「資料」
小学校における教育実地研究ついて
学部と附属の共同研究
「教育実地研究のあり方」 グループ
はじめに
本グループでは,2005年度,2006年度は「学生に身につけさせたい資質」の 面から教育実地研究について議論を重ねてきており,関連する論文についても本 紀要に発表した(寺嶋ら2006,寺嶋ら2007)。
2007年度からはその成果を基盤としながら,学部の教育実地研究にかかわるカ リキュラム(事前指導・教育実習・事後指導)の改善を試みている。学部と附属 校・園が現在行われている具体的な内容について意見交換をし,情報を共有して いるが,本報告においては,小学校における教育実地研究の概要(主として主免 実習を対象としている)を教育学部および附属校・園教員にも広く紹介すること で,学生の指導に役立てていただくことを考えた。
教育実地研究に関する学部と附属校・園の情報共有は,これは今後も続けてい く方針である。できることなら学部教育だけではなく,共同実践研究にも関連す るような形に発展させていきたい。2008年度には学部内の情報交換会を予定して いる。
なお,今回の資料のうち,事後指導に関するものは,教育学部初等教育講座の 先生方からご提供いただいた。貴重なお時間を割いて,実施状況についてお答え いただいた先生方,および取りまとめいただいた事後指導担当者の森下浩史教授,
次年度担当者の宮内香織准教授に感謝申し上げる。
(寺嶋浩介(教育実践総合センター・グループ代表者))
1.事前指導について
附属小学校長および学部教員から,附属校での実習に対する心構えについて伝 えられたのち,a班,b班に分けられ,附属小学校教員による下記の内容のリレ ー講義がなされる。中には,附属小学校の子どもが学生の目の前で発表し,子ど もの姿を直接伝える場面も含まれている。附属小学校教員は,多くは担任などの 業務を抱えながら,事前指導に当たるため時間の確保が難しい。また,時間数が 少ないため指導案などにかかわる指導の時間の確保が困難であるため,学部のそ のほかの授業で取り上げることが望まれている。
・学校・教師の役割について
・子どもへの生活指導について
・学習指導について
ー219−
‑ 複 式 学 級 の 指 導 に つ い て
‑ 総 合 的 な 学 習 の 時 間 に つ い て . 給 食 指 導 ・ 保 健 指 導 に つ い て
2.
附 属 小 学 校 で の 教 育 実 習 に つ い て10
月 に 行 わ れ る 小 学 校 主 免 実 習 を 例 に す る と , 実 習 生 が 授 業 を 実 習 す る ま で 以 下 の よ う に 進 め ら れ る 。 具 体 的 な ス ケ ジ ュ ー ル 事 例 は 巻 末 に 添 付 す るo この 資料では,8
名 の 実 習 生 が ひ と ク ラ ス に い るD 以 下 の プ ロ セ ス を8人 分 , 教 員 は
同 時 並 行 で 実 施 し て い く 必 要 が あ る 口 な お , 附 属 小 学 校 で は , 担 任 も 実 習 生 も , 放 課 後 遊 び ・ 下 校 ま で は , 子 ど も と 共 に 過 ご す た め , 自 分 の 授 業 準 備 が で き る の は,16
時30
分 ( 低 学 年 は15
時30
分)ごろからである。現 在 取 れ る 対 策 と し て は , 打 ち 合 わ せ 日 程 を で き る だ け 前 倒 し に し て 行 う と い う 点 で あ るo (1)を早い時期にできれば,それ以降の予定にも余裕が出てくる ことが予想される。また,
( 2 )
に す ぐ に 入 れ る よ う , 事 前 に 指 導 案 執 筆 の 基 礎 な ど を 実 習 生 が 会 得 で き る よ う な カ リ キ ュ ラ ム も 望 ま れ よ う 。(1)指導教官との打合せ①
教 科 , 単 元 名 , 第 何 時 , 授 業 日 程 を 決 定 す るO
( 2 )
学 習 指 導 案 作 成ひ と り の 実 習 生 が 期 間 中 に 授 業 を
3
度実施する。‑第
1
回 目 の 授 業 は 本 時 の み の 展 開 案 ( ね ら い , 展 開TP
形 式 , 評 価 ) を 書 く・第
2回 目 は , 学 習 指 導 案 の 略 案 ( 学 習 指 導 案 の 鑑 を 除 い た も の ) を 書 く
・第
3
回 目 は , 学 習 指 導 案 を 書 く( 3
) 指 導 教 官 と の 打 合 せ ②作 成 し た 上 記
( 2 )
学 習 指 導 案 に つ い て の 指 導 が 行 わ れ る 。( 4 )
教 材 作 成上 記
( 3
) を 基 に , 学 習 指 導 案 の 手 直 し を 行 い , 教 材 ( 資 料 , 文 カ ー ド , ワ ー ク シ ー ト 等 ) を 作 成 す るO( 5 )
模 擬 授 業指 導 教 官 及 び 同 学 級 配 当 の 実 習 生 と で 模 擬 授 業 を 参 観 す る 。 担 当 教 官 か ら の 指 導 , 及 び , 実 習 生 同 士 で の 意 見 交 換 を 行 う 。
( 6 )
本 時 授 業上 記
( 5 )
模 擬 授 業 の 反 省 を 生 か し て 本 時 の 授 業 を 行 う 。( 7 )
授 業 反 省 会本 時 授 業 に つ い て , 担 当 教 官 か ら の 指 導 , 及 び , 実 習 生 同 士 で の 反 省 会 を 行 う O
3.
