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復興特別法人税の創設 第 5 章復興特別法人税第 6 章復興債の発行等第 7 章復興特別税の収入の使途等附則 2 法案成立までの経緯 ⑴ 法案提出までの経緯平成 23 年 7 月 29 日に東日本大震災復興対策本部で決定された 東日本大震災からの復興の基本方針 に基づき 東日本大震災からの復旧 復興

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復興特別法人税の創設

一 創設の経緯

1  東日本大震災からの復興のための施策

を実施するために必要な財源の確保に関

する特別措置法の制定

 復興特別法人税は、東日本大震災からの復興の ための施策を実施するために必要な財源の確保に 関する特別措置法(以下「復興財確法」といいま す。)により創設されたもので、その第 5 章にお いて29か条にわたり、納税義務者、税率など所要 の事項を規定しています。  この復興財確法の趣旨は、その第 1 条において、 「この法律は、東日本大震災(平成23年 3 月11日 に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う 原子力発電所の事故による災害をいう。以下同 じ。)からの復興を図ることを目的として東日本 大震災復興基本法 (平成23年法律第76号)第 2 条 に定める基本理念に基づき平成23年度から平成27 年度までの間において実施する施策(以下「復興 施策」という。)に必要な財源を確保するための 特別措置として、財政投融資特別会計財政融資資 金勘定からの国債整理基金特別会計への繰入れ並 びに日本たばこ産業株式会社及び東京地下鉄株式 会社の株式の所属替等の措置を講ずるとともに、 復興特別所得税及び復興特別法人税(以下「復興 特別税」という。)を創設するほか、当該財源に ついての公債の発行に関する措置等を定めるもの とする。」と規定されています。つまり、復興特 別法人税は、東日本大震災からの復興を図るため に実施する施策に必要な財源を確保する特別措置 の一環として、時限的な税として創設されたもの です。  なお、復興財確法は、次のとおりの構成となっ ています。 第 1 章 総則 第 2 章  財政投融資特別会計財政融資資金勘定か らの国債整理基金特別会計への繰入れ 第 3 章  日本たばこ産業株式会社及び東京地下鉄 株式会社の株式の国債整理基金特別会計へ の所属替等 第 4 章 復興特別所得税 目    次 一 創設の経緯……… 836 1  東日本大震災からの復興のための施 策を実施するために必要な財源の確保 に関する特別措置法の制定 ……… 836 2  法案成立までの経緯 ……… 837 二 復興特別法人税の条文構成及び各条の 要旨 ……… 837 三 復興特別法人税の内容……… 839 1  復興特別法人税の概要 ……… 839 2  納税義務者 ……… 839 3  基準法人税額 ……… 840 4  課税事業年度 ……… 841 5  納税地 ……… 845 6  課税標準 ……… 845 7  税額の計算 ……… 852 8  申告、納付及び還付等 ……… 859 9  その他 ……… 865 10 復興特別法人税に係る法人税法の適 用の特例等 ……… 867

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第 5 章 復興特別法人税 第 6 章 復興債の発行等 第 7 章 復興特別税の収入の使途等 附則

2  法案成立までの経緯

⑴ 法案提出までの経緯  平成23年 7 月29日に東日本大震災復興対策本 部で決定された「東日本大震災からの復興の基 本方針」に基づき、東日本大震災からの復旧・ 復興のための事業に充てる財源としての税制措 置及びB型肝炎対策の財源としての税制措置に ついて検討するため、同年 8 月 4 日に、税制調 査会の下に、財務省、総務省、内閣府等の関係 副大臣で構成する「復興・B型肝炎対策財源作 業チーム」が立ち上げられました。  この作業チームでは 7 回にわたり、基幹税な どの留意点や個別税目ごとのイメージ、論点に ついて議論が重ねられ、その作業の結果として、 「複数の選択肢」に係る試算例を税制調査会に 報告し、総理からのご指示も踏まえた上で、同 年 9 月20日に東日本大震災復興対策本部に時限 的な税制措置の「複数の選択肢」が報告されま した。  その後、東日本大震災復興対策本部に報告さ れた時限的な税制措置の「複数の選択肢」をベ ースに、民主党税制調査会や与党内での議論が 行われ、同年 9 月28日に政府・与党合意がとり まとめられました。  この合意された内容を含む「平成23年度第 3 次補正予算及び復興財源の基本的方針」が同年 10月 7 日に閣議決定され、これに基づき、時限 的な税制措置を含む復興財確法案が同年10月28 日に国会に提出されました。 ⑵ 法案提出から成立までの経緯  国会提出後、税制措置の内容について、民主 党、自由民主党及び公明党の税制調査会長間で 協議が行われ、税制措置に関しては、政府法案 に含まれていたたばこ税に係る臨時的な負担は 盛り込まない、復興特別所得税の税率は2.1% とし、その期間を25年間とする内容で最終的に 合意され、議員修正が行われました。  以上の経緯を経て、本法案は、衆議院を平成 23年11月24日に通過し、参議院で同年11月30日 に可決成立し、同年12月 2 日に公布されていま す。また、復興特別法人税に関する政省令も次 のとおり公布されています。 ・ 復興特別法人税に関する政令(平24. 1 .25 政令第17号) ・ 復興特別法人税に関する省令(平24. 1 .25 財務省令第 7 号)

二 復興特別法人税の条文構成及び各条の要旨

 先に述べたように、復興特別法人税は、復興財 確法第 5 章において規定されています。その各条 の要旨を簡単に示せば、次のとおりです。 〈条文構成及び各条の要旨〉 条項 趣  旨 内    容  [第 5 章 復興特別法人税] [第 1 節 総則] 40 定義  内国法人、外国法人、公益法人等、人格のない社団等、連結親法人、 連結子法人、連結完全支配関係、収益事業、連結所得、指定期間、事業 年度、連結事業年度、法人課税信託、復興特別法人税申告書、修正申告書、 更正請求書、更正、附帯税、充当及び還付加算金につき定義しています。 41 人格のない社団等及び法人  法人とみなすこととしています。 課税信託の受託者への適用  法人課税信託の信託資産等及び固有資産等ごとに別の者とみなすこと 等としています。 42 納税義務者  法人は、基準法人税額につき、復興特別法人税を納める義務があるこ ととしています。 43 課税の対象  課税事業年度の基準法人税額に課することとしています。 44 基準法人税額  各事業年度の所得又は各連結事業年度の連結所得に対する法人税の額 (留保金課税、法人税法上の税額控除、土地重課税、使途秘匿金課税を適 用しない場合の法人税額)としています。 45 課税事業年度  指定期間(H24. 4 . 1 ~27. 3 .31)内に最初に開始する事業年度開始の日 から 3 年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度としています。  新設法人等、合併法人等については特例があります。 46 納税地  法人税の納税地と同一としています。 [第 2 節 課税標準] 47 各課税事業年度の復興特別 法人税の課税標準  課税標準は、各課税事業年度の課税標準法人税額としています。 課税標準法人税額は、基準法人税額としています。  36月超法人、新設法人等、合併法人等については特例があります。 [第 3 節 税額の計算] 48 税率  10%としています。 49 復興特別所得税額の控除  復興特別法人税の額から復興特別所得税の額を控除するものとしてい ます。 50 外国税額の控除  外国税額が法人税の控除枠を超える場合に控除するものとしています。 51 税額控除の順序  まず外国税額の控除をした後に、復興特別所得税の額を控除するもの としています。 52 連結法人の復興特別法人税 の個別帰属額の計算  各連結法人に復興特別法人税の負担額として帰せられる金額は、課税事業年度の法人税負担帰属額から減算調整額を控除した金額としていま す。  各連結法人に復興特別法人税の減少額として帰せられる金額は、課税 事業年度の減算調整額から法人税負担帰属額を控除した金額又は法人税 減少帰属額と減算調整額との合計額としています。  軽減税率等の適用がある連結法人は、平均税率により計算するものと しています。 [第 4 節 申告、納付及び還付等] 53 課税標準及び税額の申告  課税標準法人税額がある場合に申告する義務があることとしています。  申告期限を法人税と同じ事業年度終了後 2 月以内としています。法人 税について申告期限の延長がある場合にも、法人税と同じ期限としてい ます。  租税特別措置法による利子税の特例について準用するものとしていま す。 54 還付を受けるための申告  申告する義務がない場合で控除しきれなかった復興特別所得税の額が あるときは、その還付を受けるための申告をすることができるものとし ています。 55 復興特別法人税の期限内申 告による納付  申告期限内に納付する義務があることとしています。 56 復興特別所得税額の還付  申告書に記載がある控除しきれなかった復興特別所得税の額を還付す ることとしています。 57 更正の請求の特例  法人税又は復興特別法人税の修正申告又は更正決定に伴うその後の課 税事業年度の復興特別法人税の更正の請求につき法人税法80条の 2 を準 用するものとしています。 58 青色申告  法人税の申告に合わせるものとしています。連結納税の承認を受けて いる場合も同様です。  法人税法130条 2 項(青色申告の場合の理由附記)を準用するものとし ています。 59 更正等による復興特別所得 税額の還付  更正等により増加した控除しきれなかった復興特別所得税の額を還付することとしています。 [第 5 節 雑則] 60 代表者等の自署押印  法人税法151条を準用するものとしています。 61 連帯納付の責任  連結子法人等に復興特別法人税について連帯納付の責任があるものと しています。 62 当該職員の質問検査権  法人税法と同様に規定しています。 63 復興特別法人税に係る法人 税法の適用の特例等  法人税法、租税特別措置法、国税通則法等他の法令における復興特別法人税の扱いについて、所要の読替え等を規定しています。 [第 6 節 罰則] 64 ~ 68 ⎧ ⎜ ⎜ ⎜ ⎜ ⎩ ほ脱犯、無申告ほ脱犯、 申告書不提出犯、自署 押印義務違反、検査忌 避犯、両罰規定等 ⎫ ⎜ ⎜ ⎜ ⎜ ⎭  法人税法と同様に規定しています。  [附則] ─ 837 ─

