高橋:質的データの解析に関する一考察 21
質的データの解析に関する一考察
一政治意識調査における自由回答法の分析一
高 橋 和 子
1.はじめに 2.方法 3.結果と考察 4.おわりに
我々日本人は,どのような基準で政治家を判断するのだろうか。この問題に 対して政治心理学的に探るために,質問紙法による調査を実施し,その分析方 法について考察してみた。
質問紙法における回答形式には,選択肢法と自由回答法の2種類がある。こ のうち,後者にっいては回答者が自分自身の言葉で自由に語るために,多くの 情報を有するにもかかわらず,未だ有効に活用されているとは言えない2その 理由としては,言語による質的な回答であるためにその内容が多様化する傾向 があり,集計時におけるデータの扱い方が困難になることがあげられる。(福武
・松原,1967,辻・有馬 1988等)2)。また特に日本人の場合は,言語による回 答を避けることが多いとするものもある(浅井,1987)。しかし社会科学にお いて調査が探索的な性格を持つ場合には,「必ずしも一般的なカテゴリーおよ びカテゴリー間の理論的に規定された関係から出発するわけではない(Lazar一
sfeld,1972=西田他(訳),ユ984)」のが現状であり,データの新たな定式 化が要請される。これは分析者の枠組に規定された選択肢法では応じることの できないもので,自由回答法を用いることによって初めて可能になることは明 白であろう。
これまで,自由回答法を積極的に分析した研究は日本においてはほとんど見 られないカぐ)欧米においては,政治心理学を中心とした分野でいくつか存在す る。以下で代表的なものについて検討してみる。
Blumler&McQuil(1969)は,自由回答の分析を最初に行ったことで知
られている。彼はイギリスにおけるテレビと政治に関する一連の調査のうちの 第一回目に探索的研究として,有権者が選挙運動中の政治家に対して何に注目 するのかという質問に自由回答法を用いた。得られた回答を公約,パーソナリ ティなど4つのカテゴリーに分類して度数を求め1)さらに学歴,職業とのクロ ス集計も行っている。自由回答をカテゴリー化して量的に扱おうとした点は認 められるものの,各カテゴリーが持つ概念が広いため大ざっぱな傾向しか掴み きれていない。また度数を調べるだけで終わっている点も方法的に物足りない。
もちろんデータの解析法が研究目的に合致していれば,方法の妥当性の点から は十分評価されるものではあろうが。
Lau(1986)は,政治的情報処理モデルを認知的スキーマの概念に基づいて説 明するための指標として,自由回答法を用いた。彼によればスキーマとは人間 が世界を知覚する際に用いる知識の階層構造である(Lau,1986)。従って,こ こでは各質問に対する回答の個数や書かれた順序が重要となり,それに基づい て重み付けを行う必要がある2その後ピアソンの相関係数を算出して,候補者 フパ_ソナリティや政党など4つの政治的スキー逆あ測度における一貫性を説 明し,さらに各スキーマ毎に性別,人種,学歴などを説明変数とした重回帰分 析を行って,スキーマの生成に関する説明をしている。
政治的スキーマについては,Rhodebeck(1988)もLauと同様の手続きによ り,自由回答法を用いた試験調査を行っているが,両者とも予め,グループ,
政党,争点,パーソナリティの4つの政治的スキーマを用意しており,コード 化の方法としてはいわゆるプリコード法と呼ばれるものを用いている。
これに対してMiller(1986)の研究は興味深いものがある。彼は,アメリカ の投票者が大統領選候補に対してパーソナリティのカテゴリーを最も多く使用 する傾向が見られることに注目して,NES(National Election Studies)
嗜積された舳回答のうち・パーソナ1)ティに関する,鯉を取咄して因子 分析を行い,信頼性,能力,カリスマ性など5っの因子を見つけている。
ここで,冒頭の問題に立ちかえるものとしてFeldman&Kawakami
(1987)の研究を挙げておきたい。これは自由回答法によるものではないが・
Millerによる5つの因子に基づいて30項目の質問(S. D.法による)を作成 して因子分析を行い,日本の政治的リーダーに対する判断のための因子を見っ け出しているぎしかし因子分析においては,インプットした変数の範囲内でし か因子が出てこないため,基本となる変数(質問項目)の選び方が非常に重要
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であり,この観点から国情や国民性を違いを考慮せずにMillerの結果に基づ いたものを適用することに対して,疑問が残る。この分野における探策的な研 究の必要があると思われる。
本稿では,以上の検討結果を踏まえながら,自由回答法によるデータを分析 することによって,日本人の政治家に対する判断基準を探索する。すなわち質 問紙における自由回答法に政治心理学的なアプローチを行うことで,質的デー タの解析における一つの手がかりを見つけることを目的とする。なおこの目的 から当然のことであるが,本稿では,通常自由回答法に分類されているものでも 簡単にプリコード法を想定できるようなものについては選択肢法の一種として 9)
オい,自由回答法としていないことを最初に断わっておきたい。
2.方 法
分析は,茨城大学人文学部または教育学部に在籍する学生により家族,知人 o
ネどに配票された政治意識に関する調査(質問紙法)に対する有効回答者 1,018人の中から,無作為に100人選んだものを用いて行った?
