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憲法第9条とわが国の派兵問題 : 湾岸危機を中心として

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(1)

憲法第9条 とわが国 の派兵 問題

湾岸危機 を中心 と して

伊 津 野

Article Nine of the Japanese Constitution and the Issue of

Dispatching Self-Defense Forces Overseas

- with special refernce to the Gulf Crisis

Shigemitsu Itsuno

The view of the present Japanese

government

is that Article 9 of the Japanese

Constitu-tion means

that only when an armed attack occurs against

Japan may the Japanese

self-de-fense forces take military action according

to the inherent right of self-defense

. In fact,

however,

Article 9 seems

to forbid dispatching

forces

overseas

for the purpose

of

partici-pating as a unit of United

Nations

Forces

exercising

the right of collective

self-defense

for

other countries.

In the case of the Gulf Crisis it was generally

uncertain

whether

or not the Constitution

forbids dispatching

forces overseas.

The multinational

force used in that crisis was of

course

not a formal

United

Nations

force

operating

in accordance

with Article

42 of the

Un-ited Nations

Charter.

Insofar as the Japanese

Constitution

forbids

dispatching

forces

over-seas even as a unit of United

Nations

Forces,

it seems

clear that Japan is also legally

un-able to dispatch

forces

overseas

to become

a unit of such a multinational

force.

We must admit,

however,

that there are apparent

differences

betwen

"war" and the

"en-forcement

actions"

taken by the Security

Council.

The war that Japan forever

renounces

in

the postwar Constitution

is hostile

activities

between

nations, which refers to the type of

relations

prevalent

in- earlier times when waging

war against

other nations

as a sovereign

right not yet forbidden

as a means of settling

international

disputes.

In contrast, the

en-forcement

actions

taken by the Security

Council

in accordance

with the United Nations

Charter are enforcing

the law against an aggressor

nesponsible

for violating

international

law. It can be argued that, theoretically

speaking,

the Constitution

does not renounce

such

international

enforcement

actions.

(2)

From a constitutional point of view, what obstacles are there to dispatching self-defense forces overseas to become a unit of United Nations Forces? This article examines that question from a legal perspective.

1イ ラ ク の ク ウ ェ ー ト併 合 に対 す る安 全 保 障 理 事 会 の対 応 2憲 法 第9条 の解 釈 (1)国 権 の発 動 た る戦 争 (2)国 際 紛 争 を解 決 す る手 段 と して の 戦争 (3)国 の 交 戦 権 3無 差 別 戦 争 観 念 の 台 頭 4国 連 軍 5国 際 連 合 の強 制 行 動 と戦 争 観 念 6湾 岸 危 機 に お け る多 国籍 軍 の 法 的性 格 1イ ラ ク の ク ウ ェ ー ト併 合 に対 す る 安 全保 障理 事 会 の対 応 1990年8月2日 未 明,イ ラ ク 軍 約10万 人 が 戦 車 な ど350輛 を 先 頭 に ク ウ ェ ー トに 侵 攻 し, 約9時 間 で ク ウ ェ ー ト全 土 を 完 全 制 圧 し た 。 ジ ャ ビ ル 首 長 ら は,ヘ リ コ プ タ ー で 隣 国 サ ウ ジ ア ラ ビ ア へ 難 を 逃 れ た 。 ブ ッ シ ュ 米 大 統 領 は,同 日,イ ラ ク の ク ウ ェ ー ト侵 攻 を 非 難 し,イ ラ ク,ク ウ ェ ー トの 資 産 凍 結 を 発 表 す る と と も に,ペ ル シ ャ 湾 岸 に6隻 の 艦 艇 派 遣 を 決 定 し た 。 ま た 同 日,ア メ リ カ は 緊 急 安 全 保 障 理 事 会 の 開 催 を 要 求 し,同 理 事 会 は 決 議660を14対 0,投 票 不 参 加1(イ エ ー メ ン)で 採 択 し た 。 同 決 議 は,次 の よ う に 述 べ て い る 。 安 全 保 障 理 事 会 は, 1990年8月2日 の イ ラ ク軍 に よ る ク ウ ェ ー ト侵 攻 に 驚 愕 し,イ ラ ク の ク ウ ェ ー ト侵 攻 に 関 し 国 際 の 平 和 及 び 安 全 の 破 壊 が 存 在 す る こ と を 決 定 し(Determingthatthereexistsas breachofinternationalpeaceand securityasregardstheIraquiinva一 sionofKuwait),国 連 憲 章 第39条 及 び第40条 の 下 で 行 動 し, 1.イ ラ ク の ク ウ ェ ー ト侵 攻 を非 難 し, 2.イ ラ ク が1990年8月1日 に駐 留 させ て い た 位 置 ま で そ の す べ て の 軍 隊 を即 時 か つ 無 条 件 に撤 退 させ る よ う要 求 し, … …省 略 … … 欧 州 共 同体 は,8月4日 ロ ー マ で 緊 急 会 議 を 開 催 し,イ ラ ク 及 び そ の 占領 下 にあ る ク ウ ェ ー ト産 原 油 の輸 入 禁 止,イ ラ ク へ の 武 器 輸 出禁 止,EC域 内 に あ る イ ラ ク,ク ウ ェ ー ト 資 産 の 凍 結 な どを即 時 実 施 す る こ と を決 定 し た。 わ が 国 政 府 も,8月5日 イ ラ ク,ク ウ ェ ー トか らの 石 油 輸 入 禁 止,両 国へ の 輸 出 禁 止, 両 国 との 資 本 取 引 の停 止,イ ラ ク へ の 借 款 供 与 禁 止 な どの経 済 制裁 措 置 を決 定 し た。 8月6日 安 全 保 障 理 事 会 は,「 国 連 憲 章 第 7章 の 下 で 行 動 」 す る こ と を 明 ら か に し, 「イ ラ クが これ まで 安 全 保 障 理 事 会 決 議660, 第2項 に服 し な か っ た こ と を決 定 し」(第1 項),「 そ の 結 果,イ ラ ク に 決 議660第2項 の

(3)

服 従 を確 保 す る た め並 び に ク ウ ェ ー トの 合 法 政 府 の機 能 を 回復 す る た め に,次 の 措 置 を と る こ と を決 定 す る」(第2項)と し て,経 済 制 裁 措 置 を とる 旨 の 決 議661を 採 択 した(13 対0,棄 権2(キ ュ ー バ,イ エ ー メ ン)。 8月9日 安 全 保 障 理 事 会 は,イ ラ ク全 軍 の 即 時 か つ無 条 件 の撤 退 を 再 度 決 定 す る と と も に,「 イ ラ ク に よ る ク ウ ェ ー ト併 合 は,ど の よ う な形 式 どの よ う な 口 実 を も っ て して も法 的 妥 当 性 が な く,無 効 と思料 され る もの で あ る こ と を 決 定 し」(第1項),「 す べ て の 国, 国 際 機 関及 び専 門機 関 に対 して か か る併 合 を 承 認 しな い よ う,並 び に,併 合 の 間接 的承 認 と解 さ れ る よ う な いか な る 行 為 或 い は措 置 も 慎 しむ よ う要 請 す る」 決 議662を 全 会 一 致 で 採 択 した。 8月6日 ブ ッ シ ュ大 統 領 は,米 空 軍 機 や 陸 軍 空 艇 師 団約4000人 の サ ウ ジ ア ラ ビ ア派 遣 を 命 令 し,ま た,周 辺 海 域 に 空 母3隻 を含 む50 隻 の 艦 艇 派 遣 を命 じて い た 。 8月8日 に,イ ラ ク は ク ウ ェ ー ト併 合 を 公 式 に 声 明 した 。 ク ウ ェ ー トは,本 来 イ ラ ク の 一 地 方 で あ った が,植 民 地 時代 に列 強 が 住 民 の意 思 を無 視 して 国 境 線 を 画 定 し て い た の で, 今 次 の 行 動 で そ れ を是 正 した と主 張 した 。8 月29日,ク ウェ ー トを イ ラ ク の19番 目 の州 と す る 大 統 領 命 令 を布 告 した 。 8月25日 安 全 保 障 理 事 会 は,厂 決議661で 国 連 憲 章 第7章 の 下 で 経 済 制 裁 を課 す こ とを 決 定 」 して い る こ と を前 提 に,ク ウ ェ ー ト政 府 に協 力 し該 地 域 に海 軍 力 を展 開 し てい る加 盟 国 に対 して,安 全 保 障 理 事 会 の 権 威 の下 に, 船 舶 の積 荷 及 び 目的 地 を検 査 し確 認 す る た め す べ て の 船 舶 を停 止 させ,並 び に,経 済 制 裁 の 厳 格 な履 行 を確 保 す る の に必 要 な措 置 を行 使 す る こ と を要 請 す る」(第1項)な ど の 決 議665を 採 択 し た(13対0,棄 権2(キ ュ ー バ,イ エ ー メ ン)。 ア メ リ カ は,安 全 保 障 理 事 会 決 議661で 決 定 した経 済 制 裁 決 議 に基 き イ ラ ク に対 す る経 済 制 裁 を実 効 的 な ら しめ る た め 限 定 的 な 武 力 行 使 の権 利 を主 張 して い た が,イ ギ リス が 同 調 した の み で ソ連 邦,カ ナ ダ,フ ィ ン ラ ン ド, マ レ ー シ ア,キ ュ ーバ が 武 力 行 使 に は新 た な 決 議 が 必 要 で あ る と主 張 して い た の で,か か る決 議 が採 択 され た の で あ る 。 10月29日 に は,安 全 保 障 理 事 会 は,ク ウ ェ ー ト及 び 第 三 国 並 び に これ らの 国 の 国 民 と 法 人 に つ い て イ ラ ク の ク ウ ェ ー ト侵 攻 と違 法 な 占 領 の結 果 生 じた す べ て の損 失,損 害 及 び 権 利 侵 害 に対 して イ ラ ク は責 任 が あ る 旨 の 決 議674を 採 択 した(13対0,棄 権2(キ ュ ー バ,イ エ ー メ ン)。 ブ ッシ ュ大 統 領 は,11月8日,中 東 地域 に 米 軍 を増 強 す る 旨 を発 表,こ れ に よ っ て既 に 同地 域 で展 開 して い る23万 人 の 米 軍 に20万 人 が 加 わ る こ と に な っ た。 イ ラ クは,か か る 米 軍 の 増 強 に対 処 す る ため,ク ウ ェー トへ25万 人 の 軍 隊派 遣 を決 定 した。 11月29日 安 全 保 障 理 事 会 で,フ ラ ン ス,ソ 連 邦,イ ギ リス,ア メ リ カ,カ ナ ダ,ル ー マ ニ ア が 発 議 国 とな り,決 議678を12対2(キ ュ ー バ,イ エ ー メ ン),棄 権1(中 国)で 採 択 した 。 こ の 決議 が所 謂 武 力 行 使 容 認 決 議 で あ る 。 同決 議 は,次 の よ う に述 べ て い る 。 安 全 保 障 理 事 会 は, 第1項 イ ラ クが 決 議660(1990) 及 び そ れ に続 くす べ て の 関連 決 議 に 完 全 に服 す る よ う要 求 し,か つ,同 理 事 会 の す べ て の 決 定 事 項 を維 持 し て い る 間,温 情 の 猶 予 と して イ ラ ク に対 し最後 の 機 会 を与 え る こ とを決 定 す る 。 第2項 イ ラ クが1991年1月15日 ま で 第1項 で 定 め た よ う に前 記 決 議 を 履 行 し な い 場 合 に は,決 議660 (1990)及 び そ れ に 続 くす べ て の 関 連 決 議 を維 持 す る た め,当 該 地 域 に お け る 国 際 の 平 和 及 び安 全 を 回復 す る た め に 必 要 な あ ら ゆ る 手 段(all

