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コドモイナ GO わたしたちは 東 日 本 大 震 災 に 伴 う 原 発 事 故 により 外 遊 びがままならない 福 島 の 子 どもたちを 放 射 線 量 が 低 く 自 然 豊 かな 福 島 県 南 会 津 町 でのキャンプに 招 待 する 活 動 をしています 原 発 被 災 地 域 の

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報告書 2013

報告書 2013

報告書 2013

コドモイナ GO

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コドモイナ GO

わたしたちは、東日本大震災に伴う原発事故により外遊びがままならない福島の子どもたちを、 放射線量が低く自然豊かな福島県南会津町でのキャンプに招待する活動をしています。原発被災 地域の子育て世帯に寄り添い、中長期的には福島県全体でサポートする体制を目指しています。 原発被災地域の子どもたちのために何かしたい。このプロジェクトは、南会津町 旧伊南村の NPO 「いな夢クラブ」と、福島大学 経済経営学類 遠藤明子研究室による、そんな切なる思いから生ま れました。 「コドモイナ GO」というプロジェクト名は、南会津町 旧伊南村の地域づくり活動「いな GO!」に 関連づけたものです。また上記のロゴは清流伊南川と、そこで採れる名産の鮎をモチーフにして います。 2

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目 次

原発事故と福島の子ども・・・・・・・・・・・04

関係団体の紹介・・・・・・・・・・・・・・・08

本番までの準備・・・・・・・・・・・・・・・10

キャンプ本番・・・・・・・・・・・・・・・・12

保護者への質問紙調査・・・・・・・・・・・・28

保護者自由記述・・・・・・・・・・・・・・・31

子どもたちの感想・・・・・・・・・・・・・・34

あとがきにかえて・・・・・・・・・・・・・・38

関係団体・スタッフ一覧・・・・・・・・・・・39

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原発事故と福島の子ども

 東日本大震災に伴う福島第一原子力発電所事故により、福島県の中 通り地方( 中間部 )と浜通り地方( 太平洋側 )は、放射線という目に見え ない脅威に最もさらされました( 図表 1)。  未だ、多くの人々が避難生活を強いられ、不安を抱えながら日々を 過ごしています。とりわけ、放射線の影響を受けやすい幼い子どもを もつ子育て世帯の不安感は、非常に大きいといえるでしょう。  震災から 2 年が経過した今でも、放射線による健康被害を避けるた めに、福島の子どもたちは外遊びがままならない状態が続いています。 子どもにとって外遊びは、心身の発達と健康を保つ役割を担うととも に、社会性を身につけるために欠かせないものです。  ここでは、福島の子どもたちが外遊びを制限・自粛せざるを得なく なった経緯と、それによるストレス・発達への影響と対処法、子ども 保養の必要性についてお話したいと思います。 出所:文部科学省 放射線等分布マップ http://ramap.jaea.go.jp/map/ 図表1 福島県の放射線マップ 文部科学省は 2011 年 4 月 19 日に、子ども に対する放射線防護措置として「福島県内の 学校の校舎・校庭等の利用判断における暫定 的考え方」※ 1を発表しました。 その内容は、2011 年の夏期休業終了時まで、 屋外の空間線量率が 3.8 μ Sv/h 以上(木造屋 内に 16 時間、屋外に 8 時間で過ごすと仮定して、年 間 20mSv に相当)の学校では、屋外活動を 1 日 あたり 1 時間程度に制限するというものです。 実際に、この基準に該当したのは福島市、伊 達市、郡山市の幼稚園・小中学校 13 校のみで したが、自治体や教育委員会の自主的な判断 で、全体の約 80% にもおよぶ学校で屋外活 動の制限が行われました※2。具体的には、体 育の授業を屋内のみで行うなどの措置がとら れました( 図表2)。 これまでの 20 倍の被曝を認めるこの方針は、 すぐさま国内外から強い批判を招きました。 緊急時に運用すべき数値を、通常の授業を行 う学校に適用すべきではない、国の基準は甘 すぎると指摘されたのです※3。内閣官房参与 ( 当時 )の小佐古敏荘氏がこれに抗議し、同年 4 月 29 日に辞任会見を開いたことは、象徴的 な出来事の一つです。東京大学大学院の教授 で、放射線防護学の専門家でもある小佐古氏 行政主導の外遊び制限 は、文部科学省が示した放射線量について 「学問上の見地からのみならず、私のヒュー マニズムからしても受け入れがたい」と厳 しく批判しました※ 4。これは、原子力の専 門家の間でも、放射線の影響に関する見解 が定まっていないことを示しています。 批判の声がやまない中、文部科学省は同年 5 月 27 日に「福島県内における児童生徒等 が学校等において受ける線量低減に向けた 当面の対応について」※ 5として、追加的な 方針を提示しました。 これは、学校において児童・生徒等が受け る線量の目標を年間 1mSv までとし、さら に校庭・園庭の空間線量率が 1 μ Sv/h 以上 の学校には国が財政的支援を実施するとい うものです。 これらの方針は今後できる限り、児童生徒 等の受ける線量を減らしていくという基本 にのっとり設定されました。 いわき市 福島市 郡山市 南会津町 会津地方 中通り地方 浜通り地方 4

