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打ち込み式スパージング井戸のスリット形状の検討

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Academic year: 2022

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キーワード スパージング,原位置浄化,井戸,スリット

連絡先 〒245-0051 横浜市戸塚区名瀬町 344-1 大成建設(株)技術センター TEL045-814-7217

打ち込み式スパージング井戸のスリット形状の検討

大成建設(株)技術センター 正会員 ○高畑 陽 大成建設(株)環境本部 正会員 大石 雅也

1.目的

汚染物質が存在する帯水層に井戸から空気を供給して浄化を行うスパージング工法は,汚染物質の気化や微 生物分解を促進できる原位置浄化技術である1).本工法に用いられている空気供給井戸(スパージング井戸)

は,ボーリング孔を掘削後に井戸管を孔内に設置して,井戸管の周囲に砂などの透水性材料やモルタルなどの 遮水性材料を充填したものを使用している.しかしながら,従来の井戸の設置方法は施工期間が長く,高コス トとなる課題があった.一方,開口部(スリット)が入った打ち込み式井戸を打込機により直接地盤に打設し てそのままスパージング井戸として使用する方法は,前者の方法と比較して井戸の設置期間を大幅に短縮でき る.また,打ち込み式井戸は設置後に引き抜いて回収・再利用することが可能であり,施工に伴う汚染土壌の 発生がほとんどない等の利点がある.一方,打ち込み式井戸を地盤に打

設する際には,スリットから土砂の侵入したり,目詰まりが生じて井戸 の機能を失ったりする事態が懸念されているが,その防止対策について は十分な検討が行われていない.

本報では,目詰まりを生じにくいスリット形状を検討するため,スリ ット形状の異なる複数の打ち込み式井戸を用いて実地盤での打設試験を 実施した結果について報告する.

2.試験方法

打ち込み式井戸の打設試験は,地表面をアスファルト舗装している工 場跡地で実施した.試験サイトは GL-2.3m までは埋土,GL-2.3m~-9.8m まではシルト混じり砂層で構成される地盤であり,地下水位は GL-2.3m であった.有孔管は,低騒音クローラ搭載型無水掘削機(写真-1)を用 いて GL-7.0m まで打設した.Gl-7.0m 付近の土質性状は,土粒子密度が 2.67,自然含水比が 20.2%,平均粒径(50%粒径)が 0.29mm(礫分 1%,

砂分 77%,シルト・粘土分 22%),飽和透水係数(変水位)が 7.2×10-8m/s であった.管体は STPG 管(圧力配管用炭素鋼鋼管)を加工した 1m長の 有孔管(先端部のみ)および無孔管を用い,打ち込みとねじ込み式によ る管体の継手を繰り返しながら GL-7.0m まで打設を行った.有孔管の先 端形状を図-1 に,使用した有孔管の種類を表-1に示す.試験には,

スリット幅が 0.2~2.0mm の範囲であり,管体の内空断面積(PA)に対す るスリットの総開口面積(SA)の比率を 100~500%に調整した 9 本の有 孔管を用いた.

打ち込み式井戸の打設後,管内における地下水位及び土砂堆積高さを 測定し,土砂が堆積した井戸については管内の水洗浄を実施した.続い て,コンプレッサを用いて,管内に 50,100,150L/min の空気供給を行 い,その際の管内の圧力測定してスリットの目詰まり状況を判定した.

写真-1 打ち込み式井戸 の打設状況

図-1 有孔管先端部の形状

200mm

12

N (スリットの列数)

周方向のスリット数:s

コーン 200mm

12

N (スリットの列数)

周方向のスリット数:s

コーン 土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

‑363‑

Ⅶ‑182

(2)

3.試験結果

打ち込み式井戸の打設後に,スリッ トを介して管内に侵入した地下水およ び土砂量を図-2 に示す.この結果,

スリット幅が 0.2~0.6mm の有孔管 A~

H については,打設後に若干の地下水 が浸入しているが,土砂の侵入は確認 されなかった.一方,スリット幅が 2.0mm の有孔管 I については,大量の 地下水と土砂の侵入が確認された.

続いて,個々の打ち込み式井戸に空 気を供給した際の空気供給量と井戸内 圧力の関係を図-3 に示す.試験開始 前に有孔管 I のみ,井戸打設後に管内 を水洗浄して土砂を除去した.空気供

給試験では全ての打ち込み式井戸に空気供給が可能であったことから,有孔管 A~H については井戸洗浄が不 要であることが確認できた.

