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伊豆地域の貧困化と自治体財政への影響

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伊豆地域の貧困化 と自治体財政への影響

一 伊東市 と下 田市 を中心 に 一

川   瀬   憲   子

は じめに

本稿 は、2000年 代 に顕在化 した地域間格差 の拡大 と貧困化 が地方財政 にどの ような影響 を及 ぼしたのかについて、主 として静岡県内でも相対的に地域経済 の衰退 が著 しい伊豆地域 に焦点 をあてて分析 し、構造的要因を明 らかにするこ とを目的 としている。生活保護率 な どの指標 を取 ってみ ると、静岡県内では熱 海市、伊東市、下田市 の 3市 が相対的に高い ことか ら、 これ まで この 3市 を共同 研究の対象 として取 り上 げて調査 を行 って きた 1。 熱海市 については、すでに別 稿 で明 らかに しているため、今 回は伊東市 と下田市 を中心 に分析 を試み ること

に した 2。

ところで、過去 10年 間 に地域経済 と地方財政 を取 り巻 く環境 は大 き く変化 し た。グローバル化の進行、サー ビス経済化、少子高齢化の進行 などはめざまし い勢いで進展 し、加 えて、新 自由主義的構造改革 によって地域間競争が激化 し た。 この ことが、東京一極集 中 と地域経済の相対的衰退 に拍車 をかけた といっ て もよい。 さらに、国 と地方 の長期累積債務 が800兆 円を超 え、財政構造改革 の一環 として分権改革が位置づ けられるようになった。いわば分権改革の受 け 1熱 海市、伊東市、下田市 に共通する点 として、温泉観光都市で地域経済の衰退 と貧困化 とい う課

題 に直面 しつつ も、平成の大合併 にて単独 自治体 の道 を選択 した点 にある。下田市は合併協議会 を立 ち上 げたが、2009年 に解散 となっている。平成 の大合併で合併 しない選択 をした小規模町 村の事例 としては、福島県矢祭町、岐阜県 白川村、宮崎県綾町などがある。いずれも地域固有財 を生か しつつ、少子高齢化対策 とい う点での新 しい実践的試みで注 目されている。

なお、矢祭町については根本良一・石井一男 (2002)『 合併 しない宣言の町・矢祭』 自治体研 究社、 自川村 については谷 口尚・鈴木誠 (2006)『 めざせ 日本一美 しい村―世界遺産の村の自治 と自立の設計図 (岐 阜県 白川村 )』 自治体研究社、綾町については浜田倫紀 (2002)『 「綾」の共 育論一 自治公民館運動 を核 とした地域再生への道』評言社 などを参照されたい。

2熱 海市の財政分析 については、川瀬憲子・鳥畑与一 (2008)「 伊豆地域経済の面的再生 に向けた 政策提言の試み」 『静岡大学経済研究センター研究叢書』第 6号 を参照。

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皿 として推進 された平成 の大合併 による自治体 の統合再編 によって、市町村数 は2000年 代初頭 の約3200か ら、2010年 には1800弱 にまで減少 した。地域 の統合 再編 によって地域内での格差 はさ らに拡大す ることとなった 3。 また、分権改革 の一つ としてすすめ られた三位一体 の改革 (2003年 ‑2006年 )に よって 9兆 8000 億 円もの国庫支出金 と地方交付税交付金が削減 された。2007年 度 に 3兆 円の税源 移譲が完全実施 されたが、自治体財政の及 ぼされる影響 は多大 なもの となった 4。

こうした状況下で、2007年 6月 に夕張市が財政再建団体 に陥ったのを受 けて、

2008年 度 には自治体財政健全化法が制定 され、実質公債費比率、連結実質赤字 比率 な どの新 たな指標 が用い られ ることとなった。特 に、国民健康保険事業会 計、介護保険事業会計、公営病院事業会計、上下水道事業会計 な どの見直 しを 含 む財政健全化計画 が多 くの 自治体 で進 め られている。貧困化 が進 む一方で、

これ ら特別会計の見直 しによって、国保料 (税 )な どの公共料金 が引 き上 げら れ、公営病院の統廃合 が加速化すれば、 さらに貧困化がすすむ とい う悪循環 に 陥 ることとなる。伊豆地域 では国保加入率が高 く、公営病院の依存度 も高いた め、医療 0福 祉 などの市民ニーズヘの対応 を迫 られているのである。

地域再生 を考 える上で重要 なのは、単 なる雇用創 出 とい う産業政策 のみ な ら ず、地域 のセー フティネ ッ トをいかに形成 しつつ、内発的発展 をすすめてい く のか といった視点である 5。 地域経済、地域金融、地方財政 の動 向や地域再生 の 3平 成 の大合併 と自治体財政の関係 に関 しては、拙著 (2001)『 市町村合併 と自治体 の財政』 自治

体研究社、拙稿 (2002)、 「地方交付税改革 と市町村合併一『昭和 の大合併』 と『平成の合併』の 比較 を中心 として」 『経済研究』静岡大学、 7巻 1号 、2002年 7月 、拙稿 (2004)「 地方 自治制度の 再編 と地方財政」重森暁・田中重博編『構造改革 と地方財政』自治体研究社、拙稿 (2005)「 1999 年合併特例法改正以降の大規模市町村合併 と地方財政一静岡市・清水市合併の事例研究一」日本 地方財政学会編 『地方財政のパ ラダイム転換』勁草書房 な どを参照 されたい。

4拙 稿 (2008)「 『三位一体 の改革』 と政府間財政関係一 『平成の大合併』か ら地方財政健全化法制

定 までの動 きを中心 として」 『経済研究』静岡大学、2008年 1月 号、同 (2008)「 地方財政健全化 法 と自治体財政への影響―北海道市町村の事例 を中心 に」 『経済研究』静岡大学、2008年 2月 号 な

どを参照されたい。

5地 域共同研究 としては、宮本憲一・川瀬光義編 (2010)『 沖縄論一平和・環境・ 自治の島へ』岩 波書店、遠藤宏一編 (2008)『 環境再生のまちづ くリー 四 日市か ら考 える政策提言』 ミネル ヴァ 書房、碇山洋・佐無田光・菊本舞編著 (2007)『 北陸地域経済学―歴史 と社会 か ら理解 す る地域 経済』 日本経済評論社、宮本憲一・佐 々木雅幸編 (2006)『 沖縄21世紀への挑戦』岩波書店 など が参考 になる。北陸地域の共同研究では、歴史 と産業集積 に着 目した内発的発展論、沖縄地域の 共同研究では基地依存経済か らの脱却 を目指 した内発的発展論、 さらにかつて4大公害で深亥 Jな 影響 を受 けた四 日市の共同研究では、環境再生 をキーワー ドに地域再生論 が展開 されている。

伊豆地域共同研究では、歴史文化・観光 とセ早フティネ ットをいかに発展 させて行 くのかが地域

再生の課題 となる。格差・貧困に関わる研究 は数多 く出されているが、地域セーフティネ ットに

関する学際的地域共同研究はほとん どな く、研究面での意義 は大 きい。

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取 り組みについて多面的 に検証 し、 自治体、企業、市民 t NPO共 同参画 による 政策 ビジ ョンを提示 す る必要 がある。量か ら質への転換 が求め られ る時代 に基 礎 自治体 の果 たす役割 は どうあるべ きか、サスアイナブル 0シ ティヘの転換 に むけて地域再生 はいかにあるべ きか、 その具体的な方策 を提示 して、新 たな提 言 を行 うことが求め られているといえよう。

そこで本稿 では、 こうした一連 の研究の一端 として、地域セーフティネ ット の現状 について財政分析 を通 じて明 らかにしてい くことに したい。

1  伊東市 と下田市の人 口 と産業構造

(1)伊 東市の人 口 と産業構造の特質

伊東市 は、伊豆地域 の東 に位置 し、富士箱根国立公園 に市域 の半分 が含 まれ る豊 かな自然 と温泉 を中心 とす る温泉観光都市である。熱海市 と同様、国際観 光温泉文化都市 としての特徴 を有 してい る。 ホテルや旅館 な どが数多 く建 ち並 び、市南部 の伊豆高原 にはペ ンシ ョンや保養所 な どが多 く林立 し、美術館 な ど の文化施設 も豊富である。歴史や文化遺産 にも恵 まれ、豊かな地域固有財 を有 している。革新 自治体 の経験 もあ り、地域福祉や医療面で も比較的充実 してい る といった特徴 を持 つ。 しか し、伊東市駅前 を中心 に市街地 の衰退 がすすみ、

