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都市河川感潮域における水質構造に関する研究

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Academic year: 2021

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都市河川感潮域における水質構造に関する研究

A Study of the State of Water Quality in Tidal Area of Urban River

土木工学専攻  14 号  川村  理史 Masashi Kawamura

1.はじめに 

  日本では高度経済成長期を中心に,洪水や高潮被害 を防ぐために河川整備が実施されている.その結果と して,治水的に大きな成果を挙げた反面,河川に背を 向けた町並みが形成され,人々は都市河川と触れ合う 機会を失っている.近年,日本の河川計画において,

自然と共生する都市・流域が議論される時代となり,

都市河川の水質環境の改善は非常に重要な課題として 認識されている.しかしながら,河川の水質環境はそ の流域特性や出水時・平水時で異なる性質を示すため 未だ各河川に応じた定量的な評価が出来ていないのが 現状である.本研究においては,このような視点から 都市河川感潮域として日本橋川,神田川,隅田川およ び荒川において,①平水時における水質の各観測地点 間の比較,縦断・鉛直分布特性を調査するための現地 観測,②降雨時の水質の時系列特性を調査するための 現地観測を行い,③水質指標の検討と貧酸素化に対す る改善策の検討を行った.現地観測は表1のように計 7 回行った.本稿においてはこのうち平水時における 観測として Ev2 を,降雨時における観測として Ev3 , Ev6 , Ev7 および Ev8 について取り扱う.これにより本 研究は,都市感潮河川の水質環境形成機構を解明する とともに各種水質浄化対策の実施に向けた基礎研究で あると位置づける.

2.日本橋川,神田川,荒川,隅田川における平 水時の現地観測 

2.1 現地観測の概要 

  現地観測は,日本橋川,神田川,隅田川,荒川を対 象とし,観測方法は河川の中央から鉛直方向に表層の み,もしくは 3 箇所(表層:水面から 30cm,5 割水深,

下層:河床から 30cm)で採水・分析を行い,多項目水

質計で測定できる項目は機材を使用し現地で測定した.

2.2 各種水質の水平分布 

平水時の水質調査である Ev2 の結果について述べる.

図-1 に BOD 濃度,アンモニア態窒素濃度,溶存酸素 飽和度の観測結果を示す.研究対象としている河川に おいては,環境省により生活環境の保全に関する環境 基準(河川)C類を満たすことを求めているので,本 論文においても比較基準として環境基準C類を用いる.

図中赤色で表示されている濃度は環境省 C 類の基準を 満たさない事を意味する(アンモニア態窒素は除く).

観測対象の河川のBOD濃度の公共用水域の水質測定 結果は環境基準を達成している

1)

.観測では表層の濃度 は荒川,隅田川,神田川,日本橋川のほとんどの地点 において環境基準C類(5mg/l)より低い値を示し,最 も高い値を示すのは外堀牛込橋地点(6.1mg/l)である.

アンモニア態窒素濃度は神田川および日本橋川と比較 して荒川,隅田川の値が高く,神田川と日本橋川の最 下流で最も濃度が高いことから,順流時においても下 流からの影響が両河川に残っていることが考えられる.

溶存酸素(河床から 30cm )は,神田川の下流部及び日 本橋川において溶存酸素が 1mg/l を下回っており平水

表-1 本研究において実施した現地観測 

図-1 荒川,隅田川,神田川,日本橋川における水質の空間分布(Ev2:2007 年 11 月 16 日) 

5km 2.5km

溶存酸素飽和度の空間分布(底層:河床から30cm)

33.0 34.3

27.8 28.3 42.0

37.4

41.3

50.1 6.7

6.65.8 28.1

3.6 12.2 日本橋川 4.2 神田川

妙正寺川

隅田川

亀島川 外堀 江古田川

浮間水再生センター 新河岸水再生センター

非感潮域 感潮域

善福寺川

中川

旧中川 小菅水再生

センター 綾瀬川

中野水再生センター 落合水再生センター

新河岸川

荒川

三河島水再生センター 石神井川

新岩渕水門 芝川水門

至東京湾 至東京湾

72.7 63.1

67.4 欠測

90.9

88.9

95.0 欠測

90.4 欠測

68.3

92.35.8

111 121

溶存酸素飽和度(%l)

