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グルテンが米飯パンの製パン性に及ぼす影響

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(1)

グルテンが米飯パンの製パン性に及ぼす影響

著者 村上 陽子, 藤田 沙南

雑誌名 静岡大学教育実践総合センター紀要

巻 23

ページ 77‑84

発行年 2015‑02‑27

出版者 静岡大学教育学部附属教育実践総合センター

URL http://doi.org/10.14945/00008890

(2)

論文〉

グルテンが米飯パンの製バン性に及ぼす影響

村上陽子中

,藤

田沙南

**

Effects ofGluten on the Physlcal Propぶ ies ofBread Made

m CoOked RIce

Yokoヽ傾Лも姐G儡壼 中and Shanan IIJJ∬

A*■

Summary

h cffcct of addlng cookcd ttcc  ω

 whca nOur brcad was cxamhedヽ Incasurmg ìphydc」 propenes s破 knds Of

brcad wcre preparcd:flvc c∞

tai面ng 10‑500/.cookcd rlce and onc conta―

g whcat flclllr TL speclflc 10afvOlunlc Of ule

bread crllltamlng 10‑2%c∞ ked」 oe was s‑lar to that ofthe wheat now bread■

e loafvOlunte w enlargcd w addlllg

glucn‐

L記

"ss of dle tvhe■ nOur brcnd was thc 10p est As tllc FЮ

脚嗜

Ol1 0f COoked j∞ added to the brcad mctascd, hardncss hcrcascd as we■

Ъ  haness oftllc brcad contalnmg 30‑500/O cooked五

cc was harder ttm that Ofnhcat■

bread whm」

uten wac added llle cohesl■

/eness oftt bread contammg cookcd rlcc and Jutm w¨ l卿 ∝ than tat ofthe

nheatflour brcad Thc ndheslvcness ofthe cOOkcd jcc bread wi■ gluten was slmlar to ttat ofthe cooked」ce bread wlthout

utm

キーワー ド   パン ,米 飯

,物

理特性

,グ

ルテン

目的

近年,我が国におけるパ ンの消費額はコメの消費額 を超 えてお り (平

23年

)。

,食

生活におけるパ ン の利用度は益 々大きくなつている。―方

,小

麦粉価格 の高騰や食料の安定供給を背景 として,米の消費拡大 が課題 としてあげ られている。その一環 として,米 パ ンの研究が数多 く報告 されている。 しか し,米粉製 造時における米粉デ ンプンの損傷は製パ ン性 を低下さ せ る 力。また

,米

粉は グルテ ンを含有 していないた パ ンが膨化 しにくい とい うデメ リッ トがあ り 

°

,米

粉パ ンは多 くの課題 を抱 えている。

本研究室では米の利用拡大を目指 して

,パ

ンの材料 として炊飯米 を用いることに着 日してい る。前報 η において,米飯 による小麦粉置換が低い場合の膨化性 は小麦粉パ ンと同等

,ま

たはそれ以上の良好な製パン 性 を示す ことを報告 した。 これは

,炊

飯米の糊化デン プンが グルテ ン形成促進,および

,グ

ルテン構造の変 化に影響を与えていると考 えられ る。すなわち

,予

炊飯することによることで米は糊化 され

,こ

れによる 小麦粉の吸水の妨害がな くな り

,小

麦粉中の吸水 した グ リアジンとグルテニンによるグルテン形成が円滑に 行われたこと

さらに

,焼

成により糊化 したデンプン がグルテ ン構造 を補強す るとともに0,粘性 の高い

*静岡大学家政教育講座

*静岡大学大学院

米がその粘着性 によリミキシング中に伸張・ 組織化 し,

グルテンのように気抱 を蓄える構造を形成 した と考え らオLる 5)8)。

一方で,米飯による小麦粉置換が増加す ると

,米

パ ンの膨化性は低下 した。その要因として,小麦粉を 米飯で置換す ることによる,グルテ ン含有量の減少が 考え られ る。通常のパン生地では,小麦粉 由来のグル テンによ り形成 されたセル組織によってC02が気泡 と

