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発生域と堆積域での土砂動態を考慮した土石流危険渓流の

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Academic year: 2021

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博 士 ( 農 学 )    中 野 泰 雄

学 位 論 文 題 名

発生域と堆積域での土砂動態を考慮した土石流危険渓流の      再評価に関する研究

学位論文内容の要旨

  土 砂 災害 を 軽 減 防 止す る た め に 、 土砂 災 害 の 発 生域 に おける 「発生 場所と タイ ミング 」およ ぴ堆積 域 に お け る 「 氾濫 範 囲 」 を 把握 す る こ と が実 務 上 重 要 とな る。 発生域 に関し ては、 降雨 による 表層崩 壊お よ び 土 石 流の 発生モ デルが すで に開発 されて おり、 気象庁 と県 が土砂 災害警 戒情報 とし て発表 してい る。

一 方 、 深 層 崩壊 や 地 す べ り等 に よ る 大 規模 土 砂 災 害 は、 しば しば無 降雨時 にも発 生す るため 、先行 降雨 や 地 下 水 の 関与 を 明 ら か にし な け れ ば 予測 は 不 可 能 で、 その 発生危 険個所 につい ても 未だ適 確な判 断基 準 が 得 ら れ てい な い 。 ま た、 堆 積 域 に 関し て は 、 運 動モ デル に基づ いて土 石流を 数値 シミュ レーシ ョン す る 手 法 は 開発 さ れ て い るが 、 そ の 多 くが 石 礫 型 土 石流 を対 象とし ている 。しか し、 石礫型 土石流 より も 高 濃 度 で 下流 に ま で 拡 散す る よ う な 細粒 土 砂 を 含 む土 石流 (混相 流)の 流速、 体積 、氾濫 範囲を 予測 す る 技 術 は 開発 さ れ て い ない 。 こ の よ うに 土 砂 災 害 の発 生場 所、タ イミン グ、氾 濫範 囲につ いて、 既存 の モ デ ル で 予測 す る こ と には 一 定 の 限 界が あ り 、 現 実の 災害 事例か らさか のばっ てプ ロセス を再現 し、

土 砂 災 害 を 予 測 で き る よ う な 土 石 流 危 険 渓 流 の 評 価 手 法 の 開 発 が 望 ま れ る 。   本 研 究で は 、 予 測 不可 能 な 広 範 囲 に土 石 流 が 氾 濫・ 堆 積した 事例と して、 平成21年山口 県防府 市の 剣 川 で 発 生 し た土 石 流 災 害 を取 り 上 げ た 。こ こ で は 、 細粒 土砂 を含む 土石流 (混相 流) 濃度に ついて 分析 を 行 う と と もに 、 多 量 の 細粒 土 砂 を 含 む土 石 流 の 氾 濫範 囲の 把握に 必要な 土石流 濃度 の算出 方法を 新た に 提 案 し た 。ま た 、 降 雨 に応 答 し な い タイ ミ ン グ で 大規 模崩 壊とそ れに続 く土石 流を 発生し た事例 とし て 、 平 成22年 に 鹿 児 島県 南 大 隅 町 の 船石 川 で 発 生 した 土 石流災 害を取 り上げ た。 本災害 は、土 石流発 生 時 に 無 降 雨 であ っ た こ と から 地 下 水 の 関与 が 予 想 さ れる 地下 水型土 石流と みなす こと ができ 、地下 集水 型 地 形 を 含 む渓 流 水 の 比 流量 に よ る 発 生タ イ ミ ン グ 判別 方 法 を 提 案 した 。

  山 口 県防 府 市 で 土 石流 の 発 生 し た 剣川 は 、 流 域 面積1.84km2、 流 路延 長 は2.8kmで あ る。 地 質 は 花崗 岩 地 帯 で 、 山腹 の 表 層 に は細 粒 分 ( 粒 径0.075mm未 満 ) が30% 程 含 まれ る マ サ土 が分 布して いる。 平成 21年7月21日 に 観 測 史 上 最 大 の256mm′ 日 の 降 雨 を 記 録 し 、 谷 出 口 に あ る民 家 や 国 道262号 に ま で到 達 し て 死 者2名 を 出 す 土 石流 災 害 が 発 生し た 。 こ の 土石 流は 石礫型 土石 流に比 べて、4倍 程度の 高濃度 を 示 す 細 粒 土 砂を 含 む 土 石 流で あ る こ と がわ か っ た 。 そこ で、 この土 石流を 構成す る細 粒土砂 を用い て、

