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章物理化学的皮膚障害 光線性皮膚疾患 ミュンヒハウゼン症候群 (Münchhausen syndrome) Trigeminal trophic syndrome 図 あかつき病 (akatsuki disease) 20 歳代女性. 乳頭部に湿疹が生じることを恐がって長期

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Academic year: 2021

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囲(四肢,胸部,顔面)に多く,右利きの患者には左側に多発 する.爪,刃物,薬物などが用いられ,それに応じてさまざま な皮疹を示す. 病因・診断 精神的ストレス,神経症,うつ病,精神遅滞,統合失調症な どを背景に,自らの皮膚,毛,爪,粘膜を自ら傷つけることで 生じる人工的病変である.ほとんどの患者が自傷行為をしてい ることを否定する.本症の特殊型として,トリコチロマニア (trichotillomania,19 章 p.371 参照)や爪甲損傷癖(onychotillo-mania,habit-tic deformity)といったものが存在する.また, あかつき病(akatsuki disease,図 13.13)や臍さい石せき(navel stone, 図 13.14),バガボンド病(vagabond’s disease)などが類似疾 患としてあり,これは,その部位を洗わない状態が長期間続い たために生じた皮膚の状態である. 治療 皮膚病変に対し適切な治療を行う.精神神経科医と相談しな がら解決をはかることが必要な場合が多いが,患者の同意を得 られないことが多い. 日光や,それに含まれる紫外線曝露により皮膚にはさまざま な変化が生じうる.これを光線性皮膚疾患と総称する.このな かには,光線のみによって誰にでも生じうる日光皮膚炎(いわ ゆる “ 日焼け ”)や光老化などが含まれる.一方,何らかの内的・ 外的因子が加わり,健常人では反応を起こさない光線量で異常 な皮膚反応を示すことがあり,これを光線過敏症(photosensi-tivity)という.

光線性皮膚疾患 

photodermatosis

図 13.14 臍石(navel stone) いわゆる “ おへその石 ”.患者は臍部の黒い腫瘍を主 訴に受診.ひっぱると “ あか ”(角質塊による臍石) が除去された.臍を洗ってはいけないという両親から の教えを長年強く守ってきたことによって生じた例. suntan と sunburn 図 13.13 あかつき病(akatsuki disease) 20歳代女性.乳頭部に湿疹が生じることを恐がって 長期間ほとんど洗わなかったために著明に角質が堆 積した. ミュンヒハウゼン症候群 (Münchhausen syndrome)

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.日光皮膚炎,日焼け 

solar dermatitis,sunburn 過度の日光曝露(主として UVB が原因)によって紅斑,水 疱が形成される.病理所見では,sunburn cell(角化細胞のア ポトーシスによる)の出現,真皮血管周囲の浮腫,炎症細胞浸 潤,壊死,表皮下水疱などをみる.日光曝露の数時間後に紅斑 が生じ,次第に浮腫状となる(図 13.15).発症後 12 〜 24 時 間をピークとして軽快し,数日で落屑や色素沈着,ときには色 素脱失を残して治癒する.治療には冷湿布やステロイド外用薬, 水疱形成が生じた際には第Ⅱ度熱傷に準じた治療が必要であ る.予防にはサンスクリーンの塗布を行う.

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.光老化 

photoaging 日光ないし紫外線の慢性曝露により生じた,健常人の皮膚変 化の総称.皺しわの形成,日光性弾力線維症,項部菱形皮膚(18章 参照),老人性色素斑,Fファーブルavre-Racouchot症候群などが含まれる. ラクーショ

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.光線過敏症 

photosensitivity 同義語:光線過敏性皮膚症(photosensitive dermatosis) ●日光ないし紫外線曝露によって発生あるいは悪化する皮膚 疾患の総称. 外因性(薬剤など,表 13.5)と内因性(遺伝疾患や代謝疾 患など)がある. ●外因性で発症する機序は,薬剤の直接作用によるもの(光毒 性皮膚炎)と免疫学的機序を介するもの(光アレルギー性皮 膚炎)に大別. ●内因性で発症する疾患には色素性乾皮症など. 病因 外因性の化学物質によるものと,内因性の2つに分類される. 内因性に光線過敏性皮膚症を生じる疾患については,それぞれ 別項を参照されたい.本項目では,外因性によって生じるもの について解説する. 外因性の光線過敏症は,体内に取り込まれて皮膚に到達し, 光線によって励起される物質〔クロモフォア(chromophore)〕 が,日光や紫外線(UVA であることが多い)を受けて励起さ れることにより,皮膚に炎症を生じたものである.クロモフォ アの皮膚への到達には,皮膚外表を経由するもの(化粧水,香 図 13.15 日光皮膚炎,日焼け(solar dermatitis, sunburn a:海水浴中に浜辺で 3 時間寝てしまったために生じ た例.著明な水疱形成も認める.第Ⅰ~Ⅱ度熱傷と 同様の状態.b,c:水着に覆われていた部位と露出 部位の違いが明瞭な点に注目. a b c d e f h a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp a b c d e f h a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp a b c d e f h a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp

