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黒海 それから中東からインド 東南アジア 中国 日本に至るユーラシア大陸南岸の海にたくさん漂っていることや 北太平洋 南太平洋 北大西洋 南大西洋 インド洋の還流の真ん中に溜まっていることがわかってきました これらのプラスチックの量は重量で 27 万 t 数で 5 兆個と推計されています 日本の海域

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Academic year: 2021

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2016 年10 月 16 日開催 

市民ごみ大学セミナー

私たちの暮らしとつながる

海のマイクロプラスチック汚染 

を考える

於:武蔵野プレイス

2  

NPO法人 ごみ・環境ビジョン 21 * ごみっと・SUN117号  今回のごみ大学では、クリーンむさしのを推進する会との共催で、このと ころ関心が高いマイクロプラスチックによる海洋汚染問題を取り上げました。  講師として、海洋プラスチック汚染研究の第一人者である東京農工大学教 授の高田秀重先生をお呼びしました。懇切丁寧な解説で大変好評でした。また、 東京都と地元の「マイボトル・マイカップキャンペーン武蔵野市民の会」に、 3Rの観点からの取り組みを報告していただきました。

東京農工大学農学部 環境資源科学科教授

             

 

高田秀重

 さん

マイクロプラスチックによる

        海洋汚染の実態とその対策

基調講演

プラスチックの生産量と消費量

 世界で年間 3 億tのプラスチックが生産されて います。プラスチックは石油から作られ、世界で産 出される石油の 8%がプラスチックの生産に使われ ています。そのうちの半分の 4%は原材料として使 われ、それとほぼ同量の 4%がプラスチックを製造・ 加工するためのエネルギーとして使われています。  また、生産されたプラスチックの約半分は、ペッ トボトルやレジ袋など使い捨ての容器包装になっ ています。日本では、1 人当たり1年間にペットボ トルは約 100 本、レジ袋は約 300 枚消費しており、 プラスチックのごみをⅠ世帯で 1 日数百g出してい ます。数日に 1 回はごみ出しをしないと、プラスチッ クごみが家庭で溢れてしまいます。

プラスチック汚染の現状

● 陸上から海に流入するプラスチック  ポイ捨てされたり、風で飛ばされたりして、陸上 に散乱しているプラスチックごみは、雨が降ると流 されて水路や川に入り、最終的には海に流入します。  東京の荒川の河口から 3 kmほどさかのぼった河 原に、大量のごみが打ち上げられている場所があり ますが、大半がプラスチックやペットボトルです。 ● 遠くまで運ばれるプラスチック  プラスチックは、使われた場所から遠く離れた場 所まで海を漂って運ばれています。ハワイ島のカミ ロビーチに漂着しているプラスチックボトルのラベ ルには、日本語や中国語、韓国語の文字があり、こ れらは、東アジアから遠く太平洋を渡って流れ着い たものであることがわかります。  紙や木材などのごみは分解されるので、遠くまで 運ばれることはないが、プラスチックは分解が非常 に遅いので遠くまで運ばれることになります。 ● 海に漂うプラスチック  海で 0.3 mmくらいの目の網を引いて船を走らせ ると、網の中に海に漂っているプラスチックの破片 がたくさん入ってきます。こういう海の状態を「プ ラスチックスープの海」と表現しています。北太平 洋のある海域にはプランクトンよりも 6 倍も多いプ ラスチックが漂っていることが報告されています。  プラスチックは、人口集積地帯の周辺の地中海、

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黒海、それから中東からインド、東南アジア、中国、 日本に至るユーラシア大陸南岸の海にたくさん漂っ ていることや、北太平洋、南太平洋、北大西洋、南 大西洋、インド洋の還流の真ん中に溜まっているこ とがわかってきました。これらのプラスチックの量 は重量で 27 万t、数で 5 兆個と推計されています。  日本の海域は、他の海域よりもプラスチックの濃 度が 10 倍も高いということが報告されており、こ れは日本でプラスチックがたくさん使われているこ とに原因があることは確かです。  

