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論文審査の結果の要旨

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論文審査の結果の要旨

Impact of eating attitude and impairment of physical quality of life between tertiary clinic and primary clinic FD outpatients in Japan

機能性ディスペプシア患者において、大学病院とクリニック受診者群を比較すると、

食習慣やQOL障害の程度に差を認める

日本医科大学大学院医学研究科 内科系病態制御腫瘍内科学分野 大学院生 新福 摩 弓 Journal of Neurogastroenterology and Motility 201410月号掲載予定

機能性ディスペプシアは上腹部に消化器症状を有するものの、症状の原因となる器質的疾患を認め ない機能性疾患であり、症状が6ヶ月以上前からあり3ヶ月以上持続したものとされており、疾患定 義が主観的症状や病悩期間によるため疾患自体は症候群と理解されており、病態の詳細は明らかでは ない。また大学病院に来院する患者は一般病院と異なり、重症傾向にあり複雑な病態を持つと推測さ れているが、日本における機能性ディスペプシアに関する実態調査は少ないため、申請者らは大学病 院受診者とクリニック受診者を比較し、GSRS スコアを用いた腹部症状、ピッツバーグ睡眠インデッ クスによる睡眠障害、SF-8を用いたQOL障害の有無、State-Trait Anxiety Inventory(STAI)を用い た不安に関する調査、および食習慣に関し検証した。

大学病院受診者51名、クリニック受診者50名の患者群は、腹部症状のない健常者50名と比較す ると腹部症状Scoreは有意に高く、睡眠障害や身体的QOL障害・不安障害はいずれも有意に高かっ た。一方、大学病院受診群とクリニック受診群で比較すると、腹部症状には差を認めず、症状の内訳 や他の機能性消化管障害の合併率にも差を認めなかった。睡眠障害や不安障害も医療機関の間で有意 な差はなかったが、身体的 QOL 障害と食習慣のうち間食の頻度が大学病院とクリニック受診群で有 意な差を認めた。つまり、同程度の腹部症状を来たしても、症状によって身体的な QOL 障害を強く 感じるFD患者が受診行動として大学病院を選ぶ傾向にあると考えられた。

機能性疾患に対し、異なる医療機関で患者構成・症状・生活習慣の違いを検討した本研究は、症候 群である疾患の病態を考える上で学術的に意義があり、今後の病態解明や診療に影響を与える極めて 価値のあるものと考えられた。二次審査では男女差による違い、医療機関の差で QOL 障害の程度が 異なることに関する解釈、心療内科受診群から機能性疾患の合併有無をみたらどうなるかや、研究デ ザインに関する質問、受診行動に関する影響因子について質疑があり、いずれの質問に対しても的確 な応答がなされた。

今回の検討は 2013 年より機能性ディスペプシアとして保険病名にも新たに認定された機能性消化 管障害疾患群に対し、日本において初めて大学病院と一般病院の2つの性格の異なる医療機関で患者 群を調査比較検討したものであり、臨床的意義が深い論文といえ、よって学位論文として十分価値あ るものと認定した。

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