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水,果汁,タールなど.光接触皮膚炎という)と,体内から皮 膚に移動するもの(薬剤,食品など)の 2 つの経路が存在する (表 13.6).また,炎症を惹起する機序は 2 つ存在し,励起物 質が抗原となって免疫反応を介して炎症を起こす場合(光アレ ルギー性)と,励起された物質が直接細胞毒性を帯びる場合(光 毒性)がある(表 13.7,図 13.16).

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)光アレルギー性皮膚炎 

photoallergic dermatitis 薬物摂取後,日光曝露によりⅣ型アレルギー反応で生じる光 線過敏性皮膚症. ●症状は紅斑や水疱が主体. 本病態をきたす薬剤はケトプロフェン,クロルプロマジン, サイアザイド薬,経口血糖降下薬など. 症状 日光曝露を受けた部位に一致して紅斑や漿液性丘疹を生じ る.高度の場合は浮腫,水疱,びらんを形成する.サイアザイ ド系降圧薬などでは,光線過敏症の後に著明な色素沈着と色素 脱失を生じることがあり,白斑黒皮症(leukomelanoderma) 表 13.6 光線過敏症の分類と本書で解説した章 表 13.5 光線過敏症を引き起こす主な薬剤(青字はよく用いられるもの) 分 類 薬 剤 名 向精神薬 クロルプロマジン塩酸塩,プロメタジン塩酸塩,ジアゼパム,カルバマゼピンイミプラミン塩酸塩 筋弛緩薬 アフロクァロン 抗ヒスタミン薬 ジフェンヒドラミンメキタジン 抗菌薬 オフロキサシン,シプロフロキサシン,ロメフロキサシン塩酸塩,スパルフロキサシン,フレロキサシン,トスフロキサシ ントシル酸塩水和物,テトラサイクリン塩酸塩ドキシサイクリン塩酸塩水和物 抗真菌薬 グリセオフルビン,フルシトシン,イトラコナゾール 消炎鎮痛薬 ケトプロフェン,チアプロフェン酸,スプロフェン,ピロキシカム,アンピロキシカム,アクタリット,ジクロフェナクナ トリウムナプロキセン 降圧薬 ヒドロクロロチアジド,トリクロルメチアジド,メチクラン,トリパミド,フロセミド,チリソロール塩酸塩,ピンドロー ル,ジルチアゼム塩酸塩ニカルジピン塩酸塩ニフェジピンカプトプリル,リシノプリル水和物 血糖降下薬 トルブタミド,クロルプロパミドグリベンクラミド 痛風治療薬 ベンズブロマロン 抗悪性腫瘍薬 フルオロウラシルテガフール,ダカルバジン,フルタミド 脂質異常症治療薬 シンバスタチン 前立腺肥大治療薬 タムスロシン塩酸塩 光化学療法薬 8-メトキシソラレン,トリオキシソラレン,ヘマトポルフィリン誘導体 ビタミン製剤 エトレチナート,ピリドキシン塩酸塩,ビタミン B12 抗リウマチ薬 金チオリンゴ酸ナトリウム,メトトレキサート 紫外線吸収剤 オキシベンゾン,オクトクリレン (上出良一.外因性光感作物質による光線過敏症.玉置邦彦総編集.最新皮膚科学大系 16 巻 動物性皮膚症 環境因子による皮膚障害.中山書 店;2003:293 を参考に作表) MED,MRD,MPD