生活保護率が静岡県内で第 2位 であることか らもわかるように、貧困化が進行 し ている。

まず、基本的な地域経済構造 を示す指標 として、伊東市の人 口 と産業別人口 の推移 についてみてお きたい。表 1は 、1990年 か ら2006年 までの人 口の推移 を 示 したものである。2006年 現在 の伊東市人 口は約 7万 5000人 だが、1990年 以降 漸増傾向を辿 っている。人 口動態 は大 き く自然動態 と社会動態 に分 けられるが、

自然動態でみれば少子高齢化 の影響 を受 けて、1993年 以降減少傾 向を示 し減少 幅 も徐 々に拡大 している。 しか し、社会動態でみれば2000年 を除いてはプラス に転 じてお り、 その結果。人 口全体 では1990年 の 7万 3000人 か ら2000人 程度増 加 している。

一方、世帯数でみ ると 1世 帯 当た りの人 口が、1990年 の 2.6人 か ら2006年 には 2.2人 となっている。高齢化 も着実 に進展 してお り、2000年 の 65歳 以上の老年人 口比率 は2000年 に 22。 5%で あったのが、2005年 には 27。 2%に まで 5ポ イン ト増加 している。熱海市の場合 には、人 口全体 が減少傾 向を辿 り、高齢化率が静岡県 内で最 も高い 31.8%(2005年 度 )と なっていることと比べ ると、比較的高齢化

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の進展 も緩やかである。2005年 現在 の静岡県 内市部 の順位 でみれば、熱海市、

下田市、伊豆市 に次 いで4位 となっている。

表 1  伊東市人 口の推移 (1990‑2006年 度 )

単位 ;人

(資 料 )伊 東市 (2006)『 伊東市統計書 (平18年 版』により作成。

2は 、伊東市 にお ける2000年 と2005年 の伊東市産業別人 口について比較 し たものである 6。 統計の関係上、やや分類が異 なっているため、単純 な比較 はで きないが、第 1次 産業、第2次産業、第3次産業比率でみ る限 りそれほ ど構造 的 に変化 はみ られない。すで に第 1次 産業 は 3%程 度 のシェア しかな く、第2次産 業 も 18%か ら 16%へ と徐 々にシェアが低下 し、第3次産業 の比率 が 80%に も達 している。工業統計調査 によれば1998年 の事業所数 は220件 であったが、2005

年度 世帯数 人 口 世帯 当た り人 口 自然動態 社会動態 増減数

1990 27,905 73,443 2。 6 38 189

1991 28,405 73,923 2。 6 95 480

1992 28,851 74,070 2。 6 140 147

1993 29,252 74,338 2.5 35

1994 29,276 74,672 2.5 ‑45 379 334

1995 30,100 74,700 2.5 ‑64 92 28

1996 30,590 74,947 2.5 ‑70 247

1997 30,923 75,090 2.4 ‑94 237 143

1998 31,227 75,058 2.4 ‑153 ‑32

1999 31,600 74,974 2.4 ‑187 103 ‑84

31,847 74,821 2.3 ‑137 ‑16 ‑153

2001 32,069 74,721 2.3 ‑171 71 ‑100

2002 32,535 74,949 2.3 ‑171 399 228

2003 32,907 75,029 2.3 ‑203 271 68 2004 33,347 75,348 2.3 ‑216 535

2005 33,701 75,292 2.2 ‑290 234 ‑56

33,971 75,140 2.2 ‑423 271 ‑152

6『 伊東市統計書』各年度版 を参照。

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年 には90程度 にまで極端 に減少 し、従業者数 も1700人 か ら1100人程度 にまで減 少 してい る。 その意味では、サー ビス経済化 が極度 に進展 した とみ ることもで きる。 ただ熱海市の場合 には、 さ らにサー ビス経済化 の進展 が著 しく、2000年 の段階で第 3次 産業比率 が 85%に も達 している。

伊東市の就業人 口全体 では、2000年 の 3万 6000人 か ら2005年 の 3万 4000人 にま で、約2000人 減少 している。人 口が漸増傾向にあることを考慮すれば、就業人 口の縮小 はのちにみ るように市財政 にも少 なか らずの影響 を及 ぼす こととなる。

2005年 の就業別人 口の構成 をみ ると、農業が 3%、 漁業が 1%し かな く、建設業 も 12%、 製造業 も 5%程 度 となってい る。 シェアが最 も高 いのが飲食店 0宿 業で 20%、 次 いで卸・小売業 18%、 その他 のサー ビス業 16%、 医療・福祉 9%、

教育・ 学習支援業 4%、 金融保険業、不動産業、公務 はそれぞれ 2%程 度 になっ てい る。

2008年 の リーマ ンシ ョック以来、有効求人倍率 も大 きく減少 した。伊東市で は2007年 12月 には有効求人倍率 は 1。 26倍 であったが、2008年 12月 には 1。 01倍 と な り、就職率 も 45.5%か ら 39.7%に まで低下 した 7。 その うち一般での就職率 は、

36.8%(2008年 12月 )か ら 29.5%(2009年 12月 )に まで低下 し、パー ト求人 に 比べると一般求人の落 ち込みが著 しい。パー ト求人の占める割合 は 55%か ら 62%

で推移 している。

ハ ローワーク伊東 出張所 での ヒア リング調査 によると、2006年 か ら2007年 に かけては中堅老舗旅館 が廃業 して経営譲渡 が行われるといった事態が生 じ、 ゴ ル フ場従業員が整理解雇 に追い込 まれた。また、タクシー会社が廃業するといっ た状況 があった。オー プンしたばか りの民間所有の博物館 が閉鎖 とな り、 また プ リズム製造会社では大幅 な労働時間カ ットと賃金カ ッ トが行われて離職者 が 数多 く発生 した とい う。 さらに、旅館 ホテル業の一般従業員 については、 これ までは繁忙期 を基準 に採用 していたが、現在では閑散期 を基準 に採用 し、繁忙 期 には臨時雇用、パー ト、派遣 に切 り替 える事業者 が増 えている。低料金 で宿 泊で きるホテルや旅館 の進 出や既存 のホテルの系列化 によって、低 コス ト化 を 図 る動 きに拍車がかかっている。低価格 ホテル に対抗す るために老舗旅館 など では平 日を低料金設定 しているために、平 日の稼働 は高いがかえって土 日の利 用 が減少す るといった状況 も発生 している。伊東市内の求人 は、宿泊・飲食関 連 と介護 。福祉関連 の業種 が大半 を しめてお り、観光名菓製造販売や水産加工

7三 島公共職業安定所『職業安定業務統計資料』2008年 12月 を参照。

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といった製造業関連 はわずかに とどまっている。

事業所 の規模別 で は300人 以上 の企業 は伊豆急及 び伊豆急関連企業 だけで あ り、相対的に零細 な業者 が多いのが特徴的である。統計がゃや古いが、2001年 の従業者規模 区分では事業所数5674の うち従業者 1〜 4人 の事業所が4015件 と大 半 を しめ、 5〜 9人 が970件 、 10〜 19人 が419件 、20〜 29人 が85件 、 30〜 49人 が 72件 、 50〜 99人 が48件 、100人 以上 は 18件 となっている 8。

表 2  伊 東 市産 業別 人 口 (2000年 と 2005年 )

