• 検索結果がありません。

論文内容の要旨

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "論文内容の要旨"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

論文内容の要旨

氏名:山中 康如

博士の専攻分野の名称:博士(生物資源科学)

論文題名:ヤマトシロアリにおける人為的外傷に起因する共喰い行動の解析

ヤマトシロアリReticulitermes speratus (Kolbe) (ゴキブリ目-ミゾガシラシロアリ科)は日本国内における 最も分布範囲の広い家屋食害性シロアリの一種であり,木材保存上の最重要の防除対象種の一つであ る。本種はシロアリ類の常として,階級分化による真社会性の家族システムを有し,個体間で頻繁に「個 体間相互行動」,すなわちグルーミング,トロファラクシス(栄養交換)などを見せ,グルーミングに関 連して共喰い行動も見られる。しかしシロアリにおけるグルーミングと共喰いの間のメカニズム的関 連性についての解明はほとんどなされていない。この種における共喰いとこれに関連するグルーミン グの間のメカニズム的関連性を以下の諸実験により明らかにした。

(1)様々な箇所を外科的施術により傷つけた職蟻に対する同巣職蟻による共喰い行動を観察した。傷 ついた胸部と腹部はほとんど全てが共喰いされ,腹部を傷付けた個体の一部に対しては同巣個体の共 喰いは腹部から胸部に及び,その場合胸部は全ての個体で食べ尽くされたが,胸部を傷付けた個体の 場合共喰いによる食害は多くの個体で腹部にも波及したものの,その度合いは高くなかった。

(2)同様に傷付けた職蟻は,グルーミングされると軸方向振動を見せ,その頻度を測定したところ,

傷ついた箇所にグルーミングされる場合はそれ以外の箇所にグルーミングされる場合よりも有意に高 い頻度であった。傷つけた箇所が頭部と腹部の場合,振動行動が共喰いを伴うグルーミングの持続時 間を短縮したが,傷付けた箇所が胸部の場合,グルーミングの持続時間は短縮しなかった。これは,

振動行動がグルーミングされる個体の生存信号または非死亡信号として機能することを示唆している。

(3)職蟻の体表面炭化水素(CHC)の抽出液を濾紙に含有させて職蟻に食べさせる実験では,CHC が共 喰いを促進しないことが示された。

(4)体躯の様々な箇所の抽出液を濾紙に含有させて職蟻に食べさせる実験では,これらの抽出液がす べて接触刺激物質として働くことが示され,職蟻の抽出液が(腹部を除き)兵蟻のそれを比べて有意に多 くの食害を引き起こすことも示された。

(5)職蟻の下唇腺の抽出液と下唇腺を除いた胸部の抽出液を濾紙に含ませて職蟻に食べさせる実験で は,前者が有意に高い接触刺激性を示し,攻撃される個体の下唇腺の存在が,共喰いによる攻撃に重 要な役割を持つことが示された。

以上により,ヤマトシロアリの職蟻間の共喰いは,通常のグルーミングを行う過程で傷口の存在に より引き起こされ,そこでの重要要因は体液,特に胸部にある下唇腺に含まれる成分の滲出であり,

体表面炭化水素の関与はないものと考えられた。これらの知見はシロアリの社会生物学における新し い見方を提供するのみならず,ヤマトシロアリの防除に際し,コロニー内での職蟻個体間の共喰い促 進によるコロニーの衰退に向けての技術,ベイト工法における餌木の改善などへの応用が可能である 点で重要と考えられる。

参照

関連したドキュメント

㩿㫋୯㪀 㩿㪍㪅㪍㪋㪋 㪁㪁 㪀 㩿㪍㪅㪌㪏㪊 㪁㪁 㪀 㩿㪍㪅㪍㪎㪊 㪁㪁 㪀 㩿㪍㪅㪌㪏㪊 㪁㪁 㪀 㩿㪍㪅㪍㪍㪉 㪁㪁 㪀 㩿㪍㪅㪉㪐㪏 㪁㪁 㪀 㩿㪌㪅㪋㪌㪍 㪁㪁 㪀

認定 準トップ トップ トップ

区分 授業科目の名称 講義等の内容 備考.. 文 化

授業科目の名称 講義等の内容 備考

必修 幼二種 単位 ディプロマポリシーとの関連性

(判断基準)

に係るエネルギーを多く利用している事業所 25% 12.5% 18.75%..