九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
減價償却の一吟味
馬場, 克三
https://doi.org/10.15017/4355384
出版情報:經濟學研究. 7 (4), pp.1-31, 1937-12. Society of Political Economy, Kyushu University バージョン:
権利関係:
'
ノ 五 四
財産的減債さ債値移轄的減債
債値移轄さ債値阿牧
減 債 原 因 論
減債
ゞ︶
平均
計算
要約
︑
輿へられた事象は同一のものである︒然し︑これを受取る態度の如何によつて経螢學的恩考さ経溝學
的思考さが分岐する︒勿論︑この附者は全然別のものであってはならない︒然し︑それは一應も二應も
減 償 償 却 の 一 吟 味
は
は し が き
き
. し カ
減 債 償 却 の
及びグロースマンの減債償却分類
・
吟味 、
第 七 巻
馬
六 二 九 第 四 競
場
克
経消學は経消現象の基礎的な聯悩セ規定した後に於て せしめに足るテーマである︒ 諸項目たらしめることは企業家のなすさころであって
減 債 償 却 の 一 吟 味
ものビ考へる︒
が同時に︑経滑礫
一歩々々と現寅の説明に立 これは優に一論文を構成 経消楳の直接闘典する事項ではないのである︒
経渭躾的思考は典へられた事賓から出褻してその最深奥
の意味聯闘にまで
勿論︑概念的抽象的なそれではなしに龍會的なそれこしてである︒これに反して︑
親螢學的悠考は常に個々の企業家の観念い埒内に敢へて止まらうこする︒︑︒̀へて社會的な意味聯闘にまで進まふRこ欲するものではないのである︒
その行きつくべき深奥にまで逹し得ないで︑展た︑経螢學の領域をさ迷ふものである︒
屡々なされるやうに︑利潤を利子や管骨賃銀や企業危瞼負掠費等たから成立たしめ︑生産費を構成する
然し︑企業家の獲得する利潤に種々な名目を典へ︑それらの名目を数へあげて生産費の では経螢學さ興正の意味の経涜學さは如何なる勘で相交渉するもの
であ
るか
︒ 云ふまでもなく︑
ちもざらねばならない︒然るに一切
の経溝現象は具個的にはー'ー消費`王憫を措いて問はぬさすれば│̲
何らかの仕方で個々の企業乃至は螢利︑王個を通すここなくしては現はれない︒この場合︑企業家は種
々な
、、、~`る事象セ種々なる仕方で受容するものであるが︑この仕方は経営方法ゞ^名づけうるであらう︒これらの
所謂︑経螢方法を開系的に理解し且つ批判するこごは︑元より経螢學の課題である︒ 到逹しようこする︒ 面別しうるものなのである︒
だからrそれは そこで︑不充分な経済學的思考は
第 七 巻
それは決して︑その埒内を越 六一1 ‑ 0
第 四 撃
題が闘係するが故である︒
.
減 債 償 却 の 一 吟 味
第 七 巻
● •
/
第 四 撃
強調せんがためではない︒ 近代的企業に於ける固定表本の支配的軍要性を もまたその基礎的な規定から立ちもざつて︑明し得なくてはならない︒他方ではまた︑経螢學は経螢方法の批判に於て︑がちである︒だから︑ 瀦的な概念の企業技術的な説明は比較的多く典へられてゐる︒
然しそれご経猜學
"
,J
の結び目は閑却され
郎ち︑私続沢的な謡たの概念さ社曾経滸的
経螢根は経惰學を豫
するものではないから 技術的合目的性の観貼のみ
例へば︑株式プレミアムが資本なりや利谷なりや︑
が如き問題は技術的見地のみを以てしては終局的な解決には到逹し得ない︒ さ云ふ
個々の企業家の到立する見解は事態の客観的社會的な分析によってのみ解決し
うぺきものさなるからである︒かくして経惰躾は経螢學を包擁すぺきものであり︒
定するこさなくしては櫨貼持ち得ないであらう︒
そこで我々にこつては次のやうな問題が提示されてくる︒
な基礎理論この連絡を︑具開的な問題に闘説しつ\明かにするご云ふこさがそれである︒
以下では特に右に述ぺたやうな脳聯り追及ンゼ目的こして︑
従米︑私経
減債償却の分析を試み
よう>こする︒問題を減債償却に撰んだのは必らすしも︑
それは私が最近もつたさころの保瞼料の続涜學的性質に脳する論議にこの問
蓋し︑企業は孤立して存在
決を求めなくてはならなくなるここもある︒ を以て充分に問題を解決しうる場合もあるが
然しある場合には個々の企業家の観念の埒内を越えて解
企業家の麒裏に映し出されてゐるこの経螢方法を如寓に説
その債値増加も問題さなる︒ さて︑財産の計算から出褻するのであるが︑ 固定財産についてのみ考へるこさ\する︒
財産の計算t云ふ以上は︑財産の債値減少のみならす 下の考察では苓裳り︑ 財産である︒ 云ふまでもなく︑減債償却が の減債償却の意義の確定から出褻するここにする︒
然し︑以 りに大フこなるので︑こ4では取扱はない︒ 算︑原債計算の三つの視幽があるごされてゐる︒このうち原債計算は評債諭に闊係し︑問題の範固が餘
減 債 償 却 の 一 吟 味
財産的減債と債値移韓的減債
減債償却についての優れた研究の著者であるグロースマンによれば︑
そこで前の二つについて︑これを釘立せしめながら︑減債償
却の_—はしがきで述ぺたやうな意味での||'吟味を試みようっミ忠ふ。そして︑まづ︑財産計算ごして
問題さなるさころの財産は︑所謂︑費消財産に討應する意味での使用
この匝別はほゞ流動資本及び固定資本の萬別に鉗應するものであるが︑たゞ使用財産には
睛入された暖廉や特許櫂
等の
如く箪なる牧盆の債格にすぎないものも含まれてゐる黙が異る︒
問題を簡輩にするため︑本来
の意
味の固定資本の財産形態である機械︑建物等の
然し減債償却に闘聯しては︑
もない︒では債値減少は如何にして測られるか︒勿論︑ その債値減少のみが問題であるのは一ぷふまで
それは投下された最初の債値さ現在のより低下 減債償却には財産計算︑損盆計
第 七 巻
,
ノヽ
第 四 賊
四
さころの恨象にすぎない︒ ば︑企業は︱つの﹁債値の流れ﹂である︒ 年々︑潜在的なものごして董的累稜を煎ねてゆき
第 七 巻 ノ
.