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保護者主導の外遊び自粛 出所:福島大学 子どもの心のストレスアセスメントチーム 調査 「福島県における親と子のストレス調査の結果について(第三回調査)」福島大学第 33 回定例記者会見資料。http://www.fukushima-u.ac.jp/press/H23/pdf/20_03.pdf 図表2 屋外活動制限の内容 図表3 子どもに外遊びをさせるか (%) ※ 6 NHK 福島放送局 はまなかあいづ OnLine 「屋外活動制限解除の背景は」2013 年 10 月 24 日放送。http://www.nhk.or.jp/fukushima/ hamanaka/want_know.html#answer_d 注:調査対象は、中通り地方に住む小学生および 未就学児の保護者です。2011 年の調査は県の中 心都市である福島市と郡山市で行われています が、データ傾向がきわめて似通っていたことから、 2012 年、2013 年では福島市のみで調査されて います。また、2013 年の他県との比較で秋田県、 福井県、兵庫県が取り上げられていますが、その 理由として全国に調査協力を依頼したところ、こ の 3 県から回答が得られたという経緯がありま した。 授業・イベント 体育 理科 図画工作 部活動・クラブ活動 休み時間 行事 制限された内容 屋内のみ、水泳中止 校舎外での観察延期 写生延期 屋内のみ 外遊び制限 運動会延期 出所:NHK 解説委員室 解説アーカイブス「時論公論『東 電福島第一原発事故:子どもたちの遊び場は』」2011 年 5 月 5 日 放 送。http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/100/81075.html 5 こうした行政主導の外遊び制限のみな らず、放射線への不安から保護者主導 の外遊び自粛も広がりました。 福島大学「子どもの心のストレスアセ スメントチーム」の調査によると、子 どもに外遊びを一切させない中通り地 方の子育て世帯は、2011 年で 66.7 %、2012 年で 54.0% といずれも過 半数に達しています。そして、震災か ら約 2 年たった 2013 年でも 28.2% と、約 3 割の子育て世帯が一切の外 遊びをさせていないことがわかります ( 図表 3)。 一方で、子どもに外遊びをさせると回 答している子育て世帯の割合は、年々 回復傾向にあります。これは放射線不 安の減少に伴うものであると考えられ ます。2013 年 10 月時点で福島県内 の公立小中学校 409 校は、除染の進 行と保護者の理解を得られたことを理 由に、児童・生徒の屋外活動制限を解 除しました※6 しかし、他県と比較すると福島の異常 事態は明らかです。福島と同じ東北地 方の秋田県、原発立地県である福井県、 西日本の兵庫県、いずれも子どもに 外遊びをさせていない子育て世帯は 限りなくゼロに近くなっています。 福島県においても、原発事故前はこ れらの3県と同じ水準であった可能 性が高いと考えられますが、現在は 先述したとおりです。行政主導の制 限が解除されても、保護者主導によ る外遊び自粛は依然として続いてい るのです。 ※ 1 文部科学省「福島県内の学校の校舎・校庭等の利 用判断における暫定的考え方」2011 年 4 月 19 日付。 http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/ syousai/1305173.htm ※ 2 「福島民報」2011 年 4 月 20 日付。 ※ 3 日本弁護士連合会「『福島県内の学校の校舎・校 庭等の利用判断における暫定的考え方について』に関 す る 会 長 声 明 」2011 年 4 月 22 日 付。http://www. nichibenren.or.jp/activity/document/statement/ year/2011/110422_2.html 日本医師会「文部科学省『福島県内の学校・校庭等の利 用判断における暫定的な考え方』に対する日本医師会の 見 解 」2011 年 5 月 12 日 付。http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20110512_31.pdf ※ 4 「NHK『 か ぶ ん 』 ブ ロ グ 」http://www9.nhk. or.jp/kabun-blog/200/80519.htm ※5 文部科学省「福島県内における児童生徒等が学校 等において受ける線量低減に向けた当面の対応につい て 」2011 年 5 月 27 日 付。http://www.mext.go.jp/ a_menu/saigaijohou/syousai/1306590.htm 8.9 10.7 22.4 86.6 86.1 88.1 24.4 35.3 49.5 12.6 13.7 11.4 66.7 54 28.2 0.8 0.2 0.0 0 50 100 2011 2012 2013 2013 2013 2013 福島県 秋田県 福井県 兵庫県 させる 時々させる させない

