九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
三次元物体モデリングのための最適な曲面再構成に 関する研究
原, 健二
九州大学システム情報科学研究科知能システム学専攻
https://doi.org/10.11501/3163935
出版情報:Kyushu University, 1999, 博士(工学), 課程博士 バージョン:
権利関係:
三次元物体モデリングのための最適な曲面再構成 に関する研究
1 9 9 9 年
原 健 一
同 ロ 次
第 1 章 序 論
1.1 本研究の背景と経緯
1
1.2 本 研 究 の 目 的 .• • . . • • • . • • . • . • . . . • . • • . • • . •• 4 1.
3
本 論 文 の 構 成 .• • . • • . . . • • . . • • . . . • . • • • . • • • • . ••5
第 2 章 曲面再構成のための最適化手法 7
2 . 1
序 .• • . • . . • . • • • • • • • . • . . • . . • . . . • • . • . • • • ..7
2.2 標 準 正 則 化 理 論 .. • . • . . . • . . • • . • • • . • • • . • . . . • • ..7 2 . 2 . 1
不良設定問題の解法 . • • . . . . • • • • . • • • • . • • . • •. 72 . 2 . 2
正則化パラメータの推定法.• • . • • • . . • . . . • . . • . .. 82 . 3
曲面データ復元のための正則化手法.• . • • . • . . • . • • . • • • .• 112 . 3 . 1
マルコフ確率場.• . • • . • . • • . . • . . . • . • • . • • • •.1 2 2 . 3 . 2
ライン過程 • • • • • . . . • • • . . . • • • • • • . • . .•1 3
2.4 全周型物体モデリングのための正則化手法. . . • • • • • . • • • • .. 14 2.4.1 変形可能曲面モデ.ル • • • . • . • • . • . . • . • . • . • • • •• 14 2.4.2 ポテンシャル関数.• • • • • • . • • • • • . . . • • • . • . • •. 16
2.4.3 三角形要素を用いた数値解法 . • • • . • • • . • . • • • • • .• 17 2.5 結 び .• • . • • • • • • • • • . . • • • • • • • . • . . • • • . . • • • •• 20
第 3 章 距離画像からの曲面再構成手法 22
3 . 1
序 .• . . . • • • • • • • . . . • . • • • . . • • . • • . • . • • . •. 223 . 2
平均場近似を用いた連続変形法. . • • • . . • • . • • • • • . • . • •.2 2
3 . 3
パラメータ推定を伴う曲面再構成.• . • • • • . . . . • • • . • • • ••2 6
3 . 3 . 1
連続モデ、ノレによる分散推定. . • • • • • • . • . • . • . • . . •.2 7 3 . 3 . 2
正則化パラメータと分散. . • • • . • • . . • • • • • • . • • ••2 7 3 . 3 . 3
パラメータ推定を伴う正則化アルゴリズム.• • • • • • • • ••3 0 3
.4 実験結果.. • • • • • • • • • • . . . • • . . • • • . • • • • • • • .•3 4 3 . 4 . 1
シミュレーション.• . . . • • • . • . . • . • • • • • • • • . .•3 4
3.4.2 実画像データを用いた実験.• • • • • • • • • • • • • • . • . •. 363 . 5
結 び .• • • . • • • • • • • • . • • • • • • • • . • • • • • : • • • • • ••3 8
第 4章 多視点距離画像を用いた曲面再構成手法 46
nb
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1 2 3 4
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位
第 5章 位相適応性を有する曲面再構成手法 69 5 . 1
序 論 .• • . • • • . • • • . • • • . . • • • • • . • . • • . . • • • • • ••6 9 5 . 2
等高面法の基礎理論と位相適応性.• . . • • . . • • • • • • • • • • ••7 0 5 . 3
数値解法.• • • • • • • • • • • • . • • . • • • . . . • • • • • . • .•7 3
111
5 . 3 . 1
等 高 面 方 程 式 の 隣 散 化 .• . . . • . . • • . . . • .•7 3 5 . 3 . 2
輪 郭 線 抽 出 の 場 合 の 運 動 方 程 式 .• • • • • . • • . . . • • . .•7 4 5 . 3 . 3
三次元曲面再構成の場合の問題点.• . • • . • • • • • • • • .•7 5 5
.4 最 適 化 に 基 づ く 曲 面 変 形 .• . . . • . • • • . . . • • • • • • ••7 6 5 . 5
等高面法による三次元物体モデリング . • • . . • • • • • . • • . • ••7 7 5 . 5 . 1
複数レベルの曲面当てはめ.• • . • • • . • • • • . • • . • • ••7 7 5 . 5 . 2
計算コストの削減.• • . • • • • . • • • • • • • • . • • • • • ••8 3
5.6 実験結果. . • • • • • • • • • • • . . • • • • • . . • • • • • • • • • • ••8 4 5 . 7
結 び .• • • • • • • • • • • • • . . • • • • • • . • . . • • • • • • • • ••8 4
第 6 章 結 論 87
謝 辞 89
lV
第 1 章 序 論
1 . 1 本研究の背景と経緯
現在,多品種少量生産を行なう工場では,加工工程や搬送工程などの生産工程で自動化が 急速に進んでおり,生産性向上や低コスト化が実現されている.しかし一方で,組立工程や 検査工程では,自動化が極端に遅れている.これらの工程で入手に頼って行なわれている作 業の多くは,人間にとって単調な作業の繰り返しであり,作業者にかかる負担やコストは決 して小さくない.これらの作業では,三次元物体の部品の取り扱いが主であり,具体的には 部品の移動,姿勢推定,障害物回避,組み立て,欠陥検出などが挙げられる.これらを人間 がいとも簡単に実現できるのは,器用な物体操作を行なえる多関節の腕や指を備えているこ と,環境の状況に適応して動作計画を行なえる知能を有していることに加え,対象物を認識 する視覚機能を備えていることが大きいといえる.一般に,人聞が五感を通して外界から獲 得する情報のうち, 3分の 2以上は視覚系からの情報といわれている.物体認識技術は,この 人間の視覚のもつ機能の機械化を目標としたものであり,この技術の実用化による上記作業 の自動化・省力化が強く求められている.