:20.0〜49.9%

:50.0〜74.9%

:〜19.9mg/l

:75.0%〜

2.5km 5km

日本橋川 神田川

妙正寺川

荒川

隅田川

亀島川 外堀

:0.0〜0.2 mg/l

:0.2〜0.5 mg/l

:0.5〜2.0 mg/l

:2.0 mg/l 〜 全窒素濃度(mg/l)

アンモニア態窒素(mg/l)の空間分布(表層:水面から30cm

0.58 1.26

1.59 1.93 1.96

1.30

2.08 1.09 2.16

1.54

1.49

0.94 0.24

0.06 0.32

0.24 0.05 0.26 0.26

0.080.100.09 0.11

0.17 1.27

0.26 0.44

0.64 0.06 0.03 江古田川

浮間水再生センター 新河岸水再生センター

非感潮域 感潮域

善福寺川

小菅水再生 センター

中野水再生センター 落合水再生センター

新河岸川

中川 綾瀬川

旧中川 石神井川

三河島水再生センター 新岩渕水門

芝川水門

至東京湾 至東京湾

2.5km 5km

日本橋川 神田川

妙正寺川

荒川

BOD

濃度(

mg/l

)の空間分布(表層:水面から30cm

:0.0〜3.0mg/l

:3.0〜5.0mg/l

:5.0〜10.0mg/l BOD濃度(mg/l)

:10.0mg/l〜

1.6 1.3

1.2 1.2 1.9

1.7

2.2 1.8

1.1

1.0

1.3 2.3

1.9 1.3

1.6 1.3 1.2 1.5 1.4

1.41.2 1.3 1.2

1.3 1.4

1.3 1.1 6.1 6.0

亀島川 外堀 江古田川

浮間水再生センター 新河岸水再生センター

非感潮域 感潮域

善福寺川 落合水再生センター

隅田川

1.2

小菅水再生 センター

中野水再生センター 新河岸川

中川 綾瀬川

旧中川 石神井川

三河島水再生センター 新岩渕水門

芝川水門

至東京湾 至東京湾

(2)

時から貧酸素状態であることがわかる.

2.3 各種水質の縦断分布 

図-2に神田川,日本橋川,隅田川における秋季実施 観測結果の水質縦断図を示す.神田川底層の中流部の 外堀周辺において濃度が高くなっており,外堀から2km 上流の地点で最高値(17.0mg/l)を示している.その地 点から流下するに従い濃度は減少する.総リン濃度は,

ほとんどの観測地点において0.1mg/lより濃度が高い.

神田川,日本橋川の総リン濃度は,落合水再生センタ ーの直下流から値が大きくなっており,総窒素濃度も 総リンと同様に水再生センターの直下流から 1.0mg/l 以 上の高い濃度を示している.大腸菌群数は,表層は縦 断方向に値がほとんど変わらず,底層は外堀より2km上 流で濃度が高く,流下するに従い減少していることが わかる.

神田川一休橋地点の平常時流量が3.2m

3

/s程度であり,

落合水再生センターからの放流量は年平均2.5m

3

/s程度 であることから,神田川および日本橋川の流水の大半 は落合水再生センターからの放流水で構成されており 神田川,日本橋川においては,水質環境の形成要因と して落合水再生センターからの流入水の影響が大きい

2)

.以上のことから落合水再生センターはBOD, SSを対 象とした高度処理を行っているが今後は窒素,リン除 去処理を行うことが必要である.

3.日本橋川における降雨時の現地観測結果  3.1 溶存酸素飽和度と塩分濃度の変化 

下水道の整備に伴い河川の水質環境は劇的に改善 されてきたが,降雨時には合流式下水道から水質が悪 いオーバーフロー水が河川へと流入する問題がある.

図-3 に Ev3 の日本橋川西河岸橋地点(河口から 5.5km)

における塩分濃度,溶存酸素飽和度,潮位,流速,降 雨強度の時間変化を示す.観測中,降雨に伴い溶存酸 素飽和度及び塩分濃度の低下現象が確認された.この ように降雨後の瞬間的な増水により,降雨前の水が下 流に押し流されることを雨水によるフラッシュ効果と 定義する.降雨以降の溶存酸素の変動は,逆流時に溶 存酸素が高くなり,順流時に低くなっている.溶存酸 素が低下してから回復するまでに 6 日間要した.

図-4 に Ev6 および Ev8 の観測結果を示す. Ev6 の観 測開始時,潮位は小潮である.この観測においては,

降雨後の溶存酸素飽和度が全層で低下する現象はみら れず,雨水によるフラッシュ効果は確認されなかった.

