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そのための重点施策として 以下の 4 つの柱を設けている 1. 児童生徒の英語によるコミュニケーション能力の育成 2. 英語を指導する教員の英語力及び指導力の向上 3. 京都の伝統や文化を学び 発信する人材の育成 4. 国際的に活躍する人材の育成 1. 児童生徒の英語によるコミュニケーション能力の育

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グローバル人材育成推進プラン検討会議(概要)

1 日 時 平成 30 年2月 22 日(木)午前 10 時~正午 2 場 所 ルビノ京都堀川 松の間 3 出席者 (1)委員 11 名(欠席2名) (2)事務局 細野指導部長 総務企画課:野村総括指導主事 学校教育課:立久井課長、佐古首席総括指導主事、 竹林総括指導主事、平田指導主事、 谷本主任、中川主事 高校教育課:井上課長、深田首席総括指導主事、 門脇副課長、苅野指導主事、小川主事 4 概 要 (1)開会(傍聴説明、指導部長挨拶) (2)説明 (3)協議 (4)閉会 5 資 料 ・グローバル人材育成推進プラン ・平成 29 年度グローバル人材育成推進プラン検討会議資料 ■説明・報告事項 グローバル化が進展し、インターネット等の情報技術の進歩が社会の変化に 拍車をかける状況の中、子どもたちがこれからの社会を生き抜く力を身に付け、 グローバルに活躍する人材の育成を目指し、平成 26 年 12 月に委員の皆様にも ご協力いただき「京都府グローバル人材育成推進プラン」を策定した。平成 23 年3月策定の「京都府教育振興プラン」を基に、グローバル人材として必要な 資質や能力を明確にし、その姿に向かって子どもたちが成長できる教育環境づ くりを進めている。 京都府が目指すグローバル人材の姿として、「語学力(英語力)」と「コミ ュニケーション能力」を中核とし、「主体性・チャレンジ精神」をもって、「多 様な文化の理解」とともに「京都の伝統文化」を理解、発信できるような人材 の育成を目指している。

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そのための重点施策として、以下の4つの柱を設けている。 1.児童生徒の英語によるコミュニケーション能力の育成 ●新学習指導要領に関わって 平成 29 年3月に小・中学校の新学習指導要領が公示された。小学校中学年に 外国語活動が導入、高学年には教科としての外国語科が設置され、中学年では 年間 35 単位時間、高学年では年間 70 単位時間が設定された。中学校について は時数の変更はないが、内容がより高度化される。高等学校については、間も なく新学習指導要領が公示される予定である。新学習指導要領実施の時期につ いて、平成 30 年度から小・中学校が移行期間となり、小学校は平成 32 年度、 中学校は平成 33 年度、高等学校は平成 34 年度から全面実施となる。 現状と新学習指導要領が目指す目標を比較したとき、それぞれの校種におい て、内容がより充実、高度化され、扱う語彙数も増加し、CEFR(欧州評議会 〈Council of Europe〉が示す、外国語の学習や教授等のためのヨーロッパ共通 参照枠)で示されるところのレベル、目標値も高くなり、外国語教育の抜本的 強化が図られている。 ●京都府では ①外国語(英語)教育強化地域拠点事業【平成 27~29 年度】 府内の2地域(宇治市・南丹市)を拠点地域とし、小・中・高の学びの接 続を大きな柱として研究。昨年末に研究発表会(報告会)が行われた。事業 としては今年度で終了となるが、3年間の研究の成果を府内へ普及させたい。 ②外国語4技能テストの実施・支援【平成 30 年度新規】 ・中学校…2年生を対象に外国語4技能テストを実施し、英語指導に活用 (抽出で 1000 名程度) ・高等学校…民間外国語4技能テストを受験する1年生への支援 (受験料1/2支援) 1.児童生徒の英語によるコミュニケーション能力の育成 2.英語を指導する教員の英語力及び指導力の向上 3.京都の伝統や文化を学び、発信する人材の育成 4.国際的に活躍する人材の育成

