NII-Electronic Library Service 【論 文】 UDC :624
.
072.
2 :624.
04 日本建築学 会構 造 系 論 文 報 告 集 第 383 号・
昭 和 63 年 1 月 コ ンク
リ
ー
ト
は
り
部 材 断 面
の
曲
げ
終局
限
界点
に
関
す る
研 究
(
その1
) 各
種終 局域 指標 点
と提 案
する曲 げ終
局 限界点
の存
在
メカニ ズム 正 会 員 正 会 員 正 会 員木
塚
野
波
鈴
中
阿
計
昌
夫
*佶
* *幸
** *1.
まえ がき コ ン ク リー
ト構 造 物の耐 震 安 全 性 を 考える場合, 部材 の最大耐力 ばか りでな く十 分な塑 性 変 形 能 力 が必 要で あ る ことは論 をま た ないところで あり,
現 行 新 耐 震 基 準に おいて も一
部その 考え が具 体 化さ れて い る。
し か し, 構 造 物の塑 性 変形 に よ るエ ネル ギー
吸 収 能 力に基 盤 を置く 構 造 設 計 法におい て は,
設計し たコ ン クリー
ト部 材の変 形 能 力を明確に評 価で き る方 法 や,
所 要の じん性 を部材 に付 与す る た めの構造技術の確 立が不 可 欠である。
に も か か わ らず 現 状で は,
部材の塑 性 変 形 能 力 を評価 す る た めの終局域にお け る設 計 指 標 点 や,
そ れを簡 単に算定す る方 法な ど が確立さ れて いない ため, 現 行の設 計 法で は じん性が 明確に設計手 段の“
地 位”
ま で上昇 し てい ない。
本研究は
,
鉄 筋コ ン ク リー
ト (以下RC
と略 記)に も プレ ス ト レス トコンク リー
ト (同PC
)に も通じ る一
般 性の あ るコ ン ク リー
トはり部 材とし てプレ ス トレス ト 鉄 筋コ ン ク リー
ト (同PRC )を 採り上 げ, 曲 げ変形が 卓 越す る場 合の 同部材断 面の変形 能 力 を評 価するた めに 不 可 欠な曲 げ終 局限界 点(以 下 簡 単に終 局 限 界 点と略記) を明 確に提示, 提 案し たもの である。 すな わち, 従来の 研 究に おい て提示さ れて き た各 種の終 局 域 指標点 を採り 上 げて本論で提案する終 局 限 界 点と比 較し,本限 界 点 が,
(i
)材 料の力 学 的 破 壊に とらわ れ ず 断 面の そ れ に立 脚 す る もの で, その存 在の必 然 性が断 面の力のつ り合い メ カニ ズムか ら物理的に説 明さ れ る。 す な わち 明 確 な 物 理 現 象 点 (状 態)と して説 明さ れ る。 (i
の モー
メ ン トー
曲 率 関 係の最 大 耐 力 以降の大変形域に必ず現れ るの で.
同 関係の耐 力 下 降 域 性 状も含め た変形 能 力の評価に有 用 である。
(iii
)基本的な条件下では極めて簡 単な式によっ て算 定 される,
こと などを示し た。
な お,
本 終 局 限 界 点の特 性 値の算 定 式な ら びに そ の存 在の実 験的 検 証な どにつ い て は次回に報告す る。 * 大 阪 大 学 教 授・
工博 * * 大 阪 大 学 助 手・
工 修 *ll 日建 設 計 大 阪 本 社・
工 修 (昭 和 62 年 6月le日 原 槁 受 理 } 2.
各 種の終局 域指 標点曲 げ部 材の破 壊の定義を
,
荷 重 軸ばか りでな く変 形軸 も含めて モー
メ ン トー
曲 率 似 下M −di
と略 記1
曲 線に よっ て行う場 合,
そ の終 局 域の どこに破 壊と して の限 界 点を定 義づける かにつ いて は種々 の考え方が あ ろう。
本 節で はそ の概 要を表一
1にま と め てい る が,
部 材 断 面の 破壊を定 義づけ る各 種の終局域 指標点の主なもの とそ の 特徴につ い て述べる。まず
,
圧縮 部 コ ン ク リー
トの材料特 性に基づ い たM 一
φ曲 線の指 標 点に は次のよ う なものがある。(1 ) コ ン ク リ
ー
トの,
い わ ゆ る終 局ひずみ度])に 基づ く方法がある。
この方 法は各 種の規 準, 指 針な どで よ く用い られて い る が, 終局変形 を求 めるた めとい う よ り,
む し ろ断 面 内の ひずみ 分布を決める ことによっ て終 局曲げモー
メ ン ト(Mu )の計 算 値 を算 出す る こ とを目 的と す る もの である。
ま たこの圧縮 縁ひずみ度の時 点を 境と して曲 げ破 壊が進 行す る とい う実験 的な経 験 も加 味 さ れて い る と考え ら れ る。
これに対し,
(
2
) 部 材の圧縮 側 最 外縁コ ンク リー
トの応 力 度が ひ ずみ軟化 域におい て圧 縮 強 度F
,の0.
9
倍 2 )あ る い は 0.
5 倍3) に低 下する時 点 を 部 材の終 局 破 壊 時と する方 法は,
終 局変 形を算 出する ために必要な最 外 縁 終 局ひずみ度を そ の よ う な応 力低 下 時の ひずみ度と して与える こと を目 的と し たもの と考え ら れ る が,
こ の 方 法で は, O.
