<報告>大学における教授法と教育システムの開発
(6)
著者
森 彰
著者別名
Mori Akira
雑誌名
経営論集
巻
45
ページ
83-109
発行年
1997-03-25
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005648/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja(報 告) 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 )
大学 における教授法 と教育 シ ステ ムの開 発(6)
森
彰
は じめ に 1 英 語教育に 関す る問題2 実用 的な英 語 の習得手 順3 経営学 部に おけ る英語 教 育のプ ロ グラ ム4 英 語技能を 向上 させる ため の実験 おわ りに VI. 大学入学時の英 語の学力で経営学を学ぶための技能の習得 83 は じ め に 論者 は、1996年 度 に「外 国 商学 書( 経営 学 書)購読( 英I )」を 担 当し 、英 語を 使 って 経営 学を 学 ぶ ため の技 能 の 習得 を 目 標と した教育を 経 験し た。 英 語教 育 の門 外 漢であ る論 者が 、わ ずか1 年 間 の経験 では あ る がそ の経 験に 基づ き、新し い 教育 の方 法を 考 え 出し、 実 践し 、多 少 の成果 を 生 み出 せ た。 本論 で は 、 論者 が 開発 した新 しい 教授 法 と教育 シ ス テ ムの開 発 のプ ロ セ スと 、新 しい 方式 で の教育 で得 ら れた 成果 を 提示 する。 ‥ 本論 の 概要 は 次 の通 りと なる。 ニ ノ ・ 経営 学 部 で の英 語 教育 の 目的 は ▽ 経営 学 め 領域で英 語が 使え る よ うに な る こと であ る。 「英 語 が使え る」には いろ いろ な レベル があ る が、具 体的 に は、「経営 学の 領域で の研 究 発表 が英 語 でで き る」 レベ ルを 目指 す べ きと考 え る。 ・ そ の尭 め に は、 英 語を 学 ぶのでは な く、英 語 で経営 学を 学 ぶ 教 育が 必要 と なる。 英語 の社会 で生 活 する( た と えば 、 留学)、英 語 の 本 を 読 む ( た とえ ば、テ キ スト や 参考 書)、英語 の資料 を使 う(た と えば 、イ ンタ ーネッ ト のネ ットサ ーフ ィン)、 な ど。 し かし 、・ 強 制的 な 勉 強では学 生はつ い て来 ない 。 自 発的 な 勉学 が必 要 であ る。84 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 ) 勉 学へ の動 機付け は、好 きな テ ーマ で深 く研 究 させ る以 外に 無い。 た とえ ば、学 生個 々 人 の趣味 を 徹底 的 に研 究 させ れば 良い。 そ うすれ ば、 英 語 の資 料だ って 積 極的に 読 み こな すム ・ さ らに 、 楽 しい 勉学 のために は、 ゲ ーム感 覚の あ る対 話的 な 教育支 援 シ ステ ムが 不可欠 で あ る。 そ のた め の道具 と して は、 マ ル チ メデ ィア があ る。 た とえ ば、発 音練 習の ソフト √英 語 ワ ープ ロ、 英 語チ ェ ッ タソフト 、 な どを 教育 目的に 合わ せて 活用 する 。 / ・ こ うし た 教育 方法 の導 入に より、 勉 学 の成果 が 目に みえ る作 品 とな る。 学 生 が 自信を 持っ て学 ぶ よ うに な る。 ‥‥‥ ‥ ‥ ‥ 効 率 的な (生 産性 が高 い) 教育 が 実現 す る。 効 果 的な て水準 が高い ) 教育 が可 能 とな る。 ト \ し 外部 か ら の評価 が高 ま るふ し 教員 の負担 が 激減 する。 レ ‥ ∧ し ご 以上 の内容 を 理解 し て もら うため には 、問 題 の背 景な どを 押 さえ る 必要 もあ り、 少 々回 りくどい 説 明 が必 要 とな る。 と りわけ 、 章建 て の1 と2 と の部 分がそ の説 明 とな る。 新 しい 教 授法 と 教育 シ 不テ ムだけ に 関心 のあ る方 は、1 と2 とを飛 ば し、3 から 読 まれ て も良い ように 構成 した 。1 で は、 英 語 教育 が抱 えてい る 問題点 を 論者 の経 験 に基 づい て 提示 し た。2 で は、 一般 的 に必 要 と ざ れる英 語 教 育の 内容 や方 法に 関し て、多 くの事 例、主 張 や 改善活 動を 参考 に し ながら 、 実 態を 検討 し 、⊃ 経営 学 部 の学生 のため の効果 的 ・効 率的 な 語学 教育レ の実 現を 妨げ で い る 問 題 点 を 明 ら かに し た。 上 十 こ こ以 後 が、 新し い 教授 法 と教育 シ ステ ムに 関す る論 述で あ る。3 で は、経 営学 部 におけ る英語 教 育 のプ ロ グ ラ ム体系を 提 案し た。4 で は、 そ うし たプ ロ グラ ムの 「実 験 と実 践」 の 内容と 結果を 提示 し た。「お わ りに」 で は、 解決 が比較 的 に簡 単 な問 題 とそ の 解決 法 とを 明ら かに し た。 1 英 語 教 育 に 関 す る 問 題 (1) 問題 の 提 起 : 以下 は 私 の教 育経 験 から の問題 提 起で あ る。
大学 におけ る教授法 と教 育シス テムの開 発(6) 85 1) 新 入生 の英 語 の学力 は3 年生 よ りも高い 昭 和60年 に 東 洋 大学 に 奉職 した。 初 年 度の 演習 では 、 私 の演習 を 履 修し た1 年 生 から4 年 生 まで の学 生は 、 こ れま でに 演 習を 履修 し てこ なか っ た学生 であ る。 全 員 が 初め て 演習 を履 修 し た。 私 の 考え では 、 演習 で は英 語 の資 料を 使 う のは当 た り前 と考 え、英 語 の学力 を 調 べる た めに 、 全員 に英 語 の マ ーケテ ィ ン グに 関 す る同 じ資料 を 渡し た。 そ こで び っく りし た。1 年 生 の方 が3 年 生 よ りも 正 確に効 率 的に 読 破 して い く1) 何年 間か 専任 教 員 とし て 専門科 目の 教育に 従 事し てい る うち に、3 年 生 の英 語 の学力 が1 年 生 の そ れに 比 べて劣 って い た状 況 は、 私の 演習 だけ で なく、 一 般的 に は よく 見ら れ る現 象 で あっ た。 そ の原因 が全て 英 語 教 育 にあ る わけ で は ない が、英 語 教育 に も大 き な問 題 があ る と 思 われ た。 2) 体 系 的 で な い カ リ キ ュ ラ ム = 数 年 後 に 、 カ リ キ ュ ラ ム の 改 善 を 担 当 す る 学 部 内 の 委 員 と し て 、 カ リ キ ュ ラ ム の 改 定 作 業 に 携 わ り 、 大 学 教 育 の 大 き な 問 題 点 を 知 っ た 。 経 営 学 部 の カ リ キ ュ ラ ムは 大 き く2 つ に 分 け ら れ て い た 。 い わ ゆ る一 般 教 育 科 目 と 呼 ば れ て い た カ リキ ュ ラ ム (一 般 教 養 科 目 、 語 学 、 体 育 な ど ) と 専 門 科 目 と 呼 ば れ て い た カ リ キ ュ ラ ムで あ る 。2 つ の カ リ キ ュ ラ ムは 独 立 に 運 営 さ れ て お り 、 お 互 い に 無 関 係 と な っ て い た 。 / : 実 際 に は 必 ず し も 効 果 的 に 運 用 さ れ て い る と は 言 い 難 い が 、 専 門 科 目 で は 、「 基 礎 」 →/「総 論 」 → 「各 論 」 → 「応 用 研 究 ( 卒 業 論 文)」 と い っ た 具 合 に 、 勉 学 内 容 が 高 度 化 す る よ う に 体 系 的 な カ リ キ ュ ラ ムが 作 ら れ て い る 。 そ れ に 反 し て 、 英 語 科 目 で は 、 各 科 目 間 の 関 係 、 英 語 科 目 と 他 の 外 国 語 科 目 と の 関 係 、 語 学 科 目 と 専 門 科 目 と の 関 係 、 な ど 教 育 の 体 系 が 確 立 さ れ て い る と は 言 い 難 い 状 況 で あ っ た 。 カ リ キ ュ ラ ム が 体 系 的 で な い た め に 、 語 学 の 教 員 は 個 々 の 教員 の 担 当 科 目 の 範 囲 の 中 で 体 系 的 な 教 育 を 試 み る ざ る を え な い / 個 々 の 教 員 の 努 力 だ け で は 、 効 率 的 お よ び 効 果 的 な 教 育 の 実 現 は 難 し い だ ろ う。 犬 ‥ 尚 カ リ キ ュ ラ ム 改 定 案 で は 、 学 部 の 学 生 に 必 要 な 英 語 の 学 力 は 学 部 の 専 門 科 目 で 身 に 付 け さ せ ざ る を 得 な い と し て 、1 年 次 か ら4 年 次 ま で 、 い く つ か の 英 語 関 連 の 科 目を 設 置 す る 方 向 で 検 討 さ れ た 。 そ れ が 実 現 す る の は 平 成8 年 度 で あ っ た 。 そ し て 、 そ の 科 目 の1 つ を 最 初 に 担 当 し た の が 論 者 で あ っ た 。し \ ニ 3 )フ ィン ラン ド の中 学 生は 通訳 もで き る ・・ 犬 犬 平 成7 年 度に 、論 者 は 交 換研 究で ヨ ーロ ッパに1 年 間滞 在し た。 高 度 な英 語 教育 が 実 現さ れて い た のは フ ィン ラ ンド であ った。 フ ィン ラン ド第2 の都 市であ る タン ペレ から20 キ ロ ほ ど離 れた カ ソ