事 後 指 導 に つ い て終 了 後 の 事 後 指 導 は 教 育 学 部 の 大 学 教 員 が 担 当 す る 。 1時 間 目 に オ リ エ ン テ ー
ション,
2
時 間 目 に 教 職 や 教 育 実 践 に つ い て 反 省 や 議 論 を 通 し て 全 体 的 な 振 り 返 りを行った後,3
時 間 目 以 降 は1
時 間 ず つ 各 教 科 指 導 法 に つ い て の 授 業 が 実 施 さ れ る 。 テ ー マ 例 と し て は 以 下 の よ う な も の が あ げ ら れ る 。‑ 説 明 文 と ブ ッ ク ト ー ク に 関 す る 指 導 上 の 留 意 点 ( 国 語 )
・ 指 導 と 評 価 の 一 体 化 ( 音 楽 )
‑ 教 材 研 究 の 重 要 性 , 問 題 解 決 型 の 授 業 構 成 ( 算 数 )
‑ 素 材 研 究 と 教 材 研 究 の 重 要 性 , 教 授 活 動 に つ い て ( 体 育 )
各 教 科 の 指 導 で は , 教 員 が 設 定 し た テ ー マ に つ い て , 実 習 生 の 授 業 ビ デ オ や 写 真 , 学 習 指 導 案 等 を 活 用 し
j
授 業 に 取 り 組 ん で い るo 各 授 業 で 共 通 し て い る わ け で は な い が , 参 考 と な る 講 義 上 の 具 体 的 な 留 意 点 と し て は 以 下 の よ う な も の が あ っ たO‑ 教 育 実 習 生 の 授 業 を 解 釈 し た り , よ り 望 ま し い も の へ と 再 構 成 し た り す る 活 動 を 取 り 入 れ た
‑実習生は
1
つ の 学 年 の こ と し か 分 か ら な い の で 、 子 ど も の 実 態 や そ の 実 態 に 合 わ せ た 教 師 の 対 応 の 違 い を 学 ば せ る た め に 、 低 ・ 中 ・ 高 学 年 の3
つ を 意 図 的 に 取り上げた
‑ 附 属 校 教 員 へ の 事 後 ア ン ケ ー ト 等 を 活 用 し た . そ の 他 の 講 義 科 目 と 関 連 さ せ た 指 導 を 行 っ た
1
時 間 の み の 授 業 で あ る た め , 十 分 な 内 容 が 取 り 扱 え な い と い う 点 に 課 題 が あ る が , 逆 に い え ば 全 学 生 を 対 象 に , 実 習 後 に 各 教 科 に 関 す る 講 義 で き る 貴 重 な 機 会となっている。おわりに
本 資 料 は 専 門 的 な 内 容 を 追 求 す る も の で は な く , ど ち ら か と い え ば , 教 育 実 地 研 究 の 全 体 像 を 把 握 し 切 れ て い な い 大 学 学 部 , 附 属 校 ・ 園 の 教 員 や 今 後 教 育 学 部 に か か わ る 方 の た め の ガ イ ド と し て 執 筆 さ れ た も の で あ る 。 も し わ か ら な い 点 が あれば,本研究グ、ループの教員にお問い合わせいただきたい。
ま た , 今 後 も 学 部 と 附 属 校 ・ 園 の 情 報 共 有 を 進 め て い き た い と 考 え て い る 。
く 参 考 文 献 >
寺 嶋 浩 介 ・ 小 原 達 朗 ・ 古 野 祐 一 ・ 坂 口 洋 介 ・ 田 中 秀 明 ・ 寺 田 弥 寿 子 ・ 中 里 か を る ・ 高 谷 有 美 (2006) 体 験 を 重 視 し た 教 育 実 地 研 究 カ リ キ ュ ラ ム の 構 成 要 素 一 長 崎 大 学 教 育 学 部 附 属 4校 闘 を 対 象 と し た 分 析 を 通 し て ー 『 長 崎 大 学 教 育 学 部 附属教育実践総合センタ一紀要~
5 pp.1‑12.