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子ども保養の必要性 放射線量の低い地域でのびのびと過 ごすことで、普段の生活では触れるこ との出来ない自然を感じ、心身をリフ レッシュメントすることができます。 しかし、保護者だけでそれらを行うの は、時間的、経済的な理由から、なか なか難しいものがあります。子ども は一人で育てるのではなく、地域で、 社会で育てるものです。 こうしたことから、わたしたちは夏休 みの 5 日間という短い期間ではあり ますが、自然の中で思いっきり外遊び ができる環境を提供する保養キャン プのプロジェクトを立ち上げました。 外遊び減少による、子どもの運動不足 とストレス反応を解消するために、郡 山市は株式会社ヨークベニマルの協力 を得て、室内遊び場「ペップキッズこ おりやま」( 写真 )を 2011 年 12 月に 開設しました。利用者数は 2013 年 5 月時点で延べ 46 万 8 千人にものぼり ます※ 11 2012 年には福島市といわき市にも同 様の施設が設置され、子どもの運動不 足解消や心身両面からのリフレッシュ メント、不安を抱える保護者のコミュ ニティを形成する場として機能してい ますが、やはり屋外の開放感には及び ません。 子どもの成長に不可欠な外遊びをおも いっきりさせてあげたい。しかし、放 射線による健康リスクは避けたい。福 島の子育て世帯は不安とともにジレン マを抱えています。 そこで必要とされているのが「子ども 保養プログラム」です。保養とは、心 身を休ませて健康を保ち活力を養うこ とをいいます。 6 震災による子どものストレス反応と発達への影響 ※ 7 日本児童青年精神医学会公式サイト「被 災されたお子さんをお持ちの家族の方へ」2011 年 3 月 14 日付。http://www.ncnp.go.jp/pdf/ mental_info_childs_guardian.pdf ※ 8 肥満傾向児とは、肥満度が 20%以上の者 をいいます。肥満度は ( 実測体重-身長別標準体 重)÷身長別標準体重× 100%で算出されます。 ※ 9 文部科学省「平成 24 年度学校保健統計調 査」2012 年 12 月付。 ※ 10 「日本経済新聞」2013 年 4 月 26 日付。 避難生活や外遊びがままならない状 況により、身体を動かす機会が減少 したことで、子どもに赤ちゃん返り がある、反抗的・乱暴になる、親が 見えないと泣きわめく、寝付きが悪 くなるなどのストレス反応があらわ れるケースがあります※ 7 また、発達への影響も懸念されてい ます。肥満傾向にある子ども※ 8 福島県で増加している実態が、「平成 24 年度 学校保健統計調査」※ 9によ り明らかとなったのです。12 歳を除 く全ての年齢層で、原発事故前の平 成 22 年度より原発事故後の 24 年度 の方が肥満傾向児の出現率が上昇し ています( 図表 4)。また、福島県の肥 満傾向児の出現率は、全ての年齢層 で全国平均を上回っています。文部 科学省と福島県教育委員会は原発事 故による運動不足が肥満傾向児の増 加に影響を与えているのではないか と分析しています※ 10 ペップキッズこおりやまで遊ぶ子どもたち。 ※ 11 こおりやまペップ子育てネットワーク http://www.pepnet.jp/_src/sc598/18EFC94 N8BL94O83p839383t838C83b83g.pdf 図表 4 肥満傾向児出現率 (%) 出所:文部科学省「平成 24 年度学校保健統計調査」より作成。http://www.pref.fukushima.jp/ toukei/data/02/hoken/24hoken/kekka.pdf 0 5 10 15 5歳 6歳 7歳 8歳 9歳 10歳 11歳 12歳 22年度 福島県 22年度 全国平均 24年度 福島県 24年度 全国平均

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7 出所:福島県「空間線量モニタリング結果」 http://wwwcms.pref.fukushima.jp/pcp_portal/PortalServlet;jsessionid=378CC7E820F29BD3C31BB8D22 6E51353?DISPLAY_ID=DIRECT&NEXT_DISPLAY_ID=U000004&CONTENTS_ID=23853 上記 URL に「各地方環境放射能測定結果(暫定値)」の最新値が記載されており、そこから過去のデー タを閲覧し、作成しました。 図表5 空間放射線量の比較( μ Gy/h ≒μ Sv/h) 福島市 郡山市 南会津町 公衆の線量限度 + 福島県の自然放射線量 (2012) (2013) 県内の線量比較 2012 年から 2013 年の福島市、郡山市、 いわき市、南会津町の空間放射線量の推移 を見てみましょう( 図表 5)。直線で示され ている 0.15 μ Sv/h(医療被曝を除いた公衆の 線量限度と福島県の自然放射線量の和)は、社 会的に許容されうる空間放射線量の目安と なる値です。 環境省によると、福島県の除染作業は 2013 年 6 月末時点で福島県内の学校・ 保育園等が 96%、公園・スポーツ施設が 81% 進捗していますが※ 12、福島市と郡 山市の線量は、0.15µSv/h を依然として 上回っています。一方、南会津町の線量は それを安定的に下回っており、子どもたち が安心して外遊びをすることのできる環境 だといえます。 いわき市 4 月 8 月 1 月 8 月 キャンプ開催 キャンプ開催 ※ 12 環境省 除染情報サイト http://josen.env.go.jp/area/index.html 0 0.15 0.30 0.45 0.60 空間放射線量を測定する屋外型 線量計。原発事故後しばらくし て、福島県内でよく見かけるよ うになりました。 空間線量率が基準を超えたこと で利用が制限された公園には、 このような看板が設置されてい ます。現在では多くの公園で除 染が完了し、このような看板も 少なくなりましたが、依然とし て保護者主導による子どもの外 遊び自粛は続いており、公園で 遊ぶ子どもたちの姿はあまり見 られません。 変わらぬ自然がそこに。南会津町伊南地域の全景。 注 1:2013 年 1 月の福島市および郡山市、ならびに 2012 年 12 月から 2013 年 3 月にかけての南会 津町において、線量が大きく下がった後に再び上昇していますが、これは積雪の影響によるものです。 注 2:算出方法 福島市:測定地点 24 箇所(2012 年)、25 箇所(2013 年)の平均値。 郡山市:測定地点 32 箇所の平均値。 いわき市:測定地点 53 箇所(2012 年)、54 箇所(2013 年)の平均値。 南会津町:伊南総合支所の値(4月 13 日から測定を開始)。伊南総合支所は今回キャンプを行う場所 に最も近い測定地です。 0.15 μ Sv/h =公衆の線量限度(医療被曝除く)0.11 μ Sv/h + 福島県の自然放射線量 0.04 μ Sv/h 0.00 0.15 0.30 0.45 0.60

