西松責豊設技報 Vol.22
RC 固定アーチ橋の施工について
星野 英夫*
HideoHosllino
1. は じめに
日本道路公団東北支社発注の山形 自動車道名川 トンネル 工事 (工期 :平成8年3月16日‑平成11年2月28日)の内,≡
粟屋橋上部工の施工について述べる.三粟屋橋 は
,2
つの ト ンネル間の沢に架ける橋長83.5m,アーチ支間68.0mのRC固 定アーチ橋である.三粟屋橋上部工構造図を図‑1
に示す.2
.型枠 ・支保工
(1)支保工支持補強対策
アーチ部 の支保工形式 には,セ ン トル工法,支柱 +ペ コガー ター,支柱式支保工があ るが,経済性 お よび狭 い ヤ ー ドでの施工性 を考慮 して支柱 式支保工 を採 用 した.
アーチ リブ, クラウ ン支保工側面 図 を図
‑2
に示す.支柱 は 1柱 当 た り30tの荷 重が加 わるため支持 地盤 を
4
種類 に分 け,秦‑1
に示す補強対策 を講 じた.(2)支保工 の組立
アーチ部の支柱式支保工の組立手順 を表‑2に示す.
(3)アーチ リブ, クラウンの上 げ越 し量 と沈下量
上 げ越 し量 は,①弾性変位量② クリープ変位量③ 乾燥 収縮変位量④ 支保工変位量 を考慮 した.
①弾性 変位 量 は, アーチ の 自重 に よる支持 地 盤 の変位 量 で アーチ リブ,鉛直材 ,補剛材 の施工段 階 ご とに検 討 した結果か ら最大値12nmlを考慮 した.
② ク リー プ変位 量 は, アーチ コ ンク リー ト打 設 日の‑
年後 (竣工時)の変位量 15nynを考慮 した.
③ 乾燥収縮 ひずみ と温度変化 に よる変位量 は,竣工時の 横断回(クラウン)
*東北 (支)庄 内 (班)
抄鐸
変位量1.5nlmを考慮 した.
④ 支保工変位量 は,林道部での最大値7mmを考慮 した.
以上 の変位量 を合計 す る とスパ ン中央 で竣工時,最大
31mmとな り,これを基 に上げ越 しを行った.
表‑ 1 支柱支持補強対策工
支持地盤 対 策
掬削部 状に整形した.隣接 支持 点間を結ぶ角度 を円裸 玉凍層を支持地盤 とし、一段 の高さ1.5m45で階段度 以下 とした.
盛 土部 トンネルズリで盛 土を行 い、上部(50kg′m3)を行った○平壌戟荷 試験 の結果 、支持力は1mはセメント改 良 200tf/m2であった(
コルゲート埋設 部 コルゲートの埋戻し厚が橋軸方 向にも数桁を敷設し、格子構造とし、荷藍を分1mであるため、敷桁 の下に 散させた○
林道通過部 1柱 当たりの荷盃が最大58tとなるため、支柱部にH‑
表‑ 2 支柱式支保工の組立手順
芋版 部 材 作 美
① 額 工板(1mX2m) 姦 面を出すように反 転
② 敷桁(H‑350) ライナーを挟み 高さ合わせ
③ ジャッキ 各支柱をレベル合わせ
㊨ 材 (48.支柱6¢5)(¢17),52ブレース(¢.4),永 平 ブロックで地組(最大3mX10mX3m)
⑤ スピンドル ジャッキお よび解 体用ジャッキの取り
付け
㊨ 桁 受(H‑300) ジャッキで高さ合 わせ
⑦ 頗斜 受台 桁受と主桁 を接続
・均しコン ・コルゲート ・H杭 ・均しコン
・吹き付けコ ン ,セ メ ン ト処理.基礎 コン ・吹き付けコン
・均しコン
・格子.敷桁
図‑2 アーチ リブ, クラウン支保工側面図
図‑ 1 三粟屋橋上部工構造図
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西松建設技報 VoL22