9F 。 ある いは O.
5F 。時が何 故 終 局時と な る かの物 理 的 意 味 が あい まい であ る。 また,
こ の点のM ,
φ値は算 定 式 で はな く逐 次解析に よっ て の み求め られ る とい う不 便さ が ある。
(
3
) コ ンク リー
トの応 力度一
ひずみ度曲線の状 態を 表現 する ス トレス プロ ッ ク係数h
,,k2,
h
,を用い て,
断 面 曲げ 圧縮域にお け るk
,/1e,h,の値が最小と な る時 点 が提 示さ れ てい る が4・
5),
これ は,
その 時 点 以 前に引 張 鉄 筋 (お よ び圧 縮 鉄 筋)が降伏する単 筋 (複 筋 )長 方 形RC
ばり の場 合,
次の (1), (2 )式 から分か る ように断 面の最 大モー
メ ン ト時 と一
致す る という物理的 意 味を持 つ。
しか し,h、
/k
、hs
が最 小とな る時 点 以 降に引 張 鉄 筋一 49 一
N工 工一
Eleotronio Library表
一
1 コ ン ク リー
ト曲 げ 部材の終 局 域 指 標 点お よび提 案す る終 局 限界 点 材 科 特 性 に 関 連 す る も の 断 面 の M19 特 性 に 関 連 す る も の 研 究 者 等 1) 各 国の コー
ド等 2) lyenger他 3 》 岡 本 伸 4】 森田司 郎 他 5) Hognes【ad他 6) 六 車 熙 7) Ghosh 他 8) R.
Park 9) 岡 本 伸 10) 本 岡 順二 郎 他 ll−・
16) 筆 者 ら 終 局 域指標 点・
圧 縮 縁コ ン ク リー
トひずみ 度が終 局ひずみ 度 (Ecu )に 達す る時 点 (εcu ≒ 0.
2〜
0.
4% ) 圧縮縁ゴ ン ク リー
ト応 丿Jが・
0,
9Fc 2冫 に達 する時 点。
3) 0.
5Fc tl・
曲げ 圧縮ス ト レスブロッ
ク係警
晶
‘
鯉
融 ’と な 0 εc’
曲 げ 圧 榔 ト レスブ゜・嘱
数klk3 が酘大 と なる時 点・
最大 モー
メ ン ト時点 M Y。α・
Mmax になる時点 (α:0.
8〜
0.
9) M・
終 局 限 界 点.
す な わ ら 〔C二
T)max ( i_
e_
厂正縮 合 力@
諞弼1 合 力の鮫大値 )とな る 点 ML 一 ノ ●rj 卜 展鋼 破断
点 . .i
! 座 塒点9
主特 徴 ・
断
面 の 終局 曲げモ ー メ ント 計 値を耳出 す る た めte
必 要 なひずみ条件と し の恵
味 の方 が 大 き いo
. ・定義に 恐 意性 がある た め
物
的
意 味が 明確
でな い。 ・ 断 面 のM一 伊 関係にお け 特性 点 と直
的
te 対応 し な い 。 ・ 引 張およ び圧 綿 筋 が ともに降 伏して
い る とき の み断而
最大
モ
ー
メン ト時
と対応
する。 。..・般
には、
引 、 圧締鉄 筋 量 などに よ ってM−V 曲 線 上 におけ 降 伏 耐力点 やMma _ な どと
の 位 蹤 関 係 が 変化する 。 ・ 引 張・ 縮 軸袖 強筋 が ともSC 降伏 していると きみ
断
面内中立
軸 深さ
の 最 小 時 と対応する。
・
一 には、引張 、 圧 縮鉄筋 慰 な どによってM− e 曲線SC
お け る降伏耐力
や
Mmax 点な ど と の 位置
係
が変 化す る。・
明 確な 物理 的 意 味を
有する ・ 特 別の
合
を除 き、そ の時 点の
算定 は 一 股的に 困 難あ
る。 。Mmax 以 後 のM− V 性状を
価で きない。 ・Mmax 以 後の変形能 力も考 慮 で る 。 a の 設定lcms 意性 があ
るた め 物 理 的 意 味 が 明確 で な い 。 。 計や
実 験によってM− 9曲線
全体 が確
し
な い と求 まら ない
。 ・ 明確な物
理的意 をも っ てい る 。 B 比較 的 簡 単 な計算によってその時点のM,pが直 椄に
算出 き る。 ・Mmax 以 後の大変形t c 必ず現 わ れ るた
め 、M
− se 関 係 の耐 力 降 性状の 評 価に役立つ 。 。C時
点 以 降s抵 抗 モー メン ト が 急 落するた め 断 の終局 破壊点 と考え れる。 ・ く り返し荷 電下で の安定限 界曲率の推定 に 有 用である 。IT )や
圧 縮 鉄筋 が降伏す る断 の場合には , 同指標点 が最 大 耐力点以前に現れ る こ もあ り ,終局 域 おける曲げ変
形の限界点を論じ
る立場からは常に有用な指 点になる とはいい難い。Mu
=bdtF
。q
i1
−qt
il
,〆klk ,)単筋ばり)………(
1
)Mu
=bd2F
.qtll
−7dCi
−
(lt 1 一 γ) 1k2
/hi
} (複
筋t まり ) ・… 一 一 ・t
− ・一 一一・(2
)ここで,
b, d:は りの幅 と 有効 せ い:圧縮縁
かり圧
縮鉄筋 重 心 位置 まで
の距 離at
,a
.:引張鉄筋およ
び圧縮鉄筋断面積Fc,
ay
:コンクリ ート
強度,鉄の
降伏点 強 度 qt ニα、ay /bdF
。 , ; a 。 /αt dc 、 =dc
/d
(j
ス トレス ブロック係 数のiCihs の値
が最 大値と なる時点6 }は,同時点以 前 に 引張鉄 筋 およ圧縮鉄
筋が
ともに
降伏する長方形RCばりの
場
合
,中
立
軸
深
さ Xnが
次
の(
3)式
で
与えら ることか ら,ユ :
n
=(1
一 γ )q まd
/ k es ・…
一 ・ ・・・ ・ … 一・ … 一 ・・ 一… (3
Xn が最
小と なる 時点 , す なわち曲げ 圧縮
側 の 最小 コ ンクリート断 面積で引 張合 力 を支 持する と い う曲 圧縮 部コ ン クリ ー ト の1 つの限 界 時 点に