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関係団体の紹介

今年も参加した子どもたちの歓声が川や森や山に響いていきま した。子どもたちひとりひとりが、真っ白なキャンパスに自ら 主人公となり、自由にいちにちを描く。天候やその時の気分で、 自分がやってみたいことを決められるキャンプ。 スタッフに瞬時な行動や指導力を求められるのですが、なによ りも子ども主体で進められることは、外遊びの規制や環境制限 のある地域で育つ子たちにとって、解放感があるのではないで しょうか。 子どもたちは、日常生活で自然から離れていたとしても、安心 した自然環境と友達がいれば、自然そのものに触れることを心 から喜び、創造的な遊びを展開していきます。自然と共鳴した 子どもたちの生き生きとした姿は、自然の一部として、美しい 光景に溶け込んでいます。

感じるまま、こころのままに

からだを解放しましょう

あの忌まわしい、そして決して忘れることのできない 3.11…。 私たちの福島県は、一体どうなってしまうのだろうか。 同じ福島県民として、外遊びがままならない子どもたちのため に「何かしたい」という思いが強くなりました。こうしてコド モイナ GO は始まりました。 いな夢クラブはコドモイナ GO を通して人を愛し、地域を愛し、 自然を愛する地域づくりと、それを担う人材の育成を目指して います。参加した子どもたちと福島大生にも、家族を愛し、故 郷を愛する人になって欲しいと思います。 福島は負けねぇ。 福島の子めらは、福島の宝物。 私たちはソーシャル・マーケティングを学ぶゼミです。ソーシャ ル・マーケティングとは、営利企業のマーケティング活動で培 われた手法や考え方を応用して、社会問題の解決を図るもので す。その実践的な学びの場に、コドモイナ GO があります。 とはいえ当初は、私たち自身が震災・原発事故の混乱の中で、 自分のこと、日々の暮らしのことで精一杯でした。しかし時間 が経つにつれて、自分たちのすぐそばにいる子どもたちの外遊 びがままならないことに、気持ちが向かうようになりました。 実際にコドモイナ GO に取り組みだしてからも手探りの連続で したが、様々な人々との関わりの中から、多くのことを学び、 かけがえのない経験を得ることができました。これからもそう した関わりを大切にしながら、実践的に学んでいきたいと思い ます。 遠藤明子研究室 福島大学 経済経営学類 専門演習

伊南の豊かな自然のなかで

のびのび過ごしてほしい

福島の子どもたちに笑顔を

地域とともに学んでいます

野外学校 FOS 自然体験活動の企画・運営組織 いな夢クラブ 総合型地域スポーツクラブ (NPO) 8 遠藤 明子( コドモイナ GO 代表 ) 星 恵一( 同キャンプコーディネーター ) 戸高 雅史・優美( 同プログラムディレクター )

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私どもは、1901 年にアメリカで創業したキャンプ用品メーカー です。自然に携わる企業として、自然の中で過ごすことの素晴 らしさ、人と人とのつながりの大切さを伝え、それらを築く場 としてキャンプの啓蒙活動を行っております。 東日本大震災復興への支援活動として、「未来を照らそうプロ ジェクト」を立ち上げ、微力ながら被災地へのサポートを続け ております。 子どもの成長過程で、自然体験というのは非常に大切なもので す。福島の子ども達にも安全で快適なキャンプを思い切り楽し んでもらいたい、という思いで、「コドモイナ GO」プロジェク トに参加させていただきました。 コールマン ジャパン株式会社 総合キャンプ用品製造・販売業 オオクワファーム ・クワガタ贈与 ・クワガタ飼育方法の指導 チーム浜野 ・ライフジャケット貸与 いな郷土料理研究会 ・2 日目昼食の提供 小豆温泉せせらぎオートキャンプ場 REDBEAN 花木の宿 ・食事配給 南会津町 ・企画・運営、広報、資金援助 医療スタッフ ・救急救命士 佐藤武論毅さん( 右 ) ・看護師 馬場和子さん 南会津町観光物産協会 伊南支部 小豆温泉 窓明の湯 ・3 日目入浴 9

自然は子どもを成長させる

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 子どもたちが安全に野外活動を行えるよ う、キャンプ場 REDBEAN とハイキングで 訪れる尾瀬国立公園において事前踏査を行 いました。

南会津町

遠藤 研究室

野外学校 FOS

1 月

2 月

3 月

4 月

5 月

6 月

7 月

8 月

2013 年

キャンプ本番 広報活動 広報ツール制作 キャンプ用品貸与

いな夢クラブ

コールマン ジャパン

寄付依頼・補助金申請

本番までの準備

事前踏査 各団体・個人への協力要請  南会津町伊南地区の団体・個人を中心に、 川遊び等のプログラムスタッフと食事の調 理スタッフのボランティアを募りました。 参加者募集 キャンプ用品手配 コドモイナ GO 立ち上げ 各種団体・個人への協力要請 顔合わせ会 レクリエーション企画 野外プログラム開発 福島大学定例記者会見 事前踏査 「原発事故なん か に 負 け ね ぇ ぜ!伊南からは じめよう!」を 合言葉に、たく さんの方にキャ ンプを支えて頂 きました。 10 献立開発

