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プログラム 実地医療に生かす大腸 CT 開会挨拶 9:15-9:20 川崎医科大学食道 胃腸内科松本啓志 第 1 部大腸 CT 検査に関する臨床研究 9:20-10:00 司会 : 大腸肛門病センター高野病院消化器内科野崎良一長崎県上五島病院放射線科安田貴明 1) 低用量 PEG - CM 法におけ

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消化管先進画像診断研究会

Gastrointestinal Advanced Imaging Academy: GAIA

日   程

 平成 27 年 3 月 15 日(日)9:15~15:35

会   場

 神戸国際会議場 3F 国際会議室

当番世話人

 松本啓志(川崎医科大学 食道・胃腸内科)

第6回

第6回

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プログラム「実地医療に生かす大腸 CT」

開会挨拶 9:15 − 9:20 川崎医科大学 食道・胃腸内科 松本啓志 第1部 大腸 CT 検査に関する臨床研究 9:20 − 10:00 司会 : 大腸肛門病センター高野病院 消化器内科 野崎良一  長崎県上五島病院 放射線科 安田貴明 1)低用量PEG - CM 法における受容性の検討  ─多施設共同試験、検査直後と 5 週間後のアンケート調査から─  自治医科大学 放射線科 木島茂喜 2)大腸CTの読影 仮想内視鏡像 vs . 大腸展開像   亀田メディカルセンター 健康管理科 馬嶋健一郎 3)全大腸内視鏡検査困難例に対する大腸CT(CT colonography)検査の有効性についての検討  川崎医科大学 消化管内科学 大澤元保 4)大腸癌術前診断における大腸CTの有用性について  北海道消化器科病院 消化器内科 加藤貴司 第2部 教育講演 10:00 − 10:40 司会 : KKR 札幌医療センター斗南病院 内科 平山眞章     「高分解能リアルタイム画像診断法 -消化管超音波-」 北海道大学病院 検査・輸血部 副臨床検査技師長 超音波センター 副部長 西田 睦 [休憩 10:40 − 10:50] 第3部 大腸CT検査ワークステーション(WS)を学ぶ・操る 10:50 − 12:20 司会:長崎みなとメディカルセンター市民病院 消化器内科 本田徹郎 亀田メディカルセンター幕張 診療放射線部 藤原正則 北海道消化器科病院 放射線科 高林 健 ※「症例で学ぶ大腸CT診断」(GAIA 監修 株式会社シービーアール発行)と連携した読影の実際 ※2画面スクリーンで2社ずつ(各WSの熟練医師・技師)が同一症例を同時進行で読影   株式会社AZE   アミン株式会社 / ザイオソフト株式会社   GEヘルスケア・ジャパン株式会社 [昼食・休憩 12:20 − 13:10]  ※協賛企業 PR ビデオ上映

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第4部 特別講演 13:10 − 14:00     司会 : 川崎医科大学 食道・胃腸内科 松本啓志     「大腸がん検診 現在そして未来 ─大腸がん死亡を減らすために─」 公益財団法人 福井県健康管理協会副理事長 県民健康センター所長 松田一夫 第5部 パネルディスカッション「実地医療への大腸 CT 検査の導入」 14:00 − 15:30 司会:岡山画像診断センター 画像診断部 笹井信也 松田病院 放射線部 岩月建磨 コメンテーター:NTT 東日本伊豆病院 健診センター 永田浩一 1)大腸CT検査の導入経験と現状        (鳥取県)特定医療法人財団 同愛会 博愛病院 診療放射線部 松本孝文 2)放射線技師がCTC導入の中心となった施設例として  (岡山県)一般財団法人 倉敷成人病センター 放射線技術科 木下琢実 3)当院での大腸CT導入総括         (大阪府)パナソニック健康保険組合 松下記念病院 中央放射線部 小谷知也 4)当院におけるCT Colonography の現状と課題 (兵庫県)尼崎中央病院 画像診断部門 鎌田照哲 5)当院での高齢者に対する大腸CT検査の現状   (愛媛県)国民健康保険 久万高原町立病院 放射線室 堂本泰愼 6)当院における大腸CTの進め方 (兵庫県)こやまクリニック 画像技術科 田上修二 7)当院における大腸内視鏡検査およびCTコロノグラフィーの現状と内視鏡技師の関わり    (三重県)済生会松阪総合病院 消化器センター 堀内友紀子 閉会挨拶 15:30 − 15:35   (第 7 回 当番世話人)  福島県立医科大学会津医療センター 放射線科 歌野健一

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第1部 大腸 CT 検査に関する臨床研究

 9:20 − 10:00 司会 : 大腸肛門病センター高野病院 消化器内科 野崎良一 長崎県上五島病院 放射線科 安田貴明 1)低用量PEG - CM 法における受容性の検討   ─多施設共同試験、検査直後と 5 週間後のアンケート調査から─ 自治医科大学 放射線科 木島茂喜 目  的  大腸癌 2 次検診として大腸 CT を行う場合、検査を繰り返す必要があることや精査受診率の観点から患者の 受容性は重要な問題である。低用量 PEG-CM 法による大腸 CT の精度検証のために施行された多施設共同試験 のアンケート調査から大腸 CT と大腸内視鏡検査の受容性を検討した。 方  法  2011 年 12 月から 2012 年 9 月の期間に、全国 7 施設で臨床試験を実施した。40 歳以上の便潜血陽性者の 321 名を対象とした。検査直後と 5 週後にアンケート形式で大腸 CT 検査自体、大腸 CT の前処置、大腸内視鏡検査 自体、大腸内視鏡の前処置に関してそれぞれ患者の受容性を検討した。 結  果  321 症例の内、検査直後で脱落症例 30 例を除く 291 例を、5 週後で脱落症例 128 例を除く 193 例のアンケー ト結果を解析した。一番辛いと回答した割合は検査直後と 5 週間後でそれぞれ大腸 CT 6.5% 4.6%、大腸 CT の 前処置 10.1% 14.8%、大腸内視鏡 47.5% 35.2%、大腸内視の前処置 36.0% 45.4% であった。前処置、検査自体と もに大腸 CT の受容性が有意に高かった(P<0.05)。また大腸内視鏡、大腸 CT ともに検査自体よりも前処置の 受容性が 5 週後で有意に低かった(P<0.05)。 結  論  低容量 PEG を用いた CTC は、大腸内視鏡よりも受容性が高い。5週後では大腸内視鏡、大腸 CT ともに検 査自体より前処置の受容性がより低下する。前処置の負担を軽減することで、受容性の向上、精査受診率の向 上が期待できると考えられる。

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2)大腸CTの読影 仮想内視鏡像 vs . 大腸展開像  亀田メディカルセンター 健康管理科 馬嶋健一郎 目  的  本邦において、大腸 CT は前処置や 読影法などの標準化が課題となってい る。読影で使用する三次元画像は Fly-through 像が世界的に一般的で大規模 な精度検証も済んでいるが、本邦では 大腸展開像も使用される機会が多い。  今回、両読影法を比較するため、 同一 100 症例の読影結果を比較した。 また、偽陰性症例をふり返り、読影 法について考察する。 方  法  内視鏡にて病変が診断されている大腸 CT 症例 100 例を、初心者 1 名が、まず大腸展開像+ MPR 像による読 影を行い、3 ヶ月以上の間隔をあけて Fly-through 像+ MPR 像による読影を行った。100 例は 1-50 症例を A 群、 51-100 症例を B 群とした。 結  果  6mm 以上の大腸ポリープ・癌ごとの検出感度 は、 展 開 群、Fly-through 群 の 順 に A 群 67.9% (19/28)、89.3%(25/28)、B 群 86.1%(31/36)、 91.7%(33/36)。10mm 以上では A 群 72.7%(8/11)、 90.9%(10/11)、B 群 100%(8/8)、100%(8/8) であった。患者別の感度と特異度は、6mm 以上 の 病 変 に お い て A 群 で 展 開 群 73.1%(19/26)、 95.8%(23/24)、Fly-through 群 92.3%(24/26)、 95.8%(23/24)、B 群 で 展 開 群 96.0%(24/25)、100%(25/25)、Fly-through 群 96.0%(24/25)、100%(25/25) であった。10mm 以上では A 群で展開群 72.7%(8/11)、100%(39/39)、Fly-through 群 90.9% (10/11)、97.4% (38/39)、B 群で展開群 100%(8/8) 、97.7%(41/42)、Fly-through 群 100%(8/8)、100%(42/42)であった。 展開像偽陰性病変の 1 例画像を右上に示す。 結  論  両群ともトレーニングにより読影精度が向上した。しかし、展開群よりも Fly-through 群で感度が高く、Fly-through 像の優位性が示された。展開像の読影は、歪みの特性を理解するなど、読影にはより注意・技術が必要 であると考える。大腸 CT の標準化では、感度が高く、精度検証も済んでいる Fly-through 像による読影方法を 優先すべきと考えられた。大腸展開像による読影を行うためにはさらなる前向き検討が必要である。

