日 薬 業 発 第 2 2 1 号
平 成 2 9 年 1 0 月 6 日
都道府県薬剤師会担当役員 殿
日本薬剤師会
副会長 乾 英夫
「要望された成分のスイッチ OTC 化の妥当性に係る検討会議結果」に関する
意見の募集への意見提出について
平素より、本会会務に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課は、9 月 11 日付で医療用から要指導・一
般用への転用に関する評価検討会議で、スイッチ OTC 化の妥当性が評価された 5 成分(ヒアルロン
酸ナトリウム、レバミピド、ノボノルゲストレル、メロキシカム、フルチカゾンプロピオン酸エステル)につ
いて、意見募集を実施しております。
この意見募集に対し、本会は別紙のとおり、意見を提出しましたのでお知らせいたします。
別 紙:「要望された成分のスイッチ OTC 化の妥当性に係る検討会議結果」に関する意見提出
ついて
参 考:「要望された成分のスイッチOTC化の妥当性に係る検討会議結果に関する御意見の募
集について
別紙様式
「要望された成分のスイッチOTC 化の妥当性に係る検討会議結果」に関する意見提出様式
氏名(法人名): 公益社団法人 日本薬剤師会 住所(所在地):東京都新宿区四谷 3-3-1 四谷安田ビル 7 階
職業: 電話番号: 03-3353-1170
E-mail: [email protected]
要望
番号 成分名 御意見 御意見の理由、根拠等
H28-3 レボノルゲストレル 本会はスイッチOTC 化の推進については賛成です。
一方で、国際的な視点から見ても本成分のスイッチ化は
社会的な要請があるものと考えますが、本邦では販売側に
おける十分な体制の整備、使用者側への十分な教育・知識・
社会的な認知度が未だ十分とはいえません。
本成分のスイッチ化の有用性等は理解しているものの、
適正使用するための環境整備も必要です。
したがって、現行の仕組みの下では、本成分のスイッチ
OTC 化は困難と考えます。
今後のスイッチ化を検討するにあたり、医薬品販売制度
を見直し、スイッチ化した製品のリスク区分が要指導医薬
品に留まるような制度を構築すべき。
医薬品医療機器法第4 条第 5 項第 3 号において、要指導
医薬品は「その製造販売の承認の申請に際して第十四条第
八項に該当するとされた医薬品であつて、当該申請に係る
承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しない
もの」及び毒劇薬等とされ、当該期間を経過したものは、
原則、一般用医薬品へリスク区分が移行される。
一般用医薬品では、要指導医薬品とは異なり、特定販売
が可能となり、仮に本成分を含有する製品が一般用医薬品
となった場合は不適正な使用なども懸念される。
今後、本成分のように使用に際して対面での十分な指導
が必要となる成分をスイッチ化するにあたっては、まず医
薬品医療機器法を見直し、厚生労働省令で定める期間を経
過した後も要指導医薬品の区分を維持できるような方策を
講じた上で、検討すべきである。
別紙
別紙様式
H28-3 レボノルゲストレル 本会はスイッチOTC 化の推進については賛成です。
一方で、国際的な視点から見ても本成分のスイッチ化は
社会的な要請があるものと考えますが、本邦では販売側に
おける十分な体制の整備、使用者側への十分な教育・知識・
社会的な認知度が未だ十分とはいえません。
本成分のスイッチ化の有用性等は理解しているものの、
適正使用するための環境整備も必要です。
したがって、現行の仕組みの下では、本成分のスイッチ
OTC 化は困難と考えます。
今後のスイッチ化を検討するにあたり、医療用医薬品と
同様に承認条件に適正使用ガイドライン策定などを設ける
ことを検討すべき。
医薬品医療機器法第79 条では「(医薬品等の)承認に際
して、条件などを付すことができる」とされている。これ
に基づき医療用医薬品では、製造販売に対して承認条件が
付されることがあり、ガイドライン策定や全例調査が実施
される。
今後、本成分のように特に適正な使用が求められる成分
については、承認条件に適正使用ガイドラインの策定など
を付し、製剤化するといった取り組みも必要と考える。
(※ 記載欄が不足している場合は、適宜、表を追加いただきますようお願いいたします。)
(別添)要望された成分のスイッチ OTC 化の妥当性に係る検討会議結果
1
要望
番号
要望
者 成分名 要望する効能・効果
検討会議結果
OTC とする
ことの可否 OTC とする際の留意事項・その他検討会議における議論
H28-1.1 個人 ヒアルロン酸
ナトリウム
ドライアイ・角膜保護 否 ○「ドライアイ」は、医師の診療が必要な疾患であるため、OTC の効能・効果
としては認められない。
H28-1.2 個人
以外
ヒアルロン酸
ナトリウム
目の次の症状の緩和:乾
き(涙液補助)、異物感(コ
ロコロ・チクチクする感
じ)、ソフトコンタクトレ
ンズまたはハードコンタ
クトレンズを装着してい
るときの異物感(張り付
き感、コロコロ・チクチ
クする感じ)、疲れ、かす
み、なみだ目、まぶしさ、
目やに、充血