単位 ;人 、‐ %

20004F 2000生 F 2005年 20054F

就業人 口 構成比 % 就業人 口 構成比 %

総 数 36,181 100% 総 数 34,081 100%

第1次産業 1,004 3% 第 1次 産 業 3%

農 業 739 2% 農 業 2%

林 業 0% 林 業 0%

漁 業 259 1% 漁 業 248 1%

第2次 産業 6,380 18% 第2次 産業 5,604 16%

鉱 業 20 0% 鉱 業 0%

建設業 4,401 12% 建設業 4,004 12%

製造業 1,959 5% 製造 業 1,591 5%

第3次 産業 28,716 79% 第3次 産業 27,354 80%

電気・ガス 0熱 供給・水道業 1% 電気・ガス・熱供給 0水 道業 193 1%

運輸・ 通信業 1,711 5% 運輸・ 通信 業 1,672 5%

卸・ 小売・飲食店 9,312 26% 多口 ・ /Jヽ J竜 6,203 18%

金融・ 保 険業 2% 金 融・ 保 険業 646 2%

不動産業 793 2% 不動産業 846 2%

その他のサー ビス業 15,058 42% 飲食店・宿泊業 6,686 20%

公 務 745 2% 医療・ 福祉 3,055 9%

分類不能 の産 業 0% 教育・ 学習支援業 1,334 4%

複合 サ ー ビス業 437 1%

その他のサー ビス業 5,484 16%

公 務 798 2%

分類不能 の産 業 232 1%

(資 料 )伊 東 市 『伊東 市統計書 (平 成 18年 度版』 に よ り作成 。

8伊 東市庶務課資料 による。

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3は 、2001年 か ら2006年 までの伊東市 にお ける来遊観光客数 の推移 を示 し たものである。総数でみ る と、2001年 に約704万 人 であった観光客が2006年 に は682万 人 にまで約20万人減少 していることが分かる。ただ、 日帰客が415万 人 か ら377万 人 にまで減少 してい るのに対 して、宿泊客 は289万 人 か ら305万 人 に まで 16万 人程度増加 してお り、 この点 は熱海市 の場合 と状況 が異 なる。

熱海市の場合 には、2000年 に840万 人であった観光客 は2005年 には750万 人程 度 にまで約100万 人 も減少 し、312万 人であった宿泊客 も2006年 には290万 人 と

なっている。ホテル・旅館数 も2000年 の503件 か ら2005年 の378件 にまでわずか 5年 間 に120件 もの廃業が相次 いだのである。 これに対 して伊東市の場合 には、

入湯税対象旅館・寮件数では、2002年 329件 か ら2006年 405件 にまで76件 も増 え てい るので あ る 9。

表 3  伊 東 市来 遊観光 客 の推移 (2001‑2006年 )

単位 ;人

年 度 総 数 宿泊客 日帰客

2001 7,038,600 2,892,200 4,146,400 2002 7,170,000 2,912,600 4,257,400 2003 7,041,600 2,988,500 4,053,100 2004 6,752,100 2,772,900 3,979,200 2005 6,941,100 2,940,200 4,000,900 2006 6,817,800 3,049,800 3,768,000 (資 料 )伊 東市『伊東市統計書 (平 成 18年 度版』により作成。

この ように、伊東市では この数年間に転入人 口が増 え、宿泊客が増加するの に伴 って、旅館・寮 の数 もまた増加 したものの、 その一方で就業人 口が減少傾 向 を示 してい る。旅館・ ホテルの低価格競争のあお りを受 けて、パー トや派遣 労働者 が増加す るな ど、雇用形態 も大 き く変化 した。 ホテルや旅館 では住み込 みの労働者 も多 く、解雇 されれば生活保護 申請 をせ ざるを得 ない状況 に追い込 まれてい くこととなる。 また母子世帯 も多 く、離職後 も母子 ともに住み続 けて 求人 を待つケース も少 な くない。地域経済 の構造転換 は貧困化 と密接 な関連 を もつ こととなる。

9伊 東市『伊東市統計書 (平 成 )18年 版』参照。

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表 4は 、伊東市生活保護 の推移 を示 したものである。延生活保護世帯数 は2002 年 の8369世 帯 か ら2006年 には9543世 帯 に、 また延生活保護人員 は 1万 1344人 か

ら 1万 2401人 にまで増加 してい る。 それ に伴 って、扶助費 も約 17億 円か ら19億 円近 くにまで 2億 円も増加 している。この点 については財政分析 の ところで改め て触 れることとする。

表 4  伊東市生活保護の推移

(2)下 田市人 口 と産業構造 の特質

次 に、下 田市 の人 口 と産業構造 の特質 についてみてお きたい。下田市 は、伊 豆半島の二部東側 に位置 し、北 は天城連山に連 なる山々、南 は約47kmに 及ぶ美 しい景観 の海岸線 を有するとい う地理的特徴 がある 6黒 船 の来港以来 「開国の まち」 として知 られ、1934年 か ら現代 にいたるまで国際色豊 かな 「黒船際」が 実施 されて きている。伊東市 と同様、豊 かな自然 と恵 まれた歴史的特性 を生か したまちづ くりがすすめ られている。伊東市 と同様、革新 自治体 の経験 を持 ち、

地域福祉 な どを充実 させ る施策 が実施 されて きた。       :

また、下田市の場合 には、駅周辺部 の衰退が著 しい伊東市 と違 って、地域再 生 に向けた NPOの 活動 が盛んである。 NPO下 田にぎわい社 中を中心 に、なまこ 壁 と伊豆石 を使 った民家が数多 く残 ってい ることか ら、歴史的町並み を生 か し たまちづ くりの実践的試みが行われている 10。 「花の会」 による 「ハ ンギングバ スケ ット通 り `

」 に力 を入れてお り、商店街 の空 き店舗率 は1900件 中74件 と、比 較的低 い数値 となってい る 11。 いわば行政 に依存 しない市民主体 の まちづ くり

Ю  NPO下 田にぎわい社中及 び下田市花協議会での ヒア リング調査 による。

11下 田市商工会議所 ヒア リング調査 による。       1

2002年 度 2003年 度 2004年度 2005年 度 2006年度 延生活保護世帯数 (世 帯 ) 8,369 9,024 9,328 9,662 9,543 延生活保護人員 (人 ) 11,344 12,235 12,783 12,918 12,401

保護 申請数 (件 ) 164 130 107 84

保護 開始 (件 ) 181 140 134 88

保護廃止 (件 ) 105 102

扶助費 (千 円 ) 1,698,431 1,792,792 1,850,781 1,920,038 1,898,593

(資 料 )伊 東市 『伊東市統計書 (平 成 18年 度版』 よ り作成。

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の典型的事例 といえる。      ̲

しか し、近年地域経済 の衰退 は著 しく、過疎化 が進行 している。1961年 に伊 豆急行 が開通 して以来、観光客 が増 え続 けたが、1985年 をピークに年間観光客 は3分 の 1程 度 にまで減少 した。特 に水仙 まつ り、 あ じさい まつ り、黒船 まつ り には最盛期 には 3日 間で40万 人 か ら50万 人 ほ どの観光客 が訪れていたが、今 で は20万人程度 となっている 12。 これ までは伊豆地域南部の中心都市 として、 NTT

や東京電力の支社 が置かれていたが、 それ らが統廃合 とな り数百人規模 の雇用 者 が激減 した ことな ども地域経済 の衰退 に拍車がかけられた。2006年 には伊豆 下 田バスが営業廃止 とな り、南伊豆東海バス 0新 東海バスに事業譲渡 され ると いった問題 も発生 している。

5と1は 1990年 か ら2008年 までの人 口の推移 を示 したものである。伊東市 と比べ ると、下田市の人 口減少傾 向は著 しく年 々減少 している。 自然動態 と社 会動態 についてはいずれ も減少 に転 じている。2001年 度 には自然減が107人、社 会減 が64人 であったが、2005年 には自然減 が147人 、社会減 が 189人 にな り、人 口減少率 も年 々大 き くなっている。高齢化率 も高 く、下田市の 65歳 以上人 口の 比率 (2005年 )は 28.6%と 、静岡県内の市部 では熱海市 (2005年 31.8%)に 次 いで高い比率 となっている。

表 5  下田市人 口の推移 (1990‑2008年 度 )