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条項 趣  旨 内    容  [第 5 章 復興特別法人税] [第 1 節 総則] 40 定義  内国法人、外国法人、公益法人等、人格のない社団等、連結親法人、 連結子法人、連結完全支配関係、収益事業、連結所得、指定期間、事業 年度、連結事業年度、法人課税信託、復興特別法人税申告書、修正申告書、 更正請求書、更正、附帯税、充当及び還付加算金につき定義しています。 41 人格のない社団等及び法人  法人とみなすこととしています。 課税信託の受託者への適用  法人課税信託の信託資産等及び固有資産等ごとに別の者とみなすこと 等としています。 42 納税義務者  法人は、基準法人税額につき、復興特別法人税を納める義務があるこ ととしています。 43 課税の対象  課税事業年度の基準法人税額に課することとしています。 44 基準法人税額  各事業年度の所得又は各連結事業年度の連結所得に対する法人税の額 (留保金課税、法人税法上の税額控除、土地重課税、使途秘匿金課税を適 用しない場合の法人税額)としています。 45 課税事業年度  指定期間(H24. 4 . 1 ~27. 3 .31)内に最初に開始する事業年度開始の日 から 3 年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度としています。  新設法人等、合併法人等については特例があります。 46 納税地  法人税の納税地と同一としています。 [第 2 節 課税標準] 47 各課税事業年度の復興特別 法人税の課税標準  課税標準は、各課税事業年度の課税標準法人税額としています。 課税標準法人税額は、基準法人税額としています。  36月超法人、新設法人等、合併法人等については特例があります。 [第 3 節 税額の計算] 48 税率  10%としています。 49 復興特別所得税額の控除  復興特別法人税の額から復興特別所得税の額を控除するものとしてい ます。 50 外国税額の控除  外国税額が法人税の控除枠を超える場合に控除するものとしています。 51 税額控除の順序  まず外国税額の控除をした後に、復興特別所得税の額を控除するもの としています。 52 連結法人の復興特別法人税 の個別帰属額の計算  各連結法人に復興特別法人税の負担額として帰せられる金額は、課税事業年度の法人税負担帰属額から減算調整額を控除した金額としていま す。  各連結法人に復興特別法人税の減少額として帰せられる金額は、課税 事業年度の減算調整額から法人税負担帰属額を控除した金額又は法人税 減少帰属額と減算調整額との合計額としています。  軽減税率等の適用がある連結法人は、平均税率により計算するものと しています。 [第 4 節 申告、納付及び還付等] 53 課税標準及び税額の申告  課税標準法人税額がある場合に申告する義務があることとしています。  申告期限を法人税と同じ事業年度終了後 2 月以内としています。法人 税について申告期限の延長がある場合にも、法人税と同じ期限としてい ます。  租税特別措置法による利子税の特例について準用するものとしていま す。 54 還付を受けるための申告  申告する義務がない場合で控除しきれなかった復興特別所得税の額が あるときは、その還付を受けるための申告をすることができるものとし ています。 55 復興特別法人税の期限内申 告による納付  申告期限内に納付する義務があることとしています。 56 復興特別所得税額の還付  申告書に記載がある控除しきれなかった復興特別所得税の額を還付す ることとしています。 57 更正の請求の特例  法人税又は復興特別法人税の修正申告又は更正決定に伴うその後の課 税事業年度の復興特別法人税の更正の請求につき法人税法80条の 2 を準 用するものとしています。 58 青色申告  法人税の申告に合わせるものとしています。連結納税の承認を受けて いる場合も同様です。  法人税法130条 2 項(青色申告の場合の理由附記)を準用するものとし ています。 59 更正等による復興特別所得 税額の還付  更正等により増加した控除しきれなかった復興特別所得税の額を還付することとしています。 [第 5 節 雑則] 60 代表者等の自署押印  法人税法151条を準用するものとしています。 61 連帯納付の責任  連結子法人等に復興特別法人税について連帯納付の責任があるものと しています。 62 当該職員の質問検査権  法人税法と同様に規定しています。 63 復興特別法人税に係る法人 税法の適用の特例等  法人税法、租税特別措置法、国税通則法等他の法令における復興特別法人税の扱いについて、所要の読替え等を規定しています。 [第 6 節 罰則] 64 ~ 68 ⎧ ⎜ ⎜ ⎜ ⎜ ⎩ ほ脱犯、無申告ほ脱犯、 申告書不提出犯、自署 押印義務違反、検査忌 避犯、両罰規定等 ⎫ ⎜ ⎜ ⎜ ⎜ ⎭  法人税法と同様に規定しています。  [附則] ─ 838 ─ ――東日本大震災に係る復興財源確保法関係(平成23年12月)――