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 キャンプの趣旨を説明し、キャンプに関 する疑問や不安を解消してもらうために、 福島大学にて参加者とスタッフの顔合わせ 会を行いました。  親子別プログラムを企画し、保護者には 持ち物等の説明を行う一方で、子どもたち は学生スタッフとレクリエーションを行い ました。ほとんどが初対面の子どもたちで したが、これから 5 日間を共に過ごす仲間 と親睦を深めることが出来ました。  コドモイナ GO を多くの小中学生とその保護者に知ってもらうため、広報 活動を行いました。遠藤研究室の学生が、Facebook ページ、募集チラシ、 動画の制作を担当し、キャンプへの応募を呼びかけました。チラシは、福島 県内の小学校や、学習施設、屋内遊び場、スーパーマーケットなどの協力を 得て、計 58 か所で配布しました。  また、コドモイナ GO の活動を福島大学定例記者会見で報告し、県内へ向 けて発信しました。 福島大学定例記者会見 広報活動 参加者募集チラシ 広報用 PV Facebook ページ 顔合わせ会 献立開発  プログラムと食事や装備などのマネジメ ントは常に連携していることが大切である ため、メニューを決める際、プログラムサ イドとの話し合いを行いました。例えば、 登山の日の朝食と昼食は食べる時間や場所 を考慮し、手軽にエネルギーが摂取できる ものをメニューにとり入れるなどの工夫を 行いました。  また、いな郷土料理研究会の皆さんにご 協力いただき、子どもたちの食育も行いま した。 子どもたちにキャンプをより楽しんでもら うため、レクリエーションを企画し、4 日 目のキャンプファイヤーで披露しました。 詳しくは 23 ページで紹介します。 レクリエーション企画 小学校訪問の様子 「福島民友」 2013.7.17 朝刊 野外プログラム開発  伊南川での川遊びなど、伊南のフィール ドを最大限活かしながら、子どもたちがの びのびと過ごすことのできるプログラムと なるよう工夫しました。  しかし、自然の中での活動には危険がつ きものです。子どもたちの感じるまま、こ ころのままに活動してもらうためには、専 門家が危険と安全のぎりぎりのところを見 極めることが重要となっています。そこで、 FOS、いな夢クラブ、遠藤研究室の学生た ちが連携をとり、それぞれのアクティビティ に 1 人以上のスタッフを配置しました。  また、今回は 30 人の子どもたちが参加 する大規模なキャンプのため、全体の進行 に滞りが出ないよう注意するとともに、子 どもたち一人ひとりのケアにも配慮しまし た。 11

(12)

2013 年 8 月 7 日、いよいよキャンプ本番を迎えま

した。集合場所の二本松駅へ続々と子どもたちが集

まり、その笑顔から、これから始まるキャンプを楽

しみにしている様子が伝わってきます。保護者の皆

さんに見送られながら、バスは南会津へ。

日 程

1 日目

せせらぎオートキャンプ場 「REDBEAN」へ

2 日目

森の時間

3 日目

森の時間 小豆温泉「窓明けの湯」にて 入浴

4 日目

ハイキング キャンプファイヤー

5 日目

お片づけ フィナーレ

スタッフと子どもたち、また子ども

たち同士が名前で呼び合えるよう、

名前シールを準備しました。学年別

にデザインを変えることで、友人づ

くりを助けたり、上級生が下級生を

気遣うなどの場面が見られました。

12

(13)

バスにゆられること約 3 時間、これから 5 日間を過ごす小豆温

泉せせらぎオートキャンプ場「REDBEAN」へ到着しました。

火を囲みながら昼食をとったあと、一人ずつ自己紹介と現地ス

タッフとの顔合わせを行いました。

午後からはテントの設営。はじめに組み立て方のお手本を見せ

てもらい、説明を受けましたが、子どもたちだけで作業をする

のは少し難しかったようです。スタッフに手伝ってもらいなが

ら、仲間とも協力しあい、テントを組み立てました。

13

(14)

なにつくろうかな

ストラックアウト

みんなでトランプ

14

探検しよう

探検しよう

いぇぇぇぇぇぃ☆

バナナと焼酎で仕掛けづくり

(15)

ゆらゆら、うとうと…。

おやすみなさい

じゃんけん大会

しっかり歯磨き

ピース☆

つかまえた!

15

きいてきいて

とんでけー!

火をかこんで

奏でるリズム

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FOOD &  Dessert

郷土料理

食事は、宿泊施設「花木の宿」 から毎日届けられます。 おやつには南会津産の野菜や果 物をいただきました。 配膳は給食方式です。 準備や後片付けも出来 る範囲で子どもたちが 行いました。 いな郷土料理研究会の方々が、南会津の郷土料 理である舞茸ふかし、きのこ汁、笹餅、シソの 実入りのきゅうり漬けを振る舞ってくださいま した。笹餅は「きなこ味」と「じゅうねん味(ご ま風味)」の 2 種類。どちらも素朴な味わいで とても美味しかったです。 16

(17)

FOOD &  Dessert

デザートにはスイカ、バナナ、メロン、 オレンジ、ブラウニー、プリン、ゼリー、 ヨーグルトなどをいただきました。 伊南川の上流では魚 釣りをしました。流 れが速く、釣りをす るには難しいポイン トでしたが、子ども たちは、川のせせら ぎをききながら、ゆっ くりとした時間を過 ごしていました。自 分で釣った魚は、格 別においしかったこ とでしょう。 17

上手に焼けました♪

アクティビティの一つに、お やつ作りがあります。子ども た ち は そ れ ぞ れ に、 ピ ザ や ホットケーキ、クレープなど を 作 り、 楽 し ん で い ま し た。 女の子に特に人気でしたが、川 遊びから帰ってきた男の子た ち も、「 僕 も や り た い!」 と チ ャ レ ン ジ し て い ま し た。 そ の 際、 女 の 子 が 作 り 方 を 教 え て い る 場 面 も あ り、 子 ど も た ち の 交 流 の 場 に も な っ て い ま し た。

