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小学校体育授業における運動有能感を高める授業づくり -アタック・プレルボールでボールを持たないときの動きに焦点をあてて-

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Academic year: 2021

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- 403 - 小学校体育授業における運動有能J惑を高める授業づくり ーアタック・ブρレノレボールで、ボールを持たないときの動きに焦点をあてて一 教科・領域教育専攻 生活・健康系コース(保健体育) 村 中 昭 広 1.緒言 ネット型のゲームにおいては,ボールを 持たないときの動きの時間は,ボーノレを持 っているときの動きの時間よりも格段に多 いが,ボールを持たないときの動きを評価 する研究はほとんど見られない.プレイヤ 一一人だけを焦点化するのではなく,ゲー ムの中での時系列的な流れ,流動的な状況 の中で、のボーノレを持たないときの動きを評 価することがネット型のゲームにおいて求 められている. そこで,本研究では,運動有能感下位群 にとって有効な評価法である個人内評価, 努力評価を考慮し, GPAI (Game Per-formance Assessment Instrument)の考 えをもとにしたボーノレを持たないときの動 きを取り入れた評価票を作る.授業時間内 にすぐにフィードパックできるように児童 に仲間の動きを評価させ,その結果をもと に話し合わせることで,運動有能感を高め られるのではないかと考え,事例的に検証 することとした. ll. 方法 (1)対象 愛媛県の小学校6年生 1クラス 男子 19名 女 子 15名 計34名 (2) 期間 2012年6月6日"-'6月27日 9時間 (3) ゲームにおける動きの評価 ・レシーバー,セッター 指 導 教 員 賀 川 昌 明 守備する際の基本的なポジションを定位 置と定義し,定位置からどのくらい動いて ボーノレに触れようとしたか,歩数によって 区別し,評価する.また,レシーブFしたボ ーノレの精度についても評価を加える. -アタッカー アタック前において,セッターの動きを 見てコート後方から走り込む準備動作や間 合い取りを評価する.アタック後は,定位 置に素早く戻っているか,リカバリ一行動 を評価する. (4)調査 運動有能感測定尺度を用いて単元前と単 元後に測定する.また,集団的・協力的活 動を評価する形成的評価票を用いて毎授業 後に測定する. (5) 技能成果 ゲーム分析を通して,アタック率,アタック成 功率,アタッカーの準備行動率及びリカバリ一 行動率,ラリーの継続回数について調べる. ill. 結果及び考察 運動有能感合計得点をもとに,上位群・ 下位群に分けて 2要因反復調

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定分散分析 を行ったが,有意差はなく,交互作用も有 意で、はなかった.そこで,運動有能感合計 得点の増加量をもとに群分けを行い,個人 的要因に着目し,運動有能感の変化を事例 的に検証することとした. (1)運動有能感 増加量上位群は,受容感と統制感を高め

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- 404 - たことが運動有能感を高めた要因として考 えられた.増加量下位群は,統制感を低く したことが運動有能感を低くした要因であ ると考えられた. 単元を通して,グループ全員による話合 いや成功の見通しをもった練習やゲームな と統制感が高められるような手立てが行 えなかった.このことが増加量下位群の統 制感を低くした要因であると考えられる. 一方,増加量上位群は統制感を高めている が,これは教材の特性やノレールを工夫した ことが影響したのではないかと思われる. (2) 運動有能感と形成的授業評価の関係 単元前後の運動有能感の変化と,最初(第 1時)と最後(第 9時)の授業における形 成的授業評価の変化との関連性を検証した. 結果,学級全体及び増加量上位群において, 受容感と集団的相互作用との聞に有意な相 関関係を見出せた.仲間の動きの評価をベ アで行ったことで相互作用が促進され,受 容感を高めるのに影響を与えたのではない かと思われる.また,増加量上位群におい て,身体的有能さの認知と集団的人間関係 との間に負の相関関係がみられたが,グル ープ全員による話合いができなかったこと, 自己中心性の傾向がうかがえる学級集団の 実態などが影響を及ぼしているのではない かと推測された. また,増加量上位群において,単元後の 運動有能感に集団的相互作用が

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齢、影響を 及ぼしていることが分かつた受容感と集 団的相互作用には相関関係があることから, 集団的相互作用を高めるような授業を重ね ることで,受容感が高まり,運動有能感が 高まるのではないかと考えられた. (3) 技能成果 アタックする技術は十分に身に付いてい ないが,ボールを持たないときの動きに焦 点をあてることで,アタッカーの準備行動 はほぼ確実に行えるようになり,リカバリ 一行動もある程度できるようになった. 単元を通してラリーの継続回数は少ない が,ボーノレを持たないときの動きに焦点を あてたことで,基礎的なフ。レノレの技術の習 得に時間をあてることができなかったこと が要因であると思われる.基礎的な技術の 習得とボールを持たないときの動きの習得 とをバランスよく指導していく必要があっ た. N.まとめ 運動有能感の増加量をもとに群分けを行 い事例的に分析した結果,増加量上位群は 受容感と統制感を高めたことが運動有能感 を高めた要因で、あった.一方,増加量下位 群は統制感を低くしたことが運動有能感を 低くした要因で、あった. ゲームにおける評価票をもとに情報交換 することで,ペアによる相互作用が促進さ れ受容感を高めることができたことは成果 であ。た.基礎的な技術が身に付いていな い児童にとっては評価基準を理解すること が難しく,ゲーム中に評価することが負担 になったのではないかと思われる.しかし, 本実践で評価してもらう活動を取り入れた ことで,今まで仲間によって認められ評価 される機会が少なかったと思われる増加量 上位群は,ゲームの中で自分のがんばりを 認、めてもらっていると感じ,受容感を高め ることができたのではないかと考えられる. 今後は,ゲームにおける動きの評価基準 を精選し,児童の実態に合った評価票を作 成する必要がある.評価したことを効果的 にフィードパックできるように,評価票の 記入方法や活用方法も更に検討しなければ ならない.

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