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2.英語を指導する教員の英語力及び指導力の向上 ①外部専門機関と連携した英語指導力向上事業 ・(国)「英語教育推進リーダー中央研修」へ教員を派遣【平成 26~30 年度】 (小・中・高等学校 各2名) ・(府)「英語教育推進教員(中核教員)養成研修」 (小・中学校 各 50 名 高等学校 47 名) ・上記の養成研修を受けた小学校教員による勤務校での「公開授業・校内研 修」 ・(府及び総合教育センター)「英語教育フォローアップ研修」 ②小学校外国語の指導体制の整備 ・小学校教員の大学への長期研修派遣(3名)【平成 28 年度~】 ・ALT、専科教員の配置 ・小学校英語採用枠【平成 27 年度~】 ・小学校英語教育推進教員の配置【平成 30 年度新規】 ・スクール・サポート・スタッフの配置(10 名程度)【平成 30 年度新規】 ③教員の指導力・英語力の向上 ・英語教員人材育成強化事業【平成 28・29 年度】 中学校英語教員の TOEIC IP 受検と集中セミナー ・教員向け研修会の実施【平成 30 年度新規】 小学校:「新教材の活用」を中心とした研修会(総合教育センターと連携) 中学校:「聞く・話す」を中心としたセミナー(外部機関の活用) ・英検受験料助成事業 ・ALT 指導力向上研修 ・海外研修派遣 3.京都の伝統や文化を学び、発信する人材の育成 ①こころを育む古典の日推進事業【平成 21~29 年度】 教育局ごとに、音読発表や古典の朗読、古典芸能の鑑賞等を実施。今年 度は気象警報発令のため2教育局で中止となり、3教育局で約 1100 名の児 童生徒が参加。本事業は今年度で終了し、次年度以降は、下記「KYO 発見

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仕事・文化体験活動推進事業」において、古典体験活動を追加予定。 ②KYO発見 仕事・文化体験活動推進事業 地域の協力のもと、地域の伝統・文化体験、ボランティア活動を実施。 ③文化を未来に伝える次世代育み事業 府内の児童生徒に質の高い文化・芸術を体験する機会を提供することに より、豊かな心を育成するとともに、京都の文化・芸術の振興と次世代へ の継承を図る。 ④高校生伝統文化事業 茶道、華道、古典、文化歴史というテーマで、すべての府立高校で実 施。平成 30 年度からは、伝統文化推進校を6校指定予定。 ⑤高校生「京の文化力」推進事業 京都総文、国民文化祭の成果を踏まえ、府立高校生の文化芸術活動の一 層の活性化と、次世代への伝統文化継承を目的とし、24 校延べ 28 部を指 定して実施。 ⑥第 34 回京都府高等学校総合文化祭 第4回京都府高校生伝統文化フェスティバル(日本音楽、吟詠剣詩舞、 郷土芸能)を実施。 4.国際的に活躍する人材の育成 ①スーパーグローバルハイスクール(SGH)の指定 国際的に活躍できるグローバル・リーダーの育成を図ることを目的に、 平成 26 年度から府立嵯峨野高等学校、平成 27 年度から府立鳥羽高等学校 を文部科学省が研究指定。 府立鳥羽高等学校では、平成 29 年度から新たにグローバル・リーダー育 成の専門学科「グローバル科」を設置。 ②府立高校生グローバルチャレンジ事業(短期留学) 英国エディンバラ、オーストラリアへの夏休み2~3週間程度の短期留 学を支援する事業。生徒自らが留学先を選択する「短期留学チャレンジ」 も設定。多様な文化の経験を目的としている。平成 29 年度は 105 名、平 成 30 年度も 105 名を予定。

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③府立高校「海外サテライト校」の設置(中期留学) 豪、米へ2~4ヶ月の中期留学を支援する事業。現地での履修を府立高 校での履修単位として認定している。平成 29 年度は 17 名、平成 30 年度 は 25 名へ拡充予定。 ④府立高校生グローバル文化カフェ事業 訪日教育旅行の受入、京都に居住する外国人や外国人留学生などとの交 流を通じて、外国人と積極的にふれあい、多様な文化を理解する取組の実 践。平成 29 年度は約 4200 名の府立高校生が参加。 ⑤全府立高校等に英語指導助手(AET)を配置(JET プログラムを活用) ⑥外国語4技能テスト受験支援【平成 30 年度新規】(再掲) 民間外国語4技能テストを受験する高校1年生への支援。 ⑦グローバルネットワーク京都 府立高校の中でも特にグローバル教育に力を入れている学校をグロー バルネットワーク校として9校を指定し、論文コンテストと交流会を実 施。 ■協議(主な意見) ○〈質問〉予算案の資料の中の①「小学校英語教育推進教員の配置」、②「ス クール・サポート・スタッフの配置」、③「外国語4技能テストの実施」 について知りたい。 →〈回答:府教育委員会〉①②については、国の方で予算化されたもの。 ①については、教員を配置し、小学校で実際に英語の授業を行うという もの。基本的には担任が授業を行うことになるが、そのモデルとなって 先導する教員を配置。②については、教員の多忙化を解消するためのも ので英語教育のみに限ったものではないが、小学校ではその時数が増え ることからもその分のサポートを含めて配置。③については、詳細は決 まっていない。抽出の方法についても検討中。時期については、中学2 年生を対象としていることから(2年生までの学習をある程度済ませた) 2学期後半から3学期を予定。「聞く」「話す」「読む」「書く」の英 語4技能について、まずは生徒の現状を把握することが目的。