(4)

necassarymeans)を 行 使 す る こ と を ク ウ ェ ー ト政府 に協 力 す る 加 盟 国 に許 可 す る(authorize)。 第3項 す べ て の 加 盟 国 に対 して 本 決 議 第2項 に従 っ て と られ る行 動 に対 して適 切 な 支 持 を与 え る よ う要 請 す る。 第4項,関 係 当 事 国 に対 して 決 議 第2項 及 び 第3項 に従 っ て と っ た行 動 の進 展 に つ き定 期 的 に 本 理 事 会 に 通 知 し続 け る よ う要 請 す る 。 ア メ リ カが 主 導 す る所 謂 多 国籍 軍 に対 して ソ 連 邦 は 国 連 軍 の 創 設 を 提 唱 し た が(1),国 連 軍 の 結 成 に は 時 間 が か か り現 実 的 で な い た め,武 力 行 使 の 目的 を限 定 し,規 模 を最 小 限 に と どめ る こ とで妥 協 し た い とい わ れ る(2)。 1991年1月12日,前 記 安 全 保 障 理 事 会 決 議 で定 め られ た イ ラ ク軍 撤 退 期 限最 終 日 の3日 前 に,米 上 下 両 院 は この 安 全 保 障 理 事 会 決 議 を 実 施 す る た め に武 力行 使 権 限 をブ ッシ ュ大 統 領 に与 え る 旨 の 決議 を成 立 させ た 。 か く して,1月17日 米 軍 機 を 主 力 とす る 多 国籍 軍 空 軍 機2500機 が イ ラ ク戦 略 拠 点 に対 し て 空爆 を行 っ た 。米 軍 総 兵 力 は,最 も多 い 時 期 に は,ベ トナ ム戦 争 を凌 ぐ54万 入 に達 した とい う。 多 国 籍 軍 の攻 撃 に よ りイ ラ ク 軍 は 撤:退を 余 儀iな くさ れ,1991年2月27日 ク ウ ェ ー トは解 放 され た 。 公 式 の 戦 闘終 結 は,.安 全 保 障 理 事 会 が1991 年4月3日 に提 示 し た 決 議687を イ ラ ク外 務 大 臣 が 同 年4月6日 付 で そ の名 にお い て受 諾 す る 旨 の 書 簡(3)を 国 連 事 務 総 長 及 び 安 全 保 障 理 事 会 議 長 宛 に提 出 す る形 で行 わ れ た 。 現 在,ク ウ ェ ー ト領 内 とイ ラ ク領 内 双 方 に 国 連 イ ラ ク ・ ク ウ ェ ー ト 国 境 監 視 団 (UNIKOM)が 配 備 につ い て い る。 2憲 法 第9条 の解 釈 わ が 国 の憲 法 第9条 は,全 体 と して 侵 略 戦 争 は 勿 論 の こ と,自 衛 の た め の 戦 争 を 行 う こ と も 禁 止 し,ま た,自 衛 権 行 使 の 目 的 で あ っ て も,陸,海,空 軍,そ の 他 の 戦 力 を 保 持 す る こ と を 明 白 に 禁 止 し て い る 。 マ ッ カ ー サ ー 憲 法 と も い わ れ る わ が 国 憲 法 の う ち 戦 争 の 放 棄 に 関 す る 英 文 規 定 の 起 草 過 程 で は 種 々 の 表 現 が 用 い ら れ て い る け れ ど も, そ れ ら の い ず れ に よ っ て も あ ら ゆ る 種 類 の 戦 力 不 保 持 と 自 衛 の た め の 戦 争 を 含 む す べ て の 戦 争 を 放 棄 し て い る こ と は,疑 問 の 余 地 の な い も の で あ る 。 昭 和21年2月13日 総 司 令 部 か ら 政 府 に 対 し て 非 公 式 に 示 さ れ た 英 文 の 憲 法 第8条(4)で は,以 下 の よ う に な っ て い た 。 "W arasasoveraignrightofthenationis abolished.Thethreatofuseofforceisfore-verrenouncedasmeansforsettlingdispute withanyothernation.Noarmy,navy,air forceorotherwarpotentialwilleverbeau-thorizedandnorightsofbelligerencywill everbeconferredupontheState." ま た,政 府 と 総 司 令 部 と の 非 公 式 会 談 の 結 果,修 正 さ れ て,日 本 政 府 が 昭 和21年3月6 日 に 発 表 し た 憲 法 改 正 草 案 要 綱 第9条 で は, 以 下 の よ う に な っ て い た 。 "W ar,asasovereignrightofthenation, andthethreatoruseofforce,isforeverabo・ Iishedasameansofsettlingdisputewith othernations.Themaintenanceofland,sea, andairforce,aswellasotherwarpotential, andtherightofbelligerencyofthestatewill notberecognized." 憲 法 第9条 の 解 釈 に つ い て は こ れ ま で 輸 じ 尽 ぐ さ れ て き た 観 が あ る が,本 稿 で は そ の 目 的 で あ る 海 外 派 兵 と の 関 連 で 論 点 の 要 約 的 解 釈 を 行 っ た 上 で,湾 岸 危 機 に つ い て 考 察 を 試 み る も の で あ る 。 (1)国 権 の 発 動 た る 戦 争 憲 法 第9条1項 が 放 棄 し て い る の は,「 国 権 の 発 動 た る 戦 争 」(warasasovereign

(5)

