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親子関係把握のための測定尺度
の作成 (2)・
教育心理学研究室 中 原 弘 之
前回,筆者(1971b)は,児童変数として幼児の集団内行動に焦点をあて,これを捉える尺度 開発について報告したが,今回は,幼児に対する親の養i育変数を捉える尺度開発について報告す
る。
筆者がアプローチしようとする親の養i育変数と児童変数とを結合する試みは,この分野で決し て新らしいものではなレ㌔たとえば,RosenzweigとIshman(1947)は, T A Tを母親と息子に 1
タ施し,そのプロトコルによって両者を比較しているし,GrayとKlaus(1956)やPayneと Mussen(1956)らは同一視の尺度を用いて親子間の性格を比較している。
しかし,この種の試みは,親の性格と児童変数との間に予想される幾つかの因果系列上の変数 をジャンプしており,両変数間に,仮りに有意な相関が見出されたとしても,その相関の理解に 読者は当惑せざるをえない。たとえば, ある1才児の体重は9kgである。なぜならば彼は1才児 だから という言葉を耳にしたときの滑稽さと共通するものがあるからである。1才児の体重を 規定する要因が,年令という要因のみであり,他のいかなる要因も,1才児の体重に関与しない のであれば,上の言葉は決して滑稽ではなくなる筈である。
まだ他に,多くの要因が関与していることが予想されるとき,それらの要因を無視して年令要 因のみで説明することは,仮りに相関があったとしても,われわれに満足感を与えてくれないの
である。このため,児童変数に,より近接した変数との関係づけが必要とされる。Burchina1(1958 a)
は,Porter(1954)によって開発された親の子どもに対する受容的態度を捉える尺度を用いて,
父と母,親の年令,親の教育歴によって,子への受容度に差のある・ことを報告し,さらに発展さ せた研究(1958b)で,親の態度と子どもの性格との関係を追究した。しかし,その試みは満足 すべき結果をもたらさなかった。
このことは,親の報告する態度が,子どもに対して日常,直接的に実行している養育行動と必 ずしも一致しないという重要な問題を提起しているといえよう。
したがって,養育態度と児童変数との間には,具体的な養育行動という変数が挿入されなけれ ばならないことになる。けれども,まだ満足すべき状態ではない。Radke(1946)や, Brown,
Morrison, Couch(1947)らの研究は,この点について有意義な指摘を与えてくれた。 Radke は就学前児に面接を行ない,その母親に行なった質問紙の回答と比較した結果,親の回答は の ぞましい 方向に偏より,子どもの回答は 非好意的 方向に偏よって,両者の間にズレが見出
*本研究は昭和45・46年度文部省科学研究費によってなされた研究の一部である。
されたのである。
このように,親の認知レベルで求めたデータと,子どもの認知レベルで求めたデータとの不一 致を,いかに処理するかという問題を解決せねばならない。ここにいたって,親の養育変数と児 童変数との結合において,最も児童変数に近接した変数は,子どもの行動を直接的に規定すると
ころの,子どもの認知レベルでのデータであることが知られよう。
筆者(1970)は,このような視点から研究構想を報告したのであるが,本研究が対象としてい る幼児から,いきなり言語を媒介とするデータをひき出すことは無謀である。そのため,親の認 知レベルでのデータを捉える尺度を開発し,それによって,親の養育変数が,どのような因子構 造を有しているかを発見することを先行させた。これによって,親の養育行動について,幼児に 問いかける場合の内容吟味が容易になるからである。
さらに,Merrill Bishop(1946,1951)やMoustakas, Sige1, Schalock(1956) らにみられ るように,親子を直接観察することによって得られるデータを用いて,親の報告データと有 機的な関連を求めることも可能となるであろう。
今回報告する内容は,筆i者(1971d)の報告内容に,その後,処理された新らたなデータを追 加してまとめたものである。
研 究 目 的
親子関係と幼児の集団内行動との関係を明らかにするために,筆者は家族変数や児童変数を捉 える尺度開発をすすめているが,今回は,家族変数の中,母親の養育変数を捉える尺度開発と,
その尺度値が他の変数とどのような関連を有しているかを,データ処理の終了した範囲内で明ら
かにする。1 尺度の作成
本研究は,(1)修飾語の収集,(2)反意語の収集,(3)暫定尺度の作成と実施,(4)因子分析,(5)尺度
の作成,(6)因子得点の%ile算出,という6つのstepをふみ,それぞれにおいて,結果に考察を加えな がら尺度化をすすめる関係上,以下,昭和43年以降,順次求めてきたデータに基づいて,各 st ep毎に報告をまとめることにする。
Stop 1 修飾語の収集
方法(1)対象:水戸市及びその周辺の3つの幼稚園において,園児の母親250名を対象とした。
(2)調査用紙と実施:母親が幼児に対して示す養育態度・行動から連想される修飾語を,できる だけ多く記入できるように印刷した用紙を準備し,記入例を添えて協力依頼状と共に3つの幼稚 園を介して配布した。
結果と処理:約1週間後に回収し,同義語でも表現の異なる語は独立に整理を行なった結果,
母親の幼児に対する態度,行動を反映する修飾語が,808語求められた。そこで,①連想出現頻数
が多いこと(3以上),②日本語であること,③価値的ひびきがあまり強くないこと,④一般的な
中原:親子関係把握のための測定尺度の作成(2) 35