対応する。しかし, 同 指標 点 は 次 に述べ る 理 由か ら,はり断 面の 終 局破
壊 点 と直 接関 連 す るも の では ないと考えられ る 。(i
)(h 、h
,max 時
NII-Electronic Library Service 率 時で も圧縮鉄筋に よ る曲げ圧縮 力分担が増 加 して Xn は減少す る た め
,
(h
、h
、>max と (Xn)m 血 時は必 ずし も一
致 し ない。
さ らに,
(iD
本 指 標 点は, 部 材 断 面 内 の圧縮 部コ ンク リー
トの特 性の み に依 存 する指標 点であ る た め,
鉄筋のひずみ硬 化の影響に よ る耐 力 上 昇がある よ う な 場合に は最大モー
メ ン ト以 前に出現し12),
終 局 域 指 標 点とし て実 用 上利用 しに くい面を もっ てい る。 次に,
断 面のM 一
φ曲 線 上の特性点に よっ て定 義さ れ る終 局 域 指 標 点につ いてのべ る。
(5 ) 最大耐力 点は極めて明確な物理的 意 味をもつ 終 局 域 指 標 点η で あ る が,
断 面じ ん性に考慮すべ きであ る と考え ら れ るMm 。
x 点以 降のM 一
φ 曲線の下 降 部 分は 当然な が ら評価で き ない 。 ま たM 一
φ関 係 上で のその点 の算定は,一
般の複筋は りの場 合に は,
コ ンクリー
トお よび鉄 筋の 応 力 度一
ひずみ度 (以下 s−
s と略 記 )関 係 が極めて簡単に モデル化さ れ た もの を用いる と きでも容 易ではない。
(6) M一
φ曲 線の下降 部分 におい て, 最大モー
メ ン トの 80 %8 )ある い は 90 %9・
】°} と なる耐力時点を終 局 域 指 標 点とする方 法は,
(5)のMma
,,に よ る方 法に比べ,
最 大 耐 力を超え た よ り大きい範 囲ま での変形 を 断面じ ん性 に考慮する こと を可 能とする が, 0.
8Mma
、あ るい は0.9
Mmax 時 を終 局 時と す る物理的 意 義があい まい で ある。
さらに同 指 標 点は,
断 面の逐次 解 析 もしくは実験によっ て最 大 耐 力 点以降の部分 も含むM 一
φ曲 線 が 得ら れ た後 に定 まるもので簡単な計算か ら直接 算 出で き る もの では な い。
すな わち, どのよ う な断 面に た い し て も設計の段 階で こ の点の M , φを簡単に算 出す ることはで き ない。
(7) 以 上 述べ て き た各種の終局 域 指 標 点に対 し,
本 報 告で は曲 げモー
メ ン トに対す る抵 抗メカニ ズム の基本 であ る断 面の 力のつ り合い状態に立 脚 する,
次に示す よ う な特 徴 を 持つ終 局 限 界 点 を提案す る11『
16)。
すな わ ち (i
>明 確な物理的 意 味を もっ て いる,
(ii
)比較的容易 な計 算によっ て直接的に算 定で き る,
GiD
M 一
φ関係が じ ん性 的 ある い はぜい 性的ないずれの場 合でも, 最大 耐 力 点 以 後の変 形 域に必ず 現れ るた め M一
φ関係の下降性 状の評 価に役 立つ , お よ び 臼V
) 同 指 標 点 以 降で は引 張 鋼 材 合 力が急 落する た め抵抗モー
メ ン トM が大き く低 下 する。 な お,
本 報 告で は材 料に立 脚した終 局 域 指 標 点と断 面 に立 脚し た そ れ とを示し ている が,
将来の じん性 率 設 計 を目指す本論で の基 本 的 立場は,“
断 面の終 局 域 指 標 点 は材 料で はな く あ く まで も断 面の力 学 的指標点に基づ く べ きで ある”
という点に あ ることを 強 調し たい。
これ は あ た かも“
骨 組 架 構の 1か所に ヒ ンジ がで きて も その時 点を架構の崩壊で は なく始ま り と 考 え,
真の崩 壊は架 構 内に順 次ヒ ンジ が生 成 して メカニ ズムに達し た と き”
,
と する の に対 応して いる。 すな わ ち断 面の 局 部 的 な 材料 素 材の破 壊は必 ずしも断 面の破壊を意味し ない こと,
を その ま ま素 直に評 価して い こう とい う立場に た っ て い るQ さ ら に付け加え る な ら ば,
終 局 限 界 点 (L 点 )はM 一
φ関 係に お け る最 大モー
メ ン トを超えた変形 域に現 れ る もの であるが, この よ う なM 一
φ関 係 上の下 降 部 分 に位 置す る点に設 計 指標点を求め る の は次の ような理由 による。
q
) 後 述す る 図一
1に示す よ うに,
最 大 耐 力 点か らL
点 までの耐 力低下は余り大き く ないの に対 しL
点以 降で の耐 力 低 下は き わ めて大き く,
同点時は部 材の実質 的な崩 壊時点に対応す る と考え ら れ る。 (i
の コ ンファ イン ドコ ンク リー
トの利 用という構 造 手 法 を用い れば,M 一
φ関係の 下降領域に お い て も 多 数 回繰返 し荷重に対す る安 定 性 (繰 返し荷 重による耐 力 低 下が極め て小さい こ と)が容 易に得ら れ る17切 で,
そ の よ うな構 造 手 法 を 採ることに よっ て塑性域を積 極 的に設 計に利 用する こ とを考え て い る。 (iji
) 大 変 形 域に現れ るL
点ま で設 計 時の変 形を許 すの で はな く,
この点 を吸 収エ ネルギー
能力 (すなわ ち 変 形 能 力 )に基づ く安 全率の尺度の基準 点と して利 用し よ う と する。
3.