86 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 ) ガ サ ー ラとい う田舎 町に1 週 間ほ ど ホ ー ムステ イし た。日本 で は 丁字( あざ)」がつ く よ うな辺鄙 な と ころ で あ る。 こ んな 田舎 町 で も、 どこ で も英語 が通 用 し、 生 活 の上 で はま っ たく 苦 労は なか った ホ ー ムス テイ し た家 の主 人 は ボ ルボ系 列 の修 理会 社 の社 長 で、 た た き上げ の 技術 者 で あ り、英語 は 挨拶 と 簡 単な 内 容を 説 明す る 程度 し かで きな い。 そ の家 で は、 中 学2 年 生の 子 ど もが 私 とその主 人 と の間 の 会話 を 通訳 し て く れた。「 ボル ボは こ れほ ど よい」ト ラ ックを 提供 し てい るに もか かわら ず、 日本 は ボ ル ボの ト ラ ッ クを 輸 入し て は くれな い。なぜ 、日本 は ボル ボを輸 入し て く れな い のだ。」と い った 発 言を この中 学 生は 瞬 時に フ ィy ランド 語2)から 英語 に 通 訳ず る。 日 常 英 語 の 世 界 で は 、し日 本 の大 学 生 よ りも フ ィン ラ ンド の中 学生 の方 が 実力 があ ると 思え た。 そ の理 由 は簡 単 であ る。 フ ィ ン ラン ド は英 語 教 育に 大変 熱 心 で、 小学 校 の低 学年 か ら英 語 授業 が 始 まる とい う。 高 学年 から は第2 外 国 語 も始 まる。EC 加 入 後は 英 語教 育 は第1 学 年 か ら始 めら れ てい る≒ 日本 で も英 語 教 育 に は 大 きな力 が注 が れ てい る。 に もか か わら ず、 私 の演 習を 履 修 して い る日本 人 の大 学 生は そ の程度 の英 語 す ら通 訳 は で きな い。 4 ) 新 しい 英 語 教育 の試 み ニ私 が ヨ ーロ ッパ に 滞在 し てい る平 成7 年 度に 、 経営 学 部で は カ リキ ュラ ムが 改定 さ れ、 平成8 年 度 に は論 者 は 「外 国 商学 書 購読 (英I) 」 とい う( 名称 は 古 めか しい が、)新 し い 科 目を担 当 させら れ た。 講 義 要項 を 作成 す るに あ た って、 何を 教 れば よい のか 分 から ず、 悩 みぬ い た。 論 者は論 者 の 研 究 領域 の英 語 の文 献 を 読 む のに も苦 労し てい る くら い の英 語 の学 力し か ない 。 学会 誌に 掲載 す る 日本語 の論文 に 付け る英 語 の レジ メを作 るのに も苦労 し てい る。 論 者 は語 学 の 教員 で は ない ので、 学 生 の英 語 の学 力 を 高 める た めの 教育 の経 験 も無け れば 、英 語 教員 の資 格 も持 ってい ない 。論 者に で き る 教育 は一 体 何 だろ うか。 とに か く 困っ た。 長い 間悩 ん だ末 に1 つ の 結論 に至 っ た。 第1 の結論 は 、「教 員 が 教 える」 行 為を 放棄 し 、「学生 が 学 ぶ」 ス タイ ルに す れ ば よい 。 第2 の結論 は 、英 語 の学 力 が 低 い 論 者 が こ れ ま でに 見つ げ 出 し た 「ハイ テ クを 活用 し た英 語 の 実力を 高 め る方 法」 を 体系 的 に学 生 教え れば よい 。 第3 の結 論は、 フ ラ ンス で の論 者 の フ ラン ス語 習得 の体 験を 参考 にし て、 実 際的 な 外 国語学 習 の 方法を 整 理し 、そ れ を 学 生 に提 供 す れ ば よい 。 そ うす れ ば、 学生 が 持 ってい る 大 学入 学時 で の英 語 の学力 だけ で、英 語 。 の資 料を 読 んだ り、 英 語で コ ミュ ニケ ーシ ョ ンを し た り、 英 語で 意 見を発 表 で き る ように なるだ ろ う。 要 す るに 、英 語 の基本 的 な学 力 はあ る のだ から 、そ れを うまく 活用 する た め の技能 を 身に 付け さ せれ ば よい 。 こ の講義 で は 学生 の 自宅 作業 が多 かっ たに もかか わ らず 、大 き な勉 学成 果を 挙げ た と 考え ら れ る。 詳 細は 後述 す る。
大 学 に お け る 教 授 法 と 教 育 シ ス テ ム の 開 発(6) 87 (2) 英語 教 育 に 関 する論 争 英 語 教育 で 使 わ れる図 書 (たとえ ば、 テ キ スト、 リ ーデ ィン グズ、 文法 書、 会話 、受 験 図 書、 な ど) は 非常 に 多 い。 ま た、 英語の 教育に 関 す る文 献 も数多 く見 ら れ る。 たとえ ば、 ト ーハン書 籍 情 報i)で、キ ー ワ ードを[英語 ]&「教 育」として 検索 する と、実 に141冊 が 見つ か る。 この中 には 幼 児 教 育 から 社 会 人 教育 まで が含 まれてい る が、 大学 お よび 社会 人 向け の 「英 語教 育」 に関 す る文 献は20 か ら30冊程 度 ある。 こ の種 の文 献を 読 んでい ると、 英語 教 育に 関 して は、 目的、 目標 、 教育プ ロ グラ ム、 教授 法 、 施設 、設 備、な ど の多 くの側 面 で多 様な 意 見 があ る こと が理 解で きる。 英 語 教 育に 関 す る基 本的 な考えを大 き く2 つに 分け る と 「技能 とし て の英語 教育 」 と 「学 問 とし て の英 語教 育 」 とに な るだ ろ ‰ 前 者は 「英 語に よる コ ミ ュニ ケ ーショ ン技能」 の 修得 を 目的 とし て い る。 後 者 の 教育 の 内容 は「言語 とし て の英語 」 とな る。 昭 和50年 には、 自民 党 政調 審 議委 員 の 平 泉渉 氏 と 上智 大 学 教授 の渡 部昇一 氏 と の間 で公 開論 争 が なさ れた5ト こ の論 争 で は 英 語 教 育 をめ ぐ る多 くの 問題 点 が検 討 されてい た が、 この論 争 に よっ て、 結論 が 得ら れた わけ では な い。 そ の後 も英 語 教 育を めぐ って 解決 策を探 る努 力 がなさ れ 七 きてい る。 こ うした 論 争 はな に も英語 教育 の領 域だけ で な く、多 くの 専門 教 育 の領域 に もあ る。 端 的に 表 現 す る と イ技」を 教え る のか、「学」を 教え る のか、 とな ろ う。 何を 教 え るべ きかは、教 え る側 の シ ー スと 教わ る 側 の ニ ーズに よって決ま る が、社 会 のお か れた 環境 と大学 の社 会的 な役 割を 無 視 は で き ない だろ う。 と くに 、大 学を 最高学府 と考え て学 生 に 高度 な知 識を 教 え込 もう と考 え る伝 統的 な 教 育理 念 と 、 大 学を 生 涯学 習 の始ま りと考 え 自発的 な 勉学 を 重視 す る新 しい 教 育理念 と の、 どち ら の 立場 に 立 つ か で教 育 の内容 と方法 と が根 本か ら 異な って く る。 (3)英 語 教 育 の 目的 二 大学 に おけ る英 語 教育 の 目的を 考 え る上 で、 英語 を 専攻 と する 学生 に対 す る英語 教 育 とそ れ以 外 の学 生 に 対 す る英 語 教育 と は、そ の目的 や 内容 や方 法 は 異なるノだ ろ う① 以 下 は、経 営 学部 の英 語 教 育に 限 定 し て 検討 を 進め る。 論 者 の 場 合、 論 者 め専 門外 であ る哲 学や 文 学や 物 理学 の英 語 の資 料 は読 めない と 言 って良 い だろ う√ 英 語を 読 む 経 験 が少 ない学生 が、 大学 の2 年 間に4 つ の コ ースを 履 修し 、文学 作 品を 読 む、 新 聞記 事 を 読 む、 米 国 のホ ー ムド ラ々を 読む 、会 話 の実 習を す る、 とい う た 幅広 く、 パ ラパラ な教 育 を受 け て も、 一つ とし て身 につくぱ ず はない だ ろ うノ 日常 会 話七 か 観光会 話 であ れ ば、 自学 自習 も で き る だろ うし 、町 中 の会 話 スクール な どの専 門学 校 とか 各種 学 校で 学 べる。 大学 の経営 学 部 の学 生で あ るか らに は、 まず は 経営学 の 勉学 に必 要 な英 語 の力を 身 につ け させ るべ きだ ろ う。 さら にそ の うえ で 、文 学 作 品 な ど他 の領域の英 語資 料 が読 め れば そ れに こし た こ とはない 。