質問は全部を用いたわけではなく,政治的関心度,政党選好,政治活動,政 n)
治メディア等を尋ねる7項目の選択肢法と与野党のリーダーに関する好感と嫌 12)
ォ感,首相を選ぶ基準を尋ねる5項目の自由回答法の計12項目を選んだ。属性 は性別,年齢,学歴,職業の4項目である。
今回の分析においては,自由回答法における回答(以下,コメントと呼ぶ)
からいかに豊富な情報をくみ出すかが最大のポイントとなる。第一段階として コメントをどのような方法でコード化するか。すなわちコメントの内容をどの ようなカテゴリーに分けて捉えるか。第二段階として,コード化されたコメン トをどのように整理するかが重要な問題となろう。先に述べた通り,いずれの 段階についても参考となる研究例がほとんどないため,試行錯誤的に行った。
以下では,第一段階と第二段階において行った方法について,作業的なことに も触れながら述べる。
〔1〕第一段階
この段階は基本的には内容分析の問題であり,次に示す(1}〜(3}のような手続 きを採った。プリコード法によらないところに特徴がある。
(1}コメントを見て,どのカテゴリーに分類されるかを考える。
② 妥当性のあるカテゴリーが既に存在する場合は,そこに入れる。
(3〕存在しない場合は,新しくカテゴリーを作る。
ここで,カテゴリーは質問ごとに作らず,全ての質問に対して共通なものとし
た。
この手続きを行うには,カテゴリーの持つ意味や範囲を規定するために,第 一段階の前に,すべてのコメントに当たっておかなければならない(0段階)。
その際,探索的研究であることを意識して,分析者の枠組みをいったん外し,
あくまで被調査者の枠組みに従うように十分注意する必要がある。従ってコメ ントにただ目を通すだけではなく,番号を付けて記録し,明らかに同じ内容と 思われるもの以外のものはすべて別々に分類するという作業を行って,コメン
トの持つ情報ができるだけそのままの形で残るようにした。0段階における問 題点としては,次のものがあった。
①コメントが言語によるデータであるため,多義性をもつことや人により意味 の与え方や受取り方に相違があることなどから解釈が困難なことが多かった。こ れについては,外的な情報として選択肢法における回答や属性も調べ,最も妥 当と考えられる番号を付けた。
②一貫性の問題である。これについては,番号付けを終始,同一人物が行うこ とで保証されるはずであるが,言語を扱う問題上,意味がずれたりふくらんで くる可能性がある。
③実際の作業能率に関することであるが,コメントの数が増えて来ると,捜す すのに非常に手間がかかる。今回はサンプル数100に対してコメント番号が
350程度までいったが,これでは一般的な方法にはなり得ない。
第一段階では主に③での経験を生かして,次のことに注意してカテゴリーを 作った。
①個数が高々200個止まりになるようにする。
②カテゴリーの番号は3桁にし,最初の桁は仕事に関するものか個人的なもの かの区別に使う。例えば,0で始まるものは仕事に関するもの,1で始まるものは 個人的なものというようにする。この区別はあくまでカテゴリーを探すための 便宜的なものであり,それによって最終的な分類が変わってくるわけではない。
③カテゴリーをプラスとマイナスに分けておく。すなわちプラスのイメージを 持つものを50番以下にし,その番号に50を加えた番号を同じ概念でマイナスの イメージを持っものとする。ここで,プラス,マイナスとは被調査者の評価を 意味するものではなく,言語自体が持つ意味を指す。例えば,「能力がある」
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というカテゴリーを001とすると,051を「能力がない」というカテゴリーと
した。
④特にプラス,マイナスの意味を持たないものは,プラスとして扱う(たとえ ば,「政策」,「政党」など)。
またカテゴリーの持つ概念を可能な限りはっきりと規定するようにしたが,こ こでも言語表現の曖昧さによる問題が残されたものもある。