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3)全大腸内視鏡検査不成功時の大腸 CT 検査(CT colonography)の有用性についての検討       川崎医科大学 消化管内科学 大澤元保、松本啓志、木村佳起、福嶋真弥、平井伸典、 林田麻美、中藤流以、村尾高久、石井 学、藤田 穣、 垂水研一、鎌田智有、塩谷昭子、春間 賢 背  景  全大腸内視鏡検査 (total colonoscopy:TCS) は、大腸がんをはじめとする下部消化管疾患を診断するのに非常 に有効な検査法である。しかしながら、様々な理由による全大腸の観察ができない、いわゆる不完全 CS となっ てしまう場合もある。不完全 CS であった場合、観察できなかった深部大腸は、従来注腸検査(double-contrast enema: DBE) で評価されてきた。一方、近年 新しい大腸検査としてマルチスライス CT を利用した。大腸 CT 検査(CT colonography;CTC)が注目されている。しかし本邦で、TCS 不成功例に対する CTC の有用性に関 する検討はほとんどない。 目  的  不完全 CS 時における CTC の有用性について検討を行った。 方  法  川崎医科大学付属病院において 2009 年 7 月から 2011 年 6 月末までの 3 年間において TCS を施行しようと試 みるも不完全 CS となり、同日中に CTC を施行した症例を対象とし後ろ向き観察研究を行った。 結  果  期間中に行われた CS 検査総数 5572 例中、不完全 CS は 134 例(2%)であった。不完全 CS 後の追加検査と しては、CTC 施行が 30 例(22%)、DBE 施行が 39 例(30%)、CTC+DBE 共になし 65 例(48%)でした。不完 全 TCS 後 CTC 検査の原因としては、原発性大腸癌による狭窄が 17 例(53%)、腸炎による狭窄 7 例(23%)、 解剖的理由 3 例(10%)であった。CS 挿入最深部は、S状結腸 15 例(50%)、直腸 7 例 (23%)、横行結腸 5 例(17%) であった。不完全 TCS 検査時より1年以内にフォローの CS 検査が施行された症例は 10 例であった。そのうち、 CS 検査にて polyp あり 6 例 (6/10)、polyp なし 4 例であり、全 14 病変(5mm 以下 ; 2 病変、5mm 以上;12 病変)であった。TCS 不成功例 CTC の病変単位の診断精度は感度 78.6%(11/14)、陽性的中度 91.7%(11/12) であった。 結  語  TCS 不成功例において、 CTC で全大腸を評価することは今後有効な検査法になる可能性がある。 原因 症例数 がん  原発 17  (53%)                            転移/腹膜炎 1  ( 4%) 腸炎* 7  (23%) 解剖 3  (10%) 憩室症・憩室炎 3  (10%) 不完全CS例に対する大腸CT検査の原因  がん 原発 がん 転移性 腸炎 解剖 憩室 *腸炎;クローン病 6例、放射線性腸炎1例 N=30 部位 症例数 直腸 7  (23%) S状結腸 15  (50%) 下行結腸 3  (10%) 横行結腸 5  (17%) 上行結腸 0 盲腸 0 直腸 S状結腸 下行結腸 横行結腸 上行結腸 盲腸 不完全CS例 CS最深挿入部位  不完全CS例の大腸CT検査 診断精度 •  1年以内フォローTCSができた症例 10例:polypあり 6例 、polypなし 4例   14病変 :  5mm  以下;  2病変,  5mm以上;12病変 大腸CT所見 フォローアップ   TCS所見 病変数 有 有 11 有 無 1 無 有 3 感度  78.6%  (11/14)   陽性反応適中度  91.7%  (11/12) 85歳 女性    150cm,  60kg   SDJ近傍のCa部はスコープが通過可    T/Cまで挿入   術前CTCにて深部大腸にポリープを指摘   術後に内視鏡的ポリペクトミー施行   TCS最深挿入部 症例提示 腺腫性ポリープ 腺腫性ポリープ 大腸癌  (3型)

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4)大腸癌術前診断における大腸CTの有用性について  北海道消化器科病院 消化器内科 加藤貴司  大腸癌の治療に腹腔鏡下手術が一般的に行われるようになった現在において、正確な部位診断および詳細な 血管像が得られる造影大腸 CT は、腸管や血管の走行と病変との位置関係を正確に把握できるため術前には必 須の検査になっている。さらに大腸内視鏡や注腸X線検査では直接観察し得ない管腔外側を詳細に評価ができ ることから深達度診断にも応用が可能である。また大腸のみならず周囲のリンパ節や他臓器の評価も同時に可 能であり、一つの検査で病期診断ができる。この発表では当院における大腸癌術前診断における大腸 CT につい て紹介したい。まず前処置であるが、スクリーニングの大腸 CT とは異なり PEG 溶液を用いた厳密な腸管洗浄 は不要であり、また腸管内の残液量が少ないことが望ましいため、当院ではブラウン変法を用いている。また 血管像構築の際に腸管内のガストログラフィンが支障となることがあるため、タギングは施行していない。ガ ス送気に際しては腸管蠕動による腸管位置や周囲血管の位置ずれを少なくするため可能なかぎり鎮痙剤を使用 している。またガス送気の体位は対象とする病変部分が高くなる体位とし、被検者に適時痛みの有無を確認し ながら、1000ml 程度ガスを送気し、撮影は仰臥位で行っている。画像の評価については、平山ら1)の報告に則 り病変部の MPR 画像を用いて大腸癌の深達度診断を施行している(図1)。またリンパ節転移については当院 の検討結果より 8㎜以上を転移陽性として診断している。当院で経験した大腸癌 398 症例において検討した結果、 大腸 CT の壁深達度診断精度およびリンパ節転移診断精度はそれぞれ 76.0%、71.5%とやや低率であった。しか し術式の判断に必要な T1 と T2 、T3 と T4 の鑑別には高い正診率が得られており、またリンパ節転移診断に おいても cN0 と診断した症例において pN3 を認めなかったことから、病期診断のための検査としても有用性が 高いと考えている。 参考文献  1)平山眞章、他:胃と腸 39;1615-24:2004

