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木星の質量 ~ZOOM によるオンライン観測 ~ 埼玉県立豊岡高等学校遠藤勇輝咲間智明咲間寛明長谷川颯中虎太 ( 高 2) 抄録私たちは 新型コロナウイルスの影響により学校で観測が出来ず オンライン観測で ガリレオ衛星の周期を観測し そこから得た画像データを使い木星の質量を求めました ケプラーの第三

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Academic year: 2021

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木星の質量 ~ZOOM によるオンライン観測~ 埼玉県立豊岡高等学校 遠藤 勇輝 咲間 智明 咲間 寛明 長谷川 颯 中 虎太(高 2) 抄録 私たちは、新型コロナウイルスの影響により学校で観測が出来ず、オンライン観 測で、ガリレオ衛星の周期を観測し、そこから得た画像データを使い木星の質量を求め ました。ケプラーの第三法則を用いて、各衛星の周期と公転軌道の半径を求め、木星の 質量を導出しました。求めた結果は 16%の差があり、その原因も検討しました。 1 研究の背景と目的 新型コロナウイルスの影響により学校で観測をすることができ なくなったため、研究テ-マを新しく探していたところガリレオ衛星の動きを観測する ことで木星の質量を求めることができるということが「あなたもできるデジカメ天文学」 という参考書で分かりました。学校での観測は夜遅くなることもあり、また集合すると きの場合ひとつの機材に大人数で集まる状況なので生徒一人一人の家で出来るオンラ イン観測をすることにしました。オンラインミーティングソフトの ZOOM は天文部のミ ーティングで使っていましたし、その共有機能を使うと CMOS カメラの制御もオンライ ンでできる事がわかりました。そのため、図 1 のようにオンラインで木星のガリレオ衛 星の運動を観測して周期と軌道半径を求め、最終的に木星の質量をとることにしました。 2 方法 観測 1)観測方法 各生徒が持っているスマートフォン(Andoroid・iPhone)、タブレット(iPad)、パソコン (Windows10)を ZOOM につなぎ、顧問宅の望遠鏡の画像を遠隔操作して撮影しました。 2)機材 鏡筒 タカハシ sky90 (口径9cm、焦点距離500mG)m) 赤道儀 タカハシ PS-2 極軸モーターカメラ駆動 カメラ ZWO ASI294MC 画素のサイズ APS-C(4144pixel×2822pixel) 制御ソフト SHARPCAP Ver3,2 3)観測日時、撮影データ、観測場所、望遠鏡の場所(埼玉県川越市) 記録ファイル形式、1 日につき約 20 枚撮影(図2)

記録画素数 GAIN EXPOSURE [ZWO ASI294MC]を、晴れの日は、「MAX GAIN」を 285 に、 「EXPOSURE」を 0.002827sにし、曇りの日は、「MAX GAIN」 を 285 に、「EXPOSURE」 を 0.018096sに設定しました。撮像は ZOOM の共有操作を使用し、夜の 21 時に部員がソフト の制御をしながらガリレオ衛星の運動を撮影しました。8/4 8/5 8/6 8/7 8/9 8/10 8/11 8/12

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8/13 8/14 8/15 8/16 8/19 8/20 8/21 8/23 の計 20 日間、16 夜測定しました。 4)データ解析 ・原理 木星と衛星との間の万有引力と遠心力のつり合いより GMm r2 =mr(2𝜋 𝑃 ) 2 𝑟3 𝑝2= G 𝑀 4𝜋2ケプラーの第三法則 ケプラーの第三法則から𝑀 =𝑟34𝜋2 𝑃2𝐺 を導出できます。ここで、π =円周率、 G=万有引力定数 6.67 ×10−11(N∙m2/kg2)、M(kg)=木星の質 量である。この公式に木星と衛星の間の距離(r)と公転周期()を代入すると木星の質 量(M)を求めることができます。 ・距離rの測定 観測した日のそれぞれ 20 枚の画像で、マカリを使って木星と衛星の位置を測定しました。 撮れたその画像を画像編集ソフト「マカリ」にかけ、木星と衛星の位置を測定しますが、 衛星が見づらい場合は衛星が見やすいように表示レベル調整して測定しました。次に位置 測定機能を使って、木星の中心座標と各衛星の中心座標を測定しました。 木星と衛星の距離(ピクセル)を引き算して木星と衛星の距離をピクセルで求めました。 これを平均してその日の木星と衛星の距離(ピクセル)としました。 画像の1ピクセルあたりの見かけの角度は、あなたにもできるデジカメ天文学P51よ り、レンズの焦点距離をf、撮影素子の大きさを2d画角を2θとすると、 tan(𝜃) =d f、 が成り立ちます。フォーサーズ(17.3×13mm)のカメラに焦点距離500mm のレンズを付けた時の画角は焦点距離500mmのレンズを付けた時の画角は、 横 tan(𝜃) =17.3 2500⁄ θ = 4.94(度) 縦 tan(𝜗) =13 2500⁄ , ϑ = 3.72(度) となり、横×縦の画角は、9.88度×7.44度になります。ここからピクセル数縦 ×横の値を使って1ピクセルに換算します。(カメラの横方向のピクセル数=4144) をから、画像 1 ピクセルの角度に直します。値は1ピクセル=4.771×10−4°です。