第 四 撃
五
従って︑財産計算に先立つて︑まづ幾何の
従っ
するご︑かし 続螢學者が好んで用ふる表現に従︿ この累稜がある程度以上に逹するさ苔︑初めて外形 た︒然しJ
の考
へは
︑
債値Rこ考へた︒然し︑企業から分離されに︑屑鐵或は中古品ゞJ
して
の債値が何ら︑財
産の館貨の現在債 また或る場合には︑この現在債値は使用債値であるさ考へられ
使用債値tしては全部的に機能しながらなほ且つ︑
てゆくさいふ固定財産の特質を認めてゐな
いも
ので
ある
︒
また
︑
それは︑固定財産の使用債値の喪失は
的に鱗指しうぺき使用債値の喪失さなって現はれるものであるこさを思はないものである︒
では固定財産の債値減少は如何にして確定されねばならないか︒
而して︑企業の財産は投下された資本債値が取っては捨てる
いま企業の外部から何らの攪飢的な作用も働かないごする︒郎ら︑問題とな
つてゐる固定財産の再調逹債格の低落も︑偶然的な厄災による破壊も生じないさしよう︒
る前提の下に於て生じうべき固定財産の債値減少は固定財産の生産的使用によってしか起らない︒
てそ
の債値減少は次のやうにしてのみ措定され得る︒即ち︑固定財産がその債値の貯載庫からその債値
の幾何を流れの中に投じたかを確定するこさによ
って
のみ
︒
債値移轄がなされたかの計算が行はれねばならないわけである︒然るに︑
減 債 償 却 の 一 吟 味
か4る意味の計算は︑企業を 値を示すものでないこつこは自明である︒ してゐる債値ビを比較するこさによって得られる︒
その債値を部分的に失っ
人は或る場合には︑この現在債値を固定財産の齊却
いのである︒ はそれの生産物の債値の上に再現してゐるのである︒ を明かにしておかねばならない︒
減 債 償 却 の 一 吟 味
さ云つてもそれは特定の固定財産にの{瘤目するからヽ
従つてまた︑資本も減少はしてわな
そこに債値減少が見られる︒
財産を見るなら︑何ら財産の債伯減少こはなってゐない筈である︒
然し企業全憫の総 債値移轄による減債のために財産に減債を生じた
だが︑こ\で減じた債値
︱つの静止状態に於て捉へるところの財産計算の直接的になしうるこころではないのである︒
業に於ける債値の流れが期間的に如何に推移したかを観察するところの動的計算︑
苦に意味での損盆計算に埃セなくてはならない︒
a註
︶こ
4で痰密な意味での損盆計諄と云ったのは網浣界的な意味での費用計算︑郎ち生産衣本の債値韓形郊分の計
算と云ふ意味である︒企業に於ける現賞の損盆計年にはもっと複雑な要因が加はる︒これについては後述す︒
以上のぺたここによって我々はまづ︑次の事賓を確定した︒郎ち︑最も箪純化された前提の下に於て
考へた減債償却なるものは︑固定財産の生産物への債値移轄さして規定されうるこさ︑従ってそれは損盆
計算的性質のものであって︑財産計算にさつては寧ろ︑典へられたものである︑
然し︑右の説明はまだ︑債値移韓としての減債の買相を充分に盛してはるない︒
元来︑投下衰本債値は如何なる財産形態に姿を髪へやうご債値に髪化
はない︒なるほざ固定財産の債値は債値移轄のセめに一定率の減債セ生する︒
第 七 巻 六三四
更に次のやうな事賓
郎ち︑最も厳密な
さいふこここれである︒
それは企 第 四 撃
• ‑
,
,ヽ
以上のやうな意味に於ける減債は蚊も基本的な形態の減債であって我々はこれを債値移韓的減債
'J
J呼
過程から生じ忙減債償却さ云ふ意味である︒但し後に明かさなるやうに︑
さて︑これまで述ぺたこさがらは何ら︑こさ新らしい事項ではない︒然し︑以上の叙述は次に来るペ
その一事賓さは︑我々がさきに仮定した前提ーー企業の外部から来る攪乱的作用の無説!ーの撤去こ
轄的減債と次の黙で根本的に相違する︒帥ち︑
なく︑企業の外部からの作用によって生するフこころのものであり︑
なのである︒この場合︑財産はか4る外部的原因によって債値を失ふ︒
さは異つて︑他の何れの財産形態の上にその債値を再硯せんがためでもないのである︒
減 債 償 却 の 一 吟 味
て︑移轄された債値部分が控除し去られた後の︑
第 七 巻
六三五
第 三 馘
七
それは固定財産 ヽもA
しカ
それは債値移轄的減債 同定財産の茂存在高そのもの4上に起るさころのもの 債値の移轄から起るものではなくし 値に減債を生する場合これである︒Jの種の原因による減債は︑云ふまでもなく︑さきに述べた債値移 同一目的に役立つより優れたる痰明の出現︑天災その他偶然的厄災の作用等によって現存固定財産の債 共に現はれるさころのものである︒帥ち︑同定財産の市場債格の雙動︑就中︑その再生産債格の低落︑
それは企業の債値の流れのなかから醸成されるものでは
き一事賓に封立せしむべくこれを必要さしたのである︒ さは厳密には一致しない︒ 私の意味する債値移韓的減債 ぶ︒シュミットはこの種の減債を
9t zb ed in gt e A bs ch re ib un g' t‑ J 名付けてある︒取引︑郎ち資本轄形
セントの減債を生ぜしめた場合を仮定し︑この減債を虐理するのに異つた四つの方法が可能だこ説明し
てゐる︒ l l 註
︵註︶その凹つの方法とは次の如し︒一五
0
%の損失を郎刻︑且つ一度に年利潤から償却し去つて名目資本を維持す
の生じた年度に於て一象に虞理され終る︒尤もマールベルグは機械設備に闘して新焚明が五
0
.ハ ア
的操作である︒Jれに反し財産的減債は通常︑一括して︑特別減債償却ごして虐理される︒それは減債 Jれ郎ち︑普通の意味の減債償却の計算 まづ︑債値移轄的減 現賓の減債償却はこの二つの形態
減 債 償 却 の 一 吟 味
の債値から去るさ共にまた企業の練財産の債値からも去る︒
むるものでなくてはならないr我々はか4る減債セ債値移轄的減債この峻厳な到立に於て︑財産的減債
註ビ名付けよう︒この言葉はシュミットの
ve
rm
og
en
sb
ed
in
gt
e Ab
咎百
ei
bu
ng
に倣つたものである︒
g
ぜ 但 し シ ュ ミ ッ ト に 於 て は 固 定 財 産 の 市 債 の 日 常 の 焚 動 と い ふ こ と に 菫 勁 が お か れ て ゐ る が
︑ こ
A
では新疲明や 天災的による債値減少︑即ち︑所謂.綽浣的減債及び災厄的減債のみを考へる︒以下同様︒
以上で私はこ4に基本的な減債の二つの形態を示したのであるが︑
が踵々なる要因ごの結合によって示すこころのものに外ならない︒
さて︑述べ来つた二つの減債の型に於て︑計算的操作は如何に異るであらうか︒
債に於ては年々︑ほぽ同一の割合が損盆計算に課されてゆく︒ 従つてそれはまた資本を決定的に減少せし
第 七 巻 六三六
第 三 賊
ノ
1) W. Mahlberg, Der Tageswert in der Bilanz. 1925, S. 37.