して保持 され る。米飯の配合割合が高いパン

,す

なわ

,小

麦粉の配合割合が低いパ ンはグルテン含有量が 少な く,比容積 が減少 した と考えられ る つ。米粉パ ンにおいては

,グ

ルテン添加 により膨化性が回復する とい う報告がい くつかある 。●

'。

そ こで

,本

研究 では,米飯パンの膨化性の低下の要因を調べるために,

グルテン添加が米飯パンの製パン性 に及ぼす影響につ いて検討 した。 グルテン添カロと米飯パンの製パン性に ついては検討 した報告はなく,本研究の新規性 といえ る。

方法

(1)米試料および炊銀米の調製材料

米飯バ ン用の米 として自米 (う るち種

)の

キヌ ヒ カ リ

(平

24年 ,静

岡県産)を用いた。 グルテンは,

「グルテ ンパ ウダー

(小

麦 グルテ ン

)」 (株

式会社パ イオニア企画)を用いた。米成分 中の水分含量は常圧 加熱乾燥法,アミロース含量は簡易 ヨー ド比色定量法

77

(3)

村上陽子 藤 田沙南

2)によ り測定 した。 タンパ ク質含量 はケル ダール法 によって窒素量の測定を行い,換算係数

595を

乗 じ てタンパ ク質含量 とした

(水

分含量 164%,ア ミロ ース含量200%,タンパ ク質含量88%)。

米は玄米の状態のまま 5℃で貯蔵 し,実験時に精米

(匠

味米 llB RC02SW,山本電気株式会社

)を

用い 90%精自 した もの (精自米

)を

試料 として用いた。

米は蒸留水で

5回

すす ぐよ うに洗い,常温にて

30分

間吸水 させた。炊飯 に用いる水の量は,吸水分 も含め て米重量の15倍とした。炊飯は炊飯器 (タイガーマ イ コン炊飯 ジャー炊 き立て ミニ

 JAI B550 WU,タ

ガー魔法瓶 )で 行い ,炊 飯終了後しやもじでかき混ぜ た後 ,ボ ールに移 し

,常

温に冷ましてから使用した。

(2)バ

ンの調製

パ ンの調整 は既報 つ に準 じた。食パ ンは 自動 ホー ムベ ー カ リー (SIl』

H104二 D,松

下電器産 業)を用 いて

中種 法 にて調 製 した。 小麦粉 パ ン調整 時 は本 機の ドラ イイ早 ス ト・ 食パ ン コー ス

(ね

り・ ね か し・ 発酵・ 焼 成 の合 計 時 間 4時),炊飯 米使 用 時 は ごはん

/米

粉・ ごはん コー ス

(ね

り 。ね か し・ 発酵・ 焼成 の合計 時 間

4時

)にて 山型パ ンを製造 した。

パ ンの基本的な配合材料 は,ホー ムベ ーカ リーの基 本 生地 の配 合 に基 づ き

,強

力 小麦 粉 250g(日清製粉,

カ メ リヤ), ドライイー ス ト (日清 フー ズ

,ス

ーパー

ドライ)28g,ス ク ロー ス

17g,食

5g,蒸

留 水

180gと した。 尚

,グ

ル テ ン添加 の ものは,米飯 置換 に よ り減 少 した分 量 を補填 した

(表

1)。 グルテ ン添 加 量 は,供試 強 力 粉 に記 載 され て い る タンパ ク質 量 (12g//100g)を グル テ ン量 と して計 算 し

,粉

重 量 の 12%とな る よ うに配合 した。

基本の生地の小麦粉の一部を米飯で置換 したパ ンは

「米飯パン」 とし,乾物重量換算での置換害」合 も同時 に示 した。小麦粉 10%を米に置換 したパ ンを 「米飯

10%パ

ン」 とし,本稿では 「米飯

10%パ

1,ま

は「

10%パ

ン」のよ うに記載 した。

(3)比

容積および物理特性

製造 したパンは,焼成後,型から取 り出 し,常温に

1時

間放冷 し,実験に供 した。パ ンは

,重

量を測定 す るとともに,菜種法 l'に よリパンの見かけの体積 を測定 し,比容積

(体

/重

)を算 出 した。

パンは厚 さ

20mに

切 り,外皮側 2̲Ocmを除いた内 相部 (ク ラム

)に

ついて縦・横・ 高 さが 20× 20×

20mになるよ う試料片を作成 した。パ ンの物理特性 И

)は

,卓上 型 物 性 測 定 器 (TEXTtlRE PRCIFILE UNIT TP卜

2C,山

),円 柱 状 プ ラ ン ジ ャ ー (接 触 面 直 径

