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第27回東北小児心臓病研究会 期 日

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日本小児循環器学会雑誌 10巻4号 590〜591頁(1994年)

第27回東北小児心臓病研究会

期 日 会 場 世話人

平成6年6月4日 仙台市戦災復興記念館 小野木 宏

 1.経皮的バルーン拡大術を施行したファロー四徴 症術後左肺動脈分枝部狭窄の1例

    東北大学医学部小児科

      小澤 晃,大野忠行,菅 隆明

      田中 高志,柿澤 秀行

 ファロー四徴症内心修復術後に著しく進行した左肺 動脈分枝部狭窄(径2mm)に対し,バルーン拡大術を 施行した.通常の耐圧バルーンカテーテル(6atm)に よる拡大術は無効で,高耐圧バルーンカテーテル

(New Ultrathin 5Fr,バルーン径8mm,10atm)を用 い径5.2mmまで拡大せしめ特に合併症を来すことな く拡大術を終えた.高耐圧バルーンは操作性に難点が あるものの,拡張力は極めて強く術後狭窄に対して有 用性は高いと考えられた.

 2.大動脈弓離断症(B型)の術後狭窄に対しバルー ン拡張術を施行した1例

    山形大学医学部小児科

      佐藤  哲,秋場 伴晴,中里  満     長井市立総合病院小児科   佐藤 哲雄     山形大学第2外科

      深澤  学,折田 博之,鷲尾 正彦  症例は5カ月の男児.日齢に大動脈弓離断症(B型)

に対して,拡大大動脈弓吻合術,肺動脈絞拒術を施行,

3カ月時に心室中隔欠損閉鎖術,肺動脈絞拒解除術を 行った.拡大大動脈弓吻合術直後の上下肢間の収縮期

圧較差は5mmHgだったが,5カ月時には100mmHg

になったため,バルーン大動脈弓形成術を施行した.

6mmのUltra−Thinカテーテルを使用し,これは狭窄 部最小径の2.4倍だった.大腿動脈から経皮的にアプ ローチし,バルーンのくびれの消失を目標に用手的に 数回拡張した.バルーン形成術後,狭窄部は2,5から4.3 mmに拡大し,収縮期圧較差は84から19mmHgに減少 した.バルーン形成術に関した合併症は認められな かった.現在,バルーン形成術後5カ月であるが,圧 較差の悪化は認めていない.大動脈弓離断症術後の大 動脈弓の狭窄に対してもバルーン形成術は有効である

と思われた.

 3.経皮的バルーン弁形成術が著効した新生児

critical PS(右室低形成)の1例

    中通病院小児科 高田  修,三浦 靖徳  生後8日目に右室圧155mmHgのcritical PSに対

しバルーン弁形成術を行い,著効を得た症例を経験し

た.

 症例は女児.生後1日目にチアノーゼに気づかれ,

生後2日目に当科へ搬送.心エコーで推定圧較差116 mmHgのPSを認め,パルクス投与を開始した.生後

8日,体重3,370gで全身麻酔下に心カテ施行.肺動脈 弁輪径5,5mmに対しホプキントン社製ultra−thin

balloon catheterの径6mmで2回:径8mmで1回拡

張術を行い,ともにWaistの消失を認めた.右室圧は

術前155mmHgから術後65mmHgへ,右室/体血圧比

は1.58から0.66に改善した.

 患児は里帰り分娩で,埼玉医科大学付属病院での術 後49日の心エコー検査では,推定圧較差18mmHgで,

PRも無く経過良好の連絡であったが,術後118日目に 突然死した.剖検では肺動脈弁はややdysplasticであ るが,よく解放されており,心疾患と死亡原因との関 連は不明である.

 4.肺静脈閉鎖症の2例     東北大学医学部小児科

      田中 高志,大野 忠行,小澤  晃       菅  隆昭,柿澤 秀行

    公立刈田綜合病院循環器内科 八巻 重雄  両側の肺静脈閉鎖症を2例経験したので報告する.

1例は31週1,432gで出生し,無脾症に合併し,肺静脈 の低形成を伴っていた.いずれも生後まもなくより高 度の肺うっ血をきたして1日以内に死亡した.病理組 織学的所見では肺静脈あるいは肺動脈の中膜肥厚所見 があり,高度のリンパ管拡張を認めた.肺血管病変は 胎児期より存在したと考えられ,このような疾患の外 科治療を困難にする要因になると考えられた.