88 経営 論集 第45号(1997 年3 月 ) 学 生 が経 営学 の 英語 の資料 を読 むた めに は 、 コンテ ント であ る経 営に 関す る基 礎 的 な知 識 が不 可 欠で あ る。最 も基 礎的 な知識 は専 門用 語 で あろ う。 流通 の 領域 では、distributionは 分 布を 意 味す る だけ で はな く流 通で ある 場合 が多 い。channel は テレ ビ のチ ャン ネ ルでjは な く流通 機 構 と か 流 通 経 路 と な る。 こ うした 基本的 な 英語 の単 語 とそ れに 対 応し た 日本 語 の単語 、お よび 、 そ の単 語 の意 味 す る内容 の理 解 が不 可欠 とな る。 した が って 、 経営 学部 の英 語 教 育に関 して は、 語 学 の専 門家 に 加 え て 経営学 の専 門家 が担 当す べき と ころ も多 い と思 わ れる。 さ らに 、 経営 の国 際化 とい った 時代 の流 れ の中 で、 英 語 の資 料を 読む だけ でな く、経 営 領 域で の 英 語を 使っ た双 方 向の コ ミュニ ケ ーショ ンや 情報 発 信、 とい っ た活 動 も不可欠 とな っ てい る。 そ う した 流 れ の中で 、多 く の大学 で カリ キ ュラ ムの 改定や 教授法 の改善を 進 めてい る。 し かし な がら、 目を 見張 る成 果 は得 ら れてい る とは言 い難 い だろ う。 そ こに は2 つ の原 因 が考 え ら れ る。 第1 の原 因 は、 次 項 で説 明す る東 洋英 和女 学院 大学 や 桜美 林 大学 経 済学 部に 見ら れ るよ うに、 英 語 教 育を担 当 す る人 が英 語 の教員 だけ で あ り、専 門教 育 の担 当者 との共 同 作業 が無 い ことで あ る。 第2 の原因 は 、 フ ェ ース・ ツ ー・フ ェ ースと い う古典 的 な 教授法 が採用 さ れてお り、犬教育 の成 果を 得 る ために は 教 育担 当者 の 犠牲的 な 努力 が必 要 とな る。 2 実 用 的 な 英 語 の 習 得 手 順 ト 英 語 教 育に 関 す る提案 が書 かれ てい る文 献 も多 いノ そ れら の提案を 、 経営学 部 の専 門教 育 の視点 か ら 評価 す る。 犬 △ ト ニ 1 ) 東 洋 英和 女学 院大 学 の ケース6) 東洋 英 和女 学 院大学 は 開学時 に 新し い英 語 教 育を実 現 す る た め の、“contenトbasedteaching" とい う発 想に 基づ いた 教 育シ ステ ムを 導入 し た。 具 体的 には 、 小人 数教 育、 コ ミ ュニ ケ ーシ3 ン重 視 の英 語 カ リキ ュ ラ ム(英語 で 行 う英 語 教 育√専 門 科 目につ な げ る英 語教 育)、そ し て、入試 問 題 の 改革 、 で あっ た。 ト ‥・ し か し なが ら、 こ の試 みは暗 礁に 乗 り上げ る√ 理 由は 同書 に 記載 され てい る が、 論者 が考 え る理 由は √2 つ あ る。第1 の理 由は、「 小人数 教 育」が 良い とい う盲 信だろ う≒ 教 育を 受け る学 生 の総 数 が少 な い ときに は 小人数 講 義 が可 能 と なる。 しか し、 学 部や 学 科 の学 生 数が数 百 人 や数 千人 という た人 数に な っ た ときに は、 教育 内 容の統 → 性や 一 貫性 、教 員 の 資質 や負 担、必 要 な 施設 や設 備 、な ど の条 件を 考え る と、 小人数 教 育 が必ず し も良 い とは 言 えず 、 反対に 害 が発生 す る 場合 も多 い。
第2 の理 由ぱconten トbasedteaching" とい う言 葉に 見。られ る ように、“teaching" がキ ー ワー ド とな ってい る こ とで あ る。 コツ テソト を重 視し てい る妻 言 って い るに もかか わら ず、 教 育 スタ ツ
大 学 に お け る 教 授 法 と 教 育 シ ス テ ム の 開 発(6) 89 フ とし て 「英 語を 教え る専 門家」 だ け が 揃 え ら れ て い る。 大 学 に おけ る 教 育 の 基 本 はteaching-learning で は な く、education-studyであ り、英 語 自体を 教え る のでは な く、英 語が 活 用 で き る よ う に導 くの であ る と認識 し てい たら8)、 教え 込 も うとい う発想 で はな く、 自ら 学 ば せ よ う と い っ た 発 想 のシ ス テ ムを作 り出せ たか もし れない 。 問 題 点を 解決 する ため の新 しい カ リキ ュ ラ ムでは 次 の6 つ の方 法 が 強調 され てい た 。 成 績評 価で は 出席を 重 視する 進度 別 クラス の編成 二 英 語に よる教育 ス ピ ー キン グ、 リーデ ィン グ、 ラ イテ ィン グ別 の教 育 上級 英 語 選択 コ ースの 設置 ト ・。 英 語 教育 連絡会 の設 置 こ れ ら の点 を見 る と、「上 級英語 選択 コ ース の設 置」 以外 は まさ に高 校 まで の 英 語 教 育 の 延 長 の よ うに 思 わ れる。「成 績評 価で は出席を 重 視す る」に 関 して も 大 きな問 題 があ る。出 席 す る行 為 自体 と英 語 の学 力 の 向上 とは 相関 はない と 思 わ れる。 大 学 教育 に おけ る講 義時 間 が学 生 の生 活 時 間に 占 める 割 合 は非 常に 少 なく9)、 大学生 の 勉学 の決 め手 は講 義 時間 以外 の勉学 であ る と 認 識 す る な ら 、 こ うし た 「 出席」 とい う物 理 的な要 件 に よ る評 価 の方式 は 採用 す べ きでな く、 むし ろ、 毎 週 の宿 題 の提 出 物や 小 テ スト の成 績 といった パ フ ォーマ ン スに 関す る 要 件 ( こ れ ら な ら 出 席 点 の 意 味 も 加 わっ てい る) で の評 価が 不可 欠であ る と 思わ れ る。 要 は、 出席 で 評価 す るの では な く、 英 語 の学 力 を 評 価 し て単 位を 認定 す る方 法を 導 入 す べ きで あ り、 筑波 大学 の試 み10)は評 価で き るだろ う。 「進 度別 クラ スの 編成」 や 「ス ピ ーキ ン グ、 リ ーデ ィ ン グ、 ライ テ ィン グ別 の 教 育」 は 専 門学 校 の ように 技 能を 教え込 む だけで あ れば そ れは 可 能 と考 えら れ るが、 そ れで も=進 度を 測定 す る 尺度 は 多 様 であ る。 さら に コブ デ ン侈 の学 習 の 程度を ど の よ うに 測定 す る かは大 き な問 題 と な る。 コ 「英 語 教育 連絡 会レ の 構成 員は英 語 教 員 のみ であ る 状況 も、contenトbasedteaching の考え 方 に 矛 盾 し てい るノ トl 大 き く 評価 で きる のは ( ライテ ィ ン グレ で の リサ ーチ ペ ーパ ーを 作 成 し、 作品 を 作 り 上 げ る11)機 会 が あ る と ころだ ろ う。「苦 労してL 年 間かけ て 書 き上 げ た リ サ ーチ ・ ペ ーパ ーを 手 に し た 時 の学 生 の 見 せ る満足 感〈以 下略 〉」12)がこ の大 学 で の教 授 法 の最大 の成果 であ る と考 えら れ る。 2 ) 桜美 林 大学 経 済学 部 のヶ− ス'≫ 本 書 は、 当 大学 におけ る英 語教員 の努力 を 記 述 して い る。 英語 教 育を 幾つ か の領 域 に 分 解し て、 そ の 領 域毎 に 熱 心な 教育を 進 める とい う方式 を 採 用し た。 具 体的 に は、 英語 の学 力 を 構 成 する 主要
90 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 ) な 英 語 技 能 ご と の 教 育 と 、 各 種 の 英 語 技 能 を 身 に つ け る た め の 教 育 技 法 ご と の 教 育 を 、1 つ の カ リ キ ュ ラ ムに ま と め 上 げ た 。 た と え ば 、「 興 味 別 ダ ラ ス」、「 外 国 人 ゲ ス ト 」、「TOEFL /TOEIC の 実 施 」、「 ス ピ ー チ 」、「 英 字 新 聞 の 読 み 方 」√ レビ ジ ネ ス レ タ ー の 書 き方 ]、 等 々 で あ る 。「興 味 別 ク ラ ス 」 の 内 容 は 、「 異 文 化 理 解 」、「環 境 ・ 食 糧 問 題 」、「 ラ イ テ ィ ン グ コ ー ス 」、「オ ー ラ ル ・ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 訓 練 コ ー ス 」、「 ビ デ オ 教 材 に よ る 総 合 英 語 ク ラス 」、下速読 ク ラ ス」、「会 話 中 心 ク ラ ス 」、 等 で あ る 。 ニこ う し た 教 育 に よ り 得 ら れ る 効 果 に 関 し て は 、 学 生 に 対 す る ア ン ケ ート 調 査 で 調 べ て い る。 調 査 の 内 容 は2 つ あ り 、1 つ は 、 教 員 の 教 育 内 容 に 対 す る 評 価 で あ り、 他 は 、 そ の 講 義 を 履 修 し て の 感 想 で あ る。 し か し 、 こ の よ うな 内 容 の ア ン ケ ー ト 調 査 で は 教 育 の 善 し 悪 し の 理 論 的 な 評 価 は で き な い 。 前 者 に 関 し て は 、 仮 に 高 い 評 価 を 得 た と し て も 、 そ の 教 育 が 良 か っ た と は 言え な い / さ ら に 後 者 に 関 し て も 、 学 生 が 満 足 し た と し て も学 生 に 学 力 が 付 い た と は 言 え な い 。 こ こ で 重 要 な の は 、 学 生 が 満 足 し た 時 点 で 留 ま ら ず に 、 満 足 を 勉 学 意 欲 の 向 上 に 結 び 付 け て い く 方 法 の 確 立 で あ る 。 こ れ が 無 い 限 り、 教 授 法 と し て は 十 分 で は な い だ ろ ‰ 上 十 英 語 教 員 が こ れ だ け 時 間 を かけ て 努 力 し た 結 果 、 大 学 教 育 で 得 ら れ た 客 観 的 に 明 ら か な 成 果 は 残 念 な が ら 同 書 で は 明示 さ れ て い な い丿 こ こ で い う客 観 的 な 成 果 指 標 は 、 だ れ が 見 て も 評 価 で き る 作 品 、 学 外 の 統 一 的 な 試 験 で の 成 績 、 学 生 が 作 成 し た 作 品 に 対 す る 外 部 か ら の 評 価 、 各 種 の コン テ ス ト で の 評 価 、 父 母 の 大 学 教 育 に 対 す る 感 想 、 履 修 し た 学 生 の 就 職 状 況 、 等 が あ る だ ろ う。 こ の 大 学 に お い て も 、 英 語 教 育 の 抜 本 的 な 改 革 は 困 難 と 考 え ら れ る 。 