海洋生物によるプラスチックの摂取

 海に漂うプラスチックの最大の問題は、海洋生物 がプラスチックを餌と間違えて食べてしまうこと。 ハシボソミズナギドリという体重 500 gほどの海 鳥がいます。漁網に引っかかって死んだ 12 羽を許 可を得て解剖したところ、砂嚢からプラスチックが 出てきました。  その種類としては、プラスチック破片が 59%、 レジンペレットが 26%、残りの 15%がプラスチッ クシート、化学繊維、発泡スチロールなどで、その 重量は 1 羽につき 0.1 g~ 0.6 gでした。  プラスチックを食べてしまうのは、海鳥に限った ことではなく、ウミガメ、クジラ、魚、貝など 200 種以上の海洋生物がプラスチックを摂食していると 報告されています。

プラスチックが運ぶ有害化学物質

● 添加剤としての有害化学物質を含むプラスチック  海を漂っているプラスチックからは、2 種類の有 害化学物質が検出されています。一つは、もともと 製品に入っている添加剤(酸化防止剤、可塑剤、安 定剤、難燃剤等)です。  例えば、酸化防止剤などとして使用されるノニル フェノールは、環境ホルモンとして作用し、人体に 入ると、子宮内膜症や乳がんの増加の原因になり、 魚の場合は、メスとオスが一緒になった雌雄同体が できてしまいます。 ● 海水中から有害化学物質を吸着するプラスチック  もう一つは、海水中からプラスチックが吸着する 有害化学物質です。海には濃度は低いが、カネミ油 症事件を起こしたPCB、有機塩素系農薬として使 われていたDDTといった有害化学物質が入ってお り、それを総称して残留性有機汚染物質(POPs) といいます。  プラスチックは、もともと石油から作られている ため、油に溶けやすい性質を持った有害化学物質と は親和性があり、それをどんどん吸着して、海水中 の濃度の十万倍~百万倍に濃縮し、有害化学物質の 運び屋になっています。

海洋生物が摂食したプラスチックから

有害化学物質が体内へ移行

 プラスチックは有害化学物質を運んで生物の体内 に入っていき、そこで有害物質が溶け出して、体内 の組織に移行・蓄積され、中から攻撃する役割をし ているということから、こうした現象を「トロイの 木馬」と表現している海外の研究者がいます。  魚や海鳥では、消化器に溶け出した有害化学物質 が肝臓の脂肪にたまっていくことは確認されていま すが、実際に影響が出ているということは報告され ていません。  一方、室内実験では、有害化学物質を吸着したプ ラスチックを摂取したメダカやゴカイで、肝機能の 障害や肝臓の腫瘍が観測されています。また、ポリ スチレン微粒子の曝露によって、カキの生殖能力や 淡水魚の孵化率が低下したという実験結果も報告さ れています。  これらの研究から、プラスチックの量が多くなる と、生物への影響が出るということがわかってきて います。ただし、プラスチックの量が今の環境中に ある量の 10 倍以上になってはじめて、影響が出る ということです。これから、環境中のプラスチック の量が増えていくと、影響が出てくる可能性がある ということを示唆しています。

マイクロプラスチックとは?

 国連海洋汚染専門家委員会では、5 mm以下のプ ラスチックを総称して「マイクロプラスチック」と 呼んでいます。マイクロプラスチックは、プラスチッ ク製品の破片、化学繊維、レジンペレット、マイク ロビーズ(洗顔料や化粧品のスクラブ)、メラミンフォー ムスポンジなど、いろいろな起源を持っています。  一番多いのがプラスチック製品の破片で、陸上で 使われたプラスチック製品は海に流入すると、紫外 線や波などによって細かな破片になっていきます。  