rightofthenation)す な わ ち 「国家 の 主 権 的 権 利 と して の 戦 争 」 で あ り,「 国 際 紛 争 を解 決 す る 手 段 と し て」(asmeansofsettlingin・ ternationaldispute)の 戦 争 で あ る。 1920年 国 際 連 盟 が発 足 し,1929年 に は不 戦 条約 が 効 力 を発 生 し,更 に1945年 には 国 際 連 合 が 設 立 さ れ,戦 争 ない し武 力 行 使 が 違 法 化 され て き た。 こ の よ う な系 譜 を経 て 普 遍 的 に 戦争 が 違 法 化 さ れ て き た今 日に お い て わが 国 の憲 法 は,国 際 社 会 が 未 組 織 で他 国 に対 して 戦争 に訴 え る こ とが 自 由 で あ っ た 無 差 別 戦 争 観 念 の 支 配 して い た 時 代 の 「国権 の 発 動 た る 戦争 」 とい う古 典 的 な観 念 の 表 現 を取 り入 れ た 。 ロ ー タ ーパ ク トに よ れ ば,戦 争 とは 「互 い を打 ち 負 か す 目的 で,ま た,勝 者 が 欲 す る 平 和 条 約 条 件 を課 す 目的 で,2も し くはそ れ 以 上 の 国 家 間 の 軍 隊 に よ る 戦 闘 で あ る(5)」 と す る 。 戦 争 が まだ 違 法 化 され ず にい た未 組 織 な 国 際 社 会 に お い て は,国 家 間 の 戦 闘 は対 等 者 間 の 戦 争 と して,第 三 国 は これ に参 戦 す る こ と も 自 由 で あ り,或 い は,戦 争 の 局 外 に 立 っ て 中 立 を維 持 す る こ と も 自由 で あ っ た。 戦 争 の 局 外 に立 と う とす る 国 は,交 戦 当 事 国 の い ず れ に対 して も軍 事 的 支援 を行 わず,両 交 戦 国 に対 して公 平 義 務 を 維 持 す る こ とに よ っ て,中 立 国 の地 位 に と ど ま る こ とが で きた 。 厂国 権 の発 動 た る戦 争 」 と は ,上 述 の よ う に 国 家 が 必 要 と判 断 す る と き に は 自由 に戦 争 に 訴 え る こ とが で きた 時代 の 呼 稱 で あ る 。 国 家 が 国 際 法 上 戦 争 を行 う権 利 を有 して い る と い う こ とに つ い て,そ れ を否 定 す る説 が あ る が,主 権 独 立 の 国 家 は他 国 に対 して戦 争 に訴 え る こ とが 禁 止 さ れ て い なか っ た とい う意 味 で,国 家 の 交 戦 権 と呼 稱 され た の で あ る。 こ の こ と は,神 学 者 達 に よ る正 戦 学 説 の 主 張 に もか か わ らず,実 定 法 上 は無 差 別 戦争 観念 が 支 配 して き た時 代 の 沿 革 を見 れ ば納 得 で き る こ とで あ る 。 わ が 国 の 憲 法 が 「国 権 の 発 動 た る戦 争 」 を 放 棄 し た こ と に よ っ て 侵 略 戦 争 が 禁 止 さ れ た こ と は 当 然 で あ る が,自 衛 の た め の 戦 争 ま で 放 棄 さ れ た か 否 か は 定 か で は な い 。 国 権 の 発 動 以 外 の 戦 争 が あ っ て,そ の よ う な 戦 争 は 放 棄 さ れ て い な い と い う 意 味 で は な く,戦 争 は す べ て こ の 中 に含 ま れ て い る と解 す る 説 が あ る が(6),国 権 の 発 動 た る 戦 争 に 自 衛 戦 争 が 含 ま れ る と解 す る 明 確 な 根 拠 が あ る とす る こ の よ う な 見 解 に疑 問 が も た れ る 。 (2)国 際 紛 争 を 解 決 す る 手 段 と し て の 戦 争 ま た 憲 法 第9条1項 で わ が 国 が 禁 止 し て い る 「国 際 紛 争 を解 決:す る 手 段 と し て 」 の 戦 争 と い う 表 現 は,不 戦 条 約 第1条 に 同 様 の 表 現 が 見 ら れ る 。 同 条 に は 「国 際 紛 争 解 決 ノ 為 戦 争 二 訴 フ ル コ ト ヲ 非 ト シ 」(they(theHigh ContractingParties)condemnrecoursetowar forthesolutionofinternationalcontrover-sities)て,こ の 条 約 の 締 約 国 す べ て が 自 衛 戦 争 を 除 き侵 略 戦 争 を 放 棄 し た 。 当 時 地 球 上 に 存 在 し て い た 殆 ど す べ て の 国63か 国 が こ の 条 約 の 締 約 国 と な っ て い た の で あ る か ら,侵 略 戦 争 の 違 法 化 は 普 遍 的 な も の に な っ た の で あ る 。 わ が 国 の 憲 法 が 禁 止 し て い る 「国 際 紛 争 を 解 決 す る た め の 手 段 と し て 」 の 戦 争 に 自衛 戦 争 も含 ま れ る と す れ ば,不 戦 条 約 の 締 約 国 す べ て が 自衛 戦 争 を も 放 棄 し た こ と に な る が, こ れ は 事 実 に 反 す る 。 し た が っ て,わ が 国 が 禁 止 して い る 「国 際 紛 争 を 解 決 す る 手 段 と し て の 戦 争 」 は 侵 略 戦 争 の み を 指 し,自 衛 戦 争 が 含 ま れ て い な い こ と は 明 白 で あ る 。 以 上,憲 法 第9条1項 か ら 明 らか な こ と は, わ が 国 が 侵 略 戦 争 を 行 う こ と を 禁 止 し た こ と で あ る 。 自 衛 戦 争 ま で 禁 止 し た か 否 か は1更 に 検 討 を 要 す る 。 (3)国 の 交 戦 権 憲 法 第9条2項 で は,「 国 の 交 戦 権(the rightofbelligerencyofthestate)は,こ れ を 認 め な い 」 と規 定 し て い る 。

(6)

国 の交 戦 権 につ い て は,国 家 が 戦 争 を行 う 権 利,国 家 が 交 戦 国 と して 国 際 法 上 有 す る権 利 及 び前 二 者 を共 に指 す とす る説 が あ る 。 国 の交 戦 権 を 国家 が戦 争 を行 う権 利 と解 す れ ば,第1項 で 国権 の発 動 た る戦 争 を既 に放 棄 して い る の で あ る か ら無 用 の 規 定 と も言 え る。 した が って,国 家 が 交 戦 国 と して 国 際 法 上 有 す る各 種 の 権 利 と解 す る の が 妥 当 な 見 解 で あ ろ う(7)。 国 家 の行 為 は,同 一 の行 為 で あ っ て も,平 時(inpeacetime)と 戦 時(inwartime)と で は 法 的 評 価 が 異 な る場 合 が あ る 。 平 時 に お い て 隣 国 の 領 空 に 自国 機 を侵 入 さ せ る行 為 は,領 空 侵 犯 とな り,国 際 違 法 行 為 を構 成 し加 害 国 に国 家 責 任 が 発 生 し,国 家 責 任 の 解 除 を行 わ な け れ ば な らな い 。 戦 時 に お い て は か か る行 為 は,も と よ り領 空 侵 犯 と は な らず,国 際 法 上 な ん らの 問 題 も発 生 しな い 。 平 時 にお い て,隣 国 の 領 空 に 自国機 を侵 入 さ せ,爆 弾 を投 下 し人 々 を殺 傷 し,建 造 物 を破 壊 す れ ば こ れ ら一 つ ひ とつ が 国際 違 法 行 為 を 構 成 す るが,戦 時 に お い て は交 戦 法 規 に違 反 す る こ とが な け れ ば合 法 な 行 為 とな る。 国 の 交 戦 権 は,国 家 が 交 戦 国 と して 平 時 に は有 しな い 上 記 の よ うな 国 際 法 上 の各 種 の 権 利 で あ る 。 交 戦 国 で な け れ ば 認 め られ ない 権 利 で あ る 。 か か る権 利 と して,自 国 内 にお け る敵 国資 産 の 管 理,敵 国領 土 の 占領,海 上 に お け る 中立 国 船 舶 の 臨検 ・拿 捕 な どが あ る。 以 上 の よ う な権 利 が な け れ ば,自 衛 の た め の 戦 争 で あ っ て も,国 家 は 戦 争 を行 う こ と は で き な い。 敵 国 兵 の 殺 傷 や敵 国 の 建 造 物 ・空 軍 機 ・軍 艦 な ど を爆 撃 破 壊 す る 害 敵 手 段 の 行 使 が 国 際 違 法 行 為 を構 成 し,国 家 責 任 が 発 生 す る とす れ ば,自 衛 の た め の 戦 争 も行 う こ と が で き な い こ とは 自明 の こ とで あ る。 第9条2項 に お い て 国 の 交 戦 権 を否 認 した こ とで,わ が 国 が 自衛 戦 争 を含 む す べ て の 戦 争 を放 棄 した もの で あ る こ とは 間 違 い な い 。 (4)前 項 の 目的 を達 す る ため 第9条1項 で は っ き りと放 棄 さ れ て い る戦 争 が 侵 略 戦 争 の み で あ る と解 さ れ る こ とに つ い て は既 に述 べ た。 そ して,第2項 で 「国 の 交 戦 権 」 を 否 定 した こ と に よ っ て 自 衛 の た め の 戦 争 も放 棄 した 。 第2項 の 「前 項 の 目的 を達 す る た め 」 とい う 文 言 を 「国 際 紛 争 を解 決 す る 手 段 と し て は」 と制 限 条件 に解 し 自衛 の ため の 戦 争 は放 棄 さ れ て い な い の で 侵 略 戦 争 の 目 的 を達 す る た め,「 陸 海 空 軍 そ の 他 の 戦 力 は,こ れ を保 持 し な い」,自 衛 の た め で あ れ ば こ れ らの 戦 力 の 保 持 は 禁止 され て い な い と解 す る こ と は で き な い。 戦 力 は,自 衛 の た め に も侵 略 の た め に も用 い る こ とが で きる か らで あ る 。 国 の 交 戦 権 が 認 め られ な け れ ば,自 衛 の た め の 戦 争 も行 う こ とが で き な い こ と につ い て は 既 に 述 べ た 。 「前 項 の 目 的 を達 す る た め 」 とは, 第1項 に掲 げ る 目的 を指 し,戦 力 不 保 持 を定 め た 動 機 を 指 す(8)。 わ が 国 が 全 面 的 戦 力 不 保 持 を宣 明 す る か ら こ そ 「平 和 を愛 す る諸 国 民 の公 正 と信 義 に信 頼 して,わ れ ら の安 全 と 生 存 を保 持 し よ う と決 意 」(憲 法 前 文)す る 必 要 が あ っ た の で あ る。 しか し なが ら,わ が 国 は,1950年 朝 鮮 動 乱 を機 に警 察 力 を捕 充 す る との名 目で 警 察 予 備 隊 を創 設 し,再 軍 備 をす る に至 っ た 。 わが 国 政 府 の憲 法 第9条 に 関 す る現 行 の解 釈 で は, 個 別 的 自衛 権 の場 合 の み 軍 事 力 の行 使 が 認 め られ,集 団 的 自衛 権 の 場 合 に は軍 事 力 の 行 使 は 認 め られ ない と解 して い る。 ま た,国 連 軍 に つ い て は,厂 国 連 軍 の 目 的,任 務 が 武 力 行 使 を伴 う もの で あ れ ば,自 衛 隊 が これ に参 加 す る こ とは 憲 法 上 許 され な い」(1980年10月 の 鈴 木 内 閣 の 閣議 決 定 に よ る政 府 答 弁 書(g)) との 解 釈 を 堅持 して きて い る。