る︒然るにこの幽について︑最も明快︑且つ理論的な取扱ひをなすのはシュミットである︒
して︑この黙に爛心を彿はざるを得ない彼ごしては賞然のこさである︒
彼は固定財産の﹁未だ取引滑みでない現在高
j de r n oc h n ic ht u
mg es et zt e
Be
st
an
d
また
は︑
財産
﹂
< l a s ru he nd e
V e
rm og en
なる
概念
︐ぜ
強調
し︑
減 債 依 却 の 一 吟 味
第 七 巻 六三七
第==駿
九
取引から捨象された財産の上に生する債値愛動こ取 引過程そのものから生する債値斐化さを明確に甑別する︒後者は損盆計算の領域であるが前者は徹頭徹
﹁休
止態
時債論者ご て虐理すべ苔こごを主張してゐるのであるが︑その際︑彼は専ら技衛的見地から計算的操作を考へてゐ
右の如く︑
マールベルクは財産減少ごなるさころの経溝的減債は
これを超期間的な特別償却によっ
財産の債値減少に封應して
れるこさが最も良い方法であるのであって︑
彼はこの減債は資本または稜立金の削減さなるべきである 然し︑彼によるさ︑この種の減債は超期間的に
郎ち損盆計算から離れて特別減債償却っこして虐理さ る︒二なほ未網過の固定衰産海命年限中︑従前通りの額の償却をなして︑名目査本を維持す︒三減債額を超期間的に
償却
する
°
? a )
名H
資本
から
nb>
積立
金か
ら︑
?C︶秘密積立金から︒四固定財産の帳館債値は従来通りと
なしおき︑爾後︑年々の依却高を五0%だけ切下げるb
ヽ ノ
このうち︑三の方法が最良の方法であるとされてゐる︒.C
さ述べてゐる︒その理由はこの方法が損盆計算の繍績性を害するこさなく︑
資本を減少せしめ︑
かくして資本こ財産との正しい競行を維持するさ云ふにある︒
以上によって クの特別減債償却さ同一の結果さなるのである︒ 理さるべきであるこ云ふのである︒
減 債 償 却 の 一 吟 味
尾︑財産計算に属す︑
これは正さにありう キ 亭》—.‘、
ーカ
かくの如ぎ豫 郎ち︑形式は異るが︑
第一
︱︱ 撃
我々は
さなすのである︒而して財南計算い意味での憤値髪動は財産債値斐動勘定にて慮
云ふまでもなく︑この勘定は資本金勘定に恥するから︑財産的減債
は財産減少さなるさ同時に資本減少ご同一の効果を示すわけである︒マールベル
我々は債値移轄的減債ご財産的減債っこの封照を普通の減債償却さ特別減債償却さの封
↓i r
" i
立に導き︑これを二人の著者によって再確認したのである︒
g註︶特別減債償却は種々な揚合に用ひられるc本文で述べた財庄的減債の楊合の外に︑次のやうた場合もあるe郎
ち︑固定財産の耐久年限の見稼りが不正確であったAめ債値移轄的減債の計坑が過少であったやうな場合に︑その
修正のために一時に特別依却がなされることがある︒然し︑こ4では債値移轄減憤が正確に行はれたものと但定し
て︑右の如き事例を考慮の外におくC
さころで︑特別減債償却の誘因さなるさころの減債原因は殆んざ偶然的な性質のものである︒
今まで︑この偶然的な事情が全く豫測されす︑突然︑生起するものさ恨定しておいた︒然し︑賞際には
偶然的事件の登生は確賀さの差こそあれ︑大低は豫測するこさを得るものである︒
測可能ィぜ前提すれば︑財産的減債の計算的操作もまた自から斐様せざるを得まい︒
ペきこビである︒然し︑箪なる計算的操作の焚更が事柄の本質を焚更するものであるか否か︒これは恐ら
第 七 巻
六一 予八
10
減 債 償 却 の 一 吟 味
一應︑減債償却の計算から分離されうる︒
また
︑
第 七 巻
六
︱
︱ 一 九 第 四 琥
それが異常な例外的のものであるさきは特
尤も︑天災その他の偶疲的原因による減債は 少ぐさも問題を計算技術的にでなしに理論的に考へる限り︒
固定財産の上に生するであらう直額の偶然的債値減少が資本投下の裳初から豫測されてゐるこすれ
ば︑計算の合理性は︑裳然これを特別減債償却さして一括的に負擦することなく︑
各年度に分割負控せしめるこごを要求するに至るであらう︒然し︑
減慣さの計算上の操作及びその結果が外見上︑全く同一のものさなるここは注意を要する︒
して
︑
壺し︑かく やがて減債償却に於て相封立する二つの基本的な型が混肴せらる
4危陰を生するからである︒
へば︑屈々︑引用されるケスターの減債原因の分類では︑︵一︶物質的原因︑︵二︶職能的原因︑
( 1 1一
︶偶
焚的原因の三者が全く同一性質のものごして取扱はれてゐる︒
一の固定財疫の上に競合する結果`最も強度に作用する原因が有効的償却原因さされるに至る︒
ば︑職能的︵経涜的︶耐久年限が八年︑偶痰的平均壽命が十年︑
れるのである︒
であ
って
︑
固定財産耐久期間の
そのため︑債値移轄的減債ご財産的
従って︑我々が考へたやうな減債の基本形態の業別は全く抹殺されて了ふのである︒
それが大数的豫測の可能な場合は保瞼の取扱ふごころ
合︑職能的耐久年限が有効的償却原因ごして作用し︑同定財産債値の八分の一が年々の償却高さ計算さ
物理的耐久年限が十二年さ仮定する場
例ヘ
財産的減債さ厳密にではないが略々相覆ふものである︒ く否定的に答へられねばならぬであらう︒
然る
に︑
以上のやうに三原因が同一の表格で詞 云ふまでもなく︑後の二者は我々の云ふ
例
2)沼!ll嘉秘諒、ケスクーの貸借到照表論、 p. 140
または新焚明が特定の機械を減債せしめるやうな場合
彼は﹁設備債値物
そ
上述の外形的類岡性に賞
減 憤 依 却 の 一 吟 味
シュミットが財産的に條件づけられた減債償却さ取引に條件つけられた減債償却さを裁然︑寓別して
ゐるこさは既に述ぺた︒然るにか\る本質的な慨別をなし得てゐる彼すらも︑
面するt︑財産的減債である筈の経渭的減債を取引過程に基づくそれご同一視するに至るのである︒
れのみではない︒天災等による偶然的減債すら詞二認されてゐる節がないでもない︒
?J
`︑
︑
の財産計算﹂の節で次のやう
に云
つて
ゐる
︒