提 案 する終局 限 界点とその存在メカニ ズム 3,
1 提案す る終 局 限 界 点 前節に示し た よ う に,
終 局 域における指 標 点に は各 種 の もの が あ る が,
通 常の断 面の M一
φ関 係 上で そ れ ら指 標点が どの よ う な位 置 関 係にある かを示すと 図一1
の よ うに な る。
同 図 よ り提案す る終 局 限 界 点 (L 点一Limit
のL
)は ほ かの 指 標 点に比べ 最も変形の大きい領域に 現れ, ま た その値は次報で示 す よ うに算 定で き るので断 面じ ん性の評 価に は極めて有 用な点であるが, こ のL
点とし て は さ らに次の よ う な 3 種類の もの が定 義で き る。
li
) [C =T
]max.
点 (記 号:Lc
)(麺)
PC
鋼材破断点(同 :Lρ)
(
iiD
主筋 座 屈 点(同 :
LBu
)Lc
点は曲げ部 材断 面 内の 力のつ り合い状 態に対す る 1つの限 界 点と して定義さ れ る。 すな わ ち後に詳 述す る が,断 面 曲 率や 圧縮縁ひずみ度な ど が あ る値 を超え ると, 圧 縮 部コ ン クリー
ト合 力はコ ンク リー
トの ひずみ軟 化 性 質 (最 大 応 力 度 点 を超え るひずみを うけると徐々 に支 持 耐力 を減ずる性 質)に よっ て 減少す る た め,
部 材 断 面で は変形の増 大に伴っ て増 加 ある い は一
定 値を保つ 引 張 鉄 筋 (鋼 材)の合力 を支 持で き な く なる限 界 (i.
e.
[C
! T]max.
), 換 言 す れ ば引張 鋼 材 合 力 (ひずみ〉の減少 が 生 じ な け れば断 面 内の力のつ り あい状 態を保てなくな る限 界が存 在し,
こ の時 点がLc
点で あ る。
第 2の Lp 点は,
PC 鋼 材の伸び能 力が小 さいた め 大一
51
一
N工 工一
Eleotronio Library( 霞 ゐ )
岩
∈ 。 囲 400 200 0 2.
0 4.
0 6,
0 8.
OCurvature
(×10
一
シ(m)
図一
1 断面の モー
メ ン トー
曲 率 関 係上 に お け る各種 終 局 域 指 標 点お よ び終 局 限 界点 変形 域でPC
鋼 材が破 断 するこ とに よっ て起こ る終局 限 界であ る。
なお, 引 張 鉄 筋の破 断に よ る限 界 点も考え ら れ る が, 引張 鉄 筋の伸び能 力はPC 鋼 材の そ れ に比 べ格段に大きい た め, 通 常のPRC
断 面で は引張 鉄 筋 破 断 時がPC
鋼材破 断 点 (Lρ点 )に先 行する こと は ほ と んどない。
そ れ故,
本 報では鉄 筋 破 断の限 界点を取り上 げないが同点の誘 導は Lp 点の場 合と同 様に行え る。
第 3のLBu
点は主 筋の座 屈 時で定 義さ れ る限 界点で あ る。
これは, 圧 縮 鉄 筋の座 屈の た めに生 ずる 圧縮 合力 の 減少に よって,Lc
点と同 様の限 界点が生 ずる と考え ら れ ること, な ら びに, は りある い は柱の軸 筋は 正負 交 番 荷重下に おいて座 屈 を起こすと,
座 屈 を生じた荷 重 方 向と は逆 方 向の荷 重 時に引 張 破 断を起こ して部 材の終 局 破 壊を生 じ さ せ る傾向がある こと11 ),
な どか ら 1つ の終 局 限界と し て取 り扱う必 要がある と考え ら れ る限 界 点で あ るe しか し, 軸 筋の座 屈に関す る研 究は最近 よ う や く な さ れるよ うに な り, 単 純な荷 重 状態下での 圧 縮 軸 筋の 座 屈 を推 定 する ことも可 能と なっ て き たIS) もの の, 軸 筋の座 屈 性 状 を一
般 的に解 明で き る までに は至っ ていな い た め, 本 研 究で は圧縮鉄 筋 は 座 屈 を 起 こ さないと仮 定 し た。 し た がっ てLeu
点につ い て は稿を改め て報 告す る。 3.