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と呼ばれる. 病因 何らかの経路で皮膚に沈着したクロモフォア(chromophore, 発色団)が特定波長の光線(多くは UVA)により化学変化を 起こし抗原となるか,ハプテンとなり生体蛋白と結合して,完 全抗原〔光抗原(photoallergen)〕となって感作する.その後 再び原因物質が皮膚に到達し光線曝露を受けると,Ⅳ型アレル ギー反応を生じる(図 13.16).アレルギー反応は,まず感作さ れる必要があるので,初回曝露では炎症を起こさず,またすべ ての人に生じるわけではない.一方,一度感作されると,ごく 少量の物質が原因でも光線曝露によって容易に炎症を生じる. 検査所見・診断 光パッチテスト(5 章 p.84 も参照):通常のパッチテストと同 様の方法で被検物質を 2 列貼ちょう ふ布し,同時に被検者の最小反応 量(MRD)や最小紅斑量(MED)を測定する.24 時間後に除 去し,被検物質貼布部の一方に紫外線(照射量は正常部 MRD/ MED の 1/2 〜 2/3)を照射し,残りは照射しない.照射 48 時 間後に判定する(図 13.17). 内服照射試験(photo-drug test):まず,疑われる薬剤を 20 日 クロモフォア ①接触あるいは  経口摂取 ②光によりクロモフォアが  光抗原に変化 ③生体蛋白と結合 光抗原 光 / UVA ①マクロファージ /  Langerhans 細胞  が物質を直接認識 リンパ節 or 皮膚内 各種サイトカイン分泌 局所炎症を惹起 ④マクロファージ /  Langerhans 細胞  が捕食 ⑤T 細胞へ提示,  感作される 初回摂取時(感作) 2回目以降(惹起) 皮内 リンパ管 所属リンパ節 ②エフェクター T 細胞 へ提示され炎症が起 こされる.  ピークは 48 時間 生体蛋白 図 13.16 光アレルギー反応の機序 光線過敏型薬疹 表 13.7 光毒性反応と光アレルギー反応

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以上中止する.ついで被検薬剤を 2 日間常用量で投与し,光照 射により皮疹が再現できればほぼ確実である.

治療

原因物質の摂取を避け,遮光を行う.接触皮膚炎に準じて治 療する.原因物質を断っても persistent light reaction と呼ば れる光線過敏症が残存することがある.persistent light reac-tion は現在,慢性光線性皮膚炎の概念(後述)に含まれている.

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)光毒性皮膚炎 

phototoxic dermatitis ●一定量の薬剤と日光により,誰にでも発生しうる光線過敏性 皮膚症. ●初回曝露(主に UVA)にて潜伏期なしで発症することが特 徴的. ●本病態をきたす薬剤はソラレン,コールタール,スパルフロ キサシンなど. 症状・治療 日焼け様症状が主である.すなわち,紅斑や浮腫をきたした のち,落屑および色素沈着がみられる.とくに,香水中のベル ガモット油に含まれるベルガプテン(bergapten,5-methoxyp-soralen)によるものをベルロック皮膚炎と呼ぶ.原因物質の 摂取を避け,遮光を行う.治療は接触皮膚炎に準じる.

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.日光蕁麻疹 

solar urticaria 定義・病因・症状 何らかのクロモフォアが血清中に存在しており,光線曝露に より皮膚内でⅠ型アレルギーが生じたものである.光線(可視 光線が多い)曝露部位に一致して,数分後に著明な瘙そうよう痒を伴う 蕁麻疹を生じるが,数時間で消退する.まれにアナフィラキシ ーショックを起こすこともある. 診断・検査 通常は日光や人工光源により皮疹の再発がみられることで診 断されるが,遮光することで膨疹の発生や悪化をみる例もある (抑制波長の存在が考えられる).若年者では骨髄性プロトポル フィリン症との鑑別が必要な場合がある. 1.背中などに被検物 質を 24 時間貼布す る. 2.貼 布 部 の 1/2 に, 他部位で測定した MRD/MEDの 1/2~ 2/3程度を照射する. 物質が光アレルギ ーと無関係であれば, 紅斑などは出てこ ない. 3.48 時間後にはがし, 少し時間をおいて 判定する. MRD/MED の 1/2~2/3 光線を照射 しない 図 13.17 光パッチテスト施行法 光接触皮膚炎 (photocontact dermatitis)

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治療 対症療法として抗ヒスタミン薬が用いられる.脱感作療法と して短時間の日光浴をすすめる.重症例では,免疫抑制薬や血 漿交換が有効な報告もある.

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.慢性光線性皮膚炎 

chronic actinic dermatitis;CAD

症状・病因 中年以上の男性に好発する.露出部に,慢性に経過する苔たい癬せん 化局面を主体とした難治性の湿疹性病変が生じる(図 13.18). なかには紅皮症へ移行し,皮膚リンパ腫様の皮下結節や皮膚肥 厚,獅子様顔貌にまで至る症例もある.何らかの理由により, 光線曝露によって内因性抗原が産生されるという仮説があるが 詳細は不明である.過去に persistent light reaction, actinic re-ticuloid, chronic photosensitivity dermatitis などと呼ばれた光 線過敏症は,現在この慢性光線性皮膚炎に包括されている . 病理所見 湿疹病変が主体である.しかし進行すると真皮全層にリンパ 球浸潤,異型細胞の出現,ポートリエ微小膿瘍様の変化が表皮 に認められることもある〔この場合,とくに光線性類細網症 (actinic reticuloid)と呼ばれる〕. 検査所見・診断・治療 MED が著明に低下する.MRD の低下や可視光線への過敏 性もみられることがある.UVB 反復照射による湿疹様病変の 出現を確認する.治療はタクロリムス外用が有効であり,徹底 的な遮光が重要である.ステロイド外用も行われる.重症例で はステロイドや免疫抑制薬の内服が有効である.

