永久磁石を用いた非接触浮上機構における自動持ち上げ制御
知能制御工学研究室 森光利至
1. 緒言
非接触磁気浮上機構には種々のものが提案されており,電 磁石(コイル)を用いない磁気浮上方式も様々な提案がされて いる.特に永久磁石と浮上体の空隙を調整する方式はアクチ ュエータによる制御であるため広い範囲の操作性を持ち,ま た浮上磁気力が発生する場からアクチュエータを遠くに配置 できるため,微小な浮上体に対しても有効であると考えられ る.
本報告では,永久磁石による浮上機構で重要であるセンサ のゼロ点の設定を自動で行い,浮上対象を持ち上げる方法に ついて考察を行う.
2. 実験装置
今回使用した実験装置を図 1 に示す.浮上機構は永久磁石,
ボイスコイルモータ(VCM),渦電流センサで構成されている.
永久磁石は VCM の先端に取り付けられており,リニア駆動を 行う.浮上体である鉄球の変位は下部の渦電流センサにより 検出され,永久磁石の変位は上部の渦電流センサにより検出 される.
3. 持ち上げシミュレーション
試作したシステムの浮上可能性や,吸引力の非線形性の影響 を確認するために数値シミュレーションを行った.本報告で は,永久磁石がセンサ上にある鉄球から 4.9mm 上にある状態 から 0.5 秒後に持ち上げを開始した場合のシミュレーション 結果を図 2 に示す.図 2 のシミュレーション結果から,セン サ上にある浮上体に対しても安定した持ち上げが可能である と思われる.
4. 持ち上げ実験結果
次に実際の装置を用いて実験を行い,持ち上げが可能なこ とを確認した.下部の渦電流センサに浮上体を載せた状態か ら 2 秒後付近でシミュレーションと同じ浮上体に対して 0.1[mm]のステップを 0.5 秒間隔で与えた結果を図 3 に示す.
z0は浮上体位置,z1は永久磁石位置である.ステップを入力 しても比較的安定した持ち上げが行えていることがわかる.
しかし,5 回のステップの中で最初の 2 回は浮上体に変化は なく,永久磁石が浮上体に近づいただけである.これは,空 隙距離が最適でなかったためであると思われる.空隙距離を 最適なものすることができれば,シミュレーションに近い結 果を出すことができると思われる.
5. 結言
本報告では,永久磁石を用いた非接触浮上機構における自 動持ち上げ制御の持ち上げについてシミュレーション及び実 験を行った.
今後の課題としては,浮上体と永久磁石の最適な空隙距離
図 1.実験装置
図 2.シミュレーション結果
図 3.実験結果
を設定し,多少大きさの異なる浮上体でも安定した持ち上げ が可能な浮上システムを作成することである.
参考文献
(1) Fen SUN ,Koichi OKA “Zero Power Non-Contact Suspention System with Permanent Magnet Motion Feedback”, Journal of System Design and dynamics, Vol. 3, No. 4, (2009), pp. 627-63
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1
0 1 2 3 4 5
time[s]
Position[mm]
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1
1 2 3 4 5
time[s]
z 1-z 0[mm]
1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 5.5 6
0 0.5 1 1.5 2
time[s]
z 0[mm]
1 1.5 2 2.5 3 3.5 4 4.5 5 5.5 6
2 2.5 3 3.5 4 4.5
time[s]
z 1[mm]
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