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「胃ろう食文化の創造」〜学校給食や食卓に当たり前に胃ろう食が並ぶ地域へ〜

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Academic year: 2021

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(1). 公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団. 2018 年度(後期)指定公募 「成人の在宅医・看護師に対する小児在宅医療講習への助成」 完了報告書. テーマ 「胃ろう食文化の創造」 〜学校給食や食卓に当たり前に胃ろう食が並ぶ地域へ〜 . 申請者:宮武寛知 所属機関:オレンジホームケアクリニック 提出年月日:令和元年 月 日.

(2) 【開催概要】 ○背景 学会にて長野県立こども病院小児外科部長 高見澤繁先生の講演を拝聴し、長野 県では小児に対して胃ろう食を導入していることが自宅や学校で当たり前にな っている現状を知った。福井県においてはまだ胃ろう食に関する関心は低く、 日々の生活や学校の中でも胃ろうから経腸栄養剤を注入することがあたりまえ になっている。胃ろう食の良さは小児も家族と共に同じ食卓を囲むことができ、 また注入の時間が短縮できることで他の活動に活かせる時間が多くなること、 親も介護ではなく食事を作る、育児をしている意識が高まることである。一方 で胃ろう食そのものの認識が低いと手間がかかる、面倒といったネガティブな イメージを抱きやすい。. ○目的 子たちが食に興味を持ち、また家族や友達と食卓を囲み食の時間を楽しめる環 境を整えるため、まずは胃ろう食そのものについて知ってもらう機会を設定す る。活動の先に胃ろう食が食卓や給食で当たり前にでてくる、そんな文化を根 付かせて生きたいと考えた。. ○開催日時 第 1 回セミナー 2019 年 3 月 9 日 第 2 回セミナー 2019 年 6 月 1 日 第 3 回セミナー 2019 年 7 月 20 日. ○開催場所 オレンジホームケアクリニック . ○各回の参加者人数 第 1 回セミナー 34 名(web 配信による視聴者 11 名) 第 2 回セミナー 23 名 第 3 回セミナー 18 名. ○対象者(周知先) 病院小児科医、在宅医、訪問看護ステーション、福井県栄養士会、 介護事業所(ヘルパーステーション、デイサービス、サービス付き高齢者住宅、 グループホームなど)、特別支援学校など教育関係者、当事者とその家族、 行政関係者 .

(3) 【各セミナー当日の様子およびアンケート結果】 ○第 1 回セミナーの内容 第 1 回は長野県立こども病院小児外科部長 高見澤繁先生を講師に講演会を開 催。胃ろう食について総論と長野県における胃ろう食の活用方法を学んだ。ま た当日は会場に来られない当事者・家族のために、講演会の Web 配信も実施し た。 ○参加者アンケート結果(25 名、回収率 73.5%). 人数. 14. 12 12. 12. 10. 8 6 4 1. 2 0 充分理解できた. 理解できた. 理解できなかった. グラフ 1.セミナー内容の理解度 以下、自由記載 ・胃ろう食にするとなぜいいのかなど、わかりやすく説明してくれた。 また実際に行なっている当事者さんの話が聞けたため、より具体的でわかり やすく思えた ・データ、実例をもとに簡潔に説明があった ・丁寧な説明でわかりやすかった ・新しい商品があったり、胃の中で旨み成分を感じることができるなど新しい 発見が多かった ・導入の時期の具体的な話がわかりやすかった ・直接的に消化吸収の両面で利点があること、食事をするという行為として、 家族との繋がりが深まり、生き方につながるのだと思った ・先生がスライドに載せてくださったデータや胃ろう食を実践されている家族 の方の話から胃ろう食について想像はできていたが、実践しているところを 見たことがないので、十分な理解ができたとは言えない ・実際に自分で作って注入してみたい (注入時の硬さや大人や子供の反応が知りたい).