Ev8 は降雨終了後に観測を開始した.観測開始時溶存 酸素飽和度はほぼ 100%まで上昇しており,塩分濃度

は 1‰以下まで低下している.飽和状態である溶存酸

素は時間経過とともに低下していき,底層の値は 30 時 間後に降雨前の濃度付近まで低下している.

以上のように降雨後に河川水質が変化する要因と して 2 つの要因が推測できる.①降雨後に流速が上昇

(底層における流速 40cm/s 程度)し,底質の巻上げが

発生し水中で化学反応が生じたこと,②降雨時に合流 式下水道からオーバーフローする下水による影響であ る.このオーバーフロー水が嫌気性である場合,観測 時に大幅に流量が増加 (42m

3

/s) していることから,瞬間 的に溶存酸素が低下するものと考える.

Ev3 と Ev6 の観測結果を比較して上記の推定した要 因について考察する.①についていえば,降雨の規模 は 2 つの観測において同様である.降雨量がほぼ同じ であることから,合流式下水道からオーバーフロー水 の流入量もほぼ同程度であると考えられる.②につい ていえば,底層の流速の値の違いは Ev3 では 10cm/s であったのに対し, Ev6 では 40cm/s であった.底層の

0 10 20

0 10 20 30

0 10 20

0 20 40 60 80

10000 10 20

5

10 00 10 20

5 10 15

0 10 20

0 0.5 1 1.5

0 10 20

0.1 1 10

1000 10 20

100 102 104 106

0 10 20

0 5 10 15 20

0 10 20

0 0.5 1

0 10 20

0 5 10

0 10 20

0 5

100 10 20

100 102 104 106

塩分濃度(‰)

表層[水面から30cm]

河口からの距離(km)

溶存酸素飽和() 総窒素(mg/l)総リン(mg/l)クロロ–a(μg/l)大腸菌郡数(MPN/100ml)

BOD(mg/l) 中層[5割水深]下層[河床から30cm]

溶存酸素濃度(mg/l)

妙正寺川–神田川–日本橋川–隅田川の縦断分布図 河口からの距離(km)

外堀 落合水再センター 中野水再センター

佃大橋

神田川 隅田川日本橋川 妙正寺川

外堀 落合水再センター 中野水再センター

佃大橋

神田川 隅田川日本橋川 妙正寺川

NH4–N(mg/l)COD(mg/l)SS(mg/l)糞便性大腸菌郡数(/100ml)

河口からの距離(km)

外堀 落合水再センター 中野水再センター

佃大橋

神田川 隅田川日本橋川 妙正寺川

図-2 

神田川,日本橋川,隅田川における各水質濃 度の縦断分布(Ev2:2007 年 11 月 16 日) 

0 10 20 30 40 50 60 20 15 10 5 0

–40 –20 0 20 40

–100 0 100

溶存酸素飽和度 []

中層(5割水深)

上層(水面から 30cm

日本橋川西河岸橋における潮位と溶存酸素飽和度の時系列 中上層 中下層 下層(河床から 30cm

8月28日 29日 30 31日 9月1日

T.P.潮位 [cm]降雨強度[mm/h]

2007年8月28日9:00〜9月4日21:00

2日 3日

(練馬地点)

4日 流速[cm/s] 順流逆流

実測潮位(気象庁:晴海)

総降雨量20mm 最大降雨強度10mm/h

0 10 20 30

塩分濃度 []

日本橋川西河岸橋における潮位と溶存酸素飽和度、塩分濃度の時系列 20078月30日9:009月4日21:00

31日 3日

31日

8月28日 29日29日 30日 9月1日 2日 4

0 10 20 30 40 50 60 20 15 10 5 0

–40 –20 0 20 40

–100 0 100

溶存酸素飽和度 []

中層(5割水深)

上層(水面から 30cm

日本橋川西河岸橋における潮位と溶存酸素飽和度の時系列 中上層 中下層 下層(河床から 30cm

8月28日 29日 30 31日 9月1日

T.P.潮位 [cm]降雨強度[mm/h]

2007年8月28日9:00〜9月4日21:00

2日 3日

(練馬地点)

4日 流速[cm/s] 順流逆流

実測潮位(気象庁:晴海)

総降雨量20mm 最大降雨強度10mm/h

0 10 20 30

塩分濃度 []

日本橋川西河岸橋における潮位と溶存酸素飽和度、塩分濃度の時系列 20078月30日9:009月4日21:00

31日 3日

31日

8月28日 29日29日 30日 9月1日 2日 4日

図-3 

日本橋川における溶存酸素飽和度,塩分濃度,潮位,流

速,降雨強度の時系列(Ev3:2007 年 8 月 28 日〜9 月 4 日)

(3)

流速の違いがあるので,掃流力にも違いがでてくる.

