興 敏 大 師 御 撰 蓮 に 封 す る 書 史 學 的 研 究 四 八
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十 三 九 秘 密 念 彿 臨 爾 界 曼 茶 の 諸 尊 は、 何 れ も 皆 大 日 法 王 の 具 徳 を 表 顯 せ し も の な れ ば、 何 れ 劣 ら 沁 佛 達 な る も。 今 特 に 阿 彌 陀 如 來 を 選 ん で、 秘 密 念 佛 を 推 舞 し 給 ひ 元 る に は、 實 に 深 き 所 由 の 存 す る 事 に て、 其 第 一 に 数 ふ 可 き は 敷 化 の 便 宜 と、 蒔 代 の 思 潮 等 に 順 旛 し 給 ひ 元 る も の か と 窺 は る。 先 づ 初 め に 敷 化 の 便 宜 と は、 曼 茶 の 諸 奪 中、 特 に 大 悲 説 法 の 徳 を 司 ご り 給 ふ 佛 は、 即 ち 此 の 阿 彌 陀 如 來 な れ ば。 弘 法 大 師 は 將 來 の 不 塞 繹。 分 別 聖 位 経 に も 語 輪 能 説 二 無 量 之 法 門 一 と 讃 し て、 音 聲 解 脱 の 本 誓 を 顯 は し、 又 彼 の 天 台 大 師 も 諸 経 所 レ讃 多 在 二 彌 地 一 と 嘆 せ ら れ 元 る 程 に て 。 此 の 娑 婆 の 衆 生 を 撮 化 す る に は 絶 ぬ て 音 聲 に 勝 れ 元 る も の あ る こ と 無 く、 而 も そ れ が 彌 陀 の 圭 徳 な る が 故 に、 此 土 の 衆 生 に 封 し 化 縁 最 も 深 厚 な り 。 是 れ 今 大 師 が 特 に 此 の 佛 を 選 ば せ 給 ひ 元 る も の。 彼 の 金 界 儀 軌 の 蓮 華 部 な り し所 以 も、 亦 全 く 此 の 理 由 に 基 け り。 次 に 時 代 の 思 潮 等 と 云 ひ し は、 聖 徳 皇 の 麗 去 を 追 慕 し て、 天 壽 國 の 曼 茶 羅 を 書 き し を 初 め と し。 浄 土 敷 に 關 す る 顯 敷 の 諸 経 論 章 疏 は 蚤 に 我 邦 に 傳 は り、 且 っ 復 眞 言 経 軌 と し て も 無 量 壽 儀 軌 等 の 將 來 あ り て 流 布 し、 欣 求 澤 土 の 思 想 は 廣 く 都 鄙 に 弘 ま り て、 各 種 の 往 生 傳 さ へ 編 述 せ ら れ 元 る 程 な れ ば。 書 更 學 的 方 面 よ り 見 る も、 浮 土 思 想 の 旺 溢 せ る 事 實 は、 左 の 文 獄 に 徴 し て も 荷 ほ 之 れ を 知 る こ と を 得 ん
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巻 三 天 暦 天 台 宗 極 樂 寺 繹 士暑 西 方 観 伽 陀 安 和 法 相 宗 興 編 寺 仲 算 興 敏 大 師 御 撰 蓮 に 封 で る 書 史 學 的 研 究 四 九興 教 大 師 御 撰 述 に 封 す る 書 史 學 的 研 究 五 〇 襲 心 求 道 集 塞 也 上 人 法 語 天 騒 天 台 宗 六 波 羅 寺 光 勝 極 樂 彌 陀 和 讃 四 弘 誓 願 歌 氷 観 天 台 宗 金 龍 寺 千 観 四 十 八 願 繹 観 経 九 品 往 生 義 私 記 寛 和 天 台 宗 延 暦 寺 良 源 阿 彌 陀 新 十 疑 廿 往 生 大 願 永 詐 天 台 宗 十 輝 師 繹 喩 日 本 往 生 極 樂 記 編観 経 十 六 想 観 謁 賛 長 徳 天 台 宗 三 慶 保 胤 無 言 念 佛 観 次 第 長 保 天 台 宗 多 武 峯 増 賀 西 方 極 樂 讃 寛 弘 天 台 宗 後 中 書 王 具 李 親 王 西 方 要 観 寛 仁 天 台 宗 國 城 寺 慶 酢
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高 野 往 生 傳 元 暦 眞 言 宗 法 界 寺 如 寂 槻 共 往 生 集 承 元 禁 西今 撰 往 生 傳 承 元 天 台 宗 寳 地 坊 謹 眞 等 の 著 書 あ り。 其 他 願 文 講 訥 詩 歌 等 の 文 藻、 及 び 阿 彌 陀 念 諦 次 第 作 法 等 の 製 作 を も 暴 ぐ れ ば、 其 数 頗 る 霧 し く、 且 つ 復 阿 彌 陀 如 來 の 彫 鍮 書 像 等 も 随 分 多 く 造 ら れ、 浄 土 の 思 想 信 仰 は、 既 に 普 ね く 諸 宗 に 弘 通 さ れ 元 る が、 別 し て 當 時 良 怨 上 人 が 盛 ん に 念 佛 の 聲 を 唱 へ て、 王 朝 時 代 の 貴 族 佛 教 を、 正 さ に 民 衆 化 せ ん と せ し 時 と て。 從 來 三 論。 法 相。 天 台 に 彌 漫 せ し 彌 陀 の 信 仰 が、 更 に 眞 言 密 宗 に も 浸 染 し。 近 く は 清 水 寺 定 深 ・慈 奪 院 濟 逞 ・ 灘 定 院 定 曾 ・東 南 院 畳 樹 等 當 代 の 碩 學 に し て、 且 興 敷 大 師 の 師 友 の 撰 述 が あ り、 並 に 花 藏 院 宮 聖 恵 親 王 ・中 川 實 範 上 人 等 の 念 佛 三 昧 も あ り 元 れ ば、 此 等 思 潮 の 大 勢 を 観 破 し て、 弦 に 盆 世 利 導 の 妙 法 を 確 立 し て、 秘 密 念 佛 を 強 調 さ れ 元 る が、 乃 ち 今 大 師 の 秘 密 念 佛 の 御 撰 述 な り と 伺 ふ。 さ れ ご 均 し く 彌 陀 を 奉 す る 中 に も、 聖 澤 二 門 其 見 解 を 異 に し。 彼 の 浄 土 門 に て は 無 相 法 性 の 理 談 を 排 す る に は 非 ざ る も、 只 管 事 相 の 見 地 を 重 す る 邊 よ り、 特 に 心 外 の 浄 土 を 建 立 す る 爲 め。 彌 陀 他 力 の 本 誓 に 乗 托 し て、 未 來 西 方 の 往 生 を 渤 算 す。 即 ち 浮 土 宗 の 稽 名 正 因、 眞 宗 の 信 心 爲 本 の 類 是 れ な り。 次 に 同 じ く 是 れ 聖 道 門 な る も、 三 論 ・ 法 相 ・ 天 台 の 顯 敏 と 眞 言 密 敷 と は 所 談 更 に 異 り。 彼 の 顯 宗 に あ つ て は、 諸 経 論 中 ・ 極 樂 は 西 方 十 萬 億 土 を 過 ぎ 元 る 遠 庭 に 在 り と 説 け る も、 心 佛 衆 生 是 三 無 差 別 の 敷 理 に 基 き、 唯 心 の 浮 土、 已 心 の 彌 陀 を 立 て、 此 の 心 即 ち 彌 陀 に し て、 浮 土 も 亦 我 心 中 に 在 る 者 な れ ば、 偏 興 敏 大 師 御 撰 述 に 封 す る 書 史 學 的 研 究 五 三
興 教 大 師 御 撰 述 に 欝 す る 書 史 學 的 研 究 五 四 へ に 心 性 圓 具 な り と 説 き。 或 は 又 西 方 を 巳 心 に 即 し、 他 佛 を 心 内 に 離 さ ゞ る 所 談 を 專 ら と し、 我 が 心 鏡 を 研 礪 し て、 自 性 の 彌 陀 を 顯 得 し 心 内 の 浮 土 を 現 前 せ よ と 講 ゆ る 観 心 念 佛 論 等 な る が。 今 此 の 密 の