三次元物体認識の研究は, 1 9 6 0年代半ばに報告されたRobertsの研究[1]によって始 まった.Robertsは,三次元物体の投影である線画の物体をプリミティプ多面体と呼ばれる基 本的な凸多面体に分解する手法を提案した.以来,物体認識の分野では,二次元投影された 画像からエッジ部を抽出して線画を得た後,これら線画を解釈することによって三次元物体 の認識を行なう方法が一般的であった
[ 2 ]
・しかし,ここで対象としている三次元世界は,構 成要素を積木のようにごく単純な形状の物体に限定しており,曲面物体の存在を想定しては いなかった.また,画像からエッジ抽出を正しく行なうために,理想的な照明条件を設定する必要もあった.
1 9 8 0年代に入ると,計測技術の高度化に伴いレンジファインダ[3]の開発が進み,三 次元物体の表面形状を非接触に計調JIした距離データを計算機に入力することができるように なった.特に,各画素に物体表面の点の三次元座標を蓄えたものを距離画像と呼び,この距隣 画像の三次元解析による特徴記述が活発に研究された.その代表的なものとして,距隣画像 から抽出した三次元曲率を用いてシーンを曲面パッチの集合に領域分割する方法が提案され た
[ 4
,5 ]
・このように曲面物体の認識では,曲面の曲率や法ベクトノレ,不連続なエッジといっ1.1. 本研究の背景と経緯 2
た,視線方向に依存しない幾何学的特徴量を抽出しなければならない.しかし,これらの特 徴抽出処理は微分計算に依存し,雑音の影響を非常に受けやすい.したがって,距隣国像か ら雑音を除去しつつ原形状に忠実な曲面データを復元することが前処理として不可欠である.
1 990年代に入ってからは,距離画像を用いて,物体の全周の形状データを計算機に入 力しようとする試みがなされている.このとき,一回の距離計測では物体表面に来計測の領 域がどうしても残されるため,複数の視点から距離画像を取得し統合する方法が用いられて いる [6,7,8].こうして取得された形状データは,コンピュータグラフィクスやCADの幾何 モデリングに利用されることが多いが,物体認識におけるモデノレの作成に用いることも可能 である.
一般に三次元物体の認識は,認識対象物体ごとにモデルを作成しデータベースに蓄積する 過程と,入力距隊画像からシーンの物体表面を再構成し特徴を抽出してモデルと照合する過 程,の二つから構成される.対象物体は測定方向に対しどのような姿勢で置かれるかわから ないため,これらのモデルは物体の全周を記述したものでなければならない.しかし,複数 の距離画像を統合した全周型の形状データから特徴抽出を行なうと,重複して計測された部 分で複数の異なる特徴記述が生じる可能性が高い.また,この重複部ではデータ点の分布が 不規則となり,特徴を抽出しにくい.そのため,距離画像を用いたモデル作成では,複数枚 の距離画像からなる形状データを一つの連続的な閉曲面に変換する全周型物体モデリングが 必要とされる.
本論文では,距離画像を用いた物体認識における曲面再構成の問題として, 1)入力距離 画像からの曲面データ復元, 2)モデル作成における全周型物体モデリング,の二つを取り上 げる.1)は規則的に配列された一枚の画像データから未知の雑音を除去する問題であり,そ のままでは解空間が無限に大きな不良設定問題である.そこで,距離画像から雑音を過不足 なく除去するため,原形状を正しく反映した適切な制約条件をいかにして求め,これを用い るかが主要な問題となる.一方, 2)は三次元空間に不規則に分布する隊散データに曲面を当 てはめる問題である.このときも雑音を過不足なく除去することが求められる.そのために は,距離データとモデル曲面の近さを評価することが必要であり,どのようにデータ点とモ デル点の問で対応をつけるかが問題となる.1)では,画像平面上の直交座標系をそのまま利 用して,この対応付けを容易に行なうことができる.これに対し, 2)では三次元物体の全周 の形状を取り扱うため, 1)のようにデータに固定された座標系をあらかじめ設定しておくこ とは困難であり,三次元形状に応じて適応的に対応付けを生成する工夫が必要となる.さら に2)では,再構成曲面が対象物体と位相の等しい閉曲面となることをいかにして保証するか も問題である.
一般に,三次元物体の表面には滑らかな曲面と不連続なエッジが混在する.このように相
1.1.木研究の背景と経緯 3
容れないこつの性質を併せ持つ実物体に対しても,原形状に忠実な曲面再構成を行なわなけ ればならない.これに対し,上で述べた個々の問題点に関連して,以下のような技術の開発 が望まれる.まず, 1)の曲面再構成では,不連続正則化に付随する正則化パラメータの推定 法, 2)の曲面再構成では,区分的に滑らかな全周型物体モデルを生成する手法,および任意 の位相に適応して柔軟に全周型物体モデルを生成する手法,である.以下では,これらにつ いて,さらに詳細に述べる.
まず, 1)の曲面再構成では,不良設定問題に適切な制約条件を与えることで安定解を得よ うとする正則化の枠組みが最初に用いられた.特に,標準正則化理論[9,10]では,安定解が 保証されているうえに解の計算も比較的容易という利点がある.しかし,至るところ一様な 連続性が仮定されており,曲面の不連続性を保存できないという欠点があった.この欠点を 克服するため, Gemanらは,マルコフ確率場の考えを導入しベイズの定理に基づいて事後確 率を最大化する不連続正則化手法[11]を提案し,原形状に忠実で区分的に滑らかな曲面デー タを復元することに成功した.以来,マルコフ確率場を用いたモデル化の研究は,視覚情報 処理を中心に盛んに行なわれ,初期視覚モジュールの統合[12,13, 14, 15]や局所並列構造を 生かしたハードウェア化[16,17]にも応用された.
