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2 多変数関数の積分

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(1)

2 多変数関数の積分

後半の目標:二変数関数の積分を定義し,その性質を調べる できれば,微分積分学の基本定理の一般化まで話をしたい.

2

変数関数の積分で何が計算できるか

1

変数関数

y = f(x)

の場合,関数のグラフと

x

軸との間の面積

2

変数関数

z = f(x, y)

の場合,関数のグラフと

xy

平面との間の体積! 記号:

f : D R

D R

2

2

変数関数)に対して,

「関数のグラフと

xy

平面との間の体積」が存在する(計算できるとき),その「体積」を

∫ ∫

D

f (x, y) dxdy

とかき,関数

f

の領域

D

における重積分(じゅうせきぶん)とよぶ.

2

変数関数の積分を定義するには

1

変数関数

y = f(x)

の場合,定義域を(細かく)分割して,「(各小区間の長さ)

×

(高さ

f(P

i

)

)」

つまり小長方形の面積の総和を考え,分割をどんどん細かくしていったときの極限を考える.

まねをしよう(一般化)

2

変数関数

z = f (x, y)

の場合,定義域を(細かく)分割して,「(各小領域の面積)

×

(高さ

f (P

i

))」

つまり小直方体の面積の総和を考え,分割をどんどん細かくしていったときの極限を考える.

ここで問題

上の「小領域の面積」はどう計算すれば良いか? そもそも面積とは?

2.1

面積を定義しよう

D

R

2内の有界閉集合

D

の面積をどう数学的に厳密に定義するか?

(1)

D

が長方形の場合:

例えば,

D = { (x, y) | a x b, c y d }

の場合は,

D

の面積を

(b a) × (d c)

と定義する.

(これが一番自然)

(2)

D

が一般の複雑な形の場合

D

が有界ということより,

D

:長方形

{ (x, y) | a x b, c y d } s.t. D D

これを使えば良さそう.

例えば,次のようにすれば良いかな.

長方形

D

を細かい長方形に分割する.

∆ = { [x

i

, x

i+1

] × [y

j

, y

j+1

] | a = x

0

< x

1

< · · · < x

i

< · · · < x

n

= b, c = y

0

< y

1

< · · · < y

j

< · · · < y

m

= d }

そして,D の面積を

「分割

をどんどん細かくしていくとき,

D

と交わる小長方形の面積の和)の極限」

と定義する.

(「分割をどんどん細かくしていく」の意味は,もうちょっとあとで)

15

(2)

でも,実はこれでは良くない.

5

D = { (x, y) | 0 x 1, 0 y 1, x, y

は有理数

}

を考える.

(非常にみえにくいけど,これも平面上の有界閉集合)

D

は(すなおに)

[0, 1] × [0, 1]

とすれば良さそう.

このとき,

D

のどんな分割を考えても,小長方形と

D

は交わる.

つまり,(Dと交わる小長方形の面積の和)= 1 がつねになりたつ.

よって,「分割

をどんどん細かくしていくとき,

D

と交わる小長方形の面積の和)の極限」

= 1

つまり,

D

の面積は

1 .

(これでいいのかな.

しかし,ここで,D0

= D

D(D

での

D

の補集合)を考えると,同様にすれば,D0の面積も

1

D

の面積も

1

なので,このとき,

D

= D D

0 なのに,

D

D

0

D

の面積も

1

ということで,この(安直な)考え方では,面積がきちんと定義できない.

この例でわかったこと:安直な考え方で面積を定義すると変なことが起こる!そこで. 定義をもっと厳しくしよう!

前の考え方は,Dを覆う小長方形の面積の和の極限,を使っていた.つまり,「外側」から面積の近似を 考えていた.

ということで,「内側」からの近似も考えてみる.

D

を平面上の有界閉集合,D

D

を内部に含む長方形,∆

D

の小長方形への分割とする.このとき,

S

=

D

と交わる小長方形の面積の和),

s

=

D

に含まれる小長方形の面積の和)

とする(つまり,

S

D

の面積の外側からの近似,

s

D

の面積の内側からの近似)

このとき,次のように定義をしよう.

D

の面積

D

の分割をどんどん細かくしていったとき,Sの極限と

s

の極限がともに存在し いつでも 一致し たら,その値を

D

の面積と定義する.このとき,

D

は面積確定であるという.

ここで,「どんどん細かく」と「いつでも」の意味をちゃんと考える必要がある.