可 ○ヒアレイン点眼液には、重症疾患等で効果不十分な場合に使用される 0.3%製
剤があるが、OTC としての役割を考慮し、0.1%製剤に限定して OTC とすべ
きである。
○一週間程度使用しても改善が認められない場合は、眼科医を受診することを
薬剤師が勧奨すべきである。
○一般消費者の方が「ドライアイ」と「目の乾き」を区別できるような対策を
検討すべきである。
○当該点眼液には一定量の防腐剤(ベンザルコニウム塩化物)が含有されてい
る。防腐剤による薬剤性障害を回避するために、以下の対策が求められる。
なお、当該事項については、品目毎の審査段階にて個別に判断することとす
る。
防腐剤による薬剤性障害を回避するための製剤的な工夫を実施する。
コンタクトレンズに影響を与える防腐剤を配合する場合、効能・効果か
ら「ソフトコンタクトレンズまたはハードコンタクトレンズを装着して
いるときの異物感(張り付き感、コロコロ・チクチクする感じ)」を削除
する。
H28-2 個人 レバミピド 胃潰瘍、急性胃炎、慢性
胃炎の急性増悪期の胃粘
膜病変(びらん、出血、
発赤、浮腫)の改善
可 ○効能・効果から胃潰瘍を削除するなど、OTC として適切な効能・効果とする
こと(例えば、「胃もたれ、胸やけ、食べ過ぎ、飲み過ぎ、胃部・腹部膨満感、
食欲不振、はきけ(むかつき、嘔気、悪心)、嘔吐、胸つかえ」など)。
○本剤を服用しても改善しない場合は、医療機関を早めに受診することを薬剤
(別添)要望された成分のスイッチ OTC 化の妥当性に係る検討会議結果
2
要望
番号
要望
者 成分名 要望する効能・効果
検討会議結果
OTC とする
ことの可否 OTC とする際の留意事項・その他検討会議における議論
師が勧奨すべきである。
○医療用医薬品の適応年齢を考慮し、適応年齢は、成人(15 歳以上)とすべき
である。
H28-3 個人 レボノルゲス
トレル
緊急避妊 否 ○「緊急避妊」は、避妊薬では完全に妊娠を阻止させることはできないこと、
悪用や濫用等の懸念があること等により、レボノルゲストレルを有効成分と
し、緊急避妊を効能・効果とする医薬品は、OTC とすることは認められない。
○OTC 化が認められない理由として、以下の意見がある。
OTC となった際は、緊急避妊薬の使用後に避妊に成功したか、失敗したか
を含めて月経の状況を使用者自身で判断する必要があるが、使用者自身で
判断することが困難であること。
本邦では、欧米と異なり、医薬品による避妊を含め性教育そのものが遅れ
ている背景もあり、避妊薬では完全に妊娠を阻止させることはできないな
どの避妊薬等に関する使用者自身のリテラシーが不十分であること。
薬剤師が販売する場合、女性の生殖や避妊、緊急避妊に関する専門的知識
を身につけてもらう必要があること。例えば、海外の事例を参考に、BPC
(Behind the pharmacy Counter)などの仕組みを創設できないかといった点
については今後の検討課題である。
実際の処方現場では、緊急避妊薬を避妊具と同じように意識している女性
が後を絶たない。OTC となった場合、インターネットでの販売も含め、安
易に販売されることが懸念されるほか、悪用や濫用等の懸念があること。
緊急避妊薬に関する国民の認知度は、医療用医薬品であっても現時点で高
いとは言えないこと。
(別添)要望された成分のスイッチ OTC 化の妥当性に係る検討会議結果
3
要望
番号
要望
者 成分名 要望する効能・効果
検討会議結果
OTC とする
ことの可否 OTC とする際の留意事項・その他検討会議における議論
スイッチ OTC として承認された医薬品については、医薬品医療機器法第 4
条第 5 項第 4 号の厚生労働省令で定める期間の経過後、特段の問題がなけ
れば、要指導医薬品から一般用医薬品へと移行される。現行制度では、劇
薬や毒薬でない限り、要指導医薬品として留め置くことができないため、
要指導医薬品として継続できる制度であることが必要であること。
本剤は高額であることから、各店舗に適切に配備できない可能性が高く、
薬局によって在庫の有無がばらつく懸念があること。
H28-13 個人
以外
メロキシカム 関節痛、腰痛、肩こり痛 可 ○効能・効果には関節リウマチを含めないなど、OTC として適切な効能・効果
とすること。
○投与日数は一週間程度を限度し、効果がない場合は、医療機関の受診するこ
とを薬剤師が勧奨すべきである。
○消化性潰瘍やその既往歴のある人、また、降圧薬・抗凝固剤を服用している
人に対しては、医師又は薬剤師と相談した上で服用すべきである。
H28-14 個人
以外
フルチカゾン
プロピオン酸
エステル
花粉による季節性アレル
ギーの次のような症状の
緩和:鼻づまり、鼻みず
(鼻汁過多)、くしゃみ
可 ○使用期間は 3 ヵ月を限度とし、それ以上の使用に際しては、通年性アレルギ
ー性鼻炎、血管運動性鼻炎、副鼻腔炎など他の疾患の可能性も高くなるので、
鼻腔内の所見が観察できる耳鼻咽喉科専門医の診察が望まれる。
○医療用医薬品の適応年齢を考慮し、適応年齢は、成人(15 歳以上)とすべき
である。
○症状により適宜増減するが、1 日の最大噴霧量は 8 噴霧を限度とすべきであ
る。