なお,これら(1)〜(3}の作業はAを中心としてB,Cを補助とする3人のグル 一プを作って行った。各人の役割は,次の通りである。
A,Bにより読み上げられたコメントにカテゴリー番号(コード)を与える。
カテゴリー番号は,Aにより作られていくため,カテゴリーの一貫性を保った めに,Aは時々, Cの作るカテゴリー一覧表を確認する必要がある。
B.コメントを読み上げ,Aから与えられたカテゴリー番号を質問紙に記す。
C.カテゴリー番号に従ってカテゴリー一覧表にコメントを転記する。コメ ントの記録係と同時にカテゴリー一覧表作成係である。
〔2〕第二段階
ここでは,第一段階で作ったカテゴリーの整理を行って,より広い概念を持 つカテゴリーすなわち本稿でいう「基準」を見つけることが目的である。カテ ゴリーの整理は分類と解釈できるが,帰納的な分類法にはKJ法的な発想のも
13)
フと数値解析的なものの2種類がある。前者は質的なデータの分類法としてし ばしば利用されているが,分析者(達)の観点により分類の仕方が異なる。す なわち様々な発想(枠組み)を適用することで,妥当な分類を見っけようとす るところに特徴がある。これに対して,後者は因子分析やクラスター分析など の多変量解析であり,データをインプットした後に分析者の主観炉入ってくる 余地は少ない。今回の分析に適するのは後者の方であると判断した。ととろで 因子分析とクラスター分析は,データや分類目的が異なり,ここで,データの 意味や分類目的を再度問い直してみることが必要となった。すなわち,親近性 データを用いて個体間の分類を行いたいのか(クラスター分析),多変数デー タを用いてその背後にあると思われる潜在的な因子を探したいのか(因子分析)
について検討を行った結果,因子分析を適用することとした。
因子分析を適用する場合,用いるデータの水準は間隔尺度以上であることが 必要な条件である。しかし第一段階で得たデータは,コード化された名義尺度 でしかなく,このままでは因子分析に適用できない。しかし,因子分析におい
てアウトプットとして因子スコアを必要としない場合には,相関係数行列から のインプットで良いことに注目して,次に示すような方法を考えてみた。後で 述べるように一部,Millerによる方法を参考にしている。
ωダミー変数を想定して,各カテゴリーを一っの変数とする。このとき第一段 階③で述べたマイナスのカテゴリーはプラスのものと一緒にして,同じ概念の ものをまとめておく(以後は,両者を併せたものを単にカテゴリーをと呼ぶ)。
例えば,「能力がある」 (001)と「能力がない」 (051)をまとめて001と する。ここで注意することは,言語データである関係上,プラスのカテゴリー
もマイナスのカテゴリーもそれぞれが対称ではない意味内容を持つ方向にふく らんで行く可能性がある。特に性格などの表現において,この傾向が強い。例 えば,102では最初に「感情を表に表さない」というコメントが出現したため,
「穏やかな人柄」をここに入れた。これにより「優しそうなところ」もここに 入れ,「きつそうな感じ」を152とした。 その後,152は「威圧的」,「冷 たい気がする」となる一方で102の「感情をおもてに表さない」の反対の概念 として「感情的になる」が入ってきた。これらの概念を一言で表せるような言 語を捜すのは,かなり困難である。従って,この段階においては敢えてカテゴ リー番号に名称を与えないでおく方が良いと思われる。後で,因子の意味を解 釈する時にカテゴリー一覧表を参照して,じっくり考えることとする。その理 由は,一般に因子はいくつかの変数を合成したものであるため,より広い概念 を表す言語で捉えることができるからである。
②被調査者の回答したカテゴリー番号を調べて,該当するカテゴリー番号には 1,該当しないカテゴリー番号には0を与えて,1−0からなる行列を作る。
この行列は一種の態度のパターンを表すものと考えられるが,仮にカテゴリー 行列と呼ぶことにすると,カテゴリー行列において行は被調査者,列はカテゴ
