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「障害児(者)の医療的ケアを考えるシンポジウム 〜愛知・岐阜・三重の現状と課題〜」

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(1)2012 年度(前期)指定公募⑦ 「在宅医療のための研究会、研修会への助成および学会等への共催」. 完了報告書 障害児(者)の医療的ケアを考えるシンポジウム ~愛知・岐阜・三重の現状と課題~. 主催. 愛知県心身障害者コロニー、名古屋大学医学部障害児(者)医療学寄附講座、 愛知県在宅療養支援診療所連絡会、NPO 法人医療的ケアネット. 共催. 公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団主催. 後援 ・愛知県医師会、愛知県小児科医会、愛知県看護協会、 愛知県訪問看護ステーション連絡協議会、愛知県教育委員会、 日本ホームヘルパー協会愛知県支部 ・三重県医師会、三重県小児科医会、三重県看護協会、 三重県訪問看護ステーション連絡協議会、三重県教育委員会、 日本ホームヘルパー協会三重県支部 ・岐阜県医師会、岐阜県小児科医会、岐阜県看護協会、 岐阜県訪問看護ステーション連絡協議会、岐阜県教育委員会、 岐阜県在宅療養支援診療所連絡会. 2013 年 9 月 2 日提出 名古屋大学大学院 医学系研究科. 障害 児(者)医療学寄附講 座. 三浦清邦.

(2) 1.はじめに 平成 24 年 4 月から、研修を受けた非医療職(福祉職や教職)は医療的ケア 6 行為(口 腔吸引・鼻腔吸引・気管カニューレ内吸引・経鼻経管栄養・胃瘻・腸瘻)の実施が法的 に可能となりました。実施者は、県から喀痰吸引等事業者の登録を受けた事業所に属し、 主治医からの指示をもらい、関係性の高い特定の者にだけ実施を認める第 3 号研修また は不特定多数の者に対して実施を認める第 1 号・第 2 号研修を受ける必要があります。 特に、障害児者が対象となることが多い特定の者への医療的ケアの研修・実施の進み具 合は、養護学校現場も含めて地域較差は大きく、東海 3 県でも全体に充実しているとは 言い難いのが実情です。今回、障害児(者)の医療的ケアについて、東海 3 県の現状・課 題をもちより、各県の実情に合わせてこの仕組みを軌道にのせることを目指して、関係 各者が情報交換するシンポジウムを企画しました。特に、「特定の者」への支援、障害 児(者)への支援を中心に議論を深めたいと思いました。 本シンポジウムは、愛知県在宅療養支援診療所連絡会・名古屋大学医学部障害児(者) 医療学寄附講座・愛知県心身障害者コロニー・NPO 医療的ケアネットの共催で、公益財 団法人 勇美記念財団助成を受けて開催しました。また本シンポジウムは、愛知県心身障 害者コロニ ーが愛 知県 地域医療再 生計画 の障 害児医療対 策とし て立 案した、「 平成 25 年度障害児(者)医療研修事業計画」(別添)の 1 事業として開催しました。. 2.日時. 平成 25 年 7 月 28 日(日). 3.場所. 名古屋大学医学部附属病院 〒466-8550. 4.内容. 13:00-17:00(受付開始. 中央診療棟3階講堂. 愛知県名古屋市昭和区鶴舞町 65 番地. 資料 1:抄録集・プログラム含む 資料 2:シンポジウム内容まとめ 資料 3:アンケート結果. 12:30).

(3) 予定は 150 人. 5.参加人数. 愛知県. 合計. 314 人. 愛知. 225 人. 岐阜. 62 人. 三重. 21 人. その他 6 人. 225 名. 病院. 医師. 看護師. 福祉職. 歯科医師. コメディカル. 保育士. 6. 12. 2. 訪問看護. 18. 特別支援. 5. 事業所. 2. その他. 1. 行政. 15. 教員. 本人. その他. 合計. 1. 21. 家族. 18 24. 29. 47. 64 21. 16. 38. 1. 1. 8. 10. 2. 3. 26. コロニー. 5. 16. 講師・スタッフ. 11. 1. 合計. 25. 68. 医師. 2. 1. 4. 19. 52. 26. 22. 32. 225名. 看護師. 福祉職. 教員. 本人. その他. 合計. 歯科医師. コメディカル. 保育士. 2. 4. 6. 訪問看護. 3. 3. 特別支援. 8. 事業所. 3. 岐阜県. 62 名. 病院. 家族. 21. 29. 10. 13. その他. 4. 行政. 1. 講師・スタッフ. 1. 合計. 3. 4 4. 1 18. 12. 5 2. 21. 4. 4. 62.

(4) 三重県. 21 名 医師. 看護師. 福祉職. 歯科医師. コメディカル. 保育士. 1. 1. 2. 訪問看護. 4. 4. 特別支援. 7. 事業所. 1. 病院. 教員. 本人. 2. 9 1 3. 講師・スタッフ. 2. 合計. 3. 3 2. 13. 2. 3. 6名 勇美記念財団職員. 合計. 家族. 教育委員会. その他. その他. 1 名、滋賀県. 特別支援学校. 京都府. 2 名(講師 1 名・業者 1 名). 静岡県. 事業所. 2 名(医師 1 名・保健師 1 名). 1名. 21.

(5) 6.アンケート結果. アンケート回収数. (1)(2). 190 名(アンケート回収率. 61%). 所属・職種についてお聞かせ下さい 医師. 看護師. 福祉職. 歯科医師. コメディカル. 保育士. 総合病院. 4. 8. 12. 開業医. 6. 2. 8. 訪問看護. 23. 23. 教育機関. 21. 療育福祉. 3. 行政. 13. 教員. 本人. 事務職. 家族. その他. 37 29. 2. その他. 1. 4. 3. 合計. 14. 73. 32. 1. 59. 9. 54. 7. 9. 17 37. 17. 合計. 25 17. 190名. (3)本日のシンポジウムの内容は今後の業務に携わるうえで有意義でありました か。 ①非常に有意義である. 47%. ②有意義である. 38%. ③意義はあるが不満足であった. 1%. ④有意義でなかった. 0%. ⑤無回答. (4). 14%. 本日のプログラムを通しての感想を自由にお書き下さい。. (資料 3).

(6) 7.シンポジウムを開催してのまとめと感想 今日のシンポジウムを東海 3 県の関係者を集めて実行委員会を組織し、名古屋で開催 できたことは、非常に意義ある事だったと思います。隣県で文化的にも近いと思われま すが、医療的ケアに関する取り組みはずいぶん異なっていることを認識することができ ました。大阪や東京などの大都会と状況が違うのは文化の違いで「仕方ないよね」です むかもしれませんが、隣県と比べて取り組みが遅れているのでは、仕方ないではすまさ れません。今回のシンポジウムで情報を得た隣県の先進的なところを見習い、改めて回 りのいろいろな人たちと、どうしたら医療的ケアが必要な方がより幸せになれるか、各 県で話しあっていって欲しいと思います。また、行政の方も多数参加してくださいまし たので、他地域の行政の取り組みを参考に、現場で障害児(者)支援にがんばっておられ る方が、がんばりやすいような施策を工夫していただけるとありがたいと思います。 来年か再来年か、また各県の発展の情報交換する機会がもてるように企画をしていき たいと思っています。 公益財団法人. 在宅医療助成勇美記念財団助成がなければ、こんなにも多くのスタッ. フや講師を呼べませんでしたし、チラシ作成、資料集作成もできませんでした。助成に 対して篤く御礼申し上げます。.

(7) 資料 1:抄録集.