3無

差別戦争観念の台頭

国 の 交 戦 権 は,国 家 が他 国 に対 して 戦 争 に 訴 え る権 利 を意 味 し,ま た,国 家 が 交 戦 国 と

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して国 際 法 上有 す る権 利 を意 味 す る こ とが あ る。 前 者 の意 味 にお い て は,国 権 の発 動 た る 戦 争 と 同意 義 に 解 して よい で あ ろ う。 19世 紀 以 前 に お け る 国 際社 会 に は,国 家 が 他 国 に対 して 戦 争 に訴 え て も戦 争 が 国 際法 上 禁 止 さ れ て い な か っ た 時代 にお い て は,神 学 者 達 に よ る正 戦 学 説 の主 張 に もか か わ らず, 実 定 国 際 法 上 は 無 差 別 戦 争 観 念 が 支 配 して い た 。 悪 し き戦 争 は 国 際 法 上 禁 止 さ れ て い る と い う正 戦 学 説 が 正 しい と して も,諸 国家 の 上 位 にあ っ て 国 際社 会 の統 一 的,公 的認 定 権 を 有 す る機 関 が存 在 して い て,交 戦 当事 国 の い ず れ が 正 しい 戦 争 を行 い他 方 が 違 法 な戦 争 に 訴 え たか を法 的 に判 定 で き る制 度 を有 して い な い 限 り,正 戦 学 説 は実 定 法 上 の地 位 を 占 め る こ と は で きな か っ た の で あ る。 正 戦 学 説 は ま さ に こ の よ うな 陥 穿 に 陥 り,無 差 別 戦 争 観 念 が 実 定 国 際 法 上 の 地 位 を 占 め る に至 っ た (10)・ 戦 争 は,こ の よ う な無 差 別 戦 争 観 念 の 支 配 した 時 代 に お け る国 家 対 国 家 の対 等 者 間 の 戦 闘 で あ っ た 。 戦 争 が 対 等 者 間 の戦 闘 で あ っ た か ら こそ,こ の 戦 争 に参 加 す る こ とを欲 しな い 国 は,こ れ ら両 交 戦 国 の い ず れ に対 して も 軍 事 的 支 援 を行 わ ず 公 平 義 務 を維 持 す る こ と に よ っ て 中立 国 と して戦 争 の 局 外 に と ど ま る こ とが で きた 。 中 立 法 の 生 成 に は こ の よ う な 淵 源 が あ る 。 国 際 社 会 が初 め て諸 国 家 の 戦 争 に訴 え る 権 利 を一 般 的 に規 制 した の が 「契 約 上 ノ債 務 回 収 ノ為 ニ ス ル 兵 力 使 用 ノ 制 限 二 関 ス ル 条 約 」 で あ る(署 名1907年,効 力 発 生1910年)。 こ の 条 約 は,「 一 国 の 政 府 二 対 シ 他 ノ ー 国 ノ 政 府 ガ 其 ノ 国民 二 支 払 ハ ル ヘ キモ ノ トシ テ 請 求 ス ル 契 約 上 ノ債 務 ヲ 回収 ス ル為 二,兵 力 二 訴 ヘ サ ル コ トヲ約 定 」(第1条)し た も の で あ っ て,債 務 回収 以 外 の 目的 で 戦 争 に訴 え る こ とは 禁 止 さ れ て は い な か っ た。 国 際 連 盟 規 約(署 名1919年,効 力 発 生1920 年)発 効 後 も,「 連 盟 国 間 二 国 交 断 絶 二至 ル ノ虞 ア ル 紛 争 発 生 ス ル トキハ,当 該 事 件 ヲ仲 裁 裁 判 若 ハ 司 法 的解 決 又 ハ 連 盟 理事 会 ノ審 査 二 付 ス ヘ ク,且 仲 裁 裁 判 官 ノ判 決 若 ハ 司 法 的 裁 判 ノ 判 決 後 又 ハ 連 盟 理 事 会 ノ報 告 後3月 ヲ 経 過 ス ル 迄,如 何 ナ ル 場 合 二於 テ モ,戦 争 二 訴 ヘ サ ル コ トヲ約 」 し た の で あ っ て(第12 条),全 面 的 に戦 争 に訴 え る こ と を禁 止 して い た の で は な い 。(侵 略)戦 争 を全 面 的 に禁 止 した の は,不 戦 条 約(署 名1928年,効 力 発 生1929年)に お い て で あ る。 国 際 法 は,開 戦 二 関 ス ル 条 約(1910年 効 力 発 生)に よ っ て戦 宣 また は最 後 通 蝶 の 通 告 な し に戦 争 を 開 始 す る こ と を 禁 じ(第1条), 毒 ガ ス の 禁 止 に 関す る ハ ー グ宣 言(効 力 発 生 1900年),学 術 又 は 慈 善 の 用 に供 され る 建 物 や 病 院 船 の 爆 撃 を制 限 した空 戦 に対 す る規 則 (1922年 署 名,未 発 効)な ど にみ られ る よ う に,害 敵 手 段 の行 使 に 規 制 を設 け て き たが, 戦 争 そ の もの に訴 え る こ と を禁 止 す る こ とは な か っ た の で あ る。 4国 連 軍 国 際 連 合 は,国 際 の 平 和 と安 全 を集 団 的 に 保 障 す る こ と を最 大 の 眼 目 と して設 立 され た 世 界 的 集 団 安 全 保 障 機 構 で あ る。 国連 憲 章 は, 加 盟 国 に対 して 国際 紛 争 の 平 和 的解 決 を義 務 づ け(第2条3項,第33条1項),国 際 関 係 に お い て 武 力 に よる威 嚇,武 力 の行 使 を禁 止 し(第2条4項),こ の よ う な 違 反 に対 し 国 際 連 合 の 迅 速 か つ 有 効 な 行 動 を確 保 す る た め に,加 盟 国 は,国 際 の平 和 及 び安 全 の 維 持 に 関 す る 主 要 な責 任 を安 全 保 障 理 事 会 に負 わせ (第24条1項),同 理 事 会 は 国 連 憲 章 第7章 に 規 定 す る強 制 措 置 を とる こ と に な っ て い る。 強 制措 置 に は,非 軍 事 的 措 置(第41条)と 軍 事 的措 置(第42条)と が あ るが,こ の 軍 事 的 措 置 は,国 連 軍 に よ って と られ る の で あ る。 安 全 保 障 理 事 会 は,「 国 際 の 平 和 及 び安 全 の 維 持 に関 す る主 要 な 責 任 」 を負 う機 関 で あ る(国 連 憲 章 第24条1項)。

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世 界 の い ず れ か の地 域 で侵 略 行 為 が 発 生 し た 場 合,ま ず 安 全 保 障理 事 会 は,国 連 憲 章 第 39条 に基 き 「平 和 に対 す る脅 威,平 和 の破 壊 及 び侵 略 行 為 の 存 在 」 を 決 定 し(determine), 非 軍 事 的措 置 或 い は軍 事 的措 置 を発 動 す るが, これ らの措 置 を発 動 す る前 に事 態 の悪 化 を 防 ぐ た め,「 必 要 又 は 望 ま しい と認 め る 暫 定 措 置 に従 う よ う に 関係 当事 者 に要 請 す る こ とが で き る」(第40条)。 安 全 保 障 理 事 会 は,非 軍事 的 措 置 を決 定 す る こ と もで きれ ば(第41条),非 軍 事 的 措 置 で は不 十 分 で あ る と認 め る と き は,陸,海, 空 軍 に よ る 軍 事 的 措 置 を と る こ とが で き る (第42条)。 両 措 置 を 同 時 に と る こ と もあ る で あ ろ う。 湾 岸 危 機iにお い て は,1990年8月2日 イ ラ ク軍 約10万 人 が9時 間 で ク ウ ェ ー トを制 圧 し た とい うが,安 全 保 障理 事 会 は,そ の 日の う ち に,イ ラ クの ク ウ ェ ー ト侵 攻 を 国 際 の 平 和 及 び安 全 の破 壊 が 存 在 す る と決 定 す る と 同時 に,イ ラ ク の 侵 攻 を非 難 し,イ ラ ク軍 の 即 時 か つ 無 条 件 撤 退 を要 求 す る 暫 定 措 置 を盛 り込 ん だ決 議660を 採 択 した。 ま た,同 理 事 会 は,8月6日 経 済 制 裁 決 議 661を 採 択 し,8月9日 に は イ ラ ク の ク ウ ェ ー ト併 合 を無 効 で あ る と決 定 し,す べ て の 国,国 際 機 関 及 び専 門機 関 に対 して か か る併 合 の 不 承 認 を 要 請 す る決 議662を 満 場 一 致 で 採 択 した。 11月9日,こ の 湾 岸 危 機 にお い て そ れ ま で 安 全 保 障 理 事 会 が 採 択 して きた 諸 決 議 を イ ラ クが1991年1月15日 ま で に履 行 しな い と き は, 同 理 事 会 は,国 際 の平 和 及 び 安 全 を 回復 す る た め に必 要 な あ ら ゆ る手 段 を と る 旨 の所 謂 期 限 付 武 力 行 使 容 認 決 議678を 採 択 した 。 「必 要 な あ ら ゆ る 手 段 」(allnecessarymeans)に は,武 力 行 使 を も含 む こ とが 了 解 さ れ て い た 。 国 連 憲 章 が本 来 予 定 して い る国 連 軍 は,安 全 保 障 理 事 会 の発 議 に よっ て,同 理 事 会 と加 盟 国 との 間 に締 結 さ れ る 特 別 協 定(specia1 agreement)に 基 づ い て,加 盟 国 が 「兵 力, 援 助 及 び便 益 」 を安 全 保 障 理事 会 に利 用 させ る こ と に な っ て い る(第43条)。 か か る特 別 協 定 を安 全 保 障 理 事 会 との 間 に 締 結 して い な い 加 盟 国 は,兵 力 等 の提 供 義 務 を負 わ な い 。安 全 保 障 理 事 会 が 特 別 協 定 の 締 結 を発 議 して きて も,加 盟 国 は合 法 的 にそ れ を拒 否 で き るq1)。 国 際 連 合 設 立 よ り半 世 紀 を経 た今 日に お い て も,冷 戦 下 で か か る特 別 協 定 を締 結 した 国 は1国 も ない か ら,安 全 保 障 理 事 会 に対 して兵 力 等 の 提 供 義 務 を負 っ て い る 国 は存 在 しな い 。 国連 憲 章 が 本 来 予 定 してい る 国 連 軍 は,こ の よ うな特 別協 定 に基 づ い て,同 協 定 の 定 め る 限度 内 で 各 加 盟 国 が提 供 す る 陸,海,空 軍 に よっ て 編 成 さ れ,と るべ き行 動 につ い て は 安 全 保 障 理 事 会 の命 令 ・指 揮 ・監 督 権 に服 す る。 安 全 保 障 理 事 会 の常 任 理 事 国 の 参 謀 総 長 ク ラ ス で構 成 され る軍 事 参 謀 委 員 会(第47条2 項)は,同 理 事 会 に援 助 を与 え戦 略 的 指 導 を 行 う が,同 理 事 会 に対 して責 任 を負 う(第45 条,第47条3項)。 国 連 軍 と し て提 供 して い る各 国部 隊 に対 して,派 遣 国政 府 が 命 令 ・指 揮 ・監 督 権 を有 しな い の は 当然 で あ る。 湾 岸 危 機 にお い て,安 全 保 障 理 事 会 が イ ラ ク の ク ウ ェー ト侵 攻 に対 して 国 際 の 平 和 及 び 安 全 の 破 壊 が 存 在 す る こ と を決 定 し(決 議 660),イ ラ ク に対 す る経 済 制 裁 決 議 を採 択 し (661),イ ラ クの ク ウ ェ ー ト併 合 の 無 効 を決 定 した(662)段 階 ま で は,安 全 保 障 理 事 会 の 侵 略 に対 す る対 応 は 国 連 憲 章 の予 定 どお り 進 め られ た 。 変 則 的型 で 進 め られ た の は,武 力 行 使 容 認 決 議(678)以 降 で あ っ て,こ の こ とが 国連 憲 章 の解 釈 をめ ぐっ て論 議 を惹 起 した の で あ る。

