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Academic year: 2021

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第83回獣医学会講演抄録 49

第83回麻布獣医学会 一般演題12

家庭犬の口腔細胞からのDNAサンプル調整法と ヨークシャーテリアのメラノコルチン1レセプター

       遺伝子の単離と同定

本田三緒子1,岡野 桂樹2,小黒一岡野美枝子1 1ヤマザキ動物看護短期大学,2秋田県立大学

 家庭犬のゲノムDNAは,血統管理のためのDNA 鑑定や獣医学・分子生物学研究の学術面において犬 の遺伝子・ゲノム材料として重要である。本研究で は,大型犬,中型犬,小型犬,日本犬,西洋犬など 異なる家庭犬から口腔内細胞を採取し,塩基配列忠 実度の高いゲノムDNA標品を,簡便に収量多く調整 する方法を確立した。さらにゲノムDNA標品より,

毛色に関与するメラノコルチン1レセプター(ル1clr)

遺伝子の単離同定を行った。

[方法]

 犬種には秋田犬(大型犬),ラブラドルレトリーバ

(中型犬),スコティッシュテリア(小型犬),ヨーク シャーテリア(小型犬)を選んだ。4犬種それぞれ について,複数の個体から,綿棒を用いて口腔内細 胞を採取した。ゲノムDNA抽出には, QIAamp DNA Mini Kit(QIAGEN)を本研究に適合するように一部 改変し,使用した。次に得られたDNA1μ1から,

GenomiPhi DNA Amplification Kit(Amersham Biosciences)により増幅したのち,精製し, PCRに 用いた。DNA標品の収量および純度は, NanoDrop 分光光度計のスキャン測定,およびアガロース電気 泳動法で確認した。

 得られたDNA標品のうち,毛色がスチールブルー

であるヨークシャーテリアのDNAを用いて, Mclr 遺伝子をPCR法により単離した。PCRプライマーは,

完全なORFと5 非翻訳領域と,終始コドンより3 下 流の非翻訳領域を含む1.3kbのPCRフラグメントの 両端の配列である。iProofDNApolymerase(Bio−Rad)

を用いてアニーリング温度66℃でPCR増幅し,ダ イレクトシークエンスにより塩基配列を決定した。

[結果と考察]

 大型犬,中型犬,小型犬のすべての犬種で,滅菌 綿棒1本でも口腔内細胞を採取し遺伝子クローニン グやマイクロサテライト解析に使用可能なDNA標 品を手軽に大量に調整する方法を確立した。また,

そのゲノムDNA標品によりNCBI.GenBankのデータ

(ボクサー犬)と1箇所の塩基置換(V264M)もつ以 外は一致した塩基配列をもつゲノムMclr遺伝子を

単離できた。

 このDNA調整法は,家庭犬における遺伝子クロ ーニングの出発材料に適合するDNA標品を簡易に 得られる方法であり,また,マイクロサテライト解 析によるDNA鑑定などにも有用である。今後は,

臨床獣医学的知見への応用が期待される。

参照

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