図1 深達度診断基準

T1

T2

T1:cM,cSM

T2:cMP

T3:cSS,cSE

T4:cSI

T3

T4

図 1 深達度診断基準

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第2部 教育講演

 10:00 − 10:40 司会 : KKR 札幌医療センター斗南病院 内科 平山眞章 「高分解能リアルタイム画像診断法 -消化管超音波-」 北海道大学病院 検査・輸血部 副臨床検査技師長 超音波センター 副部長 西田 睦 はじめに  機器の進歩、系統的走査の普及により、消化管疾患の超音波診断(US)が可能となってきた。しかしな がら US で消化管を診るという概念は普及しているとは言えない。そこで今回は US でどのような消化管 疾患の診断が可能か、またその診断能について自験例を供覧したい。 観察可能部位  胸部食道は肺のガス、肋骨により観察困難であるが、それ以外の消化管は原則観察可能である。 診断可能な消化管疾患  胃・小腸・大腸癌、急性胃粘膜病変、胃・十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、クローン病、虚血性腸炎、細 菌性腸炎、憩室炎、急性虫垂炎、腸閉塞、リンパ腫、粘膜下腫瘍(GIST など)などが挙げられる。 走査法  固定点を基本に走査を行う。頸部食道は甲状腺左葉背面に、腹部食道は食道裂孔にて、十二指腸下降脚 は後腹膜に固定されている。胃は立体的な解剖を理解し、この間をつなげる走査で観察を行う。上・下行 結腸、直腸は後腹膜に固定されている。横行・S 状結腸はこの間をつなげる走査で観察を行う。小腸は腸 間膜に付着しているため、系統的走査が困難である。腸間膜が左上腹部から右下腹部にかけて後腹膜に付 着していることからおおよそ左上腹部を空腸、右下腹部を回腸として認識している。 有用な臨床例  診断に有用であった臨床例を供覧する。 自主臨床試験 1.潰瘍性大腸炎の活動性評価 : US と CS(大腸内視鏡検査)を同日または前後 2 日以内に行った UC 患 者 28 例(男性 16 例、女性 12 例)。大腸の各部位(盲腸、上行結腸、右側横行結腸、左側横行結腸、 下行結腸、S 状結腸、直腸)を US、CS にて撮像、生検を行い、US は自施設にて考案した US grade にて、CS、生検組織は Matts grade にて評価した。US における大腸各部位の描出率、CS 評価を基 準とした US 評価との一致率(級内相関係数:ICC)および US と CS 評価、US、CS 各々と生検組織 結果の相関を検討した。US による大腸描出率は直腸 96.4%、他部位は 100%、全症例 186 部位での US と CS の一致率は 70.4%、ICC(2, 1)は 0.67(P<0.001)であった。検討し得た 109 部位での US と組 織学的評価の Spearman の相関係数は r = 0.32(p = 0.001)、CS と組織学的評価は r = 0.36(p < 0.001) であった。 2.大腸癌の診断率 : 大腸癌 134 病変の T 因子の診断率を CT と対比して検討した。存在診断は US 96%, CT 69%(P<0.001), US と CT の T- 因子診断はそれぞれ 64%(82/129)と 61%(57/93)で一致した。 κ coefficients はそれぞれ 0.45 と 0.29 であった。 結  語  客観的な画像診断として CT/ MRI が推奨されるが、相補的な画像診断法として US を併用することで 診断能の向上が期待され、臨床に貢献しうるものと考える。

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第3部 大腸CT検査ワークステーションを学ぶ・操る

 10:50 − 12:20    司会:長崎みなとメディカルセンター市民病院 消化器内科 本田徹郎 亀田メディカルセンター幕張 診療放射線部 藤原正則 北海道消化器科病院 放射線科 高林 健 1)株式会社AZE  2)アミン株式会社 / ザイオソフト株式会社  3)GEヘルスケア・ジャパン株式会社

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第4部 特別講演

 13:10 − 14:00  司会 : 川崎医科大学 食道・胃腸内科 松本啓志

「大腸がん検診 現在そして未来─大腸がん死亡を減らすために─」

福井県健康管理協会副理事長・県民健康センター所長 松田一夫 はじめに  日本では高齢化に伴い大腸がん死亡が増え続けている。大腸がん年齢調整死亡率は日本でも減少しているが 欧米ではかなり前から減少し、米国では死亡者数も減っている。日本人男性の大腸がん死亡は今や米国を上回り、 女性の大腸がん死亡も早晩米国を超えると思われる(図 1)。 大腸がんの一次予防  食生活の欧米化と大腸がんとはさほど関係がなく、飲酒、肥満、喫煙、加えて糖尿病が大腸がんのリスクを 高め、運動によって大腸がんのリスクを下げることができる。 大腸がん検診による二次予防  便潜血検査とS状結腸鏡は RCT によって大腸がん死亡率減少効果が証明されており、日本やEUでは便潜血 検査による大腸がん検診が行われている。また英国ではS状結腸鏡による大腸がん検診が 2016 年までに開始さ れる予定である。日本では大腸内視鏡による対策型検診は行われていないが、便潜血検査に 1 回の内視鏡検査 を追加することの効果を検証する RCT(Akita Study)が進行中である。米国では保険で大腸がん検診がカバーさ れ、その方法は①便潜血検査、②便中 DNA テスト、③S状結腸鏡、④注腸Ⅹ線検査、⑤全大腸内視鏡、⑥大腸 CT と多岐にわたる。この中で大腸内視鏡による検診が大半を占め、2010 年の大腸がん検診受診率は 60%である。 便潜血検査による大腸がん検診の現状と問題点  1995-2002 年に福井県内で実施された大腸がん検診(272,813 名、要精検率 5.3%)をがん登録と記録照合した 結果、受診後 2 年以内に判明した浸潤がん 409 名のうち中間期がん(便潜血陰性者からの検診外発見がん)の 割合は 19%で、右側結腸に多かった(表 1)。中間期がんであっても検診未受診群よりは有意に生存率が良好で あるが、大腸がん検診の効力を十分に発揮するには、正しい採便と検体の冷蔵保存、便潜血陽性であれば内視 鏡による精検が必要である。  がん検診には地域における検診の他に、主に就労者が福利厚生の一環として受ける職域での検診がある。前 者と違って後者は把握が困難で、精度管理に難がある。また福井県独自の地域・職域全数調査では、2013 年に おける 40-69 歳の大腸がん検診受診率は 35.7%に過ぎなかった。 大腸がん検診の未来  便潜血検査に 1 回の内視鏡検査を追加することの是非を検証する RCT が進行中である。大腸 CT も期待され るが、普及の為には被曝線量の低減と前処置および読影法の統一が必要であろう。  結論  日本では高齢化とがん検診受診率が低いことによって大腸がん死亡が増え続けており、今や男性の大腸がん 死亡は米国よりも多い。大腸がん死亡を減らすには節酒、禁煙、肥満防止、運動が重要であることを啓発し、 便潜血検査を中心とした大腸がん検診をより推進する必要がある。

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第5部 パネルディスカッション「実地医療への大腸 CT 検査の導入」

 14:00 − 15:30    司会:岡山画像診断センター 画像診断部 笹井信也 松田病院 放射線部 岩月建磨 コメンテーター:NTT 東日本伊豆病院 健診センター 永田浩一 1)大腸CT検査の導入経験と現状 特定医療法人財団 同愛会 博愛病院 診療放射線部 松本孝文  近年、大腸CT検査はCTの多列化やワークステーションの画像処理の進歩、また、2012 年1月から診 療報酬改定における大腸CT加算が適用されたことにより注目を集め、普及しつつある検査である。  当院では、2002 年より大腸CT検査を術前検査のため行っていたが、大腸内視鏡検査、注腸X線検査に 比べ需要が少ない状態であった。しかし、診療報酬改定と 2012 年6月に炭酸ガスを用いた自動送気装置導 入をきっかけに、山陰地方で初めて本格的に検査を開始した。  当初は、何から手を付けていいのかわからず頭を悩ませたが、消化器内科、放射線科、看護部、薬剤部、 医事課など関連部署と検討を行い何とか運用までたどり着いた。  また、運用後最初は、前処置をどうするのか?放射線科医師&放射線技師、消化器内科医師がどのよう に読影を行うか?画像サーバーにどの画像を保存するか?画像解析の手順をどうするか?など改善点があ り、運用が軌道にのるまでは非常に苦労した。その後は検査手技が非常に容易であり、受容性も高く患者 様にも好評をいただいている。  今回は博愛病院での検査開始までの経緯と実際に行っている前処置と読影の苦労した点について報告する。 2)放射線技師がCTC導入の中心となった施設例として (岡山県)一般財団法人 倉敷成人病センター 放射線技術科 木下琢実  当院は、昨年 8 月から大腸 CT 検査を開始した。大腸 CT 検査を始めるにあたり、診療放射線技師がど のように行動を起こし、周りの医師、看護師、その他の職種、委員会などを説得し導入に至ったかの経緯 を報告する。  診療放射線技師だけでは大腸 CT 検査を始めることはできず、放射線科医の協力のもと機器購入委員会 に提出したが力及ばず、他科の先生一人一人説得行脚を行い、協力を得たのち、機器購入委員会で粘り強 く交渉するも何度も挫折したが、交渉すること2年後に念願の導入が叶った。導入決定後、運用面に必要 な書類の作成、それを認証してもらう医療安全委員会、診療情報委員会、医局会など様々なところで必要 条件を埋めるために着実に計画を推進することが必要であった。前処置法では一から勉強して当院のケー スにあった前処置法の導入を行うために、様々な職種の方へ説明会を開催し、医師、看護師、薬剤師、医事、 NA などに同意書や説明書、安全性への注意点、ガストログラフィン飲用の方法などを丁寧に説明しチェッ クしてもらった。ガストログラフィンに関しては医療安全委員会から了承を得るために、導入している病