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 [第 5 章 復興特別法人税] [第 1 節 総則] 40 定義  内国法人、外国法人、公益法人等、人格のない社団等、連結親法人、 連結子法人、連結完全支配関係、収益事業、連結所得、指定期間、事業 年度、連結事業年度、法人課税信託、復興特別法人税申告書、修正申告書、 更正請求書、更正、附帯税、充当及び還付加算金につき定義しています。 41 人格のない社団等及び法人  法人とみなすこととしています。 課税信託の受託者への適用  法人課税信託の信託資産等及び固有資産等ごとに別の者とみなすこと 等としています。 42 納税義務者  法人は、基準法人税額につき、復興特別法人税を納める義務があるこ ととしています。 43 課税の対象  課税事業年度の基準法人税額に課することとしています。 44 基準法人税額  各事業年度の所得又は各連結事業年度の連結所得に対する法人税の額 (留保金課税、法人税法上の税額控除、土地重課税、使途秘匿金課税を適 用しない場合の法人税額)としています。 45 課税事業年度  指定期間(H24. 4 . 1 ~27. 3 .31)内に最初に開始する事業年度開始の日 から 3 年を経過する日までの期間内の日の属する事業年度としています。  新設法人等、合併法人等については特例があります。 46 納税地  法人税の納税地と同一としています。 [第 2 節 課税標準] 47 各課税事業年度の復興特別 法人税の課税標準  課税標準は、各課税事業年度の課税標準法人税額としています。 課税標準法人税額は、基準法人税額としています。  36月超法人、新設法人等、合併法人等については特例があります。 [第 3 節 税額の計算] 48 税率  10%としています。 49 復興特別所得税額の控除  復興特別法人税の額から復興特別所得税の額を控除するものとしてい ます。 50 外国税額の控除  外国税額が法人税の控除枠を超える場合に控除するものとしています。 51 税額控除の順序  まず外国税額の控除をした後に、復興特別所得税の額を控除するもの としています。 52 連結法人の復興特別法人税 の個別帰属額の計算  各連結法人に復興特別法人税の負担額として帰せられる金額は、課税事業年度の法人税負担帰属額から減算調整額を控除した金額としていま す。  各連結法人に復興特別法人税の減少額として帰せられる金額は、課税 事業年度の減算調整額から法人税負担帰属額を控除した金額又は法人税 減少帰属額と減算調整額との合計額としています。  軽減税率等の適用がある連結法人は、平均税率により計算するものと しています。 [第 4 節 申告、納付及び還付等] 53 課税標準及び税額の申告  課税標準法人税額がある場合に申告する義務があることとしています。  申告期限を法人税と同じ事業年度終了後 2 月以内としています。法人 税について申告期限の延長がある場合にも、法人税と同じ期限としてい ます。  租税特別措置法による利子税の特例について準用するものとしていま す。 54 還付を受けるための申告  申告する義務がない場合で控除しきれなかった復興特別所得税の額が あるときは、その還付を受けるための申告をすることができるものとし ています。 55 復興特別法人税の期限内申 告による納付  申告期限内に納付する義務があることとしています。 56 復興特別所得税額の還付  申告書に記載がある控除しきれなかった復興特別所得税の額を還付す ることとしています。 57 更正の請求の特例  法人税又は復興特別法人税の修正申告又は更正決定に伴うその後の課 税事業年度の復興特別法人税の更正の請求につき法人税法80条の 2 を準 用するものとしています。 58 青色申告  法人税の申告に合わせるものとしています。連結納税の承認を受けて いる場合も同様です。  法人税法130条 2 項(青色申告の場合の理由附記)を準用するものとし ています。 59 更正等による復興特別所得 税額の還付  更正等により増加した控除しきれなかった復興特別所得税の額を還付することとしています。 [第 5 節 雑則] 60 代表者等の自署押印  法人税法151条を準用するものとしています。 61 連帯納付の責任  連結子法人等に復興特別法人税について連帯納付の責任があるものと しています。 62 当該職員の質問検査権  法人税法と同様に規定しています。 63 復興特別法人税に係る法人 税法の適用の特例等  法人税法、租税特別措置法、国税通則法等他の法令における復興特別法人税の扱いについて、所要の読替え等を規定しています。 [第 6 節 罰則] 64 ~ 68 ⎧ ⎜ ⎜ ⎜ ⎜ ⎩ ほ脱犯、無申告ほ脱犯、 申告書不提出犯、自署 押印義務違反、検査忌 避犯、両罰規定等 ⎫ ⎜ ⎜ ⎜ ⎜ ⎭  法人税法と同様に規定しています。  [附則] 1  復興特別法人税に係る第 5 章については、平成24年 4 月 1 日に施行す るものとしています。ただし、復興特別所得税に係る部分については、 平成25年 1 月 1 日に施行します。

三 復興特別法人税の内容

1  復興特別法人税の概要

⑴ 復興特別法人税の納税義務者と税額の計算  法人は、基準法人税額につき、復興特別法人 税を納める義務があり、復興特別法人税の額は、 原則として、平成24年 4 月 1 日から平成27年 3 月31日までの間(指定期間)に開始する事業年 度(課税事業年度)の基準法人税額に10%の税 率を乗じて計算した金額となります。この基準 法人税額は、次の①又は②の法人の区分に応じ た次の法人税の額です。ただし、特定同族会社 の留保金課税、所得税額控除、外国税額控除、 仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に伴う 法人税額の控除、使途秘匿金課税及び土地譲渡 益追加課税を適用しない場合の法人税の額とし、 附帯税の額を除くこととしています。 ① 連結親法人以外の法人:各事業年度の所得 に対する法人税の額 ② 連結親法人:各連結事業年度の連結所得に 対する法人税の額  また、復興特別所得税の額及び一定の限度額 内の外国税額(内国法人のみ)については、復興特 別法人税の額から控除できることとされています。 ⑵ 申告、納付、還付等 ① 復興特別法人税の申告書の提出期限は、法 人税の申告書の提出期限と同一とされていま す。なお、課税標準法人税額がない場合には、 申告書の提出を要しません。 ② 復興特別所得税の額で復興特別法人税の額 の計算上控除しきれなかった金額がある場合 には、還付を受けるための申告書を提出する ことができることとされています。指定期間 後に開始する事業年度についても同様です。

2  納税義務者

 法人は、基準法人税額につき、復興特別法人税 を納める義務があり、各課税事業年度の基準法人 税額が課税の対象となります(復興財確法42、 43)。なお、人格のない社団等及び法人課税信託 の受託者である個人は、法人とみなされます(復 興財確法41①)。また、法人課税信託の受託者は、 法人税法と同様に、各法人課税信託の信託資産等 及び固有資産等ごとに、それぞれ別の者とみなし て、復興特別法人税関係の規定を適用することと なります(復興財確法41②)。  復興特別法人税は、実質的には各事業年度の所 得に対する法人税又は各連結事業年度の連結所得 ――復興特別法人税の創設――

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に対する法人税の付加税といえるものであり、納 税義務者は法人税法上の各事業年度の所得に対す る法人税の納税義務者と同範囲です。  すなわち、課税の対象となる各課税事業年度の 基準法人税額は後述するように各事業年度の所得 に対する法人税の額であり、法人税の対象となる 各事業年度の所得又は各連結事業年度の連結所得 がなければ生じ得ないものですから、法人税の納 税義務者が復興特別法人税の納税義務を負うこと になるということです。  各事業年度の所得又は各連結事業年度の連結所 得に対する法人税の納税義務のない法人、すなわ ち公共法人、収益事業を行わない公益法人等及び 人格のない社団等、国内源泉所得を有しない外国 法人は、基準法人税額がないため納税義務を負う ことにはなりません。連結子法人(単体申告をす べき連結子法人を除きます。)や平成22年10月前 に解散した清算予納中の法人も同様です。

3  基準法人税額

 復興特別法人税の課税の対象となる基準法人税 額とは、法人税の課税標準たる各事業年度の所得 の金額又は各連結事業年度の連結所得の金額につ き、法人税法その他の法人税の税額の計算に関す る法令の規定により計算した法人税の額です。た だし、次の規定は適用しないで計算した法人税の 額で、附帯税の額は除きます(復興財確法44)。 ① 連結親法人以外の法人の場合 イ 特定同族会社の特別税率(法人税法第67条) ロ 所得税額控除(法人税法第68条) ハ 外国税額控除(法人税法第69条) ニ 仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に 伴う法人税額の控除(法人税法第70条) ホ 税額控除の順序(法人税法第70条の 2 ) へ 使途秘匿金の支出がある場合の課税の特例 (租税特別措置法第62条) ト 土地の譲渡等がある場合の特別税率(租税 特別措置法第62条の 3 、第63条) ② 連結親法人の場合 イ 連結特定同族会社の特別税率(法人税法第 81条の13) ロ 連結事業年度における所得税額控除(法人 税法第81条の14) ハ 連結事業年度における外国税額控除(法人 税法第81条の15) ニ 仮装経理に基づく過大申告の場合の更正に 伴う法人税額の連結事業年度における控除 (法人税法第81条の16) ホ 連結事業年度における税額控除の順序(法 人税法第81条の17) へ 連結法人に使途秘匿金の支出がある場合の 課税の特例(租税特別措置法第68条の67) ト 連結法人の土地の譲渡等がある場合の特別 税率(租税特別措置法第68条の68、第68条の 69)  法人税の計算過程と基準法人税額との関係を図 示すれば、次のとおりとなります。