プラスチック経由で有害化学物質が食物連鎖へ侵入

 東京湾でカタクチイワシを釣り、その胃や腸の中 を調べたところ、64 尾中 49 尾からマイクロプラス チックを検出されました。9 割はプラスチックの破 片で、1 割程度がマイクロビーズでした。その量は、

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NPO法人 ごみ・環境ビジョン 21 * ごみっと・SUN117号 1尾につき 2、3 個で、最大で 15 個。  マイクロプラスチックを食べた魚を人間が食べる と、マイクロプラスチック自体は排泄されてしまう が、有害化学物質は人体の組織に移行・蓄積する可 能性があるので、最終的には人体に影響を与えるか もしれないということが最近懸念されています。

国際的に対策が始まっている海洋プラスチック汚染

 アメリカの研究者の推定によると、海に流入する プラスチックの量は、何も手を打たなければ、20 年後には 10 倍に増加するとのことです。対策の動 きは、2010 年くらいから国際的に始まっています。  2016 年 6 月には、国連本部で第 17 回「海洋及び 海洋法に関する国連非公式協議プロセス(ICP)」 が開催され、世界 54 カ国の代表、12 の国際機関、 8 つの国際NGO,研究者約 30 名が参加して、海 のプラスチック汚染の捉え方やその対策について議 論されました。  その会議では、海洋プラスチック汚染の問題を、 気候変動、海洋酸性化、生物多様性の問題と並んで 最も重要な地球規模の環境問題であると位置付けて 議論が行われ、画期的な会議になりました。  また、会議では、各国から対策についての紹介も あり、国際的には予防原則の考え方に基づいて、い ろいろな対策が取られ始めています。  

プラスチック汚染の低減のために

● 予防原則に基づく欧米の対応 ・2014 年 3 月 米サンフランシスコ市議会が公共 地でのペットボトル飲料水販売禁止条例を可決。 ・2014 年 8 月 米カリフォルニア州でレジ袋使用 禁止法が成立。 ・2015 年 4 月 EUの欧州議会がレジ袋削減措置 を加盟国に義務付ける包装・包装廃棄物指令改 正案を承認。2025 年末までに国民 1 人当たり年 間使用量を 40 枚以下に削減、または 2018 年末 までに有料化を実施。 ・2015 年 12 月 アメリカでマイクロビーズ製造禁 止の連邦法が成立。 ・2016 年 7 月 フランスで政令によりレジ袋使用 禁止。2017 年 1 月から量り売り用使い捨てプラ スチック袋も使用禁止。2020 年 1 月からは使い 捨てプラスチック食器も使用禁止の予定。 ● サーマルリサイクルは国際的には論外  日本では広く採用されているサーマルリサイクル (プラスチックなどのごみを燃やして熱や電気を得る方法) は、国連の会議では「リサイクル」とは認められて おらず、議論の対象外でした。  紙や木材などのバイオマスベースの素材を、焼却 したり堆肥にしたりしたら、CO2を発生しますが、 CO2は植物に吸収され、数年から数十年で紙や木 材などに戻ります。CO2の排出は実質ゼロです。  ところが、石油ベースのプラスチックの場合は、 焼却するとCO2を排出し、CO2は植物に吸収さ れるが、生物の遺骸から石油が生成されるのに数 百万年から数千万年かかるので、循環が途切れてし まい、CO2がたまっていきます。  日本で進められているサーマルリサイクルは、今 世紀後半には温室効果ガスの排出量を実質ゼロにす るというパリ協定に反する方法である上に、焼却施 設の建設や維持などに膨大な費用がかかるので、持 続可能な方法なのか疑問です。 ● 優先順位に則った3Rの促進  サーマルリサイクルよりもマテリアルリサイクル の方がよいとはいえ、マテリアルリサイクルは、国 連の会議でも、「リサイクルのコストは、リサイク ルしてできた製品による利益よりも大きい」という ことが指摘されており、コストがかかりすぎること から、持続可能な解決策とはいえません。  国連の会議では、循環型社会(サーキュラーエコ ノミー)を展望した、いろいろな対策が検討されて います。 ① 廃棄物の管理、特に3Rの促進。国際的にも3 Rには次のような優先順位があります。    リデュース(ごみ削減 ) >リユース(再使用)> リサイクル(再生利用) ② ごみの分別排出を徹底するための意識啓発。 ③ リユースとリサイクルを促進する製品設計。 ④ 紙や木材などのバイオマスベースの素材の使用 促進 など  消費者ができることは、使い捨てのプラスチック 製品(レジ袋、飲料用ペットボトル、コンビニ弁当 箱 等)の使用を極力避けることです。 ● プラスチックごみを地球上に残さない  プラスチックごみは非常に残留性が高いので、 いったん環境に出ると、数十年は環境中にとどまり ます。アメリカのネイティブに「人間は子孫から大 地を借りて暮らしている存在である」という諺があ ると聞いています。将来世代にこの地球を引き継ぐ 時には、残留性の高いプラスチックごみのようなも のを地球上に残さないようにするのが現存世代の責 務ではないかと思います。

