医療法人 小沢眼科内科病院
〒310-0845 茨城県水戸市吉沢町246-6 TEL029-246-2111 FAX029-304-5111 http://www.kozawa-ganka.or.jp/ 日本医療機能 評価機構認定病院 新年おめでとうございます。 小沢眼科内科病院は、「安全な医療を心がける」ことをモットーにしています。 今回は白内障手術を例にご説明します。 昨今、白内障手術は短時間で出来る簡単な手術であるような報道がされて おり、一部の眼科医も同様のことを広告し、多くの患者さんを集めている医療機 関があります。それに対し、日本眼科医会や各都道府県医療相談室には白内障 手術結果に関する相談が多数寄せられているのです。その多くは手術が痛かっ た、時間がかかった等ですが、中には眼内レンズが入らず術前より視力が落ちた、炎症がひどく失明同然に なった等の重篤な相談まで見受けられます。いずれも報道や医療機関での術前説明の内容とは異なってお り、問題となっています。 痛みについて患者さんに感想をお聞きすると、術前説明にあった「白内障手術は全く痛くない」は、誤り で「白内障手術は苦痛を感じるような痛みはない」程度だそうです。麻酔の特徴で、触れられている感覚は 残るので、これを不快に感じる方はいると思います。さらにこの感覚が激しくなり緊張状態になる方もいま す。このような状況下で手術を続けると医療事故が起こる可能性があります。当院では、患者さんが緊張し た場合は無理に手術を続行するのではなく、鎮静剤や全身麻酔で安全に手術を行うようにしています。普 通の白内障であれば、お近くの眼科医院で手術を受けていただいて問題はありません。しかし緑内障を合 併している難しい手術やご自身が緊張しやすい方は、緊急時に全身麻酔がかけられる医療機関での手術を お勧めします。 あまり知られていませんが、重篤な合併症の一つに菌が眼内に入り失明する感染症があります。緊急手 術で目の中の菌を除去できれば視力は回復しますが、この手術は硝子体手術といって高度な手術です。失 明してしまった方の多くは発症してから病院を紹介され、手術まで時間が掛かり、その間に目の中で菌が増 殖してしまった方です。当院のデータでは、過去10年間で25000件の白内障手術が行われ、そのうちの2例 で感染症が発症しました。当院の感染症の発症率は他院と比較して極めて低率です。この2例は休日の発症 でしたが、発症後6時間以内で手術が実施され、視力は元通りになりました。このように当院では365日24時 間体制で緊急硝子体手術のできる体制を整えているため、迅速な対応が可能なのです。 以上のことからわかるように、簡単といわれている白内障手術でさえ、対応如何では合併症を起こしてし まう危険な手術になり得るのです。小沢眼科内科病院は、安全を最優先に医療設備を整え、院内の安全基 準をより厳しいものにしています。それが、患者さんの安全と我々医療スタッフの安心につながるからです。院長 小沢 忠彦
予約専用TEL 029-304-5550谷口 重雄(やぐち しげお) 昭和大学前教授 役職:総院長/昭和大学名誉教授 出身大学:昭和大学(昭和48年卒業) 専門:白内障/緑内障 資格:眼科指導医 小沢 忠彦(こざわ ただひこ) 役職:院長 出身大学:日本医科大学(昭和59年卒業) 専門:白内障/緑内障/網膜・硝子体/眼瞼 資格:眼科指導医/認定産業医/ 認定スポーツ医 安藤 幹彦(あんどう みきひこ) 役職:副院長 出身大学:昭和大学(昭和63年卒業) 専門:眼科一般/角膜/白内障/緑内障/ 網膜・硝子体/ぶどう膜炎 資格:眼科専門医/ボトックス認定医 塙本 宰(はねもと つかさ) 役職:副院長 出身大学:関西医科大学(平成4年卒業) 専門:白内障/網膜・硝子体/黄斑変性 資格:眼科専門医/PDT認定医/ ボトックス認定医 木原 真一(きはら しんいち) 役職:手術室医長 出身大学:筑波大学(平成4年卒業) 専門:眼科一般/角膜/白内障/眼瞼/涙道 資格:眼科専門医/ボトックス認定医/ 麻酔科標榜医 加藤 正夫(かとう まさお) 役職:病棟医長 出身大学:弘前大学(平成13年卒業) 専門:眼科一般/白内障/網膜・硝子体 資格:眼科専門医 小林 純一(こばやし じゅんいち) 役職:外来医長 出身大学:東北大学(平成4年卒業) 専門:眼科一般/黄斑変性 高橋 めぐみ(たかはし めぐみ) 出身大学:山口大学(平成11年卒業) 専門:眼科一般/黄斑変性/眼瞼 資格:眼科専門医/PDT認定医/ ボトックス認定医 山本 忍(やまもと しのぶ) 出身大学:香川大学(平成19年卒業) 専門:眼科一般/白内障/黄斑変性 勝又 俊二(かつまた しゅんじ) 水戸医療センター前部長 出身大学:東北大学(昭和53年卒業) 専門:眼表面・ドライアイ/緑内障 資格:眼科専門医/ボトックス認定医