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1.児童生徒の英語によるコミュニケーション能力の育成について ○外国語(英語)教育強化地域拠点事業を終えて、子どもたちは英語を通し て「自分の思いが伝わってうれしかった」「相手の言っていることがわかっ てうれしかった」という経験を積み重ねていくことができた。朝の1分間ス ピーチ等、英語の学習以外の場面においても、みんなの前で話せること、相 手の目を見てうなずきながら話を受け止めること、そのようなやりとりをた くさん経験した子どもたちは、それをもとに「関わっていこうとする力」が 付いてきた。 また、教師の側は、英語に対してアレルギーがないわけではないが、その ような子どもの変化や楽しそうにしている姿を目の当たりにすることで、意 識が変わってきた。難しい英語を話すよりは、子どもたちと一緒に伝わった ことを経験し、手応えを感じられるようになってきたことが成果である。 ○外国語(英語)教育強化地域拠点事業を終えて、子どもの変容として挙げ られることは、生活振り返りアンケートの中で学校の誇れる点として「英語 の勉強ができること」を挙げる子どもが増加したことである。また、英語を 含めすべての授業の根底に学級経営の大切さがある。 英語力向上について不安をもっている教員も多い。勤務校では、AET の先生 の音声を録音したものを通勤途中や空き時間に聴くことで耳や口に慣らすこ とをしている。「一般校でできる英語教育」ということで研究してきた成果 を市内、教育局管内、府内に広めていくことについても考えている。 ○英語をコミュニケーションツールとして捉え、京都の伝統文化を学んで発 信していく人材の育成とリンクさせていく視点が大切である。新学習指導要 領でも、教科横断型の学習が求められている。例えば、理科の学習のまとめ、 最後の発表場面については英語でやってみようという取組も可能である。特 に京都が目指す「伝統」「文化」の内容について、英語で話す場面設定があ ればより動機付けが高まる。東京オリンピックによっても子どもたちの意識 は随分変わると思うが、「英語を使うとこんなことができる」という動機付 けを強く与えられるような取組によって、語学力が育まれる。 ○コミュニケーションにおいて大切なことは「何を言いたいか」をもってい ることと、それを(簡単な英語ででも)正確に表現できること。後は、機会 を捉えてネイティブの人と話す経験の中で、よりよい表現方法を身に付ける ことができる。 ○アメリカの小学校では理科の授業がボランティアに任されることもある。 世界的に見ても日本の教員は勤務時間が最長であるという問題も抱えてい る。英語のカリキュラムを考えることだけでなく、AI や外部人材の手を借り

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ることを含め、教員の環境についても総合的に考えていく必要がある。 ○教員の英語力向上のためには、教員が積極的に学ぶ姿勢をもつことが大切。 一つは、身近な AET、加配の教員、サポーター等から。二つ目は、子ども向け のテレビの番組を通して子どもたちと一緒に。三つ目は、ラジオから。小学 校で使う英語にビジネス英語は必要なく、中学校で学ぶ程度の基礎英語を聴 くだけでもクラスルームイングリッシュに役立てることができる。忙しい教 員は外へ出て行く機会がなくても、身近なところで学ぶことができる。 ○中学校での英語教育が今後大変になってくることが予想される。語彙一つ をとっても、現在の 1200 語から 1800 語へ増加。その中で技能を統合した授 業、主体的に学ばせる授業の展開が求められる。しかし、時数はこれまでと 変わらない状況。中学校は今後どのように対応していく必要があるのか。 ○現在中学校でやっている内容が小学校でされていくようになる。中学校の 立場から見ると、これまで中学1年生でやっていたことを小学校段階で済ま せて入学してくることになるため、それを前提に中学校での英語教育を進め ていかなければならない。 小学校と中学校の学習指導要領を比較してみると、小学校のものには「基 礎的」「初歩的」という文言が入っているものの、中身にあまり違いが見ら れない。過去形や三人称など、これまで中学1・2年生で学んでいた内容が 小学校へ入ってくる。中学校の教員は、小学校での学習を知っておく必要が ある。授業を見たり一緒に研修をしたりと、小中連携を密にしていかなけれ ばならない。 ○中学校の立場からも重要な小中連携であるが、実際、場所は近くてもなか なか見に行く機会をもてず、小学校での学習の中身についても十分理解でき ていないのが現状である。小学校でこれからやろうとしていることと、中学 1年生の内容についてリンクしている部分は大きいので、教材や指導方法に ついてもリンクさせていくという点において、中学1年生での指導が重要で ある。 ○小・中の教員で一緒に勉強していくことが必要。また ICT を使って、教材 の共有化を図れるとよい。 ○今、授業自体が変わってきている。「気付かせる文法指導」「気付いてシ ェアする仕組み」をつくっていくことが大切である。また、これからは「即 興性」が求められる。これまで正確性を求めて穴埋め問題をやり、文法をや ってきたが、多少間違ってでも即興的にやっていくことが必要。CLIL(Content and Language Integrated Learning〈内容言語統合型学習〉)やプロジェク