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復興特別法人税の計算 所得に対する法人税の額の計算 復興特別法人税の計算の基礎となる基準法人税額との関係 所得金額 × 法人税率=法人税額(調整前) △  措置法の税額控除(措法 42 の 4 ∼ 42 の 13、68 の 9 ∼ 68 の 15 の 3) +  上記の取戻し課税(措法 42 の 5 ∼ 42 の 11、68 の 10 ∼ 68 の 15) 特別償却など所得金額に反映される政策税制とのバ ランスを考慮し、適用後の金額とする。 + 使途秘匿金課税(措法 62、68 の 67) + 土地重課(措法 62 の 3・63(第 5 節の 2)、68 の 68・68 の   69(第 18 節)) + 留保金課税(法法 67、81 の 13) 復興特別法人税が法人税率の引上げ見合いであるこ とを考慮し、適用前の金額とする。 △ 所得税額控除(法法 68、81 の 14) △ 外国税額控除(法法 69、81 の 15) △ 仮装経理税額控除(法法 70、81 の 16) 当期の所得に対する法人税について、二重課税の排 除等の調整をするための税額控除である。当期の所 得に対する実質的な法人税額を対象とする必要があ るので、適用前の金額とする。 復興特別法人税 =   課税標準法人税額(基準法人税額)   ×   10%

4  課税事業年度

⑴ 原則  復興特別法人税が課されることとなる課税事 業年度は、法人の指定期間内に最初に開始する 事業年度開始の日から同日以後 3 年を経過する 日までの期間内の日の属する事業年度です(復 興財確法45①)。指定期間は、平成24年 4 月 1 日から平成27年 3 月31日までの期間をいいます (復興財確法40十)。  例えば、12月決算法人の場合には、指定期間 内に最初に開始する事業年度は、平成25年 1 月 1 日から開始する事業年度ですから、同日から 3 年を経過する日は平成27年12月31日となり、 平成25年 1 月 1 日から平成27年12月31日までの 期間内の日の属する事業年度、すなわち、平成 25年 1 月 1 日から同年12月31日までの事業年度、 平成26年 1 月 1 日から同年12月31日までの事業 年度及び平成27年 1 月 1 日から同年12月31日ま での事業年度が課税事業年度となります。 ⑵ 新設法人等の場合の特例  復興特別法人税は、 3 年間の時限措置という 趣旨から、原則で述べたとおり、指定期間内に 最初に開始する事業年度開始の日から同日以後 3 年を経過する日までの期間内の日の属する事 業年度を課税事業年度としています。すなわち、 36月分の課税を行えるようにするため、最初に 課税事業年度が開始した日から36か月間という 期間内の日を含む事業年度は課税事業年度とす ることとしています。この場合には、後述する とおり、累計で36か月を超える課税事業年度に ついては、基準法人税額を調整した金額を課税 標準とすることとしています。また、指定期間 内に新設された法人のように新たに法人税の納 税義務を負うこととなった法人については、少 なくとも指定期間を含む事業年度のうちその指 定期間に対応する部分のみを課税対象とする調 整を行う必要があります。このような特定の事 実のある法人については、公平の見地から、課 税事業年度について次の特例が設けられていま す。 ① 新設法人の場合   指定期間内に設立された法人(②から⑥ま でに該当する法人を除きます。)については、 指定期間内の日の属する事業年度が課税事業 年度となります(復興財確法45②一)。 ② 収益事業開始法人の場合

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 公益法人等及び人格のない社団等で指定期 間内に新たに収益事業を開始したもの(④及 び⑤に該当する法人を除きます。)については、 その開始した日から指定期間の末日までの期 間内の日の属する事業年度が課税事業年度と なります(復興財確法45②二)。 ③ 普通法人等該当法人の場合  収益事業を行っていない公益法人等で指定 期間内に普通法人又は協同組合等に該当する こととなったもの(⑤に該当する法人を除き ます。)については、その該当することとな った日から指定期間の末日までの期間内の日 の属する事業年度が課税事業年度となります (復興財確法45②三)。 ④ 新規課税対象外国法人の場合  指定期間内に法人税法第141条第 1 号から 第 3 号までに掲げる外国法人又は同条第 4 号 に掲げる外国法人(同号イ又はロに掲げる国 内源泉所得を有するものに限ります。)のい ずれかに新たに該当することとなった外国法 人(⑤に該当する法人を除きます。)につい ては、その該当することとなった日から指定 期間の末日までの期間内の日の属する事業年 度が課税事業年度となります。ただし、指定 期間の初日前に開始した事業年度は除きます (復興財確法45②四)。 ⑤ 合併法人の場合  被合併法人が基準法人である適格合併がそ の被合併法人又は合併法人の課税対象期間 (注)内に行われた場合におけるその合併法人 については、次のイ及びロの期間内の日の属 する事業年度が課税事業年度になります。た だし、指定期間の初日前に開始した事業年度 を除きます(復興財確法45②五、復興特別法 人税政令 3 ①一)。また、適格合併に係る被 合併法人等である公益法人等の全てが収益事 業に係る資産を有しないとき、又は適格合併 に係る被合併法人等である外国法人の全てが 国内にある資産を有しないときは、この調整 の対象とはなりません(復興特別法人税政令 3 ⑦)。 (注) 課税対象期間とは、次の期間をいいます (復興財確法45②五イ)。 ①  指定期間の初日の属する事業年度を有 する法人については、②に該当する法人 を除き、その法人の同日以後最初に開始 する事業年度開始の日から同日以後 3 年 を経過する日までの期間をいいます。 ②  指定期間内に設立された法人、公益法 人等で指定期間内に新たに収益事業を開 始したもの、収益事業を行っていない公 益法人等で指定期間内に普通法人又は協 同組合等に該当することとなったもの及 び指定期間内に法人税法第141条第 1 号か ら第 3 号までに掲げる外国法人又は同条 第 4 号に掲げる外国法人(同号イ又はロ に掲げる国内源泉所得を有するものに限 ります。)のいずれかに新たに該当するこ ととなった外国法人については、指定期 間をいいます。 イ その適格合併の日前の期間のうち、その 合併法人の課税対象期間に含まれる期間  この場合の適格合併からは法人を設立す るものを除き、上記の課税対象期間からは 次の期間を除くこととされています。この 結果、合併法人の適格合併の日前の期間に おいては、適格合併がなかったとした場合 の期間と同様となります。言い換えれば、 この特例では、適格合併の日以後の期間に ついて特例を設けることが目的であり、イ では適格合併が行われたことをもってそれ 以前の課税事業年度に変更が生じないこと を明らかにしています。 ⅰ 公益法人等で指定期間内に新たに収益 事業を開始したもののその開始した日前 の期間 ⅱ 収益事業を行っていない公益法人等で 指定期間内に普通法人又は協同組合等に 該当することとなったもののその該当す ることとなった日前の期間