医師紹介
本院眼科
水谷 正一(みずたに まさかず) 役職:副院長/内科部長 出身大学:筑波大学(昭和62年卒業) 専門:糖尿病/高血圧/脂質異常症 資格:認定内科医/糖尿病専門医/ 糖尿病指導医 今井 正之(いまい まさゆき) 役職:診療所院長(五軒町診療所) 出身大学:昭和大学(昭和59年卒業) 専門:眼科一般 資格:眼科専門医 川原 敏行(かわはら としゆき) 役職:診療所院長(大宮診療所) 出身大学:秋田大学(昭和63年卒業) 専門:眼科一般 資格:眼科専門医 吉田 なつき(よしだ なつき) 役職:診療所院長(友部診療所) 出身大学:埼玉医科大学(昭和63年卒業) 専門:眼科一般/神経眼科/斜視・弱視 資格:眼科専門医/ボトックス認定医 大槻 智宏(おおつき ともひろ) 役職:診療所副院長(五軒町診療所) /北里大学眼科助教 出身大学:北里大学(平成15年卒業) 専門:白内障/緑内障 資格:眼科専門医 白石 祐司(しらいし ゆうじ) 出身大学:昭和大学(平成14年卒業) 専門:内科一般/糖尿病/生活習慣病 資格:総合内科専門医/糖尿病専門医/ 認定産業医 竹村 郁代(たけむら いくよ) 出身大学:獨協医科大学(平成19年卒業) 専門:眼科一般/眼瞼 資格:眼科専門医 田中 裕一朗(たなか ゆういちろう) 出身大学:東京医科歯科大学 (平成18年卒業) 専門:眼科一般/白内障/網膜・硝子体/ ぶどう膜炎/強度近視 資格:眼科専門医/PDT認定医/ ボトックス認定医 中埜 君彦(なかの きみひこ) 出身大学:三重大学(平成17年卒業) 専門:眼科一般/眼表面・ドライアイ 資格:眼科専門医 大学病院、都立病院勤務を経て、2015年4月1日から当院 で勤務しております。国内有数の眼科内科専門病院の一員 となる事が出来て、大変光栄です。今まで強度近視を専門 にしてきましたが、今後は網膜硝子体疾患の診療に力を入 れていきたいです。 皆様には今後もご指導・ご鞭撻の程何卒よろしくお願い申 し上げます。
新任Dr.紹介
京都府立医科大学から、ご縁があり当院に赴任させていた だくこととなりました。伝統ある当院に勤務できましたの で、身が引き締まる思いです。日々の診療では丁寧な診察 と説明を心がけ、患者様に最適・最良の医療をご提供でき るよう努めてまいります。よろしくお願い致します。 本院内科 分院1.白内障とは
白内障とは、瞳の奥のレンズの役目をしている 水晶体が濁る病気です。症状は、雲がかかったよ うにかすむ、車のライトや日差しが眩しい、だ ぶって見える、などです。治すには手術が必要で す。白内障以外に眼の異常がなければ、あわてて 手術をする必要はありません。不便を感じるよう になれば手術の時期となります。2.手術の方法
水晶体を包んでいる透明な袋の前面の膜を円く 切開します。次に、濁った水晶体を超音波で細か く砕いて取り除きます。残した袋の中(囊内)に人 工の眼内レンズを挿入します。手術時間は、15~ 20分です。3.水晶体の支えが弱い場合
水晶体は、チン小帯と呼ばれる細い糸で支えら れています。通常はこの支えがしっかりしている ので手術は問題なく行えます。進行した白内障や 眼の体質(落屑症候群)、外傷などでチン小帯が 弱くなることがあります。チン小帯による水晶体 の支えが強いか弱いかは、多くの場合は手術中に 眼の中に器具を入れて初めて分かります。手術中 に判断して一番良い方法を選択します。通常は、 当院で開発されたカプセルエキスパンダーという 水晶体の袋を支えるフックを用いて手術を行いま す。4. 眼内レンズ縫着術
水晶体が大きくずれている時には、切開を大き く広げて水晶体をまるごと取り出します。この場 合、眼内レンズは眼の内側の壁に縫い付けて固定 します(眼内レンズ縫着術)。また、以前に眼内レ ンズが入らないで手術が終わっている場合にも眼 内レンズ縫着術が可能です。5.手術後の見え方
白内障だけの病気であれば視力は回復します。 白内障以外に、緑内障や網膜に出血などがあると 十分な視力が出ないことがあります。白内障手術 は一般的には安全な手術なのですが、進行した白 内障やチン小帯が弱い症例の手術では、合併症の 起こり方や経過も異なることがあり、視力が回復 するまでに時間がかかることがあります。眼内レ ンズ縫着術では、結膜を縫合した糸は自然に溶け てなくなりますが、溶けるまでの1~2週間、糸が あたってゴロゴロしたり充血したりすることがあ りますが問題はありません。ごく稀なことです が、手術後の眼内炎では治療に抵抗して視力が回 復しないこともあります。術後に視力低下や痛み などの異常が生じた場合には直ちに受診して頂く ことが大切です。白内障の手術
総院長 谷口重雄
