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結合シーソーシステムの分散制御方式によるロバスト安定化: University of the Ryukyus Repository

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Academic year: 2021

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Title

結合シーソーシステムの分散制御方式によるロバスト安

定化

Author(s)

尾西, 英樹; 大桃, 一晃; 上里, 英輔; 山本, 哲彦

Citation

琉球大学工学部紀要(58): 1-4

Issue Date

1999-09

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12000/13747

Rights

(2)

琉球大学工学部紀要第58号,1999年 1

結合シーソーシステムの分散制御方式による

ロバスト安定化

尾西英樹*大桃一晃秤上里英輔…山本哲彦***

RobustStabilizationoflnterconnectedSeesawSystems

byDecentralizedControl

HidekiONIsHI*KazuakiOMoMo**EihoUEzATo…Tbts1IhikoYAMAMoTo… Abstract ThispaperconsidersarObuststabilizationviadecentralizedcontrolofthesystemwhichisconstructed intwoseesawscombinedwithathinplate・Applyingdecentralizedcontrolmethod,arobuststabiliz-abilityconditionisobtainedintermsofbilinearmatrixinequality(BMI).Astatefeedbackiscomputed usingthesolutionoftheBMI・Wealsoshowexperimentalresults・ Keywords:robuststabilization,decentralizedcontrol,bilinearmatrixinequality,statefbedback 1はじめに 人工衛星の太陽電池パネルなどの柔軟で大型の構造物 は,いくつかの剛体がバネにより結合されたものとして モデル化されることが多い.また,そのようなシステム ではアクチュエータを複数配置し,分散制御方式により 制御系を構成することが考えられる.本研究では,そのよ うなモデルの一つとして,不確かさをもつ結合シーソー システムを対象とし,分散制御方式によってシステムを ロバスト安定化することを考える.そして,実機による 実験によりロバスト安定性についての検証を行う.

隆二

ii鬘臺雲

弓遜

図1:結合シーソーモデル 表1:パラメータの値 2結合シーソーのモデル 本研究で対象とする並列結合シーソーのモデルを図1, パラメータを表1に示す.ziはシーソー中心からの台車 の変位(、)で右向きを正とし,0tは垂直方向からのシー ソーの傾き角(rad)で時計回りを正とする.uiは操作入 力で台車を駆動する力である.このシステムは台車を移 動させることによりシーソーのバランスをとる. Nmsrad Nmra 受理:1999年6月7日 第43回システム制御情報学会研究発表講演会にて発表 *佐賀大学大学院工学系研究科生体機能システム制御工 学専攻 (AdvancedSystemsControlEngineering,Graduate SchoolofScienceandEngineering,SagaUniversity) **大学院理工学研究科機械システム工学専攻 (GraduateStudent,MechanicalSystemsEng.) ***工学部機械システムエ学科 (Dept・ofMechanicalSystemsEngineering,FacofEng.) シーソーシステムの運動方程式は次式のようになる. m1ih+m1M1-m1z1jf-m19sinO,=u, (1) (m1zf+m1hf+J1)li,+2m,z,堂,0,+m1h1ii1 -m19h1smO1-m19z1cosO1-MigblsinO1 +c1O1=Ti2-hlul (2) Tl2=-k(0,-02)(3) この方程式を線形化したシステムの状態空間表現はつぎ パラメータ 記号 値 単位 台車の質量 77Bi k9 シーソーの質量 Mi 3.567 k9 支点からシーソーの 重心までの距離 6‘ 0.058 、1 シーソーの高さ /’i 0.14 [、 シーソーの支点回りの 慣性モーメント J; k9m 2 シーソーの回転摩擦係数 ② Nm.s/rad 結合の板バネのバネ定数 ル Nm/rad

(3)

尾西・大桃・上里・山本:結合シーソーシステムの分散制御方式によるロバスト安定化 2 外はすべて2つの端点をもつ.したがって7つの変動 パラメータの端点の組合せよりモデル集合の端点の数は L=25×32=288と決定した.また,制御則としては, 各システムごとに状態フィードバック のようになる. 2

虚`=…+B`迦i+EA迩錘,,‘=1,2

(4) j=1

ここに,z`=[ziOi2i0i]Tは状態変数である.2`は

台車速度(m/s),0tはシーソーの角速度(rad/s)である. システムの係数行列Ai,Biをつぎに示す. (10) 山=Kfri,i=1,2 を施すものとする.