寺 嶋 浩 介 ・ 林 朋 美 ・ 田 中 秀 明 ・ 原 京 子 ・ 寺 田 弥 寿 子 ・ 中 里 か を る ・ 高 谷 有 美 ・ 坂 口 洋 介 ・ 小 原 達 朗 ・ 龍 造 寺 裕 則 ( 2007) 教 員 養 成 の た め の 資 質 リ ス ト の 開 発 -学部と附属校園の共同研究を通して-~長崎大学教育学部附属教育実践総合
センター紀要~
G pp
.49
・5 7 .
平 成 1 9 年 度 1 0 月 主 免 教 育 実 習 授 業 計 画 例 ( 5 年 1組 )
週 1校 時 2校 時 3校 時 4校 時 5校 時 6校 時 備 考
八 4 木
f星利・ 日( E学級い)りま三 出(視E式い ) L J 主2
ト‑‑‑‑ I !
央B官Cl)開E始FG同H打 合 せ ①b 金
(選全択員実J参習観 ) 選(全三択《ミ?員実ロ"参習 観 ) 選(全択員実参習 観 ) 背 骨 ミ
、 "
土 、
6 ,、 lノ一、 v
。t
Vι
、 、 b
7 日
、
f 。了
8 月 ,
9 火 土 星 科 被観 式(低授学業年)参 複観式(中授学業年参)
額千品計
ク フ フJ古 鼠3! 2 i 害者著書葉書霊
B ( 長 田 総 論 1 (長田~危)
1 0 オt 1卒号r 凶 J 1司"'Jf ¥ 出J
l i i 器管制
1 1 木 Jミ1 号妥更?) 1司王円 E圭1
¥ ¥
金
見区!詰 忍)j主 長 E昔
1 2 ※ 学 年 授 業 仁三1 0 1
i
ι え‑一ヲjザ、 川ーL島一リ1、μ
γ¥
、 ・ 川ペd守 ・、ピえ ι、4 ι J一 、 包 、w、白令e戸ト 1<" 心 、 ウ1 3 土 ! を lム
円 、 〆 白 川
1 4 日 l F
1 5 月 凶 I . 凶 I . E 1 F 1
2 2 F
2 1 i 主 襲 聖 著 撃 護 書 毒 霊 事 霊 童 室 童書事
A 坦 科 1本 有 ク フ フt古 事8
1 6 火 G 1 H 1
水 t土 決 巧とj匙 本 熔
1 7 ρ¥.2 132
1 8 木 C 2 土星苧十 f平:宵 0 2
¥¥ ! j i i i i :
時金 央 諸 1司王百 背 泳i
i P 2 i
喜i i 重 量 i 重 i 量 雲 間
1 9 E 2 Eヨ2
2 0 土 。 , 、 ー !
今宮旬、 代'~: ; ι
、号今、、 円、 、一一ρ白ぉ、一、町κ、、、 、 2日♂恭!ふ戸一一ゾ、d、一F一旬台、、、叩F今一企,、4 ・】lりO白えJ一弘 、1乞、一‑一 九九、 、一 戸、, 、、、、一hピ、、f町、p一}一子Tー一"、、、、、、Aい一4一、一一一 一 、、、p市t、判守一、ι町、ι、会 戸 ・ ゾ 、て、、ν 、 九
、5、 可
内 Fイ
、 鳴
。U屯、亡 、 J、月νJ噂μ " ミ ι, 句v、, ,
:2 1 日
'
一 6 ν
2 2 月 区iム 仁ユ2 H 2 思 粁 会 民 主 主 { 古 動
t五
2 3 火 足並苧十 ρ¥.3 133 f本 有 ク フ フ 佑 翻
i j
Ei!?7
2 4 水 t士 栄 不 足 主j(}:足
C 3 0 3
2 3 E 事 E 著書 E 襲 君 撃 主 事 室
( 長 田 総 論 ) ( 長 田 総 論 )
E C O 3 3 3
2 5 木
|長 )~Jf-ti i 量 六 芸 賞 事 長六日華
E 3¥ ¥
ドHE 3G3;3当模授模字擬業t擬ヨ授反子授旨省業導業会茶 指導2 6 金 F 3 央 E吉 l'芋 円 仁妄3 FHG 33a 授模将 業擬重量反設百省箱業、、会ム
2 7 土
マ が 臼!宇"、U、 〆、
O十
,¥J一ム一郎、,守白¥、?品、一、p、一何そ、ι ι 可、ゆ ‑、、ピ‑ な い ト 、 } 〆
a、バノjλι , ド百町i、九 七、一A唱f、、l、 ‑、、jυ今ι玖‑一
、
2 ,8 日 、 、 ξ~ 山ι 、ξ ‑F伊/民 ゾ戸 、 6ゐ巳 β、1 A
l、旬, 、 ,
2 9 月 凶 五 税 制 袋 観 劇 主 主 H 3 H己 主 主 主 著 反 省 主 主
A 埋 科 1牛 有
3 0 火
3 1 水 1主 朱 %.J.忌
去局l(j庭れ複の式去) 字J古 守: