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地域介護支援者による高齢期の 発達障害に関する認識

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地域介護支援者による高齢期の 発達障害に関する認識

Community Awareness of the Developmental Disorders in the Elderly

緑  川   晶

要   旨

地域包括支援センターと居宅介護事務所の職員に対して,高齢期の発達障害 についての認識を質問紙によって調査した。結果,発達障害についての熟知度 は高かったが,発達障害の特性を有する認知症高齢者について,発達障害とし て見立てる傾向は高くないことが明らかとなった。

キーワード

認知症,発達障害,アスペルガー症候群,自閉症スペクトラム Dementia, Developmental Disorders, Asperger Syndrome, Autistic Spectrum

は じ め に

1995年に当時の文部省の調査協力者会議から報告書「学習障害児等に 対する指導について(中間報告)」が提出され四半世紀が経過し,教育現場 を中心に発達障害が知れ渡るようになった。また,発達障害に該当する児 童・生徒の成長に合わせるように,高等教育や就職・就労の場面において も認識が広がり対応が進められ,法的な支援も確立されるようになった。

その一方で,高齢期の発達障害1)やその老化に関する言及は少ない

(Mukaetova-Ladinska et al., 2012)。その理由の一つとして,発達障害の中でも

(2)

以前から知られている自閉症やアスペルガー症候群ですら,最初の報告が なされたのがそれぞれ1943年と1944年で,そこで記述された子ども達が ようやく高齢期となり,その報告(例えば,Happé & Charlton, 2012)がなさ れるようになったばかりである。発達障害の高齢期の十分な知見が蓄積さ れているとは言えない状況であり,それ故,他の年代に比較して関心がま だ乏しいことにもつながっていると考えられる。しかし,過去の伝記上の 人物が発達障害であった可能性が病跡学の研究などから示されているよう (たとえば,20世紀前半の哲学者のヴィトゲンシュタインはアスペルガー症候群 であったと考えられている(Fitzgerald, 2000)),発達障害の概念こそ新しいが,

実は昔から存在する特性であることは十分に考えられる。

このように高齢期の発達障害は既に一定程度が存在することが予想さ れ,一部は医療機関を訪れている可能性がある。しかし上述したように高 齢期に発達障害として認識され報告されることは限定的である。このよう に気づかれにくい理由として,まず診療科ごとの事情がある。これまでの 歴史的な流れにより医療の現場で発達障害を扱うのは児童精神科医や精神 科医であり,その範疇は児童から成人である。それに対して,高齢期の行 動上の問題を扱うのは神経内科医や認知症などを対象とした精神科医であ る。これらの科では生育歴という視点を持つことが少なく,成人期以降の いわゆる健常成人を判断基準として高齢期の問題を評価する傾向がある。

またいわゆる高機能の人々は家族に連れてこられるまでは,相応の社会生 (あるいは家庭生活)を送り,高齢期になって何らかの問題が顕在化した と考えられ,評価する側はその変化の有無が鑑別の焦点となる。特に認知 症を対象とする診療科においては,患者の社会生活上の問題が焦点となる 場合には,前頭側頭型認知症を想起することが多い。前頭側頭型認知症に 3類型がある。その中に前頭型あるいは行動型の前頭側頭型認知症

(behavioral variant frontotemporal dementia; bv-FTD)があり,その行動上の特

(3)

徴として共感性の欠如や情動認知の障害などが示されている(Kipps &

Hodges, 2007)。これらの共感性の欠如や情動認知の障害は,アスペルガー

症候群などの自閉スペクトラムの特徴でもあるが,もし生育歴が分からな い状態で行動上の問題を有する高齢期の人を目の当たりにした場合には前 頭側頭型認知症とみなされていた(Midorikawa & Kawamura, 2012)。しかし 成人の発達障害についての理解が進むに従って,家族の側にも高齢家族の 問題行動の背景に発達障害が想定されるようになってきた(緑川, 2012) 実際,筆者が発信しているホームページ(緑川, 2017)の情報を頼りに,問 い合わせが全国から寄せられている。そこでの訴えの一つが,家族の側に そのような気づきがあっても,相談機関の受け入れが限定的であるという 点である。すなわち発達障害を背景として高齢期に問題行動が生じている として,認知症の相談機関である「認知症疾患医療センター」に相談して も,発達障害は対象外と言われ,発達障害の相談機関である「発達障害者 支援センター」に相談しても,高齢者(認知症)は対象外と言われるそう である。したがって現在のところ発達障害を背景として高齢期に問題行動 が生じたとしても,専門的に相談を受ける機関は十分に整備されていない のが現状である。一方で,力量がある地域包括支援センターの専門職や居 宅介護事務所の介護支援専門員(ケアマネジャー)の中には,診断にかかわ らず当事者の特性に合わせて対応したり,支援したりすることがある。し たがって現状を鑑みると,問題行動が生じた一次的な対応機関である地域 の包括支援センターの専門職員や日々の直接の対応やその計画に当たる介 護支援専門員が認知症だけではなく,高齢期の発達障害について理解して いることが不可欠に思われる。そこで本研究では,第一線でかかわる地域 の包括支援センターの専門職と居宅介護事務所の介護支援専門員を対象と して,高齢期の発達障害について理解の状況を把握することを目的とす る。