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3)当院での大腸CT導入総括  (大阪府)パナソニック健康保険組合 松下記念病院 中央放射線部 小谷知也  当院は大阪府北河内医療圏守口市にあり、パナソニック健康保険組合が運営する一般病床 359 床、臨床 研修指定病院認可、大阪府がん診療拠点病院指定、地域医療支援病院承認、病院機能評価 Ver.6 更新等の ある病院である。  大腸 CT は当院の新たな試みとして、地域病院からの大腸 CT 対応の問い合わせ増加、外科からの術前 画像改良や、進行大腸癌や大腸癒着のため内視鏡での口側腸管の評価が困難な患者の重複癌検出のニーズ に対応する形でプロジェクトが開始された。  医師(内科、外科、放射線科)、看護師(外来、中央放射線部)、放射線技師、薬剤師、地域連携室や病院 事務から成るチームが結成され、院内の依頼だけでなく地域病院からも大腸 CT 検査のみの紹介患者を受け 付ける体制を整えた。当院での大腸内視鏡施行困難例を至急で大腸 CT に切り替えて施行することもあった。  大腸 CT 導入による効果として、地域病院や外科のニーズに適切に対応できた他、地域の医師会医療連 携会などで大腸 CT の取り組みを発表するなど病院のブランドイメージ向上、チーム結束力向上などが挙 げられる。また、読影者も大腸 CT を読影することにより日常業務の CT でも腸管読影力向上が実感された。 大腸 CT 検査枠の制限があるため件数の増加は緩やかであるが、今後紹介患者増などの客観的な病院指標 改善につなげられるよう努力している。  大腸 CT 導入からこれまでを放射線科医の立場から振り返り発表する。大腸 CT を検討中の施設の参考 になれば幸いである。 4)当院におけるCT Colonography の現状と課題 (兵庫県)尼崎中央病院 画像診断部門 鎌田照哲  CTCは十年ほど前から本邦で施行され、近年注目を集めるものの一つとなっている。検査の広がり自 体は緩徐であるが、確実に広がりを見せ、その勢いは加速度を増すだろう。  CTCが広く普及し、定着するための課題はまだまだ多く、議論の余地を多く残していると言われている。 当院でも多くの症例を経験する中で、解決していくものもあるが、苦慮する症例・事象が多いことにも気 づかされる。  今回はその中から「大腸内の圧力変動に対しての撮影タイミング」「低管電圧の適用」の二点について述 べたい。 1.大腸の蠕動運動に対して、ブチルスコポラミン臭化物などにより制御を行うが、完全に動きを止める ことは困難である。また前立腺肥大などを有し、禁忌となり使用できない例も少なくない。 腸管内の圧力変動が生じる(蠕動運動を止めることのできない)症例に対してどのタイミングにおい て撮影を行うべきか。 ・送気装置上での圧力が上がったときか。圧力が下がったときか。など 2.血管系造影CT・腹部造影CTなどにおいて、コントラストの向上・被ばく線量の低減などの観点から、 低管電圧の使用が進んでいる。CTCにおいても陽性造影剤でのタギング効果の向上・被ばく線量の 低減は、克服すべき課題の一つといえる。   低管電圧の使用は可能か。 ・二体位撮影する中で、その両方に適用可能か。また一方のみに適用すべきか。  どちらも適用すべきでないか。など  CTCには多くの課題があり、今回上げさせてもらったものだけではないが、多くのご意見・ご指摘を 頂ければ幸いです。

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5)当院での高齢者に対する大腸CT検査の現状 (愛媛県)国民健康保険 久万高原町立病院 放射線室 堂本泰愼  当院は愛媛県下にある高齢化率トップの約 44%、いわゆる限界集落とされる地域も存在する人口約1万 人の町の公立病院である。当院がこれまで実施してきた大腸検査は、大腸内視鏡検査または注腸検査であっ たが、地域の特性上、被験者への苦痛が比較的少なく、検査の負担を軽減できる大腸CT検査を導入して みないか?と医師から提案があった。大腸CT検査の経験は皆無であったため、診療報酬や前処置方法な ど複数の部署から出てきた意見や疑問を検討しながら、医師・放射線技師・薬剤師・看護師・医事課職員 と議論を進め、2014 年 10 月に炭酸ガス注入器を導入し、同月より検査を開始している。この検査は被験 者にとって、比較的負担の少ない検査であるが、小さな病変や平らな病変を見つける能力は内視鏡検査よ り劣る点や、細胞の検査やポリープ切除などの治療が出来ない等のデメリットもある。  また、読影精度も各施設によって違いがあり、十分なトレーニングが必要であることも報告されている。 しかし1次スクリーニングという位置付けでは、当院のような高齢者が多い地域には適していると思われ る。だが、実際に検査を実施していく中でいくつかの課題も見えてきた。2015 年 3 月現在では実施した検 査数は少ないが当院での大腸CT検査の現状を報告する。 6)当院における大腸CTの進め方 (兵庫県)こやまクリニック 画像技術科 田上修二  当院は 2008 年 12 月に関連病院の外来診療機能を分離した形態の地域密着型クリニックである。当時、 民間施設では珍しかった 64 列 MDCT をいち早く導入し、先進的な検査を取り入れ、地域医療の貢献を担っ てきた。その中で大腸 CT 検査も開院当初より医師からの要望があり、まだ画一されていなかった、前処 置や検査手技など試行錯誤を重ねて行ってきた経緯がある。特に重要となる送気方法は注腸用カテーテル を用い、用手的に炭酸ガスを注入する手段とし、体位変換等は注腸検査に携わってきた経験を取り入れた。 その後、大腸検査は内視鏡と大腸 CT の二本立てとなり、症例を重ねるごとに注腸 X 線検査は徐々に減少し、 現在は完全に大腸 CT にシフトする事になった。昨年 3 月には自動炭酸ガス送気装置の導入と 3D ワーク ステーションが更新され検査環境も的確に整備された。対象患者様は腹満、便秘、腹痛などの腹部症状を 有する方、検診などによる便潜血陽性の方、更に人間ドックのオプション設定としても行っている。今回 はこやまクリニックにおける大腸 CT 検査の変遷と一連の手技やちょっとした工夫を紹介させていただき たく思います。

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7)当院における大腸内視鏡検査およびCTコロノグラフィーの現状と内視鏡技師の関わり (三重県)済生会松阪総合病院 消化器センター 堀内友紀子 背  景  当院では CTC を 2012 年より導入し大腸癌術前検査に施行している。しかし内視鏡医と、腫瘍部マーキ ングおよび CTC を希望する外科医との思惑の相違のため、CTC と大腸内視鏡検査(CS)が別日に施行さ れる症例があり非効率的であった。 目  的  内視鏡技師が CS と CTC を同日に組み込むことで患者負担軽減に寄与するか検討した。 対象、方法  対象は 2012 年 4 月より 2014 年 11 月までの間に CS、CTC 施行後外科手術を受けた 168 名である。男性 102 名、女性 66 名、平均年齢 70.9 歳、開腹手術 48 名、腹腔鏡手術 120 名であった。CTC、CS を同時に 施行した同日群と CTC、CS を別日に施行した別日群に分けた。両群間の手術までの日数、術前の診療回数、 術前内視鏡施行回数、入院日数を比較検討した。CS 施行中手術が必要な大腸癌を認めた際、内視鏡技師が 内視鏡施行医、主治医に確認し、放射線科、外科に連絡を取り、腫瘍部位にマーキングを施行後 CTC を 受け、引き続き外科受診を受けられるよう介入することとした。 結  果  同日群、別日群の手術までの日数は 41.8 ± 35.0:47.9 ± 34.3, p=0.299、術前の診療回数は 5.1 ± 2.1:6.0 ± 2.5, p=0.034、術前内視鏡施行回数は 1.16 ± 0.4:1.67 ± 0.6、p<0.0001、入院日数は 24.0 ± 15.8:23.4 ± 15.8、p=0.817 であった。手術までの受診回数、内視鏡回数は同日群で有意に少ない結果であった。また最 近では手術を前提に CS の依頼がある症例では、医師より CTC、CS を同日に行うように検査依頼が行わ れることも多くなってきている。 結  論  内視鏡技師の介入により CS、CTC、外科受診が同時に行えることとなり、患者負担軽減が可能となった。 技師にとって仕事量としては増えることになるが、検査調整をすることで患者の苦痛を軽減出来ているの ではないかと考えられた。

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Laterally spreading tumors: Limitations of computed tomography colonography

大腸

CT による側方発育型腫瘍 LST の検出限界

Togashi K, Utano K, Kijima S, et al.