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ⅲ 指定期間内に法人税法第141条第 1 号 から第 3 号までに掲げる外国法人又は同 条第 4 号に掲げる外国法人(同号イ又は ロに掲げる国内源泉所得を有するものに 限ります。)のいずれかに新たに該当す ることとなった外国法人のその該当する こととなった日前の期間 ロ その適格合併の日以後の期間のうち、そ の適格合併に係る基準法人課税対象期間 (注)に含まれる期間  なお、その合併法人の適格合併の日の属 する事業年度が指定期間の初日前に開始し た事業年度である場合には、基準法人課税 対象期間に含まれる期間及びその基準法人 課税対象期間の末日の翌日から同日以後合 併非課税月数を経過する日までの期間内の 日を含む事業年度が課税事業年度とされま す(復興特別法人税政令 3 ②)。この合併 非課税月数とは、その適格合併の日から同 日の属する事業年度終了の日までの期間の 月数をいいます。 (注) 基準法人課税対象期間とは、その適格 合併が行われなかったとした場合にその 適格合併に係る基準法人の課税対象期間 となる期間をいい、その基準法人のその 適格合併の日の前日の属する事業年度が 指定期間の初日前に開始した事業年度で ある場合には、その適格合併の日から同 日以後 3 年を経過する日までの期間とな ります(復興特別法人税政令 3 ①一ロ)。 この場合の課税対象期間からは、上記イ ⅰからⅲまでの期間を除きます。  上記の基準法人とは、適格合併に係る被合 併法人又は合併法人のうち、その適格合併の 直前の資本金の額又は出資金の額が最も多い 法人をいい、また、適格合併が法人を設立す るものであるときは、その適格合併に係る各 被合併法人のうち、その適格合併の直前の資 本金の額又は出資金の額が最も多い法人をい うこととしています(復興特別法人税政令 3 ④)。被合併法人が基準法人となる場合の適 格合併に係る合併法人についてのみこのよう な特例を設けているのは、適格合併において は、合併法人又は被合併法人のうち最も規模 が大きい法人が適格合併後も引き続き存続し ていると考え、基準法人に対して36月分の課 税を行うこととしていることによります。 (注) 基準法人に関しては、資本金の額等によ る判定が困難であると考えられる次の場合 には、それぞれ次のように判定することと しています(復興特別法人税政令 3 ⑤⑥)。 ① 内国法人の適格合併の場合 イ  その適格合併に係る被合併法人又は 合併法人のうちに資本又は出資を有し ない法人がある場合  被合併法人のその適格合併の日の前 日の属する事業年度終了の時における 貸借対照表に計上されている総資産の 帳簿価額と合併法人のその適格合併の 直前に終了した事業年度終了の時にお ける貸借対照表に計上されている総資 産の帳簿価額を比較して、その総資産 の帳簿価額が最も多い法人が基準法人 となります。また、法人を設立する適 格合併の場合には、その適格合併に係 る各被合併法人のその適格合併の日の 前日の属する事業年度終了の時におけ る貸借対照表に計上されている総資産 の帳簿価額を比較することになります。 この場合に、被合併法人又は合併法人 が公益法人等である場合には、総資産 の帳簿価額は、収益事業に係る資産で 比較することになります。 ロ  その適格合併の直前の資本金の額又 は出資金の額が最も多い法人が 2 以上 ある場合  その 2 以上の法人である被合併法人 のその適格合併の日の前日の属する事 業年度終了の時における貸借対照表に 計上されている総資産の帳簿価額とそ

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の 2 以上の法人である合併法人のその 適格合併の直前に終了した事業年度終 了の時における貸借対照表に計上され ている総資産の帳簿価額を比較して、 その総資産の帳簿価額が最も多い法人 が基準法人となります。また、法人を 設立する適格合併の場合には、その 2 以上の法人である各被合併法人のその 適格合併の日の前日の属する事業年度 終了の時における貸借対照表に計上さ れている総資産の帳簿価額を比較する ことになります。この場合に、被合併 法人又は合併法人が公益法人等である 場合には、総資産の帳簿価額は、収益 事業に係る資産で比較することになり ます。 ② 外国法人の適格合併の場合  その適格合併に係る被合併法人又は合 併法人である外国法人のうち、その国内 にある資産につき上記①に準じて計算し た帳簿価額が最も多い外国法人が基準法 人となります。 ⑥ 連結子法人の場合  連結親法人又はその連結親法人による連結 完全支配関係にある連結子法人の課税対象期 間内の日の属する連結親法人事業年度の期間 内にその連結子法人が法人税法第 4 条の 5 第 1 項又は第 2 項の規定により連結納税の承認 を取り消された場合におけるその連結子法人 については、次のイ及びロの期間内の日の属 する事業年度が課税事業年度になります。た だし、指定期間の初日前に開始した事業年度 を除きます(復興財確法45②五、復興特別法 人税政令 3 ①二)。 イ 連結納税の承認を取り消された日前の期 間のうち、その承認を取り消された法人に 係る連結親法人の課税対象期間に相当する 期間に含まれる期間。なお、その連結納税 の承認を受けた日前の期間については、そ の法人の課税対象期間に含まれる期間もこ の対象となる期間となります。  つまり、連結納税の承認を取り消された 法人のその承認を取り消された日前の期間 については、承認の取消しがなかったとし た場合の期間と変更を生じさせるものでは ありません。 ロ 連結納税の承認を取り消された日以後の 期間のうち、指定期間に含まれる期間  連結子法人が連結グループを離脱した場合 に、その離脱した法人の課税事業年度につい てこのような特例を設けているのは、分割や 現物出資により子会社を新設した場合とのバ ランスや連結グループへの加入については単 体と連結を通算する調整が事実上不可能であ ることとのバランス等を踏まえ、離脱した連 結子法人については、指定期間内に設立され た法人と同様に取り扱うこととしたものです。 ⑶ みなし課税事業年度  復興特別法人税は、平成24年 4 月 1 日以後最 初に開始する事業年度から原則として 3 年間に 課税する制度である一方、復興特別法人税から の控除及び控除不足額の還付の対象となる復興 特別所得税は平成25年 1 月 1 日から25年間に課 税する制度であるため、復興特別法人税の課税 対象とならない事業年度においても復興特別所 得税の還付申告をすることを可能とする必要が あります。  そこで、まずは、法人が上記の⑴及び⑵によ り課税事業年度とされる事業年度以外の各事業 年度において利子・配当等につき課される復興 特別所得税の額がある場合には、その復興特別 所得税を課される各事業年度を課税事業年度と みなすこととしています(復興財確法45③)。 連結納税制度の場合には、連結親法人が課され る復興特別所得税の額だけではなく、その各事 業年度終了の時において連結親法人による連結 完全支配関係がある連結子法人のその各事業年 度において利子・配当等につき課される復興特 別所得税の額がある場合にも課税事業年度とみ

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なすこととしています。  これと合わせて、みなし課税事業年度におい ては課税標準法人税額をないこととする規定 (復興財確法47④)及び課税標準法人税額がな い場合においても還付申告をすることができる 規定(復興財確法54)を整備することにより、 復興特別法人税の課税対象とならない事業年度 においても復興特別所得税額の還付を受けるこ とができる仕組みとしています。  なお、上記の利子・配当等とは、具体的には、 次の所得です(復興財確法45③、10)。 ① 内国法人の場合 イ 所得税法第 7 条第 1 項第 4 号に定める所 得 ロ 租税特別措置法第 3 条の 3 第 2 項に規定 する国外公社債等の利子等、同法第 6 条第 1 項に規定する民間国外債の利子、同条第 11項に規定する外貨債の利子、同法第 8 条 の 3 第 2 項に規定する国外投資信託等の配 当等、同法第 9 条の 2 第 1 項に規定する国 外株式の配当等、同法第41条の 9 第 2 項に 規定する懸賞金付預貯金等の懸賞金等及び 同法第41条の12第 2 項に規定する償還差益 ② 外国法人の場合  法人税法に定める国内源泉所得で、次の所 得。ただし、国内に支店、工場等を有する外 国法人が支払を受ける配当等で、国内事業に 帰せられる配当等以外のものは除かれます (復興特別法人税政令 3 ⑧)。 イ 所得税法第 7 条第 1 項第 5 号に定める所 得 ロ 租税特別措置法第 9 条の 6 第 3 項に規定 する外国特定目的信託の利益の分配及び外 国特定投資信託の収益の分配、同法第41条 の 9 第 2 項に規定する懸賞金付預貯金等の 懸賞金等並びに同法第41条の12第 2 項に規 定する償還差益