(4)

方   法

「対応に困難を感じる利用者に関する調査」と題した質問紙を20186 月から8月にかけて東京都A市の地域包括支援センターと居宅介護事務 所に送付し,各専門職員に回答してもらい,無記名にて同封した返送用の 封筒にて回収した。

対象:管轄するA市の担当部課に対して地域包括支援センターの専門職員 数と居宅介護事業所の介護支援専門員(ケアマネジャー)の人数を照会 し,A市に在籍するすべての専門職員と専門員を網羅するように各事業 所宛てに依頼書とともに質問紙表と返送用の封筒を郵送した。

質問紙:質問紙はフェースシートで倫理面での説明と連絡先を明記した上 で,1)回答者の属性,2)症候についての知識や経験,3)架空事例の 提示と見立て,4)発達障害(自閉スペクトラム)の説明,5)4)を踏まえ た架空事例に対する見立て,から構成されている。詳細は以下の通りで ある。

1)回答者の属性:①回答者の職種(介護支援専門員,訪問介護員,保健師,

社会福祉士,その他),②性別・年齢,③経験年数,④事業所内の職員数,

1ヶ月あたりの利用者数,⑥対応に困難を感じる利用者の頻度につ いて,の各質問が含まれている。

2)症候についての知識や経験:①アルツハイマー病(アルツハイマー型認

知症),②レビー小体型認知症(DLB),③前頭側頭型認知症(FTD)/ピ ック病,④高次脳機能障害,⑤発達障害/広汎性発達障害,⑥アスペル ガー症候群,⑦自閉症(自閉症スペクトラム)の名称を提示し,その用語

の理解度1 . 知っている,2 . ある程度は知っている,3 . ほとんど知らない ,

4 . 全く知らない)と自身や職場内での対応や支援の経験の有無1 . 経験

したことがある,2 . 経験したことは無いが職場の他の職員が対応していた,3 .

(5)

経験したことも無いし,職場の他の職員も対応したことは聞いたことが無い) 尋ねた。

3)架空の事例の提示と見立て:架空の事例として表1を提示した上で

「問題行動の原因をどのように考えますか」と尋ね,選択肢1 . 病気(認

1 架空事例の提示

 以下の架空事例(82歳女性,息子との2人暮らし,娘も1人いるが結婚して同 じ市内に住んでいる)を読んで,あなたならどのように判断されますか。次のペー ジで回答してください。

・病院での診断

    夫が亡くなった5年前頃から物忘れが目立つようになり,総合病院の「も のわすれ外来」を受診した。検査結果が典型的ではないため診断には苦慮した ようで特徴的な行動のため前頭側頭型認知症(FTD)の可能性もあると言われ たが,物忘れが目立つため,おそらくアルツハイマー病でしょうと言われ服薬 を開始した。しかし服薬によって却って異常な行動が増えたため,服薬を中止 し,その後は服薬をしていない。

・行動の特徴

    物忘れの他に対人面の問題(周囲を気にせずに発言し関係を悪化させてしま う)や問題行動(同じ店で同じ買い物をし,食事もいつも同じ物を買ってきて 食べている)が目立ったが,知的な話は好きで,気に入った女優の話になると 話が止まらなくなる。デイサービスでのパズルやクイズ形式のゲームは得意で 他の人を差し置いて進めてしまうことが多い。また自分が普段座っていた席に 他の人が座るとパニックになり手に負えないこともあった。