2Lc 点の存在メ カニ ズム 終局 限界 点 Lp 点の存 在 原 因は PC 鋼 材 破 断とい う 明 確な もの である の で,
以 下では終 局 限 界点Lc
点が何故 存 在す る か の メカニ ズム につ い て 考 察する。
3.
2.
1 鉄 筋 コ ン ク リー
ト単 筋は り断 面の 場 合 Lc 点の 存 在メカニ ズムの本質は後述の一
般 的な曲げ 部 材の 場 合で も まっ た く同 様である の で,
説 明お よ び 理 解が容易に行え る最 も基 本 的な場 合 を取り上 げる。 すな わ ち,
対象 断 面はコ ン ク リー
ト曲 げ部 材の基 本で あ る RC の単 筋は り で, その終 局 域で は引 張 鉄 筋が降 伏する 断 面と す る。
ま た引張 鉄 筋の性 質は完 全 弾 塑 性とする。まず
,Lc
点が存 在する ことの 直接の原 因とな る圧縮 部コ ン ク リー
ト合力の性 状につ い て述べ る。 図一
2 (a) は,
引 張 鉄 筋ひずみ度 を ある値 (j ε。t)に固 定し た状 態 下で圧縮縁 コ ンク リー
トひずみ度 ε。を増 加さ せ て中立 軸深 さ (x。)を 大き く し て いっ た と き,
断 面 内の圧縮 応 力 分 布は Xn (ε。)の増 加に し た がっ て 同 図 右 側に示 す よ うに推移 して い くが,
そ の時の圧 縮 合 力 C の変化 を Xn に対し てプロ ッ ト したもの である。
図一
2 (b)は,
図一2
(a)で示 し たC −
Xn 関 係 をい くつかの 丿ε。t (j
;1
〜
5,
のの場合につ い て具 体 的な は り断 面 を 用い て示し た もの で ある.
同 図か ら分か る よ う に,
C−
Xn 関 係には 重 要な次の 2種の特 徴が あ る。 (D
図一
2 (a)に示さ れる よ うに ε。
t が一
定の状 態で x。 を増 加さ せ る,
言 い か え れ ばXn と1:1対応 す る 圧縮縁 ひずみ 度 ε、
を増 加 させ る と,
中 立 軸 深さXn の増 大によっ て圧縮 部面積は 増 大す る が,
同図中の応 力 分布の変 化に示さ れ る よ うに コンク リー
トの ひずみ軟 化 性 質による著し い応 力低 下も 同 時に生じ る た め,C −
Xn 関 係は結 局ピー
ク を もつ 曲 線 と な る。
〔の 図一
2 (b
)によ れ ばC −
Xn 関 係にお け る 合 力 C の最 大 値は ε。tが大きい場 合ほ ど小さ く な り,Lc
点は圧 縮 合 力C
の この性 質に起 因 して生 ずる。
次に,
図一
2中に併 記す る引 張鉄 筋の合力 T−
e。t関 係 と C−
Xn 関 係とか ら断面内の 力の つ り合いが成 立する ひ ずみ分布につ い て考 察する。
な お,
終 局 限 界点 Lc 点で は通 常 引 張鉄筋は降 伏して い る た め, 引 張 鉄 筋 合 力が一
52
一
NII-Electronic Library Service
η
}
← 350m−
H
§ Oo ◎ ¢ 慝 OO 卜⊥
(断 面 )讐
4−
D25 Fc=
240 (Kg/Ci) σy=
4000(K殉 ) ?=
・O.
153 σ C下
Fc コ ン ク リー
トの 応 カー
ひずみ関 係 → εCk−
Fc→1
→ C 」7n の”
’
一
一一
冒
一
冒
力のつ りあい 成立時l
I ひ ずみ分 布
一
一
1−一
断 面 内一
F
ξ
ひずみ 分 布冒
,
冒
ナ εst一
一
11−一
, c一
繝触
1 ロ 断 面内 応 力分 布噛
’=
’ 、 Ty → T 、 引張鉄筋の 、 丶 合 カー
ひずみ 丶 丶.
’ζ
’ 関 係の↓
ψ 冖 図一
2 (a} Lc 点の存 在メカニ ズム説 明 図 〔そ の 1>π
目
難
⊥
ト
ー−
350顧一
爿 (断 面 ) 引 張 鉄 筋 一 一 4−
D25 Fc=
240 σy=
4000 多=
0.
153 硯TFc
コ ンク リー
トの 応カー
ひずみ 関 係 εoXLC → εc ドー
Fc矧〜
→陰
C一
工n 二 =一
_
一
二 == = 二 :: 断 面 内ひずみ 分 布 (カのつりあい 成 立時) ル 4 3 51
断 面 図応力分布 力の つ りあ (成 立 時 251.