細 粒 土 砂 を 含む 混 相 流 型 の土 石 流 の 濃 度変 化 プ ロ セ スを 実験 的に調 べた。 その結 果、 細粒土 砂を含 む土 石 流 の 濃 度は 水路勾 配によ り異 なるが 、従来 の実験 で得ら れた 石礫型 土石流 の濃度 より も高い 値を示 し、

細 粒 土 砂 を 含む 土 石 流 の 石礫 型 土 石 流 に対 す る 濃 度 比は 、水 路勾配4度 で1.33倍、 水路勾 配8度で1.85 倍 に な る こ とが 分 か っ た 。

  さ ら に、 約0.1mm以 下 の 細 粒( 以 降 、 境 界粒 径 と 呼 ぶ)土 砂を 比重の 重い流 体とし て取 り扱え ば、実 験 で 得 ら れ た土 石 流 濃 度 をこ れ ま で の 石礫 型 土 石 流 濃度 式( 高橋式 )で表 現でき るこ とが分 かった 。た

―991−

(2)

だ し 、 実 際 に 剣 川 で 発 生 し た 土 石 流 は 石礫 型土 石 流の 約4倍 の濃 度 であ った こ とか ら、 乱 れの 大き な 実 際 の 土 石 流 で は 、 実 験 に お け る 境 界 粒 径O.lmm程 度よ り さら に大 き な境 界粒 径 をも つ可 能 性が ある 。 最 後 に 、 土 石 流 濃 度 が4倍 に な る よ う に 境界 粒 径を 設定 し た数 値シ ミ ュレ ーシ ョ ンを 行っ た 結果 、石 礫 型 土 石 流 の 濃 度 式 では 再 現で きな か った 剣川 の 土砂 氾濫 範 囲を 再現 で きる こと が 分か った 。 今後 は、 本 実 験よ り大 規 模の 境界 粒 径の 計測 実 験を 行い 、 流れ のス ケ ール が異 な って も一定の 境界粒径を示すよ うに、

沈降 速度 と 摩擦 速度 に よる 無次 元 量で の検 討 を行 う必 要 があ る。

  鹿 児 島 県 南 大 隅町 で 土石 流を 発 生し た船 石 川は 、阿 多 カル デラ の カル デラ 壁 に陥 入し た 渓流 で、 流 域 面 積0.23km2の 小 流 域 で あ る 。 船 石 川 ( 正 式 地 名 : 船 石 川2) で は 、 平 成22年7月4日 夜 に7波 の 土 石 流 が 発 生 し 、100,OOOD13を 超 え る 土 砂 が 下 流 へ 流 出 し た 。 し か し 、 そ の 時 ま で の10月間 に1000mm を 超 す 降 雨 が 観 測 さ れ て お り 、7波 の うち 第4波 以 外の6波の 土石 流 は、 発生 タ イミ ング は 無降 雨時 で あ っ た 。 こ の た め 、こ れ らの 土石 流 への 地下 水 の関 与が 推 察さ れた 。 船石 川流 域 の崩 壊斜 面 の断 面地 質 図 と 周 辺 地 域 の 等 高 線 図 を も と に 解 析 し た 結 果 、 地 表 面 の 流 域面 積 の約3倍近 い0.67km2の 地下 集水 型 地 形 が 抽 出 さ れ た 。地 下 集水 型地 形 を広 域に わ たり 詳細 に 調査 する こ とは 困難 で ある ため 、 地下 水貯 留 量 を 反 映 す る と 言 われ る 流域 の比 流 量を 指標 と して 地下 集 水型 地形 を 判別 した 。 これ によ り 、船 石川 と 同 様 の 地 質 構 造 を 持つ 渓 流の うち 、 これ まで 土 砂災 害を 発 生し た13渓 流を 選び 、 比流 量に 基 づく 土石 流 発 生の 危険 度 評価 を行 っ た。