溶存酸素濃度の変化が①と②の 2 つの要因に起因する のであれば, Ev3 および Ev6 においてはオーバーフロ ー水の影響よりも,掃流力増加により底泥が巻き上げ られことによる影響が強いといえる.

また,Ev8 においては降雨中に観測していないので 降雨中の溶存酸素と塩分濃度の変化を捉えることはで きておらず,推測の域をでないが,総降雨量 86mm の 降雨後に溶存酸素飽和度が上昇する現象は,猛烈な降 雨により非常に強い雨水によるフラッシュ効果が発生 し,降雨前の溶存酸素の低い水を完全に下流に押し流 し,河川に流入した雨水により溶存酸素飽和度は高く なったのではないかと考えられる.

Ev3 において低下した溶存酸素が時間をかけて回復 する要因は,潮位の変化と共に徐々に回復しているこ とから,下流側から溶存酸素濃度が回復し,徐々に下 流の水塊が上流に遡上したものと推測できる.

3.2 BOD濃度と大腸菌群数の変化 

降雨時に河川水質汚濁要因を調査するために Ev7 の ような集中観測を実施した.観測は 3 つの地点で行っ

た. A地点は落合水再生センターの放流地点から 2km

下流,B地点は神田川の感潮域最上流であり,幅 2m程 の大きさの雨水吐き吐口から 100m 下流, C 地点は日本 橋川における河口から 5.5km 上流の流水を採水した.

図-5 に BOD 濃度と大腸菌群数,降雨の時間変化を示す.

A 地点は降雨から3時間経過後に BOD 濃度が上昇し始,

め最大降雨強度直後に最大値( 96.0mg/l )となった.大 腸菌群数をみてみると降雨時濃度は降雨前と濃度はほ とんど変化していないことがわかる.B地点は降雨中 にBOD濃度と大腸菌群数が上昇し,最大降雨強度直後 に BOD 濃度最大値( 64mg/l ),大腸菌群数最大値( 1.3

× 10

8

MPN/100 ml)となった. C 地点は降雨中に濃度 は急激に上昇せず, BOD 濃度と大腸菌群数は 5 月 13 日の降雨から 2 日間かけてゆっくりと上昇した.

A 地点における水質濃度の上昇要因は,降雨時に雨 水吐きから越流水が確認され,河川の水量も増えてお り, BOD 濃度が上昇し大腸菌郡数が降雨前と変わらな い濃度であることから,簡易的に塩素処理された 1 次 処理水が流入し,この放流水を採水したためと考えら れる.しかし,落合水再生センターの処理水の他に妙 正寺川の上流からの流水,神田川からの越流水などが 流れている可能性があるので BOD 増加が 1 次処理水放 流によるものと断定することはできない. B 地点の水 質濃度が上昇した要因は表層を流れる雨水吐きからの オーバーフロー水を採水したためである.C 地点にお いて水質濃度が徐々に上昇した要因は,潮位の変動が 小潮であり日本橋川の流動が少なく,上流から流れて くる汚濁水が滞留したためであると考えられる.

4.河川水質指標と水質改善策の検討 

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 20 15 10 5 0

–40 –20 0 20 40

–100 0 100

–100 0 100

溶存酸素飽和度 []

中層(5割水深) 上層(水面から30cm)

日本橋川西河岸橋における潮位と溶存酸素飽和度の時系列 中上層 中下層 下層(河床から 30cm

5月10日

T.P.潮位 [cm]降雨強度[mm/h]

2008年5月11日23:005月21日18:00

(練馬)

18日

11日 14日 15日 16日 17日

流速[cm/s]

19日 20日 21日 22日

12日

順流逆流

13日

実測潮位(気象庁:晴海)

①:総降雨量:19mm 最大降雨強度:8mm/h

②:総降雨量86mm 最大降雨強度16mm/h

0 5 10 15 20 25 30 35

塩分濃度 []

