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中国内モンゴル自治区牧畜社会における教育変容 —改革開放政策下の「寄宿制学校」を中心に— [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)中国内モンゴル自治区牧畜社会における教育変容 ―改 革 開 放 政 策 下 の 「 寄 宿 制 学 校 」 を 中 心 に ― キーワード;内モンゴル、牧畜地域、改革開放、国境開発、寄宿制学校、西部大開発 発達社会システム専攻 ス−ホ 造に対する影響と寄宿制学校教育に対する影響である。 1、問題意識と研究目的. そして牧畜地域や寄宿制学校における様々な問題点を指 摘し、情報メディアの利用状況などを分析することを目. 内モンゴル自治区はロシアとモンゴル国と近隣してお. 的とするものである。. り、4.221 キロメ−トルを越える国境線を持ち、全国陸 地国境線の 20%を占める。モンゴル民族、漢民族を中心. 改革開放政策は内モンゴル自治区に空前のない開発環. に多くの民族が共存している。多民族構成は仏教、イス. 境をもたらし、辺境地域の封鎖的な歴史観に終始符を打. ラム教、道教などの多宗教をもたらし、さらに農耕、牧. ち、社会構造、政治、経済、貿易、教育、文化、観光な. 畜、商業、狩猟などの多分化を生み出した。中華人民共. どの多方面に変化を引き起こした。. 和国設立後、各民族は団結し、安定した社会発展と経済. 一、都市化が進み、都市定住人口が増えるとともに交. 成長を遂げてきた。特に改革開放後 20 年間、各民族は. 流人口が大いに増えた。二、牧畜地域の世界観が変わっ. 自治区全体の経済成長を最優先し、急速な社会発展を促. た。何よりも高く評価しなければならないことは、数十. がした。農民、牧畜民、労働者の生活水準は全体的に向. 年間封じ込められた牧畜地域の人々に世界をのぞく機会. 上し、比較的豊かな階層と中産階級は著しく増えた。民. を与え、 視野を広げたことである。 かつて牧畜社会の人々. 族問題は希薄化し、社会的に安定した環境は急速な経済. は家畜場を離れることなく、単純な牧畜作業を繰り返す. 成長の鍵となった。. ことに日々を費やし、人生を覆われてきた。そしてそれ. 本論文の研究対象は内モンゴル牧畜地域寄宿制学校の. を代々受け継いできた。三、牧畜地域社会構造の変化。. 教育環境と制度である。寄宿制学校教育制度は民族によ. 80年代まではほとんど単一の牧畜業経済構造だった。. るものではなく、 内モンゴル自治区自然条件、 生産形態、. 牧畜地域に暮らす労働者はほぼ全員が牧畜に従事してい. 生活環境などの折り合いのもとで生まれた教育制度であ. た。しかし、現在牧畜民が多種多様な職業に従事するよ. り、そこに住む人々が民族を越えて共有している教育制. うになった。社会主義の計画経済時代均等収入を得てい. 度である。筆者が取り上げ、問題にし、解決しようとし. た牧畜民の間に、収入、行動様式、生活水準、考え方な. ているのはモンゴル民族学校教育ではなく、 親元を離れ、. ど様々な面にわたっての格差が見られる。 それによって、. 学校という共同の場所に住み、 学習をしている生徒たち、. 牧畜地域社会階層が分化し、社会的な地域の階層が編成. いわば寄宿制学校教育全般である。具体的には寄宿制学. されてきた。第一は、牧民階層。この階層を最貧困牧民. 校教育を取り巻く牧畜社会の環境と法則、牧畜生活と生. 層、一般牧民、 「福翁」と分けられる。第二は、自営業者。. 産の循環するプロセスと教育関係、寄宿制学校教育制度. 牧畜生活を放置し、都会や町に移り住み、個人営業に従. とプログラム、改革開放政策や「西部大開発」などの国. 事している。第三は、幹部、サラーリマン階層。改革開. 家的な政策やプロジェクトの実施による市場経済の牧畜. 放以前家畜を私物として飼育することは禁じられていた。. 地域社会構. しかし、改革開放政策のもとで、他の職業との兼業が承 認され、私有の家畜を所有し、増加させることができる. 1.