どんどん細かく

長方形を小長方形たちに分割していくとき,どうすれば「どんどん細かくなる」だろう?

例えば,

m

= { [a, b] × [y

j

, y

j+1

] | c = y

0

< y

1

< · · · < y

j

< · · · < y

m

= dm

等分

}

として,

k → ∞

したら,「どんどん細かくなる」だろうか?

良く無さそう.(x軸方向には全然こまかくなってない)

ということで,「対角線」を使ってみよう.つまり,

1

,

2

, · · · ,

k

, · · ·

D

の分割の列に対して,

|

k

| = max {

kの小長方形の対角線の長さ

}

とおく.

このとき,

|

k

| → 0

となるような分割の列を考えることにしよう.

(3)

いつでも

(小長方形の対角線の長さの最大)

0

となるようなどんな分割の列に対しても,対応する

S

s

極限がともに存在し いつでも 一致したとき,面積が定義される.

「どんな分割の列に対しても」・しかし,すべてのそのような列を調べるのは大変! しかし,実は,一つだけ調べれば良い!

定理

9 (

ダルブーの定理

) |

k

| → 0 (k → ∞ )

となる,ある

{

k

}

D

の分割の列が存在して,

lim

k→∞

S

k

= lim

k→∞

s

k

が成り立つ時,

(小長方形の対角線の長さの最大)

0

となるようなどんな分割の列に対しても,対応する

S

s

の極限がともに存在し一致する.(つまり,面積確定となる)

ようするに,「面積確定であること」を証明するには,(小長方形の対角線の長さの最大)

0

となる,

ある一つの分割の列に対して,対応する

S

s

の極限がともに存在し一致する,ことを示せば良い.

言い換えると,「面積確定であること」を証明するには,S

s

の極限がともに存在し一致する,よ うな「うまい」分割の列を見つければ良い.

17

(4)

3 重積分とは

前回の補足(平面上の領域

D

が面積確定となるための十分条件)

領域の 境界 が 滑らかな曲線 ならば面積確定(

p167,

例題

7.1.1

)(一本でなく何本かの和集合でも

OK

D

の境界とは:

{ P R

2

| ∀ ε > 0, N (P, ε; R

2

) D 6 = , N (P, ε; R

2

) D ¯ 6 = ∅}

(感覚的には「縁(ふち)」のこと)

*滑らかな曲線とは:

ϕ : [a, b] R , ψ : [a, b] R

という

2

つの滑らかな(つまり,

C

-

級)関数に対 して,

{ (ϕ(t), ψ(t)) R

2

| a t b }

(以下,教科書

§ 7.2

を参照)

目標:前回の面積の定義をふまえて重積分の定義をしよう 以下,

D:平面 R

2内の面積確定な有界閉集合

f : D R

,連続関数(

z = f(x, y)

とする.

準備

D

を滑らかな曲線によって分割する.得られた小領域

D

i(ただし,

i = 1, 2, · · · , n

)たちの集合

{ D

i

}

D

の分割ということにする.とりあえず,これを

で表す,

また,分割

に対して,

1

max

in

{

各小領域

D

iの中で最も離れている

2

点間の距離

}

||

で表す.

(「各小領域

D

iの中で最も離れている

2

点間の距離」を

D

iの直径ということもある)

例:D

= [0, 2] × [0, 2]

に対して,

{ [0, 1] × [0, 1], [0, 1] × [1, 2], [1, 2] × [0, 1], [1, 2] × [1, 2] }

D

の分割.(分 割した曲線は

x = 1

y = 1

|| =

2

となっている.

次に,各小領域

D

i から任意に点

P

i をとる.また,

D

iの面積を

S

i とする.(「前回の補足」より,各

D

i

は面積確定)

このとき,

n

i=1

f (P

i

) × S

i を分割

に関する

f

リーマン和 と定義しよう(一変数の積分のまね).

これを

Σ

で表す

(「分割

に関する

f

の」というものの,

{ P

i

}

の取り方によっては,値が変わってしまうことに注意)

例:

f(x, y) = x + y

で定義される二変数関数と,上の例の

D

を考える.

{ P

i

}

として,例えば,

{ (1/2, 1/2), (1/2, 3/2), (3/2, 1/2), (3/2, 3/2) }

をとったとき,リーマン和

Σ

(1/2 + 1/2) × 1 + (1/2 + 3/2) × 1 + (3/2 + 1/2) × 1 + (3/2 + 3/2) × 1 = 10

以上の準備のもとで,

f

の重積分を定義しよう.