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ト学習も有効である。 ○小学校では1人の教員が1日を通してすべての教科を教える。そのため、 教科横断的な指導がしやすい面がある。小・中学校で指導の形態が異なる点 について、互いの様子を知り、小中連携していく必要がある。会議等の場で 話す機会はあっても、実際、子どもの様子を目の前にして交流する時間が取 りにくい現状がある。意図的に交流の時間を設定していく必要がある。 ○高等学校の学習指導要領は現時点で完全には出ておらずパブリックコメン トの段階ではあるが、小・中・高同じパターンで観点別の評価がされたり、 3000 語程度の語彙数が 5000 語まで増えたり、また科目名も再編成されたりと 大きな変化が見られる。それは高等学校のみの変化ではなく、小・中での変 化が積み上がってきたものであり、さらには大学入試とも直結している。今、 大学は、入試で思考力・判断力・表現力をどのように判断するか迫られてい る状況である。 ○高等学校について、府下全域を見ても、英語による授業の定着に課題があ る。また、教員の側に英語を使うことへの抵抗感もある。教員の意識の変容、 学びによる成長が必要となってくる。 小・中・高の学びの一貫性ということに関わって、高校の教員は、今、ま さに小・中の授業を見に行く必要がある。ともすれば高校は「まだ準備の時 間がある」と思ってしまいがちである。今後、まったく違う形の学びを経験 した子どもたちが入学してくることになる。高等学校で現在行っているプレ ゼンテーションやディベートの授業についても、準備に時間をかけ、発表さ せる一過性のものになっていないかという点についても省みる必要がある。 即興性や即時性をどんどん取り入れていかなければならない。また、評価の 在り方についても今後考えていく必要ある。今、勤務校でも、小中一貫校や 中学校への視察を推奨している。高等学校の側から小・中の学びをつないで いくということを苦慮しながら進めている現状がある。 2.英語を指導する教員の英語力及び指導力の向上について ○大学入試に「話すこと」を含めた4技能テストが導入されてくる。英語教 育のゴールが非常に高くなっている。真剣に取り組まないと大変混乱する。 例えば、英語で発表して終わるのではなく、その後の質問に答えられるよう にすることや、英語を使って買い物をするだけでなく、その場で臨機応変に 交渉できるようにすることなど、これまでやっていなかった多くのことをや っていく必要がある。 府のサテライト事業で4ヶ月間カナダへ中期留学をした生徒は、日本へ帰

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ってきて英検の準1級に合格した。相当多くの英語に触れないと、国が求め ているような力を付けることはできない。どれだけ英語にさらされる場をつ くれるかが重要である。 英語のみで行う授業を実施する中で、英語を使わざるを得ない状況が生ま れたことが、教員の英語力、コミュニケーション力の向上につながっている。 教室の内外に実際にコミュニケーションする場をつくり出すことで英語を活 用する力が付いてくる。 京都には発信するものがたくさんある。訪日修学旅行生に対して、また修 学旅行先の学校との交流の中で、英語を使って京都について説明することや 相手の話を聴く中でコミュニケーションの力が育まれていく。 生徒にとっても教員にとっても、そのようなコミュニケーションの場をつ くっていくことが大切である。 ○教育が今後どのように変わっていくのかということについて、是非、各家 庭、保護者へもっと周知してもらいたい。家庭生活の中での英語、コミュニ ケーションについて意識を高めていくことでもっとよい形になっていく。 家庭生活の中にもたくさん英語に触れる機会がある。例えば、興味のある ネット動画を辿っていくと海外の動画につながることもある。保護者の意識 を高めていくことで、子どもたちの英語への興味や理解が高まっていくので はないか。 ○教育改革を進める一方で、各家庭へその動きを伝えること、理解を求める ことは見落としがちな視点である。例えば、外国語は「覚えるもの」ではな く「使うもの」という意識を各家庭でもっていただくだけでもずいぶん違う。 テストも「いくら覚えたか」ではなく「何がどう使えるか」を測定する時代。 教育の側が家庭へ発信していくことが大切である。 3.京都の伝統や文化を学び、発信する人材の育成について ○伝統や文化の良さについて「自分で感じる場」がなければ、他の人へ伝える エネルギーは生まれない。ネット等で調べたことをただ話しても、聴き手には 本当の意味で伝わらない。自分の言葉でそのよさを語れることで、日本、京都 に誇りをもった真の国際人としての資質が育まれる。京都ならではの良さを京 都の教育の特徴として生かせるようにしていく必要がある。 ○来年度の施策において、伝統・文化については特定の子どもたちに偏ったも のにならないような形で進められるという説明があった。京都の学校を出たか らには、ある程度、京都のことを語れる人材が育ってほしい。

