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日本語学校教員の現状と課題―福岡市内の日本語学校を事例に― [ PDF

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Academic year: 2021

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序論 第1節 研究の背景 第2節 研究の目的 第3節 先行研究 第1章 日本語学校と日本語教師の現状 第1節 日本語学校の概要 第2節 日本語教師の概要 第3節 小結 第2章 日本語学校ならびに日本語教師がかかえる課 題 第1節 教師の質の問題 第2節 教師不足問題 第3節 研修制度が抱える問題 第4節 小結 第3章 福岡市における日本語教育の現状Ɇインタビュ ー調査からɆ 第1節 福岡市における日本語教育の特徴 第2節 調査概要 第3節 分析と結果 第4節 小結 終章 第1節 結論 第2節 今後の課題と展望 参考文献 文末資料 ①インタビュー「体験談」 ②規定資料 はじめに (1)研究の背景 本論に入る前に、本研究の意義を近年注目されている 留学生政策との兼ね合いから導出したい。具体的には、 「留学生 30 万人計画」の策定の経緯およびその内容に 触れた。 (2)研究の目的 「留学生 30 万人計画」に向けて、日本語学校並びに そこで教えている教員に関し、それぞれの定義がどうな っているのか、法律的な定義があるのかどうかや歴史的 背景について触れ、今後の課題を明らかにした。 (3)先行研究 日本語学校に関する先行研究は、管見の限りほぼ無い に等しく、日本語教員に関するものは、横溝紳一郎・春 原健一郎(2006)等があるが、現場教員へのインタビュー 調査をもとに書かれたものは見あたらない。 第1章 日本語学校と日本語教員の現状 本章では、第1 節において日本語学校の概要について 触れた。まず定義について、日本語学校は、大きく二つ に分けられ、一つは、財団法人日本語教育振興協会(以 降、日振協とする)から認定を受けている認定校と認定 を受けていない非認定校である。ここで日振協とは、我 が国における日本語教育機関の質的向上を図るため、必 要な事業を実施し,もって外国人に対する日本語教育の 振興に資することを目的とした機関である。 次に、日本語学校の変遷に関して概観すると、戦中に おいては主に植民地政策の同化としての日本語教育であ ったものが、戦後しばらくはGHQ や日本国内にある海 外政府機関職員対象のものであった。その後、国内の高 度成長化に合わせ、それと並行して留学生も増加し、日