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黒 蒙 五 輪 潤九 字 秘 踊樺 笏 名 頓 悟 往 生 秘 観 一 巻 又 二 巻 此 の 聖 敷 は 興 敷 大 師 が 最 も 深 く 意 を 注 ぎ て 高 潮 し 給 ひ 元 る 秘 密 念 佛 主 義 の 一 大 名 篇 な り 。 而 し て 一 部 の 大 旨 と す る 所 は 純 ら 密 敷 の 宗 格 に 基 き 、 二 佛 李 等 。 賢 聖 無 別 の 敷 義 に 基 き て 、 大 日 即 彌 陀 と 説 き 。 所 謂 毘 盧 と 號 し 彌 陀 と 稽 す る も 、 敢 て 二 禮 あ る に は 非 す 。 故 に 其 實 を 腰 む れ ば 、 全 く 同 艦 の 異 名 に 過ぎ す、 傍 て 安 養 都 率 は 同 佛 の 遊 庭、 密 嚴 華 嚴 は 一 心 の 蓮 盛 な れ ば、 往 生 を 當 腱 に 獲 得 す 可 し と 説 き 給 ひ 。 又 其 庭 を 論 す れ ば 同 一 無 二 な る を 以 て。 大 日 の 髄 の 上 に 彌 陀 の 相 を 現 す と 観 す れ ば、 其 の 實 観 の 功 能 に 依 り、 頓 悟 成 佛 の 大 利 盆 あ る 所 以 を 究 明 し 給 ひ。 鐸 法 椹 實 同 趣 門 ・ 正 入 秘 藏 眞 言 等 の 十 大 門 を 設 け て、 之 れ が 深 致 を 開 閲 せ ら れ 元 る も の 題 し て 五 輪 九 字 と 稻 す る は、 此 の 十 大 門 中 の 第 二 正 入 秘 密 翼 言 門 内 な る 語 密 解 了 字 義 に、 五 輪 五 智 法 身 門 と 九 字 九 品 報 身 門 あ る を 以 て、 此 の 五 輪 と 九 字 を 探 り 給 ひ 元 る も の 。 所 謂 五 輪 と は、 五 と は 五 部 ・ 五 智 ・ 五 方 ・ 五 大 ・ 五 臓 ・ 五 色 等 の 事 に し て。 其 五 に は 各 々 法 爾 と し て 衆 徳 を 具 す る が 故 に 輪 と 名 く。 乃 ち 輪 と は 輪 圓 具 足 の 義、 梵 語 の 曼 茶 羅 に 契 常 す。 此 の 五 輪 相 合 す れ ば、 毘 盧 遮 那 三 昧 耶 形 と な し て、 法 界 禮 性 智 を 表 は す 窒 都 婆 と な る。 又 此 の 五 輪 を 一 切 如 來 の 根 本 と 爲 し、 自 鯨 の 高 下 麓 細 等 種 々 の 形 相 を 枝 末 と す る 等、 無 量 の 義 趣 あ る が。 此 五 翰 を 五 佛 に 配 す る に に も 亦 尊 勝 破 地 獄 儀 軌 に 依 る 無 畏 傳 の 地 東 水 西 火 南 風 北 塞 中 と、 宿 曜 経 に 依 る 不 塞 傳 の 塞 東 風 西 火 南 水 北 地 中 と の 二 別 あ り。 前 傳 は 東 因 説、 乃 ち 地 大 を 中 と 爲 し 因 徳 を 本 と 爲 す 本 畳 法 身 義 に 擦 り 後 傳 は 中 因 説 乃 ち 塞 輪 を 中 と し 果 徳 を 本 と す る 修 性 顯 得 の 意 に 基 く と そ。 術 ほ 科 藏 記 等 に 依 ら ば、 高 祀 立 教 の 大 本 は、 正 し く 不 室 傳 を 用 ひ、 粟 て は 無 畏 傳 に も 依 ら れ 元 り と 爲 す 委 し く は 當 聖 敷 に 出 づ。 次 に 九 字 明 と は 無 量 壽 如 來 の 心 眞 言 な る 奄 阿 蜜 利 餌 多 帝 誓 詞 羅 畔 の 九 字 の 小 呪 に し て、 其 の 字 義 は 備 さ に 本 書 に 出 す が 如 し。 而 し て 此 の 呪 が 一 切 蓮 華 部 に 通 じ て 功 徳 の 廣 大 無 邊 な る こ と は、 彼 の 大 佛 興 敏 大 師 御 撰 出迎 に 封 す る 書 史 學 的 研 究 五 五
興 教 大 師 御 撰 述 に 樹 す ろ 書 史 學 的 研 究 五 六 頂 廣 聚 陀 羅 尼 脛 霧 第 四 に 説 け る が 如 し。 今 題 し て 秘 密 と 幕 す る は 繹 尊 所 説 顯 露 の 常 敷 に 簡 別 し て 毘 盧 内 謹 眞 言 の 三 密 を 選 取 し て、 萬 徳 圓 満 の 無 上 頂 宗 な る こ と を 表 は し 給 ひ 元 る も の。 而 も 此 書 頓 悟 往 生 秘 観 と も 名 け し は、 專 ら 観 盆 に 就 き し が 爲 め の み 。 所 謂 頓 悟 と は 正 し く 大 機 に 約 し、 往 生 と は 小 機 に 約 す。 然 る に 理 實 に は 頓 悟 往 生 倶 に 大 小 二 機 に 通 じ、 頓 漸 復 倶 に 一 生 に し て 即 身 成 佛 す。 其 の 秘 観 上 の 禮 験 を 翰 墨 に 顯 は し 給 ひ 元 る が 即 ち 此 の 聖 敷 な り。 尤 も 其 の 所 明 は 廣 く 十 六 門 に 亘 り て 廣 説 せ ら れ 元 れ こ も 唯 此 の 五 輪 門 を 開 ひ て 自 性 の 法 身 を 顯 は し、 九 字 門 を 立 て ゝ 受 用 の 報 身 を 標 し 給 ふ 事 が、 實 に 今 書 の 心 肝 な り と 拝 す。 御 識 語 に ノ メ ノ 抑 記 二 此 秘 繹 一後 入 二 三 摩 地一、 忽 然 化 現 費 生 房 云 云 々。 と あ る を、 誤 て 同 様 の 事 が 心 月 輪 秘 繹 に も 傳 へ ら れ し が 。 此 の 寳 生 房 敷 尋 は、 頑 傳 篇 中 に も 附 記 せ る 如 く、 永 治 元 年 三 月 廿 三 日 の 入 滅 な れ ば、 今 書 の 御 製 作 は 恐 ら く 其 後 の 康 治 前 後 と 測 定 す 可 き か 。 而 し て 特 に 寳 生 房 の 言 を 録 さ れ 元 る 末、 ニ メ チ シ ル ノ ソ コ テ 泓 レ 此 す 不 レ貿 涙 落 、 輸 塊 嬬 盛 、 忽 見 二 密 嚴 有 相一、 知 二 生 死 絶 一 而 巳 。 ご 特 筆 さ れ て 御 述 懐 の 程 を も 示 さ せ 給 ひ た る 位 な れ ば 。 敷 あ る 御 撰 違 中 、 此 の 聖 漱 は 蓋 し 最 も 心 血 を 灘 が せ 給 ひ だ る 御 快 心 の 御 作 な る 可 し 、 從 來 新 義 眞 言 宗 の 宗 侶 が 基 根 的 宗 門 第 一 の 租 詰 こ し て 尊 崇 措 く 能 は ざ り し 所 以 も 、 亦 敢 て 深 由 な き に は 非 ざ る な り 。
