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別添4-3

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Academic year: 2021

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別添4-3

厚生労働科学研究費補助金(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)

分担研究報告書

抗菌薬適正使用に関する教育・施設における抗菌薬使用ガイドライン作成・普及に関する研究

研究分担者 鈴木圭 三重大学医学部附属病院 救命救急・総合集中治療センター 助教 感染症内科 副科長

研究要旨

初年度において抗菌薬適正使用の理解と、初学者が感染症診療の基本を学ぶための教育プログラム

(MiMID: Mie Master Course of Infectious Diseases)を開発した。本年度はこのプログラムを用いて 初期研修医に向けた研修会を

2

回開催した。また、これをもとに標準的な感染症診療・抗菌薬適正使用の 基本的事項をまとめた手引きをハンドアウトとして取りまとめ、地域における研修会を

1

回開催した。

本研究が地域における感染症診療・抗菌薬適正使用のへの認識共有化に寄与し、感染症初学者に対して 感染症教育を行う際のガイドとなり、さらに広域な地域のネットワークで普及し発展していくことが期 待される

A.

研究目的

薬剤耐性(AMR)対策アクションプランにおいて、

地域の病院と多くの医療機関が連携した感染症対 策の総合的なネットワークの構築が求められてい る。実際に、平成

24

年度の診療報酬改定により感 染症対策の地域連携が全国で加速してきているが、

これは、大学病院などの基幹病院を中心とした数 病院単位での医療機関連携の枠を出ておらず、

AMR

対策アクションプランが求めている、より広域な ネットワーク構築には依然として届いていないこ とが多い。

この流れに先んじて、三重県では平成

26

年度よ りさらに広域な感染症対策支援ネットワークを構 築すべく準備を始め、平成

27

年には三重県感染対 策 支援 ネット ワー ク(

Mie Infection Control Network

:MieICNet)の発足に至った。MieICNet では、(1)アウトブレイク時における支援、(2)

感染対策に関する相談支援、(3)微生物サーベイ ランス事業、(4)微生物検査の支援、(5)抗菌薬 サーベイランス事業、(6)情報発信及び感染対策 研修会の開催を6つの柱として活動してきたが、

AMR

対策アクションプランで示された

6

分野の

1

つである「普及活動・教育」や「抗微生物薬の適正 使用」への対応は、感染症診療を担う医療者の感 染症の基礎的知識の習熟度やニーズにも差が存在 していることもあり十分とはいえなかった。

上記の状況を踏まえ、本研究では抗菌薬適正使 用の理解と、感染症診療の基本を学ぶための教育 プログラムを開発し、感染症対策・治療の均てん 化に寄与するとともに、実際的な手引きを開発・

作成することを本研究の目的とした。

B.

研究方法

本研究の実施にあたっては、研究代表者、分担 研究者のほか、本研究で作成される手引きを実際 に活用する医療関係者、およびこれを校閲できる ものからなる研究班によって検討を行った。本年 度の本分担研究班のメンバーは以下の通りである。

氏名 所属

田辺 正樹 三重大学医学部附属病院 感染制御部・感染症内科

60

(2)

鈴木

三重大学医学附属病院

救命救急・総合集中治療センター・

感染症内科

髙橋 佳紀 三重大学医学部附属病院 感染制御部・呼吸器内科 谷崎 隆太郎 名張市立病院 総合診療科

今井 三重大学医学部附属病院

救命救急・総合集中治療センター

新居 晶恵 三重大学医学部附属病院 看護部・感染制御部

山崎 大輔 三重大学医学部附属病院 薬剤部・感染制御部

中村 明子 愛知医科大学医学部附属病院 中央検査部・感染制御部

安田 和成 三重大学医学部附属病院 中央検査部・感染制御部

本年度は、初年度に立ち上げた感染症教育プロ グ ラ ム (

Mie Master Courses of Infectious Diseases: MiMID)の資料を班員により相互チェッ

クすることで、さらに質の高いものに発展させる こととした。初年度同様に研修会を開催するとと もに、対象を初年度の初期研修医から地域の医療 従事者まで拡大を狙うこととした。

(倫理面への配慮)

研究実施にあたり、個人情報の使用や介入等は なく、特段倫理面への配慮は必要としない。

C. 研究結果

1.MiMID

本年度は初期研修医を対象として合計

2

回の研 修会(第

1

回:平成

30

7

17

日、第

2

回:平

30

9

13

日を開催したほか、地域の医療従 事者、特に

ICT/AST

活動を行っている医療者に対 象を拡大した研修会(第

3

回: 平成

31

3

月16 日)を開催した(図

1)

図1 MiMIDのパンフレット

1

回では

1)臨床感染症の考え方、 2)臨床的に

重要な微生物、3)代表的な抗微生物薬の使い方・

考え方①についての研修会を実施した。1)臨床感 染症の基本では、患者(宿主)のどの臓器に、どの ような微生物により、どのような感染症を生じる のか、そして、どうやって治療して、フォローする のか、という臨床感染症学の基礎について具体例 を挙げて講演を行い、2)臨床的に重要な微生物で は、グラム染色性をもとに大別した実臨床で遭遇 しやすい細菌について微生物の観点からの解説を 行った。3)代表的な抗微生物薬の使い方・考え方

①では抗菌薬の切り口から実際に処方されること の多い静注用抗菌薬の実臨床的な使い方について 研修を行った。

2

回では

1)知ると得する耐性菌のはなし、 2)

代表的な抗微生物薬の使い方・考え方、3)pK/pD に基づく抗菌薬適正使用についての研修会を実施 した。1)知ると得する耐性菌のはなしでは第

1

の臨床的に重要な微生物の内容を踏まえて、昨今

61

(3)