(8) 障害児 (者) の医療的ケアを考えるシンポジウム. ∼愛知・岐阜・三重の現状と課題∼ 平成24年4月から、研修を受けた非医療職 (福祉職や教職)は医療的ケア6行為 (口腔吸引・鼻腔吸引・気管カニューレ内吸引・経 鼻経管栄養・胃瘻・腸瘻)の実施が法的に可能となりました。実施者は、県から喀痰吸引等事業者の登録を受けた事業所に属し、主 治医からの指示を受け、関係性の高い特定の者にだけ実施を認める第3号研修または不特定多数の者に対して実施を認める第1号・ 第2号研修を受ける必要があります。特に、障害児者が対象となることが多い特定の者への医療的ケアの研修・実施の進み具合は、 養護学校現場も含めて地域較差は大きく、東海三県でも全体に充実しているとは言い難いのが実情です。今回、障害児 (者)の医療 的ケアについて、東海地方各地の現状を持ち寄り、関係各者が情報交換する場とし、各県・各分野で医療的ケアの取り組みがさら に進むことを目的にシンポジウムを企画しました。特に、 「特定の者」への支援、障害児 (者)への支援を中心に議論を深めたいと思 います。ぜひ多数の方のご参加をお待ち申し上げます。 名古屋大学医学部障害児 (者)医療学寄附講座教授 三浦 清邦. PROGRAM 13:00 ∼ 13:05. 参 加 費. 無 料. 開会のあいさつ.  伊藤 光保(全国在宅療養支援診療所連絡会世話人 内科伊藤医院院長). 13:05 ∼ 14:05. ■ 定員. 基調講演. 150. (先着順). どのいのちも等しく尊い ∼第三号研修実施の現状と課題∼. 名 様.  座長:南  寿樹(愛知県立大府養護学校)  演者:篠原 文浩(NPO 法人医療的ケアネット理事、社会福祉法人イエス団京都市南部障害者地域生活支援センター「あいりん」相談員). 14:15 ∼ 16:55. シンポジウム. 愛知・岐阜・三重の障害児 (者)の医療的ケアを考えるシンポジウム  座長:安藤 明夫(中日新聞 編集委員)   三浦 清邦(名古屋大学医学部障害児(者)医療学寄附講座教授). 岐阜県の現状と課題 ❶ 第 3 号研修について、福祉職の立場から 演者:纐纈 栄司(社会福祉法人いぶき福祉会 第二いぶき). ❷ 岐阜県の重症心身障害児 (者)医療福祉の現状、教育現場の医療的ケアの現状 演者:金子 英雄(長良医療センター 国立病院機構長良医療センター 臨床研究部). 三重県の現状と課題 三重県の重症心身障害児 (者)医療福祉の現状、教員による医療的ケア実施への取り組み 演者:樋口 和郎(三重県済生会 明和病院 「なでしこ」施設長).    岩本彰太郎(三重大学病院 医療福祉支援センター 小児在宅医療支援部 小児科). 愛知県の現状と課題 ❶ 第 3 号研修について、訪問看護師の立場から 演者:冨士恵美子(訪問看護ステーションななみ 所長). ❷ 在宅療養支援診療所医師として医療的ケアへの関わりについて 演者:服部  努(在宅療養支援診療所 たんぽぽクリニック 院長). 医療的ケアが必要な子どもの保護者の立場から 演者:古賀 順子(重度障がい児・者の未来を考える会). 16:55 ∼ 17:00. 閉会のあいさつ.  麻生幸三郎(愛知県心身障害者コロニーこばと学園園長). 平成25年. 7月 28日. 13:00∼17:00 (受付開始:12:30). 名古屋大学医学部附属病院 中央診療棟3階講堂. 〒466-8550 愛知県名古屋市昭和区鶴舞町 65 番地 (公共交通機関でお越しください。裏面地図参照。) 主 催. 名古屋大学医学部障害児 (者)医療学寄附講座 愛知県心身障害者コロニー 愛知県在宅療養支援診療所連絡会 NPO法人医療的ケアネット. 共 催. 公益財団法人 在宅医療助成勇美記念財団. 後 援. 愛知県医師会 三重県医師会 岐阜県医師会. お問い合わせ (事務局). 愛知県小児科医会 三重県小児科医会 岐阜県小児科医会. 愛知県看護協会 三重県看護協会 岐阜県看護協会. 愛知県訪問看護ステーション連絡協議会 三重県訪問看護ステーション連絡協議会 岐阜県訪問看護ステーション連絡協議会. 愛知県教育委員会 三重県教育委員会 岐阜県教育委員会. 日本ホームヘルパー協会愛知県支部 日本ホームヘルパー協会三重県支部 岐阜県在宅療養支援診療所連絡会. 愛知県心身障害者コロニー 運用部総務課総務グループ 〒480 - 0392 愛知県春日井市神屋町 713-8  TEL(0568)88- 0811  FAX(0568)88- 0839.

(9) 医療的ケア東海地区各県の比較 愛知県. 岐阜県. 7,395人. 82名. 三重県. 【福祉】 経過措置認定者数 第1・2号研修 登録研修機関 (定員) 費用 登録事業者数. H24年度 8カ所 (215名:5~90名) H25年度 11カ所 (今のところ154名:5-40名) 5.7万円~22万円 介護保険系199カ所. 1カ所 (60名). 2カ所 (100名). 68,250円(テキスト代別途2100円) 108カ所. テキスト代のみ 187ヵ所. 第3号研修 登録研修機関 (定員). H24年度 5カ所 (76名:5-30名) H25年 9カ所 (今のところ78名:5-20名). 費用. 2千円~8.7万円. 登録事業者数. 障害系は107カ所. 研修終了者数 認定特定行為業務 従事者数. H23・24年度 1カ所 (20名) 1カ所(教育委員会)のみ H25年度 1か所 (特別支援学校教員対象35名) (60名 20名×3回) 尚、介護職員等へは障害福祉課が H23・24・25年度の研修機関は別の 窓口となり講師依頼し、年1回実施 ところ -人数制限なし H23・24年度 無料 無料 H25年度1万~8万円 26カ所 23ヵ所(7学校含む) H23,24年の2年間で421名 44名 (教員:317名、その他104名). 44名. 126名. 333名. 教員による 医療的ケア実施. 未実施. 未実施. H11年度から. 教員により 実施されているケア. 注入中の見守り、酸素療法の見守 り、人工鼻の再装着、呼吸器の回路 の微調整、口腔持続吸引の対応、 経鼻エアウェイの位置の調整 (「個々の行為について研修を受け た教員が実施可能な行為」として分 類。主治医または指導医または学 校看護師による短時間の研修を受 け、学校の医療的ケア検討委員会 で検討し、主治医と指導医と校長の 承諾を得て実施する). 教員が実施している医療的ケア は、口腔内及び鼻腔内の喀痰吸 引、気管カニューレ内部の喀痰吸 注入時の見守り、吸引時の見守り、 引、経管栄養(胃ろう、腸ろう含む) 唾液・鼻汁の吸引(スットパーのある である。 チューブを使用して)、酸素療法、呼 基本研修、実地研修を修了した教 吸器の見守り、呼吸器回路の位置 員が認定特定行為業務従事者とし の調整、人工鼻の脱着 て認定証の発行を受け、実施してい る(平成24年度10月1日現在で13 2名が認定特定行為業務従事者とし て認定証の発行を受けている)。. H13年~年3回開催 →H24年度から年2回へ. 専門協議会 年2回. メディカル・サポート会議(年1回). 1各学校の医療的ケア担当代表 2医師、看護師、学識経験者、保護 者代表 3その他 関係諸機関等関係者のう ち特別支援教育課長が必要と認め た者. 医師 県医師会代表 県看護協会代表 校長会代表 大学教授 常勤講師(看護師免許所有)代表 県関係部局代表 実践校職員代表 等. 【教育】. 県の検討委員会. 各学校の指導医全員 各学校の校長全員 医師会代表 教育委員会の 看護大学教員 検討委員会メンバー 保健主事代表 看護員代表 養護教諭代表 指導医制度. H17年度~ 各学校1人・各学期1回訪問. なし. 看護師の配置. H15年度~. H16~(医療的ケアサポート事業). 看護師の人数. ・県立10校に32名配置 (全員非常勤)(1校に3~5名) ・平成25年度から病弱1校(1名)、聾 学校2校(1名)にも配置開始。 ・市立2校に9名(2、7名)配置. ・県立特別支援学校(17校中)に46名 (常勤3名、非常勤43名) 配置(1校 に2~5名) ・市立特別支援学校2校のうち1校 に非常勤2名配置. H11年度から ・県立8校に14名の常勤講師(看護 師免許所有)を配置する。 ・合わせて、常勤講師(看護師免許 所有)の年休取得時や校外学習引 率時の代替職員として、医療的業務 補助嘱託員(看護師免許所有)を任 用する。.

