ひ と と き 耳 を す ま す と ど こ か 遠 く で 目 覚 時 計 の ベ ル が 鳴 っ て る そ れ は あ な た の 送 っ た 朝 を 誰 か が し っ か り と 受 け と め た 証 拠 な の だ 正答…17人 誤答…13人 [正答例] ・人間は朝をリレーでつないでいる。 ・世界では時間が違ってリレーのようにたとえている。 ・世界がつながっている。 [誤答例] ・人からの言葉をしっかりと受けとめよう。 ・朝が始まっているということ。 ・朝はくるということ ・朝が来ることが不思議でしょうがない。 調査の結果,国語が好きな生徒のほうが多いが,嫌いな生徒は,苦手意識が高いように 思われる。この生徒たちを少しでも国語に興味をもたせ,苦手意識をなくしていくことが 今後の課題だと考える。 好きな学習活動では,班での話し合いや漢字練習をあげている生徒が多い。班での話し 合いは好きと答えている生徒は多いが話し合いを見ていると,「わからない」と諦めてしま う生徒が多い。 詩についての事前調査を見ていると,詩の学習が比較的好きであると答えた生徒が5割 程度おり,詩に対しての興味・関心は高いとは言えない結果となった。「何が何だかわから ない」というような回答が多く,詩を深く読み取った経験がないと予想される。しかし事 前のテストの結果を見てみると,正しく読み取ることの出来ている生徒が5割を超えてい る。誤答をみても,かけ離れている回答ではないことから苦手意識や詩に触れる経験不足 であると考える。イメージや,1部分から想像した情景を答えていることから1つ1つの 語句の意味や,文章の内容をよく吟味し深く情景を読み取っていくことが必要であること がわかる。

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(3)指導観 詩に対しての興味・関心を伸ばすために,まずは音読によって詩のリズムを味わわせて いきたい。次に,情景を絵に描く学習を行う。情景を絵に表すため,詩の中の言葉を1つ 1つじっくり考えることが必要で,必ず辞書を手元に置いて1つ1つ語句の意味をしっか りと考えさせたい。また,文章ではなく絵で表すことで,読み取りへの苦手意識も減らせ るのではないかと考えられる。詩の内容や情景など,理解したことをもとに班で群読を行 う。音読が好きな生徒は少ないが,班で人数や強弱などを工夫することによって,グルー プで群読することの楽しさを知り,音読への意欲がわくだろうと考える。また,小グルー プで気兼ねなく自分の意見を言い,友達の意見を聞くことによって,より詩の内容理解を 深めていきたい。 論理的な思考を豊かに身につけさせるため,考えたことをもとにして,相手に伝える活 動を行っている。本単元でも詩の情景を読み取るために,小グループの話し合い活動を行 う。発表の前に小グループで言葉の1つ1つを読み解いていく必要がある。そのあと自分 とは異なる発表を聞き,詩のリズムの面白さを知ることになる。発表の際,自分の役割が あるため,全員で発表を成功させるという意識や達成感を味わわせることができる。また 発表会では他の班の詩の表現の仕方に触れることにより表現する楽しさを知ることができ る。 3 単元の目標 ・詩のリズムを感じ,情景を思い浮かべ詩に描かされた世界観を感じようとしている。 (関心・意欲・態度) ・場面の展開や登場人物などの描写に注意して読み,詩の情景や内容を理解することが できる。 (読むこと) ・擬人法や自由詩について理解することができる。 (伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項) 4 指導計画(6時間扱い) 学 習 過程 時配 学習内容と学習活動 評価規準(評価の観点・評価方法) 一 次 1 ・詩を声に出して読みリズムを感じ る。 ・感想を書く。 ・リズムを感じながら音読できてい る。大きな声で読もうとしてい る。【関心・意欲・態度】(観察) ・詩のおもしろさに気付こうとして いる。【関心・意欲・態度】(ノー トの確認)