此 の 聖 敷 に は 例 の 高 野 板 々 式 に 則 り し 古 風 の 板 本 二 種 あ り。 一 本 は 刊 記 無 け れ ざ も、 粗 其 の 前 後 に 開 板 せ し 分 に は、 慶 安 元 戊 子 暦 七 月 吉 日 高 野 山 於 清 浄 心 院 蓮 編 院 開 板 之 と あ り。 最 も 此 本 は 五 輪 圖 下 の 字 句 排 置 を 誤 り し よ り、 之 れ を 受 け し 天 和 板、 並 に 諸 秘 繹 懇 第 六 牧 録 本 に も 其 の 誤 り を 踏 襲 し 延 て 全 集 本 に も 及 ぼ し 元 り 。 術 又 全 集 本 九 頁 と 廿 四 頁 と に 挿 入 せ る 圖 面 に は、 大 約 二 様 の 異 れ る 描 様 あ り て、 右 爲 本 に は 何 れ も 皆 彩 色 を 施 せ り。 又 廿 四 頁 の 圖 書 に 誤 り あ る の み な ら す、 其 の 圖 中 に あ る 文 字 が、 果 し て 何 を 意 味 せ る や 十 鼻 判 明 せ す、 古 來 難 解 の 書 と 評 し 來 れ る は、 畢 覧 甚 し き 錯 誤 あ り し が 爲 め な り し。 校 讐 本 の 奥 書 左 に、 ( イ ) 小 野 随 心 院 藏 足 利 初 期 寓 本 ( ロ ) 東 寺 観 智 院 藏 本 康 永 二 年 四 月 令 修 覆 了 賢 寳 ( ハ ) 栂 尾 高 山 寺 藏 法 鼓 壷 古 為 本 ( ニ ) 高 野 山 寳 轟 院 藏 本 文 永 九 年 壬 申 十 二 月 廿 七 日 於 光 壽 院 倉 書 爲 畢 云 々 後 傳 者 澄 恵 ( ホ ) 御 室 仁 和 寺 藏 本 此 記 密 嚴 聖 露 所 レ 作 也 聖 心 消 二廣 文 一 取 二 略 小 齢以 定 二 趣 入 一也 本 奥 云 弘 長 三 年 十 一 月 口 於 二 河 波 涯 國 成 相 寺 鵬令 レ 書 二 爲 之 一 畢 是 如 來 内 謹 之 奥 義 誠 衆 生 頓 悟 之 秘 門 也 興 教 大 師 御 撰 述 に 樹 す る 書 史 學 的 研 究 五 七
興 敏 大 師 御 撰 述 に 封 す ろ 書 史 學 的 研 究 五 八 甚 秘 を 々 権 律 師 玄 喩 性 誰 徳 治 三 年 十 月 六 日 於 二 燈 下 一終 二寓 功 一畢 法 印 椹 大 信 都 繹 忠 (別 筆 ) 仁 西 坊 本 也 麿 深 ( ヘ ) 中 山 法 華 経 寺 藏 本 日 蓮 聖 人 自 筆 ( 稻 田 海 素 師 登 見 ) 建 長 三 年 十 一 月 廿 四 日 戊 時 了 五 帖 之 坊 門 富 小 路 西 門 坊 門 ヨ ソ バ 南 富 小 路 ヨ ワ ハ 西 次 に 此 の 聖 敷 は 宗 門 第 一 の 最 要 寳 撒 と 崇 め ら れ 元 る 位 な れ ば、 撫 か し 古 來 の 學 匠 が 無 比 の 渇 仰 心 と 畢 生 の 努 力 と を 以 て、 立 涙 な る 賛 繹 を 作 り て 祀 典 を 研 磨 し、 依 て 以 て 新 義 眞 言 宗 の 學 術 的 盤 系 を 組 織 せ し も の あ る 可 し と 信 せ し が。 量 に 計 ら ん 其 の 事 無 か り し は、 甚 だ 以 て 失 望 の 極 み な り し。 思 ふ に 此 の 秘 観 を 實 修 し て 悉 地 を 成 就 し 元 る 人 に 非 す ん ば、 到 底 疏 繹 を も 作 り 得 ざ り し が 爲 め な ら ん。 野 山 の 碩 學 ・道 範 阿 闊 梨 は、 灘 定 太 王 の 敷 命 を 奉 じ て、 嘉 頑 二 年 八 月 廿 一 日 に 五 智 五 藏 等 秘 密 抄 一 軸 を 撰 集 す 其 の 過 宇 は 此 の 聖 敷 の 文 を 援 引 せ し も、 只 自 説 を 謹 成 す る に 過 ぎ す し て、 今 大 師 の 御 眞 意 を 窺 ふ に は 隔 靴 の 憾 み あ り。 又 五 輪 五 字 等 に 關 す る 注 繹 類 は 相 當 之 れ あ り し も、 今 書 の 末 繹 と し て は 唯 僅 か に 五 輪 九 字 秘 繹 爲 誤 考 謹 一 霧 現 存 す る の み。 尤 も 此 書 と て も 亦 文 段 繹 に は 非 す し て、 本 書 の 爲 誤 を 考 謹 し 元 る の み。 自 序 に ヨ リ ト ス テ ソ ヤ コ テ ノ ノ ハ ア リ ニ 密 嚴 諸 秘 羅 製 造 以 來 五 百 年 間、 只 事 二謄 爲 一焉、 豊 得 レ無 二魯 魚 混 清 一乎、 天 和 之 奮 刊 不 レ 蓬 二子 是 正一、
ヤ ト ン チ ト 云 コ テ シ チ ス ヂ テ 瑞 慮 山 動 潮 信 正 潜 レ 思 索 二撹 諸 本 一、封 映 校 灘 不 レ知 二 幾 回一、 改 二 正 於 書 誤 一補 二績 乎 闘 略一、 功 成 而 天 明 甲 辰 ニ チ リ ス ニ ツ カ ス ヲ ニ ナ リ ト ユ ノ メ ヒ ノ 新 令 レ餓 二 一 本 一便 二子 學 徒 一焉、 可 レ 謂 耀 二 組 光 於 千 歳 一看 也、 然 五 輪 九 字 秘 繹 猶 有 下 因 二 循 干 奮 刊 一鷹 誤 ノ ヌ レ ク ノ ス ル カ テ ト ニ ヲ モ ハ ニ メ ノ チ ニ ク 之 洩 二 十 訂 正 一者 上 尖、 錐 下 若 二 細 鱗 瞬 レ 網 不 占 足 レ 爲 レ 論、 而 依 二書 誤 一 則 以 二 六 煽 六 曾 配 位 之 撃 差一、 忽 懐 二 テ ニ ス ハ ナ デ チ ル ノ ノ ノ ニ メ テ テ 猶 豫 於 秘 観 一焉、 不 レ糺 二 書 謬 一則 叢 レ 鼠 爲 二 玄 武 一之 類、 取 二 他 之 笑 顧尖、 皆 出 二 後 人 爲 手 之 疎 謬一、 認 二 之 シ ト ノ ナ ラ ン カ ナ ル ヲ ス レ ヲ シ カ
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に
就
て、
本
書
中
の
大
な
る
爲
誤
を
考
謹
せ
る
邊
は、
頗
る
學
究
的
な
る
も、
惜
む
ら
く
ば
本
書
の
全
副
に
關
す
る
文
段
疏
繹
に
非
ざ
る
黙
な
り。
此
種
望
蜀
の
潟
を
馨
す
る
も
の
は、
即
智
積
院
第
灘
三
世
唯
明
房
隆
喩
俗
正
が
嘉
永
元
年
八
月
七
十
六
歳
作、
五
輪
九
字
明
秘
密
繹
拾
要
記
五
巻
な
り。
此
記
の
自
筆
本
が
同
山
常
盤
寮
の
羅
字
画
に
襲
藏
さ
れ
し
を、
同
信
正
滅
後
七
十
四
年
目
の
大
正
十
三
年
九
月、
智
山
勧
學
寮
に
て
謄
寓
版
鰭
緒
官
に
摺
り
て、
極
少
数
の
入
々
丈
に
頒
け
し
が。
同
僧
正
は
大
日
経
疏
拾
要
記
五
十
二
懇、
同
供
養
法
疏
私
記
六
巻、
不
思
議
疏
私
記
五
巻、
心
経
秘
鍵
集
決
二
懇、
因
明
滑
三
過
法
纂
解
談
柄
一
巻
等
を
も
著
は
し
た
る
能
化
こ
て、
運
徹
和
術
以
後
・
著
名
學
者
の
一
に
数
へ
ら
れ、
特
に
力
を
集
書
に
致
し
て、
常
盤
寮
書
庫
の
基
礎
を
築
き
上
げ
た
る
篤
學
者
丈
あ
つ
て、
何
れ
の
著
述
も
皆
博
渉
治
聞
に
し
て
諸
説
を
該
羅
し、
備
さ
に
推
藪
盤
壁
の
苦
を
重
ね、
尋
繹
精
窮
の
功
興
敢
大
師
御
撰
述
に
封封
す
る
書
史
學
的
研
究
五
九