リーを表す。
(3}カテゴリー行列からカテゴリー間の相関行列を作る。カテゴリー行列は1ま たは0の2通りの値しか取らないため,背後には連続分布を仮定しないのが自 然であると思われる。従って相関係数としては,四分点相関係数のを用いるこ ととした。の一係数は,2っの変数が2通りの値しか取らないときに,次式に より定義される相関係数である。(0,∂,6,4は表2.1による)。
(ad−∂o)
の=@ (σ+ )(o+ )(σ+の(∂+4)
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表2.1
ツ κ 十 一
十 σ ∂ σ+∂
一 6 4 6+4
σ十6 ∂+4 κ π=σ+∂+o+4
なお, この場合のように2×2分割表においては,の 一係数はピアソンの積率 i滑ヨ係数と等しくなって便利である。もし,背後の分布が連続であるときにの 一係数を用いると,相関係数の値が真の値より過小に評価されやすいというこ とを考慮しておくべきであろう。
㈲以上により計算された相関数行列を用いて,因子分析を適用する。なお,相 関行列は明らかに対称行列であるため,ヤコビ法により固有値と固有ベクトル 求めることとする。
ここで一Millerによる方法との相違点について述べる。 Millerは,相関係 数としてはの一係数ではなく,四分相関係数を用いている。これはプラスのカ
テゴリーとマイナスのカテゴリーを別々のものとして扱っているため(例えば 401.「Honest/sincereノ. ..」, 402.「Dishonest/insincere∫,
・・」),背後の分布に連続性を仮定しているとものと思われる。しかし,本 稿の目的は政治家を判断する際の基準を探し出すことにあるため,どういうカ テゴリーに反応しているかを知ることが重要であって,その内容がプラスであ るかマイナスであるかについてはあまり関心がない。従って本稿においては,
ωで述べた方法により両者を一つのものにまとめる方が妥当であると考えた。
本稿で用いたデータの解析法を,ここにまとめておく。
(1)選択肢法による質問と属性とのクロス集計
②選択肢法による質問同士のクロス集計
㈲各カテゴリーの単純集計
(4)各カテゴリーと属性および,各選択肢法による質問とのクロス集計
㈲カテゴリーを変数とした因子分析
ただし本稿の目的および終面の都合上,{11,②の結果については特に取り上げ ないし,(3},(4)の結果にっいても簡単な報告にとどめる。
3.結果と考察 量Φ
カテゴリーは最終的に63個になった。このうち本稿で用いた質問に関するも の1よ48個である。その内盛表311こ示先なおコメントの緻は294個で
あった、(本稿で用いた質問に関するもののみ)。
表3.1
変数番号 ゐテゴリーの内容 カテゴリー番号
1 能力/実力 001
2 クリーン/清潔/汚職 002
3 理想論/現実論 003
4 相手の党に対抗しようとするか/… できるか 004
5 話し方(国政の説明・自分の主張の仕方)の上手さ 005
6 政策に対する能力 006
7 椛ョ政党 007
8 行動力/実行力 010
9 国民・国・庶民のことを考えるか 012
10 疑惑/裏と表 015
11 国民・国・庶民のために働くか 016
12 自分の意見・主張の有無 018
13 決断力/優柔不断 019
14 意欲的/積極的/ヴァイタリティ/無気力 020
15 国際協調 021
L16 外交 022
17 将来のヴィジョン 023
18 政治哲学/政治理念 025
19 弱者・労働者・老人の味方か 026
20 派閥など党内の行動 092
21 行動一般 093
22 消費税 094
23 リクルート問題 095
24 あるグループの利益代表 098
25 根回し 099
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一 カテゴリーの内容 カテゴリー番号
26 金権体質 100
27 年齢 101