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キャンプ場にほど近い場所に伊南川はあります。 上流では魚釣り、中流では川下り、下流の屏風岩では飛び込みを楽しみ ました。川の水の冷たさは心地よく、この時期には最高の遊びです。 子どもたちは、朝から夕方まで川遊びを楽しみ、伊南の自然を満喫しま した。開放的な場所で、普段の生活の中では体験できない活動をしたこ とで、子どもたちは心身共にリフレッシュすることが出来たようです。 ライフジャケットを装備し、沢靴を履き、 川で遊ぶルールをしっかり確認します。 準備は出来た?  さぁ、伊南川へ 。 18

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よ♪

えー

川遊びのおとも

水中メガネ 箱メガネ 沢靴 浮き輪 ライフジャケット 釣り竿 19

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尾瀬国立公園でハイキングを行った 4 日目は、いつもより早

起きしました。前日に必要な荷物を詰め込んだリュックを背

負い、バスに乗り込みます。公園の入口に到着すると、植物

をむしらないこと、ゴミは自分で持ち帰るなど注意事項の説

明を受け、準備体操を行いました。いざ、尾瀬へ。

コースは昨年同様、くま沢田代を目指して本格的な登山を体

験する「山登りコース」と、上田代を目指して比較的ゆるや

かな道を歩く「ゆるやかコース」の 2 つにわかれました。

目的地に到着すると、どちらのコースでも尾瀬の絶景を見る

ことができ、達成感とともに感動を味わうことができました。

20

(21)

山登りチームより一足先に下山し

たゆるやかチームは、公園口に隣

接する「尾瀬橅の森ミュージアム」

を訪れました。ここでは、尾瀬の

歴史や生息する植物について学ぶ

ことが出来ました。

へんな虫みつけた! クマのフンだっ! おはなきれい♪

21

(22)

大きな一枚の紙に、手形で絵をつく

り上げる「手のひらアート」に挑戦

しました。デザインは、伊南の自然

と人々の温かい気持ちをイメージし

ています。子どもたちは、始まると

すぐに手の平に絵の具を塗ってぺた

ぺたと描く作業を気に入り、楽しみ

ながら作品を仕上げてくれました。

22

(23)

23

出し物のトップバッターは、大学 4 年生による楽団エンドウ

ズです。子どもたちや他のスタッフも手拍子や打楽器で参加

し、キャンプ地・伊南の森に音楽が響き渡りました。

一転して、戸高夫妻のギター演奏と歌では落ち着いたメロディ

が奏でられ、しっとりとした雰囲気に。その後全員で合唱し、

みんなの心が自然と一つになりました。

その後、いな夢クラブによるゲームで盛り上がっていると、

突然の大雨が。急いでタープへとみんなで逃げ込みました。

天気が変わりやすいのもキャンプ生活ならではです。

しばらくすると雨はぱたっと止み、それを合図に第二部がス

タート。大学 3 年生による劇団エンドウズの寸劇に、大きな

笑いの渦が生まれました。

(24)

テントをはじめ、使用したキャンプ用品を自

分たちの手で片付けました。撤収作業を早く

終えた班の子どもたちが、他の班に手を貸す

場面も見られ、5 日間という短い期間ながら

子どもたちの成長が見られました。

絵や文章など、自由な形でキャンプ

の思い出を綴ってもらいました。子

どもたちの感想文は 34-37 ページ

に掲載しています。

全員で火を囲み、5 日間を振り返りました。寝食を共に

した子どもたち同士、またスタッフと子どもたちの間に

は友情がめばえ、別れが惜しく感じました。人との出会

い、自然との出会い、そして新たな自分との出会い。

たくさんの出会いがあったキャンプは幕を閉じました。

24

(25)

南会津での夏。川遊びや虫取り、尾瀬でのハイキングなど、ここでしか出来ない体験をした子どもたちは、心身とも

にリフレッシュすることが出来たのではないでしょうか。また、テントでの共同生活を通して、協調性や思いやりの

心、仲間との友情も育まれたことでしょう。この経験を忘れずに、これからも福島ですこやかに成長していってほし

いと願っています。子どもたちの笑顔のために、本プロジェクトを支えて下さった皆様に感謝を申し上げます。

(26)
(27)
(28)

保護者への質問紙調査

■調査対象

2013 年 8 月 7 日から 11 日(4 泊 5 日)のコドモイナ GO に参加した子どもの保護

者 25 組です。なお参加した子どもは 30 人ですが、兄弟姉妹での参加者がいるため

25 組となります。

今回のキャンプの成果や改善点を明らかにし、今後の活動をより良いものにするた

め、参加した子どもたちの保護者を対象に質問紙調査を行いました。

■調査方法

質問紙は、キャンプ最終日の解散場所(JR 東北本線 二本松駅)において、保護者

に手渡しし、8 月末を締切として、郵送にて回収しました。

■実施体制

質問紙は、福島大学 行政政策学類 西崎伸子研究室が「コヨット!福島の子ども保養

プロジェクト」向けに設計したものを、遠藤研究室で加筆・修正の後、使用しています。

配布・回収・集計は、遠藤明子研究室で行いました。

得られた情報については、個人が特定されないように十分に配慮して公表するとと

もに、プライバシーが漏洩しないように、回収した調査用紙の管理を厳重に行います。

■回収数・回収率

質問紙の回収数は25組、回収率は100%です。

問 1 この保養に満足したか

件数

満足

25 100%

満足でない

0

0%

25 100%

問 2 満足でない理由

〔回答なし〕

問 3 希望する 1 回あたりの保養期間(複数

回答可)