興 敏 大 師 御 撰 述 に 劉 す る 書 史 學 的 研 究 六 〇 を 積 み 元 り 。 特 に 此 の 拾 要 記 に は 五 輪 九 字 明 秘 繹 疑 目 と 観 豪 の 同 愚 抄 二 懇 等 を も 墾 酌 し、 且 つ 五 智 山 曇 寂 和 樹 の 諸 私 記 を も 指 南 と し て、 親 切 入 念 に 記 蓮 し 元 る も の な れ ば、 美 は 固 よ り 美 な る も。 只 訓 話 の み に 重 き を 措 き し 爲 め か、 肝 要 な る 新 義 振 の 學 説 を 確 め 得 ざ る 憾 み あ り。 荷 ほ 復 此 の 聖 敷 も 鯨 程 爲 誤 あ る に、 諸 秘 縄 目本 に 依 り し が 爲 め 往 々 氣 付 き 居 ら ざ る 過 誤 め る は、 是 非 も 無 き 次 第 な り。 上 記 の 如 く 茄 聖 敷 に は 日 蓮 聖 入 自 筆 ・に 係 る 建 長 三 年 十 一 月 の 古 篤 本 さ へ 現 存 せ る 故 へ 例 に 依 ち 全 集 本 の 誤 脱 を 掲 ぐ べ き 筈 な る も、 大 要 ・を 墨 る 事 す ら 頗 る 困 難 な れ ば、 己 む を 得 で 之 れ を 省 く。 阿 彌 陀 趣 魍 一 巻 此 の 聖 敷 も 亦 秘 密 念 佛 に 關 す る 者 に て、 阿 彌 陀 を 繹 す る に 三 段 を 立 て、 先 づ 初 め に 阿 彌 陀 の 本 禮 を 説 き、 次 に 阿 彌 陀 の 名 號 を 繹 す る に 十 三 翻 名 を 列 暴 し、 終 り に 字 相 字 義 を 叙 し 給 へ り。 均 し く 是 れ 阿 彌 陀 佛 と 稻 す る も、 浮 家 は 客 観 上 に 彌 陀 の 尊 像 を 認 め て、 之 れ を 崇 信 の 標 的 と 爲 し。 其 の 佛 の 本 誓 大 願 力 に 助 け ら れ て、 來 世 に 西 方 の 極 樂 浮 土 へ 大 往 生 を 途 ぐ る 敷 義 な る も。 今 此 の 聖 道 自 力 の 宗 門 に 在 て は、 之 れ と 正 反 封 に 主 観 上 に 唯 心 巳 身 の 彌 陀、 即 ち 自 性 法 身 を 畳 悟 せ ん 爲 め、 行 者 が 観 照 の 妙 用 と し て、 佛 凡 不 二 ・ 迷 悟 無 差 別 の 妙 境 界 に 到 達 す る を 以 て 眼 目 と な せ り。 故 に 分 別 の 執 着 を 離 れ て、 偏 へ に 性 徳 の 一 心 を 謹 悟 せ ん 事 を 勧 説 し 給 ふ 。 諸 秘 羅 懇 第 一 牧 録 本 に 依 る、 今 観 智 院 所 藏 果 寳 本 と 金 剛 三 昧 院 良 恩 ( 足 利 中 期 ) の 爲 本 と に 封 校 せ
し が、 一 字 の 差 誤 を 認 め す、 洵 に 心 持 良 か り し。 因 云、 密 嚴 澤 土 略 観 ・ 八 葉 観 ・ 三 界 唯 心 頭 ・ 珊 八 願 大 事 も 亦 秘 密 念 佛 の 観 想 に 關 聯 せ る 聖 敷 な れ ば 併 見 せ ら れ ん こ と を 望 む 。 劇 期 大 要 秘 密 集 署 云 一 期 大 要 集 一 巻 鳴 呼 入 は 顯 榮 を 箏 ひ 世 は 名 利 を 競 ふ、 而 も 人 生 の 総 勘 定 日 元 る 臨 終 断 末 魔 に 際 せ ぱ、 果 し て 何 の 用 を か 爲 さ ん。 思 ふ て 弦 に 到 ら ば、 人 生 の 最 大 肝 要 事 は、 そ れ 唯 臨 終 の 正 念 に あ ら ん の み 。 而 も 此 の 臨 終 正 念 元 る や 李 素 の 積 徳 に あ る 事 を 知 ら ば、 誰 か 一 期 の 大 要 を 等 閑 に 伏 せ ん。 本 書 は 實 に 此 の 種 用 心 に 關 し、 可 レ 惜 二 身 命 一 不 二惜 二 身 命 一 佳 二 本 佳 腱 一 奉 二請 本 曾 一 幟 二 悔 業 障 一 登 二菩 提 心 一 観 念 極 樂 決 定 往 生 没 後 進 修 の 九 種 に 就 き、 懇 ろ に 其 の 心 得 を 列 墨 し て、 諄 々 秘 密 念 佛 の 極 意 を 垂 誠 し 給 ひ、 之 れ を 克 明 せ ん が 駕 め、 諸 維 論 の 誠 文 と 一 家 の 見 解 と を 併 記 せ ら れ 元 る も の。 古 來 入 口 に 膳 爽 し て、 均 し く 此 書 を 稽 讃 す 乃 所 以 は、 所 論 高 適 ・ 事 實 肝 要。 義 路 整 然。 措 僻 概 切 ・ 讃 む も の を し て 心 騎 に 透 徹 せ し め、 其 の 盆 を 蒙 む る も の 多 け れ ば な り。 さ れ ば に や 古 來 此 聖 敷 を 葬 爲 し て 錦 嚢 に 納 れ、 随 身 不 離 の 寳 策 と 爲 せ し 外。 正 保 二 年 仲 冬 の 板 本、 興 敏 大 師 御 撰 述 に 封 す る 書 史 學 的 研 究 六 一
興 教 大 師 御 撰 述 に 勤 す る 書 史 學 的 研 究 六 二 並 に 諸 秘 繹 岩 第 三 牧 録 本 あ り、 近 く ば 大 正 六 年 九 月 登 行 の 風 敷 叢 書 第 二 編 等 に も 牧 め ら れ、 廣 く 世 に 流 布 せ ら れ 元 る が、 書 中 意 義 の 通 ぜ ざ る 所 数 多 あ り。 傍 て 嵯 餓 大 畳 寺 所 藏 足 利 初 期 の 古 爲 本 を 槍 せ し に、 粗 同 様 な り し か ば。 曾 て 調 査 し 置 け る 観 智 院 聖 数 目 録 を 再 三 再 四 精 究 の 上、 十 念 極 樂 易 往 集 巻 六 奉 宣 安 置 也 賀 利 多 四 一 期 大 要 臨 終 門 奥 云 建 仁 三 年 中 春 五 日 初 日 破 岸 之 書 之 黙 了 井 交 若 披 二 見 此 文 一必 生 二 密 嚴 國 一 文 永 七 年 六 月 十 六 日 書 寓 了 右 筆 沙 門 良 慶 て ふ 一 帖 あ る を 確 め、 松 永 管 長 に 請 ふ て 之 れ を 閲 覧 し 元 り。 此 の 十 念 極 樂 易 往 集 に 就 き て は、 後 法 性
寺
關
臼
月
輪
灘
閣
藤
原
繋
實
公
の
玉
葉
玉
海
一
名
巻
第
廿
二、
安
元
二
年
冬
十
万
誉
未灘
の
條
に、
ハ マ 、 ヲ 佛 嚴 房 來 倉 レ 見 二 抄 出 之 法 文一、 一其 多 十 念 極 樂 易 牲 集 一六 巻 也 珍 重 書 也 、 但 清 書 也 、 問 書 様 有 二 誤 等一、 余 示 二 其 由一、 聖 入 シ 廿 心 、 暫 言 談 蹄 了 。 ご 云 ひ 。 同 巻 第 廿 五 、 安 元 三 年 十 月 二 日 辰伐 の 條 に 、 ノ 二 日 辰頂 天 晴 、 今 日 終 日 見 二 佛 嚴 聖 人 所 レ 書 之 十 念 極 樂 易 猛 集一、 廣 才 之 書 也 、 件 書 総 六 巻 、 依 二 法 皇 詔 旨 一所 二 撰 集 一訳 々 。 ご あ る を 讃 み 、 李 安 末 の 浮 土 の 敷 籍 こ し て は 、 實 に 珍 し き 許 り で 無 く 、 抄 出 之 法 文 ご あ る に 着 目 せ しが。 併 し 事 に 依 る と 引 文 位 の 物 か も 知 ら ぬ と 思 ひ し に、 豊 に 計 ら ん 全 悲 其 儘 の 抄 出 で あ り し の み な ら す。 