(4)式に(8),(10)式を代入して全体システムを

.+金庫斜曇い

。-[。。-(苧+念)等T

板バネより受けるトルクが-k(0,-02)であるから,

システムの結合項z;=1Aが麺jは,シーソー'の場合,

288 288 288

念={Z〃lAb+Z〃1Aし+(エリIBb)K・}“('1)

l=1 1=1 【=1 と表す.ただし結合項以外Iま対角ブロック行列で定義する. 、=[zTmJ]T,Ab=diag{AI,A;}

Aも=[A1上×2,Bも=diag{B{,Bi}(12)

1m=diag{K,,唖)

ここで,('')式の閉ループ系に対するリアプノフ型安定

条件は 2

EA1j電,

ゴー1 288 288 288

{ヱワIAb+エリ1Aも+(E〃`Eb)K、}P

【=1 1=1 【=1 288 288 288

+P{E"IAb+Z''1Aも+(Z"IBb)K・}T<o('3)

l=1 【=1 1=1 である.ただし,Pは正定行列でリアプノフ関数$TPZ で定義される行列である.(13)式をり'についてまとめ ると,

{糊Ⅲ洲iil

(6) と表される.シーソー2についても同様である. ここで,つぎに示すパラメータは上下限については既 知であり,以下の範囲内の値をとるとする. 0.5三m2≦0.65 0.382三J2≦0.420 0.0403≦c2≦0.0443 0.5三m’三0.65, 0.387≦J1<0.426, 0.0384<Cl<0.0422, 51三k≦5.6, 288

Z〃!{(Ab十Aも+BbKD)P

l=1 +P(Ab+Aも+BbKD)T}〈0(14) となる.ここで,端点での288個の不等式 (7) 本研究では,(7)式の物理パラメータの不確かさに対 し,システムをロバスト安定化する分散制御コントロー ラを設計する. (Ab+Ab+BbKD)P+P(Ab+Aも+BbKD)T〈0(15) l=1,2,…,288 が成立するなら,りlZOより,(14)式が成立する.し

たがって,(15)式の複数の双線形行列不等式(BMI)を

同時に満たすPとKDが存在すれば,(11)式の閉ルー プ系はロバスト安定であり,またKDは分散制御コント ローラとなる. BMIについては,ホモトピー法2)を用いた解法が提案 されている3).この解法を(15)式の連立不等式に適用す る.そのために,結合項ACを分離させ,変数入e[0,1] を導入したつぎの行列不等式を考える. 3分散制御系設計

まず,(7)式のパラメータの不確かさに対し,(5),(6)

式の係数行列をつぎのようなポリトープ型')で記述する. 288 288 288

AガーヱヮIAl,a=Z'1IBMポゴーェ刀IAIj

(8) l=1 【=1 1=l ここに,〃’’よ 288

ヱワ!=1,刀1zo(9)

【=1

を満たすスカラ定数である.ここで,AI,B1,Ab,(!=

1,2,…,288)は端点行列である.これらは,miについ ては,3つの端点を持つと設定する(付録参照).それ以 仏ら+BBK、)P+P(Ab+BbKD)T +入(A6P+PAF)〈O (16) l=1,2,…,288 ただし,入はOから1に増加させる変数である.入=Oの とき,(16)式は結合なしシステムの安定条件であり,こ

(4)

琉球大学工学部紀要第58号,1999年 3 前節で求めた分散状態フィードバックゲインZn,唾 によって,結合シーソーを安定化する制御実験を行った. ロバスト安定性について検証するために台車質量miに ついて変動を考える.実験条件と結果は以下の通りであ る.図2から図5において,縦軸はシーソーの角度(rad), 横軸は時間(sec)を表す. れを満たす2変数P,KDは容易に求めることができる・ その解を初期値とする.これを用いて入を増加させなが

ら(16)式のBMIの2変数を交互に固定して線形行列不

等式(LMDとして解き,解を更新していく.入=1の とき2変数が求まれば,それは(15)式の解である.これ によって分散状態フィードバックゲインK、,すなわち, KmKhを求めることができる. まず,初期値となるP,K、を求める.これは結合な しシステムであるので,各サブシステムごとに考える.サ ブシステムは3つの不確かな物理パラメータをもち,行

列ポリトープはL=3×22=12の端点をもつ.結合な

しシステムのロバスト安定条件 ●条件1:台車質量を、,=m2=0.5(kg)とし,シー ソー1,シーソー2の初期値をそれぞれ0,=0.1

(rad),02=0.0(rad)とする(図2).

・条件2:台車質量を、,=0.65(kg),m2=05(kg) とし,シーソー1,シーソー2の初期値をそれぞれ

0,=01(rad),02=0.0(rad)とする(図3).

・条件3:台車質量を、,=0.5(kg),m2=0.65(kg) とし,シーソー1,シーソー2の初期値をそれぞれ

0,=0.1(rad),の=0.0(rad)とする(図4).