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二 次 2 ・語句や表現に着目して「河童と蛙」 の情景を絵に表す。 ・1つ1つの言葉や表現から情景を 考え,絵に表せている。 【読むこと】(プリント確認) ・詩の表現から情景や登場人物様子 な ど を読 み取 るこ とが でき る。 【読むこと】(プリント確認) 3 ・絵から情景や登場人物の気持ちに ついてグループで話し合い理解す る。 ・各連の情景や内容について文章に まとめる。 ・話し合いに積極的に参加し情景描 写や登場人物の気持ちなどを読 み取ろうとしている。【関心・意 欲・態度】(机間指導) ・詩の表現から的確に情景や登場人 物の気持ちを読み取ることがで きる。【読むこと】(プリント確認) ・語句の意味や擬人法を的確にとら えられる。【伝統的な言語文化と 国語の特質に関する事項】(プリン ト確認) 三 次 4・ 5 ・詩の情景が伝わるように群読方法 を考える。 ・詩の発表を練習する。 ・自分たちで考えた工夫点に注意し て群読練習に取り組もうとして いる。【関心・意欲・態度】(机間 指導) ・詩の情景を理解し,群読の工夫点 を考えている。【読むこと】(プリ ント確認・机間指導) 6 本時 ・詩の情景が伝わるように群読を発 表する。 ・他の班の群読発表を聞いて詩の情 景への理解を深める。 ・リズムや読み方に工夫をし,情景 や登場人物の気持ちなどが伝わ るように読もうとしている。【関 心・意欲・態度】(発表) ・群読を通し,詩の情景や登場人物 の気持ちなど内容をまとめるこ とができている。 【読むこと】(プリント確認)

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5,本時の指導 (1)目標 ・リズムや読み方に工夫をし,情景や登場人物の気持ちなどが伝わるように読もうとして いる。 (関心・意欲・態度) ・群読を通し,詩の情景や登場人物の気持ちなど内容をまとめることができている。 (読むこと) (2) 展開 時配 学習内容と学習活動 指導・支援 ○評価 資料 導入 5分 5分 ○本時の活動を確認する。 ○発表の流れを確認する。 1班の目標を言う。 2班の工夫点(見どころ)を説明す る。 3発表する。 ○発表の練習をする。 ・発表前に内容についてグループ で確認する。 ・今までの学習のまとめの活動で あることを知らせる。 ・情景が伝わるように発表するこ とを確認する。 ・机間指導をしながら順序だてて 発表できるようにアドバイスす る。 展開 30 分 ○前に出て発表会を行う。 ・班ごとに詩を発表していく。 ・発表者以外は発表を姿勢よく聞 く。 ・発表の聞き方を伝える。どこの 班の発表が印象に残ったか,聞 いておくよう伝える。 ○情景が伝わるように読もうとし ている。 【関心・意欲・態度】(ノート) ワ ー ク シ ート ま と め 10 分 ○発表会の感想を書く。 ・発表を通して感じたこと,思っ たこと,気づいたこと,さらに 興味を持ったこと,詩のおもし ろさなどを書く。 ○次時の予告をする。 ・他の班の発表を聞いて,詩のお もしろさなどについて書かせ る。 ・感想を書けない生徒には,印象 に残った詩の発表について書く だけでもよいことを伝える。 ○発表を終えて詩についての理解 を深めることができている。 【読む能力】(ノート) ・新しい単元に入ることを伝える。 ノ ー ト 相手に情景が伝わるように発表をしよう。

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板書計画 河 童 と 蛙 草 野 心 平 《 発 表 の 仕 方 》 1 、 班 の 目 標 を 言 う 。 2 、 班 の 工 夫 点( 見 ど こ ろ) を 説 明 す る 。 3 、 発 表 す る 。 発 表 を 通 し て 感 想 を 書 こ う 。 ・ 思 っ た こ と ・ 気 づ い た こ と ・ 興 味 を 持 っ た こ と ・ 詩 の お も し ろ さ 相 手 に 情 景 が 伝 わ る よ う に 発 表 を し よ う 。

参照

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