  そ の 結 果 、 各 渓 流 の 比 流 量 は0.01〜0.21ロi3/s/km2で有 意 な差 があ り 、ま た船 石 川2の 比流 量は0.12 m3/s/km2で あ っ た こ と か ら 、 比 流 量O.lm3/s/km2を 超 え る5渓 流 ( 花 倉 第4谷 、 中 浜 谷 、 平野 川、 辺 田 川 、 冷 川 ) を 抽 出し 、 これ らの 渓 流に おい て 無降 雨時 の 土石 流災 害 の発 生記 録 を調 査し た 。中 浜谷 、 平 野 川 、 辺 田 川 、 冷 川 の4渓 流 は 土 石 流 の 発 生 要 因 を 特 定 で き な か っ た が 、 花 倉 第4谷 で は 、 降 雨 強 度 28mmmr、 連 続 雨 量350mmと 、 土 石 流 発 生 限 界 を 超 え る 降 雨 時 に は 土 石 流 は 発 生 せ ず 、 そ の1週 間 後 に 土 石 流 が 発 生 し た こ と が 分 か っ た 。 この こと か ら花 倉第4谷で は 、先 行降 雨 や地 下水 の 関与 する 無 降 雨 時 の 土 石 流 が 発生 し たと 判定 さ れた 。ま た 、こ れら は 現在 の土 石 流警 戒避 難 基準 では 予 測が 困難 で あ り 、 花 倉 第4谷 に つ い て は 半 減 期 を800時 間 と す る 実 効 雨 量 を 、 平 成21年 と19年 に2回 の 土 石 流 が 発 生 し た 船 石 川2で は 、 半 減 期 を1100時 間と す る実 効雨 量 をそ れぞ れ 用い る必 要 があ ると 考 えら れた 。 さ ら に 、 比 流 量 を 調査 し た13渓流 に つい て、 一 般に 用い ら れる 流域 面 積や 渓流 の 平均 勾配 等 で危 険度 評 価 を 行 っ た 場 合 と 、本 論 で採 用し た 比流 量を 考 慮し た危 険 度評 価を 行 った 場合 と で比 較し た 。そ の結 果 、 比 流 量 を 指 標 と した 危 険度 評価 で は、 比流 量 の大 きな 渓 流は 、先 行 降雨 量が 多 い場 合に 警 戒が 必要 と さ れ る 現 在 の 土 砂 災害 警 戒避 難基 準 雨量 によ っ て危 険渓 流 を抽 出す る より も具 体 的で ある と 考え られ た 。   こ れ ま で 土 砂 災害 対 策に おい て 予測 手法 が 確立 され て いな かっ た 、発 生域 に おけ る「 発 生場 所と タ イ ミ ン グ 」 お よ び 堆積 域 にお ける 「 氾濫 範囲 」 を把 握す る こと を目 的 とし て、 山 口県 防府 市 剣川 の細 粒 土 砂 を 含 む 土 石 流 と鹿 児 島県 南大 隅 町船 石川 の 無降 雨型 土 石流 とを 分 析し た。 そ の結 果、 発 生域 にお い て も 堆 積 域 に お い ても 、 土石 流の 発 生・ 流下 ・ 堆積 時に お ける 濃度 変 化、 比流 量 の変 化な ど 、こ れま で の 予 測 技 術 で 見 落 とさ れ てい たい く っか の重 要 なフ ァク タ ーが 抽出 さ れた 。そ の ため に、 境 界粒 径の 設 定 の 仕 方 や 実 効 雨 量の 半 減期 を考 慮 する こと に より 、こ れ まで より 高 い確 率で 土 石流 の発 生 場所 、タ イ ミ ン グ 、 氾 濫 範 囲 が予 測 でき るこ と が明 らか に なっ た。 今 後の 土砂 災 害対 策に お いて も、 本 研究 で抽 出 さ れ た フ ァ ク タ ー を観 測 項目 とし て 取り 入れ 、 発生 域と 堆 積域 の土 砂 動態 をシ ミ ュレ ーシ ョ ンす るこ と が 望ま れる 。