使用語であること,⑤母親の対幼児態度・行動がよりよく反映されていること,を主な基準とし て,808語を検討した結果,これらの基準にかなう100語を選出することができた。
Step 2 反意語の収集
方法(1)対象:本学における筆者の受講学生83名を対象とした。あえて母親を対象にえらばなか った理由は,修飾語の反意語を判断する作業が予想以上に困難な作業であり,かつて筆者が母 親にGの作業を実施して,多くの白紙回答を手にした経験があるからである。
(2)調査用紙と実施:Step 1で選出された100語の修飾語を配列し,その右がわに,反意語を 記入できるように印刷した用紙を準備し,講義のときに説明を加えて配布し,翌週までに記入を求
めた。
結果と処理:回収された83名のデータによって,1語ずつその反意語を整理し,①50%以上の 共通反意語を有すること,②柏木(1964)の得た4つの因子一Activity, P・tency, M・ra1 Correctness, Sensory Pleasure一 を代表する語を優先させること,③類似語は,より適切 な方を優先させること,の3つの基準をもうけて吟味した。この結果,36対の修飾語対(以下 項目と呼ぶ)を得ることができた。
Step 3 暫定尺度の作成と実施
方法(1)尺度構成:step 2によって得られた36対の項目を,乱数表によって配列し,7段階の評 定尺度をつけて尺度を構成した。これを暫定良度と呼ぷことにする。
(2)実施:この暫定尺度を,幼稚園児の母親67名を対象として家庭に配布し,次の2つの評定を 求めた。①家庭において母親が幼児に対して示している現実の行動,②家庭において母親が幼児 に対して示したいと思う理想の行動。
さらに,8名の幼稚園教師に依頼して,67名の母親の養育行動について次の2つの評定を協議 的に行なった。①実験者(筆者)在席時の母親の幼児に対する行動,②実験者不在時の母親の幼 児に対する行動。この2つの評定は,筆者が母親と幼児とに面接を行なっている場面をVTRに よって録画してあるので,これを再生しながら,その都度協議的決定がなされた。
結果と処理:以上の手続きによって,268(67×4)データが得られたので,各頂目ごとに反応 の分布が求められた。7段階の尺度の中点には,どうしても判断できない場合の回答を反応する
ように指示してあったので,この中点に30%以上の反応が集中する項目は除外する方針で検討した 結果,36項目いずれも,30%以下であったので,全項目を次のstepへ送ることにした。
Step 4 因子分析
方法:暫定尺度による268データを用いて,因子的に純粋な項目を選定して尺度化をはかると 共に,母親の幼児に対する養育行動の意味次元を明らかにするため,因子分析を試みた。
まず36項目間の相関係数を算出し,各カラムの最大値を共通性の推定値に用い,主因子解とセ ントロイド解の2つの分析を行なった。回転は,いずれもVarimax法による直交回転を用いた。
これらの計算は,IBMにおいてsystem360−mode175電子計算機によってなされた。
結果と考察(1)主因子解法とセントロイド解法の比較:Table 1に示したように,両解法とも4
Tab.1 主因子解とセントロイド解の寄与率
▼ 1 II III w
h2
Vp
5,437
6,6665,427 5,752 23282
主 因 分 解 全分散 % 15.1 18.5
15.116.0 64.7 相対分散 % 23.4 28.6 23.3 24.7 100.0
Vp
6,699
6,6195,837 4,081
23,235セントロイド解 全分散 % 18.6 14.8 16.2 11.3 64.5 相対分散 % 28.8 28.5
25.117.6 100.0
っの因子が抽出され,それぞれ全分散の約65%を説明することができた。これらの結果を比較検 討すると,セントロイド解法の第W因子の相対分散は17.6%で,他の3つの因子のそれとくらべ て著しく低いのに対し,主因子解法では,各因子とも近似した相対分散を示している。
さらに,各因子を代表する項目を選出するために, 他の因子負荷量に0.30以上の値を示すもの があっても,当該因子負荷量が最も大であり,他の因子負荷量との差が0.15以上である という
Tab.2 因子を代表する項目数
因子
1 II Ill w計
方法
主 因 子 解 6 9
78 30
セントロイド解
7 7 74
25条件を設定した。この条件に該当する項目を,各因子別に示すとTable 2のようになる。 これに よると,主因子解法では30項目,セントロイド解法では25項目が求められた。そこで,柏木(1964),
相良他(1961)の結果を参考にして,選出された項目内容を検討すると共に,選出された項目の 豊かさをも考慮し,本研究では主因子解法による結果に基づいて尺度化をはかることに決定した。
(2)因子の解釈:主因子解法での因子負荷量の絶対値が0.300に上を示す項目を,各因子別にま とめると,Table 3〜6のようになる。これらの表中,○印を付した項目は,因子を代表する条件 に該当する項目である。
第1因子は,Table 3に示すようにActivityの因子であろう。筆者は,この尺度が「幼児に対 する母親の養育行動」を捉えようとしているものであるので,特にカッコ内に示したように Excitability(興奮性)の因子として,命名することにした。
第II因子は, Table 4に示すようにPotencyの因子と思われる。この因子に対してはToughness
(意欲性)という別名を与えることにした。
第III因子は, Table 5に示された如くMoral Correctnessの因子ではなかろうか。柏木(1964)
は,このMoral Correctnessの代表項目として, やさしい こわい をあげており,筆者は因
子解釈のチェック項目として,この項目を暫定尺度構成の段階で挿入しておいたのであるが,