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NPO法人 ごみ・環境ビジョン 21 * ごみっと・SUN117号  

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マイボトル・マイカップキャンペーン       武蔵野市民の会 

白石ケイ子 さん

マイボトル ・ マイカップ推進の取り組み

マイボトルキャンペーンの始まり

 みなさんご承知の通り、1990 年代の後半からペッ トボトルの排出量は数倍に増え、これを背景に環境 省がマイバッグに加え「マイボトル・マイカップキャ ンペーン」を企業、大学、自治体等の参加を得てス タートさせました。それが 2010 年です。  それを知って、私たちは武蔵野市開発公社に相談 し、開発公社が持っている吉祥寺のFFビルのコピ ス3階にボトル用の給水機を付けてもらうことがで きました。それが 2012 年の 12 月です。  これを皮切りに、多くの方にマイボトルを知って いただきたく、2013 年 6 月末にコピスの1階ウッ ドデッキでキックオフキャンペーンを開催しまし た。開発公社、環境省の関係者、亜細亜大学の先生 で実行委員会を立ち上げ、まず、ポスターを作り、 クリーンむさしのを推進する会の手で、市内全域に 500 枚ほど貼りました。  当日のイベントとして、亜細亜大学の大江ゼミの 学生の協力でアンケート調査をすることとなりまし た。アンケートの回答者に、参加した商社から提供 されたマイボトルをプレゼントしたので、100 人の アンケートは瞬く間に終わりました。アンケート結 果は翌年のくらしフェスタで発表されています。

工夫を凝らしてキャンペーン

 2014 年のイベントは、ペットボトル飲料の糖度 測定を行うこととなり、シールアンケートで通行人 にも参加してもらいました。  この年は、マイボトルを積極的に進めているス ターバックスが協力してくれました。糖度測定に参 加してくれた方には、スターバックスの店長さんが 用意してくださったコーヒーを提供したことから、 こちらも大賑わい! もちろんコーヒーカップは使 い捨てではなく陶器。二人の女性従業員が容器洗い に店まで行き来してくれました。スターバックスに 心から感謝します。  2015 年はキャンペーンの参加者が広まりました。 千葉大の環境ISO委員会から二人の学生が参加し てマイボトルの取組みを発表してくれました。地元 の成蹊大学と亜細亜大学とのつながりを持って行き たいと思っていますが、残念ながらこの両校では今 のところマイボトル取組みの発表までには至ってい ません。この年はさらにスターバックスと若者のお 店が花を添えてくれました。