・介護保険の利用

    要介護1と認定され,デイサービスの利用を週に3回とした。最初は行く のを拒んだが徐々に気に入り,デイサービスがある日は家に帰ってきてからも 安定して過ごしている。一方でデイサービスがない日は朝から落ち着かず玄関 と居間の間を行ったり来たりして家族を困らせていた。家族の意向で週に6 回としたところ,本人は疲れるからいやだと言うが,家庭での問題行動は軽減 した。しかしデイサービスが無い日曜日はやはり問題行動が生じたため,別な 施設を利用し,週7回の利用とし現在は安定している。

・家族の様子

    息子は成績優秀で有名大学を卒業後に公務員として働いているが,生活力に 乏しくキーパーソンとはならなかった。要求が多く困るとすぐにケアマネに連 絡を入れ,すぐに対応ができないと分かると激高していた。なお,介護保険の 手続きや通院はすべて娘が行っていた。

・その後の経過

    週に7回のデイサービスを利用してからは,服薬していないが状態は安定 している。スタッフも対応に慣れ,誘導や声かけのコツが分かるとパニックに なることも無くなってきた。

(6)

知症)によって引き起こされていると思う,2 . 元々の性格が影響してい ると思う,3 . 発達障害などの特性が影響していると思う,4 . 特に感じ ることはない, 5 . その他)から回答(複数回答可)させた。次に「家族

(息子)の様子についてどう思いますか」と尋ね,選択肢1 . 母親が病気 で息子は混乱しているだけだと思う,2 . 元々の性格が影響していると思う,3 . 発達障害などの特性が影響していると思う,4 . 特に感じることはない, 5 . その 他)から回答(複数回答可)させた。最後に,「状態が長期間にわたって 落ち着いているようですが,理由はなんだと思いますか」と尋ね,選択 1 . 認知症が改善したため,2 . 認知症が進行したため,3 . 支援が有効であ ったため,4 . その他)から回答(複数回答可)させた。

4)発達障害の説明:発達障害(自閉スペクトラム)の特徴の説明として

2を提示した。

2 発達障害(自閉スペクトラム)の説明文

 以下は発達障害(自閉症スペクトラム)の特徴です。この文章を読んで次の質問 にお答えください。

1. ・同年代の人と適切な相互的関係が持てない,他者に対する関心が乏しい ・年齢相応の常識が自然に身につかない

相手の都合や気持ちに配慮できず一方的に関わる,あるいは極端に受け身で ある

2. ・他者と相互的なコミュニケーションを楽しむことが難しい

・独り言やオウム返しが多い,自分の考えや気持ちをうまく表現できない ・ことばの意味を字義通りに解釈し冗談や皮肉を真に受ける

   ※ 表情やジェスチャーを読み取れないなど,非言語的コミュニケーションに も困難あり

3. 社会事象の因果関係を理解したり,対人的状況に柔軟に対処したりすること ・物事に極端にこだわり,状況に合わせて柔軟に振る舞うことが難しいが難しい ・興味の偏りが大きい

・変更やルール違反,予想外の事態で混乱しやすい

(7)

5)架空事例に対する見立て:3)の事例と類似したケースの支援・対応経 験の有無について,選択肢1 . 支援・対応した経験がある,2 . 経験は無い が,職場の他の職員が経験していた,3 . 経験したことも無いし,職場の他の職員 も経験したことは聞いたことが無い)から回答させた。また4)の発達障害の 説明を踏まえて,3)の事例が発達障害に該当するか否かを選択肢1 . 該 当すると思う,2 . やや該当すると思う,3 . あまり該当しないと思う,4 . 全く該 当しないと思う)から回答させた。

統計解析:施設ごとの違いについてχ2検定を用いて統計的検定を行っ た。なお有意水準はp < .05として設定した。

研究倫理:本研究は中央大学人文科学研究所倫理審査委員会の承認を受け て実施した。

結果と考察

地域包括支援センターの専門職員は156名,居宅介護事務所の介護支援 専門員は430名を対象とし,回収数と回収率はそれぞれ49(31.4%) 162(37.6%)であった(表3。職種としては,地域包括支援センターで は社会福祉士が多く(63.2%),居宅介護事業所では介護支援専門員(96.9

%)が多かった。施設ごとの職員構成を比較すると性別,年齢,経験年数 において差があり,地域包括支援センターは男性が多く,より若年で構成 され,経験年数も少ない結果であった。一方で,困難を感じた利用者の頻 度については両施設の間で差は認められなかった。