5  納税地

 法人の復興特別法人税の納税地は、その法人の 法人税の納税地とされ、具体的には、法人税法第 16条から第18条までの規定による納税地とされて います(復興財確法46①)。つまり、復興特別法 人税は、実質的には各事業年度の所得に対する法 人税又は各連結事業年度の連結所得に対する法人 税の付加税といえるものであることから、納税地 は法人税の納税地と同じになります。  なお、法人税の納税地の指定の処分の取消しが あった場合には、法人税と同様に、その処分の取 消しが行われるまでにされた申告、処分等につい ては、効果を及ぼさないこととしています(復興 財確法46②)。

6  課税標準

⑴ 原則  復興特別法人税の課税標準は、各課税事業年 度の課税標準法人税額とされています(復興財 確法47①)。この各課税事業年度の課税標準法 人税額は、原則として各課税事業年度の基準法 人税額です(復興財確法47②本文)。 ⑵ 特例  次の①から④までの法人の各課税事業年度の うち最後の課税事業年度の課税標準法人税額は、 次のとおり、その最後の課税事業年度の基準法 人税額を月数按分して計算することとしていま す(復興財確法47②ただし書、復興特別法人税 政令 4 ①)。 ① 事業年度の変更その他の事由により課税事 業年度の月数の合計が36月を超える法人 最後の課税事 業年度の基準 法人税額 × その最後の課税事業年度開始の日 から指定期間内に最初に開始する 事業年度開始の日以後 3 年を経過 する日までの期間 その最後の課税事業年度の月数 ② 上記 4 ⑵①から④までの法人(新設法人等) 最後の課税事 業年度の基準 法人税額 × その最後の課税事業年度開始の日 から指定期間の末日までの期間 その最後の課税事業年度の月数 (注) 指定期間の末日以前に合併し、又は同日前

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に残余財産が確定した場合には、その最後の 課税事業年度開始の日からその合併の日の前 日又は残余財産の確定の日までの期間となり ます。 ③ 上記 4 ⑵⑤の法人(被合併法人が基準法人 である合併法人) 最後の課税事 業年度の基準 法人税額 × その最後の課税事業年度のうち上 記 4 ⑵⑤イ及びロの期間に含まれ る期間 その最後の課税事業年度の月数 (注) その適格合併が、その適格合併に係る基準 法人である被合併法人の課税対象期間内に行 われ、かつ、その適格合併に係る合併法人の 課税対象期間の末日後に行われた場合におい て、その末日の属する事業年度後の事業年度 のうちにその適格合併により課税事業年度に 該当することとなるものがあるときは、その 末日の属する事業年度及びその適格合併の日 の属する事業年度の両方の事業年度が、最後 の課税事業年度となります(復興特別法人税 政令 4 ②)。 ④ 上記 4 ⑵⑥の法人(連結グループを離脱し た連結子法人) 最後の課税事 業年度の基準 法人税額 × その最後の課税事業年度のうち上 記 4 ⑵⑥イ及びロの期間に含まれ る期間 その最後の課税事業年度の月数 ⑶ みなし課税事業年度における課税標準法人税  上記 4 ⑶のみなし課税事業年度とされる事業 年度の課税標準法人税額は、ないものとされて います(復興財確法47④)。これは、みなし課 税事業年度が、復興特別法人税の課税対象とな らない事業年度においても復興特別所得税の還 付申告をすることを可能とするために設けられ た事業年度であるからです。(詳細は、上記 4 ⑶を参照してください。) (参考) 課税事業年度と課税標準法人税額について 1  通常の法人(上記 4 ⑴・ 6 ⑴に該当……原則) 例: 9 月決算法人 基準法人税額:100 課税標準法人税額:100 H24.4.1 事業年度 課税事業年度 H27.3.31 指定期間 3年間 課税事業年度 課税事業年度 2  事業年度変更により課税事業年度が累計36月超となった法人(上記 4 ⑴・ 6 ⑵①に該当……課税 事業年度のみ原則) 例:事業年度変更( 9 月決算 ⇒  3 月決算) 《最後の課税事業年度の特例計算》 100 ×     = 50 12 月 6 月 事業年度 課税事業年度 H24.4.1 H27.3.31 最後の課税事業年度 基準法人税額:100 指定期間 3 年間 6 月 課税標準法人税額:50 課税事業年度 課税事業年度

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3  指定期間内に設立された法人(上記 4 ⑵①・ 6 ⑵②に該当……特例) 例:平成26年 4 月 1 日設立(12月決算) 《最後の課税事業年度の特例計算》 100 ×     = 2512 月3 月 設立 事業年度 H24.4.1 H27.3.31 課税事業年度 基準法人税額:100 最後の課税事業年度 指定期間 3 月 課税標準法人税額:25 4  収益事業を行っていない公益法人等で、指定期間内に、新たに収益事業を開始したもの若しくは 普通法人等に該当することとなったもの、又は指定期間内に法人税法第141条第 1 号に掲げるもの に新たに該当することとなった外国法人等(上記 4 ⑵②~④・ 6 ⑵②に該当……特例) 例:平成25年 7 月 1 日収益事業開始(12月決算) 5  課税対象期間内に行われた適格合併に係る合併法人 ① 吸収合併の合併法人が基準法人である場合(上記 4 ⑴・ 6 ⑴に該当……原則) 例:平成27年10月 1 日合併   被合併法人:12月決算   合併法人: 6 月決算 H24.4.1 被合併法人 事業年度 課税事業年度 H27.3.31 課税事業年度 課税事業年度 指定期間 合併法人の課税対象期間(3年間) 被合併法人の課税対象期間(3年間) 合併 合併法人 事業年度 (基準法人) 課税事業年度 課税事業年度 合併の日の属する事業年度は、 課税事業年度に該当しない 課税事業年度 事業年度 課税事業年度 基準法人税額:100 H24.4.1 H27.3.31 最後の課税事業年度 指定期間 3月 課税標準法人税額:25 《最後の課税事業年度の特例計算》 100 ×     = 2512 月3 月 収益事業開始 課税事業年度

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② 吸収合併の被合併法人が基準法人である場合(上記 4 ⑵⑤・ 6 ⑵③に該当……特例) 例 1 :平成26年10月 1 日合併    被合併法人:12月決算(平成24年 4 月 1 日前設立)    合併法人: 6 月決算(平成24年 4 月 1 日前設立) 例 2 :平成27年10月 1 日合併    被合併法人:12月決算(平成24年 4 月 1 日前設立)    合併法人: 6 月決算(平成24年 7 月 1 日設立) 例 3 :平成26年10月 1 日合併    被合併法人:12月決算(平成25年 1 月 1 日設立)    合併法人: 6 月決算(平成24年 4 月 1 日前設立) 合併 H27.3.31 H24.4.1 被合併法人 事業年度 (基準法人) 課税事業年度 指定期間 合併法人の課税対象期間(3 年間) 基準法人課税対象期間(指定期間) 基準法人税額:100 課税事業年度 課税事業年度 課税標準法人税額:75 合併法人 事業年度 課税事業年度 《最後の課税事業年度の特例計算》 100 ×     = 7512 月9 月 9月 設立 最後の課税事業年度 合併 H27.3.31 課税事業年度 H24.4.1 被合併法人 事業年度 (基準法人) 課税事業年度 指定期間 合併法人の課税対象期間(3 年間)基準法人課税対象期間(3 年間) 6月 最後の課税事業年度 基準法人税額:100 課税事業年度 課税事業年度 課税標準法人税額:50 合併法人 事業年度 課税事業年度 《最後の課税事業年度の特例計算》 100 ×     = 50 12 月 6 月 課税事業年度 課税事業年度 課税事業年度 100 ×     = 25 12 月 3 月 100 ×     = 75 12 月 9 月 《最後の課税事業年度の特例計算》 《最後の課税事業年度の特例計算》 合併 9 月 3 月 基準法人税額:100 課税標準法人税額:75 H27.3.31 H24.4.1 被合併法人 事業年度 (基準法人) 指定期間 合併法人の課税対象期間(3 年間) 基準法人課税対象期間(3 年間) 最後の課税事業年度 基準法人税額:100 最後の課税事業年度 課税事業年度 課税標準法人税額:25 合併法人 事業年度 設立 課税事業年度