(World J Gastroenterol 2014;20:17552-17557.) 《解説》 LST とは、最大径 10mm 以上の表層拡大型大腸腫 瘍の総称である。病変の発育形態を中心とした病理 学的特徴を加味した表現型であり、病変の特徴がイ メージしやすく臨床で広く活用されている。LST の 30%以上が、病理組織学的に高度異形あるいは浸 潤癌を含んでいるという報告もあり、大腸がん検診に おいてLST を検出することは重要である。 近年普及しつつある大腸CT で平坦型病変がどの 程度、検出できるのかこれまで議論を呼んできた。大 腸CT の 3 次元画像である内視鏡類似像は粘膜と 腸管内ガスとの境界を表示しており、粘膜面の凹凸 を評価している。内視鏡のように色調変化や出血な どをとらえることはできないため、大腸CT では病変 高の低い平坦型病変の検出精度は内視鏡に比べて 劣るといわれてきた1) Park らは 2006 年には 9mm 以上の平坦型病変の 検出率は25%にすぎないと報告1)していたが、2009 年に9mm 以上の平坦型病変の検出率は 66.7%、 また10mm 以上では 70.6%であったと報告している 2)。検出率が改善した理由として、腸管前処置が良く なかったこと、とりわけ最初の検討ではタギングをし ていなかったことが要因だと考察している。また、3D primary 読影を行ったことで、粘膜面の微妙な変化を ペット型病変の特徴について報告している。カーペッ ト型病変は0.2%の症例にみられ、平均径は 46.5mm、平均病変高は 7.9mm(4-14mm)であっ た。カーペット型病変の94.4%がコンピュータ支援診 断で指摘できたことから、カーペット型病変の検出に 大腸CT は有用だとしている。しかし、ここでのカーペ ット型病変とは、図や病変高から判断すると、いわゆ る大型の顆粒型LST をさしているものと考えられる。 Togashi らは、病変高が低い病変を大腸 CT で検出 することは困難であると考察している。Park らも、病 変高が1mm より低い病変は大腸 CT では検出でき ないと述べている1) Togashi らの研究の重要な点は、本邦の高度な内視 鏡技術をゴールドスタンダードに検討したことである。 この報告は、本邦の患者や医師が大腸CT と内視鏡 のどちらを選択するか検討する際の大切な情報とな る。また、大腸CT を施行前には、検査の利点ばかり だけでなく、精度の限界について患者にきちんと伝え る必要性があるだろう。 参考文献

1. Park SH, et al: Flat polyps of the colon: detection with 16-MDCT colonography –preliminary results. AJR 2006; 186:1611-1617.

2. Park SH, et al: Sensitivity of CT colonography for nonpolypoid colorectal lesions interpreted by human readers and with computer-aided detection. AJR 2009;

寄稿連載 「最新文献紹介」

【目的】大腸CT による側方発育型腫瘍(LST)の検出率を前向きに検討した。 【対象と方法】大腸内視鏡により 20mm 以上の LST が確認された症例を対象とした。2 名の放射線科医 が3 次元画像(フライスルー)ならびに 2 次元画像により読影した。LST は顆粒型と非顆粒型に分類した。 【結果】47 病変の LST を対象とし、そのうち 19 病変は腺腫、19 病変は粘膜内癌、そして 9 病変は sm 癌 であった。LST の平均径は 35.1mm であった。60%(28/47)の LST が大腸 CT で同定可能であった。顆 粒型LST の検出精度が 71%であったのに対して非顆粒型 LST では 31%にすぎず、非顆粒型 LST の検 出精度は顆粒型LST に比べて有意に低かった(P=0.013)。また、腺腫の LST の検出率(32%)は粘膜内 癌のLST あるいは sm 癌の LST の検出率(ぞれぞれ 79%、78%)に比べて検出率が有意に低かった。 【結論】大腸CT による LST、とりわけ非顆粒型 LST の検出精度は低く、精度に関する情報は検査説明と して患者に事前に伝えておく必要がある。

COLORECTAL LENGTH IN JAPANESE AND AMERICAN ASYMPTOMATIC

ADULTS BASED ON CT COLONOGRAPHY

日本人とアメリカ人の大腸の長さは違うのか?

―大腸

3D - CT(仮想内視鏡)による 1,300 名の検討-

永田 浩一、田尻久雄、光島徹, 他. (日本消化器内視鏡学会雑誌 2013; 55: 435-44.) 《解説》 大腸は立体的で伸縮する臓器であるた め,生理的に近い形状で大腸の長さを正確に計測 することは困難であった.従来,新鮮剖検例,注腸 X 線検査あるいは外科手術の開腹時の計測を用 いて,大腸の長さの検討について報告されてき た (1-7).しかし,これらの計測方法は生体内での計 測ではなかったり,計測手技が複雑であったり,あ るいは簡便化した直線的な計測あるいは 2 次 元 計測に基づくなど,客観性あるいは精度の点で課 題があった.近年,大腸3D - CT(仮想内視鏡,CT colonography)の登場により,大腸の長さ を 3 次 元の曲線で正確に計測することができるようになっ た(8-13).一般的に、日本人は肉食中心のアメリカ 人と比較して、大腸が長いと考えられてきたが,現 在までのところ欧米人との差異について大規模に 検討された報告はほとんどない.本研究では日本 人とアメリカ人の大腸の長さを大腸 3D - CT で客 観的に計測し,解析することを目的としている.大 腸の長さは全大腸の長さ,およびS 状結腸と直腸 を合計した長さに分けて計測した.これは,近年臨 床応用の進んでいる大腸カプセルや大腸内視鏡検 査時においてS 状結腸の長さが問題となりえるた めである.本検討では日本人群650 名とアメリカ人 でないことやアメリカ人群では身長や BMI などの情 報が欠落していたことから,体格にまで踏み込んだ 検討をすることはできなかったなどの限界はあるも のの、対象が1,300 名と大規模であること,拡張し た大腸の長さを正確に計測できる大腸 3D - CT に よる解析であることから,日本人とアメリカ人の大腸 の長さの一般論を述べるには十分な根拠となる報 告であると考えられる。このように新しい技術を用 い、これまで常識と考えられていたことを検証してい くことは、今後の技術革新のためにも大変に意義深 いことと考えられる。 参考文献 1. Am J Med 1924;167:499 -519. 2. SurgRadiol Anat 1992;14:251 - 7. 3. 日本大腸肛門病会誌 1994;47:31 - 9. 4. Clin Radiol 1995;50:318 - 21. 5. Int J Colorectal Dis 1995;10:216 - 21. 6. Br J Surg 1995;82:1491 - 3.

7. Surg Radiol Anat 2008;30:409 - 15. 8. AJR Am J Roentgenol 2007;189:774 - 9. 9. Br J Radiol 2009;82:475 - 81. 10. AJR Am J Roentgenol 2009;193:1291 - 5. 11. AJR Am J Roentgenol 2009;193:1296 - 304. 12. Endoscopy 2009;41:674 - 8.

  

【目的】大腸3D - CT を用いて日本人とアメリカ人の大腸の長さを比較した. 【対象】大腸がんに対する平均的リスク患者で 50 歳以上の日本人とアメリカ人 650 名ずつ,合計 1,300 名を対象とした.大腸の長さは全大腸の長さ,およびS 状結腸と直腸を合計した長さに分けて計測した. 【結果】全対象における全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞれ 154.7cm,158.2cm,( p 値:0.003,効果量:0.17),S 状結腸と直腸を合計した長さの平均はそれぞれ 63.3cm,62.5cm,( p 値: 0.23,効果量:0.07)であった.世代別では,50 歳代で全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞ れ153.2cm,155.6cm,60 歳代で 155.2cm,159.3cm,70 歳代で 161.8cm,165.2cm で,日米ともに世 代が上がるにつれて有意に長くなった. 【結論】日本人とアメリカ人の大腸の長さの差に実質的効果はみられずほぼ同等である.一方,日米ともに 世代が上がるにつれて全大腸の長さは長くなる.

寄稿連載「最新文献紹介」

Laterally spreading tumors: Limitations of computed tomography colonography

大腸

CT による側方発育型腫瘍 LST の検出限界

Togashi K, Utano K, Kijima S, et al.