全 篇 六 巻 の 中、 残 留 せ る 一 帖 の 第 四 ・ 一 期 大 要 臨 終 門 が、 蓮 好 く も 今 大 師 の 一 期 大 要 集 な ん と は 而 も そ れ が 全 集 改 纂 の 際、 幸 に も 之 れ を 氣 付 き し は、 實 に 重 を の 奇 縁 と 云 ふ 可 く 坐 う に 法 命 の 不 朽 を 慶 び 元 り。 之 れ を 現 流 板 本 と 罫 照 せ ん か、 文 字 の 出 没 頗 る 霧 し く、 到 底 之 れ を 列 畢 し 得 ざ る は 甚 だ 遺 憾 な り 前 マ 、 シ ニプ ク シ 記 玉 葉 に も 見 ゆ る が 如 く、 間 書 檬 有 二 誤 等一、 余 示 二 其 由 ↓ 聖 人 甘 心 暫 言 談 鶴 了 と あ る 位 ゆ へ。 昔 時 よ り 誤 爲 の あ り し 程 も 想 像 さ る。 併 し 依 二 法 皇 詔 旨 一所 二 撰 集 一 な り と 云 ひ、 又 其 書 に も 奉 宣 安 畳 也 賀 利 他 と 特 筆 せ る 黙 よ り 察 せ ぱ。 今 大 師 の 此 の 御 撰 述 が、 當 時 の 激 界 に 喧 傳 せ ら れ し、 名 篇 中 の 随 一 な り し 消 息 を も 伺 ひ 得 て、 誠 に 有 難 き 思 ひ せ ら れ 元 り。 抄 爲 せ し 佛 嚴 聖 入 は、 玉 葉 中 幾 十 箇 庭 に も 記 載 さ れ 元 る 名 僧 に て、 多 く は 授 戒 所 濤、 或 は 法 文 閑 談 の 爲 め な り し が 此 の 玉 葉 の 外 に、 吾 妻 鏡 ・ 明 月 記 ・ 山 塊 記 及 び 皇 國 名 醤 傳 等 に も 書 か れ 元 る 東 寺 の 眞 言 讐 信 な る も、 今 に 其 の 詳 傳 を 得 す。 曾 て 理 趣 維 聴 海 抄 を 著 は せ し 高 野 山 の 傑 偲、 南 勝 房 壁 海 の 行 状 記 し一 巻 を も 書 き 元 る 邊 よ り 推 さ ば、 畳 海 先 徳 よ り も 同 時 代 の 後 輩 ら し く。 而 し て 此 の 稀 観 の 珍 書 元 る 聴 海 抄 が、 同 じ 親 智 院 に 在 り よ り 推 さ ば、 山 塊 記 の 記 事 と も 照 鷹 し て、 東 寺 内 の 佳 儒 な り し こ と 丈 は 確 か なす 。 奈 良 の 東 大 寺 に も 鎌 倉 頃 寓 せ し 一 期 大 要 秘 密 集 の 古 為 本 あ り し が、 高 野 山 三 寳 院 に は 文 保 元 興 教 大 師 御 撰 蓮 に 勤 ず る 書 史 學 的 研 究 六 三
興 敏 大 師 御 撰 蓮 に 咀封 て る 書 皮 學 的 研 究 六 四 年 七 月 七 日 眞 海 書 篇 の 傳 本 あ る 外、 同 山 寳 鶉 院 所 藏 本 に は 左 の 奥 書 あ り。 無 量 光 院 清 胤 法 印 蒙 二 拗 誠 一此 疏 寓 畢、 誠 拭 二 老 眼 一 染 レ筆、 此 併 登 菩 提 心 決 定 成 就、 臨 終 正 念、 往 生 極 樂、 上 品 上 生、 直 到 二 彌 陀 成 等 正 畳一、 乃 至 普 利 李 等 援 苦、 倉 下 二 法 久 佳 一 利 中 盆 人 天 上 之 登 願 而 巳、 文 藤 三 年 十 月 廿 八 日 東 南 院 快 算 (押 紙 云 ) 蹄 命 慈 父 彌 陀 奪 頂 禮 悲 母 観 自 在 維 子 今 潟 嬰 飲 レ乳 早 開 二胸 懐 一先 授 レ 手 突 に 此 の 聖 敷 の 末 繹 と し て は、 有 名 な る 五 智 山 の 曇 寂 和 爾 が、 享 保 十 九 年 六 十 一 歳 の 還 暦 の 際、 再 逢 二 甲 寅 之 歳 麟 を 以 て、 臨 終 の 至 要 を 明 か に せ ん と 欲 し、 一 期 大 要 略 私 記 一 憲 を 著 は し、 其 年 の 正 月 元 日 に 自 序 を 書 か れ 元 る 唯 一 書 あ る の み。 此 私 記 は、 天 台 宗 三 井 寺 内 法 明 院 ・ 智 山 常 盤 寮 等 に 藏 せ る が 併 し 誤 寓 の 多 き 板 本 に 依 り、 本 文 の 要 所 丈 を 抜 き、 之 れ に 僅 少 の 私 言 を 添 ぬ し に 過 ぎ ざ れ ば、 大 用 無 き か と 思 は し む。 阿 彌 陀 井 糠 樂 謹 文 一 巻 此 書 も 亦 先 年、 東 寺 観 智 院 金 剛 藏 に て 登 見 せ し 珍 書 な る が。 書 題 は 上 褐 の 如 ぐ な る も、 這 は そ も 此 の 書 の 初 め の 一 行 を 取 て、 假 に 書 目 と 爲 し 元 る に 過 ぎ す。 其 例 は 古 來 往 を 之 れ あ り、 特 に 此 書 は 今 大
師
が
折
に
鯛
れ
縁
に
接
し
て
御
書
き
遊
ぱ
さ
れ
た
る
も
の
を、
後
人
が
集
録
し
元
る
も
の
な
れ
ば、
今
大
師
御
製
作
時
録
中
に
あ
る
秘
文
鋤
に
當
り
は
せ
の
か
と
も
思
は
る。
初
め
に
彌
陀
と
極
樂
謹
文
と
を
牒
出
し
て、
眞
言
敷
に
属
す
る
無
量
壽
儀
軌。
観
自
在
王
如
來
儀
軌
等、
都
合
十
三
部
を
墨
げ。
次
に
剥
字
説
文
と
標
墨
し
て
法
華
儀
軌
を
引
き。
三
に
繹
定
太
皇
が
金
色
等
身
阿
彌
陀
如
來
の
聖
容
開
眼
の 略 法 則 中、 表 自 と 尊 勝 の 眞 文 と に 御 農 筆 を 讐 せ ら れ し 故 へ。 之 れ に 關 す る 長 文 の 開 題 を 爲 し て 一癒
の
終
結
と
爲
し。
更
に
久
安
六
年
六
月
十
七
日
御
室
御
佛
事
勤
之
と
牒
榜
し
て、
灘
定
太
皇
が
滅
罪
生
善
抜
苦
與
樂
の
業
行
と
し
て、
三
七
偏
依
経
王
の
誠
説
を
逆
修
遊
ぱ
す
瑚、
御
等
身
の
彌
陀
農
を
作
ら
せ
ら
れ
て
之
れ
を
開
眼
し。
禽
ほ
法
華
大
乗
の
妙
典
+
軸
を
も
饗
筆
遊
ば
せ
ら
れ
し
故
へ、
是
れ
に
も
亦
愛
の
開
題
を
付
し
元
る
も
の
な
る
が
。
勿
論
今
大
師
は
既
に
磐
二
年
十
二
月
十
二
日、
四
十
九
歳
に
て
御
入
滅
あ
り
し
六
年
後
の
御
華
な
れ
ば。
此
の
後
の
記
妻
は、
恐
ら
く
禦
子
方
の
筆
録
と
見
え
元
り。
併
し
今
宗
の
史
料
と
し
て
最
も
大
碧
る
も
の
は
、
乃
ち
末
尾
に
諜
せ
る
弘
安
葦
中
夏、
十
六
丈
の
寳
塔、
七
間
四
面
の
堂
舎
茎
焼
の
瑚
。
太
皇
舞
を
廻
し
て
信
仰
の
掌
を
合
し
て
念
葡
あ
ら
せ
ら
る
ゝ
や、
猛
風
忽
ち
起
り
て、
御
髪
の
み
が
類
焼
を
菟
れ
し
事
。
並
に
太
皇
が
比
類
無
き
禦
警
り、
日
な
象
し
て
根
本
霧
の
嚢
簑
成
就
せ
し
顛
末
を
記
し
せ
る
こ
と
等
に
て
。
例
の
高
野
春
馨
第 六 に も、 久 安 五 年 己 巳 夏 五 月 十 二 日 癸 巳 申 難震
震
震
二