﹁個々の設備部分の債値評債の髪化に及ぽす綜合経惰的影響はすでに再生産債値の上に表現される︒
例へば︑空中電氣の利用が水力を債値下落させ︑
がそれであぎ﹂ こビは警戒せねばならぬのである︒ 黙は存しない︒然し︑さぎにも指摘したやうに︑
計算上の外形的類同性が事柄の本質を暖味ならしめる
る︒このこさは勿論︑計算技術上の合理性の問題であって︑ が急速さなるにつれて盆々︑重要こなるがため︑
それ自的には何ら続螢理論的に云為すべき それは一般に辿常減債償却に加へられるのを例さす 別償却こして所謂︑
Ka ta st ro ph en ab sc hr ei bg g
が適用されるより外ない︒
年限に平均的に配賦される通常の減憤償却の計算では一應︑考慮の外におかれうるかも知れない︒然る
に︑所謂
︑道徳的
磨滅ご稲せられる経惰的減偵については測定が比較的確質に行はれ
︑
且つ技術の進歩
従つてこの
種の減債は︑耐久
第 七 巻
六四0
第 四 競
3) F. Schmidt, Die organische Tageswertbilanz 3te aufl.. 1929, S. 85.
屈々︑機械が技術的には完全に作業能力ある場合でも・,
. . . .
すでに陶汰されるこ
さを︒その原因はこの場合は︑機械が新しい構造によって凌駕される獣に存する︒⁝⁝従って︑生産的
活動に封する箪なる適性の外に機械の耐用練期間を決定するコこころの·…••更に別の一要因が作用せざる
を得
ない
︒﹂
﹁耐用期間い縮少は・:':技術的︑生産的凌駕いために生じた経洲的債値の破壊によって︑
及び自然の作用のための債値破壊によつて生する︐﹂
こ
の後の二引用文に従へば﹁財産的に條件づけられた減債償却﹂が
︑
くに見え召然し︑前述のやうに︑債値移靱的減憤さ財産的減債さは︑
者ご同一の計算的操作をさる場合さ雖も︑
ロースマンの述べてゐるさころは正しい︒即ち彼は次の如く云ふのである︒
﹁債値創造的な行為さしての債値附
加 さ 債 値 破 壊 的
の行為こ
して
の債値喪失
'J
は釘立物さして相封J
減 憤 償 却 の 一 吟 味
して︑全く性
質を異にしたごこ
るの
﹁取引に條件
づけられた減債償却﹂の中に解消さ
れて了ったかの如
明確に
甑別されねばならないのである︒この黙に闘聯してグ
﹁経瞼は教へてゐる︒ 定根握﹂の節の下に於ては次の如く設かれてゐる︒
..
.
この引用は財産計算の説明の個所からである︒
. ` ヽ ヽ
然るに有機的損谷計算の篇で︑
第 七 巻
六四
第 四 琥
た
' y. J
へ後者が豫測可能の故に前
固定財陀の耐用期間の測定を介
また︑災厄
さ作用する加<恩惟されてゐる︒﹁取引に條件づけられた減債償却の決 重ね
て云
へば
︑
従ってこの減債は財産減少︑資本減少
4) F. Schmidt, a. a. 0. S. 162. 5) F. Schmidt. a a. 0. S. 163.
し我々が個々の企業家の観勘に立つならば︑
原因の如何を問はす︑あらゆる査本の消耗は同牧さるべき
事項が前述
v J やうな混沿を一般に惹起してゐるのである︒
勿論
︑
であ
る︒
何者によっても阿牧される理由がないの
従ってやがて最籾の前貸衣本の形
前節で明かにしたやうに︑
債値移韓と償値回牧
債伯移轄さなる減債ご財産
1 1 安本減少こなる減債
rこは明確に廊別されねば
ならない︒前者は債値移轄なるが故に他の財産の債値
3上に再現し︑
態で阿牧される︒こ4
では債値移轄ざ債値阿牧こが過程的に結びつけられ必然化されてゐる︒然るに後
者︑郎ち︑衰本減少こなる減債は︑債値移轄ではないが故に︑
かく云ふのは我々が客観的な祉合的事賓さして事柄を見てるる限りに於てゞある︒
従つ
て︑
も を更に突きす4めて問題さしてみようさ恩ふ︒
そこで我たは︑このやうな混詞の生する理由
即ち︑彼はその憚別をはつきり'こ捉んでゐる︒然しシュミットに於て見たやうに︑箪なる計罫上の
減 憤 償 却 の 一 吟 味
債値附加には無條件的に原債計算的な大いさが内在しておるが︑
6 ち︑不可避的な規則性及び生産制約性の場合にのみ然りである︒﹂然し︑
定の場合に原債計算に加へられる
r 4 しても︑決して債値附加ではない︒﹂ ﹁債値喪失減債償却はたごへ特
す ︒
・ 畜
債値喪失には條件的にのみ郎
6) H. Grossmann, Die Abschreibung vom Standpunkt der Unternehm‑
ung insbesondere ihre Bedeutung als Kostenfaktor, 1925, S. 7 7) H. Grossmann, S. 19
第 七 巻
六四
第 四 披
一四
は全く抽象的なものである︒第二の段階に於て︑
第 七 巻
六四
第 四 撃
一五
J ‑ ‑ 1
に至って我々は最も具個的な個別 この第三の段階に於ては︑同一部門内
以上の観察によって得られた智識
の構成部分の縫れ合ひに於て観察しないで︑それを一個の全髄的な資本さ見る場合である︒か
4る
全
ものさして映するであらう︒
そこでは債値移輯さ否ごの差異は存しないのである︒然しながら︑何故か
4
る差異の無親が企業に於て生ぜざるを得ないのであるか︒企業に於ける詣々の計算は云ふまでもなく
企業家のさり行ふごころである︒
従って︑企業家はかくかくに考へざるを得ないさ云ふ必然の筋みちを
明かならしめるこさなくしては︑我々は企業計算の意味を理解するこさを得ない︒
計算の主佃である企業︑或は一般の用語に従へば︑個別表本の
一般に個別資本さ云はれてゐるものには一二つの段階を福別せねばならないやうである︒第一は賓は個
別資本ではなくして︑社會的練査本の一形態にすぎないのである︒郎ち︑それは社會的聰資本をその個々
個こしての資本の観察は個別資本に闘する多くの智識を典へてくれる︒然し︑こ
4では勿論︑競争︑平
均利潤
t云ふやうな具俯的な規定は典へられてゐないのであるから︑