中原:親子関係把握のための測定尺度の作成(2) 37 Tab.3 Activity(Exci tability) Tab.5 Moral Correctness(Rationality)
○そうそうしい 静 か な .783 0注意深い 不注意な .739
○短 気 な 気 長 な .733 0ま じめな 不まじめな ・711
○いそがしい ひ ま な .703 0責任のある 無責任な ・677
○はげしい おだやかな .698 0誠 実 な 不誠実な .666
○感清的な 理性的な .625 0熱 心 な 不熱心な ・645
乱 暴 な ていねいな .581 0きちんとした だらしない ・621
○反抗的な 従 順 な .576 0敏 感 な 鈍 感 な .582 出しゃばりな ひかえめな .521 有 能 な 有 能 な ・543 情熱的な 冷 静 な .501 頼も しい 頼り ない ・512 おしゃべりな 無 [コ な .495 親 切 な 不親切な .464 否定的な 肯定的な .406 意欲的な 無気力な .452
こ わ い やさ しい .406 ていねいな 乱 暴 な ・414 だらしない きちんとした .334 神経質な 無神経な .398 不親切な 親 切 な .331 は や い お そ い .347 神経質な 無神経な .313 暖 か い 冷 た い ・343
Tab.4 Potency(Toughness) TabβSensory Pleasure(Warmth)
○外向的な 内向的な .816 0暖 か い 冷 た い .774
○勇 敢 な 臆 病 な .813 0明 る い 暗 い .745
○たくましい 弱々 しい .795 0楽天的な 悲観的な ・675
○積極的な 消極的な .784 0親 切 な 不親切な .666
○強 気 な 弱 気 な .743 0やさ しい こ わ い .645
○は や い お そ い .628 0肯定的な 否定的な .619
○意欲的な 無気力な .602 0やわらかい か た い .619
○開放的な 閉鎖的な .590 0若々 しい 年よりじみた .609
○おしゃべりな 無 口 な .551 ていねいな 乱 暴 な .481 頼も し い 頼り ない .502 おだやかな はげし い .435 楽天的な 悲観的な .471 誠 実 な 不誠実な .430 有 能 な 無 能 な .470 頼も しい 頼り ない .416 出しゃばりな ひかえめな .441 従 順 な 反抗的な .408 熱 心 な 不熱心な .425 気 長 な 短 気 な .382 情熱的な 冷 静 な .412 責任のある 無責任な .355 若々 しい 年よりじみた .406 ま じめな 不まじめな .345 敏 感 な 鈍 感 な .391 きちんとした だらしない .339 明 る い 暗 い .384 ひかえめな 出しゃばりな .335
意欲的な 無気力な .303
やさしい
こわい の項目は,Table 6の第N因子に高い負荷を示している。しかし,第VI
因子は, 柏木がSensory Pleasureの因子を代表するとしている 明るい一暗い の項目によ って物語られているように,Sensory Pleasureの因子とみることが妥当であり, やさしい一 曲
黷アわい もSensory Pleasureの項目として決して不自然ではない。かつ,第III因子を代 表する他の項目をTable 5でみると,Moral Correctnessとして解釈することが妥当に思える。
したがって,第m因子をMoral Correctnessとし,別名としてRationality(理知性)を与え,
第VI因子はSensory Pleasure,別名にWarmth (暖かさ)の因子名を与えることにした。
Step 5 尺度の作成
以上の4つのstepによって,母親の幼児に対する養育行動を捉えるためのSD尺度〔筆者は これをSD×−2−5スケールと呼んでいる。この記号化については筆者(1970)の報告を参照 、 ウれたい〕を作成する段階に到った。
養育行動の因子として,興奮性,意欲性,理知性,暖かさ,の4因子が見出されたので,これ らの各因子に純粋な項目を組み入れることによって,尺度が構成されうる。そこでTable 3〜6 の各項目群の中,○印を付した項目を用い,これらの30項目を乱数表によってランダムに配列し,
7段階の評定尺度としたものが,巻末の付表1の如き尺度である。
Step 6 因子得点の%i l e質出
付表1のSD×−2−5スケールを用い,次のような392名の母親に対して,養育行動を評定 した。①幼稚園を介して家庭に配布されたスケールに対する母親の自己評定(200名),②VTR 録画によって実験者在席場面における母親の養育行動に対する筆i者の他者評定(125名),③VT R録画によって実験者不在場面における母親の養育行動に対する筆者の他者評定(67名)。
このようにして求められた392データから,各因子役点を算出し,その分布を求めたところ,
Table 7のf欄の如き分布が得られた・これに基づき,Cum. f及びCum.%を求め,累積百分率曲 Tab。7 各因子得点の分布 (N=392)
Facto E
TR
Wscore
fCumf Cum%
fCumf Cumf
fCumf Cum%
f (hmfCumO
63
1392
100.062 3 391 99.7
61 5 388 99.0
60 5 383 97.7
59 3 378 96.4
58 2 375 95.7
57 7 373 95.2
56 5 366 93.4
1392 100.0
55
4361 92.1 391 99.7
54
13357 91.1 391 99.7
置一
一
中原:親子関係把握のための測定尺度の作成(2) 39
53
7344 87.8 3 5 391 99.7
52
6337 86.0
35 386 98.5
51 14
331 84.4
3 2381 97.2
50
7317 80.9 3 5 379 96.7
49
8310 79.1
2392 100.0
14374 95.4
48
14302 77.0
4390 99.5 7 360 91.8
47 13 288 73.5 9 386 98.5
14353 90.1
46
13275 70.2
6377 96.2 9 339 86.5
45
18262 66.8 7 371 94.6
12330 84.2 44
15244 62.2
12364 92.9 11 318 81.1 43 20 229 58.4 20 352 89.8
17307 78.3 42 23 209 53.3 29 332 84.7 24 290 74.0 41
12186 47.4 24 303 77.3
18266 67.9
40
2392 100.0
21174 44.4 28 279 71.2
14248 63.3
39 2 390 99.5 25 153 39.0 26 251 64.0
31234 59.7 38
4388 99.0
15128 32.7 24 225 57.4 22 203 51.8 37 5 384 98.0 24 113 28.8 20 201 51.3 23
18146.2 36 10 379 96.7 22 89 22.7 28 181 46.2
17158 40.3 35
10369 94.1 20 67 17.1 23 153 39.0
18 14136.0 34
6359 91.6 10 47 12.0 22 130 33.2 22 123 31.4
33 7 353 90.1
1037
9.4 15108 27.6
15 10125.8 32
10346 88.3 3 27
6.922 93 23.7 9 86 21.9
3120 336 85.7
724
6.1 12 7118.1 11 77 19.6 30
15316 80.6 5 17
4.3 1559 15.1
1566 16.8 29
19301 76.8
412
3.1 844 112
9 5113.0
28 23 282 71.9
8 2.0 1636
9.2 642 10.7 27 26 259 66.1
3 8 2.08 20
5.1 636
9.226 27 233 59.4 5
1.35 12
3.13 30
7.725 29 206 52.6
15
1.32 7
1.8 527
6.924 29 177 45.2
1 4 15
1.35 22
5.623 25 148 37.8 3
0.8 1 4 1.0 217
4.322
18123 31.4
1 3 0.83
0.83
15 3.821 24 105 26.8
2 0.53
0.8 4 12 3.120
15 8120.7
1 ・2 0.5 13
0.8 2 8 2.019 14
66 16.8
1 0.32
0.5 2 6 1.518
1252 13.3
1 1 0.3 1 2 0.5 4 1.017 6
40 10.2
1 0.3 1 4 1.016
10 34
8.7 1 0.33
0.815
624
6.1 1 0.3 13
0.814
1018
4.6 1 1 0.3 2 0.513
3 8
2.02
0.512 1
5
1.32
0.511
3
4 1.0 2 0.510
1 0.3 1 2 0.59 1 1 0.3 1 1 0.3
8 7 6
Mdn
25.1641.94 37.25 38.18
Q 3,962 5,527
4,1464,718
線を抽いた。この曲線に修正を加え,Fig.1に示すようなパーセンタイル換算スケールが求め
られた。
Fig.1 SD×−2−5スケール・プロフィール
%ib
O lO 20 30 4050釦 70 80 90 100
El臣1…一協…認お締騨塑鈴3°31雑脳獺翼
T号轡おgo 31鎗鵠齢鵠鈴禰獅嗣鵜覗格儲棚50職酪獺56獺卿㈱●
20お28
」L
R719餌酪27創293031鍵甜翻影錦鵠41聖43鱒 錫6〃棚喬ゐ
冒瑠毘一…・・…欄卸鈴鯛㈱ 絡 個側響
このスケールによって,75%ile以上(例えば, E因子得点では29点以上)の値を示した母親 は,その因子の内容とする養i育行動が,かなり高いとされ,一方,25%ile以下(例えば, E因 子得点では20点以下)の値を示した母親は,その因子の内容とする養育行動が,かなり低いと判 定されうる。
2 尺度地と他の変数との関係
以上のようにして,母親の幼児に対する養育行動の4因子得点,及びそのパーセンタイル値が 求められたが,これらの値は,興奮性,意欲性,理知性,暖かさ,というように,かなり具体的 に内容を方向づけた命名を行なってはいるが,その土台となっている各項目が,きわめて抽象的 な修飾語である。このため診断レベルにおいて,何を物語っているかにとまどいを感じることで
あろう。
そこで,これらの4つの因子得点が,他の諸変数とどのような関係を有しているかを明らかに せねばならない。このだめには,かなり時間と労力をかけて,多くの変数とのつなぎを行なわね ばならないが,現在,筆者が処理しえたものは,①同胞構成との関係,②気管支喘息患児への養 育行動と一般児への養育行動の比較,の2つである。
以下,明らかにされた範囲で報告する。
同胞構成との関係
親の子どもに対する養育態度・行動は,子どもの出生順位によって,あるいは子どもの性別に
冒
中原:親子関係把握のための測定尺度の作成(2) 41
よって異なるのではないか,という仮説を検証せんとする研究は少なくない。
Sears, Maccoby, Levin (1957)らは,出生順位と養育変数,そして児童変数を関連づけ,