この不連続正員!j化手法は非凸かつ非線形のエネルギ一関数の最小化問題に帰着され,通 常の反復解法では不適切な局所最小解に陥りやすいことがその欠点の一つであった.これに 対し,シミュレーテツドアニーリング [18]などの最適化手法は汎用性に優れているものの,
計算コストが膨大となり実用的な方法とはいえない.そこで,比較的少ない計算コストで近 似解を求める試みとして,平均場近似に基づく決定論的アニーリングを用いる方法
[ 1 9 ]
や, coarse‑to‑fine戦略によるアプローチ[20],画像ピラミッドを用いた多重スケール処理を行なう手法(21)が提案された.
以上のように,不連続正則化手法は,数値解法を中心にこれまで盛んに研究されてきた.
しかし,正しく最小化を行なえたとしても,解の性質に大きな影響を与える正則化パラメー タが適切に設定されないと,再構成曲面と原形状との聞に差異が生じる.これに対し,従来 のパラメータ推定法[22,23, 24]のほとんどが標準正則化理論を前提としたものであり,この 不連続正則化手法には適用できないという問題が残されている.したがって,不連続正則化 手法における正則化パラメータ推定法を開発することが望まれる.
次に, 2)の曲面再構成では,物体形状を表現する方法としてポリゴンメッシュを採用す ることがある.ポリゴンメッシュは,パッチと呼ばれる有限要素を隙間なく接続することに より対象形状を多面体近似する方法であり,多数の密なパッチを用いることで複雑な形状も 精度良く記述できる.このとき,三次元空間内に自由に分布する隣散点の集合からポリゴン メッシュを生成する問題に対して,頂点を逐次的に追加しながらボロノイ図を更新していく
1.2. 本研究の目的 4
ボトムアップ的手法が考えられる.しかし,モデル曲面は最終的に対象物と同相な閉曲面と ならなければならないが,この条件を満足するために頂点の接続に対する制御が複雑になる
という問題が生じる.
これに対し,メッシュの頂点を動的に移動させることによって物体の形状記述を行なう変 形可能曲面モデルが盛んに研究された[25,26, 27, 28, 29, 30, 31]・変形可能曲面モデルも正 則化の枠組みと同じく,曲面に関する何らかの拘束を導入した最適化過程に基づき曲面再構 成を行なうもので,データに含まれる雑音に対する頑強性や形状記述の柔軟性に優れている という利点がある.これらは,互いに連結した頂点間,および頂点とデータ点聞に仮想的な パネを設定することにより,データ点に滑らかな曲面の当てはめを行なうものがほとんどで ある.しかし,曲面の不連続性が考慮されておらず,本来の不連続部にパッチの面がまたが るようなパッチ配置が行なわれて不連続部が消失することもある.一方,データ点と最近接 曲面点との対応付けを用いてモデル曲面のデータ近接性を保証することにより,原形状の不 連続部を正確に復元しようとする研究も報告されている [32]・しかし,不連続部に対する平 滑化を避けるために滑らかさ拘束を排除しており,曲面の滑らかさが失われる.
滑らかな曲面と不連続なエッジが混在する物体に対しても,形状に忠実な全周型物体モデ リングを行なうため,不連続正則化手法の考えをこの変形可能曲面モデルにも導入すること が有効と考えられる.
さらに, 2)の物体モデリング手法のもう一つの問題に,従来の変形可能曲面モデルでは,
曲面の変形過程において分裂や統合といった位相変化がいっさい考慮されておらず,物体の 位相に応じて適応的にモデリングを行なうことができないという点が挙げられる.その結果,
位相に関する事前知識をもたずに,穴をもっ物体や複数の物体を含む三次元シーンを取り扱 うことは困難である.ところで,変形可能曲面モデルは, Snakesと呼ばれる動的輪郭抽出モ デル[33)を三次元の問題に拡張したものとみなすこともできる [34)・また,偏微分方程式の 数値解析法として知られる等高面法を用いて,任意の位相に応じて輪郭線を動的に抽出する Snakesが報告されている [35,36].そこで,この動的輪郭抽出手法を三次元に拡張すること
により,位相適応型物体モデリング手法の実現が期待される.
本研究では,以上の問題点を解決してデータに含まれる雑音や欠損に頑強で実物体形状に 忠実な曲面再構成手法を開発する.
1 . 2 本研究の目的
本研究の目的は,三次元物体認識におけるこつの曲面再構成,すなわち入力距離画像から の曲面再構成とモデル作成における曲面再構成に対し,新しい曲面データ復元手法と全周型
1.3. 本論文の構成 5
物体モデリング手法をそれぞれ開発することにより,距敵画像を用いた物体認識技術の実用 性を高めることにある.
この目的を達成するために,以下に示す手法を開発する.
(1)滑らかな曲面と不連続なエッジが混在する実物体に対し,雑音や欠損に頑強で原形状 に忠実な曲面データ復元手法の開発
(2)滑らかな曲面と不連続なエッジが混在する実物体に対し,雑音や欠損に頑強で原形状 に忠実な全周型物体モデリング手法の開発
(3)位相に関する事前知識をもつことなく任意の位相に適応可能な全周型物体モデリング 手法の開発
1 . 3 本論文の構成
本論文は,第1章「序論JI 第2章「曲面再構成のための最適化手法JI 第3章「距隊画 像からの曲面再構成手法JI 第4章「多視点距離画像を用いた曲面再構成手法JI 第5章「位 相適応性を有する曲面再構成手法JI および第6章「結論jから構成される.以下に各章の概 要を述べる.
第2章では,第3章以降の内容の基礎として,曲面再構成に用いられる最適化手法を紹介 する.まず,入力距離画像から一様に滑らかな曲面データを復元する標準正員Ij化理論を取り 上げる.次に,第3章の準備として,この理論的枠組みを曲面の不連続性にも対応できるよ
うに拡張した不連続正則化手法について述べる.さらに,第4章と第5章の準備として,物 体の全周を計測して得られた形状データを一つの三次元閉曲面に変換する変形可能曲面モデ ノレについて述べる.