単位 ;人

注 )年 度末 の住民基本 台帳人 口 (資 料 )下 田市市民課資料 に よ り作成。

年 度 人 口 年 度 人 口 年 度 人 口

1990 30,081 1997 28,605 2004 27,093

1991 30,135 1998 28,330 2005 26,945

1992 29,445 1999 28,193 2006 26,708

1993 29,326 2000 27,798 2007 26,365 1994 29,127 2001 27,722 2008 25,869

1995 29,103 2002 27,559

1996 28,812 2003 27,373

2下 田市観光協会 ヒア リング調査 による。

‑41‑

(10)

図 1  下田市の人 口の推移

31000 30000 29000 28000 27000 20000 25000 24000 23000

が ずず が がぶ

年度

ぽがずが

(資 料 )下 田市市民課資料 に よ り作成。

6に よ り1995年 か ら2005年 までの下田市産業別人 口の推移 についてみると、

雇用者総数では1995年 か ら2000年 までに約 1万 5400人 か ら約 1万 3800人 へ と1600 人程度の減少 とな り、2000年 か ら2005年 までに約 1万 2900人 へ とさらに900人 程 度減少 した 13:産 業別 では最 も雇用減少率が著 しいのが製造業であ り、電気・ ガ ス・水道業、運輸・通信業で も 3割 以上減少 してい る。農業 については1995年 の従業者 が545人 か ら2005年 には391人 とな り、漁業・水産業 も418人 か ら309人 へ と大幅 に減少 している。第3次産業でも卸 0小 売業 が1995年 の約 4200人 か ら 2005年 には2800人 に、その他サー ビス業 も5800人 か ら3800人 にまで2000人 も減 少 した。

2005年 の産業別構成比 をみ ると、第 1次 産業 のシェアは農業 と漁業 0水 産業 を合わせ ても 6%程 度である。第 2次 産業 については 13%で あるが、 この うち建 設業が 11%と 大半 をしめ、製造業 はわずか 3%程 度である。 これに対 して第 3次 産業が 80%と 、サー ビス経済 の割合 が きわめて高い産業構造 になっている。 こ れ らの数値 は、熱海市や伊東市 ともほぼ共通 している。第 3次 産業の中で比較的 高いシェアを有するのは、卸・小売業 (22%)で あ り、 これ に飲食店・ 宿泊業 (18%)、 運輸通信業 (4%)、 金融保険業 (2%)と 続 いてい る。就業者数でい えば、約 1万 2900人 の うち、約 1万 500人 が第 3次 産業 に従事 してお り、約2800人

Bい ずれ も国勢調査 による統計値。

(11)

が卸・小売業、約2300人 が飲食店・宿泊業、建設業従事者 は約1380人 といった 構 図 になっている。

下田市商工会議所 での ヒア リング調査 によれ ば、 これ までは中小企業支援セ ンターでのコーディネータを雇用 していたが、財政健全化 による集中改革 プラ ンの影響 を受 けて、廃止 とな り、中小企業支援 があま り果 たせ な くなっている とぃ ぅ 14。3次 産業 は、就業人 口の うち約 8割 をしめるが、 さらにその うち 7害 J

が観光関連 の雇用である。

来遊客数の推移 をみ ると、2004年 を底辺 として宿泊人員 はやや上向きになっ てお り、2005年 には105万人、2006年 には118万人、2007年 には 119万 人 と増加 傾 向 にあることが窺 える 15。 しか し、 その一方で、 ホテルや旅館 の閉鎖 も多 く

なっている。組合員数 は、1998年 には1469件 であったが、2006年 には1174件 、 2007年 には1146件 とかな り減少 していることが窺える。2006年 か ら2007年 にか

けては、新規会員 が 15件 あった一方で、脱会 が50近 くあらた。 とくに民宿の廃 業や撤退 が多 く、夏 シーズ ンだけ営業す る業者 もあるとい う。2008年 現在の統 計では、下田市のホテル は2件、旅館 は60件 、民宿 は333件 、ペ ンシ ョン 18件 、 寮 0保 養所 15件 となっている。

表 6  下田市産業別人 口の推移 (1995‑2005年 度 )

単 位 人 、 1995年 度 20004F渥 篭 2005年 度 1995‑2005̀年 度 人 数 構成比 % 人 数 構成比 % 人 数 構成比 % 増減数 増減率 %

総 数 15,411 100% 13,796 100% 12,901 100% ‑2,510 ‑16%

第 1次産 業 975 6% 6% 6% ‑265 ‑27%

農 業 4% 420 3% 3% ‑154 ‑28%

林 業 0% 0% 0% ‑2 ‑17%

漁業・水産

業 3% 346 3% 2% ‑109 ‑26%

第2次 産 業 2,449 16% 2,151 16% 1,702 13% ‑747 ‑31%

鉱 業 0% 0% 0% ‑13 ‑100%

建 設業 1765 11% 1,545 11% 1,379 11% ‑386 ‑22%

‑43‑

И 下田市商工会議所 での ヒア リング調査 による。

15下 田市『下田市統計書』各年度版参照。

(12)

1995年 度 2000年 度 2005年 度 1995‑2005̀年 度 人 数 構成比 % 人 数 構成比 % 人 数 構成比 % 増減数 増減率 %

製造業 671 4% 599 4% 323 3% ‑348 ‑52%

第3次 産業 11,987 78% 10,877 79% 10,489 81% ‑1,498 ‑12%

卸・小売業 4,181 27% 3,896 28% 2,806 22% ‑1,375 ‑33%

金 融 保 険

375 2% 2% 2% ‑131 ‑35%

不動産 業 1% 106 1% 1% 0%

運 輸 通 信

794 5% 645 5% 530 4% ‑264 ‑33%

電 気 ガ ス

水道業 1% 1% 80 1% ‑52 ‑39%

飲食店 。宿

泊業 2,339 18%

そ の 他 サ ー ビ ス 業

5,767 37% 5,185 38% 3,751 29% ‑2,016 ‑35%

公 務 4% 5% 5% 0%

分類不能 0% 0% 0% 500%

単位 ;人 、

(資 料下田市『下田市統計書 (平 成 18年 度 )』 により作成。

7と2は 、下田市生活保護率 (人 口に対す る生活保護人員 の割合 %o)の 推 移 を示 したものである 16。 静岡県平均 と比べて も、 はるかに高 い増加率で推移 してい る ことが窺 え る。下 田市 の生活保護率 は1998年 に 3。 9%0で あったのが、

2007年 には 9。 81%0に まで増加 し、2007年 現在では、静岡県平均 4。 60%0に 比べ る と 2倍 もの高い比率 になっている。ただ全国平均値 と比べ ると、それほ ど高い と い うわ けではない。 そもそも生活保護 に関 しては、1993年 のバ ブル経済崩壊以 降全国的に生活保護率 が上昇 した。2000年 代 には社会サー ビスカ ッ トや規制緩 和 による影響 な どを受 けて、貧困化 がすすみ、生活保護率 も上昇傾 向 を辿 った のである。全国統計では、世帯数か らみた保護率 は、1993年 に 14.0で あったの が2008年 には 23。 0と な り、生活保護世帯数 も60万 世帯 か ら115万 世帯 にまで倍

16下 田市生活保護課資料 による。

(13)

増 した。

下田市で も同様、1998年 の被保護者世帯数 は86世 帯であったが、2007年 には 198世 帯 に 2。 3倍 にも増加 してい る。被保護者人員 でみて も1998年 の110人 か ら 2007年 には253人 にまで増 えている。生活保護率でみ ると、静岡県内市 のなか で は熱海市、伊東市 に次 いで下田市が第 3位 と非常 に際だった特徴 を持 ってい る。長期的な地域経済の衰退 に加 えて、観光 に関わ る雇用環境の変化 によると ころが大 きい。下田市生活保護課 によると、2000年 代以降、 リス トラされた 60 歳前後 の無年金者やホーム レスか らの相談件数が増 えてい るとい う 17。 下田市 にお ける2007年 現在 の生活保護世帯 (198件 )に ついて詳 しくみ ると、高齢者 世帯 が 55.6%(110件 )、 傷病世帯 が 17。 2%(34件 )、 傷害世帯 が 12.1%(24件 )、

母子世帯 が 7件 (3。 5%)、 その他23件 (11.6%)と いった構成 になっている。そ の うち、一人世帯が83.8%と 大半 をしめている。保護の期間は、 1年 未満 が 9%、