(4) ・胃ろう食を作るだけでなく、実際に注入して市販の栄養剤とどう違うのか 経験したい. アンケート結果より、セミナーに参加したことで参加者の胃ろう食に対する理 解が深まる結果となった。一方で胃ろう食を実際に作る、試食するなど実践を 要望する意見も多くあった。そのため、第 2 回セミナーおよび第 3 回セミナー では実践を通して胃ろう食をより理解するための機会とした。. 写真 1.セミナー中の様子 . 写真 2.セミナー中の様子 .

(5) ○第 2 回、第 3 回セミナー内容 第 2 回、第 3 回は石川県かがやきクリニック在宅医 野口晃先生、岐阜県総合 在宅医療クリニック 管理栄養士 安田和代先生を講師に、実践を通して胃ろう 食を理解する機会とした。. 第 2 回は、 ・胃ろう食を作る際の基礎(使用する器具、準備物、とろみ剤について)を紹介 ・参加者全員で胃ろう食用のお粥作り、試食や注入体験 ・とろみ剤を使用した場合と使用しなかった場合での比較 を主な内容とした。 ○参加者アンケート結果(23 名、回収率 100%) 人数 16 14. 14. 12 9. 10 8 6 4 2 0 充分理解できた. 理解できた. グラフ 2.セミナー内容の理解度 以下、自由記載 ・講師の話だけでなく、当事者側の声も聞けたことが良かった また講師 2 名ともが在宅に関わっているからこそ良かった ・とてもわかりやすく、状態の違い、味の違いわかった ・実際にやって食べられたのが良かった ・実技だと周りとのコミュニケーションがとりやすく、話ながらみんなで出来 る事がよかった ・実演を含め、直接質問できる時間があり、理解が深められた ・説明がとても分かりやすくデモがあったのが良かった. アンケート結果より、ほとんどの参加者が実践を通して胃ろう食に対する理解 を深めることができた。第 2 回では当事者・家族の参加が多かったこともあり、.

(6) 今後自宅で取り入れていく際の工夫や疑問などを積極的に質問する姿が印象的 であった。また今後胃ろう造設を検討している当事者・家族にとっては、すで に胃ろう造設している側の意見を聞いたり、専門職にとっては当事者・家族の 生活を知る機会となり、終始参加者同士が交流を深めていた。. 写真 3.講師によるデモンストレーションの様子. 写真 4.参加者による実践中の様子.

(7) 第 3 回は、 ・第 2 回でのお粥作りを振り返り、応用編としてコンビニ惣菜を用いた胃ろう 食作りを紹介 ・グループごとでの胃ろう食用のおかず作り、試食や注入体験 を主な内容とした。 ○参加者アンケート結果(15 名、回収率 83.3%). 人数. 10. 8. 8 7. 6. 4 2 0 充分理解できた. 理解できた. 以下、自由記載 ・講師のデモンストレーションを先に見た上で、まねするだけで簡単にできた ・講師のデモンストレーションと説明が分かりやすかった ・実技があって良かった。一人で作れるか不安が残るが、実践あるのみかなと 思う ・実際に作って試食して解りやすかった ・デザートなどでも出来るなら、そういう勉強会もやって欲しい ・こういう食事の仕方を知ってい人が増えると、胃ろう食に対するハードルが 下がっていくのだと思う ・栄養剤以外が流せるのに驚いた ・今回はレトルトのおかずを使った胃ろう食だったので、生の食材から作った おかずではどんな味の胃ろう食になるのか試してみたい ・まだまだ現実的ではないかもしれないが、学校現場でもラコール、エネーボ 等以外の胃ろう食を準備できると良いなと思う ・栄養剤以外がの注入が出来るのであれば食事を流してあげたい ・スベラカーゼを知らなかったので、職場の人にすすめ、導入を提案したい ・学校、病院関係者の人たちにも、もっと胃ろう食について知って欲しい ・食事やカロリー摂取に困っている患者さんもいる。話題として提案したい.