そ の 理 由 は い く つ か あ る 。 第1 に 、 全 体 的 に 英 語 の 技 能 を 中 心 と し た 教 育 で あ り、 コ ン テ ン ト 以 上 に 英 語 自 体 を 教 え 込 も う と し て い る 。 中 学 と高 校 の 英 語 教 育 で 十 分 な 成 果 が 得 ら れ て い な い 実 態 が 明 ら か で あ る に も か か わ ら ず 、 中 学 と 高 校 の 英 語 教 育 の延 長 と な んて い る。 英 語 を 専 攻 す る 学 生 以 外 の 大 部 分 の 学 生 の 英 語 に 対 す る ニ ャ ズ を 満 た す 教 育 と は た っ て い な い と 考 え ら れ る 。 大 学 で の 英 語 教 育 の 目 的 はレ 英 語 自 体 の 教 育 も あ る か し し れ な い が 、 生 涯 学 習 の 第1 段 階 と し て 、 個 々‥の 学 生 の 学 習 ( 大 袈 裟 に 言う と 、 ラ イ フ ワ ー ク) に 英 語 を 役 立 て る 方 法 の 教 授 で は な い だ ろ うか 。 ニ 〉 ダ第2 に 、 学 生 に 対 し て 英 語 学 習 の 必 要 性 が 示 せ て い な い 。 言 い 換 え る と 、 英 語 学 習 の 動 機 付 け が 全 く で きて い な い 。 テ ー マ 別 総 合 ク ラス で は 、 こ の 問 題 を 解 決 し よ う と し て い る が 、 は な は だ 不 十 分 で あ る と 言 わ ざ る を 得 な いレ 学 生 毎 に 異 な っ て い る 関 心 に 対 応 し た 教 育 が 不 可 欠 で あ る に も か か わ ら ず 、「異 文 化 理 解 」 と「 環 境 ・ 食 糧 問 題 」 の2 つ の テ ー マ だ け に 絞 り込 ま れ て い る1 つ の ク ラ ス の 学 生 に は 伺 じ 内 容 を 学 ば せ よ う と す る 旧 来 の 教 育 の あ りか た か ら 脱 却 で き て い な い 。
大 学 に お け る 教 授 法 と 教 育 シ ス テ ムの 開 発(6) 91 3 ) 外 国 で 活 躍 す る 日 本 人 か ち の 提 言 ビ ジ ネ ス の 領 域 に し ろ ア カ デ ミ ズ ム の 領 域 に し ろ 、 外 国 で 主 導 的 な 地 位 を 作 り 上 げ た 人 は 、 日 本 の 英 語 教 育 に 対 し て 痛 烈 な 批 判 を す る 場 合 が 多 い の は 周 知 の 事 実 で あ ろ う 。丿 た と え ば 、 マ ー ク ス 寿 子H )の 『 爆 弾 的 英 語 教 育 改 革 論 』15)は ジ ャ ー ナ リ ス テ ィ ッ ク な 表 題 で は あ る が 、 イ ギ リ ス で の ビ ジ ネ ス 生 活 に 加 え て 、 大 学 で 教 鞭 を 取 っ て い る 著 者 の 長 い 経 験 に 基 づ い た 英 語 教 育 法 を 提 案 し て い る 。 同 書 で は 、 幼 児 か ら 大 学 ま で の 英 語 教 育 に 対 す る 批 判 が 記 述 さ れ て い る 。 た と え ば 、「 中 学 校 で 三 年 間 英 語 を 習 っ て 、 日 常 会 話 が で き な い と し た ら 、 ど こ か が お か し い の だ 」16) 大 学 の 英 語 学 科 以 外 の 学 科 で の 英 語 教 育 で 著 者 が 主 張 七 て い る の は 、[ 専 門 科 目 の 一 部 を 英 語 で 学 ば せ る ] 方 式 で あ る17)。 具 体 的 に は 、 英 語 の 本 を ど ん ど ん 読 ま せ る 、 専 門 科 目 を 英 語 で や る 、 英 語 で 世 界 の 動 向 を 把 握 さ せ る 、 必 要 な の は 会 話 で な く 英 語 で 議 論 で き る 能 力 で あ る 、 と 、 主 張 七 て い る 。 日 本 国 内 で の 英 語 教 育 に 対 す る 提 言 に 加 え て 、「 英 語 の 学 力 を 高 め る た め に は 、 英 語 が 必 要 と な る 環 境 に 居 る 丁 の 重 要 性 を 唱 え て い る レ 英 語 が 必 要 で な い と こ ろ で 英 語 を 勉 強 さ せ て も 、 勉 強 の 動 機 付 け が 無 い の で あ る か ら 、 学 力 の 向 土 は 困 難 で あ る と 強 調 し て い る 。しこ の 問 題 を 解 決 す る た め に2 つ の 方 法 を 示 し て い るレ 第1 の 方 法 は 、 先 に 述 べ た 「 専 門 科 目 の 一 部 を 英 語 で 学 ば せ る 」 方 法 で あ る 。 第2 の 方 法 は 、 実 際 に 海 外 で 生 活 を 営 み な が ら 英 語 を 上 達 さ せ る 方 法- ご あ る レ 論 者 も こ れ ら の2 つ の 方 法 に は 賛 成 で あ る 。 第1 の 方 法 に 関 し て は 、 基 礎 知 識 も 無 い の に ど う し て 英 語 で 教 育 が で き る か と 言 う 疑 問 が 出 さ れ よ う 。 こ う し た 否 定 的 な 疑 問 こ そ が 大 学 教 育 の レ ベ ル を 低 下 さ せ て き た 発 想 だ と 思 わ れ る 。1 年 生 の 教 育 で は 経 営 学 の 知 識 が 無 い 状 態 を 前 提 と し て 経 営 に 関 す る 簡 単 な 資 料 を 読 ま せ れ ば 良 い だ ろ う 。2 年 生 で は=レ1 年 で 習 得 し た 経 営 学 の 専 門 知 識 が 生 か せ る よ う な 文 献 を 読 ま せ れ ば 良 い 。 こ の よ う に 前 年 度 の 勉 学 と 関 係 づ け な が ら4 年 間 で 一 定 の 水 準 ま で 育 七 上 げ れ ば 良 い この で あ る / 第2 の 海 外 モ の 生 活 に ノ関 し て も 、 フ タ ソ ス の グ ラ ソ ゼ コ ー ル (lECS ) の 全 員1 年 間 留 学 の 制 度18)を 論 者 は 紹 介 し 七 い る の で 参 考 と さ れ た い 。 日 本 の 大 学 で 多 く の 学 生 を1 年 間 を 海 外 で 過 ご さ す ケ ー ス と し て は 東 京 国 際 大 学 の ウ ィ ラ メ ッ ト 大 学 へ の 集 団 留 学 が 挙 げ ら れ る 。 国 際 化 が 進 む 日 本 の ビ ジ ネ ス の 中 で 、 こ う し た ノ ウ ハ ウ の 提 示 ぱ 大 き な 改 善 に つ .t 。。 ・ ・II な が る と 思 わ れ る 。 4 ) 英語 教育 学 者 の1 つ の見解 ‥ 十 、 青 山学 院女 子短 期 大学 の 高島敦子 氏 は 『こ れで よい のか、英 語 教育だ の「 まえが き」 で、次 の よ うに記 述し てい る 。
92 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 ) ふ だ ん英 語を使 う機会 があ ま りな い。 も っと練 習した いのだけ れ ど何か良 い方 法 はな い だ ろ う か、 とい う相談 を一人 の学生 から受け た。私は、使 う機会 が無い とい うこ とは 使 う必要 が無い とい うこ とだか ら、別 に練 習な どし なく ても よい の では、と言い かけ たや めた。彼 女があ ま りに もま じめで 、勉強 好 きな学 生だっ たか らだよし かし、実 は、彼女 のこ の疑問 こそ 、明治 以来 の日本人 の英 語との特別 な 関 わ りかたを 象徴的に 言い表 してい る と、 私に は思 える のであ る。 さ ら に 、 第1 章 で も 次 の よ う に 述 べ 、 日 本 人 が 英 語 が 下 手 な 理 由 を 「 使 う必 要 が な い か ら 」 と し て い る20)。 つ 十 人間は 、ど うし ても相手 に伝 えたい こ と伝え なけ ればな らない こ とがあれば 、自然 に言 葉 が出 てく る。こ れは、一 とお りの基礎 があ れば 外国 語の場 合 も同 じであ る。どうして も英 語を 使 って 、相手 に 意思を伝 えた り事情を 説明し なけ ればな らな い状 況に おか れれば 、英 語は必ず うまくなる。 英 語教 育学 者 がこ うした 基本 的 な問 題 点を 明示 し た ことは 価値 があ る と考え ら れ る。 し かしな が ら √同書 の第2 章 以降 では 、そ うし た使 う必要 が無 い社 会で の英 語 教育 のあ り 方を 提 言 す るので は な く、「学 とし て の」英 語を 教 え るた め の言語 学 に 関す る理論 の説 明 とな って し ま って い る。そ うし た意 味で 、本 書 は英語 教育 に 問題 意 識を 持 って い る教員 です ら、 実 際 の教育 現 場 で は 「英語 学」 の 教育 か ら抜け 出 せない 実態 を表 す 典 型的 な 著作 物 であ る と考 え ら れる。 し 5) 日本で英 語 教育 に 関わ って い る ネイ テ ィブ 教員 の発 言 元 上智 大学 教 授、現 在多 摩 大学 学長 の グレ ゴ リー. クラー ク氏 は、 英 語教 育 に 関 して も多 くの発 言を して きて いる。『 クラ ーク先 生 の英語 勉 強革 命 』21)で は ▽ 日本人 が勉強し て もあ まり英 語が でき ない原 因は 教育 シス テ ムのな かにあ ります 。 結 果 と し て熱 心 に 勉 強す ればす るほ ど英語 がで きな くな ってし ま うので す。 と、 日本 の英 語 教育 を 全面 的に 否定 し てい る。 そし て 、英語 教育 を重 視し てい る多 摩大 学 の入試 で は 入試 の必須 科 目か ら英 語を は ず し てし ま った。 そ の 基本的 な 理由を 次 の よ うに 説 明し てい る。 日 本人 の常 識で は、は じめ に ボキ ャブ ラリ- と文 法を覚 え、そのあ とで会話 の練 習 と続 きます。会話 の勉 強を してい る と、聞く 能力 が 自然 に身 につ く と思っ てい るのか もしれ ません が、そ うでは あ り ません。この 順序を 逆にし なけ ればな らな い のです。 つ まり、は じめに[聞 く練習]を し、次に 文 法 と ボキ ャブ ラリ ーを 学び、 そ の後 で会 話 の練 習 とい う順 です。 そし てそ のな かでは、 聞 く練習す なわ ち 「デ ィ ープ リスニ ング」 が最 も大事な ので す。