6 0ntll)を

用 いて

,ク

リアランス 5nln,上 下移動速度

2詭

secの

条件で硬 さ,凝集性,付着性 を

Ill定

した。

測定 した結果は

,自

動解析装置 (Model TA TPL12,山 )で転送 し解析 した。

製パン性

(比

容積,物理特性,色彩構成

)に

関 して 得 られたデータは,分散分析 (Tukey法

)に

より有意 差 を検討 した。

(4)バ

ンの色彩構成

バンのクラム

(内

)および クラス ト

(外

)の 彩構成は,「色彩色差計

CR 4110/410」 (コ

ニカ ミノ ル タ センシング株式会社)により

,い

(明

), a*(a*は

赤方向

, a*は

緑方向),b*値 (b*は貴方向,

巧中は青方向)を測定 した。

1各種バンの配含割合

"料

の配合割合 (g)

小麦粉 米

  

各 箸

l̀  

《 占 品 ζ

  

蒸 留 水

250 0

パンの種類

30 0      0       180 0

ル テ ン 無 添 加

グ ル テ ン 添 加

225 0 200 0 175 0 150 0 125 0

25 50 75 100 125

26 6      0       152 5

23 2         0      125 0

19 8      0        97 5 16 4      0        70 0

130      0     425

250 0 221 6 193 3 164 9 136 6 108 2

30 0         0      180 0

26 6        3 4       152 5 23 2        6 7       125 0 19 8       10 1        97 5 16 4       13 4        70 0

13 0      16 8       42 5 各種パンについて

,上

記材料に加えて ドライイース ト

28g,ス

クロース170g, 食塩 50gを 添加 した。

グルテン含有量は

,供

試強力小表粉

(口

清製粉

,カ

メリヤ

)に

記載 されている タンパ ク質量をグルテン量 として計算 した (タ ンパ ク質量

12ノ 100g小

麦粉 )。

(4)

10%パ

20%パ

50%パ

11■ │ 

グルテン 無添加

結果および考察

(1)体積・重量・比容積

バ ン外相 (クラス ト)の側面図を図1に示す。

米飯パ ンの体積は,グルテン無添カロの場合,いずれ の配合割合においても小麦粉パ ンより有意に低かつた

(図

2)。 また,米飯の配合割合の増加 とともに,米

飯パ ンの体積 は減少 した。 グルテンを添加 した場合,

10〜

20%パ

ンは小麦粉パ ンより有意に高かつた。一方,

米飯添加の増加 とともに,米飯パ ンの比容積は低下 し た。 グルテ ン無添加 とグルテン添加 を比較す ると,い

ずれの配 合割合においてもグルテ ン添カロの方が有意に 高かつた。

パ ン重量は

,米

飯の配合割合の相違や グルテン添加 の有無による影響 はみ られなかった

(図

3)。

比容積について,小麦粉パ ンは4 17cm3/gで あつた

各種バ ンの外相の側面図

1500

lIJc10

壽 彗

500

グルテン ルテン

Flll

図 2  グルテン添加が米飯バンの体積に及ぼす影響

グルテ ン添加 の有無による有意差は

,t検

定 を用いた

(*,く 005,

**pく 001)。

米飯配合害

1合

の影響 については

,グ

ル テン無添加

,

または添加、それぞれの場合について有意差を検定 した (tukey法

)。

異な るアル ファベ ッ トは有意差があることを示す

0く006)。

小文字 は油脂無添力

E,大

文字 は油脂添カロの場合 を示す (n‐

3)。

(図

4)。 米飯パ ンであるが

,グ

ルテ ン無添加 の場合,

10%パ

ンで良好 な製パ ン性 を示 した。 グルテ ンを添加 した場合,グルテ ン無添加 よ り比容積 が有意に増大 し た。 また,グルテ ン無添カロもグルテ ン添加 も,米飯 の 配合割合 の増加 に伴い比容積 は減少 した。