1年 以上 2年 未満 が 20%、 2年 以上 5年 未満 が 30%、 5年 以上 10年 未満 が 8%な どと なってお り、保護開始後 10年 未満 が 8割 以上、 その うち2年未満 が約 3割 を しめ てい る。

年齢男 U(253人 )に は、70歳 以上が 35%、 60歳 以上70歳未満が 30%、 40歳 以 上60歳 未満 が 19%、 20歳 以上40歳 未満 が 5%、 20歳 未満 が 11%と 、高齢世帯 が

6割 以上 を占めてい ることが分 か る。 さ らに80歳 以上 の被保護者 は 9%(24名 )

をしめる。2007年 度では保護開始件数 が23件 、廃止件数が 17件 であったが、保 護開始 の大半 が傷病 によるものであった。廃止 17件 の うち 9件 は死亡 によるも ので、転 出が 3件 で、稼働収入増 によるものはわずか 2件 にす ぎなかった。

医療扶助実施状況 についてみ ると、入院によるものが339件 (延 べ人数 )だ っ たが、 その うち精神病 によるものは半数近 い156件 であった。年度別扶助費総 額 については、1998年 度 1億 9000万 円だったのが、2007年 度 には 4億 3000万 円に まで増加 したが、一人 当た り扶助費 は1998年 の 15万 1131円 と比べ ると、2007年 は 14万 1240円 と 1万 円程度圧縮 されている。扶助費別支 出額 をみ ると、医療扶 助 が 52%と 最 も大 きなシェアをしめ、生活扶助 が 29%、 住宅扶助 が 13%な どと

なっている。

以上 か ら、生活保護世帯 の大半が高齢者世帯であ り、扶助費の内訳では医療 扶助 が半分以上 を しめていることが窺 える。

17下 田市生活保護課 ヒア リング調査 による。

‑45‑

(14)

表 7  下田市生活保護率の推移 (1998‑2007年 度 )

1998 1999 2001 2003 2004 2005 2006 2007

下田市世帯数 11,309 11,365 11,342 11,378 11,434 11,470 11,540 11,560 11,513 11,456 下田市人口 (人 ) 28,193 27,966 27,722 27,559 27,343 27,093 26,945 26,621 26,197 25,802 下 田市被 保 護者

世帯数 86 102 118 139 155 174 184 193 194 198 下 田市被保 護者

人員 (人 )

126 143 176 198 223 237 252 253

下 田市世 帯保 護 率 (‰ )

7.60 8.97 10。 40 12.22 13.56 15。 17 15。 94 16。 70 16.85 17.28 下 田市 生活保 護

率 (‰ )

3。 90 4.51 5。 16 6.39 7.24 8.23 8。 80 9。 35 9.62 9.81

静 岡県 生活 保 護 率 (%。 )

2.69 2.88 3.09 3.35 3.57 3.87 4。 15 4。 36 4.50 4.60 (資 料 )下 田市福祉事務所保護課資料 に よ り作成。

図 2  下田市生活保護率の推移 (1998‑2007年 度 )

%0 12,00 10,00

3、 00 藤 ̀00 4̀00 2.00

0、 00

下田市生活保護率 (‰ )

静岡県生活保護率 (‰ )

ずずがぶ紺がぶ♂がぶ

年度

(注 )こ こでの生活保護率 は人 口1000人 に対 す る割合 (%o)を 示 した もの。

(資 料 )下 田市生活保護課資料 に よ り作成。

(15)

3.伊 東市 と下田市の財政構造

(1)伊 東市財政の構造

1.伊 東市歳 出構造の特徴

伊東市 の2007年 度 にお ける決算状況 についてみ る と、歳 出決算総額 は222億 7230万 円、財政力指数 は 0.89で ある 郎

。財政力指数 は2001年 度 には 1。 0で あった が、年 々徐 々に低下傾向を辿 っている。財政力指数の静岡県内のランキングで は20位 、全国約1800市 町村中252位 である 19。 目的別歳 出決算 の内訳 をみ ると、

民生費の割合 が 34%と 最 も高 く、総務費が 13%、 公債費が 12%、 土木費が 10%、

衛生費が 10%、 教育費が 9%、 消防費 が 5%な どといった構成比 になっている。

民生費 と公債費 の比重 が高い とい う特徴 を持 ってい る。実質公債費比率 は 9%

で、静岡県内では 8位 となってい る。一人 当た りの地方債現在高 は34万 円であ り全国平均 の44万 円 と比べ ると、比較的低 い水準 になっている。実質収支比率 は 1。 4と 6000万 円程度 の黒字である。 これ らの数値 をみ る限 り、健全財政だが、

2000年 代 の財政構造 が どのような変化 をみたのか、検証 してお こう。

8は 、2001年 度 か ら2007年 度 までの伊東市一般会計 目的別歳 出の推移 を示 したものである。財政規模 は2001年 度か ら2007年 度 にかけて 4%程 度減少 し、 9 億 円程度財政規模 が縮小 した。最 も減少率が高いのが、農林水産業費であ り2001 年度 の水準の 4害 J程 度 にまで減少 している。すでに明 らかに したように、農林水 産業 の就業人 口に占める割合 が少 な く、衰退 が著 しい ことも影響 している。続 いて商工費の減少率が著 しく 4害 J減 、教育費 も 25%減 、土木費 も 18%減 となっ てい る。 それに対 して、民生費 は 23%増 加 している。

とくに2004年 度 か ら2006年 度 にかけては、三位一体 の改革 による影響 が強 く 表れたこともあって、歳 出の大幅 な見直 しが余儀 な くされている。例 えば、2006 年度 には、経常的経費 5%カ ットや補助金 の廃止 を含 めた再検討 が行われ、庁舎 当直業務委託料 をは じめ42事 業がスクラ ップされ ることとなった 20。 しか しそ の一方で、公共事業関連では、2006年 度 には市道三の原線及 び市道吉田道線改 良事業や小室山公園整備事業 な どの新規事業 に着手 され るな ど、投資的経費が 拡充 されている。

ところで、伊東市で は、2000年 代以降、第3次 総合計画 (2001‑2010年 度 )

毬 伊東市決算カー ドによる数値。

Ю 静岡県市町村課資料 による。

20伊 東市『平成 18年 度市政報告書』 による。

‑ 47 ‑

(16)

にもとづいて、財政支出の優先順位 が決定 されて きた。総合計画では、 まちづ くりの基本方針 として① 「活力 あるまちづ くり (産 業分野 )」 、② 「快適 なまち づ くり (都 市基盤分野 )」 、③ 「安心 して暮 らせ るまちづ くり (医 療・ 保健、福 祉、市民生活分野 )」 、④ 「学 び豊 かなまち (生 涯学習分野 )」 の4項 目を掲 げら れている 21。

2006年 現在 までの実施状況 についてみ ると、産業分野では、観光産業の振興 (個 性 ある観光地づ くり・資源 を生か した観光 の振興 。新 しい観光資源 の開発 )、

多様 な産業の振興 (商 業 の振興 0建 設業、製造業 の振興・農林水産業 の振興・

雇用の確保 )に 対す る47件 の実施計画 (68億 3700万 円 )の うち、45件 が実施 さ れ、44億 3400万 円が実施済み となっている。 この中には、観光 コ ミュニティバ ス実証運行事業や伊東マ リンタウンプロムナー ド整備事業 などが含 まれている。

また、都市基盤分野では、自然 と調和 した都市形 (計 画的な土地利用の推進・

自然環境 の保全 と活用・河川、海岸、港 の整備・美 しい都市景観 の形成 )、 快適 な住環境 の形成 (伊 東駅、駅周辺市街地 の活性化、住宅地 の整備・ 公園や身近 な生活道路 の整備・環境優 しい暮 らしの推進 )、 機能的な都市基盤 の整備 (交 通 体系の充実・幹線道路 の整備・ 上水道 の整備・ 下水道 の整備 )に 対 して103件 の実施計画 (320億 円 )の うち、すでに91件 、総額 に して250億 円の事業が実施 されて きた。2005年 度 には伊東駅ユニバーサルデザイン施設整備事業が完了 し ているが、2006年 度 か らは、伊東駅周辺整備計画策定事業 などがすすめ られて いる。