大学に おけ る教 授法 と教 育シ ステムの開発C6) 93 同 書 の著者 は中 国 語、 ロ シ ア語、 日本 語 を著 者 の開 発し た [デ ィ ープ リス ニ ン グ]方 式 で 習得 し た と言 う。 そ の方 式を 学 生 の学 習に 役立 て ようと して い る。 英 語 の習得 自体を 目的 として い る学 生 に とって は、 有効 な 方式 だ と思 われ る。 この方 式 が有 効で あ るた めに は、 い くつ か の条 件 が必要 と な る。 同 書 の著者 が 書い てい る条 件 は、 言 語を 大 至急 に習 得 する 二と が仕 事上 で不 可 欠 で ある、 そ の 言語 が使わ れ てい る国 で 生活を す る、 時 間を かけ る、そ し て、 言語を 習 得す るた め には 「必死 の 思い」が必 要 であ る、な どで ある22)。こ うし た 条件 が必 要 とな る学 習 の方式 は 、現在 め日 本 の大学 生 に対 す る英 語 教 育の方 式 と して は不 適で あ る と思 われ る23)が、 言語を 習得 す るため に は 上 記 の よう な学 習 め順 番 と努 力 が必 要 であ る ことを 明 ら かに した 点は 評価 で きる だろ う。 ダ 6 ) 音 から 入 る英 語勉 強 法 レ 音 から 入 る外国 語 教育 を 実践 して い る団 体 は非 常に多 い 。 と りわけ 、 通 販方 式 で の英語 教材を 販 売し てい る ケ ース、英 会話 教 室、な どに多 く見 れ る。そ の1 う の例 として 、「ヒ ッ ポフ ァ ミリ ー クラ ブ 」24)があ るレ これは1981年 に 創立 さ れた 任 意団 体の 言語 交流 研究 所を 母 体 とし た語 学学 習 クラブで あ る。 ここで は、7 力国 も し くはn 力国 の言語 を 理屈 抜 きに マ スタ ーす るこ とを1 つ の目標 として い る。 具 体的 に は多 言語 の テ ープ を 暇 な ときに 気 楽に 聞い てい るだけ で、 そ の うち に ロ から 外 国語 が 出て くる よ うに な る よ うに 教 材を 整備 し てい る。 会 話 の機会 と して は2 つを 設け て い る。 こ の ク ラブ の 日本 人 メンバ ーや 外 国人 メ ンバ ーが定期 的 に集 会を 持つ の が第1 の機会 で あ る。。 日本 人 会 員 は 外国 から の旅 行 者に ホ ームステ イを も提供 し てい る のが 第2 の機 会で あ る。 要 す るに 、多 言語 を 使 え る ようにな ると楽 し い生 活が あ る ことを 体 験 させ、 外 国語学 習 の動 機 付け を し てい る とも考 えら れ る。 し た がって 、 こ の クラブ に は 教員 は居 ない。 英 語だけ を 勉 強す る ので は英 語 のマ ス タ ーは困 難 であ り、 複数 の外 国語 を 体 験的 に 習得 す るこ と が言 語 習得 の早道 で あ ると して い る。1 つ の新 し い試 み とし て評 価で き る。 7 )「超 」 勉強 法 の考 え方25) 以 上、幾 つ か の文 献を 採 り上げ て 英語 教育 の問 題点 と 解決 法 とを 探 っ て みた。 こ れら の 改善 提案 は、 学生 へ の勉学 の 動機 付け に 欠げ た り、 最 初に多 大な 努力を 強い る 、総 合 的 な語 学 の能力 を 身に 付け 難い、 とい った 問題 が あ り、 日本 の 大学 生に 対 する 教授 法 として は 適切 で は ない と考 えら れる。 英 語 教育 の門 外漢 で あ ると 考え ら れる一 橋大 学教 授 の野 口悠 紀夫 氏 の『「超 」勉 強 法 』は英 語を 専攻 とし ない 学生 に対 す る英 語 教育 の方 法 とし て 検討 す る価値 が 十分 にあ る と考 え ら れ る。 汀超」 勉 強法』 は 勉 強 の方 法論を パ ラダ イ ム・ シフト さ せた と評 価 され る。「超 」 勉強 法 では 勉 強 の基本三 原 則を 提 示し た。 これら の原 則は 、 これ まで の教 育 では否 定 さ れて い た り無 視 さ れてい
94 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 ) た 原 則 で あ り 、 こ れ ら の 原 則 こそ が 正 し い 勉 強 の 原 則 で あ る と し た 。 具 体 的 に は 、 次 に 示 す 原 則 で あ る 。 第 一 原 則 : 面 白 い こ と を 勉 強 す る 第 二 原 則 : 全 体 か ら 理 解 す る ニ 第 三 原 則 : 八 割 原 則 こ れ ら の 原 則 の 視 点 か ら 現 在 の 大 学 で な さ れ て い る 一 般 的 な 英 語 教 育 を 見 直 し て み よ う。 大 学 の 英 語 教 育 は お も し ろ く な け れ ば 、 第 一 原 則 に 反 す る1 つ の 文 章 ず つ 、 工つ の パ ラ グ ラ フ ず つ 、 と テ キ ス ト を 最 初 か ら 順 番 に 読 み 進 む な ら 、 第 二 原 則 に 反 す る 。 高 校 ま で の 英 語 教 育 の 基 礎 の 足 り な い と こ ろ を 補 う の で あ れ ぼ 、 第 三 原 則 に 反 す る。 こ れ ら の3 つ の 原 則 に 基 づ い て 著 者 が 提 案 し て い る 「 ビ ジ ネ ス マ ン 英 語 」 は 経 営 学 部 の 英 語 教 育 に 大 い に 参 考 に な るレ こ こ で 主 張 さ れ て い る 内 容 は 、 「 ア メ リ カ で 通 用 す る 英 語 」、「 デ ィ ベ ート 用 英 語 が 必 要 」、「旅 行 者 用 の 英 語 は 特 殊 で あ る 」、「FEN の テ ー プ を 聞 く 」、「 映 画 の 英 語 は 難 し い 」、「 書 く 英 語 の 能 力 の 強 化 」、「書 く 訓 練 は 専 門 分 野 の 教 科 書 を 使 う」、な ど で あ ろ う。 全 体 的 に は 、英 語 の オ ーノレラ ウ ソ ド な 力 で ぱ な く 、 学 生 が 関 与 す る 領 域 の 中 で 、 身 を 守 り、 主 張 す る た め の 語 学 力 が ま ず は 必 要 で あ る と主 張 し て い るレ 8 ) 慶応 湘 南藤 沢 キ ャン パ ス の ケ ース^" 慶応 義塾 大学 湘 南 藤沢 キ ャンパ ス では 独特 の 外国 語教 育を 実 施し てい ると 言 われ てい る。 外国 語 を コミュ ニ ケ ーシ ョン の手 段 とし て位 置 づけ 、 第1 外国 語 と第2 外 国語 とい っ た区 別を 廃 し、イ ソ テソ シブ ・ メ ツソ ードを 取 り 入 れ、課 外 授業 重 視、 海外 研 修や 留学 制度 の充 実 、教 養外 国 語 と上級 外国語 の 区別、 ハイ テ クを 活 用し た 自動 学 習体 制 の確立 、 な ど、最 高 の外 国 語 教 育を 目指した 方法 と システ ムを作 り上げ てい る と 言わ れ てい る。 し かし な がら、 問 題 も多 い よう だ。 第1 に、 同 書 の「お わ りに」 に も記 述 さ れてい る ように 、外 国語を 教 え込 む と 言 う スタ ン スか ら抜け 出て はい ない ように 思わ れ る。 した が って、 教 え るため の 努力 が教 員に 要 求 さ れ、 教員 の教 育負 担 が多 すぎ る ような シス テ ムとな っ てい ると 思わ れ る。 第2 に、 自動 学 習 ソフ ト が十 分 で はな い よ うだし 、 自動学 習 ソフ トを 活 用す るノ ウ ハ ウが確 立 されて い な い ように 思 われ る。 第3 に コ ンテ ント と どの よ うに 結 び付け るか に関 す る方 法 が明示 さ れてい な い。 第4 に 自宅 で 勉 強さ せ る のは 良い の だ が、 勉強 さ せるた め の ノ ウハ ウが確 立さ れ てい ない よ う に 思わ れ る。 具 体 的に は 勉 学 へ の動 機付け の方法 が確立 さ れて いた ように 思わ れ る。 こ うした多 く の問題 点 があ る とは いえ 、 非 常に 高 度な 教 育 シス テ ムを 作 り上げ た と 評価 で き る だろ う。