グルテ ン添加 に よつて比容積 が向上 した理 由につい

,グ

ルテ ンの役割が考 えられ る。 グルテ ンは

,バ

生地 の ミキシング中に薄膜になってデ ンプ ン粒や気泡 を包 み,網目状の細かい繊維 状 になる。焼成 したパ ン が形 を保持 できるのは,焼成 中に グル テ ンが熱変性 し てバ ン骨格 を形成す る とともに

,デ

ンプンも水分 を吸 収 して糊化 ししなや かになつて気泡 を包み,グル テ

ンの間を埋 めるよ うになるか らであ る1・ 。庄 司 らF) ,米粉バ ンに グル テ ンを添カロした ものは

,グ

ル テ ン

膜 に よってガスが 良 く保持 され るた め,パンの容積 の 減 少 は緩や かで あ る としてい る。そのため,本研究 に 30%パ

40%バ

79

小麦粉パ ン

(5)

村上陽子 藤田沙南

4110

S鰤

211。

100 0

ルテ ン無添加 ロ グルテ

回 3  グルテン添加が米飯バン重量に及ぼす影響

グルテン添加の有無による有意差は,t検定を用いた (キ ´く005,

*中

ρく001)。 米飯配合割合の影響にらぃては,グルテン無添加、

または添加,それぞれの場合について有意差を検定 した (tllkey法) 異なるアルファベ ッ トは有意差があることを示す0く005)。

小文字は油脂無添加,大文字は油脂添カロの場合を示す (n・3)。

ルテ ン無鰤 ロ タ 〜 テ じ

グルテン添加が米飯バンの比容積に及ぼす影響

グルテ ン添力

,の

有無 に よる有意差は

,t検

定 を用いた (*pく

005,

"*ρ く

001)。

米飯配含割合 の影響 にういては

,グ

ルテ ン無添加

,

ま たは添加

,そ

れぞれの場合 について有意差 を検定 した (tttey法

)。

異 なるアル ファベ ッ トは有意差があることを示す

(pく 005)。

小文字 は油脂無添加

,大

文字 は油脂添加 の場合 を示す (F3)。

おいても

,こ

のようなグルテンの作用が関与 した と考 えられ る。

一方

,米

飯置換により減少 したグルテ ンを添加 した 場合 においても,置換割合が高 くなるに従い,パンの

比容積 は低下したことか ら,比容積低下はグルテン含 量減少によるものだけではないことが示唆 された。パ ン生地の構造については,生地の小麦粉中の水溶性多 糖類 が生地の安定性 に関係することが報告 されている

171。

奥田 ら10は

,も

ち米粉 を用いた米粉パンにうい ,パン容積 に関係す るのは単一の成分によるもので はないこと

,ま

,パン容積の減少は米粉を加 えるこ とによる生地の構成成分の割合の変化や

,成

分の相互 関係な ど

,種

々の要因が複雑に組み合わ された結果 と 推測 している。一方

,小

麦デンプンにはア ミロース と ア ミロペ クチンが含まれ

,こ

れ らのデンプン分子が結 晶状に集合 してデンプン粒 を形成 している。 ここに米 デ ンプンが加わることにより

,デ

ンプン粒の構成成分 の割合が大きく変化 し

,製

バ ン性 に影響を与えるとも

推察 している

181。

また,バンの膨化には,グルテンのネ ッ トワーク機 造の形成が必要であるtパン組織におけるデンプン粒 は膨潤 して細長 くな り,グルテン繊維 に包まれて散在 している °

)。

生地中のデンプン粒 はこれ らの組織構 造から,グルテンのタンパク質 との相互作用はさほ ど 大きいものではない といえるが

,グ

ルテ ンとデンプン

の量のバランスが崩れると,膨化 にも影響が出て くる もの と考 えられ る B)。 米飯パンにおいては

,グ

ルテ ンのネ ッ トワーク構造 とともに,糊化 したデ ンプンが これ とは異なる気泡構造をとるといわれていることか ら ゆ

,米

飯パ ンにおいてもグルテ ンとデ ンプンの量 のパ ランスが重要になると考えられ る。

(2)テ

クスチヤー特性

硬 さについて,グルテン無添加 の場合

,10%パ

ンは

小麦粉パンと同等の硬 さであった

(図

5)。 また,米

飯の配合割合の増加 に伴つて有意に硬 さが増大 した。

(6)

aAa Att Ae A n A a A

400

Э

3011

2∞

100 0

ルテン無添

7111ロ

グルテン添加

グルテ ン添加が米飯バ ンの硬 さに及ぼす影響 グルテン添力1の有無による有意差は,t検定を用いた (ホ ρく005,

ネρく001)。 米飯配合割合の影響については,グルテン無添加,

または添加,それぞれの場合 について有意差を検定 した (tulkey法)