さらに、医療・保健、福祉、市民生活分野では、安心で きる医療 と保健 の充 実 (医 療 の充実 0健 康作 り体制 の充実 。国民健康保険、老人保健制度 の適切 な 運用 )、 社会福祉 の充実 (高 齢者福祉 の充実・児童福祉 の充実・ 障害者福祉 の充 実・地域福祉 の充実 0国 民年金対策 の充実 ))、 安全 な市民生活 の確保 (地 域防 災の充実・消防体制 の充実 な ど )に 対 して、55件 の実施計画 (292億 円 )の う ちすでに55件 、総額 に して261億 円の事業が実施 されて きた。2006年 度か らは 医療施設設置基金への積 み立てな どに重点がおかれて きた。

なお、生涯学習分野では、学校教育の充実、社会教育の充実、芸術 。文化 の 振興 に対 して 13億 円な どとなってお り、市民体育センターの改修事業 な どが実 施 されている。

これ らの事業の中で最 も金額的にみて大 きいのが、都市基盤整備 と医療・福

21伊 東市『第 3次 総合計画』 による。

(17)

祉分野である。2006年 度 には児童手 当法改正 に伴 う児童手当に加 えて、すでに みたような生活保護 の需要増 に伴 う生活保護扶助費、国民健康保険事業特男 U会 計への繰 出 しな どが実施 されて きた。生活保護扶助費 と国民健康保険事業特男 U

会計への繰 出金の状況 については、性質別決算額 の推移 よって明 らか となる (表 9と 図 4)。

表 8  伊東市一般会計 目的別歳 出決算額 の推移 (2001‑2007年 度 )

単位 ;千 円 2004 2005 2001‑2007

増減額 増減率

%

議会費 259,670 259,672 249,811 248,654 242,862 236,827 221,578 ‑38,092

総務費 3,509,095 3,174,678 3,401,757 3,018,954 3,133,613 2,850,433 3,037,899 471,196 ‑13%

民生費 6,226,101 6,391,308 6,776,039 7,466,470 7,420,471 7,643,544 7,686,155 1,460,054

衛生費 2,454,151 2,950,479 2,521,773 2,322,058 2,500,467 2,325,070 2,203,442 ‑250,709

労働費 83,253 83,123 80,973 ‑14%

農林 水産 業

325,180 280,835 314,126 250,112 146,885 136,711 132,971

‑192,209

商工費 1,359,284 942,407 839,228 787,672 765,385 687,315 752,823 ‑606,461 ‑45%

土木費 2,850,433 2,698,699 3,186,544 2,782,960 2,870,432 2,636,885 2,336,801 513,632

消防費 1,219,193 1,109,554 1,158,329 1,204,081 1,216,475 1,183,765 1,112,549 ‑106,644

教育費 2,627,865 2,091,626 2,000,686 1,938,209 1,979,004 1,969,456 1,977,328 ‑650,537

災害復 旧費 365,062 30,245

公債費 2,340,575 2,496,802 2,320,735 2,428,302 2,520,189 2,622,288 2,699,582 359,007

歳出合計 23,265,928 22,480,221 22,852,842 23,095,787 22,907,414 22,380,424 22,272,346 ‑993,582 ‑4%

(資 料 )伊 東 市 『伊東 市統計書 (平 成 18年 度版』 に よ り作成。

‑ 49 ‑

(18)

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22静 岡県市町村課資料 ‡ こよる。

23伊 東南財政課 ヒア リング調査 による。

(19)

た。市職員 は1978年 の ピーク時には1001人 であったが、2007年 には807人 にま で削減 されて きている。保育所 も民間委託の動 きがあ り、2009年 度か ら指定管 理者制度への移行 を余儀 な くされている。さらに、清掃行政では 5つ の地区に分 けて収集業務 が遂行 されてい るが この うち 1カ 所 で委託 され る方向が打 ち出さ れ、 ごみ有料化 も実施 されている。公立幼稚園 も 2カ 所 を 1カ 所 に統廃合 す るこ ととなっている。伊東市財政課での ヒア リング調査 によると、市職員 の年齢構 成 が比較的若 いため、民間委託 をして も経費 はそれほ ど変わ らない とい う。 そ れは民間委託 をすれば委託料 が発生するためである。

扶助費 については、2006年 度 で 15。 6%と 静岡県 内では最 も高い比率 になって いる。熱海市 13。 3%、 下田市 13.8%か らみて も、 3市 の中で最 も高 くなっている。

1つ の要因が、生活保護率 の高 さである。生活保護費 は1989年 か ら2005年 まで に4億 円も増加 した。すでに明 らかにしたように、伊東市では人 口が漸増傾 向に あ り、全国か ら観光関連 の雇用 を求めて集 まって くる傾 向にある。離職後 も住 み続 けて生活保護 を受 けるケースが多 く、 ケース ワーカーを増員 して対応 して きた とぃ ぅ 24。 こぅした ことか ら、義務 的経費 の比重 が 57。 7%と 静岡県平均 の 42%を 大 き く上回 る結果 となっている。

一方、投資的経費 は、庁舎建設 が行 われた1994年 をピークに比重 が低下 し、

静岡県 内では最下位 の下 田市、富士宮市 に次 いで3番 目に低 い数値 となってい る。ちなみに熱海市 は4位 である。 この ことは逆 に言 えば、無駄 な公共事業 にあ ま り着手 して こなかった ことのあ らわれで もある。 その ことが、地域福祉 の充 実 を可能 に して きたのである。庁舎建設 には98億 円の経費がかけられたが、 そ の内訳 は基金52億 円、起債25億 円、一般財源21億 円である。つ ま り、基金が活 用 されたのである。 そのため、公債費比率 は13.8%と 比較的低 い数値 になって いる。

財政調整基金 は1994年 の55億 円を ピークに取 り崩 しがすすみ、2006年 には 4000万 円にまで減少 した。1990年 代 には、全国的に国の景気対策 の影響 を受 け てハ コモノ建設が進 め られたが、 この際 には財政調整基金 が大幅 に取 り崩 され て きた。2006年 度 と2007年 度 には積立金 を増加 させ た結果、財政調整基金 はそ れ ぞれ9800万 、 1億 4800万 円にまで増加 している。

繰 出金 については、公営病院が深 く関わ ってい る。2010年 現在 の市立伊東市 民病院 は、2001年 3月 に国立病院再編成 に伴 って当時の国立伊東温泉病院 を譲

24伊 東市財政課 ヒア リング調査 による。

‑51‑

(20)

り受 ける形 で開院 となったものである 25。 内科、外科、整形外科、産婦人科 な どの 6つ の診療科か らさらに市民ニーズに対応するために脳神経外科や小児科 な どを新設 して 11診 療科 とし、第2次 救急 医療 をすべて受 け入れ る体制づ くりが 行われて きた。従来 の国立病院 は温泉 リハ ビ リ患者 を扱 う慢性期病 院のため、

急病 による手術 は想定 されていなかった。国か ら無償 で譲渡 され る条件 の一つ として、 10年 間 は現地 で市民病院 を継続 しなければな らないが、 その後 は新 し い病院 を新設することが可能 となる。

これ までは一般会計か らの繰入金で市民病院の運営 が行われて きたが、地域 医療振興協会 に委託す る方針 が とられ ることとなった。新市民病院 (2013年 4 月オープン予定 )の 建設 には概算で約90億 円程度 の経費がかかるが、医療施設 基金 を取 り崩 して病院会計 に繰入 が行われている。 その結果、20億 円あった医 療施設基金 は9億 円にまで減少 してい る。起債 については、最初 の5年 間 は6億 円か ら 7億 円程度 の償還 を行 い、 その後 は4億 円ずつの償還 となる計画 になって いる。

また伊東温泉競輪 については、1991年 の ピーク時には 19億 円の黒字額 を一般 会計 に繰 り入れて きたが、2006年 現在で 6億 1700万 円の累積赤字 が計上 されて いる。 これに関 しては他会計か らの繰入金で賄われているが、財政健全化法 に よる影響が懸念 されている。