とくに,同胞相互関係を媒介ステップとして考察した。またHenry(1957)も,Searsらと同様 に,出生順位と養育変数との関係を扱っているが,媒介ステップとして,父親は長子に対して懲 戒的である,という問題をふまえて行なった。しかし,Lasko(1954)の研究は,方法論的にみ て,最も優れていると思われる。彼女は,かなり厳密に条件統制を行ない,The Fels Parent Behavior Rating Scale を用いて,6ヶ月間隔で家庭訪問による母親との面接をつづけ,2人 の同胞が同一年令であったときの長子と次子に対する母親の行動や,長年の間にわたる2人の子 どもに対する母親の行動の一貫性について比較を試みている。この結果,出生順位が子どものパ 一スナリティや行動に影響する重要なファクターであることを示唆するような,次の如き結論を 導いている。すなわち,長子に対する母親の行動は,平均して比較的冷たく,より制限的・強制 的であり,さらに両親による一貫した養育行動は,次子に対してよりも少ないということである。
しかし,子どものパースナリティと親の養育行動との関係を吟味する上で,家族の大きさ,同 胞数,同胞間の年令間隔,養子であるかどうか,双生児であるかどうか,それに出生順位や性別 など,条件統制しなければならない変数が極めて多い筈である。このような諸変数のコントロー ルを経た上で求められた結論でなければ,信頼しうるものとはいいがたい。
この点については,Koch (1955)による研究に学ぶところが多い。彼女は,都会に生れ育った 核家族で,かつ2児の家庭から,心身共に健全な5〜6才児384名を選び,彼らの性,出生順位,
同胞の性,同胞との年令間隔について,可能なすべての組み合わせ(24通り)を行ない,各組み 合わせグループ16名ずつによって,384名(16×24)の子どものパースナリティを比較している。
このKocLの研究は,親の養育変数についてはふれていないので,筆者は, Kochの方法論を参 考にして,SD×−2−5スケールで捉えた親の養育行動と同胞変数との関係を分折する
ことにした。
方法:昭和45〜46年にかけて,Table 8に示すような対象児の性,同胞の種別,同胞との年
Tab. 8対象児の性 男
女
同胞の種別 兄
弟姉 妹 兄
弟姉 妹 計
同胞との年令間隔 大 小 大 小 大 小 大 小 大 小 大 小 大 小 大 小 対 象 児 数
74 10 7
5 56
74
2 5 11 8 56 7 99
令間隔の3条件によって16のグループを構成し,2名同胞,両親健在,心身共に特に異状の認め
られない5〜6才児とその母親に面接を行った。面接の協力を得ることが困難で,各グループの
人数を同数に保つことができなかったが,全体で99名のデータを得ることができた。同胞とその
42 教育研究所紀要第四号
年令間隔は,双生児の0才を最少として,6才6ヵ月までの範囲に分布した。中央値が3才0ヵ月 であったので,3才0ヵ月以上を 大 ,2才11ヵ月以下を 小 として区分した。
これら99名の母子に順次面接を行ない,その場面をVTRによって録画した。後日,再生しな がら,母親の幼児に対する養育行動をSD×−2−5スケールを用いて筆者が評定を行なった。
求められた99名の母親の因子得点を,パーセンタイル値に換算し,各因子別に,上位3分の1を H群,下位3分の1をL群としてマークし,以下の分析にそなえた。
結果と考察:母親の養育行動をあらわす各因子得点の大きさが,幼児の性(A),同胞の種別
(B),同胞との年令間隔(C)の各条件と,どのような関係を有しているかを,分散分析によっ て調べてみた。
(1)興奮性(E)についてポE因子得点のH群31名,L群33名と, A・B・Cの各条件との関係 Tab.9 E因子得点と同胞構成の条件との関係
は,Tabl e 9に示さA
B C H L 計 れている。表中のカ
大 3(200)
3(2.00) 6(4.00)ツコ内の数値は,合
兄
小
3(300) 1(1.00)
4(4.00)計値を斉一化した値
大0(000)
7(4.00)7(400)
男
弟
小
0(0.00)
2(4.00) 2(4.00)である。分散分析の 姉
大3(2.40)
2(1。60) 5(4.00)結果,Table 10の要
小
2(2.67)
1(1.33) 3(4.00)因分析表に示す如く,
大
2(1.60)
3(2.40) 5(4.00)妹 小 2(2.00)
2(2.00) 4(4。00)いずれの条件及びそ
兄 大
1(4.00)
0(0。00) 1(4.00)の交互作用において
小1(2.00)
1(2.00) 2(4.00)も有意な関係を見出 女
弟大 2(2.67)
1(1.33) 3(4.00)小 2(2.00)
2(2.00) 4(4.00)しえなかった。
姉
大2(1.33)
4(2.67) 6(4.00)(2)意欲性(T)に 小 3(4.00)
0(0.00) 3(4.00)妹 大 4(3.20)
1(0.80) 5(4.00)ついて,T因子得点 小 1(1.00)
3(3.00) 4(4.00)のH群34名,L群30
計 31(33.87)
33(30.13) 64(64.00)名と,A・B・Cの
各条件との関係は,
Tab.10 要因分析表
Table 11に示されて 好 レ V F いる。T因子につい
A 2.674 1 2.674 2.84
ては,Table 12の要 B 6275 3 2.092 2.22
C O.017 1 0.Ol7 0.02 因分析表に示すよう A×B 2・712 3 0・904 0・96 に,条件Aについて A×C O.940 1 0.940 1.00
1%水準,条件B及 B×C 3.328 3 1.109 1.18
e 48.054 51 0.942
び交互作用A×Cに