異なるアルファベ ッ トl■有意差があることを示す(pく 005)。

小文字は油脂無添加,大文字は油脂添加の場合を示す

(F12)。

ルテン無添加 ]ログルテン添加

グルテン添加が米飯バ ンの凝集性 に及ぼす影響

グルテン添加の有無による有意差は

,t検

定 を用いた (*ρ く

005,

串*′ く

001)。

米飯配合割合の影響 については

,グ

ルテン無添加

,

または添加

,そ

れぞれの場合について有意差を検定 した (tukey法

)。

異 なるアル ファベ ッ トは有意差があることを示す

(pく 005)。

小文字 は油脂無添カロ

,大

文字は油脂 添加の場合を示す

(F12).

一o

ま た,グル テ ン添加 に よ り

,硬

さの 低 下がみ られ た

(40,50%で

有 意差 あ り

,メ

005)。

グル テ ン を添加す る と無添カロの もの よ りも軟 らか く な る理 由 と して,グル テ ン添加 に よって膨化性 が向上 す るた め と考 え られ る。 グルテ ン含有量の高い強力粉

,パ

ン生地 が発酵 中に発生す る炭酸ガスを生地外 に 逃 さない よ う

,弾

力 の あ るグル テ ン膜 を形成す ること が で き

a),水

を よ く吸 つてキメ細 かいポー ラス状の 軟 らか い弾力 あ るパ ン を作 る Ю

)。

また,米粉 パ ンに お い て

,グ

ル テ ンを添加 した ものはグル テンを動 nし な い もの よ り軟 らか い こ とが報告 され ている 10。 の こ とか ら

,グ

ル テ ンは膨化性 を向上 させ

,生

地 の硬

さを低 下 させ る とい え る。

凝集性 について

,グ

ル テ ン無添カロの場合

,30%ま

小麦粉パ ン と同程 度 であ り,米飯 の配合割合 が上 が る につれ て低 下す る傾 向がみ られ た

(図

6)。 グル テ ン 添加 の場合

,40%パ

ンまで小麦粉パ ン と同程度の凝集 性 であ つた。 グル テ ン添加 とグル テ ン無 釉 ■を比較す

ると

,50%以

外は両者の間で有意差 はみ られなかった。

このことか ら

,グ

ルテン添加は米飯 の配合割合が低い 場合 は

,凝

集性 にほとんど影響 を与 えない といえる。

付着性 について,グルテン無添加の場合

,米

飯の配 合割合が 10〜

40%添

加までは小麦粉パ ンと同程度 で あったが

,50%で

は付着性が有意に増加 した。 グルテ ンを添加 した場合,付着性は無添加 より高 くなる傾h

がみ られたが,有意差はみ られなかった。 グルテンは 粘着性 と弾性 を備 えているが

,グ

ルテ ン添加 による有 意差はほ とん どなかったことか ら

,グ

ルテンは米飯パ ンの付着性 には影響 しないといえる。

(3)色彩構成

1)ク

ラム

(内

)

い値 について

,グ

ルテン無添加 の場合

,10〜20%パ

ンは小麦粉 より有意に高く

,米

飯添加 の増加 に伴い低 下 した

(表

2)。 グルテン添加の場合,小麦粉パンよ り有意に高かったが,米飯配合割合間で相違はみ られ

81

(7)