=
・一
’ε・t一
11饒
誤
懲
〜い
’=
1旨
旨
→ T Ty 、\
丶\ 1
\
\
\ 2 丶 ll 丶 、 1 丶丶 丶
、
丶 丶 丶\
丶
或
、
、丶
εst、
3 %1
旨
,過
一
一
一
一
一
1
一
一一匍
一
9 (:imaginary )3
) 図一
2 (b) Lc 点の存 在メカニ ズム説 明図 (その 2}Ty
と なっ て い る状態 を考える。 図一
2 (a>に 示 す引 張 鉄 筋ひずみ度力 ε。εの場合,
引 張 合 力の 大き さはTy
で あ るか ら力のつ り合い (C =T
,)を満 足 するときの中 立 軸 位 置 (ひずみ分 布 )は,
同 図に示す よ うにTY
ライン と C−
Xn 関 係と の交 点で与 え ら れ,
そ の時の ひずみ分布 お よ び 応 力 分布は同図中の太 線のよ う に な る。図一
2(b) において, 」ε。tが増 加 して い く (j
=
1−
4)場合の 力の つ り合いが成 立す るひずみ分布は,
図一
2 (a>の場 合 と一
53
一
N工 工一
Eleotronio Library同様に し て 同 図中に示す よ うに順 次 求める こ と が で き る
。
し か し, こ こで重要なこと はC −
Xn 関 係は先に述べ た よ う に,
εst が大き く な るとその ピー
ク時のC
の大 き さ を減 少させ る とい う特 徴 を持つ ため,
本 例で は jε。
tがC−
x.関係の ピー
ク点で 鞠 線と接す る と きの 、ε。tを 超 え る と,
tε。t の場 合のC −
Xn 関 係の よ うに 乃 線 と交 点 を持た な く な る。
言いかえれ ば,
鉄 筋ひずみ度が 、ε。
t よ り も大きい場合, 断面ひずみ分布に おいて中 立 軸 深さを 大き く して,
し た がっ て圧 縮 縁ひずみ度 を大き く して曲 げ 圧縮力 を う け る 面積を大と して も,
ひずみ軟 化 性 質の た め に 圧縮部コ ンク リー
ト合 力の劣 化 を補いき れ な く な り,C
・T
. を満足す る断 面の応 力・
ひずみ状 態は存 在 し な く な る。
そ れ 故 断 面内の力のつ り合い条 件を満足 す る た めには, 図一2
(b
)中の鉄 筋引張 合 力図に示す よ うに T 合力をTy
か ら減 少 さ せ る,
あるい は,
ひずみ の面か ら見れ ば引 張鉄 筋 ひずみ度を4 ε。tか らs εSt ま で減 少さ せ る必 要が あ る。 こ の と きの 力のつ り合い が成 立す る ひずみ分布は,
引張 鉄筋ひずみ度は sε。tと減少す る が 圧 縮 縁ひずみ度は中立軸 深さの増大 に よっ て急 増す る 同 図 中の ノ;
5の場 合の よ う に な る。 本研究でいう終局限 界 点Lc 点は,
この 引張 鉄筋合力あ るいは同 鉄 筋ひずみ 度が減 少し始め る 限界点 (図一
2 (b
)の 例に よれ ばノ諞 4 点)であ る。 し た がっ て, 同 限界 点は最 大の引 張 鉄 筋 合 力に よ る力のつ り合いが成立す る時点 [C =T
]max と なり, 言いか え れ ば引 張鉄筋ひずみ 度 が最大 と な る 時 点である。
終 局 限 界点 付近 に お け る断 面 曲 率は, 図一
2 (b
)の ひずみ分布の推 移か ら分か る よ うにLc
点 を越えて も増 加す る。一
方,
曲げモー
メ ン トはLc
点 以 降に お い て,
断 面 曲 率が増 加す る に も か か わ らず引張 鉄 筋ひずみ度が 減 少,
す な わ ち引 張 鉄 筋 合 力が減 少し,
かつ 中立 軸 深さ が 大 と なっ て応 力中心距 離が小と な る ため急 落 し,
M 一
φ曲線は急激な下降性状を 示す もの とな る (図一
1 参 照)。
3.
2.
2一
般 的な曲げ部 材 断面の場 合本 項では引張 鉄 筋に ひずみ硬 化の ある場 合
,
軸 力 やプ レ ス トレ ス トカ が作用す る場 合 お よび圧 縮 鉄 筋が用い ら れ る場 合な ど,一
般 的 なコ ンクリー
ト曲 げ 部 材 断 面に お け るLc
点特性につ いて考 察す る。
図一
2に おける説 明で示し た よ う に引張鉄筋の降伏耐 力が Tyで ある断 面の Lc 点は,
T。 に等しい ピー
ク高さ を持っC −
x 。曲 線と 鞠 線との接 点,
す な わ ちC −
Xn 曲 線の ピー
ク時 点に対 応して与え ら れ る。 し た がっ てTy
値が ε。
,=
0の場 合の C−
Xn 曲 線の ピー
ク高さ以 下な ら ば, その範 囲 内の任 意の ピー
ク高さ をもつC −
Xn 曲 線は E。tの値に対 応して得ら れてT
合 力線と接点を有す るこ と に な る の で,
コ ン クリー
ト曲げ部材 断 面のLc
点は一
般 的に存 在 する ことにな る。 図一