定義

1

重積分の定義

D

:平面

R

2内の面積確定な有界閉集合,

f : D R

,連続関数(

z = f(x, y)

)に対 して,

|

k

| → 0

となるような任意の

D

の分割の列

{

k

}

に対して,どんな点

{ P

i

}

をとっても,

Σ

I

なる実数

I

が存在する」

とき,f

D

重積分可能 といい,I

∫ ∫

D

f(x, y)dxdy

とかき,f

D

における 重積分 という.

(5)

できればやってみよう:上の定義で「」内のところを,

ε δ

論法で厳密に書いてみたらどうなるか?

定理

10 (

連続な二変数関数は重積分可能

)

領域

D

で連続な二変数関数

f : D R

はいつでも

D

で重 積分可能.つまり,

|

k

| → 0

となるようなどんな分割の列

{

k

}

と,点

{ P

i

}

に対しても,

Σ

I

となる実数

I

が存在する.

証明は,一変数の場合と良く似ている.ここでは証明は省略.詳しくは教科書の

p169-172

を参照.

重積分についても,一変数関数の積分に対して成り立った以下の基本的な性質が成り立つ.

定理

11 (

重積分の基本性質

)

以下,

D

D

1

D

2は平面上の面積確定な有界閉集合とし,

f

f

1

f

2

D

上で重積分可能な二変数関数とする.

(1) c

1

c

2を定数とするとき,

∫ ∫

D

c

1

f

1

(x, y) ± c

2

f

2

(x, y)dxdy = c

1

∫ ∫

D

f

1

(x, y)dxdy ± c

2

∫ ∫

D

f

2

(x, y)dxdy

(2) D = D

1

D

2 かつ

D

1

D

2

=

のとき,

∫ ∫

D

f (x, y)dxdy =

∫ ∫

D1

f(x, y)dxdy +

∫ ∫

D2

f (x, y)dxdy

(3) P D

f

1

(P ) f

2

(P )

のとき,

∫ ∫

D

f

1

(x, y)dxdy

∫ ∫

D

f

2

(x, y )dxdy (4)

(平均値の定理)次の条件を満たす

P

0

D

が必ず存在.

∫ ∫

D

f (x, y)dxdy = f(P

0

) ×

D

の面積)

19

(6)

4 累次積分

(教科書

§ 7.3

今日の問題

f(x, y) = 1 x y

D = { (x, y) | 0 5 x 5 1, 0 5 y 5 1 x }

のとき,

∫ ∫

D

f(x, y)dxdy

は?

単純な体積の計算(中学生でも図が理解できれば計算可能)

しかし,定義通りに重積分を計算するのは困難. どうすれば良いか??

一つの変数を定数とみなして順番に積分すれば良さそう.

このように重積分の計算をすることを累次積分という.

では累次積分で本当に重積分の計算ができるのか?

(値がずれてしまったりしないか?)

連続関数であれば大丈夫.

定理

12 (

長方形の場合

) D = { (x, y) | a x b, c y d }

とする.

f : D R

D

で連続な二変 数関数とするとき,

∫ ∫

D

f(x, y)dxdy =

b a

(∫

d c

f(x, y)dy )

dx =

d c

(∫

b a

f(x, y)dx )

dy

この定理の証明で鍵となるのは,次の補題.

補題

D = { (x, y) | a x b, c y d }

上で連続な二変数関数

f : D R

を考える.F

(x) = ∫

d

c

f (x, y)dy

としたとき,

F (x)

[a, b]

上で連続.

この補題の証明は,課題プリントで(

No.8

定理

12

の証明

F (x) = ∫

d

c

f(x, y)dy

とおく(これは

x

の関数(一変数関数

F : [a, b] R

)).

これから「

b

a

F (x)dx = ∫ ∫

D

f(x, y)dxdy

」を示そう.

方針:

b

a

F (x)dx

をリーマン和で表して,右辺につなげる リーマン和で表すために,まずは分割を決める

区間

[a, b]

n

等分,区間

[c, d]

m

等分して得られる

D

の分割を

とする.

[a, b]

n

等分したときにできた

i

番目の小区間を

I

i

[c, d]

m

等分したときにできた

j

番目の小区間を

I

j0 とし,Ii

× I

j0の小長方形を

D

k とする(1

k nm).