村上陽子 藤 田沙南

ルテ ) フレテ ι

グルテ ン添カロが米飯バ ンの付着性 に及ぼす影響

グル テン添加の有無による有意差は

,t検

定 を用いた

(ホ pく005,

オ ホρく

0・

01)。 米飯配合割合の影響 につ いては

,グ

ルテン無添加

,

または添珈

,そ

れぞれの場合 について有意差を検定 した (tukey法

)。

異なるアル フ ァベ ッ トは有意差 があることを示す

く 005)。

小文字 は油万 旨無添カロ

,大

文字 は油脂 添加 の場合 を示す (F12)。

※米飯の添力

,割

合の影響について

,有

意差を検討 した

(ttkey法 ,n・ 12)。

異なるアルファベ ットは

,

異なる配含割合間で有意差があることを示す (pく 005)。 同 じ配 含割合におけるグルテン添加の 影響は

t検

定により検討 し

,有

意差がある場合はグルテン添力

,の

数値 に示 した

(ホ

ρく005)。

なかつた。 グルテン無添加 とグルテン添加を比較す る ,いずれの配合割合 においてもグルテン添加の方が 明度が有意に高かつた。

グルテン動 qにより明度が上昇 したのは

,ク

ラムに 及ぼすグルテンの影響が考 えられ る。 クラムの色はす だちの大きさと均一性 に大きく左右 されるといわれて お り2D,グルテン添加 によ り膨イレ性が増加 したバ ン

はクラムが細か く均一にな り

,明

度が高 くなつた と考 えられ る。反対に,比容積が小 さいパンは膨 らみが悪

,目

がつまつていたため

,明

度が低下 した と考えら れる。

歩値は

,グ

ルテン無添加の場合

,40〜 50%パ

ンで低 下 した。 グルテンを添カロしたものは,無添加のものよ りもばらつきが小 さく

,10〜 50%の

間で有意差はみ ら 2′ンのいけい値に及ぼすグルテンの影響

グルテン

L摯

"

平均値 ±

 SD 平均値 ± SD

クラム (内 相

)

小麦紛パン

7604 ± 115 a ‑1 01   ±

 0 08  a

987 ±043

螂 郷 跡 観 醐

癒ル

7872 ±006 b 7726 ±053 e

75 93   ±

 0 12  a

7648 ±019 a

75 82   ±

 0 03  8

‑0 98   ±

 0 01  a

‑1 04   ±

 0 02  a

‑1 00   ±

 0 06  a

‑1 16   ±

 0 02  b

‑1 37   ±

 0 02  c

1159 o10 b 1032 ±0 1l c 1289 =001 d i039 ±001 c

クラスト

(外

)

小麦粉パン

5066 ±126 a

13 93  = 0 54  a

2494± 010 a

∝ 畔 鰯

精ル

46 25   ±

 0 20  b

45 59   ±

 0 08  c

46 93   ■

 0 04  d

4295 ±012 e

38 39   ±

 0 27  f

1325 ±003 a 1451 ±005 b 1539 003 c 1610 ±020 d

12 18   ±

 0 07  e

2554 ±003 b 2390 ±009 c 1654 ±021 d 1019 ±025 e

グルテン

7均値 士

SD 平均値 ±

 SD

タラム (内 相

)

小妻粉パン

7604 ± 1 15 3 ‑l ol   ±

 0 08  a

987 ±043 a

螂 螂

螂 研 弼

癒″

81 34   ± 0 05  b拿 80 08   ±

 0 52  b*

79 34   ± 0 41  b摯

7922 ± 002 b0 7856 ± 024 b*

‑1 10   ■

 0 03  a*

‑115 ± 004 a

‑1 08   ±

 0 04  8

‑113 ± 001 a

‑1 08   ± 0 03  aネ

11 48   ±

 0 04  b

1071 ± 0 07 cd*

1082 ±039 d+

1124 =0 01 bd奉 1117 ± 0 15 bcd

タラスト

(外

)

小麦籠′ `ン

5066 ±126 8 10 93   ±

 0 54  a

24 94   ± 0 10

儡 鰯

糊″

5078 ± 014 a*

49 01   ±

 0 07  b*

44 21   ±

 0 29  c*

4860 ± 1 1l c 3921 ±009 

15 55   ± 0 10  b黎 16 53   ± 0 03  cホ

1484 ± 000 

1518 ± 010 e 1382 ± 007 aヰ

1994 ±024 b奉

19 64   ±

 0 10  b*

1285 ± 038 c半 1157 ±

080 d■

7 90   ± 0 19  eホ

(8)