日本橋川西河岸橋における潮位と溶存酸素飽和度、塩分濃度の時系列 20085月10日0:00〜5月22日0:00

5月10日11 12日 13日 14日 15 16日 17日 18日 19 20日 21日 22

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 20 15 10 5 0

–40 –20 0 20 40

–100 0 100

–100 0 100

溶存酸素飽和度 []

中層(5割水深) 上層(水面から30cm)

日本橋川西河岸橋における潮位と溶存酸素飽和度の時系列 中上層 中下層 下層(河床から 30cm

5月10日

T.P.潮位 [cm]降雨強度[mm/h]

2008年5月11日23:00〜5月21日18:00

(練馬)

18日

11日 14日 15日 16日 17日

流速[cm/s]

19日 20日 21日 22日

12日

順流逆流

13日

実測潮位(気象庁:晴海)

①:総降雨量:19mm 最大降雨強度:8mm/h

②:総降雨量86mm 最大降雨強度16mm/h

0 5 10 15 20 25 30 35

塩分濃度 []

日本橋川西河岸橋における潮位と溶存酸素飽和度、塩分濃度の時系列 2008年5月10日0:00〜5月22日0:00

5月10日11 12日 13日 14日 15日 16日 17日 18日 19 20 21日 22

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 20 15 10 5 0

–40 –20 0 20 40

–100 0 100

–100 0 100

溶存酸素飽和度 []

中層(5割水深) 上層(水面から30cm)

日本橋川西河岸橋における潮位と溶存酸素飽和度の時系列 中上層 中下層 下層(河床から 30cm

5月10日

T.P.潮位 [cm]降雨強度[mm/h]

2008年5月11日23:00〜5月21日18:00

(練馬)

18日

11日 14日 15日 16日 17日

流速[cm/s]

19日 20日 21日 22日

12日

順流逆流

13日

実測潮位(気象庁:晴海)

①:総降雨量:19mm 最大降雨強度:8mm/h

②:総降雨量86mm 最大降雨強度16mm/h

0 5 10 15 20 25 30 35

塩分濃度 []

日本橋川西河岸橋における潮位と溶存酸素飽和度、塩分濃度の時系列 2008年5月10日0:00〜5月22日0:00

5月10日11日 12日 13日 14日 15日 16日 17 18日 19 20 21日 22

図-4 

日本橋川における溶存酸素飽和度,塩分濃度,潮位,流速,

降雨強度の時系列(Ev6 および Ev8:2008 年 5 月 12 日〜23 日)

Ev8 Ev6

0

潮位[cm]

13 14 15

:天文潮位 10

5 0

降雨強度[mm/h] (練馬)

0 20 40 60 80 100

104 106 108

:大腸菌郡数

BOD濃度[mg/l] 大腸菌群数[MPN/100ml]

13日 14日 15日

:BOD濃度

:BOD濃度

0 20 40 60 80 100

104 106 108

:大腸菌郡数

BOD濃度[mg/l] 大腸菌群数[MPN/100ml]

13日 14日 15日

:BOD濃度

:BOD濃度

0

104 106 108

0

:BOD濃度

:大腸菌郡数

BOD濃度[mg/l] 大腸菌群数[MPN/100ml]

13日 14日 15日

:天文潮位

欠測

A

地点

総降雨量16mm 最大降雨強度6mm/h 総降雨量19mm

最大降雨強度8mm/h

B

地点

C地点

10

大腸菌群数 大腸菌群数 大腸菌群数 0

潮位[cm]

13 14 15

:天文潮位 10

5 0

降雨強度[mm/h] (練馬)

0 20 40 60 80 100

104 106 108

:大腸菌郡数

BOD濃度[mg/l] 大腸菌群数[MPN/100ml]

13日 15日

:BOD濃度

:BOD濃度

14日

0 20 40 60 80 100

104 106 108

:大腸菌郡数

BOD濃度[mg/l] 大腸菌群数[MPN/100ml]

13日 15日

:BOD濃度

:BOD濃度

14日

0

104 106 108

0

:BOD濃度

:大腸菌郡数

BOD濃度[mg/l] 大腸菌群数[MPN/100ml]

13日 14日 15日

:天文潮位

欠測

A地点

総降雨量16mm 最大降雨強度6mm/h 総降雨量19mm

最大降雨強度8mm/h

B地点

C

地点

10 0

潮位[cm]