十
大
塔
一炎
上、
儒 論 上 蕗 奨 穐 矯 生 二 火 囎 門 部 鳴 二 洪 鐘 一集 二 諸 寺 僧 侶 一力 働、 漸 跡 三 出 中 奪 之 御 肇 與 二 脇 佛 三 龍一、 井 蓋 幡 佛 具 等 之 類 各 抽 二 心 興 教 大 師 御 鑑 鋳 す 善 量 的 研 究 六 五興 敏 大 師 御 撰 述 に 封劉 す る 書 史 學 的 研 究 六 六 力 一 挟 二 出 之 一、
金
堂
及
灌
頂
院
累
嶢、
佛 像 法 具 悉 出 二 蓮 之 一畢、 御 影 堂 猫 得 二 安 全 一 也、 考。 法 親 王 即 時 有 レ 入 二 御 御 影 堂 一、 嚴 然 所 二 除 火 唖身 心 不 二動 髄 二 婁、 心 柱 倒 二 艮 方 一。 考。 自 二康 和 二 年 大 塔 再 興 一至 二 予 叢 一五 十 一 介 年、 再 焼 也、同
廿
八
日
賜
二
大
塔
造
螢
之
宣
旨一、
是
依
二
満
寺
之
梱
請、
丼
座
圭
寛
信
法
務
之 奏 上 一 也。 秋 七 月 九 日 始 螢 二 土 木 之 鴻 業 一云 々、 廿 三 日 経 二 螢 金 堂 再 興 一 云 云。 ご あ る が、 尚 ほ 詳 か な ら ざ る 箇 所 あ り て、 其 の 實 呪 も 藍 し 居 ち す、 叉 焼 け し 堂 塔 の 大 さ、 へ も 判 然 せ ざ り し に。 今 度 本 書 の 磯 見 に 依 り、 始 め て 之 れ を 確 め 得 把 る 上、 省 ほ 種 々 重 要 の 史 科 を も 顯 れ 花 る は 洵 に 無 上 の 法 幸 な り。 奥 書 の み は 後 人 の 筆 な る が 左 の 如 し。 ( 別 筆 ) 聲 法 親 王去
康
治
二
年
月
日
す
上
入
入
滅
久
安
六
年
六
月
御
室
御
逆
修
唱
導
誰
乎
可
尋
之
著 是 築 海 上 人 鍬 ケ ウ ヤ ウ孝
養
集
三
巻
唐 韻 に は 孝 を 呼 数 切。 集 韻 ・韻 會 ・ 正 韻 に は 許 敏 切、 拉 喫、 去 聲 ご 注 し。 普 し は 孝 敷 昔 通 に て 共 用 し た る 所 往 々 之 れ あ り。 例 せ ぱ 神 護 景 雲 元 年 九 月 に 大 般 若 経 疏 を 書 き だ る 三 論 の 孝 仁 を ケ ウ ご 讃 ま し め た る が 如 し。 今 も 亦 ゲ ウ ヨ ウ 集 ご 云 ひ 慣 は せ り。 此 の 書 は 三 巻 あ り て、 上 巻 に は 善 悪 を 明 す に 十 二 條 を 立 て、 中 懇 に は 實 の 道 を 顯 は す に 十 五 條 を 設け、
下
巻
に
は
臨
終
正
念
極
樂
往
生
の
素
懐
を
詳
か
に
す
る
に
十
條
を
開
き。
若
り
に
彌
陀
西
方
の
極
樂
往
生
を
勧
め、
虚
假
不
實
の
三
界
を
厭
ふ
て、
漸
悔
法
悦
の
生
活
に
入
ら
ん
事
を
懲
想
せ
ら
れ
た
る
も
の。
全
集
本
に
は
奥
書
無
き
も
寛 永 廿 年 孟 夏 板 の 奥 書 に は、 天 治 二 年 御 年 珊 一 歳 の 時、 御 母 儀 に 途 ら せ ら れ 元 る 様 付 記 せ る よ り、 逐 に 孝 養 集 と 禧 せ ら れ し と そ。 日 光 山 慈 眼 藏 に は 永 豫 十 二 年 四 月 晦 日 書 移 畢 越 前 佳 侶 敏 榮 四 六 の 奥 書 あ る 爲 本 あ り、 本 書 と し て は 古 爲 本 の 一 に 籔 へ ら る。 尤 も 此 の 書 を 今 大 師 の 眞 撰 と 爲 さ ん に は、 大 要 左 の 如 き 二 難 あ る 可 し。 何 と な れ ば 本 書 岩 上 即 ち 全 集 本 六 〇 二 頁 上 段 十 三 行 に、 或 人 カ ン ガ モ グ 一 期 大 要 集 ト 名 ヅ ヶ タ リ、 其 文 二 日 曇 々。 と あ る が。 由 來 自 著 に 自 著 を 引 用 す る 瘍 合 は、 必 す 既 述 の 書 元 ら ざ る べ か ら ざ る に。 奥 書 の 如 く 果 漕し て 天 治 二 年 御 歳 珊 一 歳 の 御 撰 述 な ら ん に は、 晩 年 の 御 作 元 る 一 期 大 要 秘 密 集 の 文 を 引 き 得 ざ る こ と ゝ。 術 ほ 又 自 著 に 封 し ﹁ 或 人 ヵ ン ガ エ て ﹂ と あ る も 甚 だ 誇 か し、 是 れ 一 。 次 に 今 大 師 の 所 唱 の 秘 密 念 佛 は、 既 述 の 如 く 三 密 李 等 の 敷 規 に 遵 ひ、 二 佛 一 禮 ・ 安 養 郡 率 不 二 無 別 と 観 達 し て、 往 生 を 當 虜 の 即 身 に 獲 得 す る 玄 致 を 高 潮 せ ら れ 元 る に。 此 の 書 は 主 と し て 浮 土 の 三 経 に 因 擦 せ る、 西 方 極 樂 往 生 を 渤 め 元 る こ と、 是 れ 二。 斯 の 如 く 年 次 の 錯 誤 と 激 旨 の 差 違 と を 考 慮 せ ぱ、 到 底 後 人 の 作 と 見 る の 外 な し。 故 に 改 纂 全 集 本 に は 編 入 せ ざ る 方 可 な ら ん 〇 十 四 第 四 類 雑 纂 編 興 教 大 師 御 撰 述 に 劉 す る 書 史 學 的 研 究 六 七
興 教 大 師 御 撰 述 に 封 す る 書 史 學 的 研 究 六 八 十 調 藻 文 筆 部 既 掲 三 類 九 部 中 に 編 次 し 得 ざ る 聖 敢 に し て、 而 も 別 に 一 科 を 設 く る 程 の 資 料 に 富 ま ざ る 者 は、 一 括 し て 姑 ら く 此 の 部 類 に 囁 薦 す。 故 に 秘 繹 あ り 考 謹 あ り、 偶 頚 あ り 随 蟹 あ り、 戚 想 あ り 雑 録 あ り 。 其 の 他 傳 法 院 建 立 願 文 奏 歌 あ り、 又 傳 法 會 興 隆。 荘 園 立 券 ・ 本 末 圓 矯 等 に 關 す る 貴 重 な る 史 料 等 あ り。 何 れ も 皆 崇 高 に し て 至 要 の 諮 訓 な ら ざ る は 無 し、 故 に 拝 覧 者 の 心 鏡 之 れ に 依 て 愈 琢 麿 せ ら る ゝ あ ら ば ・ 増 々 智 眼 を 新 元 に し、 行 足 之 れ に 依 て 更 に 向 上 せ ん。 摩 多 彊 文 略 頭 一 巻 悉 曇 の 字 母 を 総 構 し て 摩 多 禮 文 と 稽 す、 所 謂 摩 多 と は 母 音 に し て、 禮 文 と は 子 音 の 事 な り。 古 來 字 母 を 標 出 し て 學 習 に 資 し 元 る 流 布 本 あ り し が、 更 に 其 書 を 學 ぴ 易 か ら し め ん が 爲 め、 叢 に 五 言 十 二 句 の 偶 頚 を 作 り て、 暗 諦 に 便 な ら し め 給 ひ 元 る も の。 本 書 は 諸 秘 繹 霧 第 十 牧 録 本 に 依 る。 朱 書 に て 梵 字 を 右 側 に 書 き 添 へ 元 る 別 本 あ り ・ 學 習 用 と し て は 此 方 更 に 佳 ・艮 な ら ん。 上 野 寛 永 寺 所 藏 本 に は 左 の 奥 書 あ り、 ノ
塵
業
巳
下
五
句
源
照
入
寺