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.多形日光疹 

polymorphic light eruption

10 〜 20 歳代の女性に多く,夏季に日光露出部に瘙痒を伴う 紅斑や丘疹,ときに小水疱をみる.慢性に経過するが次第に軽 快する傾向にある. 遅延型アレルギーなどが考えられているが原因は不明. MED,MRD は正常である.光に関係する原因不明の症例がす べて本症とされており,本症の概念については再検討の余地が ある.発症背景の明らかな他の光線過敏症との鑑別を要する. 図 13.18① 慢性光線性皮膚炎(chronic actinic dermatitis a:慢性に経過する苔癬化局面を呈する難治性の湿疹 病変.b:タクロリムス軟膏を数か月外用すると,か なり軽快する.c:後頸部の境界明瞭な紅色局面.日 光の関与を示唆する.d:頰部の扁平隆起局面. a b c d e f h a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp a b c d e f h a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp a b c d e f h a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp a b c d e f h a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp

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.種痘様水疱症 

hydroa vacciniforme ●まれな小児の内因性光線過敏症の一種.思春期頃までに自然 寛解. 顔面や手背の日光曝露部位に,中心陥凹性の水疱を形成. ●EB ウイルスの関与.一部はリンパ腫などを生じ予後不良. 症状・病因 2 〜 3 歳までに発症し,多くは思春期頃に自然寛解する.男 性に多い.日光(もしくは UVA)曝露後の数時間で紅斑,つ いで特徴的な中心臍さい窩かを伴う水疱を生じる.1 〜 2 週間で痂皮 を形成し,軽度の萎縮を残して治癒する.顔面,耳介,手背に 好発する(図 13.19).夏季に悪化しやすい.重症例では発熱 や肝脾腫を伴う.また,慢性活動性 EBV 感染症,血球貪食症 候群や EB ウイルス関連リンパ腫を発症し,予後不良になるこ ともある.本症の皮疹部や痂皮から EB ウイルスが検出され, EB ウイルス関連疾患の一つと考えられる. 診断・検査・治療 臨床症状による.ポルフィリン症を除外する必要がある. EB ウイルス抗体価は正常既感染パターンであることが多い. 遮光と強力なサンスクリーンを使用することが唯一の治療法で ある.全身症状を伴う場合はステロイド内服などを考慮する.

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.色素性乾皮症 

xeroderma pigmentosum;XP ●DNA 修復過程に先天的障害があり,光線過敏症と神経症状 をきたす. ●すべての病型で常染色体劣性遺伝形式をとる. ●成長とともに悪性腫瘍を合併しやすい. 治療は徹底的な遮光. 分類・病因 紫外線曝露によって生じた DNA 損傷を除去修復する過程に おいて,先天的な異常をもっているために光線過敏症および神 経症状をきたす疾患である.

原因遺伝子および不定期 DNA合成(unscheduled DNA syn-thesis ;UDS)値から,A 群〜 G 群と V(variant)型の合計 8

図 13.18② 慢性光線性皮膚炎(chronic actinic

dermatitis

手背の著しい苔癬化局面と結節性痒疹.