 5.未熟児に合併した先天性心疾患10例の検討     秋田大学医学部小児科

     伊藤 忠彦,田村 真通,原田 健二

Presented by Medical*Online

(2)

日小循誌  10 (4),1994

 6.乳幼児期cavopulmonary connectionの経験     山形大学医学部第2外科

      深沢  学,折田 博之,鷲尾 正彦     同 小児科

      秋葉 伴晴,中里  満,佐藤  哲  1993年1月より7例のcavopulmonary connection

を経験したので報告する.

 対象及び結果:TA(lb,1c)2, DILV+PAI, PA:

IVSI MA+DORY 1例に対するfenestrated TCFC

(f−TCPC)及び乳児期TCPS 2例を対象とした. f

TCPC症例は12カ月から5歳であり内3例は体重10

kg未満且つ3歳未満の症例であった. f−TCPCの適応

は,cyanosisと心拡大の進行,高肺血流の持続,

cyanosis進行であった.1例を腸回転異常症による腸 閉塞により失った.TCPS 2例中TAPVC(Ib)の修 復を同時に行った1例を肺高血圧のため失った.

 まとめ:f−TCPC, TCPS術は体心室前負荷となる RL短絡を残しGlen, hemiFontanとFontan手術の 中間に位置する幼児期に比較的安全に行いうる有用な 手術法と考えられた.

 7.Bidirectional Glenn手術2例の経験     本多記念東北循環器科病院外科,小児科*

      丁毅文,本多正知,菅野恵       新岡俊治,末次文祥,辻徹

      横澤 正人*

 近年Bidirectional Glenn手術が多施設で行われ,そ の心室容量負荷軽減作用と動脈血の有効な酸素化によ

り良好な結果が得られている.今回,無脾症候群に合

併した共通房室弁逆流を伴う右室性単心室症と

restrictive ASDを伴う純型肺動脈閉鎖症の2症例に Bidirectional Glenn手術を施行し良好な結果を得た ので報告する.症例1は8カ月,女児,体重7.2kg.β プロッカー服用にても再発する発作性上室性頻拍およ び無酸素発作または共通房室弁の逆流を認めたため,

また症例2ではBTshuntの閉塞を認め心胸郭比も拡 大傾向にあったため心室容量負荷を軽減するBi−

drectional Glenn手術を選択し同時に心房中隔欠損孔 拡大術を施行した.両症例とも術後経過は良好であり,

本法は低年齢の乳幼児や房室弁逆流などを伴う

Fontan手術適応限界症例に対する姑息手術として有

591−(99)

用であると考えられた.

 8.多脾症候群,不完全型心内膜床欠損症,右胸心,

単心房,奇静脈結合合併症に対し,心房内血流転換術 を施行した1例

    東北大学医学部胸部外科

      崔  禎浩,田林 胱一,杉下 智彦       斎木 佳克,長嶺  進,近江三喜男       羽根田 潔

 各脾症候群,不完全型心内膜床欠損症,右胸心,単 心房,奇静脈結合合併例に対し,Mustard様心房内血 流転換術を施行し,良好な経過を得た症例を経験した.

Left isomerismに伴う多様な解剖学的異常がみられ る場合でも体・肺静脈還流位置や心室大動脈位置関係 により機能的根治が充分可能でありそのためには正確 な術前診断が必要である.それには術前からの正確な 診断が重要と考えられた.本症例ではMRIによる診 断が特に体,肺静脈の還流の位置の診断に有用である

と考えられた.

 9.小児科側からみた短絡手術の適応と結果     中通総合病院小児科

      三浦 靖徳,高田  修     同 心臓血管外科

      大久保 正,星野 良平       郷古 親夫,伊藤 正夫  現在当科でfollow upしている18例の短絡手術後患 者うち,14例についてshunt側と反対側のPA index の変化をみた.手術年齢や術後の経過観察期間はばら ばらであるが,shunt側は術前に比べ3.4倍,反対側は 2.8であった.また分岐部に明らかな狭窄を有した4例

を除いた10例ではshunt側は3.4倍,反対側は3.0倍で,

当初予想していたより左右ほぼ均等な発育が得られ た.また小数例の造影検査ではあるが,短絡術後2〜3 カ月ときわめて短期間で発育していた.18例の内7例 に再姑息手術,5例の根治手術を行い,それぞれ1例 を失った.また肺動脈のcranial angiographyや,膀 静脈を使用しての大動脈造影が有用なこと呈示した.

最近1歳未満bidirectional shuntの報告が増加して いるが,短絡術後もそう期間を置くことなく,このよ

うな手術が可能と思われた.

Presented by Medical*Online

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