5国

際連合の強制行動 と戦争観念

国 際 社 会 で 戦 争 が 禁止 され 違 法 化 され る と, 違 法 な武 力 行 使 に訴 え て 侵 略 を行 っ て い る国

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と,そ の 反 撃 と し て 自 衛 権 を 行 使 し て い る 国 と の 戦 闘 は,対 等 者 間 の 戦 闘 と は い え な い 。 自 衛 権 の 行 使 で あ っ た か 否 か に つ い て は,国 際 機 関 に よ っ て 法 的 判 断 が 下 さ れ る 。 同 様 に し て,或 い は そ れ 以 上 に 違 法 な 武 力 行 使 に 訴 え て 侵 略 行 為 を 行 っ て い る 国 と,国 連 憲 章 の 定 め る 手 続 に 従 っ て こ の 侵 略 行 為 を慎 圧 し 国 際 の 平 和 を 回 復 す る た め に 強 制 措 置 を と っ て い る 国 連 軍 と の 問 の 戦 闘 は,対 等 者 間 の 戦 争 観 念 で と ら え る こ と は で き な い(12)。 国 連 軍 は 所 謂 国 際 公 権 力 の 行 使 者 と し て 任 務 遂 行 に 携 わ っ て い る の で あ り,他 方,侵 略 国 は 法 侵 犯 者 と し て 国 際 公 権 力 の 行 使 に 服 し な け れ ば な ら な い 地 位 に あ る か ら で あ る 。 国 際 連 合 が 侵 略 国 に 対 し て 強 制 措 置 を 行 使 し て い る 場 合,国 連 軍 に 自 国 の 兵 力 を 提 供 し て い な い 加 盟 国 で あ っ て も,そ の 国 は 法 的 に は 中 立 の 地 位 に あ る と は 言 え な い 。 こ の よ う な 場 合,す べ て の 加 盟 国 は,国 際 連 合 に あ ら ゆ る 援 助 を 与 え,か つ,強 制 行 動 の 対 象 と な っ て い る 国 に対 し て は 援 助 の 供 与 を 慎 ま な け れ ば な ら な い 義 務 を 負 っ て い る か ら で あ る (国 連 憲 章 第2条5項)。 安 全 保 障 理 事 会 が 非 軍 事 的 措 置 を 命 令 す れ ば,各 加 盟 国 は そ の よ う な 措 置 に 従 わ な け れ ば な ら な い 義 務 が あ る 。 こ の よ う に,国 際 連 合 が 侵 略 国 に 対 し て 強 制 措 置 を 行 使 して い る 場 合,中 立 の 介 在 す る 余 地 は 全 ぐ な い(13)。 国 連 憲 章 は,国 連 軍 と そ の 制 裁 の 対 象 と な っ て い る 侵 略 国 軍 と の 戦 闘 を 対 等 者 間 の 戦 闘 で あ る 戦 争 観 念 で と ら え て は い な い 。 「強 制 行 動 」(enforcementaction)(第2条5項), 厂国 際 的 強 制 行 動 」(internationalenforce-mentaction)(第45条),「 国 際 の 平 和 及 び 安 全 の 維 持 又 は 回 復 に 必 要 な 空 軍 ・海 軍 又 は 陸 軍 の 行 動 」(air,orlandforcesasmaybe necessarytomaintainorrestoreinternational peaceandsecurity)(第42条)と 呼 稱 さ れ て い る の で あ っ て,戦 争 と い う 用 語 は 用 い ら れ て は い な い 。 既 に見 た よ う に,わ が 国憲 法 が 禁 止 して い る の は,無 差 別 戦 争 観 念 の支 配 した時 代 の 国 対 国 レヴ ェ ル の対 等 者 間 の 戦 争 で あ る の で, わ が 国 の兵 力 を 国 連 軍 と して 派 遣 ・参 加 させ る こ とは理 論 上 は 禁 止 さ れ て い ない とい うべ きで あ る。 法 的 観 点 か ら して,国 際 連 合 に よる 強制 措 置 の 行 使 は,侵 略 行 為 を行 って は な らな い と い う法 規 範 の侵 犯 につ い て 責 任 を負 うべ き侵 略 国 に対 して 向 け ら れ る 国 際 社 会 の統 一 的 な 法 執 行 行 為 で あ るか ら,戦 争 とは峻 別 され な け れ ば な らな い こ とは 当 然 で あ る。 こ う した見 解 は,つ と に ガ ー ニ シ キ ン な ど に よ っ て 主 張 され て い た(14)。彼 は,永 世 中 立 国 の 国 際 連 合 の 強 制 措 置 参 加 に 関 して,要 旨次 の よ う に述 べ て い る 。 す な わ ち,国 連 軍 の 侵 略 国 に対 す る強 制措 置 は,厳 密 に は国 家 間 の対 等 者 間 の 戦 闘 で あ る戦 争 で は な く,平 和 擁 護 の た め の 侵 略 者 に対 す る 国 際機 構 側 か らの 集 団措 置 で あ る か ら,中 立 国 が 国 際 連 合 の軍 事 的 制 裁 措 置 に 参 加 す る こ とは 国 連 加 盟 国 と して の 地 位 と両 立 す る と言 うの で あ る。 こ の よ う な見 解 は,国 際 連 合 の強 制 措 置 と戦 争 の 峻 別 な く して は 成 りた た な い帰 結 で あ る 。 憲 法 第9条 に関 す る小 沢 調 査 会 答 申(15)の 解 釈 に よれ ば,国 連 憲 章 第43条 に基 く国 連 軍 の 実 力 行 使 は,「 国 際 の 平 和 ・回復 」 とい う 目的 に沿 っ た もの で あ るか らわ が 国 が か か る 国連 軍 に兵 力 を提 供 して も,第9条 の 禁 止 す る 「国 際 紛 争 解 決 手 段 と して の 戦 争 ・武 力 行 使 」 に は該 当せ ず,憲 法 に は抵 触 し ない と考 え られ る とす る(16)。 これ まで の政 府 解 釈 で は,第9条 は 自衛 の た め の必 要 最 小 限 度 の 実 力 行 使 は許 され る が, そ れ 以 外 の実 力 行 使,侵 略 の対 象 と な っ て い る国 に対 して 集 団 的 自衛 権 を行 使 と して他 国 防 衛 の た め に 実 力 行 使 を す る こ と,ま た,国 際 連 合 に わ が 国 が 軍 隊 を提 供 して 軍 事 的強 制 措 置 に参 加 す る こ と も,憲 法 の 禁 止 す る武 力 行 使 に 当 り許 され な い とす る解 釈 と真 っ 向 か