(2) ようになった。 「人々は平等、給料は均等」の牧畜社会構. の大半はゴビ砂漠であり、内モンゴルのなかで交通の便. 造に大きな変化が生じた。まずは、貧富の差が激しくな. の最も悪い辺境地域の一つである。学校数が最も少ない. った。または、牧畜民と国家幹部の「上下関係」に変化. 典型的な過分散地域である。 改革開放政策の実施により、寄宿制学校はしだいに正. が生じ、社会地位と身分に対する基準は職業ではなく、. 規化、秩序化し、教育を施す現場としての機能、役割を. 経済的な能力の「有無」に移った。. 果たせるようになってきた。 Ⅱ、改革開放政策と寄宿制学校教育制度 一、基礎教育から「素質教育」へ. 牧畜地域寄宿制学校教育は湾曲な発展道を歩み、現 在の固定式学校へと発展してきた。しかし、伝統的な. アジアにおける基礎教育の量的な普及に伴い、1990. 寄宿制学校は多くの問題を抱え、学校としての機能は. 年代の「万人のための教育」が「万人のための良質な教. 低く、教育の宗旨がはっきりしなかった。管理体制が. 育へ」という基礎方針への転換があった。アジア全体の. 悪く、学校規則が整えていなかった。経費不足の状況. 教育方針の転換と九年間基礎教育の普及のもとで、1995. のもとで、 「自立更正」方針が促がされ、生徒達は牧. 年中国は「素質教育」 (良質教育)方針を打ち出し、内モ. 場、農場で働き、学校設備の修繕、燃料収集などの労. ンゴル自治区も「素質教育」を促がす「第十・五年間」. 働に携わっていた。教育方法は社会主義計画経済のも. 教育目標を定める。 2005 年までに就学年齢の子供の就学. とで科目、授業内容、教え方などが画一化され、すべ. 率を 99%まで上昇させる。 「素質教育」をこの段階の教. ての学校は同じ教科書を使用し、一つの科目に一つの. 育改革重点とする。さらに「西部大開発」に人材は鍵で. 教科書、一つの教授プログラム、一つの回答参考書、. あることが確認され、人材を育成する現場である学校教. 一つの進行予定表があり、授業パターンが定められて. 育の戦略的役割が位置付けられる。. いた。先生が話す、生徒が聞く、使用道具は黒板、白 墨、授業原則は知識伝達であった。成績評価基準は試. 二、 「自立更生」方針から市場経済へ転換しつつある。. 験であり、目標は高い点数を獲得し、一つ上の段階の. 過去、寄宿制学校は寄宿生の学習、生活面倒をともに. 学校に入学することだった。生徒の総合評価は「労働. みていた。しかし寄宿制学校における費用は普通自宅通. に積極的、思想道徳が高い、規則を守る」ことだった。. 学制学校の約五倍の費用がかかる。つまり、五校の自宅. このような伝統的な寄宿制学校教育を根本的に変. 通学制学校を維持費用は一校の寄宿制学校の維持費と等. えたのは「改革開放政策」である。教育の現代化にお. しい。 1950 年代から 「自立更正」 方針が強調されてきた。. ける戦略的な役割が位置付けられ、その管理体制、規. しかし、現在生徒達の本業は勉強であり、学校の役割は. 則がシステム化し、法律によって守られた。. 知識を伝授することが強調され、食費、授業料、管理費、 施設利用料、課外活動費などの諸費用を生徒から取るよ. Ⅲ、実態調査と分析. うになった。食材、燃料などは自分で解決するのではな. 改革開放後の寄宿制学校教育変容を把握するため、エ. く、市場で購入するかあるいは人を雇ってするようにな. ジナ旗民族小学校とアラシャン盟民族中学校二校に調査. っている。生徒達の学習時間が保障され、学校業務の重. をした。調査対象として選択した理由;二校とも内モン. 点は生活から教学へと移った。寄宿制学校では生徒の住. ゴル最西部のアラシャン盟にあり、 「西部大開発」区域に. 居、食事、衣服、学習を保証する時代から教育,生活費な. 属する地域の学校である。中国国家的プロジェクト「西. どは生徒が自分で負担する時代へ変わった。しかし、近. 部大開発」は教育現場である寄宿制学校教育にどのよう. 年黄砂、旱魃、雪嵐などの異常気象が続き、牧畜民の生. に実施され、いかなる影響を与えているかを検討するこ. 活は困窮している。家計状況からみると収入が少なく、. とを目的とした。アラシャン盟は純牧畜地域であり、そ. 寄宿生の負担する費用は余りにも高額なものである。寄. 2.