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○言葉を「習得する」という表現がよく用いられるが、真の意味で使えるよう になるには言葉を「専有する」、つまり、気持ちを込めて自分の好きなことや 大切にしていることを語れるようになることが大切である。京都ならではのも のとして、歴史や文化を「専有」しながら、表現できる子どもを育ててほしい。 ○伝統文化がある一方で「地域文化」もある。まずは地域のこと、自分の住ん でいる所について語っていけるようになってもらいたい。 4.国際的に活躍する人材の育成について ○英語と日本語には、発想の違いがある。日本人の教員は、ネイティブでな いからと謙遜する必要はなく、日本人の教員だからこそ教えられることがあ る。英語と日本語の違いを意識し、教えていくことが大切である。 ○人材育成に関して、府立高校「海外サテライト校」が設置されており、現 地での履修を単位認定してもらえることとなっている。強制されていくので はなく、生徒自らが行きたいと手を挙げ、行き先を選んで留学する。いろん なことを自分で決めて進めていく中で「生きる力」が育まれる非常に良い取 組である。お膳立てされたものではないこのようなタイプの留学は、国際人 の養成にとって非常に重要である。是非、奨励していただきたい。 ○「国際的に活躍する」ということは、最終的には児童生徒の自発性が伴わ ないと実現しないものである。そのための具体案の一つとして、パフォーマ ンステストや即興性のあるやりとり、特に「ALT と1対1で話す機会」を増や すことが挙げられる。即興性が身に付く Q&A、その中に京都や身近な地域の 文化に関わる話を入れていくとさらに効果的である。一回のパフォーマンス の中で「話せた」という経験が、「もっと話したい」につながっていく。そ ういう経験を3年間でたくさん積み上げていくと「もっと英語が話せて、国 際的に活躍できたらいいな」という気持ちの芽生えになる。また、学習者に はいろいろなタイプがあるので、スピーチやロールプレイなど、いろんな種 類のパフォーマンステストを取り入れる方が効果的である。 ○生徒がプレゼンテーションを作成している時に一人ずつ抜き出して ALT と 会話をさせたり、生徒同士2人の会話を ALT に評価させたりする方法もある。 ○国際的に活躍する人材の育成として、留学が実施されている。それには2 種類あり、一つは留年による留学(日本の高校に在籍した状態で留学するが、 日本へ帰ってきたら留年し、日本で単位を修得して高校を卒業するもの)と 制度留学(海外での学習を日本での単位として認めるもの)。後者の制度留

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学であれば、短期・中期の留学となるが、前者による長期留学のニーズも多 い。アメリカの公立高校であれば、授業料は無料、ホームステイもボランテ ィアで行われている。長期留学についても制度を整え、検討していく価値が あるのではないか。 =まとめ= ① 小・中・高等学校が互いを知り合うこと・家庭への発信 小・中・高等学校が一貫した教育目標に向かって、同じような教授方法、 評価方法で進んでいくためには、互いを知り合うことが大切である。また、 家庭への発信も重要である。 ② 今までとは違う教え方になるという認識をもって授業を展開すること 即興性や気付きの重視等、これまでとは違った教え方になる。そのため の教員研修の充実が図られるべきである。 ③ 英語に触れる機会を増やすこと 児童生徒、教員が英語をたくさん使う機会をつくること。そのためには、 外部人材の登用も含めて学校をオープンに開くこと、教員が外へ出て研修す ることも重要である。 ④ 4技能を使って表現できる人間を育てていくこと 大学入試は変化している。民間の4技能テストへの対応も含め、4技能 を使って表現できる人間を育てていく必要がある。

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