13 14 15

:天文潮位 10

5 0

降雨強度[mm/h] (練馬)

0 20 40 60 80 100

104 106 108

:大腸菌郡数

BOD濃度[mg/l] 大腸菌群数[MPN/100ml]

13日 15日

:BOD濃度

:BOD濃度

14日

0 20 40 60 80 100

104 106 108

:大腸菌郡数

BOD濃度[mg/l] 大腸菌群数[MPN/100ml]

13日 15日

:BOD濃度

:BOD濃度

14日

0

104 106 108

0

:BOD濃度

:大腸菌郡数

BOD濃度[mg/l] 大腸菌群数[MPN/100ml]

13日 14日 15日

:天文潮位

欠測

A

地点

総降雨量16mm 最大降雨強度6mm/h 総降雨量19mm

最大降雨強度8mm/h

B地点

C

地点

10

大腸菌群数 大腸菌群数 大腸菌群数

図-5 神田川,日本橋川における BOD 濃度,大腸菌群数,潮

位,降雨強度の時系列(Ev7:2008 年 5 月 12 日〜5 月 15 日)

日本橋川(河口から5.5km上流) 

神田川(雨水吐きから 100m 下流  の地点) 

神田川(落合水再生センター放流  口から 2km 下流の地点) 

の地点) 

(4)

4.1 河川水質と魚類の生息特性 

  生物を用いた環境基準として底生生物の指標化に関 する研究は行われているが,我々の知るところによる と魚類の指標化はいまだに行われていない.河川生息 魚類から水質を判断する指標化を試みるため,魚類の 生息状況を調査した国土交通省の河川水辺の国勢調査 における 1 級河川全 109 水系のデータと,環境省の水 質調査データを用いて,魚類の生息特性を調べた.水 質データは溶存酸素濃度と, BOD 濃度の 2 項目を使用 した,図-6 にアユ,マハゼ,コイの水質項目と生息分 布図を示す.図よりアユは DO 濃度が最小値 5.6mg/l , BOD 濃度が最大値 8.1mg/l の濃度の河川において生息 していることがわかる.マハゼは DO 濃度が 2.4mg/l,

BOD 濃度が 8.1mg/l,コイは DO が 0.8mg/l, BOD が

15.0mg/l で生息している.溶存酸素濃度は魚類ごとに

限界値が見られる.貧酸素な河川では特定魚種の生息 を確認することにより,河川の水質改善達成度を示す 指標生物として活用できるのではないかと考える.

4.2 高濃度酸素溶解水導水装置を用いた溶存酸素の改 善策の検討 

  日本橋川のような貧酸素化した河川の対策の一つと して,高濃度酸素溶解水の導水がある.この導水を行 うことによる改善効果の定量的評価を行った.高濃度 酸素溶解水の導水は品川区の立会川及び目黒川におい て実施されており,立会川においては溶存酸素濃度が 回復し,ボラが確認されるなどの効果が出ている.し かし,立会川の規模は幅 5m ,全長 700m と小規模であ る.日本橋川のような規模の河川での効果をみるため に,数値計算を行った.水理計算には 1 次元不定流式 及び連続式を用いた.水質計算には移流拡散方程式と 水質相互作用過程の式を用いた. 図-7 に計算結果を示 す.日本橋川の平常時流量(日本橋川地点 1.6m

3

/s )に 対して導水装置の処理能力は 1 基につき導水量は 0.025m

3

/s ,吐出溶存酸素濃度は 60mg/l である.計算結 果から,装置 1 基の能力ではほとんど回復効果が見ら れず, 10 基投入することにより約 2mg/l の回復効果が 期待できることがわかる.魚類の生息特性の結果から,

アユのような貧腐水性水域で生息する魚類が生息でき

る環境にするには,機材を設置するだけでは現状の水 質を改善することは難しい.

5.結論 

本論文は日本橋川,神田川,荒川,隅田川を対象と した水質に関する現地観測の結果と水質指標の検討及 び水質の改善策の検討をまとめたものである.得られ た知見を下記に示す.

1) 神田川,日本橋川では平水時から河川が貧酸素化して いることを示した.また,日本橋川では降雨後に溶 存酸素が急激に低下する場合,降雨後に降雨前とほ ぼ変わらない場合,飽和度が 100%近くまで上昇する 場合の 3 ケースがあることを示した.