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型に分類される(表13.8).すべて常染色体劣性遺伝形式である. A 群が最も重症で,V 型が最も軽症.日本では A 群(55%) と V 型(25%)が多く,ついで D 群,F 群とされる.日本で は人口 2.2 万人に 1 人程度で発症する. 病因 紫外線の曝露により,DNA のピリミジン塩基が連続した場 所で構造変化〔シクロブタン型ピリミジン二量体,(6-4)光産 物など〕をきたし,突然変異やアポトーシスに至る.これに対 抗する DNA 修復機構として,ヌクレオチド除去修復(nucleo-tide excision repair;NER)や損傷乗り越え複製(translesion synthesis;TLS)などが生体に備わっている.V 型では TLS ポリメラーゼ h,その他の群では NER 関連因子に異常をきた すために,DNA 修復が正常に行われなくなる. 症状 本症の臨床症状は,日光曝露によって激しい日焼けをきたす もの(サンバーン増強型:A,B,D,F,G 群)と,日焼けを 起こさず色素沈着が強くなるもの(色素異常型:C, E群, V型) に大別される.以下,主に A 群について述べる.生下時は正 常であるが,生後 1 〜 2 か月で日光浴後に高度かつ遅延性の日 焼けを起こすことで気づくことが多い.露出部(顔面,手背, 前腕伸側)の日焼けを反復するうちに皮膚は乾燥,粗そ糙ぞう化し, 雀 じゃくらんはん 卵 斑様色素斑,脱色素斑,落屑,毛細血管拡張が混合し, 多形皮膚萎縮を呈する(図 13.20).これらの皮膚のうえに, 小児期から次々と脂漏性角化症や小潰瘍が発生し,さらには基 底細胞癌,有棘細胞癌,ケラトアカントーマ,悪性黒色腫など を生じる(図 13.20①c). 眼の光線過敏症として,生後まもなくから眼がん瞼けん炎,羞しゅうめい明,流 涙,結膜炎を生じ,末期には眼瞼外反や失明,悪性腫瘍発生に 至る. 表 13.8 色素性乾皮症の各病型間の比較 病型 原因遺伝子 UDS(%) MED低下 皮膚症状 神経症状 平均年齢癌初発 A XPA <5 あり +++ ++ 9.7 B XPB/ERCC3 3~ 7 あり ++ -~ ++ C XPC 10~ 20 なし ++ - 14.0 D XPD/ERCC2 20~ 50 あり ++ -~ ++ 38.0 E DDB2 40~ 60 なし + - 38.3 F XPF 10~ 20 あり + -~ + 43.7 G ERCC5 <5 あり ++ -~ ++ 32.0 V POLH 75~ 100 なし + - 41.5 図13.20① 色素性乾皮症(xeroderma pigmento- sum a,b:図 13.20② b と同一症例.日光曝露を受けや すい前胸部や上背部に色素沈着を認める.c:図 13.20② d と同一症例.鼻背部に基底細胞癌を発症. a b c d e f h a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp a b c d e f h a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp a b c d e f h a b c d e f gg h ii jj kk ll mm nn oo pp

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神経運動発達は小学校低学年頃がピークで,以後進行性に低 下する.10 歳までに難聴が,その後,小脳失調などが現れる. 20 歳くらいで歩行不能や誤嚥性肺炎を生じることが多い. E 〜 G 群は光線過敏症状が軽度のため見落とされることが 多い.発癌時期は 30 〜 40 歳代と遅く,眼症状や神経症状もそ れほど認めない.しかし,一部には A 群と区別できないほど の皮膚症状,神経症状を呈する例もある.V 型では MED はほ ぼ正常であり,小児期以降に雀卵斑様色素斑が徐々に出現す る.眼症状や神経症状はほとんどみられないが,成人期になっ て基底細胞癌や有棘細胞癌を生じる. 検査所見・診断

MED の測定(A 群では MED の著明な低下と反応のピーク の遅延がみられる),UDS 値測定や遺伝的相補性群試験,遺伝 子検査により確定診断する. 鑑別診断 雀卵斑,遺伝性対側色素異常症,骨髄性プロトポルフィリン 症など.色素斑の分布や遺伝様式などから鑑別される. 治療 とくに皮膚症状の強い A 〜 C 群では徹底的に日光を避ける 必要がある(衣類,紫外線遮断レンズ眼鏡,窓への紫外線防御 フィルム貼布,蛍光灯へのシェード,サンスクリーンの使用な ど).皮膚悪性腫瘍の早期発見,早期治療に努め,神経症状に 対しては,定期的聴覚検査や言語訓練,運動機能の保持訓練な どで対処する. 図 13.20② 色素性乾皮症(xeroderma pigmentosum) a:40 歳代女性,D 群.顔面に色素沈着を認める.b:10 歳代男性.露光部を中心に色素沈着を認める.c:40 歳代女性.30 歳代より基底細 胞癌が多発してきた.d:20 歳代男性,D 群.精神遅滞と歩行不能を伴っていた. a b c d e f h a b c daa ebb fcc ggddaa heebb iiffcc gjjgddaa kkhheebb lliiffcc mmjgjgdd nnkkhhee oolliiff ppmmjjgg nnkkhh oollii ppmmjj nnkk ooll mpmp nn oo pp UDS〔不定期 DNA 合成

図 13.18② 慢性光線性皮膚炎(chronic actinic

参照

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