日本語学校教員の現状と課題

‐福岡市内の日本語学校を事例に‐

キーワード:日本語教員、留学生 10 万人計画、留学生 30 万人計画、財団法人日本語教育振興協会 教育システム専攻 井尾 隆行

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本語学校も増加して来た。日本語学校乱立の時代になる と中には、教育的水準も疑わしいものもあった。そのた め日振協が設立され、それらを選別するようになった。 第2 節では、そこで日本語を教えている日本語教師につ いて述べた。日本語教師の定義で触れたが、その定義そ のものがあいまいで唯一日振協「日本語教育機関の運営 に関する基準」の中で述べられているにすぎないが、こ れを多くの場合、採用の際の応募条件にすることが多い。 具体的には、➀大学において、日本語教育を主・副専攻で 所定の単位取得者、➁日本語教育能力検定合格者、➂日 本語教育以外の学士の学位取得者などで民間の「420 時 間の日本語教員養成講座」受講者などである。 また「留学生受入れ 10 万人計画」その後の「留学生 受入れ 30 万人計画」と打ち出され、日本語教員に関す る質の問題も問われるようになった。 第2章 日本語学校並びに日本語教師が抱える課題 本章では、第 1 節で教師の質の問題について触れた。 日本語教育機関では今、「変化に対応する」ことと、「変 化を起こす」ことが課題である。すなわち時代や社会を 反映させた日本語教育が求められている。前章で述べた 採用時に課すことが多い条件を満たしていれば、日本語 教員としては十分であるかといえば全くそうではない。 また日本語教育機関での現状の研修は、決して十分なも のとはいえないということを第2 節で述べた。 第3章 福岡市における日本語教育の現状 本章では、実際にどういったことを現場の日本語教員 が取り組んでいるのかを明らかにするため5名の現職の 日本語教員にインタビュー調査を行った。 インタビュー方法は、まずインタビュー用紙に記入し てもらい、①インタビューの目的、②方法、③名前が外 部に出ることがない事などを説明しインタビューの許可 を得た。実際のインタビューでは、ICレコーダーを設 置し記録した。可能な限り、リラックスしてもらえるよ うな雰囲気作りに努め、所要時間は、約 30 分とした。 録音したものを文字化し、分析した。 M 教員の場合、男性で日本語教員歴 5 年、年齢は 30 代後半、日本国内の大学に在学中、一般の「420 時間の 日本語教員養成講座」を受講し、同時に日本語教育能力 検定試験合格した。卒業後、オーストラリアの大学院に 留学し、言語学の修士の学位を取得後、インドネシアで 英語教員として教え、日本に帰国し、現在勤務している 日本語学校の日本語教員になった。F 教員(男性)の場 合、男性で日本語教員歴 4.5 年、年齢は 30 代前半であ る。日本国内の大学で歴史学を専攻し、大学を卒業後、 塾講師になった。その後、独学で日本語教育能力検定試 験に合格し、日本語教員になった。そのきっかけは大学 時代の恩師からの日本語教育に関する書籍であった。ま た日本語教員として教育の現場に立ちながら、現在、大 学院修士課程に在学し、感性コミュニケーションに関し て研究である。L 教員の場合、女性で日本語教員歴は 12 年、年齢は 30 代後半である。中国で中学生の時、日本 語を勉強し始めた。現地の大学では、日本語教育を専攻 し、高校の日本語教員になった。その後、来日し、学生 として日本語学校を経て、国内の大学院で日本語教育を 専攻し、博士課程進学時から日本語教育に携わっている。 T 教員の場合、女性で、日本語教員歴 2 年、年齢は 20 代後半である。学部では、社会学を専攻し、在学時にニ ュージーランドに語学研修に行く機会があり、そこの英 語教員の影響を受け、日本語教員を目指す事になった。 現在博士課程で研究しながら、日本語教育に携わってい る。N 教員の場合、男性で、日本語教員歴 4 年、40 代後 半である。4 年制大学卒業で、専門は経済である。大学 卒業後、食材関係の総合商社勤務や自営を経て、日本語 教員となった。その間、現在の中国出身の奥さんに出会 い、結婚した。夫人をはじめ、彼女の兄弟からの強い希 望もあり、日本語教員になった。 こうした異なるバックグランドがあるにも拘らず、共 通して言える事は、日本語教育への他分野からの導入で ある。例えば、英語教育、特に英語教授法の日本語教授 法への導入、あるいは小・中・高校生に教えてきた経験の 日本語教育への導入などである。 こうした事が時代の変化とともに、学習者のニーズも

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変化するため、今後ますます重要になると思われる。 終章 まとめと今後の課題 本稿では、日本語学校での日本語教員に関して「現状 分析及び今後の課題分析」という研究目的を達成するた めに、現職の日本語教員へのインタビュー調査を採用し た。 以上の考察を踏まえ、本稿の当初の目的であった、日 本語学校の教員について述べると、現状と課題が明らか になったということができよう。本稿で、まず法律的な 日本語学校及び日本語教員の定義づけが、「学校教育法」 上の学校教員とは異なり、無いことが明らかになった。 このことは「留学生 30 万人計画」に向けて重大な欠落 ではないかと執筆者は考える。このために本来ならば日 本語教員の資格要件を満たしていない者等が存在し、こ れが日本語教員の資質が上がらない事にも繋がり、ひい ては学習者にも重大な不利益をもたらすからである。 「留学生 30 万人計画」を実現して行くにあたって、今 後、より一層研究を深めて行く必要があろう。 主要参考文献 ・沖裕子(2002)「日本語教員とは何か―戦後の日本語教員 養成政策の観点から―」信大日本語教育研究。 ・奥田純子(2006)「教師研修と学校運営」春原憲一郎・ 横溝紳一郎編著『日本語教師の成長と自己研修』凡人 社。 ・金田一春彦(1995)「日本語百科大事典」大修館書店。 ・社団法人日本語教育学会編(2005)「新版日本語教育事 典」大修館書店。 ・日本語教育振興協会(2010)「2010 日本語教育機関要覧 (2009 年版)」。日本語教育振興協会。 ・横溝紳一郎・春原憲一郎編著(2006)『日本語教師の成長 と自己研修』凡人社。

参照

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