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基本健康診査における降圧薬服用者の循環器疾患の危険要因について

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112 第45巻 日本公衛誌 第2号 平成10年2月15日

基本健康診査における降圧薬服用者の循環器疾患の

危険要因について

冨田

直明

 高血圧は循環器疾患の基礎疾患であり,血圧管理は地域における健康対策の重要な課題の一つである。南 宇和郡では,御荘保健所と町村間の連携協力により基本健康診査の受診者数の増加と受診後の保健指導の充 実を努めてきた。そして重症な高血圧者の把握と医療機関への受療勧奨による降圧薬の服用率の向上を図っ てきた。しかし今後の循環器疾患の予防を考えると高血圧者の背景にある危険因子の把握が必要と考えられ た。  そこで地域の高血圧者特に降圧薬服用者の状況や問題点を把握するために平成5∼6年度の基本健診受診 者(5,284人)の検査データを分析した。その結果,血圧は正常域でも降圧薬服用群は非服用群に比較して 心電図および眼底所見の異常出現率が高率であった。この要因として降圧薬服用群に肥満やそれに伴う耐糖 能異常,脂質代謝異常および高尿酸血症等の動脈硬化を惹起する危険因子を保有する者の割合が高率である ことが考えられた。また十分に降圧薬治療を行っても目標とする降圧が達成できない治療抵抗性高血圧が降 圧薬服用者の3分の1以上に存在することや,降圧薬治療による拡張期血圧の過度の降圧と冠動脈疾患発症 の関連性などが認められた。  以上の結果より,高血圧管理には確実な降圧薬服用の徹底と生活・食習慣の改善が極めて重要である。そ のためには主治医と地域の保健婦・栄養士の連携が取れたきめの細かい保健指導が必要である。また今後の 循環器疾患の発症予防・再発子防ならびに社会復帰には保健・医療および福祉の緊密な連携の取れるネット ワークの構築が重要と考えられる。 Key words : 基本健康診査,降圧薬治療,循環器疾患の危険因子,治療抵抗性高血圧,「J型カーブ」現象, 健康教育

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