‑ 992 ‑

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学位論文審査の要旨 主 査    教 授    丸 谷 知 己 副 査    教 授    井 上    京 副査   准教授   笠井美青

学 位 論 文 題 名

発生域と堆積域での土砂動態を考慮した土石流危険渓流の      再評価に関する研究

  土 砂 災害 を 軽 減 防 止す る た め に 、 土石 流 の 「 発 生場 所 とタ イミン グ」お よび「 氾濫 範囲」 を把握 する こ と が 実 務 上重 要 と な る 。発 生 域 に お いて は 、 降 雨 によ る表 層崩 壊およ び土石 流の発 生モデ ルは すでに 開 発 さ れ て いる が 、 無 降 雨時 に も 発 生 する 土 石 流 は 、そ の発 生場 所やタ イミン グにっ いて未 だ適 確な判 断 基 準 が な い。 ま た 、 堆 積域 に お い て は、 石 礫 型 土 石流 を対 象と した数 値シミ ュレー ション 手法 は開発 さ れ て い る が、 高 濃 度 で 流出 す る 細 粒 土砂 を 含 む 土 石流 (混 相流 )の流 速、体 積、氾 濫範囲 を予 測する 技 術 は 開 発 され て い な ぃ 。こ の よ う に 土石 流 の 発 生 場所 、タ イミ ング、 氾濫範 囲につ いて、 既存 のモデ ル で 予 測 す るに は 一 定 の 限界 が あ り 、 現実 の 災 害 事 例か らプ ロセ スを再 現し、 土石流 を予測 でき るよう な 評 価 手 法 の開 発 が 望 ま れる 。 本 研 究 では 、 細 粒 土 砂を 含む 土石 流(混 相流) の氾濫 プロセ スを 解明す る た め に 、 平成21年 山口 県 防 府 市 の 剣川 で 発 生 し た土 石 流災 害を、 また無 降雨の 地下 水型土 石流の 発生 場 所 と 発 生 タイ ミ ン グ を 解明 す る た め に、 平 成22年に 鹿 児島 県南大 隅町の 船石川 で発 生した 土石流 災害 を 取 り 上 げ た。

  山 口 県防 府 市 の 剣 川流 域 は 、 流 域 面積l.84km2、 流路 延 長 は2.8kmで 、 地質 は 花 崗 岩 地帯 で 、 山 腹 表 層 に は 細 粒 分 ( 粒 径0.075mm未 満 ) を30% 程 含 むマ サ 土 が 分 布し て い る 。 平成21年7月21日 に 観 測史 上 最 大 の256mmの 日 降 雨 に よ り 、 谷 出 口 ま で 到 達 し て 死者2名 を 出 す土 石 流 災 害 が発 生 し た 。 この 土 石 流 は 石 礫 型土 石 流 に 比 べて 、4倍程 度の 高濃度 を示す 細粒土 砂を 含む土 石流で あるこ とがわ かっ た。そ こ で 、 現 地 の細 粒 土 砂 を 用い て 、 混 相 流型 の 土 石 流 の濃 度変 化を 実験的 に調べ た。そ の結果 、細 粒土砂 を 含 む 土 石 流濃 度 は 、 石 礫型 土 石 流の 濃度よ りも高 い値 を示し 、これ らの濃 度比は 、水 路勾配4度 で1.33 倍 、 水 路 勾 配8度 で1.85倍 に な る こ と が 分 か っ た 。 さ らに 、 約O.lmm以 下 の細 粒 ( 以 降 、境 界 粒 径 と 呼 ぶ ) 土 砂 を比 重 の 重 い 流体 と し て 取 り扱 え ば 、 こ れま での 石礫 型土石 流濃度 式(高 橋式) でも その濃 度 変 化 を 計 算で き る こ と が分 か っ た 。 また 、 土 石 流 濃度 が4倍 に なる よ う に 「 境界粒 径」を 設定 した数 値 シ ミ ュ レ ーシ ョ ン に よ り、 石 礫 型 土 石流 の 濃 度 式 では 再現 でき なかっ た現地 の土砂 氾濫範 囲を 再現で き る こ と が 分か っ た 。