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ら対 立 す る。 憲 法 第9条 が 放 棄 して い るの は 「国権 の 発 動 た る 戦 争 」(warasasovereignrightofthe nation)で あ り,「 国 際 紛 争 を解 決 す る 手 段 と し て 」(asmeansofsettlinginternatinal dispute)の 戦 争 だ け に と ど ま ら ず 「国 の 交 戦 権 」(therightofbelligerencyofthestate) を も全 面 的 に否 定 した もの で あ る。 こ の よ うな 憲 法 を有 す る わ が 国 が,小 沢 調 査 会 答 申 の解 釈 の よ う に,国 連 憲 章 が 本 来 予 定 して い る 国連 軍 にわ が 国 の兵 力 を提 供 し, 国 際 連 合 の 強制 措 置 の 発 動 に参 加 させ る こ と が で き る で あ ろ うか 。 国 連 憲 章 が 予 定 す る本 来 の 国連 軍 に わが 国 が 兵 力 を提 供 し国 際 の 平 和 を維 持 し回復 す る た め に貢 献 す る こ とは,憲 法 前 文 の平 和 主 義 に も合 致 し,ま た,国 連 軍 に対 す る命 令 ・指 揮 ・監 督 権 は平 和 維 持 に 主 た る責 任 を負 う15 か 国 か ら成 る合 議 体 の安 全 保 障 理 事 会 が 有 し て い て わ が 国 政 府 に は な い か ら,こ の よ う な 国 連 軍 に わ が 国 の 兵 力 を 参 加 させ て も 「政 府 の 行 為 に よ っ て 再 び 戦 争 の 惨 禍 が 起 る」(憲 法 前 文)危 険性 は な い。 湾 岸 危 機 勃 発 の 年 の8月26日,小 沢 自由 民 主 党 幹 事 長 は 海 部 首 相 との 会 談 で,多 国籍 軍 は 事 実 上 の 国連 軍 とい え る 。 国 連 中心 主 義 が 日本 外 交 の旗 印 とい うの な ら,こ れ に最 大 限 の 支 援 をす る の は 当 然 と,自 衛 隊 を派 遣 す る よ う決 断 を迫 っ た とい う(17)。 以 上 の 小 沢 調 査 会 答 申 の解 釈 は,理 論 的 に は 間 違 って はい な い と思 わ れ る 。 多 国 籍 軍 派 遣 に つ い て の 解 釈 に つ い て も,同 様 の こ とが 言 え るで あ ろ う。 しか し,国 際 連 合 の集 団 安 全 保 障体 制 下 の 強 制 措 置 と戦 争 が 理 論 上 峻 別 で きて も,多 数 の 国家 が そ の よ う な法 意 識 を有 し,国 際 諸 機 構 に お い て も,そ の よ うな解 釈 に基 い た 運 用 が 実 際 に な され て い るか 否 か と い う 問題 が 残 る。 ま た,わ が 国 の 憲 法 解 釈 にあ た っ て は, わ が 国 国民 に か か る 法 意 識 が 存 在 して い る こ とが 必 要 で あ ろ う。 顕 著 な 例 を挙 げれ ば,1920年 に発 効 した 国 際 連 盟 規 約 は,初 め て普 遍 的 な集 団安 全 保 障 体 制 を確 立 した もの で あ る が,同 規 約 にお い て は,国 家 相 互 間 の 戦 争 も,国 際 連 盟 が 行 う 集 団 的軍 事 制 裁 措 置 の行 使 に よ る侵 略 国 と の 戦 闘 も,共 に対 等 者 間 の 「戦 争 」 観 念 で と ら え ら れ て い た 。 す な わ ち,同 規 約 第16条 に は 「約 束 を 無 視 シ テ 戦 争 二 訴 ヘ タ ル連 盟 国 ハ , 当 然 他 ノ総 テ ノ 連 盟 国 二対 シ テ 戦 争 行 為 ヲ為 シ タ ル モ ノ ト看 做 ス 」 と規 定 して い た の で あ る 。 ま た,国 際連 合 が 設 立 さ れ て 半 世 紀 を経 た 今 日 に お い て も,ス イス は い まだ に 国 際連 合 の加 盟 国 に は な って い な い が,そ の理 由 は 国 際 連 合 の 強制 措 置 を 「戦 争 」 行 為 と して と ら え,国 際 連 合 の加 盟 国 に な れ ば 国 際 連 合 の 強 制 措 置 発 動 に際 して 中 立 法 上 の 義 務 と抵 触 す る との 考 え に よる もの で あ る 。 同 国 が 国際 連 合 の加 盟 国 に な れ ば,国 連 憲 章 第42条 に定 め る 国連 軍 の軍 事 的制 裁措 置 に 自 国 の 意 思 に反 して安 全 保 障 理 事 会 か ら参 加 を命 じられ る こ と は な い が,非 軍 事 的 制 裁 措 置 に つ い て は, 特 別 協 定 を媒 体 と しな い で 直 接 的 に措 置 を と る よ う命 令 され る こ とが あ るか らで あ る(18)。 ス イ ス は,ガ ー ニ シ キ ンの 見 解 の よ う に,国 際 連 合 の侵 略 国 に対 す る 強 制 措 置 は 国対 国 の 対 等 者 間 の 戦 闘 で あ る戦 争 と は異 な っ て い る とは 考 え て は い ず,こ の よ う な場 合,侵 略 国 に対 して安 全 保 障 理 事 会 の命 令 を実 施 して 非 軍 事 的 措 置 を と る こ と は,永 世 中立 の地 位 と 抵 触 しな い とい う見 解 を有 して は い な い の で あ る 。 永 世 中立 国 オ ー ス トリ ア は,1955年 に永 世 中立 国 に な り,そ の 年 の う ち に 国 際 連 合 の加 盟 国 と な っ たが,非 軍 事 的 制 裁 措 置 の 発 動 が 中立 義 務 との 矛 盾 抵 触 を き た さな い との 考 え か らで は ない 。 同 国 の 専 門 家 達 に よれ ば,同 国 が永 世 中立 国 で あ る こ と を承 知 の上 で 国 連 加 盟 が承 認 さ

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れ た の で あ る か ら,安 全 保 障 理 事 会 は 同 国 の 中立 義務 違 反 とな る よ う な措 置 を命 じ る こ と が で きな い とい う よ うな 見 解 が 多 い(1g)。 こ の よ うな 見 解 に は 国 連 憲 章 第103条 の 憲 章 義 務 の優 先 規 定 が あ るの で 賛 成 で きな い が(20), いず れ に して も この よ う な見 解 は,国 際 連 合 の制 裁措 置 と戦 争 を峻 別 した もの で ない こ と は確 か で あ る 。 国 際 連 合 の強 制 措 置 が 法 侵 犯 国 に対 す る所 謂 国 際 公 権 力 の発 動 と して行 わ れ る もの で あ る との 認 識 に立 て ば,中 立 義 務 との抵 触 問 題 は起 る こ とは な い の で あ る。 この よ う に見 て くる と,実 際 に は諸 国 も, 専 門 家 にお い て も,法 侵 犯 に対 して 責 め を 負 うべ き侵 略 国 に対 す る 国際 連 合 の 法 執 行 行 為 に つ い て は,い まだ に戦 争 観 念 か ら抜 け切 っ た法 意 識 を有 して い な い こ とが わ か る。 6湾 岸 危機 にお け る多 国 籍軍 の 法 的 性格 湾 岸 危 機 に 関 す る安 全 保 障 理事 会 の最 初 の 決 議660が イ ラ ク の ク ウ ェ ー ト侵 攻 非 難 と無 条 件 か つ 即 時撤 兵 を14対0,投 票 不 参 加1で 採 択 して い る こ とが 示 して い る よ う に,イ ラ ク の行 動 は 明 白 か つ 典 型 的 な侵 略 行 為 で あ っ た 。 国 際 連 合 の 集 団 安 全 保 障体 制 下 で,一 国 が他 の 主 権 国 を併 呑 して し ま う とい う行 為 は 類 例 を見 な い 。 湾 岸 危 機 にお い て 出動 し た所 謂 多 国籍 軍 は, 安 全 保 障 理 事 会 の 命 令 で加 盟 諸 国 が 特 別 協 定 に基 い て 提 供 した 軍 隊 で は なか っ た。 安 全 保 障 理 事 会 と加 盟 国 との 間 に特 別 協 定 は今 日 ま で 一 件 も締 結 され て は い ない ので,現 時 点 で は安 全 保 障 理 事 会 が 加 盟 国 に対 して法 的 に拘 束 力 あ る 「決 定 」 に よ って 兵 力 の提 供 を 命 じ る こ と は不 可 能 で あ る 。 しか し,特 別 協 定 が な い 場 合 に も,安 全 保 障 理 事 会 は勧 告 に よ っ て加 盟 国 の 自発 的 意 思 に依 拠 した兵 力 の提 供 を要 請 し,国 連 軍 を編 成 す る こ とは可 能 で あ る 。 1950年 朝 鮮 動 乱 が 勃 発 した と き,6月25日 米 代 表 は緊 急 安 全 保 障 理 事 会 の 開催 を要 求 し, 以 下 の よ う な決 議 案 を提 出 した 。 北 朝 鮮 軍 の大 韓 民 国 に対 す る武 力 攻 撃 は平 和 の破 壊 を構 成 す る もの で あ る と決 定 し,敵 対 行 為 の 即 時 停 止,北 朝 鮮 軍 の38度 線 まで の 即 時撤 退 を要 請 し,す べ て の加 盟 国 に対 して 国 際 連 合 に あ らゆ る援 助 を与 え,か つ,北 朝 鮮 当 局 へ の援 助 の供 与 を慎 む よ う要 請 す る と い う もの で あ っ た 。 表 決 の結 果,こ の 決 議 案 は9対0,棄 権1で 採 決 さ れ た 。 6月27日 に 開催 され た安 全 保 障 理事 会 に お い て は,北 朝 鮮 の武 力 攻 撃 を撃 退 し,該 地 域 に お け る 国際 の平 和 と安 全 を 回復 す る た め に 必 要 な援 助 を大 韓 民 国 に供 与 す る よ う勧 告 す る とい う決 議 案 が,7対1,棄 権2で 採 択 さ れ た 。 朝 鮮 動 乱 に お い て は,こ の勧 告 決議 に よっ て 国 際 連 合 が 軍 事 的 強 制 措 置 を と る こ とに な っ た の で あ る が,7月7日 の安 全 保 障 理 事 会 決 議 で,兵 力,そ の 他 の援 助 を供 与 す るす べ て の 加 盟 国 に対 して こ れ らの 兵 力,そ の他 の 援 助 を 米 統 一 司 令 部 に提 供 す る よ う勧 告 し (第2項),ア メ リ カ に対 して か か る軍 隊 の 司 令 官 を任 命 す る よ う要 請 し(第4項),強 制 措 置 参 加 国 の 国 旗 と国 連 旗 の併 用 を許 可 した (第5項)(7対0,棄 権3,欠 席1(ソ 連 邦))。 朝 鮮 国連 軍 の創 設 につ い て は,そ の 性 格 や 国 連 憲 章 の手 続 上 の 問 題 点 が あ る が,上 述 の よ う に,安 全 保 障 理 事 会 が設 置 し,命 令 ・指 揮 ・監 督 権 を米 統 一 司 令 部 に委 ね,か か る軍 隊 の 指 令 官 任 命 も ア メ リカ に 委 ね,ま た,軍 隊 の 国連 旗 使 用 につ い て も安 全 保 障 理 事 会 が 許 可 した の で あ る。 そ して そ の 名 稱 も,一 般 に国 連 軍 と呼稱 され た。 朝 鮮 国 連 軍 は多 国籍 軍 と比 較 す る と著 し く異 な っ て い る。 湾 岸 危 機 にお け る多 国籍 軍 は,安 全 保 障理 事 会 の 武 力 行 使 容 認 決 議678に 基 い て,各 加 盟 国 が 自発 的 に該 地 域 に 派遣 した 軍 隊 で あ り, 各 々 の 国 の 軍 隊 は 自 己 の 政 府 の 命 令 ・指 揮 ・