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例 4 :平成24年10月 1 日合併    被合併法人:12月決算(平成24年 4 月 1 日前設立)    合併法人: 6 月決算(平成24年 4 月 1 日前設立) 例 5 :平成24年10月 1 日合併    被合併法人: 3 月決算(平成24年 4 月 1 日前設立)    合併法人:12月決算(平成24年 4 月 1 日前設立) ③ 新設合併である場合(上記 4 ⑵⑤・ 6 ⑵③に該当……特例)  例 1 :平成26年10月 1 日新設合併    被合併法人A:12月決算(平成24年 4 月 1 日前設立)         被合併法人B: 6 月決算(平成24年 4 月 1 日前設立)、基準法人    合併法人: 3 月決算 H27.3.31 H24.4.1 被合併法人 事業年度 (基準法人) 指定期間 合併法人の課税対象期間(3 年間) 基準法人課税対象期間(3 年間) 最後の課税事業年度 基準法人税額:100 課税事業年度 課税事業年度 課税標準法人税額:25 合併法人 事業年度 課税事業年度 《最後の課税事業年度の特例計算》 100 ×     = 25 12 月 3 月 合併 3 月 H27.3.31 H24.4.1 被合併法人 事業年度 (基準法人) 指定期間 合併法人の課税対象期間(3 年間) 基準法人課税対象期間(3年間)+合併非課税月数(3月) 最後の課税事業年度 基準法人税額:100 課税事業年度 課税事業年度 ※ 合併非課税月数 課税標準法人税額:50 合併法人 事業年度 《最後の課税事業年度の特例計算》 100 ×     = 5012 月6 月 合併 課税事業年度 6 月 3 月※ H27.3.31 課税事業年度 H24.4.1 被合併法人 A 事業年度 課税事業年度 指定期間 基準法人課税対象期間(3 年間) 被合併法人 A の課税対象期間(3 年間) 課税事業年度合併 課税事業年度 合併法人 事業年度 基準法人税額:100 課税標準法人税額:25 被合併法人 B 事業年度 (基準法人) 課税事業年度 3 月 課税事業年度 《最後の課税事業年度の特例計算》 100 ×     = 25 12 月 3 月 最後の課税事業年度 設立 合併

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例 2 :平成27年 7 月 1 日新設合併    被合併法人A:12月決算(平成24年 4 月 1 日前設立)、基準法人    被合併法人B: 6 月決算(平成24年 4 月 1 日前設立)    合併法人: 3 月決算 課税事業年度 合併 合併 設立 H27.3.31 課税事業年度 課税事業年度 H24.4.1 被合併法人 A 事業年度 (基準法人) 課税事業年度 指定期間 被合併法人 B の課税対象期間(3 年間) 基準法人課税対象期間(3 年間) 6月 最後の課税事業年度 基準法人税額:75 課税事業年度 課税標準法人税額:50 被合併法人 B 事業年度 合併法人 事業年度 課税事業年度 《最後の課税事業年度の特例計算》 75 ×     = 509 月6 月 6  連結法人のいずれかの課税対象期間内の日を含む連結親法人事業年度の期間内に離脱した連結子 法人(上記 4 ⑵⑥・ 6 ⑵④に該当……特例)  例 1 :平成27年 7 月 1 日連結離脱     連結親法人: 9 月決算     連結子法人: 3 月決算 最後の課税事業年度 離脱 H27.3.31 課税事業年度 課税事業年度 H24.4.1 連結親法人 連結事業年度 課税事業年度 指定期間 連結親法人の課税対象期間(3 年間) 連結子法人の課税対象期間(3 年間) 9 月 連結事業年度 連結子法人 事業年度 連結事業年度 連結事業年度 離脱日の属する事業年度は、課税 事業年度に該当しない

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例 2 :平成27年 1 月 1 日連結離脱    連結親法人: 9 月決算    連結子法人: 3 月決算 最後の課税事業年度 課税事業年度 離脱 H27.3.31 課税事業年度 課税事業年度 H24.4.1 連結親法人 連結事業年度 課税事業年度 指定期間 連結親法人の課税対象期間(3 年間) 連結子法人の課税対象期間(3 年間) 3 月 連結事業年度 連結子法人 事業年度 連結事業年度 連結事業年度 基準法人税額:75 課税標準法人税額:25 《最後の課税事業年度の特例計算》 75 ×     = 25 9 月 3 月 例 3 :平成26年 7 月 1 日連結離脱    連結親法人:12月決算    連結子法人:12月決算 最後の課税事業年度 離脱 H27.3.31 課税事業年度 課税事業年度 H24.4.1 連結親法人 連結事業年度 課税事業年度 指定期間 連結親法人の課税対象期間(3 年間) 連結子法人の課税対象期間(3 年間) 3 月 課税事業年度 課税事業年度 連結子法人 事業年度 連結事業年度 連結事業年度 基準法人税額:100 課税標準法人税額:25 《最後の課税事業年度の特例計算》 100 ×     = 25 12 月 3 月 7  みなし課税事業年度(上記 4 ⑶・ 6 ⑶に該当)  例: 2 月決算法人、毎年 1 月31日受取利息 H28.1.31(受取利息) みなし課税事業年度 H27.3.31 事業年度 課税事業年度 課税標準法人税額:0 課税標準法人税額:0 みなし課税事業年度 基準法人税額:100 基準法人税額:100 課税事業年度 指定期間 3年間 みなし課税事業年度の課税 標準法人税額はなし みなし課税事業年度の課税 標準法人税額はなし 課税事業年度 H24.4.1 H25.1.31(受取利息)