第3章では,入力距離画像からの曲面再構成手法について述べる.具体的には,距離画像 に含まれる雑音を過不足なく除去する曲面データ復元手法について述べる.このとき,従来 の不連続正則化手法をそのまま用いたのでは,正則化パラメータの設定を経験的に行なわな ければならず,不適切な値が選択されて過剰に平滑化されたり雑音の除去が不十分になった りする可能性が高い.また,この問題は非線形最適化に依存するため,通常の反復解法では 初期値に依存した局所最適解に捕捉されやすいという問題もある.そこで,不連続正則化手 法を拡張し,正則化によって除去される雑音の分散と正則化パラメータ問に成り立つ単調増 加の性質を用いて,正則化パラメータを推定しながら区分的に滑らかな曲面データを復元す
る手法を提案する.
1.3. 本論文の構成 6
第4章では,モデル作成における曲面再構成手法について述べる.具体的には,複数の視 点から物体の距離画像を取得し統合した形状データを原形状に忠実な一つの閉曲面に変換す
る全周型物体モデリング手法について述べる.これまでの変形可能曲面では,滑らかな曲面 と不連続なエッジが混在した物体に対して,原形状に忠実なモデ、ルを生成することは困難で ある.そこで,不連続正則化手法を三角形メッシュの変形可能曲面モデ、ノレに導入することによ り,区分的に滑らかな全周型物体モデルを生成する手法を実現する.また,従来の変形可能 曲面モデルでは,対象物体のセルフオクルージョンのためにモデル点とデータ点聞の対応付 けが正しく行なわれず,原形状に近い曲面が得られないという欠点がある.この問題を解決 するため,対応付けをモデル曲面の最適化過程と並行して動的に生成する仕組みを実現する.
第4章で提案した手法を含めて,これまでのモデリング手法は,閉曲面の変形過程におい て分裂や統合などの位相変化に対応することができない.そのため,穴をもっ物体や複数の 物体からなる三次元シーンといった,任意の位相に適応して物体モデリングを行なうことは 困難である.第5章では,物体の全周を計測して得られた形状データから,任意の位相に応 じて適応的に全周型物体モデルを獲得する物体モデリングについて述べる.具体的には,一 つ次元の高い空間全体から元の曲面の動きを時間大域的に構成する等高面法を用い,位相に 関する事前知識を必要としない位相適応型物体モデリング手法を提案する.
第6章では,結論として本論文で得られた結果を総括する.
第 2章 曲面再構成のための最適化手法
2 . 1 序
距離画像解析に基づく物体認識では,二種類の曲面再構成処理が特徴抽出の前処理として 不可欠である.一つは入力距離画像からの曲面データ復元であり,もう一つは物体の全周を 計測して得られた形状データからの全周型物体モデリングである.
前者は規則的に配列された画像データから未知の雑音を除去する問題である.これに対 し,後者は三次元空間に不規則に分布する離散データを一つの閉曲面に変換する問題であり,
隣散データと曲面関数の近さをどのように評価するか,実物体と等しい位相の曲面関数をど のようにして構成するか,といった問題も含まれる.しかし,これらは離散データに対する 曲面関数の当てはめという点で共通しており,いずれも解空聞が無限となるか,あるいは大 きくなりすぎて,解析的な手法で解を求めることは困難である.このような問題に対し,正 則化の枠組みは解の一意性と安定性,雑音に対する頑強性に優れた,統一的な枠組みである.
本章では,次章以降の内容の基礎となる曲面再構成手法を紹介する.まず,入力距離画像 からの曲面データ復元という不良設定な問題を解くための枠組みとして,標準正則化理論を 取り上げる.次に,この標準正則化理論を滑らかな曲面と不連続なエッジが混在した物体に も適用できるように拡張した不連続正則化手法について述べる.また,モデル作成における 全周型物体モデリングの問題では,変形可能な三次元関曲面をデータ形状に動的に当てはめ
る正則化手法について述べる.
2 . 2 標準正則化理論
2.2.1 不良設定問題の解法
距離画像解析による物体認識では,取得された距臨画像から微分特徴量をできるだけ精度 良く抽出することが要求される.そこで
,
Xi=
i h,
i=
1,.・・?η ;nh=
1において観測され た一次元の標本点giが与えられたときに,元の関数f(x)の微分値fx(xi)を推定する問題を 取り上げる.ただし,観測データ (Xilgi)に含まれる雑音Ci= gi ‑f(Xi)はei rv N (0
,
ao) ︐ ︐ ︐ ︐ . ︑ ︑ ノ内山 噌lA ︑11J2.2. 標準正則化理論 8
のように正規分布に従い,けこついて互いに独立な確率変数とする.
このとき,雑音εiの分散がいくら小さくても,真の微分値fx(xi)とデータから直接求め た微分値 (Di‑Di‑1) / hの差はいくらでも大きくなり,入力データの微小変動に対する解の安 定性は保証されない.したがって,この微分値を求める問題は不良設定問題である.このよ
うな問題に対して安定解を与える枠組みとして,標準正則化理論が有効である.
標準正則化理論では,上の問題はエネルギー汎関数
E(f) =
( 1
fx2X dx+ ムデ
ff(xi)‑9i12 (2.2)JO 八
σ 5 Z : L
」を最小化する再構成関数f*(x)を求める最適化問題に変換される.ここで,fの添字は偏微 分,入は正則化パラメータである.式(2.2)の第一項は,安定化汎関数に相当する解の滑らか さ,第二項は関数とデータ聞の隔たりを表す.このとき,微分値fx(Xi)の推定値は再構成関 数f*(x)のx
=
Xiにおける微分値f;(Xi)によって与えられ,これは入力データの変動に対しでも頑強である.
Tikhonovらは,正則化における安定化汎関数としてp次の重みづけされた Sobolevノ ルム
川 = 事 。 1 々 山 z r y d z
(2.3)を用いた
[ 1 0 ]
.ここで,重みωm(X)は非負の連続関数である.式( 2 . 2 )
の第一項は,式( 2 . 3 )
においてp =2
,
ω0=ω1 = 0,ω2 = 1とおいたものと等しい.したがって,式(2.2)の最小化 問題はTikhonov型の正則化手法である.Tikhonovの安定化汎関数( 2 . 3 )
を与えたとき,解 空間は滑らかな関数からなる Sobolev空間に限定され,解はスプライン関数で滑らかに補間 したものと同一になることが知られている.特に,式(2.2)の最小化問題は,データに4次の スプライン関数の当てはめを行ない,その近似スプラインを用いて微分値を推定することと 等価である( F i g . 2 . 1 ).