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次に求めた木星からの位置を使って Excel で、衛星の運動をまとめました。それによ って下のグラフ 1 を作ることができガリレオ衛星の公転周期を出すことができました。 衛星の軌道半径はグラフの極大を読みとるようにしました。 読み取った値から、それぞれの観測日の木星までの地心距離を使って、角度を実際の距 離(m)にしました。地球と木星を結ぶ直線(地心距離)、地球と衛星を結ぶ直線のなす 角をθとすると tanθ=衛星の軌道/地心距離です。上で直した角度を使って tanθを出して、地心距 離をm単位でかけてrをm単位で求めました。地心距離6.3988 ×1011(𝑚) は観測した期間の中頃の8/14の値です。 ・公転周期 p の求め方です。 P は下のグラフ 1 から、ガリレオ衛星の運動の周期を出しました。ピークからピークのま での日数としました。いくつかピークが見える場合は平均しました。 ・木星の質量計算方法 rとpが求まったのでこれを𝑀 =𝑟34𝜋2 𝑃2𝐺 に代入すると木星の質量が求まります。 3 結果 グラフ 1 から木星の各衛星の周期を求めることができました。カリスト 16 日、 エウロパ 3.67 日、ガニメデ 6.7 日、で、次に、約 20 日間のデータを使い求めたの が以下の表 1 になります。イオは公転周期に比べて観測の感覚が長すぎたため、正確な 値を求めてられていないので表には表記していません。 表 1 衛星の周期、軌道半径とそれから求めた木星質量 衛星 P(s) r(m) M(kg) カリスト 1382400 1.6893 × 109 1.4916 × 1027(𝑘𝑔) エウロパ 316828.8 5.328 × 108 0.8911 × 1027(𝑘𝑔) ガニメデ 604800 8.843 × 108 1.1108 × 1027(𝑘𝑔) 平均 1.1645 × 1027(𝑘𝑔) 4 考察 私たちは天文年鑑2020を用いてその記述と自分たちの記録を比べました。 木星の参考値は質量1.898 × 1027(𝑘𝑔)で、私たちの記録は1.1645 × 1027(𝑘𝑔)です。参考 値より私たちの記録は小さいことがわかります。この差は方法にあるマカリでの木星と ガリレオ衛星の位置測定時にミス(具体的には位置測定で使う重心(半自動)の半径の

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数字を木星と衛星それぞれのサイズに合わせて指定する作業あるのですが、そのときに それぞれのサイズを正確に指定できていなかったため正確な木星と各衛星の中心座標 がとれていない可能性があること)をしてしまったか、観測期間が悪天候や夏休みの短 縮などのため予定していたよりも少なかったので安定した値がとれなかったなどが要 因にあると私たちは考えます。 次に、私たちの目的の一つであるオンライン観測をトライしてみてのメリットとデメ リットについて考えました。 オンライン観測のメリットとしては、手軽に観測が行うことが出来るという点です。具 体例は 「生徒のペースでやることが出来る・体調が悪くなってしまってもすぐに自身 の家で休むことが出来る」 「学校に行くための時間と機材の準備をする時間が短縮で きる・夜の外出を控える事が出来る」などをあげておきます。 オンライン観測のデメリットとしては、 「インターネットがつながらないと参加できない」「コミュニケーションが取りにくい」 「端末によるネット環境の差、例えば、スマホの場合は、遠隔操作による観測がラグの 影響で行いにくい」などがあげられます。今後はコミュニケーションが取りにくいため、 オンライン観測をおこなう前メンバーと十分に話し合いをしてスムーズに観測をして いきたいです。できれば自宅のパソコンを使うと遠隔操作のときにラグの影響がなくな り、よりスムーズに観測を行えます。 エウロパから出した木星の質量は8.911×1026kgと、天文年間などの値と かけ離れていたため、そのような結果になったのか原因を追求しました。考えられる原 因は、カリストやガニメデは振幅の極大近くのデータが約3つとれていたのに対してエ ウロパは周期が短く、1つしかとれていないため振幅の値が正確に読み取れない物もあ ったためだろうと考えました。そして、明らかに振幅の値からずれていると思われるデ ータを取り除いてもう一度木星の質量を求めた結果1.118 × 1027(𝑘𝑔)となり他の値とも 近づきました。値が大きくずれたのは、振幅のデータが正確に読み取れていなかったこ とが原因と考えました。 5 結論 オンライン観測した木星のガリレオ衛星のデータをマカリで位置測定し、デー タ処理を行って、木星の質量を算出しました。 新型コロナウイルスの影響はありましたが、オンライン観測して木星の質量を求めるこ とができました。 6 参考文献 ・名古屋市科学館 Jupiter Tool http://www.ncsm.city.nagoya.jp/astro/jupiter/juptool.html

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・天文年鑑2020 出版社、株式会社誠文堂新光社 編者、天文年鑑編集委員会 発 行年月、2019 年 11 月 26 日 ・あなたもできるデジカメ天文学 出版社、株式会社恒星社厚生閣 発行者、片岡一成 発行年月、2015 年 11 月 15 日 ・ステラナビゲータ Version9 7 図・グラフ 図 1 オンライン観測での、ネットワーク グラフ 1 木星のガリレオ衛星の周期

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図 2  8月12日の木星と木星の衛星達(左からガニメデ、イオ、エウロパ、カリスト)

参照

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