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監 督 権 に服 して い て,安 全 保 障 理 事 会 は も と よ り他 の い ず れ の 国 際連 合 の 機 関 もか か る統 一 的指 揮 権 を有 して は い な か っ た。安 全 保 障 理 事 会 は多 国籍 軍 総 司令 官 の 任 命 も行 う こ と な く,国 連 旗 の使 用 も許 可 す る こ とな く,国 連 軍 と呼 稱 さ れ る こ と もな か っ た 。 僅 か に,安 全 保 障理 事 会 が 多 国 籍 軍 に対 し て 規 制 を設 け た の は,「 イ ラ クが1991年1月 15日 まで に 決 議 を履 行 しな い 場 合 に は,必 要 な あ らゆ る手 段 を行 使 す る こ とを … … … 加 盟 国 に 許 可 す る」(決 議678) と した こ と に よ り,期 限 到 来 以 前 に お け る加 盟 国 の 強 制 行 動 を禁 じた の み で あ る 。 ま た 「関 係 諸 国 に対 して,・本 決 議 第2項 及 び第3項 に従 っ て と られ る行 動 の 進 展 につ き 安 全 保 障 理 事 会 に定 期 的 に 通 知 し続 け る よ う 要 請 す る 」(第4項)こ と と され て い た 。 実 際 同理 事 会 は戦 闘 の状 況 に つ い て 定 期 的 に報 告 を受 け て い た とい う(21)。 安 全 保 障 理事 会 の武 力 行 使 容 認 決 議 に基 い て,そ れ を 自発 的 意 思 に よ り受 諾 した個 々 の 加 盟 国 の軍 隊 に対 して 国 際連 合 は な ん らの 統 一 的 指 揮 権 も有 す る こ とな く ,そ の 軍 事 行 動 を個 々 の 派遣 国 に委 ね て お く こ とが 国連 憲 章 上 可 能 で あ る か 否 か につ い て は 明 文 の規 定 は な い 。 国 際 の平 和 を維 持 しま た は 回復 す る た め の 今 次 の 多 国籍 軍 の創 設 は,極 め て 変 則 的 な手 続 に よ る もの で あ り,ま た,こ の 法 的性 格 も 広 義 にお い て も国連 軍 と は到 底 言 い 難 い もの で あ っ た。 しか し,国 際 連 合 の平 和 維 持 機 能 が 過 度 期 に あ る現 状 で は 止 む を得 な い こ とで あ っ た か も しれ な い 。 け だ し,多 国 籍 軍 の 強 制 行 動 が な けれ ば,イ ラ ク は ク ウ ェ ー ト併 合 の 果 実 を永 久 に享 受 し続 け た で あ ろ うか らで あ る 。 国 連 憲 章 上 多 国籍 軍 の設 置 と抵 触 す る 規 定 は な く,終 極 的 に は,国 際 連 合 の 第 一 の 目 的 で あ る侵 略 行 為 を鎮 圧 す る た め の 集 団 的 措 置 は功 を奏 した の で あ る。 米 大 統 領 に と っ て は,「 国 際 警 察 軍 」 の 創 設 を指 示 した 安 全 保 障 理 事 会 の 授 権 決 議 に従 っ て 米 軍 隊 を展 開す る権 限 を もつ 端 初 とな っ た の が 朝 鮮 国 連 軍 で あ っ た(22)。 ソ 連 邦 は,当 初 か ら ア メ リ カ が 主 導 す る 「多 国 籍 軍 」 に対 して 「国 連 軍 」 の 下 で の 行 動 に 固 執 し て き た(23)。国 連 軍 で あ れ ば ソ連 邦 も 自 国 の 軍 隊 を供 与 す る と も述 べ た 。 安 全 保 障 理 事 会 の 勧 告 決 議 に よ って 国 連 軍 が 創 設 され な か っ た こ とは残 念 な こ とで あ る。 ア メ リ カ は多 国 籍 軍 創 設 に よっ て,一 方 で は,安 全 保 障 理 事 会 の 武 力 行 使 容 認 決 議 とい う国 際 連 合 の権 威 の 錦 の 御 旗 を得,他 方 に お い て は, 自国 軍 使 用 につ い て の フ リー ・ハ ン ドを持 っ た と の批 判 を免 れ な い か も しれ な い 。 しか し,安 全 保 障 理 事 会 は 国 連 憲 章 の 定 め る 手 続 に従 って 正 式 に違 法 性 の 公 的,統 一 的 認 定 を行 い,国 際 の 平 和 と安 全 を 回復 す る た め に イ ラ ク に対 して 経 済 制 裁 措 置 を と っ た上 で,加 盟 国 に対 す る武 力 行 使 容 認 決 議 に基 い て 強 制 措 置 を と っ た こ とに よ り,ク ウ ェ ー ト は解 放 され,主 権 を 回復 した の で あ る 。 多 国 籍 軍 は 安 全 保 障 理 事 会 の 命 令 ・指 揮 ・ 監 督 権 に服 して はい なか っ た が,そ の行 動 は 国 際 社 会 の 正 式 の授権 に基 い た 法 執 行 行 為 的 性 格 を帯 び,こ れ に反 して イ ラ ク の そ れ は 前 者 の 行 為 に服 し なけ れ ば な らな い 法 侵 犯 者 の 行 為 で あ っ た 。 した が っ て,多 国 籍 軍 とイ ラ ク軍 と の戦 闘 は,無 差 別 戦 争 観 念 の支 配 した 時 代 の 対 等 者 間 の 戦 闘 で あ る戦 争 観 念 で と ら え る こ とは で きな い の で あ る 。 筆 者 が 本 稿 の標 題 に わが 国 で 一 般 的 に用 い られ て い る 「湾 岸 戦 争 」 と い う用 語(24)を 敢 え て 避 け,「 湾 岸 危 機 」 と した の も以 上 の よ う な 認 識 に お い て で あ る。 英 語 論 文 で は "Th eGulfWar"と 書 か れ て い た り"the GulfCrisis"と 書 か れ た り して 専 門家 の 問 に も用 語 の 統 一 性 は見 られ ない 。 憲 法 第9条 に 関 す る小 沢 調 査 会 答 申で 国 際 連 合 の 強 制 行 動 と戦 争 を峻 別 した解 釈 を行 っ た こ と は,理 論 的 に は 正 しい け れ ど も,実 際