2) 河川水質と魚類の生息特性を調べ,溶存酸素と魚類の 生息特性から指標化の可能性を示した.また,貧酸 素状態の改善策の定量的評価を行い,機材の設置量 と回復量を示し,河川に魚類が生息するためには機 材設置だけでは難しいことを示した.

参考文献 

  1) 東京都環境局:公共用水域及び地下水の水質測定結果の概要,2007.

2)

東京都建設局:神田川再生構想検討会報告書,2004 

0 5 10 15 20

0 5 10 15

DO濃度(mg/l)

BOD

濃度(

mg/l

×

北海道地方 東北地方 関東地方 北陸地方 中部地方 近畿地方 中国地方 四国地方 九州地方

地方名 河川数 10 12 18

0 5 10 15 20

0 5 10 15

DO濃度(mg/l)

BOD

濃度(

mg/l

×

北海道地方 東北地方 関東地方 北陸地方 中部地方 近畿地方 中国地方 四国地方 九州地方

地方名 河川数 10 12 18

×

北海道地方 東北地方 関東地方 北陸地方 中部地方 近畿地方 中国地方 四国地方 九州地方

×

北海道地方 東北地方 関東地方 北陸地方 中部地方 近畿地方 中国地方 四国地方 九州地方

地方名 河川数 10 12 18

 

マハゼ生息時の DO と BOD の分布図 

×

北海道地方 東北地方 関東地方 北陸地方 中部地方 近畿地方 中国地方 四国地方 九州地方

地方名 河川数 12 10 15

0 5 10 15 20

0 5 10 15

DO濃度(mg/l)

BOD

濃度(

mg/l

×

北海道地方 東北地方 関東地方 北陸地方 中部地方 近畿地方 中国地方 四国地方 九州地方

地方名 河川数 12 10 15

×

北海道地方 東北地方 関東地方 北陸地方 中部地方 近畿地方 中国地方 四国地方 九州地方

×

北海道地方 東北地方 関東地方 北陸地方 中部地方 近畿地方 中国地方 四国地方 九州地方

地方名 河川数 12 10 15

0 5 10 15 20

0 5 10 15

DO濃度(mg/l)

BOD

濃度(

mg/l

 

アユ生息時の DO と BOD の分布図 

×

北海道地方 東北地方 関東地方 北陸地方 中部地方 近畿地方 中国地方 四国地方 九州地方

地方名 河川数 10

0 5 10 15 20

0 5 10 15

DO濃度(mg/l)

BOD

濃度(

mg/l

×

北海道地方 東北地方 関東地方 北陸地方 中部地方 近畿地方 中国地方 四国地方 九州地方

地方名 河川数 10

×

北海道地方 東北地方 関東地方 北陸地方 中部地方 近畿地方 中国地方 四国地方 九州地方

×

北海道地方 東北地方 関東地方 北陸地方 中部地方 近畿地方 中国地方 四国地方 九州地方

地方名 河川数 10

0 5 10 15 20

0 5 10 15

DO濃度(mg/l)

BOD

濃度(

mg/l

) コイ生息時の DO と BOD の分布図  図-6

魚類生息時の DO と BOD の分布図 

0 0.1 0.2

0 1 2 3 4 5 6 7 8

日本橋川常盤橋地点

(河口から6km)への注入量[m

3

/s]

および必要処理施設数 日本橋川日本橋地点(河口から

5.5k m

) における

8

月平均

DO

濃度

[mg/l]

注入地点:常盤橋地点(河口から

6km地点)

注入水質:BOD:2mg/l, DO:60mg/l

日本橋川への注入量と

8月平均DO濃度の関係

1基

5基 10基

0.025 0.125 0.25

DO 濃度 の増 加

アユ

マハゼ コイ

2mg/l回復

0 0.1 0.2

0 1 2 3 4 5 6 7 8

日本橋川常盤橋地点

(河口から6km)への注入量[m

3

/s]

および必要処理施設数 日本橋川日本橋地点(河口から

5.5k m

) における

8

月平均

DO

濃度

[mg/l]

注入地点:常盤橋地点(河口から

6km地点)

注入水質:BOD:2mg/l, DO:60mg/l

1基

5基 10基

0.025 0.125 0.25

DO 濃度 の増 加

アユ

マハゼ コイ

2mg/l回復

日本橋川への注入量と

8月平均DO濃度の関係

図-7

日本橋川での高濃度酸素溶解水導水効果 

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