(3) 宿生とその家族への経済的な負担が牧畜民階層の教育へ. り経験の方が大事である」という意識は根強くあり、牧. の積極性を失わせる一つの原因となっている。. 畜民全体を見ても学校教育に対する意識は完全に変化し. 三、生徒の学習意識が高まり、関心が変わりつつある。. たとはいいがたい。放牧は体験による経験の積み重ねで. 寄宿制学校生徒の家系を継ぐ意識が変わり、牧畜以外. あり、農業、工業などと比べればはるかに長い期間の体. の職業に対する意識が向上かつ具体的になってきている。. 験学習が必要になる複雑な生業である。しかし、現代学. 過去、 「国家幹部」は社会的に地位が高く、憧れの職業だ. 校教育は子供達を放牧現場から引き離し、牧畜から隔離. った。しかし、現在は「国家幹部」より、経済利益を直. した「学校」という共同体のなかで子供達に現代知識を. 接生み出すことができる職業により関心が高まっている。. 教える。現在、牧畜地域子供達は少なくとも義務教育段. 莫大なお金を使って就職の見通しのはっきりしない大学. 階の九年間は牧畜から離れ、学習を続ける。しかし、こ. に進学するより、 安くて、 速く知識が得られる専門学校、. の時期は牧畜民の子供が放牧体験学習をし、一人前の牧. 職業学校、速成クラスなどがより人気を集めている。. 畜民として成長していく一番大切な期間である。一方、. 1990 年代初期まで大学は生徒達の目標であった。 大学生. 学校における知識は牧畜と直接関連のあるものが少なく、. は国の人材として就職、給料、医療保険、住宅などのす. 体験学習をしていない子供達がなかなか牧畜になじまな. べてが保障されていたからである。進学希望は大学、学. いのが現状である。この状況を無くすには現在の寄宿制. 院(専門大学) 、専科学校(二年制の短期大学) 、専門学. 学校教育方法を変えなければならない。学校で牧畜を習. 校の順位となっていた。試験成績の結果により、この順. 得できる環境をつくる必要がある。伝統的な放牧方法は. 位で採用が決まり、そしてこの順位で国が配属を負担し. もちろんであるが、近代的な牧畜技術の習得も可能にし. ていた。しかし、1994 年から国が統一配属する制度が改. なければならない。教育を受けていない牧畜民と、教育. 革され、さらに大学生を国が養う政策も改革された。受. だけ受けた、生活生産知識をもたない新世帯はどちらも. 験さえ合格すれば、学費、生活費は全部国が負担するか. 良くない。. ら学生側が負担しなくてはならなくなった。このような 配属制度の廃止と大学自費などの改革により、大学への. 四、寄宿制学校教育の情報化. 入学より、短期間で習得できる知識を求める傾向が強く. 電話、テレビ、コンピューターなどの近代的な設備は. なってきている。かつて生徒の「勉強目的は進学、進学. かつて都会の象徴であったが現在牧畜地域に続出し、娯. 目標は就職」 だった。 しかし人々の価値観に変化が生じ、. 楽を与えるとともに様々な知識を学習する重要な手段と. 単なる「学歴」という資格を求めるより、どんな学校に. なっている。情報手段は人々に外部のものを知る機会を. 進学し、何を専攻するか、勉強した知識はどこでどのよ. 与えると同時に好奇心を与え、さらにそれを学習し、把. うに生かすかなどより将来に結びついたことに焦点が当. 握することを可能にした。現在電気設備のない旗県はほ. てられている。外国語、コンピューターなどの新しい知. とんどなくなり、寄宿制学校における情報手段利用可能. 識を求める執着心が高まっている。その原因は;まず、. 性を生み出した。 1996 年、 中国初の衛星放送が開始以来、. 就職しやすいことにある。次は、短期間で集中的に習得. 内モンゴル衛星教育放送も急速な発展を遂げてきた。内. できることである。そして最も大事なのは高収入が得ら. モンゴル自治区教育庁は 2001 年6月、旗県の 385 校を. れることである。多くの職業は大学卒業という「学歴」. 遠距離教学模範実行機関として選択した。. より、仕事ができるかどうかという実力を採用の基準に. 調査の結果、初期中等学部全体に週一回の情報科目が. している。牧畜社会は市場経済の波のなかで競争社会へ. 開催されている。授業外自宅、学校或いは学校周囲のコ. と進展しつつある。. ンピューター・ルームなど様々な方法でコンピューター を利用している生徒は学校全体の 60%を占め、1996 年. しかし一部の地域、 特に草原やゴビ砂漠の奥に展開し、. まで情報科目がなく、全校生徒は情報手段を全く利用す. 伝統的な放牧生活をしている牧畜民の「放牧には知識よ. 3.