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に は,既 に 述べ た よ うに,国 際 連 合 の軍 事 的 強 制 措 置 と戦 争 を峻 別 す る法 的認 識 が 一 般 化 して い る わ け で は な い。 長 い 間続 い た 東 西 冷 戦 の 時代,国 際 の 平 和 維 持 に主 た る 責 任 を負 う安 全 保 障 理 事 会 が 拒 否 権 の行 使 に よ っ て しば しば 機 能 麻 痺 に 陥 っ た 結 果,軍 事 的 強 制 措 置 の発 動 が 例 外 的 に し か 行 わ れ な か っ た こ とか ら,か か る法 的 認 識 の 醸 成 を妨 げ る大 きな 要 因 に な っ た と考 え ら れ る。 い ず れ にせ よ,か か る法 的 認 識 が 一 般 化 し てい な い現 段 階 で は,わ が 国 が 国連 軍 参 加 の 部 隊 を提 供 す る こ と には 憲 法 上 問 題 が あ る で あ ろ う。 多 国籍 軍 型 へ の 派遣 につ い て は,な お 更 で あ る 。 小 沢 調 査 会 答 申 で は,「 少 な く と も 国 連 の 権 威 の 下 に あ り,国 際 的 な合 意 に基 づ く他 国 籍 軍 で あ れ ば,さ しあ た り資 金 ・物 質 面 で の 支 援 を行 う と と も に,実 力 行 使 を伴 わ な い 医 療 ・輸 送 ・環 境 保 全 な ど の人 的協 力 を進 め る べ きで あ ろ う。 そ れ を超 え た 人 的協 力 を行 う べ きか 否 か に つ い て は,ど の程 度 の 数 の 国 が 参 加 し,そ こで の 意 思 決 定 が どの よ う に行 わ れ る か 等,多 国 籍 軍 の 性 格 や機 能 を十 分 に検 討 した 上 で 判 断 す べ き もの と考 え られ る」 と して い る。 こ の よ う な見 解 は,憲 法 解 釈 上 わが 国 の 多 国籍 軍 型 の 軍 隊 へ の部 隊派 遣 は,派 遣 国 数 や 人 的協 力 の あ り方 な どに か か ら しめ て は い る もの の,原 則 的 に は禁 止 され て は い な い と の 前 提 に立 っ た 上 で,派 遣 す る か 否 か は 政 策 論 の 問 題 と して 述 べ て い る よ う に思 わ れ る 。 米 政 府 の 見 解 は,上 記 の 見 解 を更 に 一 歩 進 め た 肯 定 的 な も の で あ る 。 米 政 府 筋 の見 解 で は,日 本 の 支 援策 は,安 全 保 障 理 事 会 の 決 議 に基 く国 際 行 動 の一 環 と して 位 置 付 け られ る べ きだ と し,個 人 的見 解 と断 りな が ら,自 衛 隊 の ペ ル シ ャ湾 岸 派遣 は 平 和 憲 法 下 で も可 能 で,将 来,日 本 は少 な くと も国 連 平 和 維 持 軍 に参 加 す べ きだ との 考 え を示 して い る(25)。 この よ うな見 解 も,国 際連 合 の 軍 事 的 強 制 行 動 と戦 争 と を全 く異 っ た 観 念 で 把 え て い る こ とは 間違 い な い 。 湾 岸 危 機 に出 動 した 多 国 籍 軍 の 法 的 性 格 は, 一 般 に本 来 の 国 連 軍 の 強 制行 動 と集 団 的 自衛 権 に基 く行 動 の 中 間 的 な もの と位 置 付 け ら れ てい る 。湾 岸 危 機 の 一連 の 決 議 で は,安 全 保 障 理 事 会 が 「国 連 憲 章 第7章 の 下 で行 動 」 し て い る こ と を繰 り返 し な が ら も,他 方 決 議 661前 文 で 「国 連 憲 章 第51条 に 従 っ て イ ラ ク の ク ウ ェー トに対 す る 武 力 攻 撃 に対 して 個 別 的又 は 集 団 的 自衛 の 固 有 の 権 利 」 に も軍 事 行 動 の根 拠 を求 め て い る。 他 国籍 軍 の 軍 事 行 動 が 国 際 連 合 の強 制 措 置 で あ るの か,加 盟 国 の 集 団 的 自衛 権 に 基 く も の で あ るの か に つ い て,田 中忠 教 授 は,憲 章 上 自衛 権 の 行 使 に は 「安 全 保 障 理 事 会 が 国 際 の平 和 及 び安 全 の維 持 に必 要 な措 置 を とる ま で の 問 」 と い う限 定 が あ り,多 国籍 軍 の派 遣 そ の もの が 集 団 的 自衛 に基 く もの で あ っ て も, 決 議678で 安 全 保 障 理 事 会 が 先 行 決 議 の 受 諾 ・履 行 を イ ラ ク に迫 る た め の 「必 要 な あ ら ゆ る手 段 を とる こ と」 を許 可 した 時 点 で,そ の 法 的 位 置 づ け は 変 化 した と見 るべ き で あ る と述 べ て い る(26)。正 鵠 を射 た見 解 で あ る と 思 わ れ る。 尾 崎 重 義 教 授 は,「 安 全 保 障 理 事 会 は,こ の事 件 に対 して,自 らの軍 事 力 に よ っ て で は ない が,敏 速 か つ 果 断 に行 動 し,冷 戦 下 で は 考 え られ な い よ う な 『見 事 な』 成 果 を挙 げ た 。 しか も,そ れ は 大 体 に お い て,憲 章 第7章 に 合 致 す る もの で あ っ た」 と賞 讃 して い る(27)。 松 井 芳 郎 教 授 の 見 解 と対 照 的 で あ る(28)。 多 国籍 軍 の 軍 事 行 動 は,国 連 軍 に よ る 軍 事 的 制 裁 措 置 で は ない が,国 連 憲 章 に従 っ て と られ た安 全 保 障 理 事 会 の軍 事 的 強 制 措 置 で あ っ た 。 この 見 解 に与 しな い 人 で あ っ て も,国 連 憲 章 第51条 に基 く集 団 的 自衛 権 の行 使 要 件 が 充 足 され て い た こ とは疑 い の 余 地 は な い か

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ら,多 国籍 軍 の 軍 事 行 動 が 国連 憲 章 に違 反 し た もの で あ る とい う こ とは で き ない 。 わ が 国 の 国連 軍 へ の 部 隊 派 遣 は,国 際 連 合 の軍 事 的 強 制 措 置 が 侵 略 者 に対 す る法 執 行 行 為 で あ り戦 争 とは 次 元 の 異 な る もの で あ る と の法 的 認 識 が 醸 成 され る よ う な 国 内 ・国際 環 境 が 現 出 す る よ う努 力 した上 で行 うべ きで あ ろ う。 他 国 籍 軍 型 の部 隊 派 遣 につ い て は,一 部 の 諸 国 の 恣 意 的軍 事 行 動 の 可 能 性 を排 す る た め, 正 規 の 国 連 軍 と して 派 遣 で きる よ う尽 力 す べ きで あ ろ う。 註 (1)朝 日新 聞,1990年8月24日 (2)朝 日 新 聞,1990年8月25日 (3)JohnNortonMoore,CrisisintheGulf:Enforc-ingtheRuleofLaw,OceanaPublications,Inc. "l raq'sAcceptanceoftheUnitedNations "C ease-Fire"Resolution687(1991)",pp.497∼ 505 (4)法 学 協 会,『 註 解 日 本 国 憲 法 』,上 券,昭 和32 年,206頁 (5)H.Lauterpacht,Oppenheim'sInternationalLaw, voL2.SevenEdition,1965,p.202 (6)横 田 喜 三 郎,『 戦 争 の 放 棄 』1947年,47頁 (7)佐 藤 和 男,「 憲 法 第9条 の 成 立 過 程 と解 釈 に 関 す る 国 際 法 的 考 察 」 青 山 法 学 論 集,第22巻 第4 号,59頁 (8)法 学 協 会,前 掲 書,222頁 (9)朝 日新 聞,1990年8月28日 ㈲ 詳 細 に つ い て は,拙 書,『 永 世 中 立 と 国 際 法 』, 昭 和57年,1∼5頁 ⑪ 拙 書,前 掲 書,30頁 囮 高 野 雄 一,『 国 際 法 概 論 下 』,昭 和40年,286∼ 287頁 参 照 (13拙 書,前 掲 書,17∼18頁 圓 ガ ー ニ シ キ ン,『 現 代 の 申 立 』,世 界 経 済 研 究 所 訳,1959年,222∼223頁 。 他 に も 高 野 雄 一, 前 掲 書,286∼287頁 ㈲ 「答 申 案 『国 際 社 会 に お け る 日 本 の 役 割 』(全 文)」,文 芸 春 秋,1992年4月,132∼145頁 ⑯ 前 掲 答 申 案,140頁 (1の 朝 日 新 聞,1990年9月3日 鰌 拙 書,前 掲 書,37頁 (19例 え ば,AlfredVerdroB,Dieimmerwahrende NeutralitatderRepublik6sterreich,wienユ966,s 26∼27:JoselfL,Kunz,"Austria'sPermanent Neutrality",AmericanJournalofInternational Law,(AJIL)Vo1.50.,1956.P.424;KarlZemanek, "DasProblemderBeteiligungdesi mmer-wahrendeneutralen6sterreichanSanktionender VereintenNationen,besondersimFalleRhode-siens",zeitschriftfurAuslandisches6ffentliches RechtundV61kerrecht,Nr,1,1968.S.22 ⑳ 入 江 哲 四 郎,「 オ ー ス ト リ ア の 中 立 」,日 本 国 際 問 題 研 究 所,『 中 立 主 義 の 研 究 』 第1巻,217 頁 ⑳ 尾 崎 重 義,「 湾 岸 戦 争 と 国 連 憲 章 」 一 『新 世 界 秩 序 』 に お け る 国 連 の 役 割 の ケ ー ス ・ ス タ デ ィ と し て 」,筑 波 法 政,第15巻,1992年3月,67頁 幽ThomasM.FrankandFaizaPate1,AGOR:the GulfCrisisinInternationalandForeignRelations Law,UNPoliceActioninLieuofWar:Theold OrderChangeth",AJIL.Vol85,Noユ,1991.P.70 ㈱ 朝 日 新 聞,1990年8月18日,8月23日,8月 24日 図 「湾 岸 戦 争 」 と い う 用 語 を 用 い て い る の は, 前 掲 尾 崎 論 文 。 松 井 芳 郎,「 湾 岸 戦 争,国 際 法 お よ び 国 際 連 合 」,法 律 時 報 第63巻9号,10号 。 田 中 忠,「 国 連 の 平 和 維 持 活 動 と 日 本 の 参 加 ・協 力 」.法 学 セ ミ ナ ー,No.443,1991年1月,な ど 。 ㈱ 朝 日 新 聞,1990年8月31日 ¢⑤ 田 中 忠,前 掲 論 文,40頁 伽 尾 崎 重 義,前 掲 論 文,75頁 衂 松 井 芳 郎,前 掲 論 文 は,「 決 議678は 憲 章 上 の 根 拠 を 欠 き,し た が っ て 違 法 か つ 無 効 で あ る と い う 結 論 は 避 け ら れ な い よ う に 思 わ れ る 」 と 結 ん で い る 。48頁

参照

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