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出走 時期 汲L点① 乳 点② 軌 点(塗 乱 点 測点⑤
アーチリブ打設後 ‑6 ‑4 9 ‑3 ‑9
クラウン打設後
0
‑1 一20 ‑2 1アーチ支保 工解 体後
0
‑1 ‑4 ‑10
補銅材打設後
0
‑3 8 ‑80
禰鋼材打設後 の合 計 ‑6 ‑9 ‑7 ‑14 ‑8 クラウン打設から10ケ月後 ‑18
図‑3 沈下量測定結果
沈下量測定 は下げ振 りとレベルで行 った.沈下量測定 結果 を図
‑3
に示す.測点③ がスパ ン中央 を表す.図‑3
に示す とお り補 剛材打設後 の沈下量 の合計 が‑7mm, 高欄 を打 設 し補 剛材 の支保工解体 を終 えた後 の沈下量 が‑18mmとなった.測定沈下量 は,計算沈下量 に類似 し た億であ り,橋面の出来形規格値±25nlmを補足す る結果 であった.(4)型枠
型枠 は合板(12mn)を使用 し,根太材 は60nlm角鋼管 を使 用 した.特記事項 を述べ る.
1) アーチ リブ型枠
傾 斜 が あ るため上型枠 を全面 に取 り付 け,4m2毎 に 1箇所,40cmX40cmの コンクリー ト投入 口を設けた.
2
) クラウン,補剛材の型枠側面 はハ ンチの勾配 に合わせ て加工 した櫛形型枠 を使 用 した.櫛形型枠 は,剛性が高 く,組立が容易であるた め,工程が早 くなる利点があった.補剛材 の円筒型枠 は, 工場加工 した製品を搬入 した.
3 .コンクリー トエ
(i)コンクリー ト打設
アーチ リブは
4
回に分 けて打設 した.打込みでは,上 枠があるため,当初設計 のス ラ ンプ8cmで はコンクリー トの充填 に問題があった.充填 を確実 に行 うには,アバ ッ ト側がスランプ15cm, クラウン側がス ランプ12cmの コ142
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図‑4 クラウン部冬季養生上屋横 断図
ンシステ ンシーが必要であった.単位 セメン ト量,単位 水量 を変 えない方針 であ ったため,高性 能AE減水剤 を 用い所要の コンシステ ンシーを確保 した.
(2)冬期施工対策
当地 は全国で も有数の降雪地帯である.平成
10
年1
月の積雪実績 は1.8mであった.アーチ リブ, クラウンの コンクリー ト打設時期が12月 とな り,降雪対策,暖気 養生のために上屋 を組立てた.1)アーチ リブの上屋
上型枠 に単管 を4m2毎 に1本 たて,単管 と足場板 で 高 さ2mの屋根 を作 り,防炎 シー トを張 った.雪下 ろ
しが必要なため,早い時期 に解体 した.
2
) クラウンの上屋図‑ 4に示す幅 15mX長 さ21mX高 さ4mのスーパ ー ルーフを支保工の天端 に設置 した.屋根の勾配が利用 で きることお よび屋内の気密性が高 く熱効率が良いた め,屋根 の雪 を融か し滑 らせ るには
,2
台のジェ ッ トヒー ターの熱で十分であった.
3
)鉛直材 の足場枠組み足場 をアーチ リブの上型枠 に固定 し,積雪防 止のため,足場の側面,天端 に防炎 シー トを張 った.
4
)中央通路アーチ リブの両側 の通路 は雪で倒壊 の危険があるた め,中央 に屋根付 の通路 を設置 した.
4
.おわ りに本工事 の支間68.0mは,当社の施工実績 の中で最大支 間の RC固定 アーチ橋 である.工事 を行 うに際 して,過 去の施工例である上信越 自動車道神町橋工事の施工計画 が大いに参考 となった.本報告が今後の工事で参考 とな れば幸いである.