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文庫はいかにして形成されるか

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(1)

◆はじめに

三島市郷土資料館所蔵の勝俣文庫は︑伊豆国佐野村︵現静岡県三島市︶

の名主・勝俣家の蔵書である︒その家系には明治期に全国的に知られた俳

人・滝之本連水がおり︑彼の蔵書としてよく知られてきた︒連水について

は︑この蔵書を用いて︑はやく長谷川福太郎﹃岳南の俳譜人伊豆佐野の人

滝のもと連水﹄︵昭五十二年三月三島市郷土館︶がその俳業の全貌を

明らかにし︑森澤多美子﹁素描・滝の本連水I芭蕉を愛した明治俳人﹂

︵﹃江戸文学の冒険﹄︿平成十九年三月翰林書房﹀︶は︑明治俳埴という

視野から︑その俳人像を描き直している︒

蔵書の全貌については︑﹃勝俣文庫目録﹄︵昭和五十九年三月三島市郷

士館︶によって整理されている︒この目録を一見すれば分かる通り︑勝俣

文庫は俳人の文庫だからといって俳書ばかりが集まっている訳ではなく︑

バラエティーに富んでいる︒井上泰至﹁写本軍書の機能﹂︵﹁日本文学﹂平 文庫はいかにして形成されるか

l三島市郷士資料館蔵勝俣文庫の蔵書目録三点

器キーワード

近世文学・蔵書形成・俳譜・実録体小説・三島市郷土資料館勝俣文庫

成二十六年十月日本文学協会︶および同﹁蔵書調査から見えてくる文芸

享受の風景l身分社会における自己存在証明の視点からl﹂︵﹃調査研究報

告﹄三十五︿平成二十七年三月国文学研究資料館﹀︶は︑実録体小説が

多く所蔵されるという特色に注目し︑﹁軍書のなかの︑もっぱら娯楽の機

能がこの階層には働いていたからと想像できる﹂とした︒

こうした先行研究に加えて︑本稿では︑勝俣文庫を﹁文庫の形成史﹂と

いう点で考え直したい︒というのは︑近年あらたに︑幕末︑維新直後︑戦

後と時代を異にする蔵書目録が三部確認されたからである︒これら時代の

異なる目録を比較することで︑勝俣家の蔵書に︑どのような本が︑いつ加

えられたか︑という点が明らかになると考える︒このことは︑文庫の形成

史という文化史研究テーマに︑一つの有効な材料を与えてくれるだろう︒

以下本稿は︑勝俣文庫における三部の目録の概要を示して考察を加え︑

さらにその翻刻を付す︒ 勝又基

49

(2)

①嘉永七年︵八五

四︶目録11父と連

水前半生の集書

︻編者と成立年︼

巻末に﹁嘉永七寅年/閏

七月吉日改之/豆陽伊豆佐

野村/滝の入/勝俣花岳山

人﹇印﹈﹂とある︒ここから︑

編者が連水の父・常昭であ

ること︑嘉永七年︵一八五

四︶に一旦完成したものだ

ということが分かる︒

常昭︵直衛門・花岳・和

水とも︶は文化元年︵一八

○四︶生︑安政六年︵一八

五九︶四月十五日没︑五十

六才︒この目録が一応の完

成を見た嘉永七年︵一八五

四︶の時点で︑常昭は五十

六歳︵ちなみに連水は二十

◆蔵書目録の概要

』趨鍵塞識鬼鐙一一

■ 手

3 . ← .

畳 碗

1

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・ 要

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1

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2

三歳︶︑さらに︑この目録を編んだ五年後の安政六年二八五九︶に︑六

十一歳で没している︒つまり︑連水の先代・常昭の晩年までの集書が記さ

れていると見なすことができる︒

ただし目録を見ると︑各部の末尾に別筆で︑嘉永七年以降に入手した書 物が書き加えられている︒もっと言えば︑常昭没後に入手した書物も記さ れている︒これらは︑息子・連水の手によって書き加えられて行ったもの だ︑と考えて良いであろう︒こうした︑嘉永七年以降入手の書物が占める 割合は︑目録全体のほぼ半数におよぶ︵その境目は見分けがたいが︑安政

の年号が記されているところが一つの目安になる︶︒

常昭と連水とで集書傾向に違いはあったかといえば︑そうした傾向はあ まり見出せない︒それぞれのジャンルでまんべんなく買い足している︑と

いう印象である︒

︻ 全 体 と 分 類

三百二十三点を掲載する︒分類は内容別で︑その細目は左の通りである︒

1和漢軍書井敵討物語︵二十点︶2俳書︵五十九点︶3歌書︵四点︶

4諸家騒動井敵討端事︵六十一点︶5浄︵二十五点︶6常盤津︵八

点︶7戯作︵三十四点︶8絵双紙︵三十九点︶9学書︵四十二点︶

加軸物注文覚︵五点︶︑色々伝授秘法之部︵十八点︶皿密書之部︵八

点 ︶

﹁4諸家騒動井敵討端事﹂は︑主に実録体小説を収める︒﹁7戯作﹂は﹃南

総里見八犬伝﹄などの読本や﹃東海道中膝栗毛﹄などの滑稽本を収める︒

﹁8絵双紙﹂は合巻や地口︑川柳︑狂歌などを集める︒例えば同じ馬琴の

50

(3)