64.000 63 おいて5%水準で有
意であった。
中原:親子関係把握のための測定尺度の作成② 43
Tab.11 T因子得点と同胞構成の条件との関係 Tab.12要因分析表
κ2 レ V F
A 6.116 1 6.116 7.50 **
A
B C H L 計
B 9.220 3 3.073 3.77 * 大
2(2.00) 2(2.00)4(4.00)
兄 C O.562 1 0.562 0.69
小
2(4.00) 0(0.00)2(4.00)
A×B O.227 3 0.091 0.11 大
0(0.00) 4(4.00)4(4。00)
弟
A×C 4.090 1 4.090 5.01 *
小
2(1.60) 3(2.40) 5(4.00)男 B×C 2.115 3 0.705 0.86
大
1(1.33) 2(2.67)3(4.00)
姉
e 41.625 51 0.816小
3(2.40) 2(1.60)5(4.00)
64.000 63 大
1(0.80)4(320)
5(4.00)妹
小
2(1.60) 3(2.40)5(4.00)
大
3(4.00) 0(0.00) 3(4.00)兄
小
2(4.00) 0(0.00)2(4.00)
弟
大
1(2.00) 1(2.00)2(4.00)
小
5(2.22) 4(1.78) 9(4。00)女
大
3(3.00) 1(1,00)4(4。00)
姉
小
2(2.67) 1(1.33)3(4.00)
大
3(4.00) 0(0.00) 3(4.00)妹
小
2(1.60) 3(2.40) 5(4.00)計 34(37.22)
30(26.78) 64(64.00)乙この結果を具体的に示すため,条件Aについての補助表をTable 13にかかげた。これによって
Tab.13 条件Aの補助表 明らかなように,女児の母親
は男児の母親よりも意欲性の
A・
HL 計
因子得点の高いものが多いと
男 13.73 18.77 3200
いえる。条件Bについて,
女 23.49 8.51 32.00
Table 14の補助表をみると,
計 37.22 26.78 64.00
同胞に兄を持つ次子の母親に
Tab.14 条件Bの補助表 意欲性因子の高い母親が最も
多く,同胞に弟を持つ長子の
B
HL 計
母親には,意欲性因子の低い
兄
14.00 2.00 16.00
母親が最も多くみられる。さ
弟
5.82 10.18 16.00
姉 9.40 6.60 16.00 いごにA×Bの交互作用につ
いて,その補助表をTable 15
妹 8.00 8.00 16.00
に示した。これによると,同
計 37.22 26.78 64.00
Tab.15 A×Cの補助表 の母親に,意欲性因子の 高い母親が多く,同胞と
A
C H
L計
大
4.13 11.87 16.00 の年令間隔の大きい男
男
小 9.60 6.40 16.00 児の母親に意欲性因子
大 13.00 3.00 16.00 の低い母親が多くみられ
女
小 10.49 5.51 16.00
る。計 37.22 26.78
64.00以上の結果を総合すると,同胞に兄を有し, かつ兄との年令のひらきの大きな妹に該当する幼 児に対しては,その母親の意欲性因子が大であり,一方,同胞に弟を有し,それとの年令のひら きの大きな兄に該当する幼児に対しては,その母親は意欲性因子が小であると思われる。このよ うに,男の長子に対して,母親の行動が意欲性に欠けるという特色は,今後の追究に興味のある 問題を提供しているといえよう。
(3)理知性(R)について;R因子得点のH群32名,L群32名について,A・B・C各条件との 関係を示すと,,Table 16のようになる。
Tab.16 R因子得点と同胞構成の条件との関係
A
B C H
L計
大
3(3.00) 1(1.00) 4(4.00)兄
小
2(4.00) 0(0.00) 2(4.00)Tab.17要因分析表
大
2(2.67) 1(1.33) 3(4.00)Z2 レ V F 男
弟
小
2(1.60) 3(2.40) 5(4.00)A O.778 1 0.788 0.94 大
1(1.33) 2(2.67) 3(4.00)姉
B 15.109 3 5.036 5.99 **小
2(1.60) 3(2.40) 5(4.00)C O.305 1 0.305 0。36 大 2(1.33)
4(2.67)
6(4.00)妹 A×B 2.951 3 0.984 1.17
小
0(0.00) 1(4.00) 1(4.00)A×C O 1 0 0 大
3(4.00) 0(0.00) 3(4.00)兄
B×C 1.979 3 0.660 0.79
小
1(4.00) 0(0.00) 1(4.00)e 42。868 51 0.841
大
1(1.00) 3(3.00)4(4.00)
弟
64.000 63
小
3(1.33) 6(2.67) 9(4。00)女
大
4(2.67) 2(1.33) 6(4.00)姉
小
2(2.67) 1(1.33) 3(4.00)大
3(2.40) 2(1.60) 5(4.00)妹
小
1(1.00) 3(3.00)4(4.00)
計
32(34.60) 32(29.40) 64(4.00)この表に基づく要因分析表Table 17にみられるように, R因子については,条件Bのみが1%水
中原:親子関係把握のための測定尺度の作成(2) 45
Tab.18 条件Bの補助表 準で有意であった。 Tabld8 の補助表によれば,同胞に兄
B H L 計
を持つ次子に対して,その母
兄
15.00 1.00 16.00
弟
6.60 9.40 16.00
親にR因子得点の高いものが ,
姉 8.27 7.73 16.00 最も多く,同胞に妹を持つ長
妹【 4.73 11.27 16.00 子に対して,母親はR因子得