井戸洗浄を実施している有孔管 I はスリットに目詰まりが生じていない状態であり,本井戸では空気供給量 に比例して井戸内圧力が上昇した(図-3).スリット幅が 0.2mm および 0.4mm の有孔管では,100 L/min から 150 L/min に空気供給量を増加させた際に井戸内圧力の上昇率が小さくなった.この原因として,空気供給量 を増加させることによりスリットに対する圧力が高まり,スリットを塞いでいた一部の土砂が掃き出されたた めと考えられた.一方,スリット幅が 0.6mm の有孔管は空気供給量に比例して井戸内圧力が上昇し,有孔管 G および H の井戸内圧力の傾向はほぼ同様であったことから,SA/PA 比を 200%程度に設定すれば十分な空気供 給能力が得られると考えられた.

4.まとめ

本試験の結果,本サイトの土質性状であれば,スリット幅が 0.6mm,SA/PA 比が 200%の有孔管が打ち込み 式井戸のスリット形状として最適であると考えられた.今後,打ち込み式井戸の適切なスリット条件について は,様々な土質性状を持つ地盤で検証していく予定である.

5.参考文献

1) 桐山ら:土木学会論文集, F Vol.65 N0.4, pp.555-566,2009.

A B C D E F G H I GL-1m

GL-2m GL-3m GL-4m GL-5m GL-6m GL-7m

:地下水、 :汚泥 A B C D E F G H I GL-1m

GL-2m GL-3m GL-4m GL-5m GL-6m GL-7m

:地下水、 :汚泥

:地下水、 :汚泥

0 50 100 150 200 空気供給量(L/min)

  :有孔管C   :有孔管D   :有孔管E   :有孔管I 0.000

0.020 0.040 0.060 0.080 0.100 0.120 0.140 0.160

0 50 100 150 200 空気供給量(L/min)

井戸内圧力(MPa)

  :有孔管A   :有孔管B   :有孔管I

0 50 100 150 200 空気供給量(L/min)

  :有孔管F   :有孔管G   :有孔管H   :有孔管I 0 50 100 150 200

空気供給量(L/min)

0 50 100 150 200 空気供給量(L/min)

  :有孔管C   :有孔管D   :有孔管E   :有孔管I   :有孔管C   :有孔管D   :有孔管E   :有孔管I 0.000

0.020 0.040 0.060 0.080 0.100 0.120 0.140 0.160

0 50 100 150 200 空気供給量(L/min)

井戸内圧力(MPa)

0.000 0.020 0.040 0.060 0.080 0.100 0.120 0.140 0.160

0 50 100 150 200 空気供給量(L/min)

井戸内圧力(MPa)

  :有孔管A   :有孔管B   :有孔管I   :有孔管A   :有孔管B   :有孔管I

0 50 100 150 200 空気供給量(L/min)

0 50 100 150 200 空気供給量(L/min)

  :有孔管F   :有孔管G   :有孔管H   :有孔管I   :有孔管F   :有孔管G   :有孔管H   :有孔管I

図-2 管内への地下水および土砂の侵入量 図-3 空気供給量に対する井戸内の圧力変化 表-1 試験に用いた有孔管のスリット仕様

管体 内空 断面積

PA*

(mm2

長さ L

(mm)

幅 W

(mm)

周方向 s

列数 N

総開口 面積 SA**

(mm2)

有孔管A 1,160 60 0.20 16 6 1,190 100 有孔管B 1,160 60 0.20 16 9 1,790 150

有孔管C 1,160 60 0.40 8 6 1,190 100

有孔管D 1,160 60 0.40 16 6 2,380 200 有孔管E 1,160 60 0.40 16 9 3,570 300

有孔管F 1,160 60 0.60 8 4 1,190 100

有孔管G 1,160 60 0.60 8 8 2,380 200

有孔管H 1,160 60 0.60 16 6 3,570 300 有孔管I 1,160 60 2.00 6 8 5,950 500

* PA = 3.14× (ID))2/4 ID(管体の内径) = 38.4mm

** SA = L×W×s×N

スリット

SA/PA 有孔菅 (%)

土木学会第66回年次学術講演会(平成23年度)

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参照

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