いずれの施設においても症候についての熟知度では,アルツハイマー病 が最も高く,アスペルガー症候群が最も低かった(表4。なお,高次脳 機能障害については居宅介護事務所の職員の方が地域包括支援センターに 比較して有意に熟知度が高い上に実際の経験も多かった(表5。発達障 害,アスペルガー症候群,自閉症については,両施設の熟知度は変わらな

(8)

いが,経験についてはいずれも地域包括支援センターの職員の方が有意に 多いことが示された。

1の事例については,提示された問題行動を両施設の職員ともに認 知症に起因するものとして見立てたが,約半数は性格や発達障害について も影響するとも考えていた(表6。また事例の家族については半数が元々

3 施設ごとのデモグラフィックと困難を感じる頻度

地域包括支援センター 居宅介護事務所 χ2検定 回収数(回収率)/配布数 49 (31.4%)/ 156 162 (37.6%)/ 430

職種    介護支援専門員     訪問介護員     保健師     社会福祉士     その他・不明

8 (16.3%)

0 ( 0.0%)

1 ( 2.0%)

31 (63.2%)

9 (18.3%)

157 (96.9%)

0 ( 0.0%)

0 ( 0.0%)

1 ( 0.6%)

4 ( 2.4%)

**

性別    男性     女性     その他・不明

14 (28.5%)

26 (53.0%)

9 (18.3%)

22 (13.5%)

133 (82.0%)

27 (16.6%)

    年齢 29歳以下     30─39歳     40─49歳     50─59歳     60─69歳     70歳以上     その他・不明

4 ( 8.1%)

7 (14.2%)

17 (34.6%)

18 (36.7%)

3 ( 6.1%)

0 ( 0.0%)

0 ( 0.0%)

0 ( 0.0%)

3 ( 1.8%)

47 (29.0%)

58 (35.8%)

43 (26.5%)

5 ( 3.0%)

6 ( 3.0%)

**

経験年数    1年未満     1─3     4─5     6─10年     11─15年     16年以上     その他・不明

11 (22.4%)

4 ( 8.1%)

2 ( 4.0%)

11 (22.4%)

12 (24.4%)

9 (18.3%)

0 ( 0.0%)

5 ( 3.0%)

24 (14.8%)

33 (20.3%)

46 (28.3%)

39 (24.0%)

15 ( 9.2%)

0 ( 0.0%)

困難を感じた利用者の頻度     経験したことは無い     時々経験する     よく経験する     頻繁に経験する     その他・不明

3 ( 6.1%)

28 (57.1%)

13 (26.5%)

4 ( 8.1%)

1 ( 2.0%)

4 ( 2.4%)

107 (66.0%)

40 (24.6%)

10 ( 6.1%)

1 ( 0.6%)

n.s

p < .05, **p < .01

(9)

の性格によるものと考えていたが,地域包括支援センターの職員は発達障 害の特性に起因すると考える傾向にあった(表7。また問題行動の改善 については両施設の職員ともに支援の有効性を挙げている(表8

事例と類似のケースの対応経験の有無については,職場の同僚を含める と地域包括支援センターの職員の対応経験が多い結果であった(表9 また,事例についての発達障害としての見立てについては,「やや該当す ると思う」を含めると両施設の職員ともに約70%が該当すると判断してい (表10)

4 症候ごとの熟知度

地域包括支援センター 居宅介護事務所 χ2検定

(1)アルツハイマー病  •知っている

 •ある程度は知っている 40 (83.3%)

8 (16.7%) 149 (92.0%)

13 ( 8.0%)

n.s

(2)レビー小体型認知症  •知っている

 •ある程度は知っている  •ほとんど知らない

36 (75.0%)

12 (25.0%)

0 ( 0.0%)

140 (86.4%)

20 (12.3%)

2 ( 1.2%)

n.s

(3)前頭側頭型認知症(FTD)

 •知っている

 •ある程度は知っている  •ほとんど知らない

35 (72.9%)

11 (22.9%)

2 ( 4.2%)

112 (70.0%)

39 (24.4%)

9 ( 5.6%)

n.s

(4)高次脳機能障害  •知っている

 •ある程度は知っている 36 (75.0%)

12 (25.0%) 143 (89.4%)

17 (10.6%)

(5)発達障害  •知っている

 •ある程度は知っている  •ほとんど知らない

30 (62.5%)

18 (37.5%)

0 ( 0.0%)

110 (68.3%)

46 (28.6%)

5 ( 3.1%)

n.s

(6)アスペルガー症候群  •知っている

 •ある程度は知っている  •ほとんど知らない  •全く知らない

26 (54.2%)