(10) 基調講演「どのいのちも等しく尊い~第三号研修実施の現状と課題~」 篠原文浩(NPO 法人医療的ケアネット理事、 社会福祉法人イエス団京都市南部障害者地域生活支援センター「あいりん」相談員. ど のいの ちも等 しく尊 い 篠原文浩 1964 年生まれ。高校卒業後、カメラマンとして働きながら大学に通い、中学・ 高校の社会科教諭免許を取得。京都市教育委員会に採用され、中学校社会科を担当したのち、 長女の誕生とその後の様々な出来事を通して、当時市内に1校しかなかった「肢体不自由養護 学校」に転勤し、常に痰の吸引や経管栄養を必要とする青年を担任することとなる。 当時は「医療的ケア」を教師が実施するのは、生徒の教育活動を保障していく中 で半ば当然のこととして取り組んできたが、卒後の進路の厳しさに直面し、医療/ 教育/福祉の連携をいかにすすめていくか?という活動を始める。2002 年に「医 療・福祉・保健・教育のネットワーク京都」の立ち上げに関わり、任意団体「医 療的ケアネット近畿」に参画する。2006 年 NPO 法人医療的ケアネット発足に伴 い理事に就任し、現在に至る。 2004 年に教員を辞し、社会福祉法人イエス団重症心身障がい者通園事業 B 型「シサム」に 勤務することになる。「シサム」では、医療的ケアの「違法性阻却」をされるための条件整備 などをしながら、様々なネットワークの中で学んだことを現場にフィードバックしてきた。手 作りスヌーズレンやものがたり遊びなどは、養護学校勤務の頃に学んだ実践でもあった。 今回は貴重な機会を与えていただき、身の引き締まる思いをしている。いわゆる「医療的 ケア」が「喀痰吸引等」という言葉に置き換えていかれそうな状況の中で、本来は当事者主体 の生活支援の一環であり、そのごく一部であるはずの「医療的ケア」の歴史と思想をみなさん と共有し、誰もが自分が望む地域で、望む暮らし方を選択していける社会をつくっていく営み の一つとして「医療的ケアの実践」を位置づけていきたい。また障害者基本法の第4条などを 背景にした「障害者差別解消法」の成立を受けて、「医療的ケア」を必要とする方々の権利が 侵害されがちな現状にも目を向けていきたい。 また今回はあまり時間を割けないが、昨今「尊厳死」「平穏死」などという言葉があちら こちらで聞かれるようになり、「出生前診断」の話題などと共に「いのちの選別」が「妥当で ある」かのような風潮があることに大変危惧している。2009 年に相談支援事業である、京都市 南部障がい者地域生活支援センター「あいりん」に配属されてからは、特に重症心身障がい児 者や難病の方々の相談支援専門員として関わりながら、そうした方々の「尊厳ある生」の保障 に取り組んでいる。そうした立場から見える「尊厳死」「平穏死」「出生前検診」は、やはり 「多様な生に宿る尊厳」を脅かすものであると感じており、時間があればそうした話題にも触 れたいと思う。.

(11) 2013/7/19. 障がい児(者)の医療的ケアを考える 〜愛知・岐阜・三重の現状と課題〜. どのいのちも等しく尊い. • 2013年7月28日(日) • 名古屋大学医学部附属病院 中央診療棟3階 講堂 社会福祉法人イエス団 京都市南部障がい者地域生活支援センター「あいりん」相談支援専門員 NPO法人医療的ケアネット理事 篠原 文浩. 今日お伝えしたいこと • 「喀痰吸引等研修事業」の成り立ち (京都府の実態報告含めて) • いわゆる「医療的ケア」の成り立ち • 「一部法制化」で何が変わるか? • そもそも福祉とは?教育とは? • 「尊厳ある姿」とは?. 1.

(12) 2013/7/19. 「喀痰吸引等研修」の成り立ち 2010年7月5日 第1回「介護職員等によるたんの吸引等 の実施のための制度の在り方に関する検討会」発足 招集したのは、厚生労働省老健局振興課 つまり「高齢者の胃ろう等」にいかに対応するか? 「胃ろうをしている高齢者」40万人 「医療的ケアの必要な障がい児者」3万人 厚労省老健局の提案 「50時間の座学」と各行為20回程度「指導看護師等」によ る実地研修をして、「不特定多数」=「誰にでも」 「准看護師が吸引や経管栄養を学ぶ課程を抜き出してき たにすぎない=安上がりの医療の提供ではないのか?. 「喀痰吸引等研修」の成り立ち. 2.

(13) 2013/7/19. 「喀痰吸引等研修」の成り立ち -. -. -. -. -. 「喀痰吸引等研修」の成り立ち. 「不特定多数の者」に実施するということの意味は?. 3.

(14) 2013/7/19. 「喀痰吸引等研修」の成り立ち. 「支援」とはいつもどこでも「個別」にあるのではないか?. 京都府における実施状況 2011年度 京都府研修(医療的ケアネット委託事業) 指導看護師等登録数 467名 研修受講者数 579名 修了証発行枚数 約1200枚(受講証明含む) 2012年度以降 登録研修機関による実施 登録研修機関数 6カ所(2013年7月現在) 2012年度受講者数 471名 2012年度修了証発行枚数 約600枚 2013年度受講者枠 約750名分(毎月実施). 4.

(15) 2013/7/19. 京都府における実施状況 京都府 【福祉】 経過措置認定者数 第1・2号研修 登録研修機関 費用 登録事業者数 認定特定行為業務従事者. 4306人(障害:469・特養3618) 2011年度府研修48人 2012年府研修 135人 2013年府研修 195人 2012年度 1ヶ所(40人) 2013年度 1ヶ所(40人) 4万~10.2万 289ヶ所. 2011年度 579人(府研修) 第3号研修 2012年度 604人(登録研修機関のみ) 2013年度 900人超枠(同上) 5ヶ所 8ヶ所? 無料~2.2万円 182ヶ所(学校11校). 【教育】. 京都府における実施状況 2011年度京都府研修事業委託時の議論 ・必要な方に必要な支援を届けるための制度である ・従って「人数制限」「事業種別による制限」は行なわな い ・そのためには事業規模を測るための「基礎調査」が必 要である これらが認められないなら、医療的ケアネットとし ては事業委託を受けることはできない! →行政としてはなかなか厳しい条件だが「大英断」!. 5.

(16) 2013/7/19. 京都府における実施状況 2012年度以降の登録研修機関の動き ・それぞれの研修機関が独自に工夫して実施 ・結果として受講者や医療機関などに混乱 ・2013年度から、書式や費用の統一(できる範囲で) をはかっているところ 京都府における特徴 ・「京都府医師会」や「地区医師会」の協力 ・「京都府訪問看護ステーション協議会」の協力 →これらは法制化以前から、「各ケース」を通しての協 力/バックアップ体制の賜物!. 「医療的ケア」の成り立ち 1979年 養護学校の義務化に伴う学校の対応 就学猶予/就学免除されてきたこどもたちが 学校に通うようになる=痰の吸引や経管栄養を携えて!. =魔法の言葉. 6.

(17) 2013/7/19. 「医療的ケア」の成り立ち 教育の一環としての医療的ケア 自分が動くこと(咳き込む/ゼロゼロいう等)で周囲が 動き、そして結果として自分が楽になることは、「自己 肯定感」の涵養に取って有益であることは明白である し、「人に自分を委ねる」という「信頼関係の構築」に おいても非常に「教育的」価値がある! そもそも「重症心身障がい児者」と言われる方々の「思 い」を知ることができないからといって、「それがない」と いうことではない. 「医療的ケア」の成り立ち だからこそ「担任」が「こども(児童・生徒)」 を全人的に受け入れ、理解しようとする営 みの一環としての、「医療的ケアの実施」 がなされることが、教育活動の一環として 当然のこととして必要なのであった。. 7.

(18) 2013/7/19. QOLの階層(優先順位) 1身体的幸福 2物質的幸福 3権利 4個人の発達 5自己決定 6対人関係 H.GOMA. 7社会的包括. 8感情的幸福=肯定的な自己概念・幸福である 最終的に目指すところは感情的幸福 でも、それ以前のところでつまづきがあれば…. 「教育としての医療的ケア」 こどもたち自身の成長過程にとって有効な関わり 「医療的ケア」が「特別なことではない」 QOL向上の観点からも、大切な営み インクルーシブな社会を目指すならみんなと一緒に 普段、一番身近で関わっているものが自然にする そうした学校での取り組みがあって初めて 卒後の進路先での「当たり前の利用者」と認識される. 8.

(19) 2013/7/19. 「一部法制化」で何か変わるのか? 通知発出. 2012/04/01. 社会福祉及び介護福祉法施行規 則の一部を改正する省令 (2012/04/01施行) ALS患者通知(2003/07/17) ALS以外患者通知(2005/03/24) 違法性の阻却. 厚生労働省は、これまで行われていた医療的ケアの後退が生じないように配慮しながら、新しい 制度に移行すると説明をしており、少なくとも厚労省通知は、しばらく継続するとQ&Aを発出してい る。ただし、経管栄養やその他のケアは・・・。 通知は「実質的違法性阻却論」を示しているが、その通知に含まれない部分(これまで検討されたこ とがない事柄)については、「できない」という根拠もない。よって「なにかあれば「司法の判断」によっ て『違法性阻却されることを期待し、そのための条件整備をする』ことが必要であることは、「一部法 制化」以降も何も変わっていない!. 根拠となる「判例」もないということ、それが示す意味!. そもそも福祉や教育とは? その人が、その人として尊重され、幸せであること なんらかの条件でもって「排除」されるものではない つまり誰もがそれを享受する権利の主体であること 自らも自らの幸せにむけて努力し、そのために 必要な「その人なりの力」をつけていくこと どこで学び、どこで暮らすのかはその人が決めること これらが満たされていることが. その人の「尊厳ある生」を意味付けている. 9.