・条件4:台車質量を、,=m2=0.65(kg)と し,シーソー1,シーソー2の初期値をそれぞれ (AI+BIKi)H+B(Al+BlKi)T〈O i=1,21=1,2,…,12

は変数変換法4)によって解くことができる.まず,

(17) (18) 鴎=KiB と定義すると(17)式は

0,=01(rad),02=0.0(rad)とする(図5).

AIB+HAlT+Bl聡+YiTBlT〈0,H〉0(19)

i=1,2J=1,2,…,12

となり変数BとH関する12個の連立したLMIとな

る.そこで,H,YiについてMATLAB(科学技術計

算ソフト)を用いて解き,状態フィードバックゲインKd は 21864202 0 J00000 ● 0 0000 0 』 (ご園与①⑫一m■国一声口吻の①⑫ Ki=YtPr1ゼー1,2(20) として求めることができる.これよりK10,Km,P,0,PbO は次のようになる. 01234567B timer(SCC) 図2:実験結果(m,=m2=0.5) -82.62] -76.96](21) K1o=[-293.52-252.78-44.36 Jno=[-276.70-238.09-41.65

鳧。十灘Zi護壺蕊鴬l

…[二霧iZ篭i蕊鑿潮'勢’

つぎのように求められた.

を初期値とし,(16)式のBMIを解いた結果Ki,K2は

この解を用いてP=diag{P1o,Pho},K、=diag{K10,Km)

狙皿““叫哩0

0 0000 (ロロ』)の①『即自⑤差声回由の①印 -0.02 8 01234567 timet(sec) 図3:実験結果(m,=0.65,,2=0.5) K1=[-360.64-310.88-57.49-103.78] K2=[-339.78-292.65-54.16-96.79](23)

4実験および実験結果

八 se( }saw[-

'Ij(

P5U66■ザ●08⑪■⑪●■●■}『●■寺SbcU6U4BIヤー■ S{e》 f》 }saw2‐-

み、 ‐1,

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eesaW1-eesaW2=、--5. ̄

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(5)

尾西・大桃・上里・山本:結合シーソーシステムの分散制御方式によるロバスト安定化 要素を含んでいる.比例と反比例で表される集合は,非 凸集合になることがわかる.したがって,

犯凹“““皿02

0 0 0000 0 (つ句』)の⑪一凶皀②参口吻⑪⑪、 mi三mi≦7777 - の上,下端で表されるmiについてはつぎのような三角 形の凸集合で表し,もとの非凸集合を覆うようにする.

[小[菫|川-M{鑿l

Ml棗I

01234567 time'(sec) 図4:実験結果(ml=0.5,,2=0.65) 8 ただし,0≦α≦1,0≦β≦1で定義する. 21864202 100000 0 ● 0 0000 0 。 seesawl Seesaw2 (已口』)①⑪|凶巨口一歩何m。①的 参考文献

11MJ■

1)J・OGeromel,PLDPeres,andJ・Bemussou: OnaConvexParameterSpaceMethodfbrLinear ControlDesignofUncertajnSystems,SIAMJ ControlandOptimization,V01.29,No.2,pp381‐ 402(1991) 。。~一・十つ 012345678 time『(sec) 図5:実験結果(m,=m2=065) 2)SLRichterandRADeCrlo:ContinuationMeth-ods:TheoryandApplications;IEEEnansAut・ ControLVbLAC-28,No.6,pp、660-665(1983) 3)池田,松本,濯,藤崎:大規模システムの分散安定化 一ホモトピー法を用いた行列式アプローチー,計測自 動制御学会論文集,Vol、34,No.12,pp1962-1964 (1998)

4)岩崎:LMIと制御,ppl22-123,昭晃堂(1997)

条件1から条件4の実験結果より台車質量miに変動 が与えられてもシーソー1,2の傾き0182は4秒程度 で収束し,安定となることがわかる.また,どの条件に おいても定常偏差が0.002(rad)程度残っていることも 確認できる.この対策としては,積分器を含めた制御系 の構成が考えられる. 5おわりに 本研究では,結合シーソーシステムをロバスト安定化 する分散制御系の設計を行った.そして,台車の質量に 関しては150(9)の変動に対し閉ループ系の安定性を確 保するコントローラを設計することができた. 付録 ここでは,分散制御系設計でmtについて,3つの端 点と設定した理由について述べる.モデル集合が行列ポ リトープとして表されるためには凸集合になっていなけ ればならない.しかし,(4)式のシーソーモデルでは,そ の係数行列AzとBiにはmiについて比例と反比例の

参照

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