今年のキャンペーン

 今年は手作りのクッキーを用意し、60 ~ 70 人が 参加しました。また、今年は7か所で 500 人ほど の子どもと親を対象にペット飲料の糖度測定を行う ことができました。実際に計ってもらうと、子ども も大人も入っている砂糖の多さにびっくり。  ここで、甘い飲み物には大量の糖分が入っている こと、お茶には酸化防止剤が入っていることを伝え、 できるものならミネラル豊富な武蔵野の水をボトル に入れて持って歩いてくださいと言っています。  最後に、市内の大学や施設での取り組みを紹介し ます。亜細亜大学は昨年4月に学生食堂に給水機が 設置されました。2013 年には新館にボトル用の給 水機がつけられています。  成蹊大学は、2014 年に新館地下のカフェに給水 機が取り付けられ、学生以外でも使えます。  また、武蔵境の自動車教習所では、館内にお茶と 水が用意されており、ここに私たちのポスターを 貼っていただいています。若い人たちの間で、水を 汲む姿を見て、倣う人が増えることを切に望むと共 に、このような雰囲気作りが大事だと思っています。  高田先生のお話については、キャンペーンのチラ シの裏に海ごみの話を入れて配布しています。これ からは、糖度測定と海ごみの話を合わせて発信する よう心がけて行きたいと考えております。  このところ多くの若い人たちが参加してくれるよ うになりました。確実に世代交代をして、若い人た ちが新しい時代を作って行ってくれるという思いを 持ちながら、これからのキャンペーンを楽しみにし て行きたいと思っています。                以上

報告1

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NPO法人 ごみ・環境ビジョン 21 * ごみっと・SUN117号 東京都環境局 資源循環推進部計画課 専門課長 

古澤康夫さん

東京都のごみ減量への取り組み

 

 いま東京都では、私たちの資源の使い方そのもの を持続可能なものに変えていかなくてはならないと いう問題意識で政策を進めているところです。今日 はその概要を報告させていただきます。

大きく減少した最終処分量・産廃の不法投棄

 今から 10 数年前を振り返ってみると、大きな問 題が 2 つありまして、ひとつは廃棄物の最終処分量 をどうやって減らすか、もうひとつは産業廃棄物の 不法投棄が大きな課題でした。  それが、各方面の努力があり、都内の一般廃棄 物・産業廃棄物の最終処分量は、2000 年度比で 6 割も減少しました。また、他県で環境汚染を引き起 こして大問題になっていた産業廃棄物の不法投棄も 2001 年のピーク時に比べて件数は 7 分の 1 に減り、 かなりの前進がみられます。(下グラフ参照)

日本人一人当たり年間 20 tの資源を使っている

 日本全体での資源の総消費量を見てみると、年間 で 16.1 億tという大変な量になります。一度使わ

報告2

れた資源でリサイクルされて再利用されるものが 2.4 億tありますが、それを差し引くと 13.6 億t、 人口で割ると単純計算で一人当たり 10 tです。た だ、海外から資源が入ってくる時に加工されて入っ てくるので、天然資源までさかのぼってみると大雑 把にその倍の 20 tを消費していることになります。

資源の流れの上流と下流で

 そこではどんな問題が起きているかというと、上 流では森林資源が年間に 660 万 ha 減少していると 言われ、水資源が過剰に消費されています。水質汚 濁や CO2 排出もあります。下流側では、CO2 排出、 海ごみや不法投棄、有害物質を含んだごみが海外に 違法に輸出されるという事態もあります。  また、資源を作る時に強制労働や児童労働があっ たり、森の中で暮らしてきた先住民族の人たちが土 地を奪われ追い出される、というように、資源の流 れを考えた時に、どうやって持続可能にしていくか は簡単ではありませんが、しっかり考えていく問題 だと思っています。 産廃の不法投棄 廃棄物の最終処分量

廃棄物の最終処分量

都内の一般廃棄物・産業廃棄物の

最終処分量は年比で割減少

0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 4,000 200 0 200 1 200 2 200 3 200 4 2005 200 6 200 7 200 8 200 9 201 0 201 1 2012 千トン 一般廃棄物の最終処分量 産業廃棄物の 最終処分量(3か年移動平均)

