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弾性流体潤滑におけるキャビテーションに関する研 究

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Academic year: 2021

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

弾性流体潤滑におけるキャビテーションに関する研 究

大津, 健史

九州大学大学院工学府

https://doi.org/10.15017/21997

出版情報:Kyushu University, 2011, 博士(工学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

(別紙様式2)

論 文 要 旨

区 分 甲 氏 名 大 津 健 史

論文題名

弾性流体潤滑におけるキャビテーションに関する研究

論 文 内 容 の 要 旨

流体 潤滑 膜に 発生 する キャ ビテ ーシ ョン は, 潤滑 油の 蒸発 現象 , ま たは 溶解 気体 の析 出現 象 で あり ,エ ロ ージ ョン ,潤 滑膜 の破 断, 摩擦 係数 ,シ ール の密 封性 能な どに 影響 を与 える こと が知 られ てい る . しか し,

キャ ビテ ーシ ョン の特 性と 雰囲 気の 関係 は十 分に 解明 され てい ない .様 々な 雰囲 気条 件下 で 作 動す る機 械を 効率 的に 設計 し信 頼性 を向 上さ せる ため には ,雰 囲気 の影 響を 明ら かに する こと が必 要不 可欠 であ る . 本論 文は,弾性 流体 潤滑(EHL)膜 に形 成さ れる 気体 性キ ャビ テー ショ ンの 成長 に及 ぼす 雰囲 気の 影響 を調 べ ,そ の 機構 を探 求し たも ので ある .

第1 章で は, 本論 文で 取り 上げ た課 題の 背景 ,お よび ,本 論文 の 目 的と 構成 を述 べた .

第2 章で は, 実験 によ りキ ャビ ティ ー の 成長 を観 察し た結 果を 示し ,雰 囲気 ,お よび , 運 転条 件の キャ ビ ティ ー成 長に 与え る影 響を 述べ た. 観察 から ,キ ャビ ティ ーの 成長 は2 つの 段階 で起 こり , キ ャビ ティ ーの 発生 直後 は急 速に 拡大 する こと ,そ の後 は成 長速 度が 低下 し 長 さが 徐々 に増 加す るこ とを 示し た. この 成長 過程 を順 にInitial stage,Second stageと名 づけ た.次に ,各 成長 段階 への 雰囲 気や 運転 条件 の影 響を 詳細 に調 べ, 以下 のこ とを 明ら かに した .第 一に ,雰 囲気 気体 はInitial stageにお ける キャ ビテ ィー 成長 に影 響を 与え ず, 一方Second stageに おけ る成 長 で は潤 滑油 への 溶解 度 の 高 い 気 体 ほ ど キ ャ ビ テ ィ ー が 長 く な る . 第 二 に , 滑り 速度 と潤 滑油 粘度 は, 両段 階で の成 長に 影響 を 与 える .滑 り速 度が 大き いほ どInitial stageにお ける 成長 速度 が大 きく, Second stageにお いて キャ ビテ ィー が 長く なる.また 潤滑 油の 粘 度が 高い ほど, Initial stage での キャ ビテ ィー の成 長時 間と 成長 後の 長さ が大 きく なり ,Second stageで のキ ャ ビテ ィー が長 くな る.第三 に, 粘度 が同 一の 場合 ,雰 囲気 温度 はInitial stageにお ける 成長 に影 響を 与え ず, Second stageでは 温度 によ って キャ ビテ ィー 長さ が変 化し ,こ れは 気体 の溶 解度 の温 度変 化と 相関 があ る. 第四 に, 雰囲 気圧 力が 低い ほどInitial stageに おけ る成 長時 間は 長く 成長 後の 長さ は 大 きく なり,雰囲 気圧 力 が高 いほ どSecond stageにお ける 成長 速度 が大 きい .第 五に ,表 面張 力はInitial stageにお ける 成長 に影 響を 与 え ず ,一 方Second stageでは 表面 張力 が低 い潤 滑油 にお いて キャ ビテ ィー が長 くな る.

第3 章で は, 第2 章 の 結果 に基 づい て , キャ ビテ ィー 成長 のモ デル を 検 討し た.

Initial stageの キャ ビテ ィー 成長 モデ ルは ,接 触域 後方 に発 生す る負 圧領 域の 計算 と分 子動 力 学 法を 用い た 計算 によ り検 討し た. その 結果 ,キ ャビ ティ ーの 成長 は 接 触域 後方 に発 生す る負 圧領 域と 関係 する こと を示 した .滑 り速 度, 潤滑 油粘 度, 雰囲 気圧 力は , 圧 力分 布に 影響 を及 ぼす ため ,こ の段 階で のキ ャビ ティ ー成

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長に 影響 する . Second stageのキ ャビ ティ ー成 長モ デ ルは ,キ ャビ ティ ー内 への 溶解 気体 の放 散 に 着目 して 検討 した .潤 滑油 とキ ャビ ティ ーの 界面 に二 重境 膜モ デル を 適 用し ,溶 解気 体の キャ ビテ ィー 内へ の放 散 量 から キャ ビテ ィー の成 長を 求め た . その 結果 ,計 算さ れた キャ ビテ ィー 長さ は, 実験 結果 とよ く一 致す るこ とを 示し た. 滑り 速度 ,潤 滑油 粘度 ,雰 囲気 気体 ,雰 囲気 温度 ,雰 囲気 圧力 は, キャ ビテ ィー 内へ の気 体の 放散 量に 影響 を 及 ぼす ため ,こ の段 階で のキ ャビ ティ ー成 長 に 影響 する .ま た, 表面 張力 も, 放散 が起 こっ た後 のキ ャビ ティ ーの 拡大 に影 響を 与え る.

第4 章で は, 3つ の応 用場 面に おけ る キ ャビ ティ ーを 調べ ,第 3章 で得 られ た 成 長モ デル に基 づい て考 察 した .第 一に ,グ リー ス潤 滑下 にお いて もキ ャビ ティ ーの 成長 は2 段階 の過 程で 起こ り, 各段 階に おけ る成 長は ,第 3章 に示 した モデ ルに よっ て理 解す るこ とが でき るが ,グ リー スの 見か け粘 度の せん 断率 依存 性,

増ち ょう 剤の 分散 状態 の影 響, グリ ース 中の 溶解 気体 量を 考慮 しな けれ ばな らな いこ と を 示し た. 第二 に,

往復 動EHL膜 にお ける キャ ビテ ィー の成 長と 消滅 を調 べ, スト ロー ク長 さに よっ てキ ャビ ティ ーの 成長 と消 滅の 挙動 が異 なる こと を示 し, これ は ス トロ ーク 長さ によ って キャ ビテ ィー の成 長段 階と キャ ビテ ィー 内圧 力が 異な るた めで ある こと を明 らか にし た. 第三 に, 2つ の点 接触 部が 潤滑 油の 流れ 方向 に直 列に 配置 され た場 合の キャ ビテ ィー を観 察し た結 果 , 前方 接触 部で 発 生 した キャ ビテ ィー が後 方の 接触 部ま で成 長し ,滑 り速 度が 大き い 条 件で は後 方の 接触 部へ の油 量不 足を 引き 起こ すこ とを 示し た.

第5 章で は, 本論 文の 総括 と今 後の 課題 につ いて 述べ た.

以上 ,本 論文 では , 様 々な 雰囲 気に おい てEHL膜 に形 成さ れる キャ ビテ ィー の 観 察を 行い ,そ の成 長を 調 べる こと によ って ,キ ャビ ティ ーの 成長 モデ ルと その 成長 に及 ぼす 雰囲 気の 影響 を明 らか にし た.

参照

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