作品でも︑半紙本のものは﹁7戯作﹂に収められ︑中本のものはこの﹁8

絵双紙﹂に収められている︒書型が分類の基準になっているようだ︒﹁u

色々伝授秘法之部﹂は︑塵劫記や将棋本︑占い本などが収められる︒吃﹁密

書之部﹂はおもに春本の類である︒

︻各条の記載︼

各条︑基本的に書名と冊数を記すのみである︒ただし中には︑購入年月

日と購入金額を記すものもある︒こうした記載は︑とくに嘉永七年以降に

書き加えられたものに多く見られる︒嘉永七年の時点で︑いまある蔵書を

整理し︑そのあとは︑入手した都度に書き込んだ︑ということであろう︒

︻集書傾向︼

割合を見ると︑﹁2俳書﹂︵五十九点︑一八%︶と﹁4諸家騒動井敵討端

事﹂︵六十一.点︑一九%︶が多いことが注目される︒俳書と実録体小説︑

という勝俣文庫の特色は︑早くから形成されていたことが分かる︒

俳書五十九点のうち︑二十一点は常昭没後に書き込まれたものである︒

常昭の俳譜趣味が︑子の連水へと引き継がれたことが集書の様子からも見

て取れる︒

三島市郷士資料館には浄瑠璃本が二十二点現蔵されているが︑そのうち

の多く︵十五点︶が嘉永七年目録の時点ですでに掲載されている︒浄瑠璃

本は常昭の趣味だったか︒

︻現存書物との比較︼

﹁①嘉永七年目録﹂に掲載された三二三項目のうち︑三島市郷土資料館

勝俣文庫で現存が確認できたのは︑五割弱の一四五点にすぎなかった︒散 ②明治三年︵一八七○︶目録l小説好き少年の集害

︻編者と成立年︼

表紙に﹁明治三庚午年/萬覚帳/豆州佐野村/勝俣清作書﹂とある︒勝

俣清作は連水の長男である︒安政二年︵一八五五︶生︑明治八年︵一八七

五︶一月二十九日没︑二十一歳︒著書に敵討ものの実録体小説﹃敵討田前

豪傑伝﹄︵明治四年︿一八七一﹀成︑勝俣文庫所蔵︶がある︒目録が編ま

れた明治三年の時点で︑清作は十六歳であった︒

︻全体と分類︼

二百九十点を掲載する︒分類はされておらず︑ほぼ入手した順に書き込

まれている︒年次が分かるもので早いのは︑画﹃古戦場誉組討﹄の慶応三 った本がかなり多いということである︒分類別に見ると︑﹁1和漢軍書井 敵討物語﹂に残存が多い︒この部の書物が比較的大切に扱われて来たこと を示すのであろうか︒いずれにせよ︑﹁①嘉永七年目録﹂が︑現状からは 窺い知れない勝俣文庫の過去の状態を考えるために有用な資料であるとい うことが分かる︒

﹁①嘉永七年目録﹂に掲載されている現存本を確認してみると︑当然の

ことながら︑目録の編者である常昭の識語を見出すことができた︒具体的

には薗屡﹃雪明常盤松﹄識語︵文政九年︶︑き﹃わかば帖﹄︵天保三年写︶︑急

﹃俳譜手挑灯﹄︵文政十年二月写︶︑﹄g﹃義太夫奇本﹄︵天保期識語︶など

がそれである︒また︑常昭自身が筆写した書物もあった︒たとえば亀﹃肝

要工夫録﹄の識語には︑﹁嘉永二年勝俣政治郎写﹂とある︒

51

(4)

年︵一八六七︶年︑清作十

三歳の時の集書である︒そ

れから隠函﹃二三復記﹄︵明

治七年︿一八七四﹀十一月

入手︶までが清作生前の集

書と考えられる︒

そのあと﹁明治八乙亥年﹂

﹁明治九丙子年﹂﹁明治十年

丁丑年﹂﹁明治十二年﹂の項

目が立てられているが︑こ

れは遺族︵連水︶による増

補と考えて良いだろう︒

︻ 各 条 の 記 載

書名︑冊数のほか︑購入

年月日︑購入先︑代金を記

す︒たとえば︑

E官許銅版/早字引集

一名/御一新字引

明治五申年二月十 壱冊

五日三島市ケ原堤

屋にて求

代金弐分卜銭三百也 といった具合である︒当時における書物の流通を知る上で有用な資料だろ

う︒なお︑三島に関する条を拾い上げてみると︑次のようになる︒

・堺屋︵三島市ケ原町︶:.多数︒

・堤屋︵三島市ヶ原町︶:.﹄瞳ほか多数︒

・木長︵三島久保町︶:圏︑厨︑鼠︑計ほか多数︒

・木屋︵三島久保町︶⁝g︑震︒木長のことか︒

・常盤屋︵?︶:由困

・香雲堂︵本ケ原?︶:由虐

・関屋︵?︶:由認︑閏Q曽司

・本源︵沼津︶:岩︵此本安政七申年ヌマッ貸本屋原助様へ下本二遣ス︶

・擁萬堂︵沼津︶:由計︑$・

・本浦︵沼津︶⁝臼QgQ隠呉麗食隠喫西日占囲面雪占昌︑国呉葛尾

・木瀬川︵沼津︶.:認︒

・三島大社関連・・・・・$﹁明治三午年十一月十八日三嶋明神之時求之﹂︑爵

﹁明治四辛未年四月廿四日明神︿一文字不明﹀の時木長にて求﹂︑﹄壁

﹁慶応元乙丑年四月吉日神宮二て求﹂︑画g﹁同未ノ霜月廿日明神宮祭

礼之せつ求﹂ほか︒

︻集書傾向︼

目録を作成した清作は︑かなりの小説好きであったらしい︒みずからも 実録体小説﹃敵討田前豪傑伝﹄を著している︒彼の初期の集書は︑実録体

小説︑合巻︑読本の類が多くを占める︒それが明治五年六月に入手した﹄屋

52

(5)