(20) 2013/7/19. 尊厳って? 量や高低ではかれる尊厳 dignity なんの条件もなくただある尊厳 sanctity. 尊厳って? 量や高低ではかれる尊厳 dignity なんの条件もなくただある尊厳 sanctity わたしたちが守るべきは?. 10.

(21) 2013/7/19. 尊厳って? 量や高低ではかれる尊厳 dignity なんの条件もなくただある尊厳 sanctity ではないのか?. ただ生きることを支援するのに なぜ「資格」が必要なのか? 新たな「資格」がないと 支援できない人は 「特別な存在」 とされてしまわないか? そこを問い続けないといけないのでは?. 11.

(22) 2013/7/19. Think globally,Act locally I want REAL Peace. Thanks a lot!! ご意見/ご質問は[email protected]へ. 12.

(23) メモ. -1-.

(24) シンポジウム 「愛知・岐阜・三重の障害児(者)の医療的ケアを考えるシンポジウム」 座長:安藤明夫(中日新聞 編集委員) 三浦清邦(名古屋大学医学部障害児(者)医療学寄附講座教授) はじめに) シンポジウムを企画するに当たり. 三浦清邦. 1)岐阜県の現状と課題 ①第3号研修について、福祉職の立場から 演者:纐纈栄司(社会福祉法人いぶき福祉会 第二いぶき) ②岐阜県の重症心身障害児(者)医療福祉の現状、教育現場の医療的ケアの現状 演者:金子英雄(長良医療センター 国立病院機構長良医療センター臨床研究部) 2)三重県の現状と課題 三重県の重症心身障害児(者)医療福祉の現状、教員による医療的ケア実施への取り組み 演者:樋口和郎(三重県済生会 明和病院「なでしこ」施設長) 岩本彰太郎(三重大学病院 医療福祉支援センター 小児在宅医療支援部 小児科) 3)愛知県の現状と課題 ①第3号研修について、訪問看護師の立場から 演者:冨士恵美子(訪問看護ステーションななみ 所長) ②在宅療養支援診療所医師として医療的ケアへの関わりについて 演者:服部 努(在宅療養支援診療所 たんぽぽクリニック 院長) 4)医療的ケアが必要な子どもの保護者の立場から 演者:古賀順子(重度障がい児・者の未来を考える会).

(25) 障害児(者)の医療的ケアを考えるシンポジウム~愛知・岐阜・三重の現状と課題~ (H25.7.28). 「愛知・岐阜・三重の障害児(者)の医療的ケアを考えるシンポジウム」 座長:安藤明夫(中日新聞 編集委員) 三浦清邦(名古屋大学医学部障害児(者)医療学寄附講座). はじめに) シンポジウムを企画するに当たり. 3県の重症心身障害児(者)についての統計 重症児(者)数は人口1000人当たりほぼ0.29人. 平成24年人口も推計値. 全国. 愛知県. 岐阜県. 三重県. 人口(千人). 127,559. 7,429. 2,065. 1,839. 重症児の推計数. 37,500. 2,154. 601. 533. 国立重心施設数 (病床数). 74 (7,614床). 2(82床) ↑2床. 1(142床) ↑22床. 2(170床). 公立・民間施設 数(病床数). 124 (12,353床). 2(300床). 0. 1(42床). 重心病床合計数. 19,967床. 382床. 142床. 170床. 人口1万人当り病 床数. 1.57↑. 0.51 (第47位). 0.69↑ (第45位). 1.15 (第39位). 重症心身障害児 (者)通園事業. A型65カ所↑ B型243カ所↑. A型なし B型6カ所↓. A型なし B型5カ所. A型1カ所 B型3カ所. 名古屋大学大学院医学系研究科 障害児(者)医療学寄附講座. 三浦清邦. 愛知県・岐阜県・三重県ともに、在宅支援の充実が必須 施設:重症心身障害児施設. 特別支援学校における医療的ケアの内訳. 名古屋市の重症心身障害児者数の推移と現状 合計 1004. 合計 845. 両親の集い 第661号(2012年 5・6月号)より抜粋改変. H19年 H20年. H21年. H22年. H23年 H24年. ●経鼻経管栄養. 2,273. 2,229. 2,355. 2,219. 2,091. 2,053. ●経管栄養(胃ろう). 1,340. 1,606. 1.979. 2,310. 2,657. 2,893. 栄養に関するケア. 1000. 約5割は医 療ケアあり. 800 600. 在宅 施設. 400. 約2割は 県外施設. 200 0. 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年 24年 645 664 690 696 700 695 705 在宅 610 239 237 236 240 257 269 299 施設 235. 平成21年度在宅重症心身障害児(者)実態調査 N=384 ★市内重症心身障害児者 936名(市民約2,400人に1人の割合) ★年齢分布 6~11歳 21.6%、12~19歳 18.7%、 20~29歳 22.4%、30~39歳 18.2% 「名古屋市重症心身障害児者施設整備検討会」報告書(平成22年9月)より. 医療的ケア対象者と看護師の増加(特別支援学校全体) 医療的ケア対象者 医療的ケア実施者 在籍校 対象者数 看護師 教員 教員実施なし 18年度. 553校. 5,901人. 707人. 2,738人. 19年度. 548校. 6,136人. 853人. 3,076人. 17県. 20年度. 575校. 6,623人. 893人. 3,442人. 16県. 21年度. 600校. 6,981人. 925人. 3,520人. 13県. H19年 H20年. H21年. H22年. H23年 H24年. ●口腔・鼻腔内吸引(咽頭手前). 2,349. 2,552. 2,872. 2,928. 3,007. 3,265. 口腔・鼻腔内吸引(咽頭より奥). 1,521. 1,646. 2,011. 1,953. 2,149. 2,275. ▲気管切開部からの吸引. 1,366. 1,552. 1,813. 1,878. 1,999. 2,179. 酸素療法. 762. 844. 978. 1,030. 1,073. 1,073. 人工呼吸器の使用. 545. 587. 720. 763. 850. 878. 呼吸に関するケア. ★医療的ケアを必要とする幼児児童生徒数(特別支援学校全体)は 7,531人(6.0%)。(19年 5.9%、20年 6.18%、21年 6.24%、 22年 6.26%、23年 6.38%) ★ケアの総数は約2万2千件(複数のケア必要児多い) ★栄養に関するケア25.8%、呼吸に関するケア67.8%(平成24年) ★教員が行うことができるケア●は41.2%であったが、▲が加わり5割へ↑。 ※平成23年度は岩手県、宮城県、福島県、仙台市は調査対象外。. ・医療的ケアは日常行為に必要な医療的な生活援助行為。 ・治療行為としての医療行為とは区別する。 ・保護者が医師より指導を受け家庭で行っている行為である。. ・生活の場では、看護職員と非医療職との連携で実施される。. 22年度. 607校. 7,306人. 1,049人. 3,772人. 14県. 23年度※. 580校. 7,350人. 1,044人. 3,983人. 13県. 24年度. 615校. 7,531人. 1,291人 3,236人※. 19県★. ※23年度は岩手県、宮城県、福島県、仙台市は調査対象外。 ※平成24年度からは認定特定行為業務従事者として医療的ケアを行っている教 員数(調査期日は平成24年10月1日) ★平成24年度:61都道府県市のうち、 看護師と教員34、看護師のみ27 (愛知県・岐阜県・名古屋市を含む). 呼吸器の操作 酸素量の調整 気管内の吸引 胃ろうボタンの挿入 口腔ネラトン法 カフマシーン. 6行為 口鼻腔吸引 気管カニューレ内吸引 経鼻経管栄養注入 胃ろう・腸瘻注入. 食事介助 姿勢管理. 酸素療法の見守り 呼吸器回路の位置の調整 人工鼻の着脱 呼吸器の見守り(NIV・気切). 個別判断! 専門性~関係性. 医療行為(医行為) リスク高い 看護職が実施. 注入の見守り (経鼻?胃ろう?). 口の中の持続吸引 チューブの管理. 呼吸介助. 生活援助行為 非医療職が実施 リスク低い. 文部科学省 「特別支援学校における医療的ケアの実施体制整備状況に関する調査」. 1.