私たちは発展途上国医療支援の一環として2008年から2015年ま でに計5回キリバス共和国にて眼科外来・眼鏡寄付・眼科手術を行っ ています。 今回私たちは「北タビテウェア」という離島で医療支援活動を行っ てきました。離島まではセスナ機で約3時間かかる場所にあります。 この離島は前にも一度行ったことのある島だったのであまり不安は ありませんでした。現地での活動は7日間。その中で診察・手術を行う 為、全員で協力し合い活動を行っていました。 しかし4日目から豪雨に襲われ発電所が浸水。島全体は停電してし まいました。そのため私達は手術ができない状況となり、それどころ かキリバス本島と離島を結ぶセスナ機が飛ばないかもしれない!と の話を聞き、日本に帰れないかもしれないという不安感に襲われ、 今までにはない過酷な経験をしました。 無事に帰国できましたが、実際滞在日数の半分も医療支援活動が 出来ずに終わってしまったのが今回心残りでなりません。 今までに、会社や市町村の検診で、眼科受診を勧められたことはありますか?その場合注意して頂きたいのは、 来院時は運転をしないということです。 検診で目の病気が疑われた時には、より詳しく目の状態を見るため、「眼底検査」というものが必要になります。 眼底検査は、瞳孔を開いて(散瞳)行います。散瞳薬点眼後、20分~30分すると瞳が開いて診察可能になります。 散瞳すると、目のピントが合いにくくなり、ぼやけてまぶしくなります。約5時間前後で見え方は元に戻りますが、中に はもう少し長く見づらい方もいます。そのため診察後は、自動車やバイク、自転車等の 運転はできません。また、診察後仕事に戻られる方、別の予定がある方等も不都合が生 じる可能性があるため、注意が必要になります。 検査のため、予定を組んで来院されたにも関わらず、運転のためにできなかった方も 多く、次回の予定がなかなか取れない方もいらっしゃいます。まだまだ知らない方も多 い為、是非この広報誌を読まれた方は周りの知人の方にもお話して頂きたいと思いま す。
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国際医療支援活動報告
手術室副主任看護師 今泉 亜矢■
眼底検査について
眼科外来主任看護師 関本 佳子 2015年10月3日 茨城新聞掲載あけましておめでとうございます。 冬は美味しい物がたくさんあってついつい食べ 過ぎてしまったり、寒くて動くのが億劫になった りで「気がついたら体重が増えちゃった!」と言 うような事はありませんか? 人間ははるか昔に「けもの」だったときの事を 遺伝子が記憶していて冬は寒さに耐えたり冬眠に 備えるために皮下脂肪を蓄えるよう体が出来てい ます。太ってしまうと…「メタボ」という言葉が 頭に浮かんできませんか? この「メタボ」はお 腹がせり出して太っている人の代名詞のように使 われていますが、実はメタボはとても怖い状態だ ということを今回はお話したいと思います。 メタボとはメタボリックシンドロームの事で「内 臓脂肪症候群」とも言われ診断基準が決まってい ます。 ①+②~④のうち2項目以上の異常があればメタ ボリックシンドロームです。 個々の危険因子は軽くても複数あると動脈硬化 を促進してしまい、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞な ど命に関わる病気につながってしまいます。また 目の動脈硬化で視力が低下したり、腎の動脈硬化 で透析になったりすることもあります。 では予防はどうすればよいのでしょうか。 基本は食事と運動で内臓脂肪を減らすことで す。メタボリックシンドロームの背景には食べ過 ぎや運動不足があるので摂取カロリーを正し、軽 い運動で体を動かすようにしましょう。 食事は腹八分目でバランスよく、夜食は中止、野 菜やきのこ、海藻類の多いメニューに! 運動は歩くことが誰にでも出来てお勧めです。最 初は無理にない歩数から徐々に増やして最終的に 1日1万歩を目指しましょう。買い物や会社の行 き帰りにエレベーターやエスカレーターを使わず に階段を使ったり、バス停1つ分歩いてみるなど の方法でも良いかもしれません。 動脈硬化は外見だけでは分かりませんし、心臓 や脳に症状が現れるのはかなり進行してからにな るので早期の検査がお勧めです。 当院内科には動脈硬化や内臓脂肪や筋肉量を測定 できる医療機器がありますので、動脈硬化が心配 な方はぜひ内科窓口にご相談ください。 内科外来師長看護師/糖尿病療養指導士 石川 京子 ① 腹囲 男 85cm以上 女 90cm以上 ② 中性脂肪値 150mg/dl以上 HDLコレステロール40mg/dl未満 またはその両方あるいは脂質異常症の薬物治療中 ③ 収縮期血圧 130mmHg以上 拡張期血圧 85mmHg以上 またはその両方あるいは高血圧症の薬物治療中 ④ 空腹時血糖値が110mg/dl以上 または糖尿病の薬物治療中