28 穏和/笑顔/人当たり/きつそう/冷たそう 102
29 忍耐 103
30 女性/女らしくない/同性 104
31 外見(事実であるもの) 105
32 人格/人間性 106
33 パワー/力強さ/軟弱 107
34 知性 108
35 庶民的 109
36 謙虚/厚顔 110
37 明朗 111
38 立派/見劣り 112
39 潔い 113
40 知名度 115
41 誠実/正直/まじめ/責任感 116
42 信頼感/頼りにならない 117
43 信用/不信/嘘つき 118
44 統率力/気配り 119
45 リーダーシップ/指導力 120
46 口調がはっきりしているか/大声 122
47 はっきりしている(性格) ユ23
48 経歴/出身 124
カテゴリーの持つ範囲が様々であり,上位レベルのものと下位レベルのもの が混在しているが,これはできるだけ被調査者の用いた「言語」を重要視した
ためである。その理由は被調査者が判断の際に用いる枠組みは,自ら選んだ言 語により最も適切に表現されると考えたことによる。
最初にカテゴリーの概観を眺め,それを踏まえた上で因子分析を適用した結 果について述べる。
(1功テゴリーの単純集計および属注選択肢法とのクロス集計
①カテゴリーの単純集計
各カテゴリーの度数は,②で示す表3.2の下段(計)にまとめてある。10回 以上出現したものは,「国民のことを考えるか」(012),「政策に対する能 力」 (006),「クリーン」 (002),「誠実」 (116),「女性」 (104),
「話し方のうまさ」(005),「人間性」(106),「行動力」(010),
「リーダーシップ」 (120),「消費税」 (094)であり,これを見る限りで は多方面にわたっていることがわかる。以後は簡単のために,竹下首相に関す る質問をT,同様に土井委員長をD,首相を選ぶ基準をSで表現することとす
る。
②属性とのクロス集計(表3.2〜表3・5)
ここでの主な傾向は,次の通りである。
男性と女性では判断する側面が異なっており,男性が002,006,012,
120などのように,比較的仕事に関係した面で判断するのに対して,女性は 094,104などのようにはっきりとわかるところで判断しているようである。
一人当りのコメントの個数はどちらもほぼ3,0個で,差は認められなかった。
なお政治家別にも見てみると,男女ともにTにおいては005,Dにおいては 104が多いのに比べて,Sにおいては男性が圧倒的に012であるのに対して,
女性は002,006,106,116に分散しており,大きな違いが見られた。
年齢別では,一人当りのコメントの個数が最も多いのは20代前半(4.3個)
で,20代後半(2.5個),30代(2.0個)となるにつれて少なくなり,40代
(2β個),50代,60代以上(ともに2.9個)でまた少し増えてくるという傾向が 見られた。20代前半には,職業別のところでみるようにコメントの個数が多い 学生が属するためであると思われる。
学歴による違いのパターンとしては,005,006,012,106のように学歴 が高くなるにつれてコメントが多くなるものと002,094,116,120のよう にまん中で多くなるものがあった。大学卒業者が主に政治における一般的な能 力や抽象的な人間性で判断するのに対して,高校卒業者は実際に起きているこ とがらや具体的な人間性で判断しているようである。学歴が高くなるにつれて 一人当りのコメントの個数が増える。中学卒業者はあまりコメント(2個)し ないが,他のグループ(高校(3個),大学(4個))より多かった(少なく なかった)ものは016,026,100であった。
職業別では,一人当りのコメントの個数にかなりのバラツキが見られた。最
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高橋:質的データの解析に関する一考察 33
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