(4) ることがなかった時代と比べればその利用と普及は驚異. て速く、多くお金を稼ぐかという考えは人々の意識の中. 的なものである。特に大学の学生はほぼ全員がコンピュ. に広く存在している。 学校に行って無駄な時間を過ごし、. ーターを利用している。大学共同コンピューター情報施. 無駄なお金を使うより、早く商売をするか、家畜を増や. 設、学校周辺のコンピューター・ルーム以外、共同宿舎. して豊かになった方が良いと考える牧畜民が多い。 一方、. にもコンピューター設備が整備され始めている。情報セ. 子供達特に高等中学校の生徒の間このような考えは非常. ンターの役割が図書館より直接かつ速く知識を伝達する. に普遍的である。. 場として人気を集めている。 七、民族教育。 経済改革・対外開放の政策を実施してから、経済発展. 五、寄宿制学校教育内容 現在の寄宿制学校の使用している教科書は全国統一教. を至上の目標とするような社会風潮に影響され、経済発. 科書、すなわち「公教育」内容のものであり、地域独自. 展に無用と思われる伝統文化、 知識や風俗に対し、 人々、. 性と生徒の関心、個性を尊重するものは少ない。牧畜地. 特に若者の関心が薄れた。しかし、一方少数民族の文化. 域の生徒に伝授する知識は牧畜地域の生業と関係がある. が失われつつある状況に一部分の人々が憂慮することも. ものの方が生徒達により高い関心を持たせるばかりでは. ある。学校教育における一番敏感な民族問題は民族言語. なく、将来牧畜業を受け継ぐにあたって役にたつと見ら. である。民族自治や多民族共存,共栄が強調されている. れる。牧畜地域生徒の社会に適応する素質を高めるには. 一方、少数民族の文化、言語などが失われている。内モ. 普遍的に存在する「囲いに入った家畜のように与えられ. ンゴル自治民族教育における言語問題は「三語」 (母語、. たものを食べなければならない状況」 見直す必要がある。. 中国語、英語)教育の実施である。民族学校出身者は中 国語語学能力が低いという理由で就職機会が漢語学校よ. 六、市場経済による問題。. り少ない。民族自治区なのになぜ民族言語で教育受けて. 経済至上主義の思想が氾濫し、経済利益を直接生み出. 就職が少ないのかと不満を抱く人々がいる一方、 「民族学. せない学校教育、特に小、中学校教育に様々な問題をも. 校無用」の考えが広がり、子供を漢語学校に通わせる人. たらした。1、1980 年代まで寄宿生はほんの一部の生活. が増え、民族文化を必死に守ろうと思う人々との矛盾と. 費だけを自分で負担していた。生活費を支払えない困難. なっている。このような状況は都市に限らず、辺鄙な牧. な子供の生活費を免除することも良くあった。しかし、. 畜地域においても同様である。各民族文化の共存と繁栄. 市場経済の導入により、学校や教育機関が経営化し、食. をはかる為に民族言語や教育に対する態度を見直す必要. 費、授業料、管理費、施設利用料、課外活動費などの多. がある。. くの料金を取るようになった。調査に基づくとその料金 八、寄宿制学校における教員教師。. はたいへん高く、普通の自宅から通学している生徒の約 五倍にもなる。2、高額な寄宿費を支払うより、学校の. 待遇が低いため、教員の企業、行政機関などの流出は. 近くに簡単に生活できる部屋を作り、子供を宿泊させて. 深刻な問題となっている。学校教育に従事している者は. いる親が増加している。しかしこれは決して牧畜民が豊. 高学歴を持つエリートであり、生活に直接関連する社会. かになった証ではない。兄弟や親戚の子供が一緒に住め. 分配の不平等さに不満を抱き、教育現場から他の機関へ. ば、学校に住むより安い。これらの子供、特に小学校の. 転勤する教師が多い。 大学生の就職困難になった現在 「流. 子供は自立能力が低く、食事などをつくる時間が長く、. 出したらまた採用すればいい」 、 教師不足に困る時代はも. 勉強に悪影響が出ている。集団で酒を飲んだり、映画を. う過去であると考える者もいる。しかし、能力のある者. 見たり、復習や宿題をやらない子供が多い。そのため、. ほど社会的な需用が高く、流出しやすいことは無視して. 全体的に成績が悪い。3、 「金銭主義」の影響でいかにし. はならない重大なことである。. 4.