3は以 下に述べ る各ケー
ス で のLc
点時に お け る 丁合 力と C−
Xn 曲線との関係を示し た もの であ る。
まず,
1● ⊃ 1● 〕 一 圧 縮鉄筋 (断 面 ) 引張鉄 筋 一 ● ● σcT
コ ンク リー
トの 応 カー
ひずみ関 係 Fc → εC \ → C ∫n 丶賦
騰 該
筋合力銀
◎一
曽
一
一
各Lc 点 時で の胃
1駻
齢
需
断面 内ひずみ 分布 1}
一
47211−−
I Il
一
一
3 11lll l I11 各Lc点 時での 11C一
露n曲 線 窪 著 煢≠=
些 l t L 、 1 、 、、
軸 力i 1−
1
→ TCaseD し 、 、 \\
\
\
、 、 、丶 \\ 丶
\
、
、 丶、
丶 丶 丶 丶、
、
ブ=
1 丶一
2、
、
、
、
、
、
、
』
3 〔九一一一
スト一一一一
レ ス加_
一一一
一一一
冒
一一一一一
い 「一醢
、 : CaseB 引 張 合 力 CaseCCa5eA 丶、
丶丶
丶
、、
、
、
、、r
一
鴫
4___一一一
CaseE トー
Fc− i
ラ 時 布 点 内 分 面 力 各 断 応ゴ
蜘 引 張 鉄 筋の 合 カー
ひずみ関 係 図一
3一
般 的 曲 げ 部材断面に おける Lc 点 (模 式 図 )一
54
一
NII-Electronic Library Service (
i
) 引張鉄筋の断 面積や降 伏点強 度な ど が大き く なっ て,
その降 伏 耐 力Tyが増 大し た場 合 :図一
3中に おけるケー
ス A と ケー
ス B を比 較 すると増 加 し たTy
に等しい ピー
ク高さを持つC一
銑 曲 線は, 前 述し た その 特 性か ら,
ケー
ス A で の鉄 筋ひずみ度 (本 例で は s ε。t) に比べ より小 さい εst (同2 εst)に よって与え ら れ,
ま たTy
の増 加に よっ てLc
点で の Xn はより大 き く なる た め,
ケー
ス B で の Lc 点に お け る曲 率は ケー
スA
の 場 合に比べ 小さ く なる。 すな わ ち鉄 筋・
鋼 材 係 数 q。p が 大に な る と靱性は小と な ること がこれに よっ て説 明さ れ る。
(iD
引張鉄筋にひずみ硬 化が あ る場 合 :引 張 鉄 筋の 支 持 耐 力は ε。tの増加に伴っ て増 大す る が,
これ は降 伏 耐 力の 1種の増 大と み な し う るの で,
(i
)の場 合と同 様に取り扱っ て良く, こ の ケー
ス でのLc
点は図一
3中 の ケー
スC
で尓 す よ う に,C −
Xn 曲 線の ピー
ク高さ とひ ずみ 硬 化域に あ るT
合 力 と が等 し く なる ε。
t (本 例で は 2εSt)時点で与え ら れ る。 (i
の 軸 力 (N
)が作用す る場 合 : こ の ケー
ス で は,
Lc 点の存在メ カニ ズム の基 礎と な る断 面の 力のつ り合 い式は (圧 縮 合 力)=
(引張 鉄筋 合力+軸 力 )で与えられ,
また軸 力は ε。
t やε。
の値 とか か わ りな く一
定値を保つ の で, Lc 点は図一
3 中の ケー
スD
で示さ れ る ように,
軸 力の大き さの分だ けT
の大な る方向に移 動し たT −
e。t 関 係とC −
Xn 曲 線が接する時 点で与え ら れ るこ とに な る。 また (Ts+1V)に等しい ピー
クを もつC −
xπ曲 線は,
同 ピー
ク値が Tyで あるケー
ス A の場合の E。tよ り も小 さい ε。t (本 例では 1 ε。
t>時に与え ら れ,
中立軸深さXn も大とな る ため, 乙c 点での 曲率は軸力の 無い場 合に比 べ小さくな る。
な おプレス ト レス トコ ンク リー
トの場 合 は,
有 効 プレ ス トレスカ (P
)を軸 力と考え,
断 面 変 形 の増 加に よっ て生 じ て く る PC 緊 張 材の合 力 増 分 を 鉄 筋 引 張 力と同 様のもの とみ なせば, 軸 力のあ る場 合に準 じて取り扱え ることにな る。
qv
) 圧縮 鉄筋 が あ る 場 合 : こ の ケー
ス で の圧 縮 合 力 はコ ンクリー
トによ る 圧縮力と鉄 筋の そ れ との和 とな る の で,C −
Xn 曲線は図3
中のケー
スE
に示す ように,
圧 縮 鉄 筋の無い場 合の同曲 線に鉄 筋 によ る 圧縮 力を加 算し た破 線で示す もの と な る。
そ れ故,
同じ ピー
ク値 を持つC−
x.曲 線は, 圧 縮 鉄 筋が無い場合の εst (本 例で は3 εSt) よ りもよ り大き な εSt (同4 ε。t)の と きに得 られる こ と になり, また圧 縮 鉄 筋が ある場合の 方が中 立 軸 深さコσ。 も小と な る た め,
Lc 点 時 曲 率は無い場 合のそ れ に 比べ 大き く な る。
4.