  鹿 児 島県 南 大 隅 町 の船 石 川 流 域 は 、阿 多 カ ル デ ラの カ ル デ ラ 壁に 陥 入 し た 渓流 で、流 域面積0.23km2 の 小 流 域 で ある 。 平 成22年7月4日夜 に7波 の 土石 流 が 発 生 し、100,OOOn13を 超 え る 土 砂が 下 流 へ 流 出

―993 ‑

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し た 。 し か し 、 こ の 土 石 流7波 の う ち6波 は 、1000mmの 先 行 降 雨の 後 の 無 降 雨時 に 発 生 し てい た こ と よ り 、 土 石流 発 生 へ の 地下 水 の 関 与 が 推察 さ れ た 。 そこ で 、 発生源 斜面の 断面 地質と 等高線 を解析 した 結 果 、 地 表面 で の 流 域 面積 の 約3倍 の地 下 集 水 型 地 形が 抽 出 さ れ た。 地 下 集 水 型地 形 の広域 調査は 困難 で あ る が 、そ の 地 下 水 貯留 量 を 反 映 す る渓 流 の 比 流 量を 指 標 として 判別で きる 。これ に基づ ぃて、 現地 と 類 似 し た地 質 構 造 の13渓 流 を 選 び、 比 流 量 の 水文 調 査 を 行っ た結 果、船 石川の 比流量0.12 rnりs瓜m2 を 超 え る5渓 流 が 抽 出 され た 。 さ ら に、 これ らに っいて 過去の 土石流 発生時 の降 雨量を 解析し たとこ ろ、

特 に 、 花 倉 第4谷 で は 、 土 石 流 発 生 限 界 を 超 え る 降 雨 時 ( 降雨 強 度28mm/hr、連 続 雨 量350mm) で土 石 流 が発 生 せ ず 、 そ の1週 間 後 に 土石 流 が 発 生 した こ と が 分 かっ た 。 こ の こと か ら 花 倉 第4谷 が 、 船 石 川 と 同 様 に、 こ れ ま で 見落 と さ れ て い た地 下 水 型 の 土石 流 危 険渓流 である こと が判明 した。 これら の渓 流 で は 、 現在 の 警 戒 避 難基 準 で は 土 石 流の 発 生 予 測 が困 難 で あり、 比流量 を考 慮した 実効雨 量とし て、

花 倉 第4谷 で は 半 減期 を800時間 、 船 石 川 では 半 減 期 を1100時 間 とす る 雨 量 を 用い る 必 要 の ある こ と が わ か っ た 。こ の よ う に 、土 石 流 の 発 生 場所 と 発 生 タ イミ ン グ につい ては、 従来 の警戒 避難基 準の実 効降 雨 の 半 減 期 を 拡 張 す る こ と に よ り 、 危 険 渓 流 の 抽 出 が 可 能 に な る と 考 え ら れ た 。   こ れ まで 予 測 手 法 が確 立 さ れ て いな か っ た 、 発生 域 に お ける 地下 水型土 石流の 「発生 場所と タイ ミン グ 」 、 お よび 堆 積域 にお ける混 相流型 土石流 の「 氾濫範 囲」を 解析す ること によ り、従 来の予 測技術 で見 落 と さ れ てい た 重 要 な ファ ク タ ー が 抽 出さ れ た 。 そ のた め に 、境界 粒径の 設定 方法や 実効雨 量の半 減期 を 考 慮 す るこ と に よ り 、こ れ ま で よ り 高い 確 率 で 土 石流 の 発 生場所 、タイ ミン グ、氾 濫範囲 が予測 でき る こ と が 明ら か に な っ た。 こ の よ う に 、本 研 究 は 土 石流 発 生 予測技 術に大 きな 改良を もたら す知見 を実 証 的 に 導 い た も の で 、 今 後 我 が 国 の 土 石 流 災 害 の 警 戒 避 難 に 大 き な 貢 献 を な す も の と 思 わ れ る 。   よ っ て 、 審 査 員 一 同 は 、 中 野 泰 雄 が 博 士 ( 農 学 ) の 学 位を 受 け る の に十 分 な 資 格 を有 す る も の と 認 め た 。

―994 ‑

参照

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