2.2.2 正 則 化 パ ラ メ ー タ の 推 定 法
安定化汎関数は当てはめる関数に関する事前知識に基づいて決定されることになる.しか し,得られる解の性質は,安定化汎関数の選択だけでなく,正則化パラメータの設定値にも 大きく依存する.データが正確であれば正則化パラメータはゼロとなるが,実際のデータは 常に雑音を含んでおり,正則化パラメータを適切に設定しないと,最小化を正しく行っても 望ましい解は得られない.
以下では,代表的な正員Ij化パラメータの推定法であるGCV (generalized cross‑validation) 法
[ 2 2 ]
について述べる.2.2. 標準正則化理論 9
gi
. 一
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Xl ‑
f(x)
X
Fig.2.1:正則化によるスプライン関数の当てはめ
2.2. 標準正則化理論 10
いま,
E(f)=iSN)‑gi12 サ l l f ( m ) ( Z ) 1 2 d z
のようなTikhonov型の最小化関数を定義する.ここで, f(x)はm階微分可能であり, f(m)(x) は2乗可積分であるとする.式(2.4)の入は正則化パラメータである.式(2.4)の最小解を
f n
,>.(x)と表すと,f n
,>.(x)は2m次のスプライン関数になる.すなわち,f n
,入は各区間[Xl,X2]・,[Xl1 X2],... , [Xn‑l1 Xn]で高々2m‑1次の多項式となり,2m‑2階まで微分した導関数の (2.4)
すべてが節点Xi
,
i = 1ぃ・・川で連続となる.このとき,真の平均2乗誤差(RMSE)は
n J‑
z
rJ Z
︑
AR FJηヤ
ム凶
1
一
n一 一
ー八
R (2.5)
となる.このR(入)の最小解入場を正則化パラメータの推定値とみなすのが自然である.しか し, f(x)は未知であるため, A*を
R (
入)から直接決定することはできない.これに対し,通常のcross‑validation法の考え方では,ある標本点の値をそれ以外の標本 点だけを用いてどの程度正確に予測できるかという能力からパラメータ値の妥当性を評価す る.すなわち,
z ︐G
n4
2
m
r J
f l
九州
ー八
+
つ ‑ny
z
rJ
n h
1
L 民
一口 (2.6)
の最小解にあたるスプライン関数を f~~~(x) と表して,
cross‑validation平均2乗誤差を九仏
)=iS41(ZK)‑9K12
(2.7)と定義する.このとき,式(2.7)は
守 n
! : 2 α
kjの‑
gk!vo( 入)=二、、 ν-~ つ」
η~ (1ーαkk)2
とも書けることが知られている.ここで, αkjは
[ f f n n
,,>>..((xx, , ) ) l l f f n n
,>,,入((XX22)), , .
..
..
.,
,f f n n
,,>>..((xxn n ] ) ) ! ‑
T=
A(入 )
g (2.9) (2.8)を満たすη×ηの影響行列A(入)の要素αkjである.ただし,
g=[
引い・・ヲgn]Tである.この とき,f n
,入(Xi)はのに線形的に依存するため, A(入)の存在が保証される.2.3. 曲面データ復元のための正則化手法 11
このように,式(2.7)で与えられる
V o (
入)の最小解えoは,スプラインモデルとある標本点 を除く標本点集合から,その標本点を最良に予測するモデルに対応している.cross‑validation 法では,このんを入の推定値と定義する.~o は,プロットが等間隔でかつ周期的なデータに 対しては非常に良い Yの推定値となるが,一般的な場合に対しては満足な結果が得られない ことが知られている.この問題に対し,上のcross‑valida tion法を改良したものがGCV(generalizedcross‑validation) 法である.GCV法では, generalized cross‑validation関数と呼ばれるものを
. ! . I I ( I ‑ A ( 入 ) ) 9 1 1 V (
入)=
~I ~
tr (I ‑州))I
(2.10)
のように定義する.式(2.10)は式(2.8)で与えられたcross‑validation平均2乗誤差と密接な 関係があり,実際
V(片会 [f~~l(xk) ‑9 k ] 2 叫(入)
(2川
のように,式(2.7)を重み付けした形式でも表されることが知られている.ここで,重みωk(入) は
‑ U ‑ ( I 一 州 i i f
(2.12)である.これは式(2.8)のα
k k
を itrA(入)で置き換えたものとなっている.GCV法では,こ nの
V (
入)の最小解えをY の推定値と定義する.このようにcross‑validation関数V o (
入)に重み 関数ωk(入)を導入することで,非周期的なデータにも適用可能となることが確認されている [23, 24] .2 . 3 曲面データ復元のための正則化手法
標準正則化理論を利用することはスプライン補聞を行なうことにほかならない.しかし,
これを距離画像からの曲面データ復元にそのまま用いると,実曲面に含まれる不連続部が鈍 り,本来形状を忠実に反映しなくなる.本節では,この欠点を克服するための一手法として,
マルコフ確率場の考え方に基づく不連続正則化手法[11]について述べる.
2.3. 曲面データ復元のための正則化手法 12
2.3.1
マルコフ確率場
S
=
{Sl,・・・,SN}をN個の画素(サイト )Sからなる格子領域,
9sを要素sの近傍, x=
{Xs
,
Sε
S}をS上で定義された確率場とする.ここで, x
の要素Xsは離散値からなる集合 A = {O,・・・,
L‑1}に対し,
Xs巴Aが成り立っとする.実現値ω =( X
S1,
・・・,X
SN)を用い て,全事象をn={ω=(XS1, . . . , XSN) • XSiε
A, 1 ~ i ~ N}と表したとき,S上の確率場X がマルコフ確率場(Markovrandom fields : MRF's)であるとはP (
ω)>
0,
VωεQP(Xslxr
,
アf
s)=
P(xslxr, r ε
9s)(2.13) (2.14)
が成り立つことと定義される.すなわち,マルコフ確率場では,画素値の出現確率が近傍内 の画素値のみによって決定される.