まとめ 構 造 部 材の破 壊 安 全 性 を応 力軸のみでな く変 形 軸 も含 めて評 価す る場 合,
変 形 能 力の定 量 化が 1つ の キー
ポイ ン トと な る。
本研究で は,一
般 的な コ ンク リー
トは り部 材 とい え るプレス トレス ト鉄筋コ ン ク リー
ト (PRC
) は り部 材で,
曲 げ変 形が卓 越 する場 合にお け る同ばり断 面の変形 能 力の算 定に不 可 欠 な,
終 局 曲 げ破壊に対する 指 標点,
すな わち曲 げ終 局 限界点につ い ての考 察を行っ た。 得られた主な結 果 を以下にま と め る。
1. PRC
はり断 面の 曲 げ終 局 限 界 点と して次の 2種 の もの を提 案し た。
第 1の もの,
Lc
点は,
曲げ 圧縮 部 コ ンクリー
ト合 力の ひずみ軟化性 質に起 因す るもの であ る。 断 面 内の力のつ り合い メ カニ ズムか ら,Lc
点は力 のつ り合いが成 立す る最 大の引張 鋼 材合 力 を 与 え る時点 で あ り,
言いか え れ ば断 面 曲 率が増 大す る に も か か わ ら ず 引 張 鋼 材ひ ず み度が減 少 し始め る時 点で あ る。 第 2の もの,Lp
点は伸び能 力の小さ いPC
鋼 材の破 断 に よ る 限 界点であ る。2.
限 界 点Lc
点およびLp
点は従 来の終 局 域 指 標 点 に比べ 次の ような特 徴 を 有して お り,RC ,
PRC ,
PC
は り断 面の終 局 変 形 能 力の定 量 化に極め て有用で あ る。
(
i
) その存 在が断 面 内の力のつ り合い メ カニ ズム に よっ て説 明づ け られ, 物理的な意 義が明 確であ る。 と く にLc
点は従 来の終 局 域指標点の よ う に,
引 張 側 鋼 材 と は無 関 係に圧縮 部コ ン ク リー
トの材料 性質だ けに依 存す る もの では なく,
断 面 内の力のつ り合い に基づ く,
部 材 断面と して の ク リティカル ポ イン トで あ る (図一
2,
3 参照)。(
ID
既往の指 標 点と異な っ て Lc 点お よ びLp
点 は い ずれ も,
断 面の モー
メ ン トー
曲 率 関 係 上の最 大 耐 力 点 以 降の大変形 域に現れ る。 また そ れ ら限 界 点 以降で は曲 げモー
メ ン トが急 激に低 下するなどの特 徴を 示 し,
部 材 断 面の終 局 曲 げ破 壊に対す る有効な指標 点であ る (図一
1
参 照 )。 な お,
本 報 告で は曲 げ終局 限界 点の特 徴ならびに そ の 存 在メカニ ズム につ いて考察し た が, 次報で は,
引 張 鉄 筋お よ びPC 鋼 材の ひずみ硬 化 を 無 視 し た最も基 本 的 な場合,
お よ び引 張 側 鋼 材のひずみ 硬 化 を 考 慮 した場 合 の 同 限 界 点 特 性 値の算 定 式, な らびに本終 局 限 界 点に対 す る実験 的 検 証 等につ い て報 告す る。
ま た,
本 終 局 限 界 点 を有効に設計に利 用し て い く上で不 可 欠 なコ ンク リー
トの応力 度一
ひずみ度 特 性の定 量 化等につ い ては別 報に て述べ る予定で あ る。謝 辞 本研 究に際し御 助 力 を 得た, 田 岡 登君 (現 大林組)
,
吉 崎 宏 樹 君 (現 大 林 組)お よび大学 院 生 井上 和 政君 に 謝意を表し ま す。 参考文献 1) 角 田 与 史 雄 :部 材の設 計 (そのユ)一
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156,
1987一
56
一
NII-Electronic Library Service
SYNOPSIS
UDC:624.072.2:624.04
ULTIMXI'E
LIMIT
INDEX
POINTS
OF
CONCRETE
FLEXURAL
MEMBERS
-(Part
1)
Mechanism
of existencefor
ultimatelimit
index
points
by KAZUO SUZUKI, Prof,of Osaka Univ., Dr. Eng,, [:ADASHI NAKrrI'SUKA, Research assistant of
Osaka
Univ. and MASAYUKI rwANO, Nikken Sekkei Ltd.
Members of A.I.
J.
Successfulevaluation of
deformation
capacity of concreteflexural
members and techniques to make themem-bersductileare essentiai toseismic
design
methods6ased
on energy absorption capacity of concrete structures,Design
index
pointsand equations,however,
tocalculate ultimatedeformation
capacity of themembers are not established, so that,ductility
of the members and the structures is not utilized in current seismicdesign
methods.The object of this
investigation
is
to propose and presentdistinctly
a new ultimatelimit
index
pointin
the softeningbranch
of moment-curvature relationfor
more reasonable and effective estimation ofductility
ofpartial-ly
prestressedconcretebeams
as generalconcreteflexural
members. Following cenclusions are obtainedfrom
themvestlgatlon.
・
(
1)
Mechanism of existence of two ultimate limitindex pointsproposed
herein,i.e.
pointsLc
andLp,
are explainedphysicaliy,
The
peint
Lc,
which iscausedby
strain softening characteristics of concrete, isdefined
as thatat which themaxiTnum totaltensileforce
occured inprestressedand ordinary reinforcements(T)
(
==total compressionforce
in
c6ncrete(C))
takes placeina flexuralsection,i.
e.[C=::
T]
max., or at which strain in the tendonreaches themaximum value. The pointLp
isdefinedas that at which fractureef tendons occures.(
2)
The
pointsLc
andLp
are very useful toevaluate thedeformation
capacity takingaccountfor
falling
be-haviorof the moment-curvature relations of concrete flexural members
because
thosetwo points always appear sufficiently inthe stage oflarge
deformation
after the rnaximum moment,which isdiffered,
from
otherlirnit
indexpointsinultimate state proposed previously.