﹃御誓文/御哀翰﹄あたりからは︑己切﹃史略﹄︑﹄虞﹃太政官日誌﹄など

と真面目な本に変わって行く︒明治五年で清作は十八歳︒読書にも責任感

が出てきたということであろうか︒

その一方で︑和歌・俳譜の類はほとんど見えない︒これは本人の性向に

よるところとも考えられるし︑祖父・父の蔵書で十分こと足りたからとも

考えられる︒

︻現存書物との比較︼

﹁①嘉永七年目録﹂と﹁②明治三年目録﹂との区別は︑時代的な違いで

はないらしい︒両目録では若干の例外を除いて︑掲載する書物が重複しな

い︒また︑それぞれの目録に掲載された書物の入手時期を見てみると︑時

代が重なっている︒先にも述べた通り︑﹁①嘉永七年目録﹂の﹁歌書﹂の

部の末尾に記される﹁恩手永波紐鏡﹂は︑﹁右者清作成田山迄参詣之節

東京ヨリ求メキタル明治七戌年四月﹂と注記があって︑明治三年目録よ

りあとに入手されたものであることが分かる︒

では二つの目録はどのように使い分けられていたのか︒それは所有者に

よる違いではなかっただろうか︒﹁①嘉永七年目録﹂は常昭・連水父子が

集めた書物︑﹁②明治三年目録﹂は清作が集めた書物︑と考えると納得が

ゆく︒

③昭和二十二年目録11連水後半生の集書の手がかり

︻編者と成立年︼

表紙に﹁昭和廿二年拾壱月/古和本/蔵書目録/勝俣家﹂と墨書︒編者 筆外類似書類﹂︵百九十一点︶︑3﹁漢書詩文字典類﹂︵百 八十八点︶︑4﹁歌俳国文等﹂︵百二十九点︶︑5﹁歌雑書 数々﹂︵七十二点︶︑6﹁書臓﹂︵六十八点︶︑7﹁宗教外雑書﹂︵七 十一点︶

このうち1﹁稗史小説外類似書﹂は︑読本︑合巻︑実録体小説の類

を収める︒3﹁漢書詩文字典類﹂は漢籍︑辞書のほか﹃日本外史﹄

﹃静岡県地誌﹄などの史書も収める︒4﹁歌俳国文等﹂と5﹁歌

雑書数々﹂とは内容が重複する︒6﹁書續﹂は﹃雅言集覧﹄﹃倭訓栞﹄

のような和語辞典などを収めるが︑4︐5と重複する部分も多い︒ についての記載はな いが︑成立時期から 考えて子孫の作と考 えて間違い無いだろ

︻ 全 体 と 分 類

八百五十一点を掲

載する︒分類は次の

ようなジャンル別で

ある︒

1﹁稗史小説

外類似書﹂︵百

三十二点︶︑2﹁随

§?

、 ̲̲L艇茎雲一

h '−−

−1 1

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、ヨ

■■・0︐4.1.■■I︲4.0■1111■q341Jq■

53

3

(6)

︻各条の記載︼

書名と冊数のみ︒ほかに︑家の中での配架場所を記すらしき記号が赤ペ

ンで書き込まれている︒

︻集書傾向︼

﹁①嘉永七年目録﹂﹁②明治三年目録﹂﹁③昭和二十二年目録﹂と比較し

てみると︑その関係は左図のようになる︒①②に掲載された書物があまり

残っていないことも面白いが︑本稿にとってより重要と思われるのは︑①

②の目録に掲載されていなかった書物が③に多く掲載されていることであ

る︒これは︑明治三年以降にも︑引き続き集書がなされていたということ

を示す︒

そしてこの目録のみに見える書目は︑すなわち連水の俳人としての最盛

期に集められた書物を含む︑ということになる︒先にも述べた通り︑﹁①

嘉永七年目録﹂は常昭の目録を子・連水が書き足したものだが︑その増補

は明治十二年までで終わっている︒連水はその後も明治三十一年︵一八九

八︶に︑六十七歳で没するまで活動する︒つまり﹁③昭和二十二年目録﹂

から﹁①嘉永七年目録﹂︑﹁②明治三年目録﹂︵先述の通り明治十二年まで

の集書を記す︶を引いた残りが︑連水が後半生に集めた書物プラス子孫が

集めた書物︑ということになる︒

ここで連水の俳人としての時間軸について︑先述の森澤稿をもとに眺め

てみよう︒天保三年︵一八三二︶に誕生した連水は︑弘化元年︵一八四四︶︑

十二歳ごろには俳譜を嗜むようになった︒安政五年︵一八五八︶︑二十七

歳で家業を継ぐようになった︒明治元年︵一八六八︶には沼津の俳人・種 玉庵連山から梅室書﹁ は﹃俳家新聞誌﹄に所 七年︵一八七四︶︑四 十三歳の時に俳譜教 林盟社の社員となり︑ 俳譜を通じての教導 にも力を入れるよう になる︒明治二十六 年︑六十二歳の時に は富士山を詠んだ句 を集めた自撰歌集﹃雲 霧集﹄を出版する︒ 明治三十一年︵一八 九八︶に︑六十七歳 で没するまで︑旺盛 に活動した︒とくに 明治二十年代には︑ 俳人として全国的な 名声を誇っていた︒

では︑連水の後半

生から没後にかけて

の勝俣家の集書には︑ 書﹁俳関﹂の変額を譲り受け︑明治二年︵一八六九︶に に所持する﹁鉢たたき﹂芭蕉翁自画讃を紹介した︒明治

③昭和

R51

①嘉永7年目釣

Q◎口汽

41】

②明治3f 290点

54

(7)

どのような傾向が見出されるだろうか︒まず全体を眺めて気づかされるの

が︑この時期に購入した書物の割合の多さである︒全八三一点のうち︑約

四分の三にあたる六三三点が︑嘉永七年目録︑明治三年目録に見えず︑明

治十三年以降に入手したものだということになる︒勝俣文庫の和本群の多

くは︑明治期以降に集められていたのであった︒

新たに集められた書物を分類別に確認してみよう︒﹁書臘﹂の部︵九四

%︒六十四/六十八点︶は︑そのほとんどが新たに入手した書物だと分か

る︒ほかに﹁歌︒俳︒国文︒等﹂の部︵八八%︒百十三/百二十九点︶︑

﹁歌雑書数々﹂の部︵八九%︒六十四/七十二点︶︑﹁宗教外雑書﹂

の部︵八七%︒六十二/七十一点︶に属する書物は︑この時期に多くが購

入されている︒俳人として︑教導職として充実が求められたことは想像に

難くない︒また︑蔵書に見える明治期俳書の中には︑他人の編著でありな

がら︑連水の句が入集しているものが多い︒これらは連水が投句料を納め

て掲載されたものであろう︒連水が俳譜の全国的なネットワークの中で活

躍する過程で︑自然に集まって来たのがこうした俳書たちであったはずだ︒

いつぽうで︑あまり増加していない︑つまりさほど購入しなくなったジ

ャンルもある︒まず典型的なのが︑﹁稗史小説外類似書﹂の部︵四二%︒

五十六/百三十二点︶である︒この部に属する実録体小説︑読本の類は︑

そもそも連水ではなく子の清作が積極的に買い求めていた書物であった︒

そうした個人的な性向の違いもあり︑また年齢的な推移もあったのではな

かろうか︒また﹁漢書詩文字典類﹂の部︵七二%︒百三十六/百八

十八点︶も︑先の小説類ほどではないが︑比較的新規購入が少ない書物で 付記本発表は︑文学研究資料館基幹研究﹁近世における蔵書形成と文芸享受﹂研

究会︵平成二十三年十二月十七日︵土︶於国文学研究資料館オリエンテー

ション室︶における口頭発表﹁勝俣文庫の蔵書目録﹂にもとづくものである︒ ある︒この部の書物は必要がなくなった︑というよりは︑当初から勝俣家 に基本的な書物が備わっていた︑という理由が大きいように思う︒

凡例

・旧字体︑異体字は適宜通行自体に改めた箇所がある︒

・各種の踊り字は適宜開いた箇所がある︒濁点は適宜補った箇所がある︒

・角書などの二行書はそのまま記さず︑改行箇所に/を入れることで記

した︒

・項目中の改行は︑必ずしも忠実に再現していない︒一行空けに代えた

ところもある︒

︒︿﹀は翻刻者による注記である︒

・ルビは︵︶に記した︒ただし笛︑閉︑国璽go︑$︑g輿司興囹い

のカッコは原文に存するものである︒

・古典籍総合目録データベースなどで検索すると︑明らかな文字の間違

いが判明する︒例えば篭﹁寛︿政﹀箱崎文庫﹂︒こうした場合︑現状

を優先させた︒ ︿一﹀目録翻刻

55

(8)

①嘉永七年目録

和漢軍書井敵討物語 ︿表紙に書付なし﹀

唾太平記剣之巻マデ四拾壱冊之所合巻弐拾壱冊 豆則太平記二十一ヨリ三十六マデ合巻拾冊 .③昭和二十二年目録は︑各条の上に赤ペンで﹁東側﹂﹁は﹂などと記

した書き込みがある︒架番号を示したものと思われるが︑省略した︒

.◇印を冠したのは現存本で確認できない書物である︒また︑③﹁昭和

二十二年目録﹂のみ︑﹁①嘉永七年目録﹂にも見える書物に﹁嘉﹂の

記号を︑﹁②明治三年目録﹂にも見える書物に﹁明﹂の記号を冠した︒

どちらにも見えない書物には◆印を冠した︒

・ただし︑右の同定調査は完壁なものではないことをお断りしておく︒

現存本の調査も未完成であり︑①②③目録の記述も︑同定を妨げる不

確定要素が多いからである︒たとえば書名を忠実に写したものでない

場合がまま見られ︑同書名でも買い直しなどによって別本だという可

能性も考えられる︒よってあくまでも︑目録と現存本との関係を考え 能性も考えられる︒よってあくまでも︑目録と現存一

るための参考として扱っていただければ幸いである︒

③関東古戦録拾冊

此代金壱分二朱ト銀壱匁五分

嘉永三戌年八月吉日求之 ︽頼光一代記三拾冊之所/合巻/拾冊 唖鎌倉見門志

初編三拾巻之所/合巻/弐拾冊/拾巻ヨリ弐十まで合冊ナリ

弐編弐拾五冊

三編弐拾五冊

〆七拾冊嘉永二酉歳九月吉日求之

此代金弐分弐朱也

﹃絵本義経一代記五冊 ︑曽我物語

此代金壱分也

内なしまけ

嘉永四亥年八月吉日求之 此代金弐分也 嘉永四亥年五月六日求之

56

(9)

◇己残太平記銀八匁一

金弐朱四百七十也

此本安政七申年 銀八匁二 ︑真書太閤記

初編三拾冊之所/合巻/拾冊

弐編弐拾九冊/三四合冊ナリ

③厭蝕太平楽記三拾冊之所/合巻/拾五冊 五編三拾冊 六編三拾冊 七編三拾冊 八編三拾冊之所/合巻/拾五冊 九編同/拾五冊 拾編三拾冊 拾壷編三拾冊 拾弐編三拾冊之所/合巻/拾冊 〆三百六拾冊全 弘化四巳年/二月吉日求之 此代金四両壱分ト六百八十四也 三編拾五冊 四編三拾冊

下 ル

拾弐冊

底関ヶ原軍記大全全本/三拾弐巻 届天草軍記大全弐拾参巻之所/合巻/七冊 届絵本通俗三国志

初編拾冊

弐編拾冊 三編拾冊

四編拾冊

五編拾冊 六編拾冊

七編拾冊 八編五冊

〆七拾五冊

嘉永七寅とし

正月求之 代金弐両弐分也 匡豊臣鎮西軍記拾五冊

此代金壱分弐朱ト○六百四弘化四未年三月吉日求之 正月ヌマッ貸本屋原助様へ下本二遣ス

57

(10)

◇弓増補和漢軍談紀略考大串

安政七庚申年正月二日求

代三匁 和漢軍談紀略考大成

畠本願寺大秘録石山軍記三十冊

同後編三十冊之所/合巻/十五冊

同申年五月十五日二求 勗嶋津琉球軍精記廿七冊之所/合巻/六冊全

同年十二月吉日求 扇真田三代実記

初編三拾冊之所/合巻/拾五冊 初編

代金弐分弐朱成 代金壱両壱分也 四編合巻/拾五冊 五編同/拾五冊 〆百五拾冊之所/合巻ニシテ百五冊全本 安政三辰年七月求之 弐編 三編 三拾冊 三拾冊

小本壱冊

◇圏俳譜論語集以呂波伝大和言三色合巻壱冊 ◇侭つるいちご壱冊 俳書

誤蕉門秘伝葛藤集壱冊 闇おだまき綱目弐冊 隠あすならふ弐冊 g朝鮮征伐記四拾弐冊

元治元甲子年六月吉日求之

〆金壱両壱朱也

弐百︿数文字不明﹀

曽俳譜七部集七冊 ご朝鮮物語三冊

文久元酉年九月吉日求

代銀六分也

58

(11)

◇喝諸催主諸判者四季之出板写本小本四冊

◇g春と秋壱冊 ◇圏葛才扇壱冊 ◇路するか舞壱冊

◇箇俳譜苔の華壱冊 ◇筐俳譜うたまくら壱冊

◇患星喜庵北因先生春帖壱冊 ◇鵠波羅蜜口占壱冊 ◇段芭蕉翁発句集上下弐冊

◇笥同同壱冊 困俳譜初心抄壱冊

◇亀月花鳥壱冊 ◇念諸催主諸判者四季之出板六冊 ◇忠北元句集壱冊 ◇囹大白堂孤月先生同壱冊

畠名所発句集二篇壱冊 念諸催主諸判者四季之出板写本壱冊 急俳譜手挑灯弐冊 虐今人俳譜図会初編壱冊 慮今人五百題弐冊 造故人五百題弐冊 きわかは帖壱冊

59

(12)

◇留寛保四甲子歳旦壱冊 ◇図寄道まさきのかつら端本第五壱冊 ◇忠俳譜線衣一 ◇圏伊豆拾二歌仙附録壱冊 ◇望壬生山家集壱冊 ◇圏歳旦帖壱冊 ◇圏たんかしう合巻壱冊 ◇臼俳譜百人一首見立図会壱冊

紹俳譜今七部集小本弐冊

安政三辰年卯月吉日求 g御くりや集壱冊 お屏風形画頌壱冊

◇g俳集良材集氷壷撰春之部弐冊

同日求代金壱朱 ◇曾俳譜安政五百題代金壱朱俳禅居墨芳撰弐冊

安政六未年十一月酉の市祭礼之節求

◇g掌中俳譜安政附合集壱冊全

同年十二月三日求︲↓

代銀四匁五分

為誰巷由誓閲

栢隠新甫撰

米仏苣麿校

嘉永六丑とし正月日

︿三文字不明﹀

震木の葉寵小本壱冊

代弐百九十弐也 g今人五百題氷壷撰弐冊 代五百也

60

(13)

◇ざ千弐百題集弐冊・

文久三亥年四月吉日求

代銀七匁五分〃;好 爵俳林良材集夏秋冬六冊

万延元申年十一月求

代金三朱也

g俳譜歳時記栞草

万延元申年

十一月吉日求之

代金壱分二朱也

昆海内人名録弐冊

同年同月同日求之 弓今人附合集弐冊

万延元酉年六月比求

g鶉衣六冊

文久元酉年九月吉日求

代金弐朱也 五冊 ◇ごさふれ貝懐中本壱冊

文久三亥年霜月吉日求之

代金弐朱也

◇割俳譜玉葵集壱冊 計俳譜一串抄壱冊

同年同月

代金弐朱ト弐百四十八也 忌俳譜秘伝白砂人集一冊

井二七部冬之日荘丹ノ書二而註解一冊

同年同月 代金壱朱也 囹芳草集

同年同月

代金三朱ト三百四十八也

鑿棗塞

圭一

蓋垂董

耳九

ゴー冊

61

(14)

諸家騒動井敵討端事 ◇麗手永波紐鏡折本 ◇g園圃抜菜弐冊 歌書 ◇司俳譜七部集薄葉摺小本壱冊

笛言葉玉の緒七冊 臼消息文例弐冊

代金 ご蕉門中興俳譜一覧集一冊 認四季之持扇薄葉摺一冊

代 右者清作成田山迄参詣之節東京ヨリ求メキタル明治七戌年四月 代金 代金

◇g伊賀越敵討三冊 ◇沼祐天功徳記九冊之所合巻五冊 ◇囹慶安賊説弁拾冊之所合巻八冊

此代金弐朱也

嘉永二酉年十月吉日求之

巴但石実記三十冊

安政六丑年四月求

此代金弐分ト三匁 亀大久保武蔵鐙三十冊之所合巻拾五冊 g賊禁秘誠談拾冊之所合巻五冊 閉絵本忠臣蔵前編拾冊

同後編拾冊

此代金二朱ト四百七十弐也 霞赤穂精儀内侍所二十四冊之所合巻拾弐冊

62

(15)

◇患仮名性理壷冊

◇g麻布忠誠録壷冊

◇S﹄大岡忠相政要実録八冊之所/合巻/壱冊 褐和州非人敵討五冊 霞桟橋物語五冊之所壹冊 畠一体はなし三冊 亀肝要工夫録壷冊 農宗祇怪談壹冊 湯八百屋お七実録弐冊

﹄s諸国/奇談東遊記

同後編五冊 ﹄g中山東物語弐冊之所合巻壷冊 ◇己︑安明間記三冊 ◇﹈目敵討江戸紫拾冊之所合巻壱冊

◇﹄巨絵入笠松︿虫損﹀同壱冊全 ◇旨竺且三嶋伝記壱冊 ◇Sm熱海温泉図彙壱冊 ◇﹄S不知翁の物語壱冊

旨︒絵本年代一覧小本壱冊 ﹈辰中山東物語合冊壱冊 ﹄g松田氏女敵討壱冊 同西遊記五冊 同後編五冊 此代金弐朱ト五百八十三也 嘉永五子年十二月吉辰求之

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(16)

◇旨画慶天間記全本廿五冊︑

安政七庚申年/二月吉日求

銀︿数文字不明﹀文久元年 文久元年 ◇旨︑切支丹来朝実記壱冊

安政三辰年十二月求

旨の安政見聞志同三冊 巨司皿屋敷厳秘録全本拾五冊

安政六未ノ年十一月酉之市之︿二文字不明﹀求

中本共代金三朱 ﹈扇万国新話五冊 旨心奥平報響宇都之宮金の清水写本五冊全

安政二卯年十月日求代三百三十也 屋四同宮本武勇伝同弐冊全 匡画絵入三庄大夫同壱冊全

安政四巳年五月求

酉歳九月下本二遣ス ◇﹄圏後藤英勇伝三十冊

万延元申年十二月吉日求之

代金三朱下本年二致ス/百也 ﹄圏武家女鑑六冊

万延元申年八月一日求

代金銭五百也 届C安政見聞志三冊

同年閏三月日

代金壱朱

﹄膿下村実記拾冊

文久元酉年九月吉日求

代銀五分也 届函奇説著聞集弐冊

文久元酉年九月吉日求

代三百也 同年同月 代金壱分ト銀弐匁

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(17)

届︑北野実記

同年同月求

﹄喝源氏一統志拾冊

文久二戌年四月吉日求

代銭六百也 届③安政見聞録

同年同月求

代金壱朱

﹈麗慶安前秘録拾弐冊

文久二戌年閏八月吉日求

代銀六匁

届︑岩城実記拾五冊

文久二戌年十月吉日求

属・亀山話拾冊

同年同月同日 代銀廿五分也 代金壱分也 廿五冊

全部/三冊

届︑燕石雑志六冊

元治元乙丑年二月日求之

代金壱分二朱也 国哩嘉多比沙志前三冊/後三冊

元治元子年六月吉日求之

代金壱分也

届心武辺話聞書三冊

慶応元乙丑年

四月吉日神宮二て求

代金三朱也 ﹈g扶桑皇統記拾弐冊

同年同月同日

代銀四拾五匁 ﹄望同積翠閑話四冊

文久三亥年四月吉日求

代銀七匁五分 代銀七匁

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◇届︑奇人百人一首壱冊

巨禅僧より貰ウ

﹈造大岡政誉談

代金壱両也 辰︒大伴金道忠孝図会前

慶応三卯年七月吉日求 前 届里休禅師一代記

慶応三卯年二月

代金壱分壱朱也 ﹈亀列女百人一首壱冊

同年同月

代金壱朱也 ﹈患秀雅百人一首壱冊

慶応三卯年二月吉日

代金壱朱也

同年同月同日求 三拾冊 絵入/五冊︵一文字不明﹀

編五冊/後編六冊

◇﹄急倭仮名在原系図全/壱冊

嘉永六丑年九月求代壱百也

浄 ﹄食増補仙台萩二拾四冊

代金弐分也

明治四辛未年十二月十五日

三しま市ケ原堤屋二て求 底い宮本/佐々木武勇伝前編二十冊/後編二十冊

代金壱両也

明治二巳年四月廿八日求 辰画石見武勇伝前編二十五冊/後編二十五冊

代金弐両也

明治参午年正月廿一日求

﹄含小野道風青柳硯同/壱冊 ﹄急仮名手本忠臣蔵揃/壱冊

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◇﹄お妹背山婦女庭訓同/壱冊

◇﹈圏内助手柄渕壱冊 ◇届画常盤御前/熊野御前姫小松子日の遊壱冊

◇勗函大友/兼道真鳥壱冊 届︒義仲勲功記同/壱冊 ﹈も清和源氏十五段同/壱冊 扇﹈恋娘昔八丈同/壱冊 ﹄豊三浦大助紅梅鞠作者長谷川千四/文耕堂壱冊

﹄留比良御陣雪枡形壱冊 届﹃菖蒲前操弦壱冊 扇①ひらかな盛衰記壱冊 ◇扇四先代萩/御厩段抜本/壱冊

扇里ノ谷嗽軍記新式也/通本/壱冊 扇の赤澤山伊東伝記壱冊全 息﹃菅原伝授手習鑑全本/壱冊 届︑絵本太功記七シ目/孫市切腹段/同十段目/尼ケ崎之段同/全巻 壱冊 ﹈震伊賀越八シ目/岡崎雪降之段同/壱冊 ﹄g阿漕浦平治住家之段同/壱冊 ﹄呂奇せ本大巻/八冊 扇﹄伊勢平氏年々鑑壱冊 届︒苅萱桑門筑紫課壱冊 ﹄沼軍法富士見西行壱冊

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(20)

◇昌司︿数文字不明﹀八百屋お七/鈴ケ森之段/同居宅之段/同道行之段

合巻/壱冊 ◇弓②勢津︿一文字不明﹀屋に/西行東下都之段/牡丹︿一文字不明﹀

同品川之段合巻/壱冊 ◇﹄囹倭仮名色七文字/桃太郎合巻/壱冊 ◇︺ご四十八手恋所訳壱冊 常盤津 ◇弓・積恋雪関扉弐冊

弓︑同奇せ本小本/一冊 ﹄昼常盤津色々/奇せ写本大巻/壱冊 ﹄圏花吹雪富士菅笠壱冊 安政六未とし/三月吉日求

戯作 ︿二行抹消﹀

﹈園近世怪談霜夜星種彦著/五冊

拾拾拾拾拾拾九八七六五四三弐初南 五四三弐壱編編編編編編編編編編総

編編編編編 里

見 五五五五五七六十七六五五五五五八 冊冊冊冊冊冊冊冊冊冊冊冊冊冊冊犬 伝 曲 亭 馬 琴 篇

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(21)

◇一農闇路提挑灯壱冊 昂﹄岐蘇道中/膝栗毛同作/弐拾五冊 畠︒東海道中/膝栗毛十返舎一九箸/拾八冊 ﹄困巨/勢金岡名技伝優二館主人著/六冊 畠画雲妙間雨夜月曲亭馬琴著/五冊 ﹄霞斯波遠説七長臣江戸梅暮里谷莪著/六冊 扇︑浅間獄面影草紙柳亭種彦著前編/後編八冊全

拾拾 八七 編編 五五 冊冊

拾六編五冊

安政六丑とし四月求 拾九編五冊

代金四両也 〆百六冊全

〆四拾三冊

◇﹈患色々井連古写本壱冊 ◇﹄置傾城買四十八手壱冊全 ◇こい古実今物語三冊 ◇﹄縄雨夜噺壱冊 ◇﹄麗日高川式亭三馬著/弐冊

﹈謂青/楼阿蘭陀鏡五冊 こ﹄新累解脱物語同/五冊 屍ゴー日月おせん南倦笑楚満人著/六冊 ﹄g復/響奇談稚枝鳩同/五冊 ︺$青砥藤綱模綾案曲亭馬琴著/五冊

嘉永七寅とし二月求

代金壱分也

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(22)

◇画臼紅絞/続編紅花志中本六冊

安政三丑年霜月日求之

万延元申年八月一日下本二遣ス ◇﹈弓心学いろはいましめ壱冊

9m伊達/模様錦廼桂松亭金水作/同/拾弐冊 画晨秋雨はなし同/六冊 画g孝女/貞婦梛真都溺喜為永春水作/拾弐冊

同年同月日 9画向顔/相見其小唄恋情紫為永春水/拾五冊

同四午年四月求 画g松竹梅/壷前栽多気競江北三亭春馬著/中本/拾五冊 ﹈g風月/花情春告鳥為永春水著/中本/拾五冊 ﹄圏傾城/此糸蘭蝶記鼻山人著/九冊

同断 ◇陣g秋色/艶麗処女七種為永春水作/同/廿壱冊

同未ノ霜月廿日明神宮祭礼之せつ求代之︿一文字不明﹀者厳秘録二

記ス 万延元申/年八月一日絞花志六巻五百二て下本に遣ス

画S春色雛之梅同作/拾五冊

安政七庚申年正月二日求

代金弐朱

巴っ菌の朝顔中本/拾八冊

文久三亥年四月吉日求 g呉ロ原仮宅/雑談日記天之浮橋全部/六冊

安政七申年閨三月中旬求

閏三月朔日年号万延元年ト改元アリ

代金壱朱也 9m春暁八幡佳年同作/全本拾五冊

安政七申年正月下旬求

代銀六匁五分 同年霜月日求

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(23)

◇曽望一十四孝画抄同/壱冊 絵草紙

◇巴函敵討白鳥関曲亭馬琴/壱冊 ◇国司復讐妹背山物語山東京山作/壱冊 ◇圏翌日羽/丹七女郎花職粟嶋柳亭種彦著/弐冊 函届小栗一代記全/弐冊 噛巨妖狐後日調絵草紙/

慶応三卯年二月吉日求

代金壱分壱朱也

絵草紙/

国②八幡太郎一代記美図垣笑顔箸/三冊 画辰雪明常盤松十返舎一九著/弐冊 代銀拾匁

拾冊︿一文字不明﹀

◇隠垣忠臣再講釈弐冊 ◇圏︑道戯百人一首壱冊 ◇画喝誹風柳多留弐冊 ◇圏②紅白菊蝶の曲舞柳泉亭種正作/弐冊 ◇圏︑小稲/半兵衛花筏月浮船式亭三馬作/弐冊 ◇画隠小脇差夢の蝶鮫柳亭種彦著/弐冊 ◇隠四仔算女行烈市川団十郎作三冊 ◇画隠店絃緒連弾三亭春馬著/三冊 ◇隠邑うきよことわざくさ十返舎一九著/壱冊 ◇闇昌休狂歌問答壱冊 国④信田扶手白猿牽曲亭馬琴著/三冊

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◇画路伊勢参大和路壱冊全 ◇圏②弁慶状武勇封同/壱冊 ◇唖署太平記剣巻同/壱冊 ◇圏︑金神長五郎忠孝話同/壱冊 ◇麗心源氏山源次郎端本/壱冊 ◇麗四出世娘端本/壱冊 ◇麗塁日模様娘評判記山東京山作/三冊 ◇圏︒上州機筆綾錦柳亭種彦著/三冊

膿︒傾城水耕伝五編曲亭主人著/三冊 闇︑絵本通俗三国志同/壱冊 画隠殺生石後日怪談曲亭主人作/弐冊

学書 ◇いおちよほぐれちよんがれ弐冊 ◇函茜地口絵手本壱冊 ◇画虐類題狂句柳の露壱冊

農◎おほつえぶし三篇/壱冊 暖め度々一総まくり/度々一図会/三新度々一/吉原度々一四冊 画含蜀山人狂歌図会壱冊 画急智恵海謎くらべ壱冊 画鹿画本柳樽拾八冊 隠画同拾壹編同/弐冊 画酋同六編同/四冊

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◇函霞唐詩選余師絶句/三冊

◇圏︑唐詩選読本/参冊

◇画留同仮名付本壱冊 ◇画国庭訓往来中字読本/壱冊 四日前集/古文真宝余師四冊 画留後集/古文真宝弐冊 画圏四書拾冊 画留庭訓往来習本大字壹冊

画沼古状揃壱冊 嘉永三戌年八月吉日求之 後集四冊 此代金壱分弐朱也 律迄揃︿二文字不明﹀ 〆八冊

◇画電画引分韻便覧壱冊 ◇画震長/雄春風帖壱冊 ◇画困孝経童子訓余師壱冊 ◇函忠同読本壱冊 ◇西国実語教/童子教余師壱冊

画g四書仮名付後藤点平かな附/四冊 画囲経典余師壱冊

閏②孟子仮名附壱冊 画g諸国書状指同板/壱冊/壱冊 画g御成敗式目大清書/壱冊 曽︒同壱冊

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◇路︒平かな附/百姓往来壱冊 ◇い認平かな附/龍田詣壱冊 ◇画司小野篁歌字尽かな附/壱冊 ◇画認御代之腹鼓/心学和合歌合巻/壱冊 ◇喝︑萬世百人一種壱冊 ◇ぬ農カナッケ/傍訓千字文壱冊 ◇画囹同壱冊 ◇画囹大成正字通箱入一冊 ◇喝﹈改正四書字引壱冊

唖望童子古状揃大成小本/壱冊 目垣平かな附/商売往来壱冊

◇路②講釈付/百人一首壱冊

文久二戌年四月吉日求

.代三百也 ◇画亀五髄千字文壱冊

安政五午年四月日求 ◇画器仮名附/千字文小本/壱冊 ◇画段古本/諸学色々仮名附本壱冊 ◇画麗節用集大全壱冊

画囹教/訓女小学手本向/折本/壱

万延二酉年︿虫損﹀月吉辰求之

代金弐朱也 路①唐詩選仮名付小本/三冊

安政二卯年三月日求/銀六匁五分 麗画庭訓往来中字/壱冊

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軸物注文覚 ◇暗◎古状揃壱冊

文久三亥年二月吉日求

代銭弐百也

◇圏画同断壱冊

︿虫損﹀年四月

代金弐朱也 ◇騨曾庭訓往来よみ本/

慶応三卯年三月吉日

代金壱分也︿数文字 よみ本/

︿数文字

◇圏望同三分半切裏打/画壱枚 ◇圏里同五匁西馬筆/壱幅 ◇圏全同九匁多竹女/︿二文字不明﹀/梅通三幅 ◇$望銀六匁三右先生筆/壱幅 古本 不 明 ﹀ 壱冊

◇堕晨将棊秘密箱壱冊 ◇9画妙薬方書抜壱冊 ◇g﹄雑書大全以呂波引壱冊 ◇函g算法雑集記壱冊 ◇暗新編塵劫記壱冊 色々伝授秘法之部 ◇圏三銀廿匁三分

此金壱分壱朱/百五十五

万延元申年

四月上旬沼津宿

竹彦二而出来

g四将棊図巧弐冊 go算術伝法記壱冊

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◇臼西浦里/時次郎妻重雪の曙中冊/三冊 ◇四s男女一代八卦壱冊 ◇9m諸/民秘伝重宝記一 ◇四Sまじなへの伝壱冊 ◇9m花火秘伝書壱冊 ◇9m将棊組壱冊 ︿軸物の購入記録らしき物あるが略す﹀

匿い真情春雨衣同/九冊 臼﹈妙薬博物筌七冊 臼︒珍術万宝全書六冊

万延元年申年六月上旬吉日本浦二而求/代七百文

代金弐壱朱也 万延元申年/六月下旬吉日家二而求

◇唖后吉/原大雑書壱冊 ◇圏︑春色九冊

文久二戌年四月吉日求

代銀四匁五部 ◇⑭辰春色千里契三冊

万延元申年七月一日求

代金弐朱也

◇望秘伝見立様門壱冊 ◇望﹃艶道/通言文のゆきかひ壱冊 ◇筐のひらかな新六行/道行旅路の嫁入忠臣蔵壱冊 密書之部 〆代金弐朱也 万延元申年/五月十五日求 代金弐朱也

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◇圏︒五色之外壱冊

覚 ◇圏教訓女才学壱冊 ◇哩隠浮世雛かた壱冊 ◇篭﹄玉のあそび小本/壱冊

一金弐両二分也木柄脇差作

嘉永七とし/三月吉日求

一金一両二分也其角嵐雪の書

安政三辰とし/四月吉日

一金二朱也総地梅室之筆

万延元甲年閏三月中旬求 一金一両也不二之画表具一幅

安政五午とし/正月 ︿識語﹀

嘉永七甲寅年

閏七月吉日改之

豆陽伊豆佐野村

滝の入勝俣花岳/山人﹇印﹈ 一同壱分壱朱也雪岱之筆雪中

右四軸

文久二戌年十一月吉日求 一同壱分壱朱也乙二之筆 一同三朱也道彦之筆 一金二分也清作木柄脇差︿一文字不明﹀但し小柄とも

万延元申年十二月吉日 一金壱両三分弐朱也木柄脇差

弘化三丙午年五月吉日求之

一金壱分一朱也雲客之筆雪中

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参照

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