(26) 平成24年10月1日現在. 北海道における医療的ケアを必要とする在宅障害児者総数 人口 人口 合計 札幌市 総計 人口比(対千人). 3,592,874 1,913,545 5,506,419. 6歳未満 6〜17歳 18歳以上 241,807 569,693 4,694,919 100 171 155 68 109 91 168 280 246 0.695 0.491 0.052. 経管栄養必要者数 6〜17歳. 18歳以上. 計. 82. 135. 98. 315. 北海道 札幌市. 札幌市 計. 45. 82. 60. 187. 127. 217. 158. 502. 6歳未満 35. 札幌市 計. 6歳未満. 6〜17歳. 18歳以上. 計. 63. 124. 111. 298. 59. 169. 170. 467. 計. 気管切開者数 北海道. 0.119 0.14 0.126. 吸引必要者数. 6歳未満 北海道. 人口比 (対千人). 合計 5,506,419 426 268 694 0.126. 39. 71. 102. 195. 人工呼吸器使用者数. 6〜17歳. 18歳以上. 6歳未満. 6〜17歳. 18歳以上. 計. 152. 北海道. 15. 48. 36. 99. 30. 96. 札幌市. 20. 36. 39. 95. 84. 243. 計. 35. 84. 75. 194. 64. 54. 23. 43. 58. 107. 計. 平元東氏 全国「緊急」シンポジウム今後の医療的ケアを考える(京都、H25/6/16)資料より. 医療的ケアが必要な在宅重症心身障害児(者)数 愛知県 年齢別人数 名古屋市はH21年度、愛知県はH17年度調査からの推計値 6歳未満. 6〜17歳. 18歳以上. 46. 胃瘻. 40. 63. 85. 188. 吸引必要者. 73. 213. 259. 545. 気管切開者. 39. 53. 76. 168. 在宅酸素. 25. 51. 51. 127. 人工呼吸器使用者. 15. 36. 45. 96. 3. 21. 57. 81. 導尿. 109. 計. 経管栄養(胃瘻も含む) ☆名古屋市含まず. 137. 292. 岐阜県 年齢別人数 H22年度調査による 回答率71.9% (100%とした場合の推計値) 就学前. 学校. 卒後. 計. 経管栄養(胃瘻・腸瘻含む). 16. 53. 39. 108 (150). 吸引必要者. 12. 42. 22. 76 (106). 気管切開者. 7. 23. 17. 47 (65). 在宅酸素. 3. 12. 8. 23 (32). 人工呼吸器使用者. 4. 6. 4. 14 (19). 1.

(27) 障害児者の医療的ケアを考えるシンポジウム ~愛知・岐阜・三重の現状と課題~ 岐阜県の現状と課題. 第 3 号研修について、福祉職の立場から 社会福祉法人いぶき福祉会. 第二いぶき. 纐纈栄司. ○T さんと向き合い続けること(第二いぶきでの医療的ケアでの医療的ケアのはじまり) • T さん 29 歳 姪っ子 2 人の叔父さん • 2003 年 S 養護学校卒業後、第二いぶきに入所 吸引・口腔ネラトンの実施 • 2003 年 12 月 体調不良が多かったこともあり胃ろう造設手術を受ける • 2004 年より体調も良くなり、少しずつ安定的に通えるようになる • 2013 年 1 月 肺炎にて入院後、喉頭気管分離の手術を受け現在通所中 ○NPO 法人医療的ケアネットとの関わり • 2003 年当初福祉施設の看護師が医療的ケアについて学ぶ場がなかった • NPO 医療的ケアネットとの出会いは、2003年に京都府網野町で開催された「医療・ 教育・福祉ネットワーク 丹後セミナー2003」に看護師を研修派遣したのがきっかけ です • 2011 年 11 月 26 日(土)・27 日(日)医療的ケア実践セミナーinGIFU を朝日大学 で参加者 370 名スタッフ 100 名で開催する ・第二いぶき(福祉施設)でどうして福祉職が医療的ケアを行うのか 看護師が足りないから?大変だから? どうして福祉職が医療的ケアを行うのか 医療的ケアは 24 時間 365 日の生活の一部であり、一人ひとりの生活を豊かするために必 要で、ともに過ごすのにも必要なことだから ・岐阜県の 3 号研修の実施状況 • 登録特定行為事業者 26 か所 • 認定特定行為業務従事者 126 名(経過措置認定者数 82 名) • たん吸引等研修終了者数 44 名 • H23 年度研修指導者養成事業修了者 11 名 • 登録研修機関 1 か所 *募集人員 H23、24 年度は 20 名 H25 年は 60 名(20 名×3 回の研修) ・3号研修(特定の者)を受けて • H23 年度の研修については混乱があったと思われる(研修内容の理解など) • H24 年度は民間の登録研修機関がとても大変だったとのこと(指導看護師の不足など) • 基本研修については常に医療的ケアが必要な方と過ごしている人なら 8 時間で充分(研 修後の学びの仕組みが必要では) • 実地研修の行い方(常に吸引が必要でない方など) ・福祉職の心構え(関係性を大切に、一人ひとり違う) 医療的ケア(胃ろう、吸引)がある○○さん ではなく △△さんが好き、音楽が好きな○○さん 一人ひとり好きな人、好きなものは違う 安心して過ごせる人とは? 好きなこと、嫌いなことを知ってくれている人 苦しいときに気がついて対応してくれる人.

(28) 岐阜県の重症心身障害児(者)医療福祉の現状、教育現場の医療的ケアの現状 国立病院機構長良医療センター 金子英雄 岐阜県の特別支援学校(盲学校、聾学校を除く)18校の校長先生あてに、アンケート調 査をお願いし、17校から回答を得た。. 岐阜県の特別支援学校では、看護師により医療的ケアがおこなわれており、教員が行う場 合は坐薬の挿入などに限られている。看護師と教員との連携はおおむね良好に行われてい る。看護師の人数が、十分であるとの回答は、約半数であり、現場ではさらなる増員が望 まれている。学外の行事に看護師が参加していないため、保護者の付き添いが必要である。 この点について改善を希望されている意見が多かった。緊急時に対する訓練は、どの学校 でも一定のマニュアルに従い、年複数回行われている。個々の患者さんにあった対応が必 要であるとの意見もあった。教員と看護講師がそれぞれ自立した独自の役割をもって連携 し、お互いの専門性を尊重しつつ、現在のシステムをより良いものにしていくことで、生 徒、保護者の学校生活がより充実したものになると考えられた。.

(29) シンポジウム「愛知・岐阜・三重の障害児(者)の医療的ケアを考えるシンポジウム」14:15~ 座長 安藤明夫(中日新聞 2)三重県の現状と課題. 編集委員) 、三浦清邦. 15:00-15:30. 樋口和郎 30 分. 「三重県の重症心身障害児(者)医療福祉の現状、教員による医療的ケア実施への取り組み」 演者:樋口 和郎(三重県済生会 明和病院「なでしこ」施設長) 岩本彰太郎(三重大学病院 医療福祉支援センター 小児在宅医療支援部 小児科) 1) 三重県中南部地域の重症心身障害児(者)医療福祉の現状 <登録喀痰吸引等事業者>(登録特定行為事業者特定の者)一覧表+県立学校も実施[H25 年 6 月 1 日現在] 施設種別. #入所施設あり. 登録者 ⇔ ケア担当職員登録数. 吸引. 注入. 生活介護 さわやか (草の実#)津市. 利用者(人数?) ⇔ 看護師対応. 看護職員が対応 今後も登録予定はない. 障がい者支援施設・生活介護 凛生園# 松阪市. 利用者 5 名 ⇔ 職員 3 名登録 最も援助を必要とする最後の一人の尊重!. 鼻腔・口腔内・気管カニュ ーレ内部喀痰吸引. 生活介護 こいしろ# 松阪市. 利用者 0 名 ⇔ 職員 0 名 知的障害 喀痰吸引がいない. 今後 利用者のニーズがあれば検 討. 生活介護・福祉型障害児通所 支援施設なでしこ# 多気郡. 利用者 1 名 ⇔ 職員 2 名登録 H25-6-1 施設登録. 鼻腔・口腔内・気管カニュ ーレ内部喀痰吸引. 生活介護 宮の里# 度会郡. 利用者(人数?) ⇔ 看護師対応. 研修に参加していない. 生活介護 くじら 伊勢市. 利用者(人数?)⇔職員 H24 から特 定行為の研修中 登録予定あり. 業務方法書で検討中. ヘルパーセンター あんず 志摩市. 利用者 1 名 ⇔ 職員 6 名登録. 口腔内・気管カニューレ内 部喀痰吸引. -. 障がい者生活介護センター きらり 志摩市. 利用者 2 名 ⇔ 職員 5 名登録. 口腔内・気管カニューレ内 部喀痰吸引. -. 胃瘻. 胃瘻. 2) 三重県の学校における医療的ケアの現状「特別支援学校メディカル・サポート事業(県単)」 介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律により H24 年度から三重県 教育委員会が研修登録期間として認定を受け、同時に H23 年度までの全実施校も登録喀痰吸引等事業 者(登録特定行為事業者)として認定を受けた。教員は H23 年度までに 400 名以上の研修修了者がい て、認定特定行為業務従事者(経過措置、第 3 号研修修了者)として認定を受けた。H24 年度からも新 たに認定を受ける教員には従来通りの 30 時間の一般研修を 8 月までに行い、すぐに新規にケアを実施 できるように 9 月に実地研修を行った。H25 年度は実地研修まで夏休み中に修了予定。一般研修 30 時 間確保は教育現場の安全性・リスク管理の重視がその理由。現行制度を紹介する。 3) H23 年度までの三重県の学校における「教員による医療的ケア実施」への取り組み 三重県は、全国 10 都道府県の実践研究でも最も早く H11 年度より看護師配置を導入し、現行の文部 科学省主導の「教員による医療的ケア(以下、医ケア)のシステム」を導入し、H17 年度からは医ケア を必要とする児童生徒の在籍する全ての県立特別支援学校において実施している。このシステムを普及 していく過程で、H13-7-28 日本小児神経学会東海地方会でそれまでの三重県の学校における医療的ケ アの経過と実態について発表した。その後改善を加えながら、現在そのシステムは有効に機能している。 現在でもまだ問題点はあるが、県単事業の財政基盤が今後も確保されれば、担当教員等の学校関係者・ 保護者・看護師・医師等がすべての障害児に対してその教育を保障しようとする意欲を持っている限り、 三重県の学校における医療的ケアの制度は継続できるだろう。この現行制度までの経緯を紹介する。.