20 (41.7%)

2 ( 4.2%)

0 ( 0.0%)

95 (58.6%)

51 (31.5%)

15 ( 9.3%)

1 ( 0.6%)

n.s

(7)自閉症  •知っている

 •ある程度は知っている  •ほとんど知らない

28 (58.3%)

17 (35.4%)

3 ( 6.3%)

107 (66.0%)

47 (29.0%)

8 ( 4.9%)

n.s

p < .05

(10)

5 症候ごとの経験の有無

地域包括支援センター 居宅介護事務所 χ2検定

(1)アルツハイマー病

経験したことがある

経験したことは無いが職場 の他の職員が対応していた

43 (91.5%)

4 ( 8.5%) 155 (98.1%)

3 ( 1.9%)

n.s

(2)レビー小体型認知症

経験したことがある

経験したことは無いが職場 の他の職員が対応していた

経験したことも無いし,職 場の他の職員も対応したこ とは聞いたことが無い

29 (64.4%)

11 (24.4%)

5 (11.1%)

121 (77.1%)

30 (19.1%)

6 ( 3.8%)

n.s

(3)前頭側頭型認知症(FTD)

経験したことがある

経験したことは無いが職場 の他の職員が対応していた

経験したことも無いし,職 場の他の職員も対応したこ とは聞いたことが無い

19 (42.2%)

14 (31.1%)

12 (26.7%)

65 (42.2%)

51 (33.1%)

37 (24.0%)

n.s

(4)高次脳機能障害

経験したことがある

経験したことは無いが職場 の他の職員が対応していた

経験したことも無いし,職 場の他の職員も対応したこ とは聞いたことが無い

30 (66.7%)

9 (20.0%)

5 (11.1%)

132 (85.7%)

19 (12.3%)

3 ( 1.9%)

**

(5)発達障害

経験したことがある

経験したことは無いが職場 の他の職員が対応していた

経験したことも無いし,職 場の他の職員も対応したこ とは聞いたことが無い

26 (56.5%)

14 (30.4%)

6 (13.0%)

57 (36.8%)

51 (32.9%)

47 (30.3%)

(6)アスペルガー症候群

経験したことがある

経験したことは無いが職場 の他の職員が対応していた

経験したことも無いし,職 場の他の職員も対応したこ とは聞いたことが無い

18 (39.1%)

12 (26.1%)

16 (34.8%)

22 (14.3%)

32 (20.8%)

100 (64.9%)

**

(7)自閉症

経験したことがある

経験したことは無いが職場 の他の職員が対応していた

経験したことも無いし,職 場の他の職員も対応したこ とは聞いたことが無い

21 (44.7%)

6 (12.8%)

20 (42.6%)

26 (16.7%)

26 (16.7%)

104 (66.7%)

**

p < .05, **p < .01

(11)

6 事例に対する初期の見立て

地域包括支援センター 居宅介護事務所 χ2検定

1.病気(認知症)によって引き起こされていると思う n.s

 •該当する

 •該当しない 41 (85.4%)

7 (14.6%) 130 (80.2%)

32 (19.8%)

2.元々の性格が影響していると思う n.s

 •該当する

 •該当しない 28 (58.3%)

20 (41.7%) 67 (41.4%)

95 (58.6%)

3.発達障害などの特性が影響していると思う n.s

 •該当する

 •該当しない 21 (43.8%)

26 (54.2%) 73 (45.1%)

88 (54.3%)

7 事例の家族に対する見立て

地域包括支援センター 居宅介護事務所 χ2検定

1.母親が病気で息子は混乱しているだけだと思う n.s

 •該当する

 •該当しない 11 (22.9%)

37 (77.1%) 39 (24.2%)

122 (75.8%)

2.元々の性格が影響していると思う n.s

 •該当する

 •該当しない 32 (66.7%)

16 (33.3%) 110 (67.9%)

52 (32.1%)

3.発達障害などの特性が影響していると思う

 •該当する

 •該当しない 33 (68.8%)

15 (31.3%) 83 (51.2%)

79 (48.8%)

p < .05

8 事例の変化に対する帰属

地域包括支援センター 居宅介護事務所 χ2検定

1.認知症が改善したため n.s

 •該当する

 •該当しない 2 ( 4.2%)

46 (95.8%) 3 ( 1.9%)

159 (98.1%)

2.認知症が進行したため n.s

 •該当する

 •該当しない 1 ( 2.1%)

