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I/O ボード制御プログラムを JavaScript で試作するためのライブラリ

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Academic year: 2021

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平成29年度 学士学位論文梗概 高知工科大学 情報学群

I/O ボード制御プログラムを JavaScript で試作するためのライブラリ

1180298

大石 孝文 【 プログラミング言語研究室 】

1

はじめに

組込みシステムを開発する時は,C言語やアセンブ リ言語などの低級言語が使われる.低級言語での開発 は難しく,誤りを含みやすい.高知工科大学情報学群 2年次に開講されている講義でも,アセンブリ言語を 使用し,授業用のI/Oボード(KUT-I/Oボード)の制 御プログラムの作成を行っている.KUT-I/Oボードは RaspberryPiに繋がれており,RaspberryPiをアセンブ リ言語でプログラムして,KUT-I/Oボードを制御して いる.簡単なI/O制御を行うプログラムを書くだけでも,

レジスタの操作やメモリの管理が必要である.そのため,

時間がかかるうえ,誤りも起こりやすい.JavaScript ような高級言語で開発すれば,問題は解決できる.

本研究では,JavaScriptKUT-I/Oボードの制御 を可能にする.JavaScriptの処理系には,本研究室で 開発している組込み用JavaScript仮想機械(VM)であ eJSVM[1]を使用する.さらに,eJSVM用のKUT- I/Oボードを制御するライブラリを作成する.KUT-I/O ボードに付属している装置は,LED,ディスプレイ,ス イッチ,スピーカーである.これらを制御する関数を作 成し,eJSVMにライブラリとして実装する.

2

ライブラリ

本研究では,KUT-I/Oボードを制御する機能をeJSVM の組込み関数として実装した.KUT-I/Oボードを制御 する組み込み関数は,組込みオブジェクトとして作成し Raspiのメソッドとした.作成した組込み関数を表1 に示す.

1 作成したライブラリ関数一覧

関数名 動作説明

light() I/Oボード上にあるLEDを点

灯する.

lightOff() LEDを消灯する.

colm (n1, ... ,n8)

引数に指定したディスプレイの m行目を点灯する.引数は可変 長引数であり,点灯させたい列 番号を列挙する.

button(n)

スイッチの情報を取得する.true falseを返す.引数には使用す るボタンを指定する

timer() システムタイマの値を取得する.

sound(key, time)

引数に指定した音をスピーカー から出す.keyには音階,time には音を出す時間を指定する.

2 被験者実験の結果

作成時間 試行回数 行数 アセンブリ 170 15 200 JavaScript 17 3 10

3

評価

作成したライブラリ関数の有用性を確かめる二つの 実験を行った.

まず,ライブラリを使いKUT-I/Oボードのすべての 機能の制御が可能か確認する実験を行った.実験内容は 高知工科大学情報学群の2年次に行われる,KUT-I/O ボードを制御する課題を,全て本ライブラリを使用し作 成する事である.その結果,すべての課題のプログラム を作成することが出来た.

次に,本ライブラリを使用した場合,アセンブリ言語 よりもKUT-I/Oボード制御プログラムが書きやすいか を確認する実験を行った.この実験ではKUT-I/Oボー ドを使う講義を履修した6人の学生を被験者とし,実験 を行った.各被験者は,講義の課題と同じディスプレイ を制御するプログラムをアセンブリ言語とJavaScript でそれぞれ一つずつ作成した.それぞれのプログラムの 作成時間,プログラムを修正してビルドし直した回数 (試行回数),プログラムの行数の各平均を表2に表す.

この結果より,ライブラリを使用した場合は比較的短時 間でプログラムを書くことができ,誤りのないプログラ ムが書きやすい事が確認できた.

4

おわりに

本研究では,KUT-I/Oボード制御用プログラムを JavaScriptで作成できるようにするライブラリをeJSVM に実装した.これにより,KUT-I/Oボードの機能を JavaScriptで制御できるようになった.作成したライ ブラリを使用し,KUT-I/Oボードの装置を制御できる か確認する評価実験を行った.また,アセンブリ言語で 書くよりも書きやすいか比較する評価実験を行った.そ の結果,作成したライブラリの有用性が確認できた.

参考文献

[1] 片岡 崇史, 仮想機械の型ディスパッチャ自動生成 ツールの設計と実装, 平成28年度 学士学位論文,

高知工科大学,2017

参照

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