(World J Gastroenterol 2014;20:17552-17557.) 《解説》 LST とは、最大径 10mm 以上の表層拡大型大腸腫 瘍の総称である。病変の発育形態を中心とした病理 学的特徴を加味した表現型であり、病変の特徴がイ メージしやすく臨床で広く活用されている。LST の 30%以上が、病理組織学的に高度異形あるいは浸 潤癌を含んでいるという報告もあり、大腸がん検診に おいてLST を検出することは重要である。 近年普及しつつある大腸CT で平坦型病変がどの 程度、検出できるのかこれまで議論を呼んできた。大 腸CT の 3 次元画像である内視鏡類似像は粘膜と 腸管内ガスとの境界を表示しており、粘膜面の凹凸 を評価している。内視鏡のように色調変化や出血な どをとらえることはできないため、大腸CT では病変 高の低い平坦型病変の検出精度は内視鏡に比べて 劣るといわれてきた1) Park らは 2006 年には 9mm 以上の平坦型病変の 検出率は25%にすぎないと報告1)していたが、2009 年に9mm 以上の平坦型病変の検出率は 66.7%、 また10mm 以上では 70.6%であったと報告している 2)。検出率が改善した理由として、腸管前処置が良く なかったこと、とりわけ最初の検討ではタギングをし ていなかったことが要因だと考察している。また、3D primary 読影を行ったことで、粘膜面の微妙な変化を とらえたことも理由に挙げている。さらに、コンピュー ペット型病変の特徴について報告している。カーペッ ト型病変は0.2%の症例にみられ、平均径は 46.5mm、平均病変高は 7.9mm(4-14mm)であっ た。カーペット型病変の94.4%がコンピュータ支援診 断で指摘できたことから、カーペット型病変の検出に 大腸CT は有用だとしている。しかし、ここでのカーペ ット型病変とは、図や病変高から判断すると、いわゆ る大型の顆粒型LST をさしているものと考えられる。 Togashi らは、病変高が低い病変を大腸 CT で検出 することは困難であると考察している。Park らも、病 変高が1mm より低い病変は大腸 CT では検出でき ないと述べている1) Togashi らの研究の重要な点は、本邦の高度な内視 鏡技術をゴールドスタンダードに検討したことである。 この報告は、本邦の患者や医師が大腸CT と内視鏡 のどちらを選択するか検討する際の大切な情報とな る。また、大腸CT を施行前には、検査の利点ばかり だけでなく、精度の限界について患者にきちんと伝え る必要性があるだろう。 参考文献

1. Park SH, et al: Flat polyps of the colon: detection with 16-MDCT colonography –preliminary results. AJR 2006; 186:1611-1617.

2. Park SH, et al: Sensitivity of CT colonography for nonpolypoid colorectal lesions interpreted by human readers and with computer-aided detection. AJR 2009; 193:70-78.

寄稿連載 「最新文献紹介」

【目的】大腸CT による側方発育型腫瘍(LST)の検出率を前向きに検討した。 【対象と方法】大腸内視鏡により 20mm 以上の LST が確認された症例を対象とした。2 名の放射線科医 が3 次元画像(フライスルー)ならびに 2 次元画像により読影した。LST は顆粒型と非顆粒型に分類した。 【結果】47 病変の LST を対象とし、そのうち 19 病変は腺腫、19 病変は粘膜内癌、そして 9 病変は sm 癌 であった。LST の平均径は 35.1mm であった。60%(28/47)の LST が大腸 CT で同定可能であった。顆 粒型LST の検出精度が 71%であったのに対して非顆粒型 LST では 31%にすぎず、非顆粒型 LST の検 出精度は顆粒型LST に比べて有意に低かった(P=0.013)。また、腺腫の LST の検出率(32%)は粘膜内 癌のLST あるいは sm 癌の LST の検出率(ぞれぞれ 79%、78%)に比べて検出率が有意に低かった。 【結論】大腸CT による LST、とりわけ非顆粒型 LST の検出精度は低く、精度に関する情報は検査説明と して患者に事前に伝えておく必要がある。

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Evaluation of dose reduction and image quality in CT colonography: Comparison of

low-dose CT with iterative reconstruction and routine-dose CT with filtered back

projection

大腸

CT における線量低減と画質の評価:遂次近似法と FBP の比較

Nagata K, Fujiwara M, Kanazawa H, et al.

(Eur Radiol 2014; 25: 221-229.) 《解説》 CT の撮影においては、放射線線量を下げるとノイ ズが増え、画像が劣化するために1mSv を下回る 超低線量で撮影された大腸CT は、これまで読影 が困難であった。しかし、逐次近似再構成法の登場 により、超低線量で撮影された画像でも、ノイズを 大幅に削減することで読影が可能となった。 本研究では、背臥位でSD=20 で撮影され、通常 のフィルター補正逆投影法 (FBP)で再構成された 画像と様々な低線量条件(SD=28, 35, 40, 45)で 撮影され、逐次近似法で再構成された腹臥位画像 の比較が行われている。この結果、1 体位あたりの 平均実行線量を0.5mSv 以下に下げた条件でも逐 次近似再構成法を用いることで大腸CT の画質が 担保されることが報告されている。大腸CT の線量 を低減する要因は、管電流、管電圧、ピッチ、頻回 撮影の回避などがあげられる。他の条件が一緒で あれば線量は管電流に正比例するために、管電流 を低減することは低線量化に有用であり、調整も容 易であることから一般的な方法である。これに対し て、他の条件が一緒であれば線量は管電圧の2 乗 に比例する。大腸CT では、標準の管電圧である 120kVp で撮影されることが多いが、被ばく低減の ために、近年は低電圧撮影の有用性も報告されて いる。 大腸CT を任意型健診や便潜血検査の二次精査と して使用する場合、医療被曝には、特に注意を払う 必要がある。検診目的の大腸CT における平均実 行線量を地域的にみるとヨーロッパでは3.4mSv と 少なく、アジアで8.1mSv と高い傾向にある(1)。臨 床試験で精度が担保されている欧州の撮影条件に 本邦でも近づける努力が必要である。逐次近似法 は、最近発売されているCT では標準的に搭載され ており、大腸CT 撮影に際しては、有効に使用して 被ばく低減に役立てることが重要である。 参考文献

1. Boellaard TN, et al. Effective Radiation Dose in CT Colonography: Is There a Downward Trend?Acad Radiol. 2012 ;19(9):1127-33. 会津医療センター 歌野健一

寄稿連載 「最新文献紹介」

【背景と目的】 大腸 CT を大腸癌スクリーニングに使用する場合、医療被ばくには、特に注意を払う必要がある。本研究 では、様々な低線量で撮影された大腸 CT の画質を遂次近似法で再構成した画像と通常に撮影されフィ ルター補正逆投影法 (FBP)で再構成された画像の画質およびノイズ、被ばく線量を比較した。 【対象と方法】 スクリーニング目的に大腸CT を撮影された 210 名を対象とした。CT は 2 体位で撮影され、背臥位は通 常の線量(SD=20)、腹臥位はランダムに4段階の低線量(SD=28, 35, 40, 45)で撮影された。背臥位の画 像はは FBP で再構成が行われ、腹臥位は遂次近似法で再構成が行われた。画質の評価は 2 名の評価 者が独立して行った。 【成績】 背臥位で撮影された画像の実行線量は1.88mSv に対して、腹臥位の実行線量は 0.92, 0.69, 0.57, 0.46Sv であった(P<0.01)。遂次近似法で再構成された画像は、FBP 再構成に比べていずれも画質および ノイズの明らかな改善を認めた。 【結論】 遂次近似再構成法を用いた低線量CT は、FBP 再構成の通常撮影に比べて、画質の劣化なしで 48.5% から75.1%の被ばく低減が可能であった。

COLORECTAL LENGTH IN JAPANESE AND AMERICAN ASYMPTOMATIC

ADULTS BASED ON CT COLONOGRAPHY

日本人とアメリカ人の大腸の長さは違うのか?