大学に おけ る教 授法と教育 システ ムの開 発(6) 95 9 ) 東洋大 学 経営 学 部 ・学 術通 信実 験室 で の実 験 経 営学 部は 昭和62 年 に学 術 通信 実験 室( 略称GATS ) を 設置 し た。 この学 術通 信実験 室 は国 際 化 と情 報化 とい う社 会 の 大 きな2 つ の流れ の中 で の新 し い経 営学 部 の 教育 シ ステ ムを 作 り上げ るこ とを 目的27)とし た 実 験施 設 で ある。 こ こで も英語 教 育に 関す る実 験 が繰 り返 さ れて い た。「 ハイ テ ク 英語 教 育法」で あ る。経営 学 部の大 部 分 の学 生 は当時 で も 自宅 に パ ソ コンを 持 って お り、「そ のパ ソ コ ンを うま く活 用す れ ば 、英 語の 活用 技能 が簡 単に 身につ く」 とト う仮説 を立 証す る実験 を した。 具体 的に は、 次 の ソフ ト な りサ ービ スを 導 入し 、学 生に 使 わせ た。 丿 一 英語 の単 語力 を つけ るため のト レ ーニ ン グツ フ ト ・ 英語 の発 音力 を つけ るため のト レ ーゴ ング機 器 英語 の文 章を 作 る た めの英 語 ワ ープ ロ と英語 チ ェ ック ソフト 英語で 世 界 情勢 を 知 るため のデ ータベ ース利 用 ト レ ーニ ン グソフ ト28)で は、 英検2 級 レベ ルは ボ キ ャブ ラリ ーの確 認 のた め の道 具 と し て 活 用 で きた が、 準1 級 レ ベル の ソフ トで ボ キ ャブ ラリ ーを 機械 的に は 増や せ な かった 。し たが って、 こう した ソフトは 学 生 の学 力 測定 の道 具と して 使え ば効 果 があ る と判断 さ れ た。 ト レ ーン グ機 器29)では 、 英語 の母音 の練 習 とイ ント ネ ーシ ョン お よび リ ズ ムの練 習 が で き た 。 画 面 に 映 る グラフ ィ ック スと スピ ¬カ ーか ら 出て く る音を 参 考に 、学 生 の発 音を マ イ クから取 り入 れ、 コンピ ュータで 解 析し て 、そ の結 果を 画面 に重 ね映 し、 見 本 の 発 音 と学 生 の 発 音 と が ど の程 度 異 な って いる かを 視 覚的 に 理 解し、 訓練 を 続け る。 こ れは ゲ ー ム感 覚で 楽 しめ 、学 生 の発 音や イ ント ネ ー ションは 教員 が個 別 に 指導し な く とも格段 に 改善 さ れた3≒ 英 語 ワープ ロ てWORDSTAR ) を利 用 す るメ リ ット は、 第1 に 何度 も修正 が 容易 に で きる、 第2 に スペ ル のチ ェッ クを して ぐれ る、第3 にで き上 が った英 語 が活 字 で印 字 され るために 客 観的 に 自己 評価 がし や すい 、 第4 に書け る部 分 から入力 でき る、 こ とな どで あろ う。 英 語 チ ェッ ク ソフ ト31)は、 英語 ワ ープ ロで作成 さ れた 英語 の文 章 を、 文法 的 に正 し い 、 読 み や す い 、 一 般的な 、 文 章に 仕 上げ る機 能を 持 つ 七い る。 この ソフ トで 学 生が作 った英 文 を チ ェッ クする と、 大 量の コ メ ント が 出力 さ れる。 そ の コ メント に した がっ て英 文を 修 正す る と、 一応 は 理解 で き る英 文 がで きあ がる。 し デ ータペ ースで は 日 経 ニ ュ ーステレ コソで 使え る「JapanTimes 」と米 国 の「DIALOG 」とを 使 っ てみた。し か しな がら、「DIALOG 」は コスト がか か りす ぎ、内容的 に も難 し すぎ て学 生 の 手に は 負え な か った。
96 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 ) 3 経 営 学 部 に お け る 英 語 教 育 のプ ロ グ ラ ム32) ■ ■ (1) 英 語 教育 の教 授 法と 教育 シス テ ムの開 発の 条件 経営 学 部に おけ る 「英 語 教育 の 目的 の設定 」や 「教授 法 と教 育 シス テ ムの開 発」 に おい ては 、次 の ような 条件 を満 た す必 要 があ るだ ろ う。 第1 の条件 は、「学 生 の 自発的 な勉 学」で あ る。1 週 間 に2 コマ 程度 だけ 英語 の講 義 に 出席し て も 英語 の学 力 の向 上 は有 り得 ない。「学 生が 自発的 に時 間 を かけ て 勉 強し なけ れ ば英 語 は上 達し ない」 事実 を認 識 すべ き であ ろ う。 そ の ため の有効 な 方法 とし て は、 第1 の方 法 は講 義時 間 以外 に 相当 の 時間 を宿 題 に投 入 させ る、 第2 の方 法 は1 週 間 の英 語講 義 の履 修 コマ数 を 増加 さ せイ ン テン シブな 教育 も導 入 す る、 等だ ろ う。 第2 の条 件は 「苦労 させ ない」 で あ る。 学 生に 限 らず多 く の人 は 苦 労す る こ とが嫌 い であ る。 し かし なが ら、 自 分 の好 きな テ ーマに 関し ては 一所 懸命 に 努力 す る。 し たが って 、苦 労 す る とい った イ メ ージ を 伴 う作 業 の追 放 が必要 で あ る。 第3 の 条件 は 「迅 速な 反応 がある」 で あ る。 英 語を 読 んだ らそ の発音 、 イ ント ネ ー ション、 リズ ムな どの 善 し悪 し がす ぐに提 示 さ れた り、英 語 の文章 を 書い た ら即 時に チ ェ ッ クさ れ るとい った、 ゲ ー ム感 覚を 取 り入 れ た教 育 が必要 に なる。 第4 の 条 件は 「作 品 がで き上 が る」 であ る。 勉強 の成 果 が 眼に 見え る客 観的 な物 体 とな るこ とが 不可 欠で あ る。 経営 学部 の 場合 の最 も 典型的 な 物 体の1 つ の例 は 製本 ざ れた レ ポ ートな り論 文で あ ろ う。 第5 の条 件は、「専 門分 野 の限定 」であ る。一 人 の学 生 が文 学作 品、時 事問 題 、日常会 話、エ ッセ イ、 とい っ た具 合い に 異な っ た領域 の英 語を ランダ ムに 履 修す る ので は、 何一 つ 身に つ かな いだ ろ う。 経 営 学部 の学 生 で ある から、 少 な くと も経営 学に 関 連 した 講義 内容 とすべ きだろ う。 第6 の条 件 は 「教 わ るの では な く学 ぶ」 を 学 ばせ る。 動 機付け が先ず 重 要で あ り、 つ いで英 語を 使った 勉 学 の方法 の教授 が 不可 欠で あ り、最 後に 勉 学 の成 果で 評 価す る方 法 が必 要 とな る。 第7 の 条件 は、 レヽイ テ クを活 用し た 大人 数教 育を 推 進し 、 結果 的に 小人 数 教 育 の実 現 を 目的 と す る] で あ る。 専 門 科 目で の大 人数 教育 に関 し てはす で に 検討 さ れてい る33)。 教育 内容 を2 つ に 分 け て、 単純 な 内容 、 繰 り返 し訓練 、 試行 錯誤 、 など は ハイ テ クを 活用 した 大人 数 教 育で ま とめて 教 育 す る。た とえ ば、10の50人 クラスを1 つ の500人 ク ラスに ま とめ れば、10人必 要 であ っ た教員 が1 人 です む。 余 った9 人 の教員 は ハイ レ ペルな11人 ずつ の小 人数 教 育を9 クラ スつ く り、 全体 の2 割 程度 の99人 の学生 に 高度 な 教育 が提 供 でき よ う。 こ うし た 方式 の 実現 のた めに 、 ハ イ テ ク34)を 活 用 し た新 し い英 語教 育 の シス テ ムを 描 く必 要 があ る。
大 学 に お け る 教 授 法 と 教 育 シ ステ ム の 開 発(6) 97 (2) 英 語教 育 の 目標 の設定 とコ ンテ ン ツの重 視 経営 学 部に おけ る英 語 教育 のプ ロ グラ ムのト つの 例を 示 す。 最初 に 決 める 内容は 最 終的 な教 育 目 標 であ り、 こ れを 「英 語 で研 究発表 が で きる」 とす る。 英 語に 先立 ち重 要 な のそ の発表 の 内容 ( コ ン テ ント) であ る。 内容 が貧 弱で は英 語で 発表 し て も 高く は評 価 で きない だろ う。 経営 学 部 では、 演 習を 履修 してい る2 年 生 と3 年 生 が中心 とな って 、毎年12 月に 研 究発 表 会を 開 催し てい る。 事 前に2 万 字程 度の研 究 レ ポ ート ( 当 然 日本語 で 書か れ てい る)を 交 換し 、 質 問 状を も交 換 し、 簡 単 な問 題点 はす べて事 前に 解 決し て お く。 発表 会 の当 日は、40分 程度 の 口頭 発 表 の後 に 、 質 の 高い 質 疑が1 時 間程 度な さ れる。 発表 会 後 には 研 究 レ ポ ート は加 筆修 正 さ れ、1 月 に 集 め ら れ、2 月 に 印 刷に ま わさ れ、翌年 度 のは じ めに す べ ての 発表 を 盛 り込 んだ分 厚い 論 文 集 がで き上 が り、 配 布さ れる。 こ の研究を ベ ースとし て 、4 年 次に 卒論 を 作成 す る学 生 も多 い 。 結果 的に 見 る と、 卒 論 は2 年 もし くは3 年 から作 りは じめ た とい え る。 中 間で批 判を受 け 、4 年 次で は 教員 の個 別 指 導 も加 わ る ので あ るから 、そ の品質 は 高 くな る 可能 性 が非 常に 大 きい。 そ こ で、 こ の種 の研究 発表を 日本 語 から 英 語に 置 き換 え れ ば、 内容を 伴っ た英語 教育 が 可能 に な るは ず であ る 。 研究 内容 は、 上記 の ような 研 究発 表 大会 の た めの 勉学 や、 経営 学部 の演 習や 講 義 で の 勉学 で、 一 定 の水 準に 達す るだろ う。 また、 英 語 の学力 自体 は 入学 時に 検査 さ れて い る わげ だか ら 、 学 習に 耐 え ら れない ほ ど学力 が低い 学 生 が大 部 分を 占 め るわけ で はない だ ろ う35)ノ さ ら に 、 新 し く設 置す る カリ キ ュラ ムの履修に より、英 語 を 主 体的 に 勉学 す る ように なる と期 待 さ れ るか ら、 問 題 は ない だ ろ う。 