する個別資本に直面する︒然し︑この段階に於てもなほ︑異れる産業部門間の資本の競争が示されるだ
けであって︑
減 債 償 却 の 一 吟 味
我々は平均利潤の前提の下に立つ
'J
Jころの多数の競争
もつご具罷的には第一1一の段階の規定を必要さする︒
部に於ける資本の競争が更に考慮に入れられてくるのであって︑ 概念を必要なかぎりで規定しておきたいさ思ふ︒ さて︑直接︑問題に立ち入るまへに︑
てみる︒すると︑平均的な糾成の資本
Aに於ての
みは︑その減債償却分は市場に於ける商品から解析し
平均的な組成の衰本︑
(B ) 平均以上に優れた組成
の資
本︑
(C
) 平均以下
の組成の資本︑の三つに分つ
そのなかには社會的平均的なものが貫徹されてゐ
るかざり︑その債格︑従ってまた債値も等一であり︑
その債値構成も等しいさ見なければならない︒同
以上のやうな規定を前提しておいて
注資本の概念に到逹するのである︒
減 債 償 却 の 一 吟 味
Q註
︶木
村和
=︱
一郎
氏は
個別
資本
の概
念を
危業
衰本
と貸
付贅
本と
の分
離の
段階
に於
て具
骰的
に規
定す
べき
こと
を主
張さ
れて
ゐる
︒我々はこれを弟四の段階に於てとりいれることができると考へる︒
然し
こ
Aで
は︑
共賞
つて
は︑
こ
4ま
8 で下りてくることを必要としないc
尋ねてみよう︒
的減債のみを考へてゐる︶
債値移韓的減債のなかに財産的減債が解泊されるに至る理由を
いま︑こ\に巨大な堆稜ごして示された商品をさつてみる︒
様にして︑債値形成分こしての固定資本の減債償却部分.︵こ4では勿論︑基本的な減債︑
帥ち債値移轄 は︑滴品のごの個片についても等しい筈である︒蓋し︑市場に現はれてゐる
商品は社會経消的過程の具現さしては無差別であり︑
ると見ねばならないからである︒然るに︑我々がさきに見たやうな最も具腔的な意味での個々の個別資 本についてみれば︑減債償却分は必すしも各個別衰本毎に等額であるわけがない︒いま個別衰本を
( A )
Jの商品堆積が同一稲類の生産物から成 第
七 巻
六四
四
第 四 琥
一 六
8)木村利三郎、資本循環公式を基礎とする勘定昂昇兌への一批判、翻替網浣研究 第十六冊、 p37‑49.
れるかぎりで通常の減債償却に加へられる︒
第 七 巻
六四五
第 四 撃
一七
その有効年敷に配賦され︑通 それが豫測さ の損盆計算は︑かく考へるこさによつて︑債値移韓的減債さ財産的減債ビの差別を彿拭するのである︒ そのまし債値移轄さしては現はれないのである︒
然し︑この場合︑
の債値移轄的減債は一〇さしてのみ通用するのである︒然るに︑個々の企業家はか
4る平均的なものを
ある︒然し︑その結果︑企業に於ける減債償却分の計算は債値移轄の計算さはなり得すして︑
の計算ごならざるを得ないのである︒郎ち︑企業は幾何が債値阿牧を要するものさして計上されねばな
投下された資本は︑それが消粍するかぎり︑
戌 買 嘗 印 の 一 吟 床
その原因の如何を問はす︑
その結果は︑我々がさきに見たやうに︑競争によって生する経演的減債や災厄的減債も︑
また︑購入した特許樅や暖簾なざの如き箪なる牧谷の債格
にすぎす︑如何なる意味に於ても生産費に入り得ない性質のものまでも︑
阿牧されねばならない︒企業
親駆が獨立化する︒ らないかを専ら問題さするに至るのである︒
かくして︑憤値移轄さ債値阿牧が分岐し︑債値阿牧さ云ふ
債値阿牧 計算するものでなく︑また︑計算しうるものでもない︒彼らはそれ人\に特殊的なものを計算するので は一五を現賓に消粍してゐるであらう︒ 牧でもある︒然るに︑BまたはC
に於
ては
︑
出されるそれさ等しい︒
彼らが現貨に消耗したてころの固定貸本部分は必らすしも
平均的な減債償却部分が一
0
である場合にBは六
︑
従っ
て︑
Aについて云ふ限り
減債償却分は債値移轄であるさ同時に債値阿
BにさつてもCにさつても︑社會的には︑
c
そ
・ 鼻
年度には大なる償却をなし 減債償却法を用ふるのが好ましいさ云つてゐるこさである︒
その理由はかうである︒即ち︑すでに償却
る︒勿論︑企業計算に於ける現賞の消耗は︑か4る輩なる同牧であり︑且つ利潤の留保であるところの 以て資本の阿牧を早からしめるのであ かくして︑企業は利洞大な 益
柳ち︑投下資本の一部分ではあるも
企業家的に計算されたものを代表してゐる︒
その消粍部分は社會的平均的なものを代表しないさして 然し︑以上述ぺたやうな減債償却は
r
こも角F 常減債償却に加へれらるに至るのである︒
減 債 償 却 の 一 吟 味
個々の企業が投下した資本のうち現寅に消粍したこ︑
も︑さも角︑祉會的平均には参加する︒然るに︑これらが資本債値阿牧ごして考へられてゐるにめに︑
事柄はやがて次のやうな事賓にまで褻展せざるを得ないのである︒
の4未だ現貨に消粍してゐない部分までもが回牧部分として減債償却に加算されることこれである︒
し︑投下資本は早く阿轄すればするほざ利潤率セ大ならしめるからである︒
る年度には固定資産の減債償却を寅際の消耗見精以上に計上し︑
超過償却さは甑別されねばならない︒然し︑附者が全く同一に取扱はれてゐるこさも亦︑賓際である︒
これに闘聯して興味のあるのはシュマーレンバスの次の言葉である︒即ち︑彼は機械設備が新疲明に よって債値セ喪失する場合に闘して︑彼の所謂︑劣後化減債償却
(O be rh ol gg sa b咎 百 ei bu ng )
は下降的
すみの額が大なれば大なるほご︑新疲明の出現によって蒙る打撃は少ない筈であるから︑
資本投下の初 後年度に移るにつれて選減せしめるのが望ましいさ言ふのである︒この主
第 七 巻
六四六
第 四 撃
一八
9) E. Schmalenbach, Ober Abschreibungen. Zeitschrift f. handelswissen‑
schaftliche Forschung, Jg., 23, S. 198.