件数

1-2 日

5 14%

3-4 日

14 38%

5-6 日

12 32%

1-2 週間

3

8%

2 週間 -1 ヶ月

2

5%

それ以上

0

0%

その他

1

3%

37 100%

問 4 短期保養で希望する場所(複数回答可)

件数

福島県内・会津地域

17 35%

南東北

15 31%

北関東

8 17%

南関東

3

6%

北陸

5 10%

48 100%

28

(29)

問 5 長期保養で希望する場所(複数回答可)

件数

福島県内・会津地域

5 6.5%

北海道

13 17%

北東北

8 10%

南東北

7

9%

北関東

4

5%

南関東

5 6.5%

北陸

9 12%

甲信

3

4%

東海

1

1%

近畿

3

4%

山陽

1

1%

山陰

1

1%

四国

2

3%

九州・沖縄

11 14%

どこでも良い

4

5%

それ以外

0

0%

77 100%

・体調が優れず親が迎えに行くことを考えると近県が子供 も親もスタッフの方々にとっても無理がないと考えます。

問 6 短期保養(1 泊 2 日)で可能な

   参加費用

件数

無料ならば参加したい

3 12%

家族で総額 5 千円以下なら参加

したい

13 52%

家族で総額 1 万円以下なら参加

したい

7 28%

家族で総額 1 万円以上でも参加

したい

2

8%

計 25 100%

・1000 円~ 2000 円なら子供のみでも OK

問 7 保養の優先内容(複数回答可)

件数

場所

11 19%

移動時間

13 23%

費用

15 26%

食事

2

4%

子ども向けプログラム

15 26%

その他

1

2%

計 57 100%

問 8 放射能に対する子育ての不安

件数

あり

19 76%

なし

4 16%

その他

2

8%

計 25 100%

・年月が経っても「汚染された」という事実は変わらず除染 しても人の手を借りてやってもらっている以上、いつまで も不安な気持ちのままでは気持ちも行動も前に進まないの で「不安」な状態ではいられない。ただ子供に関しては自 然が豊かな環境は楽しんでほしい。

問 9 希望する不安対処法(複数回答可)

件数

避難

5 13%

避難したいが不可

9 23%

放射線情報

8 21%

保養旅行

14 36%

その他

3

7%

計 39 100%

・少しでも放射能のことを知り自分が出来ること(子供を 守る)を実行していく。 ・正しい情報を教えて欲しい。

問 10 提供を希望する情報

件数

原発・汚染・防護

16 43%

避難先

4 11%

保護先

16 43%

その他

1

3%

計 37 100%

29

(30)

問 11-2 居住地(震災後)

件数

福島市

4 16%

川俣町

1

4%

郡山市

3 12%

二本松市

4 16%

いわき市

2

8%

鏡石市

1

4%

矢祭町

1

4%

大玉村

2

8%

本宮市

5 20%

国見町

1

4%

伊達市

1

4%

計 25 100%

問 12-1 世帯人数

件数

2 人

1

4%

3 人

2

8%

4 人

14 56%

5 人

3 12%

6 人

1

4%

7 人

1

4%

8 人

3 12%

計 25 100%

問 12-2 世帯構成

件数

父母子

17 68%

祖父母・父母子

2

8%

祖父母・母子

2

8%

曾祖母・祖母・父子・伯父

1

4%

母子

1

4%

曾祖母・祖父母・父母子・伯母

1

4%

祖母・祖父母

1

4%

計 25 100%

問 13 この保養に参加した子どもの学年 

件数

小学 4 年

10 33%

小学 5 年

10 33%

小学 6 年

7 23%

中学 1 年

3 10%

計 30 100%

問 14 この保養の情報入手先

件数

ちらし(小学校)

15 60%

ちらし(その他)

3 12%

新聞

3 12%

インターネット

1

4%

口コミ

1

4%

その他

2

8%

計 25 100%

・春に世田谷での保養事業に参加し、その時に遠藤先生とお 話しさせていただき、コドモイナ GO の情報を教えていた だきました。 ・スポーツクラブウィング( 注:「スポーツクラブウィング」では チラシを配布していないため、チラシを配布した「キッズスタジオコス タ」がある「スポーツメイトウィン」ではないかと思われます )。

問 11-1 居住地(震災前)

件数

福島市

4 16%

川俣町

1

4%

郡山市

3 12%

二本松市

4 16%

いわき市

1

4%

鏡石市

1

4%

矢祭町

1

4%

大玉村

2

8%

本宮市

5 20%

国見町

1

4%

伊達市

1

4%

双葉町

1

4%

計 25 100%

30

(31)

保護者自由記述

(32)
(33)
(34)

子どもたちの感想

(35)
(36)
(37)
(38)