(8) アンケート結果より、第 2 回セミナー時と同様に参加者の多くが実践を通して 胃ろう食への理解を深めることができた。今回は日頃の食卓でも手軽に取り入 れることができるよう、コンビニで販売されている惣菜を使うことを提案。お 粥と 1 品のおかずからでも胃ろう食を始めることができるという手軽さを知っ てもらえたことは主催者側としても良かったと実感している。またグループご とで様々なおかずを作り、全員で試食を楽しめたことで終始賑やかな雰囲気で 開催することができた。. 写真 5.試食中の様子. 写真 6.実際に作った胃ろう食の一例. 写真 7.実際に胃ろう食を注入する当事者・家族.

(9) ○セミナー以外でのフォロー対応 今回参加予定だったが、当事者の体調不良により当日参加できなかった 2 組 の家族には看護師と栄養士が個別指導にて、胃ろう食の紹介や作り方を指導し た。いずれも胃ろう食に関心があり、これから生活で取り入れていきたいとい う要望が強かった。今後も今回の参加者から要望があれば、個別指導は継続し ていきたいと考えている。. 【主催者側の感想】 ・講義と実践を組み合わせたセミナー内容を行うことで、参加者が積極的に発 言したり、実践に取り組むことができ、胃ろう食への理解を深めることができ た。毎回の終了後に、次回セミナーへの要望も多く、今回のような講義と実践 を組み合わせた内容のセミナーが必要されていると実感した。 ・当初は当事者・家族と専門職を分けて実践セミナーを開催することも検討し ていたが、結果的に立場に関係なく開催したことで、当事者・家族同士だけで なく、当事者・家族と専門職とが交流する場となった。日頃の医療的ケア児の 生活や食のあり方など、互いに感じていることを共有することができた。 ・今回胃ろう食について講演を行うことで、胃ろう食を実践にうつす家庭が出 てきた。これまで胃ろう食がほとんど取り組まれていなかった福井県において、 実践者を生み出した功績は大きいと考える。今後も実践者の増加やそれをサポ ートするセミナー等を行い、胃ろう食を文化として根付くように活動していき たい。 ・胃ろう食を推進するにあたり、医療者だけでなく、教育者に参加頂くことは 大きな課題であった。子ども達の生活において教育機関での生活は重要である。 生活の一部である食事を教育者にも理解頂き、学校でも家庭と同じような食事 を提供出来るか、否かによって文化形成として大きなギャップがあると感じて いた。今回、教育者にもセミナーに参加頂けた事は大きな意味を持つと感がて いる。. 【今後の課題】 ・医療的ケア児が生まれると家族は病院で食事や胃ろうの扱いについて指導を 受けて退院するため、在宅でも病院と同じやり方で食事提供をせざるおえない。 しかし、在宅における食事は単に栄養を補給するだけではなく、家族との交流 や癒し・楽しみ、食育といった面で生活の質を高める機会でもある。退院時に 胃ろう食という選択肢を知っておくと、栄養剤のみの注入=食事という考えに固 執せず、成長に合わせて食事のあり方や経口摂取の可能性が広がっていくと考 えられる。そのためには病院の小児科医や病棟看護師、また特別支援学校など.

(10) の学校教育者にも胃ろう食への理解を求めていく必要があると考える。 ・胃ろう食に必要な基礎的な知識や活用すると便利な食品やとろみ剤などがあ まり認識されていないことも実感した。専門職として食生活をより豊かにする ための情報提供が今後も必要である。. 【謝辞】 この度は開催にあたり、公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成とい う多大なバックアップをいただき誠にありがとうございました。. 以上、報告とさせていただきます。. 添付資料 ※1 第 1 回セミナー配布資料 ※2 ミキサーお粥の作り方 ※3 ミキサーおかずの作り方 ※4 全セミナーの広報チラシ.

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