とす るな ら、最 後に 残 る 問題 は 、英 語 の利 用技 能 の向 上 とな る。 (2) 研究 発 表に 必 要な {英 語の利 用技 能} と〈 支 援ツ ー ル〉 以下 、 技 能は{ }で く く り、ツ ール は〈 〉で く ぐる。{英 語 で研究 発表を す る}た め に直 接に 必 要 と なる技 能 と支 援 ツ ール は次に 示 す3 つ であ る。 〈 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン ツ ール 〉{ 英 語 で 発 言 で き る}{ 英 語 で 論 文 が 書 け る} マご ユアル と パ ソコ ンソフ ト が必 要 発 音 支援 ツ ールが 必要 最 初 の 〈プ レ ゼン テ ーシ ョン ツ ール〉 は 口頭発 表 の手 順 と か配 布資 料 の作 り方 、 そし て 、OHP の 作 り方 な どであ り、 マニ ュアル と パソ コ ンソフ ト と が必 要 にな る。 {英 語 で 発 言 でき る} た めには、 母音 や 子 音 の正 しい 発 音 、英 語ら しい イ ント ネ ーショ ン と リズ ムの練 習が 必 要に な るだ ろ う。こ の練 習を 助け る パ ソ コン ソフ ト とし ては 、「Talktome 」と かデ ー タ ポ ヅプ の 「エ コ ーME 」 な どがあ る。3 つ め の{ 英 語で 論文 が書け る} た めに は 、英 作 文 の繰 り返 し 練 習 が 必 要 で は あ る が 、 つ ぎ の
98 ツ ールと 技能 が 必要 とな る。 〈「英 語 論文 執筆 要綱 」〉{ 英 語 の文 献 が読 める}{ 英 語 で文 章 が書け る} 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 ) 学 生 用 の 要 綱 を 作 成 ず る 必 要 が あ る ぐ「英語 論 文執 筆要 綱」〉を 作成 す る必 要 があ るだろ う。 経 営学 部で はす でに 日本 語 の レ ポ ート の 書 き方 を 記 載し た「レ ポ ート 執筆 要 綱」36)が 活用 され てい る。また 、「論文 執筆 要 綱」を 作 成 す る努 力 も続け ら れ てい る。 し { 英語 の文献 が読 め る} に関 し ては 、 こ の技 能 こそ が 本来 は経 営学 部 の英語 教育 に 要 求 されて い る技 能 の1 つで あろ う。 経 営学 部に おけ る 英語 教 育は そ の コンテ ン トが重 要 で あ り、 日 頃 の専門 教 育 の中 で英 語 の使 用 が不可 欠に な る よ うな 教 育 が望 まれ る。 英語 の文 献を 積 極的 に 読 ま せ る ように す るた めに は、 学 部教 育 の改善 が望 ま れ る。 た とえ ば、 テ キ ストに 外国書 を 指 定す る 、 論文 には イ ン タ ーネ ット で入 手す る英 語 の資 料を 必 ず 盛 り込 む、 な ど多 くの方 法 が考え ら れ る。 { 英 語 で文章 が書け る} た めに は 次 の ツ ール と技能 とが 必要 とな る。 〈 英 文作成 支 援 ツ ール〉 … … … … パ ソ コ ンソフ ト 等 { 単 語力 を 強化 する}" ) 〈英 文 作成 支援 ツ ール〉 に 関 して は多 く のパ ソ コン ソフ ト があ る。 先ず必 要 に な るの は 英語ワ ー プ ロで あ る。つ い で、 ワ ープ ロで 入 力 さ れた 英 語 の文章 を チ ェッ タす るため の ソフト も必 要に な る。 ス ペル の チ ェ ッタ、文 法 のチ ェッ ク、 構文 のチ ェ ッ タ、 慣 用句 のチ ェッ タ、 な どの機 能 を 持 った パ ソコン ソ フト の活 用に より、 比較 的 簡 単に 英 語 の文 章 が作 れ る。 ハイ テ クを さ らに 活 用 す る ので あ れ ば、 本 格的 な 日英 翻訳 ソ フト38)の利 用 も 考え ら れ る。 最 初 は日 英翻 訳 ソフト を 使 っ て い て も 、 実 力 が付 い て くる と 自力で 英語 め文章 を 作 る よ うに なる だろ う。 {単 語 力を 強 化す る} た めに は多 くの 文献 を 読破 す る努 力 が必要 で あ るが、 そ の外 に も単語 力を 支 援 す るた め のツフ ル とし ては2 つ あ る。 第1 の ツ ールは 、 個 々の学 生毎 の単 語 力を 評 価 す るた め のパ ソ コ ンソフ ト39)で あ る。 大学 で の 教育 を 始め るに あ た って は、 こ の種 のパ ソ コ ンソ フ ト を 使 っ て学 生 の単 語力 の 確認 が必 要 とな るだ ろ う。 一 定 の水 準に 達 してい ない場 合に は、 数 ヶ月 もしく は 半 年 で一 定 の水 準に まで引 き 上げ る ため の補講 が 必要 と なろ う。 第2 のツ ール は英 語 ワープ ロ と同 時 に 使 う電 子辞 書( 多 くはCD-ROM で 提供 さ れて い る) の活 用 だろ う。 3) 英 語 教育 プ ロ グラ ム 以上 の検 討 から 、 次に示 す 図 の よ うな バ イテ ックを活 用 し た新し い英 語 教育 の プ ロ グラ ムが描け る。
{ 英 語 ↑ 大 学 に お け る 教 授 法 と 教育 シ ステ ムの 開 発(6) で 研 究 発 表 が で き る } ← { 英 語 で 発 言で き る} ツ ー ル 〉 〈 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 技 法 〉 I 語で論文がか ニ る}− 〈英語論文執筆要綱〉 IT { 英 語 で 文 章 が 書 け る } { 英 語 の 文 献 が 読 め る } ! を強化する} 専門教育 ム 充実 〈英 文 作 成支 援 ツ ール〉 { 単語力 を 強化 する } 十T ↑ 〈単語 力 増 強支援 ツ ール〉 〈電 子 辞 書〉 99 4 英 語 技 能 を 向 上 さ せ る た め の 新 し い 教 育 (1) 講義 の 概 要 平 成8 年 度 に は 「外 国 商学 書購読( 英I )」とい う科 目を 担 当し た。こ の科 目名か ら する 払 商学 に 関す る英 語 のテ キ スト の論 講がこ の科 目 の内容 の よ うに 考 え ら れ る が 、 そ れ で は 明 治 時 代 以 降100 年 以上 も 続い て き た が現 在ではあ ま り価値 が無 い 科 目と なう てし まい 、 面 白 く な い 。 商 学 の 基 礎知 識 が無 い1 年 生 に 商学 の本を 読 ませ るの も困 難 であ る。い ろ いろ と考え た 結果 、学 術通 信実 験 室 の実 験 結果 を 踏 まえ た ハイ テ ク英語 学 習法 の実 用化 を 図う た。 英 語 の学力 が 低く て も、英 語 の学 力 の高 い 学生 と同 じか 又 はそ れ以上 の ように 見え る ため の技 能 の体得 を 目標 とした。 以 下に 講義 要 項 に記 載 し た 内容を 紹 介 す る40)。 講義 の 目的 、内 容 この 講義 の目的 は、 次に示す 事柄 がで きる ようにな るため の、初 歩的 な研 究と実践 をす るこ とです。 ・英語 の資 料を 読む た めの技術を 探し出す こ と ・その 技術 を実 際に 利用 してみ ること ・英語 の商 学 書を読 む ための技術を 探 七出す こと ・そ の 技術 を実 際に利 用 してみ ること ・英語 で 意見を 表 明す るための技術 を探し 出す こ と ・そ の 技術 を実 際に利 用 してみ ること ・英語 の資 料を 日本 語に 翻訳す ること ・そ の 結果を1 冊 の本に まとめ上げ るこ と 言 うま でも なく、商学 書を 読む ためには 商学 の基 礎知 識が必 要に な ります。しか し、受講 する学 生は 商学 の基 礎知 識を学 びつ つある1 年生 ですの で、 商学 の一 般 的な知 識は 殆 どあ りませ ん。〈 中略〉 こ の講義 は 語学 の科 目ではあ りませ ん。 で すか ら、英 語の学 力を 高め るこ とを 目的 とし てい ませ ん。 現在 の英語 の学力 で上記 の目的を達成 す るた めに は、最 新の 情報 技術 を うま く活 用 す る こ とが 早 道 と 考えら れ ます。 具 体的に はパ ソコンと各 種の ソフト や オン ライン ・サ ービ スを 常時 使 用 し ます 。 講 義