関東都県の産業廃棄物の不法投

棄件数はピークの分のに減少

0 100 200 300 400 500 600 0 50 100 150 200 250 300 200 0 200 1 200 2 200 3 200 4 200 5 200 6 200 7 200 8 200 9 201 0 201 1 201 2 件数㻌 千トン

産廃の不法投棄

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NPO法人 ごみ・環境ビジョン 21 * ごみっと・SUN117号  

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国連の「持続可能な開発目標」

 昨年 9 月に国連総会で、国際社会の新しい目標 として持続可能な開発目標が定められ、17 の目標 が掲げられました。12 番目に「つくる責任、つか う責任」というのがあり、これが、持続可能な消費 および生産を先進国からちゃんとやっていこうとい うものです。

東京都ではどう進めていくか

今年 3 月に策定した「東京都資源循環・廃棄物処理 計画」では、2 つの基本理念を掲げています。 1 持続可能な資源利用への転換 *地球規模の環境負荷等の提言のために先進国の大 都市としての責任を果たす  -資源ロス削減と循環的利用の推進  -ストック社会  -低酸素・自然共生・循環型の資源の選択 2 良好な都市環境の次世代への継承 *最適化された資源循環・廃棄物処理システムを目指す  -最終処分場をできるだけ長く使用  -経済合理性やエネルギー効率を考慮した   最適なシステム  -超高齢化・人口減少への対応  -迅速かつ適正な災害廃棄物処理

具体的には

① 食品ロスの削減  まだ食べられるのに捨てられている食品が、 日本全体で年間 632 tもあります。フードバン クと連携しマッチングセミナーを開催しました。  また先進的に取組んでいる企業や NGO の皆 さんと連携し、フードロスチャレンジプロジェ クトでモデル事業を実施しました。フードレス キューという動画がホームページにありますの でご覧ください。イオンの協力で「つれてって君」 のシールを消味期限の近づいた商品に貼ってア ピールしました。 ② 使い捨てライフスタイルの見直し  レジ袋の削減やリユース食器の推進の事業に も取り組んでいこうと考えています。  都内でレジ袋をもらっているかアンケートを とったところ、区部と市町村とでは如実に差が 出ました。消費者団体、NGO、販売事業者の皆 さんと一緒に話し合って解決策を作る場も必要 だと認識しています。 ③ エコマテリアルの利用促進  コンクリートなど建設工事から出る廃棄物の 再生資材をもっと使ってもらえるようにしたい と思っています。また、建設泥土(建設汚泥)では、 昨年度、日本建設業連合会と共同で利用促進モ デル事業を実施しました。 ④ 事業系廃棄物の3R のルールづくり  オフィスや商業施設から出る事業系廃棄物の 分別について、統一的なルールづくりが必要と 考えています。2020 年のオリンピック・パラリ ンピックをきっかけに、分別ラベルを作ろうと、 都も入って環境省で検討中です。  これらの取り組みに関しては、東京都だけではで きませんので、先進的に取り組まれている企業や NGO の皆さん、市区町村、リサイクル事業者の皆 さんと連携を密にして、海外との交流も行い、進め ていきたいと考えています。 2016 年 2 月に開催された フードロス・チャレンジ・フェス !

食品ロスの削減

食品ロス削減の観点

 食品廃棄物の発生抑制、

 食料生産に伴う環境負荷(&2

排出、森林減少等)の削減 

 食品の適切な分配

フードバンクとの連携

 マッチングセミナーの開催等

先進的企業・1*2との連携

 年度には、フードロス・チ

ャレンジ・プロジェクトと共同

でモデル事業を実施

動画つれてって!それ、フードレスキュー

使い捨て型ライフスタイルの見直し

再使用や長期使用を考慮した消費行動の重要性

リユース容器の促進、レジ袋の削減など



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参照

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