Shiga Health Report mini
NO.43
発行：滋賀大学保健管理センター（2019.11）貧血について ～しっかり食べて予防！～
【貧血とは】
貧血とは赤血球に含まれる血色素（ヘモグロビン）濃度が低下した状態をいいます。貧血にはいくつかの種類 がありますが、もっとも多いのは、鉄欠乏性貧血です。【主な貧血の種類】
■鉄欠乏性貧血 体内に鉄が不足したために、血液中のヘモグロビンの合成が低下して起こる。貧血のほとんどを占める。 ■溶血性貧血 赤血球の破壊によっておこる貧血。 ■巨赤芽球性貧血 赤血球の生成に欠かせないビタミン B12や葉酸の不足により、赤血球の増殖に異常をきたして起こる貧血。 ■再生不良性貧血 骨髄で赤血球をつくる機能が充分に働かなくなって起こる貧血。この場合、通常は赤血球だけでなく、白血 球や血小板も減少する。【鉄欠乏性貧血の原因】
●鉄分の摂取量不足 偏食・ダイエット・欠食など ●鉄分の必要量が増加 成長期・妊娠・出産・授乳期など ●栄養バランスが悪い 造血に必要なたんぱく質・鉄・ビタミン B6・B12・葉酸の不足、鉄の吸収を促すビタミン C の不足など ●出血 過多月経・消化管出血など ●鉄の吸収障害 胃切除後・ヘリコバクターピロリ陽性など【貧血の症状】
貧血になると全身の細胞に酸素が行き渡りにくくなり、下記のような症状が現れます。 頭痛・めまい 記憶力の低下 疲れやすい 脱力感 動悸・息切れ 顔色が悪い 爪がかけやすい スプーンネイルヘム鉄 吸収率が 15～25％ ・赤身肉（豚肉、牛肉） ・レバー（鶏レバー、牛レバー） ・魚（かつお、いわし、まぐろ） ・貝類（あさり、しじみ、かき）など 非ヘム鉄 吸収率が 2～5％ ・青菜（ほうれん草・小松菜） ・豆類（大豆・あずき・ココア） ・乾物（ひじき、切り干し大根） ・果物（プルーン、レーズン）など ビタミン C の多い食品 ・野菜（ブロッコリー、菜の花、 大根菜、ピーマン、かぼちゃ）など ・果物（柿、オレンジ、いちご、 キウイフルーツ、グレープフルーツ）など たんぱく質の多い食品 ・肉（鶏ささみ・むね肉、牛と豚もも肉・ヒレ肉） ・魚（白身魚・赤身魚）など ・牛乳 ・卵 ・豆腐 指をかざすと ヘモグロビン値が 測定できます！ 【鉄欠乏性貧血の予防のため鉄を多く含む食品をとりましょう】 食品に含まれる鉄分には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があります。ヘム鉄は吸収率が高めなのが特徴です。単 独で食べると吸収率の低い非ヘム鉄も、ビタミン C と一緒にとると吸収されやすくなります。 また、たんぱく質は造血の大切な成分となり、動物性たんぱく質は鉄の吸収を助ける大切な栄養素です。 肉や魚、野菜などを上手に組み合わせて食べましょう。 このほか、赤血球の生成に必要なビタミン B12や葉酸などの栄養素も充分に摂るよう心がけましょう。 また、紅茶・緑茶・ウーロン茶・コーヒーは鉄の吸収を阻害してしまうので、とり過ぎには注意しましょう。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊ 貧血かな？と気になる方は、保健管理センターまでご相談にお越しください。 保健管理センターでは採血をせずにヘモグロビンを測定し貧血をチェックすることができます。 正確な診断には血液検査で調べることが必要です。毎年 10 月に貧血検査（無料）を実施して います。詳細はサクセスでお知らせします。気になる方は検査を受けてみてください。