ところで,確率場Xがマルコフ確率場であることと,実現値ωに対する確率分布
P (
ω) がGibbs分布的)=会一
U(ω)/T (2.15)で与えられることは等価であることが一般に知られている
[ 3 8 J .
ここで,U (
ω)はエネルギー 関数であり,クリークの集合Cに対しU(ω)=
玄
Vc(ω)CEC
(2.16)
である.ここで, Cがクリークであるとは, C内の任意の画素の対が互いにその近傍に存在 することである.したがって,式(2.16)は,エネルギ一関数
U (
ω)がクリーク C上で定義さ れる局所ポテンシャル{ V C , CεC}
の和となることを示している.また,このU(ω)を用いて,分配関数は
Z = L e ‑
U(ω)/T (2.17)w
と定義される.ここで,
T
は温度パラメータであり,P (
ω)の最大値と最小値の差を制御する.以下では,上のマルコフ確率場の考えに基づき,与えられた距隣画像9
=
{gij}から元の 曲面データf
={ ! i
j}を推定する方法について述べる.まず, Bayesの定理により条件付き確率P(flg)は P(glf)P(f) P(fl g) =
P(g)
と表される.ここで,P(glf)は
f
の下でのgの条件付き確率を表す.(2.18)
2.3. 曲面データ復元のための正則化手法 13
データ gは
f
にガウス白色雑音N(O,
σ2)の付加により劣化したものと仮定すると, P(gI f )
lま
P(glf) =
ま仰(一歩 5 ( ん 一 白
j)2} (2.19)と書ける.ここで, C1は正規化定数である.
次に,式(2.18)における事前確率P(f)を求める.ここでは膜モデル (weakmembrane model)による滑らかさ拘束をGibbs分布
P(
ト去何{‑守[ ( ん ‑
fi‑1,j州 五
j一人
j̲l)2]}により先験的に与えることにする.ただし, C2は正規化定数である.このように,マルコフ 確率場にしたがえば,各fiの値はその近傍の値にのみ依存して決まることになる.
また,式(2.18)のP(g)は事象 gが発生する確率であり,定数であるのは明らかである.
以上のことから,式(2.18)のP(flg)はGibbs分布
P ( f l g ) = j e ‑ u ω
(2.21 )となる.ここで,
Z
は先に述べた分配関数,U(f)はエネルギ一関数ゃ ((fij ‑9ij)2 「 11
U(f) =
Li
ーーヲ1.. Zσ っ2 '
J'+
μI(fij ‑fi̲1,j)2+
(fij ‑fi,jー1)21~ (2.22)L .̲ .̲ . J J
である.したがって,エネルギー関数 (2.22)が最小のときに事後確率P(flg)は最大となる ことがわかる.このような確率論的アプローチを最大事後確率推定 (maximuma posteriori estimate)と呼ぶ.なお,式(2.22)は標準正則化理論における汎関数と形式が同じであり,こ
のとき入 =2μσ2となる.
2.3.2 ライン過程
本節では,上で行なった定式化に新たな確率変数を導入し,曲面の不連続性をも扱えるよ うにする.
いま,確率場h
=
{hij}とり={叫j}を用いて,エネルギー関数(2.22)をゃ ((fij ‑9ij)2 U(f,h,v) = ) ~~ ¥nJ n つ
一一¥. Zσ』
叫ん一
fi‑1,j)2(1一 切 ) +
(fij ‑fi,j一山一
hij)+γ(hij
+
町j)]} (2.23)2.4. 全周型物体モデリングのための正則化手法 14
と再定義する.ここで, hijはj方向に隣接する2つの画素(i,j)というj‑1)の境界における奥 行き不連続性を表す確率変数, υijはi方向に隣接する2つの画素(i,j)と(i‑1
,
j)の境界にお ける不連続性を表す確率変数である (Fig.2.2).このhijとりがをライン過程(lineprocesses) と呼ぶ.ライン過程は,境界における不連続の有無に応じて, 1 (不連続)または
o
(連続)を出カす る2値の確率変数である.画素(i,j)において j方向の勾配が一定以上大きいとき,すなわち 式(2.23)の(fij‑ fi,j̲I)2がしきい値γよりも大きいとき, hijは1(不連続)を出カして滑 らかさ拘束を受けなくなる.逆にγよりも小さいときは, hijがo
(連続)を出力して滑らか な補聞がなされる .Vijの場合も同様である.このf
,hおよびυの3つが結合したマルコフ 確率場に基づくエネルギ一関数(2.23)は複雑な非線形関数となるが,これを最小化する方法 については第3章で述べる.2 . 4 全周型物体モデリングのための正則化手法
これまで,距隣画像から対象表現を精度よく抽出するための曲面再構成手法について述べ てきた.これに対し,本節では,複数の視点方向から物体の距離画像を取得し統合するなど して得られる全表面点の集合から全周型物体モデル表現を作成するための曲面再構成手法を 取り上げる.これは,変形可能曲面モデルと有限要素表現に基づいて三次元関曲面の当ては めを行なう手法[39,40, 41, 42]である.
2.4.1 変形可能曲面モデル
変形可能曲面モデルで定義される曲面関数は,エネノレギ一関数
T ︐α
c u
︐α
︑
llh
rl
・J
21
ー ーl
Nυ
2U
一 ジ ザ
バυ
τ o
ι h
I
1 1 1 1 1 U
nu
t︐ ︐ ︑
冷P
ィ +
+
円LqL︐1111lIE﹄l
︐ 川 叶 ぺ
l
匂一
2δ
一 円 切 ♂
一 n m
唱i
n
︐h
n u n U
ω ω
+ +
内4 n L
円 仰 一 白
2u 一 か
‑U
10
一 &
ω 1 fJ
︑
H W f l I 3 一 一刷UE
同
制U
(2.24)
を最小化することにより導かれる [25,30, 41] .ここで,式(2.24)は
c
1級の連続性をもっ曲 面に適したエネルギー関数である.式(2.24)の曲面関数 υ(s,
r)とその許容空間Qは,それ ぞれ(s
,
r) H v(s,
r) = (x(s,
r),
y(s,
r),
z(s,
r)) (2.25)。 = [ 0 , 1 ]
X[ 0 , 1 ] → R
3 (2.26)のように与えられる (Fig.2.3).