(5) ることが充分認識されている。しかし、小、中学校段階 九、寄宿制学校教育質。. における基礎教育の質を高めなければ牧畜地域社会全体. 現在寄宿制学校の教師の量は東アジア諸国や太平洋地. の思想、素質を高めることができない。. 域の国々の標準に達し、量的な問題は解決されている。. 今までの学習と地域生産の分離した教学方法、内容を. しかし、牧畜地域生徒の大学進学率は依然としてとても. 見直し、寄宿制学校教育の地域生産生業に配慮した具体. 低い水準にある。その原因はどこにあるのか。費用が高. 的な教学目標、内容、方法を見つける必要に迫られてい. く、寄宿できなく、生活面倒を自分で見ている子供がい. る。素質教育が提唱され数年が経つ。しかし、どんな内. る。しかし、牧畜民の生活レベルの上昇や「少子」現象. 容を、 どのようにして行なうか具体策がまだ見られない。. により、子供の生活費と学費を負担し得る家庭も少なく 主要な参考文献及び資料. ない。 寮生活を送り、 生活面倒は自分で見ることがなく、 学習に最適な環境が整っている。しかし、彼らの成績は. 薩仁高娃 1999 年 『小、中学校教育学研究』 内モン. 悪く、進学率も低い。これは教員教師の質、教授方法な. ゴル教育出版社. どに問題があると思われる。寄宿制学校の「素質教育」. 徳布勤夫 1999 年 『素質教育の理論と実践』 内モン. の重点を教員教師の素質を高めることに置くべきである。. ゴル教育出版社. どのようにして教師の「素質」を高めるのか、寄宿制学. 江原 裕美 2001 年 『開発と教育 ―国際協力とこども. 校のこれから考えなければならない重要な問題である。. たちの未来』. 生徒の素質、創造力などを育成することは牧畜社会の進. 哈斯巴根 1999 年 『学校管理研究プログラム』 内モ. 歩、時代の発展による要求である。現在の寄宿制学校の. ンゴル教育出版社. 授業方法、内容などは「素質教育」に相応しいものとは. 金 龍哲 1998 年 『中国少数民族教育政策文献集』 大学教育出版社. 言えない。新しい型の授業法の形成が教育の遅れている. 黒河 巧 1998 年 『遊牧生産方式の展開過程に関する. 牧畜地域寄宿制学校に必要である。. 実証的な研究』 農林統計協会』 Ⅳ、今後の課題. 劉世海 1999 年 『内モンゴル民族教育研究』 内モン. 寄宿制学校経営方法の転換は子供達に大きな経済負担. ゴル人民出版社 娜仁 1999 年 『社会主義市場経済の状況のもとにおけ. を与えている。一部の子供の学習に直接影響を与えてい. る基礎教育』 内モンゴル教育出版社. ることは無視できない。一般の学校よりはるかに高い費 用が必要となる寄宿制学校の経費、設備などの問題をど. 岡本雅亨 1999 年 『中国の小数民族教育と言語政策』. のように解決し、子供達に安心して勉強ができる環境を. 社会評論社. つくってあげるべきか今後考えていかなければならない. 図門 1999 年『アラシャン盟牧畜地域教育発展情況』内. ことである。. モンゴル人民出版社 田中 二郎 1996 年 『自然社会の人類学』続 アカデ. 「IT」革命が進み、コンピュ−タ−などの設備は牧畜 地域寄宿制学校に増えてきている。発電、受信などの技. ミア出版社. 術的な問題は解決されつつある。したがって情報手段を. 鉄主 1998 年 『牧畜社会の学問』 内モンゴル. 寄宿制学校にどのように利用するかは目前の重要な課題 の一つである。 「西部大開発」政策の実施により、大学などへの投資 は大幅に増加しているが、小、中学校において、それほ どの変化は見られない。人材育成には高教育は大事であ. 5.

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