このとき,

b

a

F (x)dx = ∑

n i=1

Ii

F (x)dx

リーマン和で表すには,この右辺を積分でない形にしたい..積分の平均値の定理が使えそう 補題より,

F (x)

は区間

[a, b]

で連続なので,特に,任意の

I

iにおいても連続.

そこで,積分の平均値の定理より,

ξ

i

I

i

s.t. ∫

Ii

F (x)dx = F

i

) × I

iの長さ

= F

i

) ×

bna よって,

(7)

b

a

F (X)dx = ∑

n i=1

( F

i

) ×

bna

)

ξ

i

I

i

i = 1, 2, · · · , n

))

また,

F (x) = ∫

d

c

f (x, y)dy

だったことを思い出すと,

b

a

F (X)dx = ∑

n i=1

( F

i

) ×

bna

)

= ∑

n i=1

(∫

d

c

f(ξ

i

, y)dy ×

bna

)

さらに,

[c, d]

m

等分したときにできた

j

番目の小区間を

I

j0としていたので,

b

a

F (X)dx = ∑

n

i=1

( ∑

m

j=1

Ij0

f

i

, y)dy ×

bna

)

ここで,

f

i

, y)

y

の一変数関数とみると,区間

I

j0上で連続関数だから,下線部にもう一回,積分の平 均値の定理を使うことができて,

η

ij

I

j0

s.t. ∫

Ij0

f(ξ

i

, y)dy = f(ξ

i

, η

ij

) × I

j0 の長さ

= f

i

, η

ij

) ×

dmc よって,

b

a

F (X)dx = ∑

n

i=1

((∑

m

j=1

f(ξ

i

, η

ij

) ×

dmc

)

×

bna

)

(ただし,

ξ

i

I

i

i = 1, 2, · · · , n

),

η

ij

I

j0

j = 1, 2, · · · , m

))

ba

n

×

dmc は小長方形

D

kの面積だったから,その面積を

S

kとし,さらに

P

k

= (ξ

i

, η

ij

)

とおけば,

b

a

F (X)dx = ∑

n

i=1

m

j=1

f (P

k

) × S

k

= ∑

nm

k=1

f(P

k

) × S

k

(これは確かに,リーマン和の形になっている)

最後に,

n → ∞

m → ∞

とすれば,

|| → 0

となるので,

b

a

F (X)dx = lim

n→∞,m→∞

nm

k=1

f(P

k

) × S

k

= ∫ ∫

D

f(x, y)dxdy

証明終 最後の

lim

を使うところは,厳密には,

ε δ-

論法を使うべき.

意欲のある人は,自分で書いてみてください.

定理

13 (

もう少し一般化

) ϕ : [a, b] R

ψ : [a, b] R

を,閉区間

[a, b]

上で連続な関数とし,

D = { (x, y) | a x b, ϕ(x) y ψ(x) }

とする.

f : D R

D

で連続な二変数関数とするとき,

∫ ∫

D

f(x, y)dxdy =

b a

(∫

ψ(x) ϕ(x)

f(x, y)dy )

dx

この定理の証明は,

D

を含む長方形を定義域とするように

f

を拡張すればできる.今日は証明略.詳し くは,教科書

P176

を参照.

21

(8)

5 二変数の置換積分(重積分の変数変換)

(教科書

§ 7.5

も参照)

前回までの復習:

・体積を計算する方法として重積分を定義(その前に,まずは領域の面積を定義)

・重積分が累次積分で計算できることの証明.

しかし,定義域

D

が複雑な形だと,累次積分が難しいことがある.

置換積分をしよう(多変数の場合,変数変換とよぶことが多い)

この節と次の節の目標:球の体積の公式をきちんと証明する!

円の面積の公式の復習 :

{ (x, y) | x

2

+ y

2

a

2

}

より,

上半円は,関数

f(x) =

a

2

x

2 のグラフだと思える.

従って,円の面積は,

2

a

a

a

2

x

2

dx

まねをしよう!

{ (x, y, z) | x

2

+ y

2

+ z

2

a

2

}

より,

上半球の表面は,二変数関数

f (x, y) = √

a

2

x

2

y

2 のグラフだと思える.

従って,球の体積は,

D = { (x, y) | x

2

+ y

2

a

2

}

として,

2

∫ ∫

D

a

2

x

2

y

2

dxdy

これをどうやって計算するか. 円の面積の公式の復習(続き) :

2

a

a

a

2

x

2

dx

このままでは難しいので,置換積分.

x = a cos θ

と置くと,

dx = a cos θdθ

となり,

x : a a

のとき,

θ :

π2

π2 なので,

従って,

2

a

−a

a

2

x

2

dx = 2

π

2

π2

a

2

a

2

cos

2

θ(a cos θ) = · · · = πa

2

このまねをしよう!