計 34.60 29.40 64.00
点の低いものが多いことが知
られる。
母親のR因子の高さの順は,同胞に兄.姉,弟,妹を有する順となっており,このことから次 子に対しては長子に対してよりもR因子の高い養育行動参,母親によって示されると思われる。
(4)暖かさ(W)について;W因子得点のH群32名,L群33名について, A・B・C各条件との 関係を示したものがTable 19である。これがら求められた結果はTable 20の要因分析表であるが Tab.19 W因子得点と同胞構成の条件との関係 Tab.20 要因分析表
γ2 V F
A B C H L
計レ
A O.975 1 0.975 1.05
大 4(2.71)
2(1.35) 6(4.06)8.906 3 2.969 3.21 *
兄
小
2(2。71) 1(1.35) 3(4.06)C 1。462 1 1.462 1.58
大
4(2.71)
2(1.35) 6(4.06)4.383 3 1.461 1.58 弟
小
2(2.03) 2(2.03)4(4.06)
0.090 0.10
男 A×C O.090 1
大
1(1.02) 3(3.04)4(4.06)
1.103 3 0.368 0.40
姉
小
0(0.00) 3(4.06) 3(4.06)48,041 e 51.96
大
2(2.03) 2(2.03)4(4.06)
64.960 63.96
妹
小
2(2.03) 2(2.03)4(4.06)
Tab.21 条件Bの補助表
大
2(4.06)
0(0.00) 2(4.06)兄
小
1(4.06) 0(0.00) 1(4.06)B H L 計
大
2(2.03) 2(2.03)4(4.06)
兄13.54 2.70 16.24
弟
小
2(1.02) 6(3.04) 8(4.06) 弟7.79 8.45 16.24
女
大
3(3.04) 1(1.02)4(4.06) 姉 5.41 10.83 16.24
姉
小
1(1.35) 2(2.71) 3(4.06)妹 7.71 8.53 16.24
大
2(2.03) 2(2.03) 4(4.06)計 34.45 30.51
64.96妹
小
2(1.62) 3(2.44) 5(4.06)計
32(34.45) 33(30.51) 65(64.96)W因子についても,R因子と同様に有意な条件はBのみであった (5%水準)。この条件Bについ
ての補助表はTable 21のように,兄を同胞に持つ次子に対し,その母親の養育行動は最もW因子
得点が高く,姉を同胞に持つ次子に対してはW因子得点が最も低い。同胞に弟や妹を持つ長子に
対する母親の養育行動は,上記の中間のW因子得点を示す。
以上4因子得点と幼児の同胞構成に関するA・B・Cの3条件との関係を概観してきたが,同 胞に兄又は姉を持つ次子に対する母親の養i育行動と,弟や妹を同胞にもつ長子に対する養育行動
との間に,対比されうるような特色が感じられる。
幼稚園という集団内において,幼児が示す行動特性と,これらA・B・Cの条件との関係につ いて,筆者(1971a)が見出した結果によると,教師から自律的統率性が高いと評定された幼児 は,長子よりも次子であった(5%水準)。したがって,出生順位,性別,年令間隔などの同胞変 数一→親の養育変数一→児童変数というような,一定の因果関係が予想されうると思われる。こ の点については,現在追究中であるが,今回,作成されたSDx−2−5スケールによる各因子 得点が,親の養育行動を反映しているという点については,もはや疑う余地がないといえよう。
これらの因子得点は,他のinventory形式の親の養育行動スケールとの関連づけによって,さ らにその意味する内容を明確にしうると考えられるので,目下,新らたなスケールの開発をすす
めている。*
C管支喘息児の母親の養育行動
気管支の粘液分泌過剰と気管支痙攣を伴い,呼吸因難i発作を示すいわゆる気管支喘息(bronchial asthma)の患児のうち,特に情緒的要因が大で,心理治療を必要とする,と診断された症例に対 して,筆者が面接する機会を得たので,これらの症例にSD×−2−5スケールを適用した。以 下,発作を訴える子どもを持つ母親の特色を分析し,典型的な家族変数の姿を明らかにしてみよう。
これらの症例は,乳幼児期から気管支反応がみられ,その後喘息性気管支炎を訴え,体質的に も,精神反応面においても過敏性であり,乳幼児期からの発作によって,きわめて特殊な母子関 係が成立している。
発作の発生機序を説明する学説の中には,条件反射説も含まれており(高木,1964),これによ ると,母子関係が第二信号系としての役割を演じ,特殊な母親の養育行動が喘息発作を誘発する。
気管支喘息患者やその母親と面接を続けるうちに,一般児の母親の態度・行動と異なった印象 を経験的にも感じさせられるので,それが何であるのかをSD×−2−5スケールの因子得点に よって表現してみることにした。
方法(1>対象:昭和46年8月〜9月にかけて県立中央病院小児科において,気管支喘息と診断さ れ,かつ精神的素因が濃厚であると判断された35名の患者とその母親(喘息群)。及び,45年度に 幼稚園児の母親と面接した対象の中から,ランダムに抽出した39名の園児とその母親(一般群)。
喘息群は幼児以外に学童期にあるものも含めている。従来の来院統計では,約71%が学童期,22
%が幼児期であり,今回も幼児期の症例が11名(31%)であったため,あえて学童期のものも含 めて,特色の概略を捉えることにした。
(2)手続:喘息群に対しては,来院した患児と母親が医師に受診する段階から観察を開始し,受 診後,心理相談室での面接が終了するまで継続し,面接終了後に筆者がSD×−2−5スケール
*筆者(1971c)の内容にその後データを追加してまとめたものである。
中原:親子関係把握のための測定尺度の作成(2) 47