表 9  伊東市一般会計性質別歳 出決算額 の推移 (2001‑2007年 度 )

単位 ;千 円

2003 2001‑‑2007

増減額 増減率

%

人件費 7,607,092 7,011,875 7,176,784 6,914,434 6,995,704 6,803,177 6,724,934 ‑882,158

扶助費 2,615,257 2,824,962 3,155,048 3,314,380 3,471,132 3,492,834 3,577,213 961,956

公債費 2,340,575 2,496,802 2,320,755 2,428,302 2,520,189 2,622,288 2,699,582 359,007

物件費 3,185,642 3,259,340 3,256,237 3,163,064 3,161,050 3,066,089 3,090,076 ‑95,566 ‑3%

維持管理費 170,702 199,521 194,859 191,553 162,445 141,277 150,574 ‑20,128

補助金等 1,084,839 1,231,436 1,076,721 1,137,940 1,193,481 1,082,263 1,022,461 ‑62,378 ‑6%

繰出金 2,349,961 2,452,315 2,565,942 2,898,976 2,790,433 2,851,933 2,985,474 635,513

積立金 112,324 78,466 151,766 104,401

25「 クロ ̲ズ アップ :08伊 東市予算案―新病院建設へ本腰」 『静岡新聞』2008年 2月 19日 付。

(21)

単位 ;千 円

2004 2001‑‑2007

増減額 増減率

%

投資・ 出資

金・貸付金 508,793 510,848 563,215 511,293 484,959 336,189 247,044 ‑261.749 ‑51%

普通建設事

業費 3,355,702 2,453,289 2,506,613 2,127,132 1,997,389 1,898,908 1,592,977 ‑1,762,725 ‑53%

災害復 旧事

業費 0 365,062 30,245

歳 出合計 23,265,938 22,480,221 22,852,942 23,095,787 22,907,414 22,380,424 22,272,346 ‑993,592 ‑4%

(資 料 )伊 東市 『伊東 市統計書 (平 成 18年 度版』 に よ り作成。

図 4  伊東市一般会計性質別歳 出の推移 (2001‑2007年 度 )

(資 料 )伊 東市 「決算カー ド」各年度版 より作成。

215,00嚇 :嚇 100:

農嚇 .000」 慇 00 15,000,慇 00.

10.880.0010‐

5.000「 080 0

鸞災書複 1目 事業費 鷹醤通瞳難事業豊 機投資・出資壺 =貸:畿 曇機立金

選畿縮金 麗補助壼等 機維持管理費 醸物件費 機食髄費 醸接麟豊 麟 人件鑽

2.伊 東市歳入構造 の特徴

次 に、伊東市一般会計歳入 の動向について検証 してお こう (表 10参 照 )。 2007 年度 の歳入構成比では、地方税 が 56%を しめてお り、 自主財源比率が比較的高 い とい う特徴 を持 っている。その地方税 の動向をみ ると、1998年 か ら2006年 度 の 8年 間に 159億 円か ら119億 円にまで、約40億 円減少 していることが窺える。さ らに、表 11に よ り、地方税 の内訳 をみ ると、個人市民税 が 25%、 法人市民税 が 5%、 固定資産税 が 50%、 入湯税 が 13%、 都市計画税 が 10%と いった構成比 なっ てお り、固定資産税 の比率が高 く、次いで個人市民税、都市計画税 と続いてお り、法人市民税 の割合 は非常 に少 ない とい う事実が浮 かび上がって くる。2000

‑53‑

(22)

年代 に地価 の下落が続 いた こともあって、固定資産税収 と都市計画税収 はそれ ぞれ 14%減 11%減 となってい る。ただ し、2007年 度 には三位一体 の改革 によ る影響で、 '国

税所得税 か ら地方税住民税 への税源移譲 がされたため、個人市民 税収 が増 えた ことで、2006年 度 か ら2007年 度 にかけて は 6億 円程度 の地方税収

が増加 している。

依存財源 についてみ ると、国庫支 出金 が 10%、 地方債 が 8%、 県支出金 が 6%

地方交付税 につぃて は、財政力指数 の低下 に伴 って増加傾 向にある。伊東市で は2000年 度 か ら交付団体 の指定 を受 けるようになっている。 そのため、普通交 付税 は2001年 度 の 2億 円か ら2007年 度 には 11億 円にまで跳 ね上 がってお り、特 別交付税 を含 める と 5億 円か ら 14億 円にまで 3倍 近 くになってい る。全国的 に、

財政力指数 の低 い 自治体や市町村合併 を実施 した 自治体 の多 くが、三位一体改 革の影響 を強 く受 けて財政難 に陥 っているのに対 して、伊東市の場合 にはそれ ほ ど三位一体 による影響 を受 けていない。ただ、2004年 度 か ら2006年 度 にかけ て、国庫支 出金 が数億 円程度削減 されているが、 その大半が保育所運営費交付 金 の廃止 によるものである。一部 は交付税 で措置 されてい るが、保育所運営費 交付金 の廃止が保育所 の民間委託への誘因 となってい る事実 が窺 える。

他会計か らの繰入金 は、2001年 度 には 6億 円程度 あったのが、2007年 度 には ほ とん ど皆無 に等 しく、地方債発行額 も2001年 度の20億 円か ら2007年 度 には 18 億 円程度 にまで 1割 程度抑制 されてい る。地方債 の うち 6億 円は、臨時財政対策 債である。 また、2003年 度 か ら2005年 度 までの 3年 間 に財政健全化債 が発行 さ れてい ることか らも分 かるように、財政状況 は深刻である。財政健全化債 の発 行額 は、2003年 度 2億 6000万 円、2004年 度4億 円、2005年 度 2億 8000万 円 となっ ている。 さらに、2006年 度 には、退職手 当債 を 5億 円発行 してい る。財政課 に

よると、退職手 当債 の発行がなければ赤字財政 になっていた とい う 26。

その他、使用料・ 手数料 は 4%を しめてお り、2001年 度 の2.8%と 比べ る と多 少比重が高 まってい る。具体 的 には、2006年 度 だけを とつてみ ると、歴史的建 造物で観光施設 の一つ となっている東海館入館料 の徴収 を開始 してお り、また、

小室山公園有料施設使用料 の改定、マ リンタウン陸域施設用地貸付料 9割 減免 を 取 りや め、小室 山つつ じ祭 りの際の臨時駐車場料金 の引 き上 げな どによって使 用料の引 き上 げが実施 されてい る 27。

26伊 東市財政課 ヒア リング調査 による。

27伊 東市 『平成 18年 度市政報告書』参照。

(23)

これ まで、伊東市の決算状況 について検証 して きた。伊東市の2009年 度 当初 予算では、前年比マイナス 1」 5%の 213億 1000万 円であ り、 その最重要課題 とし て 「伊東再生」が掲 げられた。一般会計の事業廃止、縮小、休止 など81事 業 を 見直 しで 10億 4000万 円を捻 出 し、職員給与の見直 しや職員の削減 による 4億 5000 万 円な ど合計23億 5000万 円が伊東再生事業 に充当された。従来 の健康増進、観 光振興 に加 えて、病院、環境、教育、協働 に重点が置かれ、城 ヶ崎海岸遊歩道 整備や移動図書館車更新 な どの52事 業約 10億 5000万 円が伊東再生事業 として支 出され ることとなった 28。 さらに、2010年 度一般会計予算案では、総額 は224億 7400万 円で、前年度比 7。 4%増 の積極財政 となっている。内訳 をみ ると、歳入面 では市民税 が 8。 9%減 を見込 んでいるが、子 ども手 当な どで国庫支出金 が 34。 4%

増、地方交付税 が 21.4%増 (臨 時財政対策債 を含 めると 32%増 )と いったよう に、 自主財源 が縮小 し、依存財源 が大幅増 となる見通 しである。 また、特別会 計 の病院事業会計では2010年 度 か ら新市民病院着工 にかかるため、4億 円が計 上 されている。2010年 度予算 については、政権交代 による地方交付税や国庫支 出金 の動 向への影響 が出るため、改めて決算 での検証 が必要 となるが、地域経 済 の疲弊 と貧困化 を背景 に、伊東地域再生 に向 けて地域 医療 と福祉への重点施 策 を盛 り込 んでいる ところに最大 の特徴 があるといえるだろ う。