一旦慨別されたこの二つの減債が後には混同せらる4に至る経路を明かならしめた︒然し︑
我々は今まで財産的減債︑こ債値移轄的減債さを酎立せしめて来たが︑
減債を構成し︑如何なる場合が債値移轄的減債さなるかについては突き進めて論證するさころがなかつ
れる経清的減債及び災厄的減債をこれに含ましめておいた︒第一のものについてはそれが財産的減債に
属するこさはおそらく證明を必要さはするまい︒然し︑第一ー一及び第三については必らすしも私見は一般
減 債 償 却 の 一 吟 味
の承認を得べしさは恩はれない︒論證を必要とする︒
第 七 巻
六四七
第 四 鑢
1九 た︒我々は財産的減債さしては︑特許櫂︑暖簾等の擬制的債格の効力期限の消耗︑道採的磨滅さ稲せら 具個的に如何なる場合が財産的
四 減 債 原 因 論
ャ ば
3で
ある
︒
我々は︱つの獨断を前提して議論をす4
めて
ゐた
︒
いまやその獨断に證明を典へねばならぬ段階さなっ
つ ︑ 以上︑第二節及び第三節の説明に於て︑ 語れるものである︒ 張は投下資本の阿牧ビいふことが︑減債償却に於て示される企業家の最大の闘心事であるここを明瞭に
その際 我々は債値移轄的減債ビ財産的減憤この低別を明瞭にし︑且
る︒例へば第一に︑ 反はやがて疲展して それは債佃形式的に作用するものではない︒即ち︑本来の意味の生産費を構成するものではない︒それ資本同牧計算こなるにすぎない︒これが私の主張である︒こ
'y
Jがあるが︑こ4では更に別の親勘から詳論したいさ思ふ︒然し︑順序さして︑まづ減債の原因から
考へてゆきたい︒なほ︑以下では機械設備等の固定財産についてのみ考へ︑
して産業資本をさるこさ\する︒
除外しておく︒ 従って︑考察は専ら生産の過程に闘聯し︑流通の過程に闘するものは
作用による消耗である︒共に物理的磨滅さも稲せられる︒然し︑この二つの原因は艇々相反した性貨の
ものさ考へられてゐる︒郎ち︑使用による消耗は令目的使用乃至は努働さ結びつけられるが︑自然の作
用によるそれは不使用乃至は箪なる時間の経過さ結びつけて理解される︒
債値移轄的減債ご爾餘の雑多な理由から構成される減債ごの到立ごもなるのであ
最も純粋に時の経過を以て減債原因さ看倣されるものに特許植その他櫂利の有効期 債値移轄的減債には二つの原因が學げられる︒
.
は利潤からの控除たるべきものである︒"
も ︑
r
自J
Jの二つの原因の外見●の相 一は固定財産の生産的使用であり︑他は自然の また︑典型的な個別資本と この問題についてはすでに別の機會に述ぺた それは投下資本の消耗ではあるが債値移轄さはならす︑箪なる 問題はかうである︒経溝的減債及び災厄的減債は︑仮りにその程度が精密に豫測されうるさしても
減 債 償 却 の 一 吟 味
第 七 巻
ハ四八
第 四 賊
1 1 0
10)拙稿。本誌畜第六巻一賊、及び 担害保瞼佑究 第三巻第三披、
減 債 償 却 の 一 吟 味
我々は以上のやうな疑問に答へねばならない︒
第 七 巻 六 四 九 第 四 賊
例へば刀剣や鐵道のレ
ださすれば︑経溝的減債や災厄的減
盛埃ご化した棉花は一見︑無
間の消耗がある︒然し︑この種のものが箪なる企業家的阿牧計算に過ぎないこさはすでに指摘した通り
である︒第二に︑使用に基かない減債こしては経蒋的減憤及び災厄的減債が考へられる︒
は自然の作用による消耗
e
同様に債値移轄的減債さ考へるこさができるのではないか︑ そこでこれら また︑合理的使用に基づく債値移轄的減債に於ても次のやうな場合がある︒例へば棉花を紡績機械にる︒にも拘らす︑この鹿埃さ化した部分の債値は綿絲に入りこんだ棉花部分の債値さ共に︑
を構成するものさ考へられる︒
綿絲の債値
これ恰かも︑石炭は綿絲の使用債値のなかには現はれないが︑
ほ動力さして用ひられた限りでは綿絲の債値に入りこむのご全く同じこさである︒勿論︑此の例は流動 資本に闘聯する︒然
し︑固定資本についても同様な閥係が移され得やう︒
駄こなった債値である︒にも拘らす生産物の上に債値を移轄する︒
債の如き無駄ごなった固定財産債値も亦︑債値形成的と考へられてい4のではないか︒
もま4ぷ年起されでくる︒
さて︑自然の作用による固定財産の減債は如何なる意味をもつものであるか︒ かける際︑その棉花の全煎盤が綿絲に再現するものでなく︑
しかもな
このやうな疑問
その一部分は塵埃ごなつて空中に飛散す
然に提起されてくる︒ さ云ふ疑問は賞
11)近藍文二、保瞼の本質と保瞼料の本質、損害保政研究盲第三巻第四猿、
紡紐努働に伴ふ不可避な結果であるからである︒ それは勿論︑棉花の一部の塵埃化が 箪 る︒この事賓は人間の生理的要求から︑努働過程が日々中断されるさしても何ら菱化を蒙るものではな かくして︑物理的磨滅に於 Jの場合自然の作用は機械の合 が二十四時間を通じて中断しないものさ仮定すれは︑自然そのものさ作用が直接︑固定財産の債値移轄 の掃除や注油竺本ふこさが含まれてゐる︒﹁使用﹂さ﹁自然の作用﹂さは物理的磨滅の蚊立 機械の使用や耐久年限さ云ふ事項には機械 害な作用から固定財産を保誰するものなのである︒ 然るに︑努働はむしろか\る自然の有
減 債 償 却 の 一 吟 味
ールは大氣の作用により錆を生する︒これは一稲の磨滅である︒然し︑
産を使用せすに放置するとき最も大であるこさは注意を要する︒
人間の活動や壽命さ云ふこさのうちには人間がその
身個を滑浮にして︑休息するこさが前提されてゐるやうに︑
その