2.4. 全周型物体モデリングのための正則化手法
1 5
: '~ I
(i‑l, j)I I
山 北y(i
, 士 h l J J j ) │ ‑ l
吟 I I
f
ijv
lJ・Fig.2.2:ライン過程
AV
r
Fig.2.3:曲面関数
2
.4.全周型物体モデリングのための正則化手法1 6
式(2.24)の積分計算に含まれる各項の物理的意味は以下の通りである.第1項と第2項は 曲面の神力性,第3項と第5項はその剛性,第4項はねじれ抵抗を表す.したがって,叫jは 曲面におけるそれぞれのカへの重みであり, ω10とω01は弾力性, ω20とω02は剛性, ω11は ねじれ抵抗の項に影響を及ぼす.また, P(v(s
,
r))はポテンシャル関数を表し,外力ベクトル f(s,
r)との聞にー マ
P=f
(2.27)という関係が成り立つ.式(2.24)を基に曲面関数を推定する問題は変分問題である.このエ ネルギ一関数を最小化する曲面合はオイラーラグランジェ方程式
θI 8v¥ 8 I 8υ¥δ2 I 82v ¥ θ~ ~ W
lQ友)‑
8r ~ W01友 ) +
8s2 ¥ W20五 " 2 )
。
2 I 82v ¥8
2 I 82匂¥(ω11 ; ̲; )
+ ; ( ) ̲ '
W02 : ~ ) = ‑¥7 P (v (s,
r)) 8s8r ¥ W .LJ. 8s8r} I 8r2 ¥ θァ2}を満たすことが知られている.
2 . 4 . 2 ポテンシャル関数
(2.28)
微分方程式(2.28)を解く際,右辺のポテンシヤノレPの選択が重要となる.ここでは,デー タと曲面モデルとの距隊に基づくカを用いて
I ‑1 d (v(s
,
r)) = 0P (
り( s , r ) )
=<
I .. otherwise
l d (
υ( s , r ) )
(2.29)
または
P (
匂( s , r ) ) = ̲ e ‑
d(り(げ))2 (2.30)と定義する.ここで
,
d (り(s,
r))はデータとモデル曲面の問の距離である.この距離をd(り(s
,
r))=
IIp一 旬(Sp,
rp) 11 (2.31 )のように定義する [30]・これはデータ点と最近接なノードとの対応付けに基づくものである.
ここで, 11・11はユークリッドノルム, (sp
,
rp)はデータ点位置pから最も近いノードの位置 である.しかし,初期曲面がデータ形状と隣れている場合など,このようなポテンシャルを設定し ただけでは望ましい解に収束しない可能性がある.これに対し,物体内部からバルーンを膨
らませるようにモデル曲面を押し出す圧力
f(s
,
r)=
バn(s,
r) (2.32)2.4. 全 周 型 物 体 モ デ リ ン グ の た め の 正 則 化 手 法 17
を追加することもできる.ここで
,
n(s,
r)は曲面点v(s,
r)におけるモデル曲面の単位法ベ クトル, κはこの力の振幅を表す.これにより,初期形状に対する依存度は小さくなる.2.4.3 三 角 形 要 素 を 用 い た 数 値 解 法
偏微分方程式 (2.28)を解く方法の一つに,有限要素法[44]による数値解析がある.その 際,有限要素として,形状記述の柔軟性に優れた三角形要素が用いられることが多い.
まず,式(2.28)をガラーキン法の定式化により等価問題に置き換える.これは,ある関数 集合に属する任意の重み関数uに対して,積分形式
α(U
,
v)=
Lv(u) (2.33) を満足する曲面関数υを見い出すことから成り立つ.ここで,r (
8u 8v 8u 8v 82u 82vの ,
v)= J I n
~ω10 一一 +ω01 一一 +ω20 一一一L θ s θ s θァθァ θS2θS2θ2U 82v 82u 82υ1 ω11
一
θsθ一 一
ァ一
θs一 一
8r ' +ωω‑‑v.. 8r2 ~一τ~8r2 1 dsdr Lv(u) =‑ l n マ
P(v)uds(2.34)
(2.35)
である.また,重み関数uは曲面関数υの基底関数を選択する.関数u
,
vの属する関数集合はん I D
mvl2帥 く + ∞ form =川 (2.36)なる条件を満たすSobolev空間H6(n)である.ここで,Dmvは関数υのm 階微分である.
次に,積分形式(2.33)を離散化して代数方程式に変換する準備として,近似関数と形状 関数を定義する.υ の近似関数として, η個のパラメータを用いた全体領域Qにわたる節点近 似式
υ(s
,
r) =υ(s,
r,
V1,
v2,
・・・,
vn) (2.37)を用いる.