(30) 「第3号研修について訪問看護師の立場から」 訪問看護ステーションななみ 管理者 冨士惠美子 S氏. 男性. 67才 病名:ALS. 5 年前にALSと診断、22 年から訪問看護を開始。 訪問開始時は、車いすの生活で、食事も会話も可能。 24年 4 月の制度改正直後から症状が悪化。 24 時間 NIPPV 使用、中心静脈栄養、痰の吸引も必要(鼻腔)(口腔) 訪問看護は1日2回。ヘルパー事業所5ヶ所で毎日対応しました。重度訪問介護320 時間もらい、毎日ヘルパーが夜勤に入っている状態でした。気管切開していないため、鼻 からの吸引です。ヘルパーが介護に入っている最中に、Sさんの痰が詰まって息が苦しく なっても、研修を受けてないヘルパーは吸引行為ができない。やむなく、看護師にSOS のコールが入る。深夜に呼ばれた看護師が、吸引をして家に戻ろうとすると、「痰が詰り 苦しがっています。」とまたコールが入る。結局、朝まで帰れない。ヘルパーがいるのに 、看護師が二重にケアに入らなければならない状況になった。ヘルパーが同年3月までに 吸引を施行していれば、4月も簡単な手続きで、吸引が可能だった。4月に入り24時間 NPPIV が外せなくなり吸引が必要になった S さんのようなケースは、どう対処したらいい のだろうか?県から研修を受けてないので吸引したらいけませんと言われても、吸引しな ければ利用者は窒息死です。例外的に迅速な対応ができてもいいのではないでしょうか。 法改正の経過措置として、当然考慮すべきことではないでしょうか。研修が皆出来る状態 になるまでの期間の定めがなにもない。ただ「研修を受けないと吸引できません。吸引し たら罪になり事業所は閉鎖になる」制度改正からしばらくの間、研修を受けられる事業所 は愛知県では皆無の状況でした。 厚生労働省に上記の件で問い合わせをした。 違法性の阻却(経過措置は残っている) 厚生労働省の HP にとても曖昧な通達内容だが、研修を受けていないものが吸引をする ことに対して「やむを得ないものかどうかは個別的具体的に判断されること」という表現 で、経過措置として例外を認めることがあると国は答えた。 研修が進まない理由として:「研修の体制の不備」「県ごとの研修費用の格差」「訪問看 護師の戸惑い」があげられます。 Q) ヘルパーに指導する訪問看護の責任はどうなるの? A) 自分達も普段訪問看護として関わっている、当事者だから、状態を良く把握してい る為、ヘルパーにも納得が行くまで、責任を持って教える事ができる。研修後でもチェッ クを時々おこなう。責任問題は信頼関係に基づくことが多い為、本人家族にも吸引をして も良いとの合格点をいただくので、問題はおきない。.

(31) ※講義は何処で受けてきても良いが、実地研修は当事者の訪問看護師が指導するのが一番 望ましい。 Q) ヘルパー指導に労力が取られ負担(時間的、経済的) A) 訪問看護師へ、吸引のための緊急呼び出しが何回も来て時間をとられるよりも、吸 引指導のために訪問を 1 時間延ばして、ヘルパーが上手く吸引できるように何回か指導す れば、その後の呼び出し回数が少なくなる。自分たちが訪問している大切な当事者である ことを考えると、無駄な労力ではない。療養生活が安全に、安心して送れることになる。 Q) ヘルパーへのー具体的な指導の仕方がわからない A) 研修のテキストに沿って行う。(介護職員等による喀痰吸引等の実施のための状態別 ・疾患別に配慮した研修テキスト) 方法や評価基準も決まっているので、教える方にも不安がなくなりました。研修を教え る立場でなくても、訪問看護師は必読しておくことが大切です。テキストを基本に、当事 者の意向に沿った方法を加味しながら指導する必要があります。そのためには、先ほども 述べたように、ヘルパーが吸引を行おうとする当事者の訪問看護師の指導が必須になりま す。 Q) ヘルパーが吸引、胃瘻をすると訪問看護師の仕事がなくなる A) ヘルパーの吸引は気管切開の場合、気管カニューレ内と限定されています。しかし 、それではしっかり吸引しきれません。当事者は、もっと気管カニューレの先端を越えて 奥までいれて吸引してスッキリしたいと言われることもあります。その時が看護師の出番 です。胃瘻も必ず看護師の最終確認が必要になります。(胃瘻周囲の観察、胃瘻の固定水 の確認、異常がないか) 看護師の仕事は、医療的ケアだけではありません。当事者や家族の心のケア、生活環境 の調整、様々な社会資源(医師、ケアマネ、ヘルパー、福祉用具、ボランティア etc.)などの コーディネーター的な役割もあります。 今回の「吸引をめぐる」混乱を考えると、だれのための法改正なのかを改めて吟味して ほしい。 制度はあくまで、介護を受ける本人と家族の負担、困っているのを助ける為のものであ り、不利益を被るものではなく、利益のためにあるものでなければならない。 その原点を忘れてはならない。 ひとり歩きして混乱していた今回の法改正が、今後は心のある人達が良いものへと作り 上げて行って欲しいと願う。国や県からの助成金を上手く活用して、研修をする側も受け る側もお互いに金銭的負担が少なくて済むような研修システムを考えていき、一日も早く 皆が研修を受けられるように再度、県は対策を考えて欲しい。. 『全ては在宅で療養する人たちの幸せの為に』.

(32) 3)愛知県の現状と課題 ②在宅療養支援診療所医師として医療的ケアへの関わりについて 服部 努(在宅療養支援診療所 たんぽぽクリニック 院長) 訪問診療を始め、日本の福祉サービスのすばらしさを実感しております。しかし、 十分な満足のいく福祉サービスを受けられていないといった方が存在する現実も目 のあたりにしています。医療の進歩に伴い医療依存の高い障害児が増えていると言 った現実がありながら、これらの方が十分な福祉サービスが受けられていない事も少 なくないと思います。 具体的にどんな問題点が在るか、たんぽぽクリニックで直面した点を挙げ問題提示 したいと思います。 たんぽぽクリニックの訪問診療を行った乳児 退院月齢. 疾患名. 11 ヶ月. 脊髄性筋萎縮症. 8 ヶ月. 5p モノソミー. 先天性心疾患. 3 ヶ月. 子宮内胎児発育遅延. 先天性心疾患. 4 ヶ月. 21 トリソミー. 先天性心疾患. 11 ヶ月. 胎児間輸血症候群. 慢性気管支炎. 1 歳 6 ヶ月. 胎内感染. 先天性肺炎. 3 ヶ月. 18 トリソミー. 3 ヶ月. 医療行為 マスク式人工呼吸器 下顎形成不全. 経管栄養 気管切開. 経管栄養 酸素吸入. 経管栄養. 酸素吸入. 経管栄養. 酸素吸入. 経管栄養. 酸素吸入. 経管栄養. 先天性心疾患. 酸素吸入. 経管栄養. 18 トリソミー. 先天性心疾患. 酸素吸入. 経管栄養. 3 ヶ月. 18 トリソミー. 先天性心疾患. 9 ヶ月. 気管軟化症. 声門下気道狭窄. 2歳. 21 トリソミー. 蘇生後脳症. 4 ヶ月. 肺高血圧. 肺高血圧. マスク式人工呼吸器. マスク式人工呼吸器 喉頭機能不全. 酸素吸入 気管切開. 酸素吸入. 経管栄養. 人工呼吸器. 気管切開. 酸素吸入. 経管栄養. トリーチャ・コリンズ症候群. 人工呼吸器. 気管切開. 酸素吸入. 経管栄養. 4 ヶ月. 新生児脳症. 人工呼吸器. 気管切開. 酸素吸入. 経管栄養. 4 ヶ月. 口蓋未成熟. 鎖肛. 気管切開. 酸素吸入. 経管栄養. 5 ヶ月. 18トリソミー. 先天性心疾患. 酸素吸入. 経管栄養. マスク式人工呼吸器.