(極座標を使おう)

x = r cos θ

y = r sin θ

と置くと,

2

∫ ∫

D

a

2

x

2

y

2

dxdy = 2

∫ ∫

(1)

a

2

r

2

cos

2

θ r

2

sin

2

θ (2) drdθ = 2

∫ ∫

(1)

a

2

r

2

(2) drdθ

この

(1)

(2)

のところを変えないといけない.

(1)

積分領域

x = r cos θ

y = r sin θ

で,半径は

a

だから,

0 r a

,半円だから,

0 θ π

従って,置換積分(変数変換)後の積分領域は

D

0

= { (r, θ) | 0 r a, 0 θ π }

(9)

(2) dxdy

drdθ

との関係

一般に,

x = ϕ(u, v)

y = ψ(u, v)

として,

∫ ∫

D

f (x, y)dxdy =

∫ ∫

D0

f (ϕ(u, v), ψ(u, v))

(なにか)

dudv

の(なにか)のところをどうしたら良いか.

重積分とは「小直方体の体積の総和の極限」だったことを思い出すと,

この「小直方体の底面積」を計算するための 微小面積,

つまり,

∆x∆y

∆u∆v

の比」がわかれば良い!

uv-平面上で,たて・よこが ∆u,∆v

の長方形を考える.

頂点の座標は,

(u, v)

(u + ∆u, v)

(u, v + ∆v)

(u + ∆u, v + ∆v)

対応する

xy-

平面上の領域の頂点の座標は

(x, y)

(ϕ(u + ∆u, v), ψ(u + ∆u, v)

ϕ(u, v + ∆v), ψ(u, v + ∆v)

ϕ(u + ∆u, v + ∆v), ψ(u + ∆u, v + ∆v)

ここで,

2

変数のテイラーの定理より,

∆u

が十分小のとき,

ϕ(u + ∆u, v) ; ϕ(u, v) + ∂ϕ

∂u ∆u

同様に,

∆u

∆v

が十分小のとき,

ϕ(u, v + ∆v) ; ϕ(u, v) + ∂ϕ

∂v ∆v ψ(u + ∆u, v) ; ϕ(u, v) + ∂ψ

∂u ∆u ψ(u, v + ∆v) ; ϕ(u, v) + ∂ψ

∂v ∆v

従って,この座標を見ると,

∆u

∆v

が十分小のとき,

面積

∆u∆u

の長方形に対応する

xy

平面の領域は 平行四辺形 とみなせる.

この平行四辺形を張るベクトルは

~ u = (

∂ϕ∂u

∆u,

∂ψ∂u

∆u)

~ v = (

∂ϕ∂v

∆v,

∂ψ∂v

∆v)

よって,その平行四辺形の面積

∆x∆y

は,

∆x∆y = √

| ~ u |

2

| ~ v |

2

(~ u · ~ v)

2

= ∂ϕ

∂u ∆u × ∂ψ

∂v ∆v ∂ψ

∂u ∆u × ∂ϕ

∂v ∆v =

∂ϕ

∂u × ∂ψ

∂v ∂ψ

∂u × ∂ϕ

∂v

∆u∆v

さらに,ad

bc = det

( a b c d

)

を思い出すと,

∆x∆y = det

(

∂ϕ

∂u

∂ψ

∂u

∂ϕ

∂v

∂ψ

∂v

) ∆u∆v

以上より,次の定理がわかる(もちろん,上の議論はちゃんとした証明にはなっていないけれど. 定理

14 (

重積分の変数変換

) D

を平面上の面積確定な有界閉集合,

f : D R

2

変数の連続関数 とすると,

x = ϕ(u, v)

y = ψ(u, v)

として,

∫ ∫

D

f (x, y)dxdy =

∫ ∫

D0

f (ϕ(u, v), ψ(u, v)) J(u, v) dudv

ただし,

ϕ

ψ

は単射,

D

0

D

に対応する積分領域,

J (u, v) = det (

∂ϕ

∂u

∂ψ

∂u

∂ϕ

∂v

∂ψ

∂v

)

(この

J(u, v)

ヤコビアン(ヤコビ行列式)という)

23

(10)

球の体積の計算

f (x, y) = √

a

2

x

2

y

2とする.