そこで,全体領域Qを三角形メッシュに分割する.分割された隣散領域ごとに形状関数を それぞれ配置し,それらをつなぎ合わせることで近似関数を定義する.実際は,各ノード点 において
[υδυ 8v θ2V θ2V 仇 ]T
(α)
,
一8s (\~Il α)ー8r (\~Il α)一8s2 (¥α'")"Il 一 一8s8r (¥'α")"/l ーす8r2 (¥¥αA)I1) J (2.38)2.4. 全周型物体モデリングのための正則化手法 18
なる6次元のノード変数ベクトルを推定する.ここでαはノード座標である.分割された三 角形要素の各要素領域ごとに形状関数をそれぞれ配置する.形状関数として, 18個の
c
1級 の連続性をもっ5次の多項式を用いる.これらの多項式は4次までの完全な項と 5次の3つ の項を含んでおり,次式のように定義される.ノード 1:
ノード2:
ノード 3:
Ul,l =ν2(10ν‑15ν2+6ν3 + 30cη(ご+η))
Ul,2
=
ごν2(3‑2νー3c2+ 6cη)Ul,3 =ην2(3 ‑2入ー3η2+ 6cη) U14=jη2ν2(1ーと+2η)
Ul,5
=
ごην2U1.6
= ト
2ν2(1+ 2c‑η)U2,l = c2 (10c ‑15c2 + 6c3 + 15η2ν) U22=2(‑85+
吋 ̲
6c3ー印刷
U2.3 =
今
(6‑4cー い い とη)U24=2附 一 小 向2ν)
U2.5 =
今
(‑2+ 2c +η+η2ーとη)c2η2ν. c3η2
Uつれ=一一一一ー一→ーーーー一一-,~ 4 2
U3,1
=
η2(10力一15η2+6可3+ 15c2ν)U3.2
= 手
(6‑3c ‑4T] ‑3れ
3cη)U3J=Z(‑8η+
川 一
6可3̲ 15c2ν)U1 d = c2り2ν+52η3
3.4 =一一一一一十一ー一一 4 2
5
り2U3,5
=
τ(‑2+ ご
+2η+c2ーとη)U3.6
= れ
η(1‑η川
c2ν)(2.39)
(2.40)
(2.41)
2.4.全周型物体モデリングのための正則化手法
1 9
ここで, 8u θ2U δ2U 82u
各ノードに対して,自由度の次数のj慣にそれぞれ u 一 一 一 一 一 一 一 ー で あ る . '8り, 8c2' 8c8りF
。
η2ただし,
ν=1ーと‑η (2.42)
である.
以上で定義した形状関数は,三角形要素の基準座標系(乙 η)を用いて表されている.その ため,すべての三角形要素に対して基準座標系を考える.二次元座標系(s
,
ア)と三角形要素の 基準座標系(乙 η)の関係式はで与えられる (Fig.2.4).
s
=
(1ーと‑η)Sl+ CS2 +ηS3r
=
(1ーと‑η)ア1+ Cr2 +ηr3 (2.43)以上のようにして分割された三角形要素に従い,式(2.33)の隣散化を行なって表現し直 すと
となる.ここで,
α(Uiのり)= Lv(Ui,j)
r r [
θUi,jθ υ θUi,jθυ 82uハ
θ2V 仰しj, v ) =
んん/ /
~l
W10 ‑ J .U ~ ~一一 +ω01 一一一 +ω20 ー」ー8sθs θァ θT θS2 θS2+2ω11
色恒三乙+州生以 2 2 ) ‑
ょιθs8r8s8r ' ‑U.;θァ2δァ2J ~
Lv(Ui,j) =一
1 1
VP(1である.次に,重み関数Ui,jを形状関数に置き換えると,
α(Ui,l
,
v)=
Lv(Ui,l) α(Ui,21 v)=
Lv(Ui,2) α(Uしおり)=
Lv(Ui,3) α(Ui,'Il v) = Lv(Ui,4)α(Ui,51υ) = Lv(Ui,5) α( Ui,Glυ) = Lv(Ui,6)
(2.44)
(2.45)
(2.46)
(2.47)
(2.48) が得られる.したがって,この連立方程式を数値計算で解くことにより,式(2.44)の最小解 が得られる.
2.5. 結び
2 0
2 . 5 結び
本章では,次章以降の内容の理論的基礎になるものとして,曲面再構成の問題に用いら れる最適化手法をいくつか紹介した.まず,入カ距臨画像からの曲面データ復元手法として,
雑音を含んだデータに滑らかなスプライン曲面の当てはめを行なう標準正則化理論,および,
正則化パラメータの推定法の一つである GCV法について述べた.次に,この標準正則化理 論を連続な曲面と不連続なエッジとを併せ持つ実物体にも適用できるように拡張した不連続 正則化手法を説明した.さらに,モデル作成における全周型物体モデリング手法として,物 体の全周を計測して得られる形状データを滑らかな閉曲面に変換する変形可能曲面モデルに ついて述べた.
2.5.
結び
21ド /
η = 0 と
u
Fig.2.4:三角形要素の基準座標系
第 3 章 距離画像からの曲面再構成手法
3 . 1 序
マルコフ確率場を導入した不連続正則化手法[11,12, 13, 14ヲ15]は,滑らかな曲面と不連 続なエッジを併せ持つ実物体に対し,区分的に滑らかな曲面データを復元する.これにより,
データに含まれる雑音に頑強で原形状に忠実な曲面再構成が実現される.しかし,この不連 続正則化手法における正則化パラメータに不適切な値が設定されていると,対象形状を正し く反映した制約条件を与えたことにはならず,再構成された曲面は元の形状とかけはなれた ものとなる.そこで,正則化パラメータの自動推定法が不可欠となる.しかし,従来の正則 化パラメータの推定法はいずれも通常の標準正則化理論を前提としており,これらを不連続 正則化手法に適用することは困難である.
との問題を解決するため,不連続正則化の処理過程で除去される雑音の分散と主員Ij化パラ メータ聞に成り立つ単調増加の性質を用いて,正則化パラメータの推定と局所最小解の回避 とを並行して行なう曲面データ復元手法を提案する.これにより,雑音が過不足なく除去さ れ,原形状に忠実で区分的に滑らかな曲面データが得られる.
まず,不連続正則化によって除去される雑音の分散が正員Ij化パラメータについて単調に増 加することを示す.次に,この性質を利用して,あらかじめ観測雑音の分散を推定したうえ で,正則化によって除去される雑音と観測雑音の分散が一致するように正則化パラメータの 更新と局所最小化処理とを交互に繰り返す計算手続きについて述べる.最後に,合成データ,
実際の濃淡画像,および距隣画像のそれぞれに対し,この曲面データ復元手法を適用し,そ の有効性を検証する.
3 . 2 平均場近似を用いた連続変形法
第2章で示したエネルギー関数 (2.23)は明らかに非凸かっ非線形な関数であり,通常の 反復解法では初期値に依存した局所最小解に捕捉される可能性が大きい.この問題を解決す るため,平均場近似[19]に基づく連続変形法(continuationmethod) [37]が提案されており,
大域的最小解への収束性が理論的に保証されていないものの,比較的少ない計算量で近似解 が得られることで知られている.本節では,この決定論的手法における反復更新則を導出す