結果
︑
的な原因ではなくして︑むしろ前者は後者を焚形せしめるものであるさ云ふ結論に導く︒
的減慣を惹起するものではないさ云ふ事理が最も明瞭さなるであらう︒
理的使用︑努働による磨滅を経由するこさなくしては考へ得ないのである︒
なる時間の経過や使用の放棄乃至は停止は債値移轄的減債の原因たりうぺきものでない︒
次に棉花の塵埃が何故︑綿絲の債値を形成しうるかを考へよぅ゜ か4る自然の作用は人が固定財
もし努働過程
ける﹁使用﹂ご﹁自然の作用﹂ざ云ふ相反は人間の生産的労働さ云ふ事賓によって統合されるのであ
い︒生産的努慟y直接︑結びつくここなくして固定財産の債値移轄的減憤なるものは考へられない︒
然しある事賓が不可避的に伴はれるi
云ふ
こっ
こは
未だ
第 七 巻
六五0
第 四 鑢
さは何であるかをまづ理解してゐなくてはならない︒
第 七 巻
六五
第 四 鰊
その棉花の燒失は債値形成的である︒ 様に 不可避的に︑同定財南を用ひて行ふ生産に結びついてゐるであらう︒に於て考へられ忙生産の不可欠的條件たるものではない︒恰かも︑一定登の監督労働なるものは生産にさ
然し︑何ら憤値形成的なものさは考へられないのさ一般である︒では積極的に如
一般に生産手段の憤値をその生森物の上に移行せしめるものは有目的努働である︒
それらは企 我たは生査
の下で灰さなるさ云ふことは同じ石炭が貯蔵所で失火のため灰さなるこ云ふこ\さは異るのである︒
もし棉花が紡錘の上でその一部分を燃燒せしむるここなくしては綿絲さはなり得ないとすれば︑
虞 頁 貫 印 の 一 吟 味
然し︑棉花が倉庫で燒熾するこごは債値形成ではなくして財産
11
資本破壊である︒たさへ後の事件が如何に大数的に不可避なものを代表してゐるさしても︒
経清的減憤や災厄的減債は企業家自身に闘係したこさがらであって生産物たる商品それ自身の興り知
ったこさがらではない︒企業家が如何なる計算的操作をなさうこ︑ 何なる條件があるボ項を債値形成的たらしめるのであるか︒
それは自由である︒然し︑事態はそ
れによって何等愛化はしない︒これらの財産的減債は債値移轄的減債さはならぬのである︒
家家の利潤によって1または資本によって││負招されてゐるのである︒ 同
ふ ︒
石炭がポイラー
我々は目的を持つた努働がそれだあるさ云
つて不可欠であるが
然し
︑ それは債値形成さ言ふ意味 以て︑それを慣値形成的たらしめる條件ではない︒なるほざ工場の火災は益然率から考へれば︑まさに
では生産要因の消耗額セ超える餘剰が存在する︒
然しやがて競争はこれら部門間の生産物の交換
Jの柿填が利潤よりの控除によってなされねばならぬ
而して︑この餘剰の一部分が右の補填に充賞さると
J るものさすれば︑次の年度の固定資本の在高は九〇ざなり︑ 次に災厄的減債について 一般に生産力の増加っこ
かで
ある
︒ 減
債 償 却 の 一 吟 味
さこ
ろで
︑
然し︑この七張は経渭的減債については該裳しないこさは直ちに明
何故なら︑経済的減債は優秀な機械設備が出現し︑これによって︑
されるに至るその程度に應じて︑減債ビして現はれ来るものであるからである︒
なつて現はれる資本構成の高度化は突如こして起るものではなくして常に蓄積の進行さ共に起るもので
ある︒従って経惰的減債の痰生のなかに社會的再生産の萎縮を見るこさは営らない︒
椴りに固定衰本の在高の一
0
.ハアセントが年々︑社會的に災厄的磨減を蒙するごすれば︑第一1一年度の固定資本在高は八一さなるであらう︒
になる︒このこさは災厄的磨滅が年々補填されない限り起る︒
さによって事態は支障なく進行しうるのである︒
こごはすでに述べたさころである︒
業部門間の正味利澗李に著しい差を生するこさになる︒ よりよ(社會的需要が満
更にこの競存在高の一o·~アセントが靡滅
かくて年た︑縮少の一路をたざるこさ
然し︑生産力のある程度まで進んだ段階
勿論︑経惰的減債や災厄的減慎のために生する利潤よりの控除が産業部門毎に著しく異る場合には産 る︑ビ言ふ反封説が考へられ・うる︒
経消的減債や災厄的減債を債値形成的でないとするならば︑祉會的再生産が不可能さな
第 七 巻
六五
第 四 撃
ニ四
• :
用﹂こ﹁自然の作用﹂との結合はせが種々に愛化する︒
第 七 巻
六五
第 四 撃
二五 且つ︑操業短縮の場合に見るやうに︑機械設備 さて︑この問題ヽぜ考へるについては︑ そ
五
特に大または小である︑さ云ふ減債危瞼の差等は相殺せられる︒この場合にはこれら減債の負櫓は産業のー部門間の利潤の移動によって虐理せられるこさは背つて論じた
"
JJ
ころであるC然し︑あらゆる部門に普
偏的に存在するさ考へられる一般的な減債の危瞼も問題さなるのであって︑
か4る一般的な意味での経惰的及び災厄的減債であったのである︒
減 債 と 平 均 計 算
以上によって我々は経憐的減債乃至は災厄的減債を憤値移轄的減債から明確に甑別し得たさ恩ふ︒
こで︑我々は更に進んで債値移韓的減債そのものをもう少し吟味したい︒
方乃至は割合でその生産物の上に債値移轄をなすか︑
もそれは社會的平均的な充用度に従ふものさせねばならない︒
長時間の充用がなされ︑若しくはそれ以下しか利用されないさすれば︑
減 債 償 却 の 一 吟 味
さ云ふ黙である︒ 比例を偏俯せしめて︑正味利潤率の平均を齋らすのである︒
それは固定財産が如何なる仕
固定財産の充用強度が一定であるさ前提せねばならない︒しか
債値移轄減債の原因である﹁使