れなかった。

b*値,グルテン無添力日の場合,小麦粉パ ンよ り有 意に高 く

,黄

みが強かった。また,米飯配合割合 の増 加に伴い,b*イ直は低下 した。グルテンを添加 した場合,

いずれの配合割合においても小麦粉パ ンよ り有意に高 かつた。また

,20〜 50%パ

ンの間で有意差はみ られな かつた。 グルテ ン添加 したものは,グルテ ン無添加の ものよ りb*値 が高い傾 向がみ られた。

2)ク

ラス ト

(外

)

L*値について,グルテン無添加の場合

,小

麦粉パン の方が高かつた。また,米飯の配合割合の増加 に伴い, 米飯パ ンの明度が有意に低下 した。 グルテンを添加 し た場合

,グ

ルテン無勲 口と比べて高い明度 を示 したが,

米飯配合割合の増加に伴い

,明

度が低下 した。

a*値 はグルテ ン無添加の場合

,20〜

411%は小麦粉パ ンより有意に高 く

,50%パ

ンは他 より有意に低かった。

グルテンを添加 した場合

,グ

ルテ ン無添加 よ りa*値 はナ曽力日した。

b*値 は

,グ

ルテン無添カロの場合,米飯の配合割合の 増加に伴い有意 に低 くな り,黄みが減少 した。 グルテ ン添加 の場合 も同様 の傾 向であつた。 グルテ ンの影響 については

,グ

ルテ ンを添加 した場合

,10〜 30%は

,40〜 50%は

高かった。また

,グ

ルテ ジ添カロの方が b*値の差異が小 さくなった。

奥西

2)は ,炊

飯米を添カロしたパ ンのクラス トの明 度 について

,小

麦粉パ ンと比較 して炊飯米置換率の増 加 に比例 して暗色化 した としてお り

,本

研究 において も同様の傾向がみ られた。米粉パンにおいては,米 の配合割合が高 くなるにつれ

,L*値

は減少す る傾 向が あ り,それ らはグルテンを添加 した場合 も同様である と報告 されているm)。 本研究においても

,グ

ルテ ン

添加無添加 に関わ らず,米飯パ ンにおいても米飯 の配 合割合 が高まるにつれ Lキ値 が減少 した ことか ら,同

様の傾 向であるといえる。

ま とめ

本 研 究 では,米飯 を添加 した米飯パ ンにつ いて

,そ

の物理特性 についてグルテ ンの影響 と関連 させ て検討 した。 その結果

,グ

ル テ ンの添加 は米飯パ ンの物理特 性 に影響 を与 えてお り

,グ

ルテ ンを添加 した ものはグ ル テ ン無添カロの ものに比べて,比容積 は増加 し

,硬

は減少す る傾 向があった。 また

,配

合割 合 が高い場 合,

グル テ ンの添加 に よ り硬 さは有意 に低下す ることが示 唆 され た。

前報 つ において,小麦 粉パ ン と米飯パ ンの食 味 を 検討 した ところ,大学生 は小麦粉パ ン よ りも米飯パ ン を有意 に好み

,「

も つ ち り して い て

,お

い しい」,

「弾力 がある」,「モ チモチ感 の強い ものがおい しい

J

とい う意見が多かつた。また,比容積が小 さい配合で あつても,「噛みごたえ」や 「食べ ごたえ」があると 肯定的に評価 されていた。 このことは,米飯パ ンにお いては

,「

モチモチ感」 とあわせて適度な 「噛み ごた え」

(硬

)のあるものが好 まれ ること

,多

少膨 らみ が悪 くても,米飯パンは 日本人の嗜好にあってい ると い うことを示唆するものであ り,米を活用 したパ ンの 開発の一助になると考えられ る。 グルテ ンを添加 した 米飯パ ンは 「やわ らかすぎる

Jと

い う意見がみ られた。

このことか ら,米飯パ ンにおいては,小麦綴′ヽンの評 価基準,すなわち,比容積の高 さや軟 らかさがそのま ま嗜好性の高さに反映 され るとはいえず,グルテ ンを 添加せずに調製 した米飯パ ンの方が好ま しい と考えら れ る。今後は米飯バンのもつ特性 を生か してさらに 食味のよい米飯パ ンについて検討 してい く。

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