―大腸

3D - CT(仮想内視鏡)による 1,300 名の検討-

永田 浩一、田尻久雄、光島徹, 他. (日本消化器内視鏡学会雑誌 2013; 55: 435-44.) 《解説》 大腸は立体的で伸縮する臓器であるた め,生理的に近い形状で大腸の長さを正確に計測 することは困難であった.従来,新鮮剖検例,注腸 X 線検査あるいは外科手術の開腹時の計測を用 いて,大腸の長さの検討について報告されてき た (1-7).しかし,これらの計測方法は生体内での計 測ではなかったり,計測手技が複雑であったり,あ るいは簡便化した直線的な計測あるいは 2 次 元 計測に基づくなど,客観性あるいは精度の点で課 題があった.近年,大腸3D - CT(仮想内視鏡,CT colonography)の登場により,大腸の長さ を 3 次 元の曲線で正確に計測することができるようになっ た(8-13).一般的に、日本人は肉食中心のアメリカ 人と比較して、大腸が長いと考えられてきたが,現 在までのところ欧米人との差異について大規模に 検討された報告はほとんどない.本研究では日本 人とアメリカ人の大腸の長さを大腸 3D - CT で客 観的に計測し,解析することを目的としている.大 腸の長さは全大腸の長さ,およびS 状結腸と直腸 を合計した長さに分けて計測した.これは,近年臨 床応用の進んでいる大腸カプセルや大腸内視鏡検 査時においてS 状結腸の長さが問題となりえるた めである.本検討では日本人群650 名とアメリカ人 群650 名の合計 1,300 名という大多数を対象とし ている.また、対照群は大腸がんに対する平均的リ スク患者となっている。アメリカ人群の人種が均一 でないことやアメリカ人群では身長や BMI などの情 報が欠落していたことから,体格にまで踏み込んだ 検討をすることはできなかったなどの限界はあるも のの、対象が1,300 名と大規模であること,拡張し た大腸の長さを正確に計測できる大腸 3D - CT に よる解析であることから,日本人とアメリカ人の大腸 の長さの一般論を述べるには十分な根拠となる報 告であると考えられる。このように新しい技術を用 い、これまで常識と考えられていたことを検証してい くことは、今後の技術革新のためにも大変に意義深 いことと考えられる。 参考文献 1. Am J Med 1924;167:499 -519. 2. SurgRadiol Anat 1992;14:251 - 7. 3. 日本大腸肛門病会誌 1994;47:31 - 9. 4. Clin Radiol 1995;50:318 - 21. 5. Int J Colorectal Dis 1995;10:216 - 21. 6. Br J Surg 1995;82:1491 - 3.

7. Surg Radiol Anat 2008;30:409 - 15. 8. AJR Am J Roentgenol 2007;189:774 - 9. 9. Br J Radiol 2009;82:475 - 81.

10. AJR Am J Roentgenol 2009;193:1291 - 5. 11. AJR Am J Roentgenol 2009;193:1296 - 304. 12. Endoscopy 2009;41:674 - 8.

13. Dig Liver Dis 2010;42:291 - 6.

福島県立医科大学会津医療センター 歌野健一

  

【目的】大腸3D - CT を用いて日本人とアメリカ人の大腸の長さを比較した. 【対象】大腸がんに対する平均的リスク患者で 50 歳以上の日本人とアメリカ人 650 名ずつ,合計 1,300 名を対象とした.大腸の長さは全大腸の長さ,およびS 状結腸と直腸を合計した長さに分けて計測した. 【結果】全対象における全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞれ 154.7cm,158.2cm,( p 値:0.003,効果量:0.17),S 状結腸と直腸を合計した長さの平均はそれぞれ 63.3cm,62.5cm,( p 値: 0.23,効果量:0.07)であった.世代別では,50 歳代で全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞ れ153.2cm,155.6cm,60 歳代で 155.2cm,159.3cm,70 歳代で 161.8cm,165.2cm で,日米ともに世 代が上がるにつれて有意に長くなった. 【結論】日本人とアメリカ人の大腸の長さの差に実質的効果はみられずほぼ同等である.一方,日米ともに 世代が上がるにつれて全大腸の長さは長くなる.

寄稿連載「最新文献紹介」

Evaluation of dose reduction and image quality in CT colonography: Comparison of

low-dose CT with iterative reconstruction and routine-dose CT with filtered back

projection

大腸

CT における線量低減と画質の評価:遂次近似法と FBP の比較

Nagata K, Fujiwara M, Kanazawa H, et al.

(Eur Radiol 2014; 25: 221-229.) 《解説》 CT の撮影においては、放射線線量を下げるとノイ ズが増え、画像が劣化するために1mSv を下回る 超低線量で撮影された大腸CT は、これまで読影 が困難であった。しかし、逐次近似再構成法の登場 により、超低線量で撮影された画像でも、ノイズを 大幅に削減することで読影が可能となった。 本研究では、背臥位でSD=20 で撮影され、通常 のフィルター補正逆投影法 (FBP)で再構成された 画像と様々な低線量条件(SD=28, 35, 40, 45)で 撮影され、逐次近似法で再構成された腹臥位画像 の比較が行われている。この結果、1 体位あたりの 平均実行線量を0.5mSv 以下に下げた条件でも逐 次近似再構成法を用いることで大腸CT の画質が 担保されることが報告されている。大腸CT の線量 を低減する要因は、管電流、管電圧、ピッチ、頻回 撮影の回避などがあげられる。他の条件が一緒で あれば線量は管電流に正比例するために、管電流 を低減することは低線量化に有用であり、調整も容 易であることから一般的な方法である。これに対し て、他の条件が一緒であれば線量は管電圧の2 乗 に比例する。大腸CT では、標準の管電圧である 120kVp で撮影されることが多いが、被ばく低減の ために、近年は低電圧撮影の有用性も報告されて いる。 大腸CT を任意型健診や便潜血検査の二次精査と して使用する場合、医療被曝には、特に注意を払う 必要がある。検診目的の大腸CT における平均実 行線量を地域的にみるとヨーロッパでは3.4mSv と 少なく、アジアで8.1mSv と高い傾向にある(1)。臨 床試験で精度が担保されている欧州の撮影条件に 本邦でも近づける努力が必要である。逐次近似法 は、最近発売されているCT では標準的に搭載され ており、大腸CT 撮影に際しては、有効に使用して 被ばく低減に役立てることが重要である。 参考文献

1. Boellaard TN, et al. Effective Radiation Dose in CT Colonography: Is There a Downward Trend?Acad Radiol. 2012 ;19(9):1127-33. 会津医療センター 歌野健一

寄稿連載 「最新文献紹介」

【背景と目的】 大腸 CT を大腸癌スクリーニングに使用する場合、医療被ばくには、特に注意を払う必要がある。本研究 では、様々な低線量で撮影された大腸 CT の画質を遂次近似法で再構成した画像と通常に撮影されフィ ルター補正逆投影法 (FBP)で再構成された画像の画質およびノイズ、被ばく線量を比較した。 【対象と方法】 スクリーニング目的に大腸CT を撮影された 210 名を対象とした。CT は 2 体位で撮影され、背臥位は通 常の線量(SD=20)、腹臥位はランダムに4段階の低線量(SD=28, 35, 40, 45)で撮影された。背臥位の画 像はは FBP で再構成が行われ、腹臥位は遂次近似法で再構成が行われた。画質の評価は 2 名の評価 者が独立して行った。 【成績】 背臥位で撮影された画像の実行線量は1.88mSv に対して、腹臥位の実行線量は 0.92, 0.69, 0.57, 0.46Sv であった(P<0.01)。遂次近似法で再構成された画像は、FBP 再構成に比べていずれも画質および ノイズの明らかな改善を認めた。 【結論】 遂次近似再構成法を用いた低線量CT は、FBP 再構成の通常撮影に比べて、画質の劣化なしで 48.5% から75.1%の被ばく低減が可能であった。 福島県立医科大学 会津医療センター  歌野健一

(17)

Preoperative evaluation of colorectal cancer using CT colonography, MRI, and

PET/CT

大腸

CT、MRI、PET/CT による大腸癌術前診断

Shigeyoshi Kijima, Takahiro Sasaki, Koichi Nagata, Kenichi Utano, et al.