を用いて母親の患児に対する行動について7段階評定を行なった。一般群に対しては,幼児に対 する母親の行動が,よりよく反映されるように実験的にセットされた場面をVTRで録画して あるの℃これを再生しながら筆者が評定した。
結果と考察(1)項目別の検討:SD×_2_5スケールの30項目について,両群の平均と標準偏差 を算出し,平均の差の検定をt検定を用いて行なったところ,Table 22のようになった。これによ Tab.22 −一般群と喘息群の項目別平均得点の差の検定
一一
@般 群 39名 喘 息 群 35名 両群の
項目番号 t
P
M
SDM
SD平均差
1E 3.80 1.65 4.46 1.16
一〇.661.94
2T
5.28 1.13 4.74 1.32 0.54 1.86 3W 4.74 1.52 3.71 1.36 LO3 3.03 **
4R
5.03 1.76 4.46 1.25 0.57 1.58 5W 4.92 1.54 3.89 1.26 1.03 3.12 **
6T
5.31 0.96 4.97 1.00 0.34 1.48
7T5.62 1.23 5.09 1.10 0.53 L96
8E
4.87 1.26 4.49 LO2 0.38 1.41
9R
5.05 1.38 4.49 1.08 0.06 0.21
10T 5.46 0.90 4.91 1.13 0.55 2.29
*11E 3.36 1.59 4.20 1.04
一〇.842.63
*12T 4.72 1.50 3.77 1.46 0.95 2.79 **
13R 5.36 0.89 4.89 1.11 0.47 2.04
*14T 5.05 0.96 4.51 1.11 0.54 2.25
*15E 4.31 1.65 4.74 1.05
一〇.431.30
16E 4.54 1.39 4.23 1.02 0.31 1.07
17T 5.00 0.96 4.34 LO1 0.66 2.87 **
18R 5.18 1.15 4.57 0.97 0.61 2.44
*19T 5.00 1.11 4.37 0.96 0.63 2.52
*20W 4.03 1.89 3.37 1.31 0.66 1.69 21T 5.10 1.03 4.57 1.16 0.53 2.04
*22W 4.85 1.61 4.20 1.35 0.65 1.86 23R 4.92 1.40 4.49 1.02 0.43 1.48
24R 5.44 0.90 5.09 1.05 0.35 1.52
25E 4.39 1.19 4.23 1.20 0.16 0.57
26W 4.67 1.25 3.69 1.19 0.98 3.38 **
27W 4.95 1.45 4.00 1.29 0.95 2.97 **
28W 4.03 1.79 2.83 1.42 1.20 3.16 **
29R 5.36 0.95 4.91 0.88 0.45 2.14
*30W 4.56 1.32 3.69 124 0.87 2.90 **
* 5%水準
**1%水準
ると,30項目中,1%水準と5%水準で有意な項目は,それぞれ8項目ずつ見出され,合計16項 目が喘息群を特色づける項目としてマークされた。これらの項目は,興奮性(E)1項目,意欲 性(T)◎項目,理知性(R)3項目,暖かさ(W)6項目からなり,喘息群はE因子において 一般群より高く,T因子, R因子, W因子において,いずれも一般群より低い値を示してい
る。
有意差の認められた16項目を,t値の大きい順に配例し,平均値をプロットするとFig.2
Fi昏 2 両群の平均得点の差が有意な項目 ○一〇一般群 7 6 5 4 3 2 1△一一一今喘息群
26W楽天的な
28Wやわらかい
5 W暖 か い
,
3Wや さ し い
Q7W明 る い 暗 い 、
、
R0W若々 しい 年よりじみた ノ
P7T勇 敢 な / 臆 病 な 、 、
、
P2T開放的な 閉鎖的な
11E感情的な ノ 理性的な 1
19Tは や い お そ い
P8Rま じめな 一… 不まじめな
P0T積極的な 消極的な 、 、
・4Tたくましい・ ) 弱々しい
Q9R熱心 な 1 不熱心な
、
Q1T強 気 な \ 弱 気 な
P3R注意深い 不注意な
のようになる.これによると,w因子の項目が最も顕著に両群を特色づけており・喘息群の母親 の養育行動は,悲観的なかたい,冷たい,こわい,暗い,年よりじみた・などのイメージを与 えるものであることが知られよう。
(2)因子得点別の検討:35名の喘息群の母親について,各因子得点を算出し,F培1を用いてパ 一センタイル値に換算した。この結果,50パーセンタイル以上の得点者をH群,50パーセンタイ ル未満の得点者をL群として,一覧表にまとめると,Tabl e 23に示されたようになる。すなわち,
Ta妖23 喘息群の母親の因子特1生 喘息群の母親の養育行動の特色は,興奮性と意 欲性の2つの因子得点において,標準よりも高 因 子
HL 計 い傾向を示し,理知性と暖かさの2つの因子得 興奮性 E
21 14 35点では,逆に標準より低い得点を示すものが多 意欲性 T
21 14 35い。π2検定によると,r=14.172, df=3で1 理知性 R
1322
35%水準で有意であった。この結果は,Fig.2
暖かさ W 8
27 35に示した項目別検討での結果と,多少相違して
中原:親子関係把握のための測定尺度の作成(2) 53
付表1
SDx−2−5 Scale
と か や ど や か と
E
ち T
て な で な て
b R
も W
な
も り や い や り も
1 は げ し い P
お だ や か な
2 おしゃべりな 無 口 な
3 こ わ い や さ し い
4 誠 実 な 不 誠 実 な
5 〜令 い 日愛 力・ い