(33) 4)医療的ケアが必要な子どもの保護者の立場から 古賀順子(重度障がい児・者の未来を考える会). 1.医療的ケア=日常的ケアなんです! 2.医療的ケアを受けることのありがたさは? ① 母が助かる ② 翔子が助かる ③ 翔子が安心する ④ 母が安心する 3.医療的ケアを受けるために課せられた負担とは? 4.学校での現状 5.医療的ケア=教育となってくれたらと願っています.

(34) ■翔子について 翔子(16歳)は 1996 年に脳に障害を持って生まれてきました。双子の 1 人が妊娠 7 ヶ月でなくなり、へその緒を 通じて、悪い物質が翔子の脳を壊してしまったそうです。 翔子は自分で立ったり、歩いたりできません。寝返りをすることも、手で何か触ったり、物を掴んだりもできません。. ■南部地域療育センターそよ風と訪問リハビリ 小学校に入る前に、南部地域療育センターそよ風という所に通いました。そこは療育相談、訓練、小児科診察、更 に、幼稚園のような取り組みをしてくれるところで、翔子は楽しく通いました。 朝、そよ風に到着すると、診察を受け、体調がいいと年齢で別れたクラスに参加します。月に 1 度しか病院に行かな いので、そよ風での診察はとてもありがたかったです。 ある時こんなことがありました。翔子はご飯が少ししか食べれないので、鼻から胃までの管を通して,液体栄養を 入れていたのですが、ちょうどなくなったので、そよ風にもらいに行ったのです。翔子が風邪気味だったので、診察 を受けました。そして、吸入をしていると、そばを通りがかった看護師さんが翔子がちゃんと呼吸してないことに気 づいてくれました。ぐっすり眠っているように見えた翔子は実は気道が狭くなっていて、呼吸できずにぐったりして いたのです。救急車を呼んで、呼吸器が挿管されました。あの時に、そよ風に行かなかったらと考えるだけでぞっと します。それからは、眠るときには、呼吸状態が悪くなるとブザーで知らせてくれる器械を取り付けるようになりま した。 そよ風はあまり通えなかったけれど、そこで多くの母達と知り合えたことは、私にとって大きな財産となりました。 ご飯の食べさせ方一つでも、どういう姿勢が食べさせやすいか、食材、調理方法、調理器具、特殊なスプーンなどの 情報交換は大いに参考になりました。特に、利用できる制度の話は大切です。 役所が教えてくれることもないので、母達から教えてもらった情報だけが当時は頼りでした。 日帰りショートステイなるものをあいち診療所がやってることもやはり母達に教えてもらい、面接を受けに行きまし た。そこで、面接してくれた看護師さんが、翔子がゼロゼロと苦しそうな呼吸の様子に、呼吸のリハビリを受けては どうかと勧めてくれました。訪問リハといって、家にリハビリの先生が来てくれるというのです。呼吸困難で、入院 したこともある翔子です。呼吸のリハビリで少しでも楽になるならと喜んでお願いしました。訪問リハビリの堀尾先 生は、呼吸のリハビリを独自に研究されていて、浅い呼吸をしている翔子に深呼吸をさせてくれました。リハビリの 間に気道に溜まった痰が喉まで押し上げられ、翔子は楽に痰を出すことができます。一日の中で笑顔が多く見られる ひと時です。現在、週 3 回受けています。. ■愛知県コロニーとあいち診療所の訪問診察 翔子の生まれたときから診てくれていた主治医が遠方へ転勤ということで、母達から情報をもらって、愛知県コロ ニーの三浦先生に主治医をお願いすることにしました。ちょうど同じころ、あいち診療所の岡崎先生に訪問診察をお 願いしていたので、家からは少し遠い春日井市に通うことにも不安はありませんでした。訪問診察は 2 週間に 1 回、 翔子の体調に関係なく先生が診察にきてくれます。風邪をひいたときなどは、岡崎先生に電話して指示を仰いだり、 診察に来てもらったりします。また、日常の細々した翔子の心配ごとの話も聞いてもらえたり、予防接種もお願いし ています。 三浦先生に翔子を診てもらえたことは、母にとってもとてもありがたいことでした。しっかり母の話を聴いてくれ て、気管切開への恐れを話すと、気管切開をするまでにまだ試せる方法があると時間をかけてくれました。現在、翔 子は気管切開と胃ろうをしています。どちらも迷いながら、時間をかけて、決断しました。今では、翔子にとっても っと早くしてあげたほうが楽だったろうなと思いますが、父母にとって納得するのに必要な時間だったと思います。 こうして振り返ってみると、人との出会いや情報がいかに私と翔子の助けになっていたかということです。多くの 人に見守られて、助けられて子育てができたから、もう私は世界から取り残されたと感じることはありません。.

(35) 資料2 シンポジウム内容抜粋 <開会のあいさつ>. 伊藤光保. 知多地域は「NPO サポートちた」が3号研修を提供している。日本福祉大学が1号研 修もしてくれており、ヘルパー研修は順調である。これがもっと広がって欲しい。医師 が「責任をもつ」と断言していることで、仕組みがうまく行っている。. <基調講演> 「どのいのちも等しく尊い~第三号研修実施の現状と課題~」 演者:篠原文浩(NPO 法人医療的ケアネット理事、 社会福祉法人イエス団京都市南部障害者地域生活支援センター「あいりん」相談員). 今回の厚生労働省が組み立てた喀痰吸引等研修の成り立ちをわかりやすく説明され た。その後、平成 23 年度から演者が責任者として取り組んできた、京都府の特定の者研 修について説明をされた。平成 23 年度京都府研修(医療的ケアネット委託事業)は研修 受講者数 579 名、修了証発行枚数約 1200 枚。平成 24 年度は、登録研修機関による実施 であったが、受講者 471 名、修了証発行枚数約 600 枚、平成 25 年度は、受講者枠約 750 名分で毎月実施予定、など、東海 3 県では信じられない充実ぶりを紹介された。 その後、医療的ケアの成り立ち、医療的ケアの教育的価値を改めて話された。福祉職 として、利用者の QOL を実現することを目指す上で、最終的に目指す QOL は感情的幸 福=肯定的な自己概念・幸福であるが、最初の身体的幸福を達成するためには、関わる 支援者が医療的ケアをしなければならないと述べられた。 誰もが尊厳ある生を保証されるべきである。医療的ケアが必要な〇〇さんではない、 医療的ケアが必要なことは特別なことではない。その人の属性の一つに過ぎないのであ り、医療的ケアがあるからという理由で、差別されることはあってはならないことであ る。と熱く語られた。. <シンポジウム> 「愛知・岐阜・三重の障害児(者)の医療的ケアを考えるシンポジウム」. はじめに)シンポジウムを企画するに当たり. 三浦清邦. 3県の重症心身障害児(者)についての統計。重症心身障害児(者)の実数調査について、 北海道の結果と愛知県と岐阜県の調査結果。全国の特別支援学校の医療的ケアの実態を 紹介した。残念ながら、各県の文化、施策の違いから、各県とも教育、福祉、医療様々 1.