あとがきにかえて

38 私たち遠藤研究室の学生は、昨年に引き続き、広報活 動と子どもの外遊び支援を中心に、学生ボランティア としてコドモイナ GO に携わってきました。 震災以降、特に 2011 年は私たちも不安を抱えながら 過ごす日々が続きました。大学が始業を迎えても、座 学が続き、フィールドワークを十分に行うことができ ませんでした。そのため、2012 年からこのプロジェ クトに関わることになり、被災者として支援される側 から、支援する側として活動する機会が得られた事を、 本当に嬉しく思います。 震災からまもなく 3 年を迎える中、福島県は除染に取 り組み、風評被害と闘い、復興を掲げて前進していま す。けれども、中通り地方や浜通り地方の子育て世帯 がまだまだ放射線に対して不安を感じていることは、 本報告書の 5 ページに示した調査からも明らかです。 コドモイナ GO のような保養プログラムが依然として 求められていることを、改めて実感しました。 さて、私たちが主に担当してきた広報活動では、チラ シなど従来からある手法と SNS などのインターネッ ト・ツールを組み合わせて、多様な媒体から情報が伝 わるように留意しました。具体的には、チラシの作 成・配布、福島大学定例記者会見を利用したプレス リリース、専用フェイスブック・ページの制作・運 営、プロモーション動画(PV)の制作と動画共有サイ ト YouTube( ユーチューブ )での公開などです。 そしてキャンプ終了後には、広報の効果がどの程度 あったのかという部分に焦点を当て、データ収集と分 析を行いました。 まず、参加した子どもたちの保護者に対し、本プロジェ クトを知ったきっかけについて調査したところ、チラ シによるものが全体の 7 割以上を占めていたことがわ かりました。インターネット時代と言われるものの、 積極的に活用している人ばかりではないことが浮き彫 りになりました。そこで、チラシの配布方法や施設ご とに広報の効果を検討しました。同時に、ウェブ広報 についても、閲覧数を高めるにはどうすべきかといっ た分析を行い、今後の課題を整理しました。 また、コドモイナ GO 以外にも保養プログラムを行っ ている団体を調査したところ、2011 年度に 77 団体、 2012 年度は 61 団体におよぶことがわかりました。 こうした団体において大学生がボランティアとして関 わる場合、子どもの問題について専門的に学んでいる 教育学系の学生が中心となっています。しかし、私た ちは経営学、なかでもマーケティングを学ぶ学生だか らこそできるアプローチを模索してきました。その結 果、コドモイナ GO の広報活動において一定の成果を あげることができたのではないかと思います。 むろん、学生ボランティアとしての私たちには、多く の課題が残されていると、キャンプを終えて感じてい ます。 例えば、役割分担や安全への配慮において行き届かな い部分がありました。役割分担は、子どもたちの様子 の把握やキャンプの流れをスムーズにする上で重要で す。具体的には、集合場所での受け付けやサービスエ リアでの子どもたちへの付き添い、各班を担当するス タッフや登山におけるスタッフの配置などです。ま た、施設の清掃などもあらかじめ担当を決めておけば、 もっと現場でスムーズに対応できたはずです。 安全への配慮としては、1 日目の森の時間にハンモッ クから落ちて、軽度ではあったもののけがをしてし まった子どもが何人かいたことです。あらかじめハン モックを激しく揺らさないよう声かけを行えば、子ど もたちをより丁寧にフォローできたと思います。 こうした改善策をまとめ、後輩に引き継いでいくこと で、今後もプロジェクトに貢献できれば幸いです。 私たちは、コドモイナ GO の活動を通して、地域の方々 や子どもたちと出会い、自分たち自身も大きく成長す ることが出来ました。こういった学びの機会を与え、 支えてくださった全ての方々に、心から感謝を申し上 げます。 福島大学 経済経営学類 遠藤明子研究室

6 期生・7 期生一同

(39)

関係団体・スタッフ一覧

共催 遠藤明子研究室

(福島大学 経済経営学類) 遠藤 明子:あっこさん 渡邉 弥生:ボス 山田 瑞貴:ずっきぃ 遠藤 李香:リッキー 小島 綾香:おじおじ 片岡 美貴:みきてぃ 齋藤 一樹:おにい 佐藤 優香:ゆかち 内藤 高志:ないとぅ 大沼 敏宗:としむ 平塚 加織:かおりん 谷内 友里恵:ゆりえ

共催 いな夢クラブ

(総合型地域スポーツクラブ) 星 恵一:ボンバー 馬場 要助:ヨッケ 阿久津 文稔:ブン 菅家 康夫:あんにゃ 岡本 幸大:ゆきボー 阿久津 鉄矢:てっちゃん 浅沼 萌子:もえ 押切 裕香:ひろか 小野 洋平:よーへー 熊谷 慎平:ぺーさん 車田 政志:マーシー 白井 俊也:しらりん 須賀 悟:さっちゃん 星 広美:ウラ 馬場 和子:カズコ(看護師) 佐野 あずさ:アズサ 渡部 美穂:みぽりん 橋本 和枝:もっちゃん

協力 野外学校 FOS

戸高 雅史:マサ 戸高 優美:ユーミ 松澤 瞬:シュン 小俣 さおり:サオリ 新井 洸真:コーマ

協力 コールマン ジャパン

株式会社

協力 南会津町

(地方自治体)

協力 福島大学

(国立大学法人)

協力 オオクワファーム

協力 いな郷土料理研究会

協力 チーム浜野

協力

南会津町観光物産協会

伊南支部

協力 佐藤 武論毅

(救急救命士) 佐野 禮子 平野 ハシメ 管野 里子 菊地 登美枝 森 キチ子 馬場 雅弘 39 河原田 やよい 平野 明子 馬場 千恵子 馬場 幸子 森 コウ

(40)

コドモイナ GO 報告書 2013

発行 2014 年 1 月 31 日

参照

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