記
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く ち す さ み る 爲 め 假 倉 ひ 童 蒙 に て も 之 れ を 口 吟 に せ ば、 不 知 不 識 の 間 に、 深 奥 な る 敷 理 を 會 得 し。 之 れ に 依 て 佛 敷 を 民 衆 化 せ し の み な ら す、 延 ひ て 我 邦 國 風 の 一 種 元 る 今 様 歌 の 濫 膓 と も な り、 途 に 通 俗 文 學 の 大 普 及 大 登 達 を 來 元 し 元 る 爲 め。 軍 に 和 歌 の み に 限 ら す、 併 せ て 物 語 に も 日 記 類 に も、 將 又 草 紙 杯 に も 慮 用 せ ら れ て、 廣 汎 な る 展 開 を 示 す に 至 る。 術 ほ 我 邦 の 字 母 を 網 羅 せ る 邊 よ り、 中 古 以 來 習 字 の 手 本 等 に も 探 用 せ ら れ。 又 例 の ア ノ ウ エ ォ 五 十 音 が 片 假 名 を 用 ゆ る に 封 し、 此 れ は 季 假 名 を 用 ゆ る 習 慣 と な れ り。 彼 の 浄 土 宗 の 碩 學 無 相 文 雄 の 和 字 大 観 抄 に は、 此 の 以 呂 波 字 歌 を 七 字 宛 分 讃 し て、 ﹁ は ひ ふ へ ほ ﹂ の 五 字 の 唇 昔 な る 事 を 知 ら し め。 復 歌 に 唱 へ て ﹁ わ ゐ う ゑ を ﹂ の 喉 字 に 通 ふ 事 を も 激 へ ら れ 元 る 深 妙 興 教 大 師 御 撰 述 に 封 す る 書 史 學 的 研 究 六 九興 敏 大 師 御 撰 述 に 鍬 す る 書 史 學 的 研 究 七 〇 の 作 な り 杯 と 論 し て、 蓉 り に 以 呂 波 を 宣 傳 せ り。 斯 の 如 く 以 呂 波 歌 を 評 繹 考 誰 せ る 著 書、 古 來 凡 そ 三 四 十 種 に も 達 せ る が、 現 存 最 古 の 者 は、 恐 ら く 今 大 師 の 此 繹 な る 可 し。 此 書 は 密 激 の 深 趣 に 則 り、 句 義 と 字 義 と の 二 方 面 よ ぴ 解 繹 せ よ と 標 し 。 前 掲 の 以 呂 波 繹 に 於 て、 其 の 句 義 に 総 別 配 の 三 門 を 立 つ る 中。 別 羅 門 に て 敷 義 を 略 叙 し 給 ひ、 後 出 の 書 に 於 て 句 義 に 四 あ り ・ 大 に 分 つ て 二 芝 爲 す と 牒 し。 初 め の 二 句 に て 因 行 を 修 す る 事 を 明 か し、 後 の 爾 句 に て 諸 の 誰 果 の 相 を 詳 に し 給 へ り。 今 此 の 爾 書 を 較 す る に、 丈 字 に 僅 少 の 出 没 あ ら ん も、 其 の 趣 旨 に は 些 の 憂 違 あ る 事 な し、 又 全 集 本 に は 略 繹 を 先 に 出 し あ る も、 文 章 の 起 羅 等 を 考 察 せ ば、 此 の 略 繹 の 方 を 後 に 掲 ぐ 可 き な り。 爾 ほ 此 書 の 御 草 案、 乃 ち 未 脱 稿 の 一 本 も 亦 世 に 存 せ り。 全 集 は 諸 秘 繹 懇 第 八 牧 録 本 に 依 る。 書 目 は 後 入 の 付 せ し も の に て、 元 は 無 題 本 な り し。 今 天 台 宗 上 野 寛 永 寺 所 藏 本 と 較 べ し に、 全 集 本 二 百 四 十 九 頁 十 一 行 の 後 が 復、 次 頁 二 行 の 也 が 散 、 四 行 細 注 塵 の 下 に 亦 の 字 あ り、 十 行 細 注 の 四 相 故 無 佳 々 々 四 相 が、 四 相 々 々 故 無 佳 を 々 と な り、 二 百 四 十 七 頁 細 注 四 行 の 必 心 の 心 の 字 が 無 く、 其 他 に も 少 異 あ り。 寛 永 寺 藏 本 の 方 正 確 な り と 思 は る。 紳 策 卦 頚 一 巻
今
大
師
御
製
作
中、
誤
字
脱
文
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爲
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果
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ひ
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領
解
に
苦
し
む
聖
叢
る 多 き 内 に て も、 特 に 此 の 聖 敷 は 其 の 最 も 甚 し き も の ゝ 随 一 な り。 此 の 書 初 め に 呆 寳 本 と 封 校 せ し 時 僅 か に 籔 字 を 訂 正 し 得 る に 過 ぎ す さ れ ば、 依 然 と し て 意 義 の 領 解 に 困 し み し よ り、 更 に 占 卦 に 關 す る 研 究 を 爲 し 元 り 。 大 凡 そ 占 卦 の 法 元 る、 己 が 知 力 の 範 團 に て は、 到 底 判 漸 し 得 ざ る 事 も、 紳 佛 の 冥 助 或 は ト 笠 鶉 甲 等 の 雑 占 に 依 り、 其 の 善 悪 吉 凶 を ト せ ば 過 輻 を 豫 知 し 得 る も の 外 典 の 事 は 姑 ら く 之 れ を 欄 き、 我 内 典 中 に て は 大 約 三 類 の 閲 あ り 。 輪 相 の 闘 は 佛 説 占 察 善 悪 業 報 経 に 基 き、 竹 の 嗣 は 佛 説 大 灌 頂 神 呪 経 に 依 り、 紙 の 閲 は 梵 天 作 一 百 喝 よ り 起 り 元 る も の と そ 伍 て 今 の 紳 策 の 卦 は 其 の 第 三 な る 東 晋 の 代 ・ 天 竺 三 藏 吊 戸 梨 蜜 多 羅 課 ・ 上 記 の 灌 頂 経 懇 第 十 内 な る 梵 天 紳 策 維 な る こ と を 知 り、 叢 に 初 め て 正 確 に 校 訂 す る こ と を 得、 漸 く 今 大 師 の 御 眞 意 を も 伺 ふ こ と を 得 元 り し な り。 由 來 此 経 の 起 り は、 彼 の 九 十 五 種 の 外 這 が、 各 難 術 を 行 ふ て、 萬 姓 を 誘 惑 し、 盛 ん に 邪 倒 の 悪 見 を 弘 る 爲 め。 梵 天 大 に 之 れ を 憂 ひ、 五 言 八 句 の 一 百 頚 即 ち 八 百 句 を 作 て、 之 を 竹 畠 に 書 し、 五 色 の 綜 嚢 に 盛 り、 ト せ ん と 欲 す る 時 三 策 を 探 り 取 り、 七 策 に 至 て 審 定 す。 之 れ に て 衆 庶 の 狐 疑 を 決 し、 人 々 の 吉 凶 を ト は し め、 以 て 一 切 衆 生 に 正 念 を 得 せ し め 元 る も の。 今 大 師 此 の 一 百 掲 頚 中 よ り、 須 要 の 句 を 撮 て、 新 元 に 十 偶 を 組 成 し、 以 て 行 人 の 指 針 と 爲 し 給 ひ 元 る 者 な り。 全 集 は 遺 敷 録 霧 第 二 牧 録 本 に 依 る。 今 大 師 所 覧 の 経 は、 高 麗 板 藏 経 と 文 字 符 合 せ る も、 明 藏 と は 少 興 教 大 師 御 撰 述 に 封 す る 書 史 學 的 研 究 七 一