の利用されない部分に生する減債は債値移轄的ではなくして財産的減憤さならねばならないであらう︒ もし︑ある企業に於て︑その程度以上に 我々がこLで考察したのは その結果︑産業部門固有の性質に基づいて
12)本誌、第六巻第一猿、 p. 116以下、
ものを推算するこさはできない︒
減 債 償 却 の 一 吟 味
かくの如く事柄を複雑ならしめるが故に︑我々は平均的充用度を前提ごせねばならない︒
的に若しくは特定の率で債値移轄が生じたものご考へるものであり︑
はれだ使用債値損耗の程度に應じて︑
な方法でないこさは周知のここがらである︒
不合理であるのみならす︑憤値移轄計算ごしても正賞ではない︒何故なら第一に︑
たやうに︑同定資本は使用債値さしては全部的に機能しつゞけながら部分的に債値を移轄せしめてゆく
ものであり︑またその使用債値は年々︑潜在的に消耗を重ねてゆき︑
率減退または使用不能さなつて硯はれるが故である︒従って︑
か\る外形的に表現された局所のみを捉 へることの不嘗なるは云ふまでもない︒第二に︑仮りに損耗が形態上に現はれた黙を以て債値移轄が起
ったものご考へるにしても︑
そのこさは社會経渭的には通用しないのである︒何故なら︑使用憤値の損
耗が外形上に現はれた年度に於てのみ特に生産物債値をそれだけ高めるこさは︑
ものが貫徹される以上︑不可能ご云はねばならないから︒
けれざも生産者間の競争を問はないとしても︑すでに需要さ供給の間
勿論︑個々の企業の内部では社會的平均的な
競争によつて平均的な
その一程度の累積の後に初めて能
すでに第一節で躙れ
それは債値同牧計算
t云ふ計算技上術の理由から云つても その都度 その額だけ償却するものである︒この後の方法が正賞
絶対的償却は固定財産の外形に硯
理的又は計理的償却であり︑他は絶封的償却である︒
計理的償却
y)
は固定財産の耐用年限に一旦つて平均 以上のやうな前提をおいて通常の減債償却の仕方には︑大別して︑二つの仕方がある︒卯ち︑
第 七 巻
六五四
第 四 賊
一は
學
1一 六
至は上昇償却法が用ひらるべきであらう︒また
第 七 巻
六五五
操業時間が社曾的平均以上であり
第 四 猿
二七 また鐵道に於けるが如く長年に一旦る 計理的償却法に属するものであって︑ の競手の存在は企業者をして︑
その企業の埒内に於ても︑平均計算を行はしめるのである︒
t 登μ
通常の減債償却は原理上その耐川期間に平等に割宛てられるこごになるのである︒
Q註︶減憤償却額が年々同額であることを︑坪論上︑要求するものにシュミットがあるc
設備の生忙物がその設備利用の稲々な年度に於て︑児った高さの費用を負招すると云ふのは論珂に合はない︒何故
なら高い負控を課せられた年度には︑その慣格では企業は︑費用負担の少ない年度に比して︑咲しく焚弔能力を弱
めるであらうから﹂と
尤もシュミットの場合には︑年々遡減してゆく固定査本在高に到する利子額を計坑に入れ︐"
以上の如く︑債伯移縛的減債償却は原則>こして同額償却によらねばならない︒
同一であるさ前提する限りに於てゞある︒元米︑絶釘的償却法なるものは︑固定財産の損耗度の大さな る年度に大なる償却をなさんさ試みるこさによって不合理に陥ったのであるが︑
る年
度︑
正確に云へば生産抽の大なる年度に大なる償却をなさんさする計算方法もある︒
同額償却法の外に下降償却法及び上昇償却法のあることは周知の 通りである︒この場合︑機械設備が新しい間は生産薗が大であり︑
建設工事が完成した後の年度に於て初めて生産高乃至は給付高が比較的
K
さなるものさすれば︑下降乃
従って︑それだ 減 債 償 却 の 一 吟 味
これは勿論︑
反封に使用能率の大な
た上で︑減憤償却額が同額となるやうに考へられてゐる︒
然し︑それは生産椛が 彼
は云
つて
ゐる
︒﹁
同一
の
かく
して
︑
13) F. Schmidt, a. a. 0. S. 185.
計算に轄形するに至るかの代路を示した︒
ー 喜 的 減 債 及 び 災 厄 的 減 債 の 場 合
第二に憤値移蒋計算が如何にして債値同牧 以上述べたこごがらを要約しよう︒
六
求が根強く表現されてゐるさ見るこさができる︒ これを要するに︑固定財産充用度が社會的平均的であり︑生産批が一定であるさする場合︑債値移轄 れ
ば︑
り︑同額償却法が用ひられねばならない︒
減 債 償 却 の 一 吟 味
そこに憤値移縛計算以上に債値
I P l
牧計算が潜んでゐるものご見なければならない︒
却法が用ひらるべきごぎに同額償却法が用ひられたさせば︑右こ同様り結果
'J Jな
る︒
的減債は理論上︑年々︑同額の償却さして計算さるべきものである︒然し︑賓際には︑上昇償却法より
は同額償却法︑後者よりは下降償却法がより一般に用ひられるこ云ふ事質のうちには︑
要約及びグロースマンの減債償却分類
また
︑
上昇償
債値回牧への要
我々はまづ特別減債償却
U j 性質に疑問をいだいた︒この疑問を解
くため︑第一に債値的減債
n i財産的減債さの差異を明にし︑
そして第三に経洲的減債及び災厄的減債が何故︑利潤よりの
控除であり︑債値移轄的減債さならないかの珂由を説明した︒
但し︑以上の詮明に於ては︑通常の減債償却の計罪に裳つて︑ もし︑それが用ひられすして︑下降償却法が用ひられるさす け生産訛が大であるさすれば︑減債償却額も大さならねばならぬであらう︒然し︑生産高に愛化な苔限
第 七 巻
六五六
第 四 競
ニ八