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神経疾患に対する核酸医薬による遺伝子治療

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Academic year: 2021

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52:1213

<シンポジウム(3)―1―3>アカデミア発の創薬

神経疾患に対する核酸医薬による遺伝子治療

横田 隆徳

(臨床神経 2012;52:1213) Key words:遺伝子治療,アンチセンス,siRNA 核酸医薬は疾患に関連する mRNA,microRNA やタンパク などを標的とするため,多種の分子標的が可能で,その作用機 序が明確であり応用範囲が広いことから,抗体医薬,低分子医 薬に次ぐ新規の医薬品分野として期待されている.核酸医薬 の中で RNA の発現を抑制するアンチセンス核酸や short_in-terring RNA(siRNA)は,抗体医薬とことなり標的分子に制 限がなく,化学合成が可能なことから副作用が少ない利点が ある. アンチセンス核酸は 13_30 塩基の 1 本鎖核酸で,標的 RNA に特異的に結合してその翻訳を障害したり,DNA_RNA 二重 鎖を認識する RNaseH により標的 RNA を切断して,その発 現を抑制する.近年,アンチセンス核酸は結合親和性が高い第 3 世 代 の ア ン チ セ ン ス 核 酸 で あ る 2 MOE(2 _O_2_ methoxyethyl)や LNA(locked nucleic acid)が開発され,そ の有効性が飛躍的に進歩した.siRNA は 2006 年にノーベル 賞となった RNA 干渉現象の中間産物である 21_24 塩基の 2 本鎖 RNA で,細胞質内で RISC と呼ばれる Apo2 をふくむ複 合体を形成して標的 RNA を切断する. 臨床応用でもっとも先行しているのは家族性高脂血症に対 する ApoB を標的にしたアンチセンス核酸医薬(ミポメルセ ン)が PhaseIII で,神 経 系 で は Duchenne 型 筋 ジ ス ト ロ フィー症に対するアンチセンス核酸が有望である.このばあ いのアンチセンス核酸の作用機序は,エクソンスキップ効果 によるジストロフィンたんぱくを生成させる方法(Exon switching oligonucleotide:SSO)で,現在日米欧で PhaseIII に入っている.さらに本年,家族性アミロイドニューロパチー を対象に欧米で siRNA_リポソームやアンチセンス核酸の 静脈投与で有望な結果で出ている.また SOD1 変異による筋 萎縮性側索硬化症を対象に SOD1 を標的にしたアンチセン ス核酸の髄注治療や,ハンチントン病のハンチンチンを標的 にした線条体への siRNA の直接注入による,いずれも phase I の治験が開始されており注目される.シンポジウムでは,核 酸医薬の現状を概観すると共に,われわれ自身が最近開発し た新規の核酸医薬や経腸管的な siRNA について紹介した. ※本論文に関連し,開示すべき COI 状態にある企業,組織や団体 報酬額:武田薬品工業株式会社 医薬研究本部 Abstract

Gene therapy with oligonucleotides for neurological diseases

Takanori Yokota, M.D.

Department of Neurology and Neurological Science, Tokyo Medical and Dental University

(Clin Neurol 2012;52:1213)

Key words: gene therapy, anti-sense, siRNA

東京医科歯科大学病院脳神経病態学分野〔〒113―8519 東京都文京区湯島 1―5―45〕 (受付日:2012 年 5 月 25 日)

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