興 敏 大 師 御 撰 述 に 封 す る 書 史 學 的 研 究 七 二 異 め り。 傍 て 爾 藏 相 違 の 箇 慮 丈 に は、() 内 に 麗 と 明 と の 文 字 を 拓 入 し て 之 を 匿 別 せ んc全 集 本 五 百 七 頁 初 行 の 書 題 元 る 封 は 卦、 三 行 の 併 薄 は 薄 泊、 講 ( 麗 ) は 調(明)、六 行 の 見 結 蔵 は 覚 二 輻 砧 一、識 は 幟、 次 行 の 得 生 (麗 ) は 生 得 ( 明 )、 九 行 の 煙 煙 ( 麗 ) は 憧 憧 ( 明 )、 及 は 乃、 皇 は 鳳、 駿 麟 は 離 麟、 十 二 行 の 忽 は 勿、 任 ( 麗 ) は 捉 ( 明 )、 十 三 行 の 珠 は 姓、 次 頁 二 行 の 随 は 堕、 六 行 の 忽 は 勿、 位 ( 麗 ) は 仕 ( 明 )、 八 行 の 害 は 崇、 諸 は 説、 十 行 巳 下 の 四 行 は 今 大 師 の 御 詞 に し て、 伏 魔 は 呆 寳 本 に 魔 成 と な り、 五 百 九 頁 初 行 の 卦 の 下 に 云 の 字 あ り、 三 行 の 揚 は 將、 換 (麗 ) は 央 ( 明 )、 五 行 の 所 有 は 師 有、 忘 ( 麗 ) は 亡 ( 明 )、 八 行 の 慈 (麗 ) は 善 ( 明 )、 存 は 好 の 誤、 十 行 の 評 日 已 下 は 全 く 今 大 師 の 御 詞 な る こ と を 明 め な り。 八 祀 御 忌 日 頚 一 巻 七 言 廿 四 句 の 偶 頚 を 作 り て、 眞 言 宗 三 國 傳 灯 の 頑 師 元 る 龍 猛 ・龍 智 ・金 智 ・不 塞 ・善 無 畏 ・ 一 行 ・ 恵 果 ・ 及 び 塞 海 の 八 租 に 就 き、 亨 壽 と 忌 日 と を 摘 録 し、 租 師 の 御 命 日 に 當 ら ば、 殊 更 巌 重 に 報 恩 謝 徳 の 諦 維 を 爲 す 様 働 ま し、 以 て 智 行 は 悉 く 此 れ 等 八 租 に 同 ぜ ん 事 を 勧 め さ せ 給 ひ し も の な り。 諸 秘 繹 窓 第 十 牧 録 本 に 依 る。 今 天 台 宗 上 野 寛 永 寺 所 藏 古 爲 本 と 封 校 せ し が、 一 字 の 差 異 あ る こ と な し。 但 し 共 に 白 文 な れ ば、 新 元 に 讃 鮎 護 訓 を 施 し て、 世 に 公 に せ ん と 欲 す。
大 師 十 號 一 巻 高 粗 弘 法 大 師 の 偉 勲 と 芳 範 と を 讃 嘆 せ し 古 來 の 尊 號 異 稽 を 拾 集 し 給 ひ し も の に て。 書 題 に は 只 十 號 と あ る も、 其 内 容 に は 無 慮 珊 一 名 を 描 げ 元 り。 恐 ら く 満 撒 の 十 を 探 て 命 名 し 給 ひ 元 る も の な ら ん。 若 し 然 ら ざ れ ば 愁 和 元 ( 一 六 二 二 ) 年 東 寺 の 寛 朝 大 僧 正 が、 勅 に 懸 じ て 村 上 天 皇 に、 大 師 の 十 號 を 奏 上 あ り し 故 事 に 擦 ら せ 給 ひ 元 る も の か。 い ま 遺 敷 録 怒 第 三 牧 録 本 に 依 る。 今 當 大 師 の 御 眞 筆 本 を 影 爲 せ し と 思 は る ゝ 観 智 院 断 藏 呆 寳 本、 並 に 栂 尾 高 山 寺 所 藏 古 爲 本 と に 依 る に 。 全 集 本 五 百 十 二 頁 二 行 の 乞 見 が 乞 鬼、 四 行 の 賠 の 上 に 小 な る 〇 あ り、 七 行 細 注 の 終 の 字 無 し、 又 丈 字 の 書 き 振 り が、 板 本 の 如 く 整 ひ 居 ら ざ る 所 に、 何 と 無 く 御 草 案 本 の 悌 げ あ り て、 い と も 曾 と き 戚 あ り し。 入 唐 諸 師 稿 漱 綱 鋸 井 序 一 書 之 れ は 入 唐 八 家 の 請 來 目 録 を 綜 合 し て、 十 七 部 内 に 大 分 し だ る、 其 の 総 名 日 丈 を 揚 げ 給 ひ し も の。 其 の 分 類 法 は 畢 に 五 大 院 安 然 和 禽 の 八 家 穂 録 に あ る 廿 部 類 に、 取 捨 を 撫 へ ら れ し の 勘 な る が 。 彼 の 胎 金 次 第 を 東 密 流 の 金 胎 と 改 ゆ、 蘇 悉 地 郵 も 亦 東 密 流 の 雑 密 部 に 入 れ、 諸 観 音 ・諸 金 剛 ・ 諸 天 供 の 一二 部 を 省 き て、 諸 讃 歎 部 を 諸 論 疏 部 と 替 へ さ せ 給 ひ 元 る 所 に、 台 東 二 密 相 違 の 概 要 を 明 示 さ る。 興 教 大 師 御 撰 述 二 封 穿 る 書 史 學 的 研 究 七 三
興 教 大 師 御 撰 述 に 封 す る 書 史 學 的 研 究 七 四 全 集 は 遺 敷 録 窓 第 三 牧 録 本 に 依 る。 今 果 賢 本 ・ 高 山 寺 と に も 封 校 し て、 全 集 本 五 百 十 一 頁 六 行 の 嚴 は 巖 の 誤、 八 行 の 六 は 七、 十 二 行 の 細 注 に あ る 終 の 字 は 剰 な る こ と を 確 め 元 り。 大 麺 照 盆 岡 御 作 書 懸 鋸 一 巻 此 書 は 高 租 弘 法 大 師 が 御 一 代 申 に 御 製 作 あ り し 撰 違 目 録 な る が。 此 の 樺 御 作 目 録 の 濫 膓 は、 慈 尊 院 の 濟 蓬 信 都 に 始 ま り、 醍 醐 の 三 密 房 聖 賢 僧 正 之 れ に 綾 き 元 る が。 後 に な れ ば な る 程、 所 洩 の 書 目 も 漸 次 判 明 す る を 以 て、 蕉 に 從 來 の 目 鋒 を 褒 照 し て、 大 増 補 を 爲 し 元 る が、 即 ち 今 大 師 拾 録 の 茄 の 目 録 な り。 而 し て 高 租 大 師 の 御 撰 遽 類 を 無 慮 一 百 四 十 蝕 部 と 云 ふ、 最 大 多 数 を 羅 致 蒐 輯 遊 ば さ れ 元 る 駈 に、 今 大 師 の 博 識 治 聞 の 程 も 窺 は れ て い と も 尊 し。 只 惜 む 所 は 本 書 に 著 録 さ れ 乍 ら、 今 日 現 存 せ ざ る 書 籍 の 多 き 事 は、 洵 に 痛 恨 に 堪 へ ざ る な り 。 此 の 目 録 も 亦 全 集 本 に 洩 ら せ り。 豊 山 楊 柳 庫 中 に は 醍 醐 三 寳 院 よ り 爲 得 せ し も の 数 本 あ り、 又 弘 法 大 師 全 集 窓 第 十 五 に も 牧 め ら れ 元 る が、 其 の 践 語 に す ら も 爲 誤 あ り て、 東 寺 寳 菩 提 院 所 藏 本 に 依 ら ば 大 師 御 作 略 目 鍛 ノ ス ル ノ ノ 保延三季八月日依二 濟 邊 和 省 弗 他 師 説 一所 レ 録 也、 濟 逞 信 都 云、 今 墨 二自 覗 聴一、 未 レ 見 二 他 目 録一、 然 則 ノ ト ブ 此 外 未 見 未 聞 書 猶 定 多 々 鰍 云 々、 伏 請 仰 豊 弘 法 之 客、 尋 訪 入 二 補 此 内 一而 已、 凡 於 二 書 籍 一有 無 難 レ 決