(World J Gastroenterol 2014 December 7; 20(45): 16964-16975)

《解説》 本邦では、大腸CT 普及当初は大腸癌術前診断 として活用されており多数の報告がなされてきた。 最近では検診目的での利用が進み始めている が、術前診断における大腸CT は今後ますます重 要性が増してくると考えられる。なぜならば、局所 診断、遠隔転移診断に加えて、血管情報や尿管と の位置関係など、腹腔鏡下手術で必要な情報を3 D データで詳細に検討できるからである。自治医 科大学では、術前の画像診断で注腸造影は行っ ていない。大腸CT のみで十分な情報が得られる からである。また注腸造影よりも大腸CT の方が 被爆や検査の負担が少ない。現状では術前に大 腸CT での評価を行っていない医療機関も多いと 考えられる。研究会や学会を通して外科医に対し ても、大腸CT の有用性を周知していく必要があ る。また放射線科医や放射線技師も大腸CT の撮 影方法や読影方法に習熟していく必要があるだろ う。 MRI ではプリモビストを用いた肝転移の診断にお いて肝細胞相での感度が高いことが知られてい 信号も考慮すると高い診断精度が得られる。高精細 なT2WI での画像は、粘膜、粘膜下層、固有筋層の 構造を分離することが可能である。通常のbody coil ではなく、cardiac coil を用いて撮影することで高精 細な画像が得られる。また直腸に超音波ゼリーを挿 入して、病変を明瞭に描出する手法が知られている が、進行大腸癌では利益は少ない。術前化学療法が 普及しており、効果判定にも同様に有用である。 PET/CT や PET/CT colonography はコストの問題 もあり、術前診断目的としては全例で施行するだけ のエビデンスは認められていない。しかし、内視鏡が 腫瘍による狭窄で通過できなかった場合は、腫瘍の 口側の評価を行うためにPET/CT colonography が 有用であることが示されている。PET/CT colonography では撮影にやや時間がかかるため、 吸収の早い二酸化炭素を注入するのはなく手動で空 気を注入している。

寄稿連載 「最新文献紹介」

【要旨】大腸癌の術前診断に関して、大腸CT、MRI、PET/CT それぞれについて TMN 分類を基本として最 新の画像診断の現状と進歩を述べた。大腸 CT の仮想注腸像による局所形態診断は、局所診断に有用で ある。また造影 CT による血管解剖の評価は腹腔鏡下手術のおける有用な情報となる。MRI も局所診断 に広く用いることができる。直腸は固定されているためアーチファクトの影響を受けにくく、エビデンスが蓄 積されている。肝転移の診断にはプリモビストによる造影 MRI が有用である。その他の遠隔転移では CTPET/CT が活用される。リンパ節診断はいまだにどのモダリティーでも難しいのが現状だが、MRI の T2WI で辺縁の不整や内部の信号の不均一さを評価することで、診断精度を上げることができる。大腸癌 の転移は時に石灰化を認めることがあり、単純CT での評価が有用な場合がある。 【結論】大腸 CT、MRI、PET/CT それぞれの利点がある。実際の臨床では、それらを理解した上で適切に 使い分けたり、組み合わせて診断していく必要があると考えられた。

COLORECTAL LENGTH IN JAPANESE AND AMERICAN ASYMPTOMATIC

ADULTS BASED ON CT COLONOGRAPHY

日本人とアメリカ人の大腸の長さは違うのか?

―大腸

3D - CT(仮想内視鏡)による 1,300 名の検討-

永田 浩一、田尻久雄、光島徹, 他. (日本消化器内視鏡学会雑誌 2013; 55: 435-44.) 《解説》 大腸は立体的で伸縮する臓器であるた め,生理的に近い形状で大腸の長さを正確に計測 することは困難であった.従来,新鮮剖検例,注腸 X 線検査あるいは外科手術の開腹時の計測を用 いて,大腸の長さの検討について報告されてき た (1-7).しかし,これらの計測方法は生体内での計 測ではなかったり,計測手技が複雑であったり,あ るいは簡便化した直線的な計測あるいは 2 次 元 計測に基づくなど,客観性あるいは精度の点で課 題があった.近年,大腸3D - CT(仮想内視鏡,CT colonography)の登場により,大腸の長さ を 3 次 元の曲線で正確に計測することができるようになっ た(8-13).一般的に、日本人は肉食中心のアメリカ 人と比較して、大腸が長いと考えられてきたが,現 在までのところ欧米人との差異について大規模に 検討された報告はほとんどない.本研究では日本 人とアメリカ人の大腸の長さを大腸 3D - CT で客 観的に計測し,解析することを目的としている.大 腸の長さは全大腸の長さ,およびS 状結腸と直腸 を合計した長さに分けて計測した.これは,近年臨 床応用の進んでいる大腸カプセルや大腸内視鏡検 査時においてS 状結腸の長さが問題となりえるた めである.本検討では日本人群650 名とアメリカ人 でないことやアメリカ人群では身長や BMI などの情 報が欠落していたことから,体格にまで踏み込んだ 検討をすることはできなかったなどの限界はあるも のの、対象が1,300 名と大規模であること,拡張し た大腸の長さを正確に計測できる大腸 3D - CT に よる解析であることから,日本人とアメリカ人の大腸 の長さの一般論を述べるには十分な根拠となる報 告であると考えられる。このように新しい技術を用 い、これまで常識と考えられていたことを検証してい くことは、今後の技術革新のためにも大変に意義深 いことと考えられる。 参考文献 1. Am J Med 1924;167:499 -519. 2. SurgRadiol Anat 1992;14:251 - 7. 3. 日本大腸肛門病会誌 1994;47:31 - 9. 4. Clin Radiol 1995;50:318 - 21. 5. Int J Colorectal Dis 1995;10:216 - 21. 6. Br J Surg 1995;82:1491 - 3.

7. Surg Radiol Anat 2008;30:409 - 15. 8. AJR Am J Roentgenol 2007;189:774 - 9. 9. Br J Radiol 2009;82:475 - 81. 10. AJR Am J Roentgenol 2009;193:1291 - 5. 11. AJR Am J Roentgenol 2009;193:1296 - 304. 12. Endoscopy 2009;41:674 - 8.

  

【目的】大腸3D - CT を用いて日本人とアメリカ人の大腸の長さを比較した. 【対象】大腸がんに対する平均的リスク患者で 50 歳以上の日本人とアメリカ人 650 名ずつ,合計 1,300 名を対象とした.大腸の長さは全大腸の長さ,およびS 状結腸と直腸を合計した長さに分けて計測した. 【結果】全対象における全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞれ 154.7cm,158.2cm,( p 値:0.003,効果量:0.17),S 状結腸と直腸を合計した長さの平均はそれぞれ 63.3cm,62.5cm,( p 値: 0.23,効果量:0.07)であった.世代別では,50 歳代で全大腸の長さの平均は日本人とアメリカ人でそれぞ れ153.2cm,155.6cm,60 歳代で 155.2cm,159.3cm,70 歳代で 161.8cm,165.2cm で,日米ともに世 代が上がるにつれて有意に長くなった. 【結論】日本人とアメリカ人の大腸の長さの差に実質的効果はみられずほぼ同等である.一方,日米ともに 世代が上がるにつれて全大腸の長さは長くなる.

寄稿連載「最新文献紹介」

(18)

 当院は、岡山県倉敷市にある川崎医科大学を母体とした大学附属病院です。昭和 48(1973)年 12 月に開設 され、現在 1,182 床の地域基幹病院として医療の発展と患者へのサービスに努めています。教育病院であるほか、 平成 6(1994)年 4 月には厚生労働省より高度医療を提供する特定機能病院の承認も受けています。初代理事 長であり、自ら初代病院長を務めた川崎祐宣先生の「24 時間いつでも診療を行う」の標榜と、「医療は患者の ためにある」の信条が当院の基本理念となっています。全職員はこの方針を貫くべく一丸となって努力してお りますが、特にその時点その時点で最善の医療を提供できるように、近代医療における最新の検査および医療 機器を設備し、これらを駆使して的確な診断と治療を行っています。初期・二次・三次救急医療を有機的にカバー する高度救命救急センターは、24 時間休むことなく親身になって活動しています。また、ドクターヘリを有し、 岡山県内はもちろん、一部は広島県東部、瀬戸内の島々をカバーしています。  当科は本邦でも消化管全般を検査できる最新機器ならびに専門家が揃っています。最新の消化管内視鏡検査 並びにエックス線造影検査はもちろんのこと、ダブルバルーン小腸内視鏡を使った小腸検査、体外式超音波検 査による消化管診断ならびに運動機能検査、小腸・大腸カプセル内視鏡検査、消化管内圧検査(食道、直腸肛門) も可能です。新しい大腸検査として、大腸 CT 検査、大腸カプセル内視鏡検査も積極的に導入しています。  近年の医学の進歩は目覚ましく、より安全かつ苦痛のない検査、確実な診断・治療を目指しスタッフ一同努 力しております。

施 設 紹 介

川崎医科大学附属病院 消化管内科学

〒 701-0192 岡山県倉敷市松島 577 Tel.086-462-1111 http://www.kawasaki-m.ac.jp/med/

参照

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