(36) 資料2 な分野でまだまだ改善しなくてはならないところはあるのは事実だが、各県それぞれに、 先進的な取り組みをしている分野もある。三重の教育分野、岐阜の在宅調査をはじめと した行政の取り組み、愛知県の民間研修機関のがんばりなどが先進的な取り組みである。. 1)岐阜県の現状と課題 ①第3号研修について、福祉職の立場から 演者:纐纈栄司(社会福祉法人いぶき福祉会. 第二いぶき). 岐阜県の第三号研修の実施状況、3号研修を受けての感想を報告した。大切にしたい ことは、障害のある○○さんが自分らしく生き、輝き合うように、ともに向き合い続け る、同じ目的をもった者が連携する、一人一人の思いを大切にすることと述べた。. ②岐阜県の重症心身障害児(者)医療福祉の現状、教育現場の医療的ケアの現状 演者:金子英雄(長良医療センター. 国立病院機構長良医療センター臨床研究部). 岐阜県の重症心身障害児(者)の実態調査、特別支援学校の教員へのアンケート 調査の結果を報告した。教員と看護講師が、お互いの専門性を尊重しつつ、現在 のシステムをより良いものにしていくことで、生徒、保護者の学校生活がより充 実したものになるであろうと述べた。 学校で医療的ケアを受けている親への質問では、先生も看護講師もよくやって くれているという回答が多かったが、学外での研修に保護者の付き添いが必要で あるとの指摘もあった。また、看護師の確保が大変であり、今後、教員の参加も 視野に入れて検討していきたいと述べた。. 2)三重県の現状と課題 ①三重県の重症心身障害児(者)医療福祉の現状、教員による医療的ケア実施への取り組 み 演者:樋口和郎(三重県済生会 明和病院「なでしこ」施設長) 岩本彰太郎(三重大学病院. 医療福祉支援センター. 小児在宅医療支援部. 小児科). 三重県の重症心身障害児(者)医療福祉の現状、学校における医療的ケアの現状を述べ た。平成 21 年度 NICU から退院した児のうち 29 名が医療的ケアを必要とし、5 人は人 工呼吸器装着で、施設入所はなかった。 演者は昭和 62 年から三重病院で短期入所を始めた。そのころから学校の先生達と勉強 2.

(37) 資料2 会を盛んに行った。平成 5 年在宅父母の会ができ、なでしこ新設を請願。H11 年から文 科省のモデル事業に参加して、全国に先駆けて看護師配置をした。現在も教員により医 療的ケアが実施されている。法制化後も、教育委員会が研修機関となり、毎年夏休みに 30 時間の研修を開催し、毎年新たに 40 人程度の教員に研修を提供している。 医療的ケアは縁の下の力持ち。目立たないのが理想。 また、ひやりはっとの収集がとても大事。予防も大事だが、リスクマネジメントがと ても大事。常にどんなことが起こるか想像力を発揮し、常に考えておくことが必要と述 べた。. 3)愛知県の現状と課題 ①第3号研修について、訪問看護師の立場から 演者:冨士恵美子(訪問看護ステーションななみ. 所長). 一部法制化が始まって、現場で ALS の方の吸引をしてくれるヘルパーがいなくなっ た。研修を受けていなくて吸引をすると法律違反だと言われたので、厚労省に確認し、 違法性の阻却は残っていることを確認した。県が誤解していた。ただし、県は、「ダメ というわけではない。経過措置もある。が公文書はだせない。」とのこと。 県として、今年は看護師研修を年 3 回開催予定している。 第三号研修受講料が高い。特に愛知県は高いとのこと。国の研修の予算 9 億円はどこ に?愛知県はなぜ民間に丸投げをしたか?(篠原氏より「京都は、この国の研修予算を 民間に渡すことはせず、300 万円で人形を購入、保健所管理でレンタルをすることにし た。しかし事務が繁雑」) 話し合いが大事。行政といっしょにやっていくことが大事だと考える。ALS 協会、難 病連として行政を話し合いを進めていると述べた。. ②在宅療養支援診療所医師として医療的ケアへの関わりについて 演者:服部. 努(在宅療養支援診療所. たんぽぽクリニック. 院長). 医療的ケアを要する子供達が、3-4 カ月で退院して在宅医療をうけている。早すぎて、 身体障害者手帳をもらえず、また小児慢性疾患も受けられず、自立支援法のサービスを 受けられない児がいる。福祉サービスはかなり改善されてきているが新生児をとりまく サービスは“慢性疾患”や“症状固定が必要“の文言の為に十分なサービスが受けられ ていないと問題提起した。. 4)医療的ケアが必要な子どもの保護者の立場から 演者:古賀順子(重度障がい児・者の未来を考える会) 3.

(38) 資料2. 喉頭気管分離、胃瘻とも日常的なケア、毎日必要なケアです。看護師不足で、訳の分 からない「巡回吸引」となってしまっている。何とかして欲しい。 医療的ケアが教育となってくれたらと思う。愛知県は先生が吸引等はしていないが、 私が呼ばれると、吸引しやすい姿勢、痰がでやすい工夫、楽な姿勢をとってくれている。 もし医療的ケアを教員が実施することになっても、安心しておまかせできると思う。学 校の懇談会で校長がまだ教員がする段階ではないと言ったが、学べば安全にできると思 うので、ぜひ進めていって欲しいと述べた。. <質疑> 1.在宅療養支援診療所医師 第三号研修の指示書を書く立場から質問したい。事故時の対応はどうなるのか、責任 は医師か指導看護師か。家族は仕方ないと受け入れられるのか。 古賀「100%のことは望めないことは分かっている。まかせているので、私は責任は問わ ない。」 冨士「信頼関係が重要。」 樋口「依頼責任、管理責任、実施責任、指示責任と4者が責任を同等に受け持つという 考え方でやること。三重県は学校での事象はすべて公的な賠償をしている。万が一のこ とが起きた場合、説明がしっかりできることが重要。」. 2.福祉現場の指導看護師 4 月から医療的ケア必要者を受けている。気切の方は介護職が「こわい、みれません」 という。どのように教育をしていくべきか、モチベーションを高めるには、どう指導し ていったらいいか」 篠原「こわいのなら、リスクを考えしっかり対応を考えておくしかない。医療的ケアが あるから受けないという選択肢は自分にはなかった」 樋口「すべて自分の責任で負う必要は無いのです。どこまでやるのかは管理者がシステ ムとしてよく考えることであり、最後の責任は管理者が負うこと。予想つかないものは 誰でも恐いものです。」. 3.三重県の教育機関職員 制度のはじめは誰しも不安だと思います。三重でも始まったときは先生方は不安が大 きく、大変だった。やっていく中で徐々に不安はなくなっていった。「ヒアリハット」 をしっかり検討していったことがよかった。. 4.名古屋の福祉事業所の責任者 4.

(39) 資料2 介護職が医療的ケアを実施するにして、保険はどうなっているのか。 篠原「実地研修自体が、保険の加入が条件です。大手には製品があります。」. <まとめ> 今日のシンポジウムで情報を得た他県の先進的なところを見習い、改めて回りのいろ いろな人たちと、どうしたら医療的ケアが必要な方々が、より幸せになれるか、また話 しあっていって欲しいと思います。行政におかれましては、こんなに現場でがんばって おられる方が、がんばりやすいような施策を工夫していただきますようよろしくお願い 申し上げます。来年か再来年か、また各県の発展の情報交換する機会がもてることを信 じて、このシンポジウムを終わりにしたいと思います。ありがとうございました。. 5.

(40) 資料3. <アンケート結果> アンケート回収数 (1)(2). 190名(アンケート回収率 61%). 所属・職種についてお聞かせ下さい 医師. 看護師. 福祉職. 歯科医師. コメディカル. 保育士. 総合病院. 4. 8. 12. 開業医. 6. 2. 8. 訪問看護. 23. 23. 教育機関. 21. 療育・福祉. 3. 行政. 13. 教員. 本人. 事務職. 家族. その他. 37 29. 2. その他. 1. 4. 3. 合計. 14. 73. 32. 1. 59. 9. 54. 7. 9. 17 37. 17. 合計. 25 17. 190名. (3)本日のシンポジウムの内容は今後の業務に携わるうえで有意義でありましたか。 ①非常に有意義である. 47%. ②有意義である. 38%. ③意義はあるが不満足であった. 1%. ④有意義でなかった. 0%. ⑤無回答. 14%. (4) 本日のプログラムを通しての感想を自由にお書き下さい。 <全体的に多く見られた意見> * 3県の現状の発表であり、比較もでき参考になった。 * 色々な立場の方からの発表を聞くことができ参考になった。 * 今後も継続して行って欲しい。今後も参加したい。このような会の積み重ねで、連携が 取れればよいと思う。 * このようなシンポジウムには、教育関係や行政の参加が必要だと思う。ディスカッショ ンにも参加して欲しい。 * 内容が盛りだくさんなので、もう少しテーマを絞ったほうがよいのではないか。 * 研修の時間を長く取るべき。午前中に講演・午後にシンポジウムとしても良いのではな いか。もう少しじっくり話を聞きたかった。 * 各シンポジウムのパワーポイントを資料としていただきたい。 <所属別の意見> ◆. 総合病院 1.

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