このとき,球の体積は,8等分して,

8

∫ ∫

D

a

2

x

2

y

2

dxdy

ただし,

D = { (x, y ) | x

2

+ y

2

a

2

, x 0, y 0 }

x = r cos θ

y = r sin θ

として計算すると,

J (r, θ) = r

従って,

8

∫ ∫

D

a

2

x

2

y

2

dxdy = 8

a

0

π

2

0

a

2

r

2

· r drdθ = · · · = 4 3 πa

3 ただし,残念ながら,この

x = r cos θ

y = r sin θ

は,

D

0

= { (r, θ) | 0 r a, 0 θ π }

において,単射ではない!

なので,本当はもう少し修正が必要(実は,広義積分をすればよい).が,今日は省略.

(11)

6 曲面の面積

(教科書

§ 7.7

目標:球面の表面積の公式を重積分を使って導こう 半径

R

の球面の表面積

= 4πR

2

準備 :

前回のように,上半球の上側の表面を

z = √

R

2

x

2

y

2のグラフとみる.

復習(前期 解析学序論1(§

1.3

))

D R

2を有界閉集合,f

: D R

2

変数関数,としたとき,

{ (x, y, z) R

3

| (x, y) D, z = f (x, y) } ⊂ R

3 これ(つまり,

f

のグラフ)を曲面 というのだった.

曲面の面積を計算しよう :考え方:とにかく積分する.(つまり,分割して,和をとって,極限をとる.

D

を含む長方形をとり,それを小長方形

D

i たちに分割する.

D

i の「まうえ」にある曲面の部分の面積を

A

i とする.

この

A

i を計算すれば良い

どうしたら良いか?

D

i が十分に小さいとき :

D

iの「まうえ」にある曲面の接平面上の部分の面積)

; A

i となるはず.

その部分の面積を

A

0iとすると,実は

A

0i

= S

i

| cos θ

i

|

がなりたつ.ただし,Si

D

i の面積,θi は接平面と

xy

平面のなす角.

あとは

θ

i を計算すれば良い : 接平面の方程式(前期,§2.2)

z = ∂f

∂x (a, b)(x a) + ∂f

∂y (a, b)(y b) + f (a, b)

ただし,(a, b)

D

i,(a, b, f

(a, b))

は接点.

これより,接平面の法線ベクトル

v ~

iは,

( ∂f

∂x (a, b), ∂f

∂y (a, b), 1)

求めたい

θ

i は,xy平面の法線ベクトル

v ~

0

v ~

iとのなす角と一致するから,

cos θ

i

= v ~

0

· v ~

i

| v ~

0

|| v ~

i

|

ここで,

v ~

0

· v ~

i

= 1

なので,

cos θ

i

= 1

√ (

∂f

∂x

(a, b) )

2

+ (

∂f

∂y

(a, b) )

2

+ 1

よって,

A

0i

= S

i

| cos θ

i

| = S

i

√( ∂f

∂x (a, b) )

2

+ ( ∂f

∂y (a, b) )

2

+ 1

25

(12)

あとは和をとって極限をとる

lim ∑

A

i

= S

i

√( ∂f

∂x (a, b) )

2

+ ( ∂f

∂y (a, b) )

2

+ 1

lim

をとると,次の形になる

∫ ∫

D

√( ∂f

∂x (a, b) )

2

+ ( ∂f

∂y (a, b) )

2

+ 1 dxdy

そこで,この重積分の値を 曲面の面積 と定義しよう.

注意

従って,

z = f(x, y)

C

1

-

級(つまり,偏導関数が連続)のとき,

(連続関数はいつでも重積分可能なので)

z = f (x, y)

の表面積が計算できる.

球の表面積の場合

z = √

R

2

x

2

y

2

D = { (x, y) | x

2

+ y

2

R

2

, x 0, y 0 }

なので,

∂f

∂x (x, y) = x(R

2

x

2

y

2

)

12

, ∂f

∂y (x, y) = y(R

2

x

2

y

2

)

12

,

これを面積の式に代入して整理すると,

∫ ∫

D

R

2

R

2

x

2

y

2

dxdy

あとは,

x = r cos θ, y = r sin θ

と変数変換して計算すると,

∫ ∫

D

R

2

R

2

x

2

y

2

dxdy = π

2 R

2 これが球の表面積の

1/8

だから,全体の球の表面積は

4πR

2

参照

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