47 (97.9%) 11 ( 6.8%)

151 (93.2%)

3.支援が有効であったため n.s

 •該当する

 •該当しない 46 (95.8%)

2 ( 4.2%) 153 (94.4%)

9 ( 5.6%)

(12)

本調査では地域包括支援センターと居宅介護事務所の職員を対象にし て,発達障害の傾向がある認知症高齢者についての認識を明らかにするこ とを目的とした。当初は施設間の差異を明らかにすることを目的としたも のではなかったが,それぞれの施設の職員の背景となる資格だけではなく 年齢や経験年数などの点も異なったことから,それぞれの施設ごとで比較 することとした。その結果,地域包括支援センターの職員と居宅介護事務 所の職員では認知症や発達障害についての熟知度については差が認められ なかったが,対応や支援についての経験は地域包括支援センターの職員の 方が多いことが明らかとなった。架空事例に対してはそれぞれ同様の見立 てを行っていたが,架空事例の家族については,地域包括支援センターの 職員の方が発達障害と見立てる傾向が強かった。一方で,架空事例につい ては,発達障害の説明文の後は発達障害に該当するとの判断は70%程度 となったが,当初は発達障害と該当するとした判断は50%程度であった。

発達障害の熟知度は「知っている」,「ある程度は知っている」を含めると 90%以上になることからも,用語を知っていても,認知症高齢者の問題行

表10 事例に対する発達障害としての見立て

地域包括支援センター 居宅介護事務所 χ2検定  •該当すると思う

 •やや該当すると思う  •あまり該当しないと思う  •全く該当しないと思う

6 (12.8%)

26 (55.3%)

11 (23.4%)

3 (6.4%)

28 (17.8%)

86 (54.8%)

39 (24.8%)

4 (2.5%)

n.s 9 事例と同様のケースの対応経験

地域包括支援センター 居宅介護事務所 χ2検定

•支援・対応した経験がある

•経験は無いが,職場の他の 職員が経験していた

•経験したことも無いし,職 場の他の職員も経験したこ とは聞いたことが無い

22 (45.8%)

15 (31.3%)

11 (22.9%)

68 (43.3%)

26 (16.6%)

63 (40.1%)

p < .05

(13)

動の原因を発達障害に帰属する傾向は高くないと言える。

近年になって成人期の発達障害の認識が高まったように,今後は高齢期 の発達障害の認識が高まることが考えられるが,発達障害の対応方法が一 部の認知症の問題行動の改善に役立つことが報告されていることからも

(竹内 & 長谷川, 2012),高齢期の発達障害の理解は認知症の対応に対しても 役立つことと思われる。

謝 辞

本調査には,科研費(18H03663, 15K04191),中央大学特定課題研究費,

中央大学基礎研究費の支援を受けた。また介護現場の実態については数井学 先生からの多くの示唆を頂いた。データの集計については越智隆太氏,岩立 文香氏の協力を頂いた。この場を借りて謝意を表する。

1) 高齢期になって周囲の人々との関係性において問題が顕在化することか らも,本稿では自閉スペクトラムについて焦点を当て,発達障害と認知症 との関連について言及する。

引 用 文 献

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Mukaetova-Ladinska, E. B., Perry, E., Baron, M., & Povey, C. (2012). Ageing in people with autistic spectrum disorder. International Journal of Geriatric Psychiatry, 27(2), 109─118.

表 5  症候ごとの経験の有無 地域包括支援センター 居宅介護事務所 χ 2 検定 (1)アルツハイマー病 • 経験したことがある • 経験したことは無いが職場 の他の職員が対応していた 43  (91.5%)4 (  8.5%) 155  (98.1%)3 (  1.9%) n.s (2)レビー小体型認知症 • 経験したことがある • 経験したことは無いが職場 の他の職員が対応していた • 経験したことも無いし,職 場の他の職員も対応したこ とは聞いたことが無い 29  (64.4%)11 (24.4%)
表 6  事例に対する初期の見立て 地域包括支援センター 居宅介護事務所 χ 2 検定 1.病気(認知症)によって引き起こされていると思う n.s  •該当する  •該当しない 41  (85.4%)7 (14.6%) 130  (80.2%)32 (19.8%) 2.元々の性格が影響していると思う n.s  •該当する  •該当しない 28  (58.3%)20 (41.7%) 67  (41.4%)95 (58.6%) 3.発達障害などの特性が影響していると思う n.s  •該当する  •該当しない 2

参照

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