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奄美群島の調査研究の概略

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Academic year: 2021

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奄美群島の調査研究の概略

­ 「奄美群島における観光と環境の総合調査研究」(H26 ~ H28)は、宮古島調査(成果 は『宮古の挑戦』出版済み)を終了し、離島の調査を奄美群島まで拡大したプロジェクト である。本調査は奄美群島を対象として、環境や社会・経済、観光等を中心として様々な 角度から島を視ることである。プロジェクトに参加し調査した内容は以下の通りである。

前泊博盛氏は、島嶼経済の象徴的な課題を抱える奄美群島の中でも、奄美大島における 社会資本整備と地域再生の課題を検証した。その結果、公共事業の展開によるモノづくり 産業の衰退と同時に奄美振興予算の多くを投入した「トンネル事業」が、必ずしも地域振 興とは直結せず、人口減少地域の歯止め効果も少ないなどの実態が明らかになった。

 山川(矢敷)彩子氏は、沖縄貝塚時代の徳之島の遺跡から出土した貝類の種組成と沖縄 島の主要遺跡のものを比較した。徳之島南部伊仙町の貝塚からはマガキガイ、シラナミ類、

コシダカサザエ、ヤコウガイなどの出土が多く、伊仙町の古環境は現在と同じ外洋サンゴ 礁環境であったと推測された。一方、東部の徳之島町は、サンゴ礁のイノーが広がる伊仙 町、天城町とは異なる河川由来の沖積土壌からなる海岸を有しており、その貝類分布は特 異的な可能性があることが確認された。

友知政樹氏は、朝鮮王朝後期に実在したムン・スンドゥク(文淳得)と彼の漂流物語を 記録した「漂海始末」、それにまつわる「文淳得プロジェクト」、そして、奄美調査プロジェ クトとの関連性を調査したものである。これからの東アジアのあり方を考えるきっかけを も与えてくれた調査であり、今後の調査に期待される。

比屋根良直氏は、奄美群島のエコツーリズムの現状を明らかにすることが目的である。

奄美群島では、奄美群島一体でエコツーリズムの環境整備に取り組んでおり、地域住民主 体のエコツアーの開発を行っていることが分かった。

最後に呉は、奄美群島の太陽光発電の状況について調査した。離島のエネルギーは大部 分が島外から運送されており、財政的負担も大きい。ところが、再生可能エネルギーは離 島自ら生産可能であり、将来推進すべき事業でもある。そこで奄美群島の再生可能エネル ギーの状況を把握し、その課題や展望について考察した。

 前回の宮古島、また今回の奄美群島の何れにせよ離島の経済・社会的状況は、人口の減 少による過疎化、高齢化による人手不足など、様々な問題に直面している。調査対象地を 多面的にみることによって実質的な島の現状把握し、問題を探り、離島の在り方を考察し た。本報告書が離島において少しでも役立つことを願う。

プロジェクターリーダー 呉 錫畢

経済環境研究 調査報告書 Vol.6­June­2019.1

参照

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