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7  税額の計算

⑴ 税率  復興特別法人税の額は、各課税事業年度の課 税標準法人税額に10%の税率を乗じて計算した 金額です(復興財確法48)。税率は、法人の種 類を問わず一律としていますが、基準法人税額 が法人税における法人の種類ごとの税率を反映 したものとなっていますので、結果としては、 法人の種類に配慮した税負担となっています。 ⑵ 復興特別所得税額控除  法人の受け取る利子・配当等に課される復興 特別所得税の額については、法人税における所 得税の税額控除制度と同様に、復興特別法人税 の額から控除することとしています。 ① 制度の概要  内国法人が各課税事業年度において利子・ 配当等について課される復興特別所得税の額 については、法人税における所得税の税額控 除制度と同様に、復興特別法人税の額から控 除することとしています(復興財確法49①)。 外国法人についても、各課税事業年度におい て外国法人の区分に応じた国内源泉所得に課 される復興特別所得税の額については、法人 税における所得税の税額控除制度と同様に、 復興特別法人税の額から控除することとして います(復興財確法49④)。  また、連結親法人が各課税事業年度におい て利子・配当等について課される復興特別所 得税の額及びその連結子法人がその課税事業 年度において利子・配当等について課される 復興特別所得税の額は、法人税における所得 税の税額控除制度と同様に、連結親法人の復 興特別法人税の額から控除することとしてい ます(復興財確法49③)。すなわち、連結法 人の課された復興特別所得税については、連 結グループ内のどの法人が課された復興特別 所得税であっても、連結親法人の連結所得を 基礎とする基準法人税額から算出される復興 特別法人税の額から控除することになります。 ただし、連結子法人が連結グループから離脱 した場合の離脱直前の課税事業年度は、法人 税法において単体申告することとされており、 復興特別法人税においても単体申告時に復興 特別所得税の額を控除することとしています。  なお、内国法人である公益法人等又は人格 のない社団等が収益事業以外の事業又はこれ に属する資産から生ずる所得について課され る復興特別所得税の額については、復興特別 所得税額控除の対象とはなりません(復興財 確法49②)。言い換えれば、制限納税義務者 である公益法人等又は人格のない社団等は、 利子・配当等について課された復興特別所得 税の額のうち収益事業又はこれに属する資産 から生ずる所得に限って控除できることとな ります。 ② 控除の対象となる復興特別所得税額  本制度の控除の対象となる復興特別所得税 の額は、次の所得について課される復興特別 所得税の額とされています(復興財確法49、 10)。 イ 内国法人の場合 ⅰ 所得税法第 7 条第 1 項第 4 号に定める 所得 ⅱ 租税特別措置法第 3 条の 3 第 2 項に規 定する国外公社債等の利子等、同法第 6 条第 1 項に規定する民間国外債の利子、 同条第11項に規定する外貨債の利子、同 法第 8 条の 3 第 2 項に規定する国外投資 信託等の配当等、同法第 9 条の 2 第 1 項 に規定する国外株式の配当等、同法第41 条の 9 第 2 項に規定する懸賞金付預貯金 等の懸賞金等及び同法第41条の12第 2 項 に規定する償還差益 ロ 外国法人の場合  法人税法に定める国内源泉所得で、次の 所得。ただし、国内に支店、工場等を有す る外国法人が支払を受ける配当等で、国内 事業に帰せられる配当等以外のものは除か

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れます(復興特別法人税政令 5 ③)。 ⅰ 所得税法第 7 条第 1 項第 5 号に定める 所得 ⅱ 租税特別措置法第 9 条の 6 第 3 項に規 定する外国特定目的信託の利益の分配及 び外国特定投資信託の収益の分配、同法 第41条の 9 第 2 項に規定する懸賞金付預 貯金等の懸賞金等並びに同法第41条の12 第 2 項に規定する償還差益 ③ 所有期間按分  法人税法においては、公社債の利子又は株 式配当等について課された所得税の額の控除 については、これらの利子・配当等の元本を 所有していた期間に対応する部分についての み控除することができる所有期間按分方式が とられています(法令140の 2 )。復興特別法 人税においても、法人税法施行令の規定を準 用することにより、法人税の場合と同様に、 復興特別所得税の額につき所有期間按分をす ることとしています(復興特別法人税政令 5 ①②)。 ④ 明細書添付要件  復興特別所得税額の控除は、復興特別法人 税申告書にその控除を受けるべき金額及びそ の計算に関する明細を記載した書類の添付が ある場合に限り、適用することとされていま す(復興財確法49⑤)。さらに、その控除の 対象となる「控除をされるべき金額」は、控 除をされるべき金額として記載された金額を 限度とすることとしています。すなわち、復 興特別所得税の額を復興特別法人税の額から 控除するためには、復興特別法人税申告書に おいて控除を受けるべき金額等を明らかにす る必要があり、控除されるべき金額としてそ の書類に記載のない復興特別所得税の額につ いては控除できないこととしているものです。  この復興特別所得税額の控除を受けるため の明細書添付要件は、法人税法における所得 税額の控除の規定(法法68③)と同様のもの です。また、修正申告書を提出する際や更正 の請求をする際においても、その修正申告書 又は更正請求書にその書類を添付することに より、復興特別所得税の額を復興特別法人税 の額から控除することが可能であるようにし ています。 ⑶ 外国税額控除 ① 制度の概要  内国法人に対しては、外国税額の控除が認 められます。  復興特別法人税申告書を提出する内国法人 が各課税事業年度において法人税法第69条第 1 項(外国税額の控除)の適用を受ける場合 において、当該課税事業年度の控除対象外国 法人税の額(租税特別措置法第66条の 7 第 1 項(特定外国子会社等の外国税額の控除)及 び同法第66条の 9 の 3 第 1 項(特定外国法人 の外国税額の控除)の規定により控除対象外 国法人税の額とみなされるものを含みます。) が法人税の控除限度額を超えるときは、その 超える金額を一定の控除限度額の範囲内で、 上記⑴により計算した復興特別法人税の額か ら控除することとされています(復興財確法 50)。  復興特別法人税は、東日本大震災からの復 興を図ることを目的として実施する施策に必 要な財源を確保するための特別措置として創 設された特例的な税ですが、海外で稼得した 所得を含む法人の全体の所得を課税標準とす る法人税の付加税であり、所得に対する国際 的な二重課税を排除する観点から、復興特別 法人税においても外国税額の控除が認められ ることとされたものです。

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復興特別法人税に係る外国税額の控除 ○ 復興特別法人税は全世界所得を課税標準とする法人税の付加税であるため、所得に対する二重課税を排除する観点から、一 定の限度額の範囲内で復興特別法人税の額から外国税を控除する。 ○ 控除対象外国法人税の額が法人税の控除限度額を超える場合に、復興特別法人税の控除限度額の範囲内で復興特別法人税か ら控除する。 当期の法人税の 控除限度額 当期の復興特別法人税の 控除限度額 法人税額のうち国外所得に 対応する金額 復興特別法人税額のうち国外 所得に対応する金額 法人税に係る 外国税額控除 復興特別法人税に係る 外国税額控除 控除されない 控除される 【法人税の控除限度額】 国外源泉所得 法人税額 × 全世界所得(国内源泉所得+国外源泉所得) 【復興特別法人税の控除限度額】 国外源泉所得 復興特別法人税額 × 全世界所得(国内源泉所得+国外源泉所得) 《復興特別法人税の外国税額控除の仕組み》 地方税に係る 外国税額控除 【地方税の控除限度額】 法人税の控除限度額 × 住民税率 当期の地方税(法人住民税) の控除限度額 制度の概要 当期の控除対象外国法人税の額 イ 外国法人税の額及び控除対象外国法人税 の額  外国法人税の額は、法人税のそれと同じ です。したがって、外国法人税のうちその 所得に対する負担が高率な部分の額、通常 行われる取引と認められない取引に基因し て生じた所得に対して課される外国法人税 の額その他一定の外国法人税の額は除かれ ます。  また、控除対象外国法人税の額について も、法人税におけるそれと同じですが、租 税特別措置法第66条の 7 第 1 項の特定外国 子会社等の所得に対して課される外国法人 税の額のうち、その特定外国子会社等の課 税対象金額に対応するもの又は部分課税対 象金額に対応するもの及び同法第66条の 9 の 3 第 1 項の特定外国法人の所得に対して 課される外国法人税の額のうち、その特定 外国法人の課税対象金額に対応するもの又 は部分課税対象金額に対応するもので、こ れらの規定により控除対象外国法人税の額 とみなされるものも含まれます(復興財確 法50①)。 ロ 控除限度額  復興特別法人税における外国税額控除の 控除限度額は、上記⑴により計算した復興 特別法人税の額に法人税法施行令第142条 第 1 項(控除限度額の計算)に規定する割 合、すなわち当該事業年度の所得金額のう ちに当該事業年度の国外所得の占める割合 を乗じて計算した金額です(復興特別法人 税政令 6 ①)。 《算式》 控除限度額 = 復興特別法 人税の額 (注) × 当該事業年度の 国外所得金額 当該事業年度の 所得金額

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