100 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 ) 外 の作業 もあ ります。 指 導方 法 基 本的に は大学 の 施設と設 備とを 使 って講義 を進 め ますが、 パ ソコン通 信に よる デ ー タベ ー ス検 索 はNIFTY-Serve を 使いた いと考え てい ます ので、各人 で 加入す るこ とが必 要 とな り ます。しかし 、加 入しな い でも最低 限の ことは できる よ う、 配慮 し ます 。 講義 要 項 に記 載 さ れた 内容を 可能 な限 り守 っ て1 年 間 の講義 を 何と かや り遂げ た 。 勉 学 の内容 は 時 間は前 後 する が、 以下 に 説 明す るとお り とな った。 (2) 研 究 テ ーマ の決定 と テ キス トの購 入 最 初 の数 週 間は 大学 におけ る勉学 の 意味、 社 会 の変化 の方 向、 な ど雑談 から 入 り、 個 々 の学生 が 何に 興味 を持 って い るかを 探 り出す た めの対 話 を 続け た。 そ の後、 個 々 の学生 毎に 研 究 テ ーマを決 定 させた 。 学生 が作 り上げ た レ ポート のタ イト ル と氏名 を示 す。 ネ ット ワ ーク時 代 の電 子 商取 引 し 菅 野 厚 志Thefourlittledragons ダ 遠 藤 綾 イ ン タ ーネ ットに よる野 茂英 雄フ ァ ンヘ の一 言 白井 真 野 茂が プ ロ野 球 選手に な る まで の洋書 の 翻訳 同 上www が 繰 り広げ る世 界 高橋 清 「anneofgreengable 」に つ いて の検 索お よび翻 訳 依田 麻 友 子www 、YAHOO! に より検索 “THEBRIDGESOFMADISONCOUNTY ” 鶴問 梨里 子 イ ン タ ーネ ット を活 用し て 映画 情報を 集 める 金 麗TravelInformationOfEurope 沈 雪WORLDWIDEWEB/ し 衰 鈴 禅 二 季 ジ ュy 萬 つい で 、 個 々の 学生毎 に 自 分の研 究 テ ーマに 関 する英 語 の文 献を 探 させ 、購 入 させ た。 都 内 の大 型 書店 ( 紀 伊国 屋、 丸善 、 八重 洲ブ ックセ ン タ ー、 紀伊 国 屋新 宿 南 口店 、 書泉 、等 ) の 名前 と場 所 を 教え 、 さら に 外 国書 の売 り場を 教 え て、 次週 ま でに本 を 購 入さ せた。 こ うし た機 会 が無 け れ ば、 学 生 は洋 書売 場に 足を 運 ぶ 経験 は全 く無 い だろ う。 こ れだけ でも 大学 生ら しい 雰 囲気 を味 わ え、 勉 学 の動 機 付け に な る と思わ れる。 さ らに 、 将来 、 何か の機 会に 外 国書を 購 入す る時 に は 、た めら い も無 く書 店に 足を 運 べ る と思 う。 この よ うな経 験 がこ の科 目の成果 の1 つ であ る と述 べ る のは非 常 に恥 ずか しい と感 じら れる が、 成果 が無 い よりは 良い だろ うレ
大学におけ る教 授法と 教育 システ ムの開 発(6) 101 (3 ) 機 械 を 使 っ た 母 音 の 発 生 訓 練 英 語 で は 幾 つ か の 「 ア 」 に 近 い 発 音 が あ る 。「a 」、「as 、「 Λ 」、丁9 ] な ど が あ る が 、 学 生 は こ れ ら を 正 確 に 区 別 し て 発 音 で き てい な か っ た 。 こ の た め に 、 学 術 通 信 実 験 室 で 使 用 し た ス ピ ー チ ・ ト レ ー ナを 学 生 に 使 わ せ た 。cat とcut と の 正 し い 発 音 の 場 所 と 学 生 の 発 音 の 場 所 と が パ ソ コ ン の グ ラ フ ィ ッ ク 画 面 に 表 示 さ れ る 。 楽 し み な が ら 自 分 の 発 音 の 間 違 え を 理 解 し た だ け で も 大 き な 教 育 効 果 で あ っ た 。 ス ピ ーチ ・ ト レ ー ナ ー の 使 用 に よ り 、 教 員 は 発 音 の仕 方 を 全 く指 導 し な い に も か か わ ら ず 学 生 の 発 音 は 相 当 程 度 改 善 され た と 感 じ て い る41)。 こ の 訓 練 は 本 科 目 の 主 要 な 目 的 で な い た め に 短 時 間 で 切 り 上 げ た 。 本 来 の 英 語 の 科 目で こ うし た 訓 練 が な さ れ る べ き だ と 思 う。 (4) イ ン ト ネーシ ョ ンと リズ ムの訓 練 \ ト2 週 間に わ たっ て、 学生 が 購入し た 図書 の一 部を 音 読さ せ た。 ア ジ ア地区 から の 留学 生 は、 誂 り はあ る が非 常 に ス ム ースに読 んでい く。 日 本人 の 学生 は冠 詞 、 前置 詞、 接 続詞 な ど の機能 語を 高い 声 で読 み、 主 語や 動 詞や 目的 語な ど の内容 語を 低 い 声 で発 音 する。 重 要な 単語を 強 く( 日本 語 やフ ラ ン ス語 で は高 くな る) 発音 でき てい ない。 英 語 に は早 く 発音 す る部 分( 高周 波 と も言 わ れて い る た とえ ばt 音 ) とゆ っ く り発 音す る部 分 とが 混 在し てい る が、 学生 の読 み方 はa ―マ字 読 み の一定 リ ズ ムの読 み方 だ った。 し 英 語 のイ ント ネ ーシ ョ ンと リズ。ムとを 理 解さ せ るた めに 、 パ ソ コ ン ソ フ ト の 「Talktome 」 を 使 っ て 訓練 さ せたふ 学 生 は楽し みな がら イ ント ネ ーシ ョン と リズ ムと の訓練 を して い た。 短 時 間 の 実 験 で あっ た ので、 英 語 の話し 方 が学生 の身 につ い たか ど うか は定 かで ぱな い が、 英 語特 有 の イ ン ト ネ ーシ ョン と リズ ムの存在を 知 っただ け で も大 き な成果 だ と考え ら れる。 こ の訓 練 も本 来 の英語 の科 目で実 施 し ても らい たい。 (5) 学 生 自身 で 決め たテ キ ストを毎 週2 ペ ー ジ以 上 翻訳 さ せ提 出 させる 学 生 が自 分 で選 んだ テ キス トを毎週2 ペ ージ以上 翻訳 さ せ提 出さ せ た。 数 ヶ月 で そ の本 め1 章 分 位 (20 ベ ーダ か ら30ペ ージ位) を翻 訳す れ ば英 語 の学 力 は相 当 向上 する だ ろ う。 翻 訳 にあ た っ て ば、WINDOWS95 に 付 属し てい た イソ タ ーネ ット 用 の無 料 の英 和 翻 訳 ソフトを 使わ せた 。し か し、学 生 か ら は 全 く役 に立 だ ない と 言わ れた。 学生 の翻訳 能 力 の方 が 高か っ たの であ る。 有 料 ソフ ト とし て 数万 円で販 売 さ れて い る英 和翻訳 ソフ トを 幾 つ か取 り寄 せて み たが、 動 機付け され た東 洋 大 学 の1 年 生 の語 学能 力 の方 が 高か っ た。 し かし 、20万 円 程度 の ソフ ト の能力 は 高か っ た。 結果 とし て 翻訳 ソ フ トは 使 わず に 各人 が 自分 に備わ っ てい る 能力 で 翻訳 し た。 最終 的に は 、英 語 の原 文 と 日本 語 へ の 翻 訳文 とを 対 照 させ た レ ポ ートを 提 出さ せ た。 毎週 少 し ずう の作 業 では あ るが、 数 ヶ月 に わ た っ
102 経 営 論 集 第45 号 (1997 年3 月 ) て継 続 された 結 果、 自力 で 大量 の翻訳 が で きた の であ る。 最 後 に 、 学 生 自身 は 、 自 分 の 作 品 ( レ ポ ート)を 見て 、 自分 の優 れた 能 力に 気 づい た様 だ った。 (6) イン タ ーネ ッ トで英 語 の資 料 を集 め 翻訳 する 学 生毎 に 研究 テ ーマ は 異な る ので 、 個々 人毎 に 研究 テ ーマに 関す る詳細 な英 語 の資 料を イン タ ー ネ ット で集 め させ た1 、2 年 生 が 在学 す る 朝霞 校舎 に は イ ンタ ーネ ット が 使 える パ ソ コンは数 台 しか ない ので 授業 時間中 に 講 義 と並 行し て イ ン タ ーネ ットを 使用 さ せた。 イ ン タ ー ネ ット の使い 方 に 関 す る説 明 は、 最初 に30分 位し 、 学 生に は イ ン タ ーネ ット の入門 書を 購 入さ せ、 そ れ以上 の 指導 はし な か った。 イン タ ーネ ットに 接 続 さ れ ソフ ト もセ ット ア ップ されてい れば 小学 生 に で も42)イ ン タ ーネ ット は 使 える。 イ ン タ ーネ ット の ホ ー ムペ ージ を 検索 し 、 カラ ープ リン タ で印 字 し、 自宅 で そ れら の英 語 の資 料を 読 み、 次週 に は さら に 有 益な デ ータを探 す、 とい っ た作業 を 学 生 に 繰 り返さ せ た。 こ うし た作 業に より 、学 生は 英 語 の資 料を 恐 れ ずに 読 む ようにな っ た。 こ の よ うな イ ンタ ー ネ ット の活用 の 仕方 であ れ ば、 学生 が プ ロ バイ ダに 加 入し 自宅 で イン タ ーネ ット が 使 え る 体 制43)を 作 る必 要 があ る だろ う。 (ア) 英 語 ワープ ロと英 文 作成 支援 ソフ トを 使 って英 作 文 をさせ るU) ∇ 近頃 の日本 語 ワープ ロは 英語 ワ ープ ロの 機能 を 持っ て い る。 スペ ルチ ェ ック機 能 で 英単 語 の スペ ル はチ ェ ッ クさ れ る。 先 に 記述 し た よ うに、 英 文 作成 支 援 ソフト を 使 うと、相 当 程 度 ま で英文 の善 し 悪 しを ソフト が判 断 し、 有益 な コメ ント を示 し て くれ る。 今年 度 は英語 ワ ープ ロと 英文 チ ェ ッ ク ソフ ト の存 在を 学 生に 知ら せ るだけ で終 わ っ た が、 この 種 の教 育 も本 来は 英語 教育 の 範 囲 の中で な さ れる べ きだろ う。 ト (8) 教育 の成 果 \ 犬 ・。 こ の 講義 は初 年 度 であ り、 十 分な 講義 の準 備を し たつ も りで も当 初 の目標を す べて 満 た せな か っ た。 最 大 の原 因は パ ソ コソ ソフ ト の不足 と、 イ ソ タ ーネ ット に 接続 で きるパ ソ コ ン の不足 、 そ七 七 論者 の英 語 教 育に 関 する知 識 と 技能 の 不足 で あ っ た。 以 下 、学 生 が得 た と思 わ れる 成果 を 説 明す る。 受 講者 は17 人であ っ た。 か な りの ホ ー ム ワー クを 課し た が 、最 終的 に1 年 後に 単 位を 取 得 し た学 生 は14人 と、 実に8 割以 上で あ っ た。 単 位を 取 得し た学 生 は多 ぐ の成 果を 得 れた。 ・ こ の1 年 間 の勉学 の成果 を1 冊 の本に ま とめ上げ 、 製 本さ せた。 こ れが 卒 業 論文 と言 えば、 大 部 分の 人 は信 じ る と思 う程 ので き栄 え で あ る。