表 10  伊東 市 一般 会 計歳入 決算額 の推移 (2001‑2007年 度 )

単位 千 円 2001 2002 2006 2007 2001‑‑2007

増減額 増減率

%

地方税 13,415,334 13,046,375 12,140,127 12,206,802 12,466,091 11,969,493 12,569,098 ‑846,236

地方譲与税 196,475 199,872 211,070 342,957 461,134 700,488 213,765

利 子割 交付

369,869 107,247 65,815 39,382 ‑330,487

配 当割 交付 金 株 式等譲渡 所 得割 交付 金

25,920 23,032 23,032

28伊 東市2009年 度『一般会計予算書』参照。

‑ 55 ‑

(24)

単位 ;千 円 2001 2003 2005 2006 2001‑‑2007

増減額 増減率

%

地方消費税

交付金 733,817 630,995 676,979 756,227 701,974 740,711 726,574 ‑7,243 ‑1%

ゴル フ場禾」

用税交付金 91,902 92,564 87,331 82,635 79,225 ‑18,787 ‑19%

特別 地方消

費税交付金 ‑941 ‑100%

自動車取得

税交付金 151,768 139,463 142,698 168,993 139,571 142,228 142,989 ‑8,779 ‑6%

軽油 引取税

交付金 0

地方特例 交

付金等 275,330 261,076 253,753 240,890 240,112 203,096 55,468 ‑219,862 ‑80%

地方交付税 551,417 951,966 1,028,680 1,320,200 1,394,150 1,678,959 1,440,040 888,623

普 通 225,387 634,903 738,412 985,172 1,094,133 1,394,694 1,159,899 934,512

特 別 326,030 317,063 290,268 335,028 300,017 284,265 280,141 ‑45,889

(一 般財 源 計 )

15,792,963 15,429,293 14,611,970 15,208,777 15,575,375 15,596,562 15,408,939 ‑384,024 …2%

交通安全対 策 費特別 交 付金

15,383 15,576 ‑5%

分担金・ 負

担金 159,342 164,604 132,982 135,274 132,713 133,861 149,600 ‑9,742 ‑6%

使用料 589,970 718,997 625,893 625,821 647,791 732,385 837,962 247,992

手数料 66,636

国庫支出金 2,253,426 2,430,860 2,783,926 2,804,404 2,819,352 2,337,091 2,286,656 33,230 国有提供 交

付金 0

都道府県支

出金 1,001,169 935,636 1,008,134 857,786 1,022,907 1,039,986 1,255,300 254,131

財産収入 158,340 127,562 162,755 92,552 54,692 ‑103,648 ‑65%

寄附金 25,308 72,344 34,780 68,239 258,520 188,512

繰入金 598,634 539,881 133,580 338,320 236,706 67,666 ‑593,136 ‑99%

繰越金 69,726 124,005 174,403 132,803 224,479 187,607 117,881

諸収入 502,339 271,766 275,261 328,283 346,194 362,125 317,353 ‑184,986 ‑37%

地方債 2,056,700 1,805,900 3,004,500 2,528,810 2,021,500 1,898,500 1,877,742 ‑178,958

(25)

単位 ;千 円

2001 2003 2004 2007 2001‑‑2007 増減額 増減率

%

うち減税補

填債 111,500 105,200 295,000 295,500 210,400 111,500 ‑100%

うち臨時財

政対策債 310,800 686,000 1,318,400 955,300 733,100 665,000 603,392 292,592

歳入合計 23,334,636 22,604,226 23,027,245 23,228,590 23,131,893 22,568,031 22,523,583 ‑811,053

(資 料 )伊 東市 「決算カー ド」各年度版 より作成。

2004 2006 2007 2001‑2007 増減額 増減率

%

市町村民税 3,430,232 3,217,781 2,997,644 3,025,159 3,186,582 3,356,542 3,967,779 537,547

個人市民税 2,766,397 2,577,731 2,412,312 2,380,348 2,567,674 2,684,959 3,281,343 514,946

個人均等割 89,748 107,431 116,161 130,184 129,969 38,877

所得割 2,675,305 2,488,051 2,322,564 2,272,917 2,451,513 2,554,775 3,151,374 476,069

法人市民税 663,835 640,050 585,332 644,811 618,908 671,583 686,436

法人均等割 351,325 334,539 321,456 327,770 315,007 319,621 331,129 ‑20,196

法人税割 312,510 305,511 263,876 317,041 303,901 351,962 355,307 42,797 14%

固定資産税 7,270,815 7,167,985 6,719,343 6,665,771 6,756,275 6,190,947 6,265,479 ‑1,005,336

うち純固定

資産税 7,183,403 7,082,474 6,636,007 6,592,456 6,688,419 6,124,849 6,208,192 ‑975,211 軽 自動車税 87,406 92,264 97,074 101,906 106,604 110,817 115,565

市 町村 たば

こ税 614,725 593,045 598,484 615,673 584,404 589,107 588,284 ‑26,441 ‑4%

特別 土地保

有税 193,781 180,926 ‑192,411 ‑99%

(法 定 普 通 税計 )

11,596,959 11,252,001 10,414,135 10,410,011 10,634,164 10,247,474 10,938,477 ‑658,482 ‑6%

目的税 1,818,375 1,794,374 1,725,992 1,796,791 1,831,927 1,722,019 1,720,621 ‑97,754 ‑5%

入湯税 332,440 329,371 361,194 354,269 389,079 404,424 392,680

都市計画税 1,485,935 1,465,003 1,364,798 1,442,522 1,442,848 1,317,595 1,327,941 ‑157,994 合 計 13,415,334 13,046,375 12,140,127 12,206,802 1,246,091 11,969,493 12,659,098 ‑756,236 ‑6%

(資 料 )伊 東市 「決算カー ド」各年度版 よ り作成。

表 11  伊 東 市市税 決算額 の推移 (2001‑2007年 度 )

.     単位 ;千 円

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表 3は 、2001年 か ら2006年 までの伊東市 にお ける来遊観光客数 の推移 を示 し たものである。総数でみ る と、2001年 に約704万 人 であった観光客が2006年 に は682万 人 にまで約20万人減少 していることが分かる。ただ、 日帰客が415万 人 か ら377万 人 にまで減少 してい るのに対 して、宿泊客 は289万 人 か ら305万 人 に まで 16万 人程度増加 してお り、 この点 は熱海市 の場合 と状況 が異 なる。 熱海市の場合 には、2000年 に84
表 4は 、伊東市生活保護 の推移 を示 したものである。延生活保護世帯数 は2002 年 の8369世 帯 か ら2006年 には9543世 帯 に、 また延生活保護人員 は 1万 1344人 か ら 1万 2401人 にまで増加 してい る。 それ に伴 って、扶助費 も約 17億 円か ら19億 円近 くにまで 2億 円も増加 している。この点 については財政分析 の ところで改め て触 れることとする。 表 4  伊東市生活保護の推移 (2)下 田市人 口 と産業構造 の特質 次 に、下 田市 の人
図 1  下田市の人 口の推移 く 3100030000290002800027000 20000 25000 24000 23000 が ずず が がぶ 年度 ぽがずが (資 料 )下 田市市民課資料 に よ り作成。 表 6に よ り1995年 か ら2005年 までの下田市産業別人 口の推移 についてみると、 雇用者総数では1995年 か ら2000年 までに約 1万 5400人 か ら約 1万 3800人 へ と1600 人程度の減少 とな り、2000年 か ら2005年 までに約 1万 2900
表 7  下田市生活保護率の推移 (1998‑2007年 度 ) 1998 1999 2001 2003 2004 2005 2006 2007 下田市世帯数 11,309 11,365 11,342 11,378 11,434 11,470 11,540 11,560 11,513 11,456 下田市人口 (人 ) 28,193 27,966 27,722 27,559 27,343 27,093 26,945 26,621 26,197 25,802 下 田市被 保 護者 世帯数 86 102 118

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