問題となっている耐性菌についての知識を深め、

2)代表的な抗微生物薬の使い方・考え方②では経

口抗菌薬や抗真菌薬の実臨床的な使い方について、

3)pK/pD

に基づく抗菌薬適正使用では実際の処方

について研修を行った。

1

回では

42

名、

2

回では

23

名が参加した。

主たる対象者とした初期研修医のみならず、医学 科学生から薬剤師、看護師、検査技師などの多職 種からの参加があり、研修会終了後に実施した満 足度を問うたアンケート調査結果(図

2)からはお

おむね高い評価を受けることができた。

2 MiMID

の満足度調査結果

3

回は、第

1

回、第

2

回の内容を半日で網羅 的に学習できるプログラムとし、医師会等を通じ て三重県全域に周知し、合計

128

名の参加を得る ことができた。113名(医師 29、 看護師

33、薬

剤師

27、検査技師 20、その他 4

名)からアンケー

ト結果を得た。医師の卒後年数としては、初期研

修医

15%、 3

年目~10年目が

9%、 11

年目~20年目

18%、 21

年以降が

58%と、ベテランの医師が多く

参加する会となった。セミナーの難易度について、

理解できた・概ね理解できたとの回答は

78%、今後

の診療に役立つ・概ね役立つとの回答は

83%との

結果であり、概ね好評と考えられた。

2.抗菌薬適正使用・感染症診療の手引き

上記

MiMID

の内容について、班会議を合計

2

MiMID

に先立ち、あるいは同時に行い、班員により

内容の相互査読を行い、MiMID の内容をもとに標 準的な感染症診療・抗菌薬適正使用の基本的事項 をまとめた手引き(MiMIDハンドアウト 2018)を 作成・冊子化し、前述の第

3

MiMID

から配布を 開始した(資料3)。また、研修会に参加せずとも 資料を閲覧、使用できるようにこの内容をウェブ サイトで公開し、無償でダウンロードできる環境

( http://www.mie-

icnet.org/lecturedetail/900/ )

D. 考察

本年度は標準的な感染症診療と抗菌薬適正使用 を理解するための教育ツールの確立とその実用を 目指し研究を行った。この軸となったのは昨年度 から開発に着手した教育プログラム(MiMID)であ る。感染症診療支援ネットワークを構築しつつあ る地域は珍しくはないが、感染症教育や啓発活動 をこのネットワークの取り組みとしておこなって いる地域は依然として少なく、本研究における独 創的な点といえる。昨年度はこの教育対象を将来 的な感染症診療を支えていく主役となる初期研修 医としたが、本年度は地域での取り組みを重視し、

この対象を地域へと拡大した。昨年度からのアン ケート結果より

MiMID

プロジェクトの確かな手応 えを感じる一方で、問題点や課題も浮き彫りとな ってきていた。それは、1)教育プログラムの提供 方法、2)対象とする医療関係者の選定、3)周知方 法である。

0 0 4

14 24

1 2 3 4 5

第1回:内容の満足度

(不満1<5満足)

0 0 1

9

13

1 2 3 4 5

第2回:内容の満足度

(不満1<5満足)

62

(4)

教育プログラムの提供方法は、本年度は

MiMID

プロジェクトを中心に年

3

回の研修会形式を取っ たが、第

1

回、および第

2

回は分割で行った

off the job training

であり、受講者に十分な受講の 機会を提供できたとはいえない状況である。アン ケート結果より、感染症に興味を持つ医療者は多 く存在することが分かったが、感染症診療や、抗 菌薬適正使用を指導できる感染症専門医は全国的 にも不足しており、三重県では平成

31

1

月時点

20

名しかいない。このうち、教育病院に所属し ている感染症専門医となるとさらに少なくなる。

この現状を踏まえ、本年度は第

1

回および第

2

の内容を

1

日で習得できる半日コースを第

3

回と して開催した。

しかし、本研究のメインテーマである、地域に おける感染症対策の総合的なネットワークの構築 のためには、この教育のネットワークをさらに拡 大していく必要がある。このために、本年度は本 教育プログラムを、病院勤務医や、第一線で診療 を支えている開業医師などにも生涯教育として提 供した。来年度以降は、本プログラムを修了した 医療者によって、本プログラムがさらに地域で拡 大・習熟されていくことが期待される。

研修会のみでは教育プログラムの周知としては 不十分である。よって、本年度は

MiMID

プロジェ クトを受けて手引き(MiMIDハンドアウト

2018)

を作成し、これを効率よく周知させるために、イ ンターネットを用いた配布や、冊子化などを行っ た。来年度は、これらのツールをさらにブラッシ ュアップするとともに、プログラム修了者がこの 資料をもとに「講師」として各地域や医療施設で

も活用できるように解説を加えたプレゼンテーシ ョン資料を作成する予定である。

E. 結論

AMR

対策アクションプラン策定を受け、地域に

おける感染症対策の総合的なネットワークの構築 の一環として、抗菌薬適正使用の理解と、感染症 診療の基本を学ぶための教育プログラム(MiMID) を開発し、手引き(MiMID ハンドアウト

2018)を

作成し、公開・冊子化を行った。

F. 研究発表 1.

論文発表

なし

2. 学会発表

Suzuki K, Ikejiri K, Tanizaki R, Arai A, Nakamura A, Imai H, Tanabe M. Regional education program for improvement the outcome by virtue of the proper use of antimicrobials.

The 17

th

Asia Pacific Congress of Clinical Microbiology and Infection (Hong Kong), (2018.

9)

G.知的財産権の出願・登録状況 1. 特許取得

なし

2. 実用新案登録

なし

3. その他

なし

63

参照

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